JP2015132408A - リジェネレイティブバーナの蓄熱体自動撹拌装置 - Google Patents

リジェネレイティブバーナの蓄熱体自動撹拌装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 蓄熱体に付着する付着物の除去作業を人力によらず、機械化による自動攪拌装置で行うことにより、付着物の除去が容易にでき、作業時間の短縮と作業能率および運転効率の良いリジェネレイティブバーナの蓄熱体自動撹拌装置を提供する。
【解決手段】リジェネレイティブバーナ1の蓄熱室2に充填された蓄熱体3に付着する付着物を除去する自動撹拌装置である。蓄熱室2の外部に設置した往復運動するシリンダ4の先端部に先端金具7を取り付け、前記先端金具7をラチェットレンチ8に固着することにより往復運動を回転運動に変える。回転運動は蓄熱室2の内部に配設した回転軸9および回転羽根15を取り付けた撹拌棒16を回転して蓄熱室2内を撹拌すると共に、シリンダ4は電磁弁40により押・引動作制御し、撹拌棒16を一定時間撹拌した後自動停止する。
【選択図】図1

Description

本発明は、リジェネレイティブバーナの蓄熱室に充填されている蓄熱体の外周面に付着する排ガスダストやスケールなどの付着物を除去するための蓄熱体自動撹拌装置に関するものである。
従来から、各種工業炉の燃焼装置として、高い熱効率が得られると共に、大幅なNOxの発生を抑制し、省エネルギーに優れた燃焼システムとして、蓄熱体を利用し廃熱を回収し、燃焼用空気を予熱するリジェネレイティブバーナシステムが多く採用されている。
そのリジェネレイティブバーナシステムは、バーナと蓄熱体とを組み合わせたバーナ装置を炉内に少なくとも一対配設し、一方のバーナの燃焼時には、該燃焼バーナに対して燃焼空気を蓄熱体を介して供給し、燃焼空気を蓄熱体の蓄熱で熱し、他方の非燃焼バーナでは、炉内の排ガスが蓄熱体を介し吸引して蓄熱体で熱交換することにより蓄熱し、次の燃焼時に蓄熱体で燃焼空気を加熱するようにして交互に切り替え燃焼するものである。
このリジェネレイティブバーナで用いられる蓄熱体は、蓄熱室内に適度の圧力損失をするように隙間を設けて充填されており、外気の燃焼空気と炉内の排ガスがその隙間を通過する時に蓄熱体に当たり、効果的に蓄熱の役割を果たすが、一方で、加熱炉に用いた場合には、その隙間に未燃焼カーボンなどの排ガスダストが付着しやすく、また溶解炉に用いた場合には、溶湯の処理用フラックスなどが付着して蓄熱体の目詰まりが短期間で発生した。
目詰まりが生じると、空気の流路が狭くなり、流通し難くなって圧力損失が大きくなり燃焼用容量が低下するので、蓄熱体を取り出して付着物を取り除くか、あるいは新規なものに交換しなければならず、その度に炉を止めているので連続運転ができず、作業効率が非常に悪いという問題があった。
付着物を取り除く手段としては、蓄熱室の側面から導入した突き棒を人力によって、前方に押したり、後方に引いたり、右方向に回転したり、左方向に回転したりして蓄熱体を動かすことにより、蓄熱体と蓄熱体を接触させて外周面に付着する排ガスダストなどを除去することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−132444号公報
しかしながら、前記特許文献1の突き棒での人力による付着物の除去は、突き棒が棒鋼製で重量があり、蓄熱体の重量と相俟って突き棒を持って手動で前後方向や左右回転方向に回すのが重労働になり作業者の負担が大きくなる。また、手動であるから突き棒の付近の限られた狭い範囲内で蓄熱体が移動するだけであり、蓄熱室全体にわたっての撹拌にならず、蓄熱体同士のぶつかりも少なく、付着した付着物が多く残り十分に除去することができないといった問題点がある。
本発明は、上記のような問題点を解決することを課題として研究開発されたもので、蓄熱体に付着する排ガスダストなどの付着物の除去を人力によらず、機械化による自動攪拌装置で行うことにより付着物の除去が容易にでき、作業時間の短縮と作業能率および運転効率の良いリジェネレイティブバーナの蓄熱体自動撹拌装置を提供するものである。
上記の課題を解決するため、本発明に係るリジェネレイティブバーナの蓄熱体自動撹拌装置は、蓄熱室の外部に設置した往復運動するシリンダの先端部に先端金具を取り付け、前記先端金具をラチェットレンチに固着することにより往復運動を回転運動に変え、回転運動は蓄熱室の内部に配設した回転軸および回転羽根を取り付けた撹拌棒を回転して蓄熱室内を撹拌すると共に、シリンダは電磁弁により押・引動作制御し、撹拌棒を一定時間撹拌した後、自動停止することを特徴とする。
これによれば、回転羽根を有する撹拌棒で撹拌することにより、蓄熱室内の蓄熱体と回転羽根が直接接触したり、攪拌による蓄熱体の転動や移動により蓄熱体同士が激しくぶつかりあい付着した付着物が短時間で容易に除去できる。また、先端金具を取り付けたラチェット機構を有するラチェットレンチを用いているので、従来の往復運動を回転運動に変えるクランク機構に比べて構造が簡略化できると共に、市販品の先端金具とラチェットレンチを用いるので安価で至便になる。
また、前記撹拌棒は、中空回転軸の外周面に複数個の回転羽根を取り付けてあり、回転軸に嵌着し容易に嵌脱できるように構成してあるのが望ましい。これによれば回転羽根が破損すれば中空回転軸と回転軸の嵌着を外せば速やかに取り換えることができる。
さらに、前記撹拌棒の回転羽根は、外周面に切欠部を設けた略円板状であり小回転羽根と大回転羽根とで構成するのが望ましい。これによれば、小回転羽根と大回転羽根の回転に伴う蓄熱体に当たる場所が異なり、蓄熱体を大きく攪拌することができ付着物の除去率が高くなる。また、撹拌棒の外周面に切欠部を設けてあるから、蓄熱体との引っ掛かりが増して付着物を積極的に取り除くことができる。
また、前記撹拌棒の回転羽根には蓄熱体が通過できる大きさの透孔を複数個穿設してあるのが望ましい。これによれば、蓄熱体の撹拌中に蓄熱体が透孔を通過することになり、その際に孔壁面と接触することにより付着物が取れる。また、回転羽根には、切欠部と透孔を設けてあるから重量が軽くなって回転時の抵抗力が少なくなり必要トルクの軽減化が図れる。
上述のように、本発明に係るリジェネレイティブバーナの蓄熱体自動撹拌装置は、シリンダの往復運動を回転運動に変えるラチェット機構を有するラチェットレンチにより回転軸を蓄熱室内で回転可能とし、前記回転軸および回転羽根付を取り付けた撹拌棒を回転することにより、多数の蓄熱体を撹拌でき蓄熱体の外周面に付着する排ガスダストなどの付着物を除去して蓄熱体の目詰まりを自動で防止することができ、作業時間の短縮化が図れ、極めて効率的に蓄熱体に付着する付着物を清掃することができる。また、簡素化された装置は部品数も少なく、最小限の改造および省スペースで既存の設備に設置することが可能である。
蓄熱室の内部を示す簡略縦断面図である。 前部カバー部を示す簡略正面図である。 シリンダと先端金具付きのラチェットレンチの連結状態を示す簡略側面図である。 シリンダと先端金具付きのラチェットレンチの動作説明図である。 大小の略円板状の回転羽根を示す正面図である。 上記の回転羽根が中空回転軸に取り付けられ攪拌棒とした状態の側面図である。 略円板状の回転羽根を示す正面図である。 上記の回転羽根が中空回転軸に取り付けられ攪拌棒とした状態の側面図である。 長円状の回転羽根を示す正面図である。 上記の回転羽根が中空回転軸に取り付けられ攪拌棒とした状態の側面図である。 短長円状の回転羽根を示す正面図である。 上記の回転羽根が中空回転軸に取り付けられ攪拌棒とした状態の側面図である。 短長円状の回転羽根を示す正面図である。 上記の回転羽根が中空回転軸に取り付けられ攪拌棒とした状態の側面図である。 略三角形状の回転羽根を示す正面図である。 上記の回転羽根が中空回転軸に取り付けられ攪拌棒とした状態の側面図である。 自動制御のフロー図である。
以下、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明すれば、1はリジェネレイティブバーナであり、一対のバーナが燃焼と排気とを交番して行い、一方が燃焼を行う間、他方は炉内の燃焼済みガスを排気し、これが帯びる熱をバーナ本体内部の蓄熱室に蓄える。そして、燃焼時に燃焼用空気を蓄熱室に通して予熱することにより、廃熱を回収し燃焼効率の改善を実現するものである。このリジェネレイティブバーナ1の蓄熱室2にはアルミナボールなどの蓄熱体3が多数充填されていてそれぞれのアルミナボールなどの蓄熱体3はそれぞれ点接触している。
4は蓄熱室2の外部にある前面カバー部5の受台6に配設した圧縮空気により往復運動するエアシリンダであり、エアシリンダ4の先端部にY先部とする2山先端具金具7を取り付けてあり、この2山先端具金具7の下端部とラチェット機構を内蔵するラチェットレンチ8の上端部とを固着し一体化してあり、エアシリンダ4の往復運動を回転運動に変えるようになっている。前記のラチェットレンチ8は、従来から知られている公知のものを使用することから内部構造などの説明は省略する。
9は蓄熱室2の前部と後部で支持され、前後長さ方向に配設された回転軸であり、一端部が蓄熱室2から突き出て前壁10を貫通し、蓄熱室2の外部に突出している。この回転軸9の一端部にインパクトレンチソケット11を溶接しラチェットレンチ8のソケット12に嵌めボルトナット13で一体的に固着してあり、この回転軸9とラチェットレンチ8が90度になるよう固定されている。
14は蓄熱室2の長さと略同じ長さの中空回転軸であり、その中空部に前記の回転軸9が挿通固着されていると共に、中空回転軸14の外周面の長さ方向に所定間隔毎に回転羽根15を溶接して撹拌棒16を形成している。回転羽根15の形状は、図5、図7に示すように、正面から見て外周面の所定間隔毎にU字状の切欠部17を設けると共に、中心からの同心円の位置に90度の間隔毎に蓄熱体3より大きい透孔18を4個穿設してある。また、撹拌棒16は回転羽根15が破損した場合を考えて、回転軸9との固着を容易に着脱できるようになっている。
この回転羽根15は、図6に示すように、大きさの異なる小回転羽根15a,大回転羽根15b,大回転羽根15b,小回転羽根15aの順序に配列したり、図8に示すように、同じ大きさの回転羽根15,15を所定間隔毎に配列する場合がある。大きさの異なる大小回転羽根15a,15bの場合には、小回転羽根15aと大回転羽根15bの蓄熱体3に当たる位置が異なることから、蓄熱体を大きく撹拌でき移動、転動が増し付着物を除去できる。
また、同じ大きさの回転羽根15の場合には、回転羽根15による蓄熱体3の当たる位置が略同じで画一的な撹拌となり移動や転動は少なくなるが、抵抗力が少なくなって破損が少なくなる利点があることから、このような形状を採用することもある。さらに、外周面の所定間隔毎に形成されたU字状の切欠部17により蓄熱体3との接触が増して付着物の除去が向上する。また、透孔18の径が蓄熱体3より大きいので、蓄熱体3が透孔18を通過したり、当たる時に孔壁と接触し付着物を除去できる。
回転羽根15の形状としては、前記の外周面の所定間隔毎にU字状切欠部17を設けた略円板形の他にも、例えば、図9に示すように、正面から見て長円形状の回転羽根25とし、図10のように回転羽根25を中空回転軸14に対して直交に溶接したり、図11、図13に示すように、短長円形状の回転羽根25とし、図12のように、中空回転軸14に対して傾斜するように溶接したり、図14に示すように回転羽根25を中空回転軸14に対してハ字状に溶接したりすることもある。
さらに、別な形状として図15に示すように、正面から見て頂点が切除された略三角形状の回転羽根35とし、中空回転軸14に対して直交に溶接する場合があり、前記の長円形および短長円形回転羽根25と較べて幅広くなり、蓄熱体3との接触率が向上すると共に、頂点のない切除部分とも接触して移動、転動を高めることができる。回転羽根15は、この他にも種々考えられるが、形状、枚数、位置などは適正に選択することにより、蓄熱体3に付着した付着物を効率よく除去できる。
このように構成された、リジェネレイティブバーナの蓄熱体自動撹拌装置の自動制御を図17のフローチャートで説明すると、40は高圧エア電磁弁、41はストップバルブ、42はエアフィルタ、43はフレシキブルチューブ、44はニードルバルブである。燃焼開始と同時に高圧エア電磁弁40が開いて撹拌が開始される。高圧エア電磁弁40から出た高圧エアは配管内を通過しエアシリンダ4を往復運動させる。予め設定していた時間で高圧エア電磁弁40が切り替わり流れの方向が逆方向になる。シリンダ4の先端部に先端金具7を取り付けたラチェット機構を内蔵するラチェットレンチ8により往復運動は回転運動に変えられ、エアシリンダ4を押した時に力が加わり攪拌され、引いた時にラチェットギアが切り替わり、ラチェットが初期の位置〈押す前の位置〉に戻る。設定時間になると自動的に攪拌が終了する。
以上、本発明の実施の形態においては、中空回転軸に同一間隔で同一形状の回転羽根を取り付けたもので説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、形状が異なる回転羽根の場合でも適用でき、本発明の目的を達成でき、かつ本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の設計変更が可能であるのは言うまでもない。
本発明は、溶解炉、加熱炉など各種の工業炉に使用されるリジェネレイティブバーナの
蓄熱体に付着する付着物の除去作業に用いる自動撹拌装置として利用可能である。
1 リジェネレイティブバーナ
2 蓄熱室
3 蓄熱体
4 シリンダ
7 先端金具
8 ラチェットレンチ
9 回転軸
14 中空回転軸
15 回転羽根
15a 小回転羽根
15b 大回転羽根
16 撹拌棒
17 切欠部
18 透孔
19 電磁弁
25 回転羽根
35 回転羽根
40 電磁弁

Claims (4)

  1. リジェネレイティブバーナの蓄熱室に充填された蓄熱体に付着する付着物を除去する自動撹拌装置であって、
    蓄熱室の外部に設置した往復運動するシリンダの先端部に先端金具を取り付け、
    前記先端金具をラチェットレンチに固着することにより往復運動を回転運動に変え、
    回転運動は蓄熱室の内部に配設した回転軸および回転羽根を取り付けた撹拌棒を回転して蓄熱室内を撹拌すると共に、
    シリンダは電磁弁により押・引動作制御し、撹拌棒を一定時間撹拌した後、自動停止する
    ことを特徴とするリジェネレイティブバーナの蓄熱体自動撹拌装置。
  2. 前記撹拌棒は、中空回転軸の外周面に複数個の回転羽根を取り付けてあり回転軸に嵌着し容易に嵌脱できるように構成した
    ことを特徴とする請求項1に記載のリジェネレイティブバーナの蓄熱体自動撹拌装置。
  3. 前記撹拌棒の回転羽根は、外周面に切欠部を設けた略円板状であり小回転羽根と大回転羽根とで構成した
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のリジェネレイティブバーナの蓄熱体自動撹拌装置。
  4. 前記撹拌棒の回転羽根には蓄熱体が通過できる大きさの透孔を複数個穿設した
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のリジェネレイティブバーナの蓄熱体自動撹拌装置。
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