JP2015132362A - シールリング及びシールリング付車輪支持用転がり軸受ユニット - Google Patents

シールリング及びシールリング付車輪支持用転がり軸受ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】外輪2の外周面に付着した水分が、この外輪2の外周面を伝って内部空間15に侵入する事を防止すると共に、使用状態でオゾンに曝らされ易い環境で使用される場合でも、内径側シール材25の各シールリップ24d〜24fのシール性能を十分に維持できる構造を実現する。【解決手段】シールリング14cを構成する芯金17bを、防錆性を有する金属製とする。又、前記内径側シール材25の外周縁部を、この芯金17bの円輪部20aの径方向中央位置よりも径方向内方に位置させると共に、この円輪部20aの軸方向外側面のうち、前記内径側シール材25の径方向外周縁よりも径方向外方位置に、露出部27aを設ける。更に、前記円輪部20aのうち、この露出部27aの径方向外方に、当該部分を覆う状態で、その外周縁部が前記外輪2の外端部外周面よりも径方向外方に突出した外径側シール材28を設ける。【選択図】図2

Description

この発明は、外気に曝らされる環境下で使用されるシールリング、及び自動車の車輪を懸架装置に支持する為のシールリング付車輪支持用転がり軸受ユニットの改良に関する。
自動車の車輪は、例えば図12に示す様な、シールリング付車輪支持用転がり軸受ユニット1により、懸架装置に対し回転自在に支持する。このシールリング付車輪支持用転がり軸受ユニット1は、特許請求の範囲の外径側軌道輪部材に相当する外輪2の内径側に、特許請求の範囲の内径側軌道輪部材に相当するハブ3を、複数個の転動体4、4を介して回転自在に支持して成る。このうちの外輪2は、外周面に懸架装置に支持固定する為の静止側フランジ5を、内周面に複列の外輪軌道6、6を、それぞれ設けている。又、前記ハブ3は、ハブ本体7と内輪8とをナット9により組み合わせ固定したもので、外周面に複列の内輪軌道10、10を有する。又、前記各転動体4、4は、これら両内輪軌道10、10と前記両外輪軌道6、6との間に、各列毎に複数個ずつ、それぞれ保持器11、11により保持された状態で転動自在に設けられている。
又、前記ハブ本体7の軸方向外端寄り部分で、前記外輪2の軸方向外端開口部から突出した部分には、特許請求の範囲に記載したフランジに相当する、回転側フランジ12を設けている。この回転側フランジ12には、複数本のスタッド13の基端部を支持固定しており、これら各スタッド13によりこの回転側フランジ12に、車輪を構成するホイールを支持固定できる様にしている。
又、前記外輪2の軸方向外端部内周面と前記ハブ3の軸方向中間部外周面との間に、シールリング14を装着して、これら外輪2の内周面とハブ3の外周面との間に存在し、前記各転動体4、4を設けた内部空間15の軸方向外端開口部を塞いでいる。又、前記外輪2の軸方向内端開口部をカバー16で塞ぐ事により、この軸方向内端開口部から前記内部空間15内への塵芥や雨水等の異物の侵入防止、及びこの内部空間15内に充填したグリースの外部への漏洩防止を図っている。尚、軸方向に関して内とは、車両への組み付け状態で幅方向中央側を言い、同じく外とは、幅方向外側を言う。
尚、図示の例では、前記各転動体4、4として玉を使用しているが、重量の嵩む自動車に組み込む、シールリング付車輪支持用転がり軸受ユニットの場合には、各転動体として円すいころを使用する場合もある。又、ハブ本体と内輪とを結合固定する為に、図示の様にハブ本体7の軸方向内端部にナット9を螺合固定する構造に代えて、ハブ本体の軸方向内端部を径方向外方に塑性変形させて形成したかしめ部により、このハブ本体に外嵌した内輪の軸方向内端面を抑え付ける事もできる。更に、図示の例は、従動輪(FR車、RR車、MR車の前輪、FF車の後輪)用のシールリング付車輪支持用転がり軸受ユニットである為、ハブ本体7が充実体であるが、駆動輪(FR車、RR車、MR車の後輪、FF車の前輪、4WD車の全輪)用のシールリング付車輪支持用転がり軸受ユニットの場合には、ハブ本体の中心部にスプライン孔を、このハブ本体を軸方向に貫通する状態で設ける。
何れの構造の場合も、各転動体を設置した内部空間の軸方向外端開口部のシールに関しては、外輪の軸方向外端部内周面とハブ本体の軸方向中間部外周面との間に設けた、シールリング14により図る。これに対して、前記内部空間の軸方向内端開口部のシールに関しては、従動輪用の場合には、図示の様なカバー16、又は外輪の軸方向内端部内周面と内輪の軸方向内端部外周面との間に設置した組み合わせシールリングにより、駆動輪用の場合には、組み合わせシールリングにより、それぞれ図る。
前記内部空間15内への異物侵入防止と、この内部空間15内に充填したグリースの漏洩防止とを十分に図る為には、この内部空間15の軸方向両端開口部を十分にシールする必要がある。特に、この内部空間15の軸方向外端開口部をシールする為のシールリングに就いては、回転側フランジ12の軸方向内側面に沿って径方向内方に導かれた異物が前記内部空間15内に入り込むのを防止する為に、優れたシール性能を要求される。しかも、この内部空間15の軸方向外端開口部に関しては、図12に示す様な、カバー16によるシールは行えない。
この様な事情に鑑みて従来から、転動体を設置した環状の内部空間の軸方向外端開口部をシールする為のシールリングとして、各種構造のものが考えられている。図13は、特許文献1に記載されたシールリング14aを示している。
このシールリング14aは、それぞれが円環状に形成された芯金17とシール材18とから成る。このうちの芯金17は、金属板製で、外輪2の軸方向外端部内周面に内嵌固定された円筒状の嵌合筒部19と、この嵌合筒部19の軸方向外端部から径方向外方に向けて直角に折れ曲がった円輪部20と、この嵌合筒部19の軸方向内端部から軸方向外側に向けて180度折り返されると共に径方向内方に向けて折れ曲がった内径支持部21とを備える。又、前記シール材18は、ゴムの如きエラストマー等の弾性材製で、前記芯金17に加硫接着により結合固定されており、前記円輪部20の周囲を覆った円輪状の堰部22と、前記内径支持部21の軸方向外側面に支持された基部23と、この基部23から延出する状態で設けられた3本のシールリップ24a、24b、24cとを備える。
上述の様な構成を有する従来構造のシールリング14aの場合、径方向外端部に設けた前記堰部22を、前記外輪2の軸方向外端部外周面よりも径方向外方に突出させている。これにより、この外輪2の外周面に付着した泥水等の水分が、この外輪2の外周面を伝って内部空間15に侵入する事を有効に防止できる(堰き止める事ができる)。
但し、前記シールリング14aの場合、加硫成形時に、加硫反応、揮発性添加剤の拡散、及び冷却等によって、前記シール材18の体積が収縮する事に起因して、次の様な問題を生じる可能性がある。
前記シール材18の体積が収縮する際、このシール材18のうちで、前記芯金17に接着されていない、例えばシールリップ24a〜24cは、引っ張り応力が生じない状態に変形できる。これに対し、前記芯金17に接着された、例えば堰部22及び基部23は、この様な変形ができない為、当該部分に残留引っ張り応力が発生し、特にこのうちの堰部22のうち、前記芯金17を構成する円輪部20と軸方向に重畳する部分に、大きな残留引っ張り応力が発生する。又、この様にして生じる引っ張り応力は、前記シール材18のうちで、前記芯金17に直接接着された内部側部分よりも、ゴム分子の配向や架橋の影響が加わる表面側部分で局所的に大きくなる傾向がある。
又、シール材を形成する弾性材料として、ニトリルゴム等に適宜添加剤を配合したゴム組成物が広く使用されているが、この様なゴム組成物にはオゾン劣化という欠点がある。特に、車輪支持用転がり軸受ユニットに装着されるシールリングに広く使用される、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のジエン系加硫ゴムは、引っ張り応力下でオゾンに曝らされると、オゾンとゴム分子とが反応して分子鎖が切断され、応力方向と直角方向の亀裂を発生させ易い。又、オゾンは、車両の排気ガスの多い場所、水銀灯やキセノンランプ等が点灯されている場所で、濃度が高まる事が知られており、道路は、オゾン濃度が高い場所の典型である。
従って、前記シールリング14aのうちの堰部22は、その表面部分に、残留引っ張り応力が発生し易いだけでなく、前記シールリング14aの装着状態で外部に露出しオゾンに曝らされ易い事から、オゾン劣化に基づく亀裂が発生する可能性がある。そして、この様な亀裂が径方向(円周方向に対して直角方向)に発生した場合、この亀裂が径方向内方に進展して、シールリップ(例えばサイドリップ)の根元部分にまで達すると、シールリップによる緊迫力が低下し、必要とされるシール性能が得られなくなる可能性がある。
特開2012−131452号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、外径側軌道輪部材の外周面に付着した泥水等の水分が、この外径側軌道輪部材の外周面を伝って内部空間に侵入する事を有効に防止できると共に、使用状態でオゾンに曝らされ易い環境で使用される場合でも、オゾン劣化に基づいてシールリップによる緊迫力が低下する事なく、必要とされるシール性能を十分に維持できる構造を実現する。
本発明のシールリング及びシールリング付車輪支持用転がり軸受ユニットのうち、本発明のシールリングは、外気に曝らされる環境下で、使用時に回転する内径側軌道輪部材の外周面と使用時にも回転しない外径側軌道輪部材の内周面との間に存在する内部空間の端部開口を塞ぐ為に使用されるものであり、芯金と、この芯金に加硫接着された弾性材製のシール材とを備える。
このうちの芯金は、金属板製で全体を円環状とされたもので、前記外径側軌道輪部材の端部内周面に内嵌固定される円筒状の嵌合筒部と、この嵌合筒部の軸方向片端部から径方向外方に向けて折れ曲がり、その外周縁部が前記外径側軌道輪部材の端部外周面よりも径方向外方に突出すると共に、その軸方向他側面を前記外径側軌道輪部材の端面に直接又は間接的に突き当てられる円輪部と、前記嵌合筒部の軸方向他端部に連続する状態でこの嵌合筒部よりも径方向内方に設けられた内径支持部とを有するものである。
前記内径側シール材は、この内径支持部の軸方向片側面に支持された基部と、この基部から延出する状態で設けられ、その先端縁を前記内径側軌道輪部材の表面に全周に亙り摺接させる少なくとも1本のシールリップとを有するものである。
特に本発明のシールリングにあっては、前記芯金が、防錆性を有する金属製である。又、前記円輪部の軸方向片側面のうち、前記内径側シール材の外周縁部よりも径方向外方位置に、その表面が外部に直接露出した露出部が全周に亙り形成されている。
上述した様な本発明のシールリングを実施する場合には、例えば請求項2に記載した発明の様に、前記芯金の径方向外端部に、前記円輪部の外周縁部から軸方向他側に延出した状態で折れ曲がり部を形成する。
又、本発明のシールリングを実施する場合には、例えば請求項3に記載した発明の様に、前記芯金の径方向外端部のうち、前記露出部よりも径方向外方部分を覆うと共に、その外周縁部が前記外径側軌道輪部材の端部外周面よりも径方向外方に突出した外径側シール材を設ける。
又、請求項3に記載した発明を実施する場合には、例えば請求項4に記載した発明の様に、前記外径側シール材の軸方向片側面に、軸方向片側に延出する外径側リップを設ける。
又、請求項3或は請求項4に記載された発明を実施する場合には、例えば請求項5に記載した発明の様に、前記外径側シール材の一部を、前記円輪部の軸方向他側面を覆う状態で設ける。そして、この円輪部の軸方向他側面を、前記外径側シール材を介して、前記外径側軌道輪部材の端面に突き当てる。
更に、上述の様な本発明を実施する場合には、例えば請求項6に記載した発明の様に、前記内径側シール材を、導電性を有する弾性材により造る。そして、この内径側シール材を前記外径側軌道輪部材及び前記内径側軌道輪部材の表面にそれぞれ接触させる。
これに対し、本発明のシールリング付車輪支持用転がり軸受ユニットは、内周面に外輪軌道を有し、懸架装置に支持された状態で回転しない、外径側軌道輪部材である外輪と、外周面のうちでこの外輪軌道と対向する部分に内輪軌道を有し、この外輪と同心に配置された、内径側軌道輪部材である、例えばハブ本体と内輪とを組み合わせて構成されるハブと、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体(例えば玉又はころ)と、前記ハブの外周面のうちで、前記外輪の軸方向外端開口部よりも軸方向外方に突出した部分に設けられた、前記ハブに対し車輪を支持固定する為のフランジと、前記外輪の内周面とこのハブの外周面との間に存在する内部空間の軸方向外端開口部を塞ぐシールリングとを備える。
そして、本発明のシールリング付車輪支持用転がり軸受ユニットの場合には、前記シールリングを、上述した本発明のシールリングとしている。
上述の様な構成を有する本発明のシールリング及びシールリング付車輪支持用転がり軸受ユニットによれば、外径側軌道輪部材の外周面に付着した泥水等の水分が、この外径側軌道輪部材の外周面を伝って内部空間に侵入する事を有効に防止できると共に、使用状態でオゾンに曝らされ易い環境で使用される場合でも、オゾン劣化に基づいてシールリップによる緊迫力が低下する事なく、必要とされるシール性能を十分に維持できる。
先ず、外径側軌道輪部材の外周面に付着した泥水等の水分が、この外径側軌道輪部材の外周面を伝って内部空間に侵入する事を有効に防止できる理由は、シールリングを構成する芯金に、その外周縁部が前記外径側軌道輪部材の端部外周面よりも径方向外方に突出すると共に、その軸方向他側面をこの外径側軌道輪部材の端面に直接又は間接的に突き当てられる円輪部を設けているからである。即ち、前記外径側軌道輪部材の外周面に付着した泥水等の水分が、この外径側軌道輪部材の外周面を伝って端部に流れた場合でも、前記円輪部の軸方向他側面のうち、この外径側軌道輪部材の端部外周面よりも径方向外方に突出した部分により、前記水分が内部空間に侵入する事を有効に防止できる。
又、使用状態でオゾンに曝らされ易い環境で使用される場合でも、オゾン劣化に基づいてシールリップによる緊迫力が低下する事なく、必要とされるシール性能を十分に維持できる理由は、前記円輪部の軸方向片側面のうち、前記シールリップを設けた内径側シール材の外周縁部よりも径方向外方位置に、この内径側シール材により覆われていない露出部を全周に亙り形成しているからである。即ち、本発明の場合、前記内径側シール材よりも外部に近く、オゾンに曝され易い位置に前記露出部を設けている。言い換えれば、前記内径側シール材をオゾンに曝らされにくい径方向内方位置に配置している。又、前記内径側シール材のうちで、前記円輪部の軸方向外側面を覆う部分をなくすか、又は小さくできる為、前記内径側シール材に作用する残留引っ張り応力を小さくできる。この為、前記内径側シール材にオゾン劣化に基づく亀裂が発生する事の防止を図れる。又、請求項3に記載した発明の様に、前記内径側シール材とは別に、前記円輪部の径方向外端部分に外径側シール材を設けた場合でも、この内径側シール材とこの外径側シール材との間には前記露出部が設けられている(径方向に連続していない)為、この外径側シール材に発生したオゾン劣化に基づく亀裂が径方向内方に進展して、前記内径側シール材のシールリップの根元部分にまで達する事もない。従って、この内径側シール材のシールリップによる緊迫力が低下する事を防止できる。尚、本発明の場合、前記芯金を、防錆性を有する金属製としている。この為、この芯金の円輪部に設けた露出部が、水分により錆びる事の防止を図れる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、図12のA部に相当する拡大断面図。 同第2例を示す、図1と同様の図。 同第3例を示す、図1と同様の図。 同第4例を示す、図1と同様の図。 同第5例を示す、図1と同様の図。 同第6例を示す、図1と同様の図。 同第7例を示す、図1と同様の図。 同第8例を示す、図1と同様の図。 同第9例を示す、図1と同様の図。 同第10例を示す、図1と同様の図。 同第11例を示す、図1と同様の図。 本発明の対象となるシールリング付車輪支持用転がり軸受ユニットの1例を示す断面図。 従来構造の1例を示す、図12のA部に相当する拡大断面図。
[実施の形態の第1例]
図1は、請求項1、2、7に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の特徴は、シールリング14bを構成する内径側シール材25にオゾン劣化による亀裂が発生するのを防止する為の構造にある。この様なシールリング14bを装着する車輪支持用転がり軸受ユニットに就いては、図12に示した構造と同様のものを採用できる他、従来から知られた各種構造を採用できる為、車輪支持用転がり軸受ユニット全体の図示並びに説明は省略し、以下、前記シールリング14bを対象に詳しく説明する。
前記シールリング14bは、それぞれが円環状に形成された芯金17aと内径側シール材25とから構成されている。
このうちの芯金17aは、ステンレス鋼板等の防錆性を有する金属板製であり、嵌合筒部19aと、円輪部20aと、湾曲部36と、折れ曲がり部26と、内径支持部21aとを備えている。
前記嵌合筒部19aは、前記芯金17aの径方向中間部に設けられた円筒状部分であり、外輪2の軸方向外端部内周面に内嵌固定されている。
又、前記円輪部20aは、前記嵌合筒部19aの軸方向外端部から径方向外方に向けてほぼ直角に折れ曲がった状態で設けられており、その外周縁部が前記外輪2の軸方向外端部外周面よりも径方向外方に突出している。
又、前記湾曲部36は、断面円弧状で、前記嵌合筒部19aと前記円輪部20aとの間部分に存在する。
又、前記折れ曲がり部26は、断面円弧状で、前記芯金17aの径方向外端部に、前記円輪部20aの外周縁部から径方向外側且つ軸方向内側に湾曲する様に延出した状態で設けられている。
更に、前記内径支持部21aは、前記嵌合筒部19aの軸方向内端部から軸方向外側に向けて略U字形(略コ字形)に180度折り返されると共に、径方向内方に向けて折れ曲がった状態で設けられている。
前記内径側シール材25は、例えばアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のジエン系加硫ゴム製で、前記芯金17aに、加硫接着により結合固定されている。又、前記内径側シール材25は、前記湾曲部36及び前記嵌合筒部19aの内周面、並びに前記内径支持部21aの軸方向外側面に支持された基部23aと、この基部23aから延出する(基端部を連続させる)状態で設けられた3本の接触式のシールリップ24d、24e、24fとを備える。
又、本例の場合、前記内径側シール材25の外周縁部の径方向位置を、前記円輪部20aの内周縁部とほぼ整合する位置としており、前記円輪部20aの軸方向外側面、及び軸方向内側面には、シール材を設けていない。この為、前記円輪部20aの軸方向外側面全体(径方向全幅に亙る範囲)に、その表面が外部に直接露出した(内径側シール材25により覆われていない)露出部27を全周に亙り設けている。
上述の様なシールリング14bは、装着状態(嵌合筒部19aを外輪2の軸方向外端部内周面に内嵌固定した状態)で、前記円輪部20aの軸方向内側面を、前記外輪2の軸方向外端面に対して、直接突き当てると共に、前記各シールリップ24d〜24fの先端縁を、ハブ3の軸方向中間部外周面又は回転側フランジ12の軸方向内側面に、全周に亙り摺接させている。尚、図1、及び後述する図2〜11には、各シールリップ24d〜24fの自由状態での形状を示している。
以上の様な構成を有する本例の場合には、前記外輪2の外周面に付着した泥水等の水分が、この外輪2の外周面を伝って内部空間15に侵入する事を有効に防止できると共に、使用状態でオゾンに曝らされ易い環境で使用される場合でも、オゾン劣化に基づいて前記内径側シール材25の各シールリップ24d〜24fによる緊迫力が低下する事なく、必要とされるシール性能を十分に維持できる。
先ず、前記外輪2の外周面に付着した泥水等の水分が、この外輪2の外周面を伝って前記内部空間15に侵入する事を有効に防止できる理由は、前記シールリング14bを構成する芯金17aに、その外周縁部が前記外輪2の端部外周面よりも径方向外方に突出すると共に、その軸方向内側面を前記外輪2の軸方向外端面に直接突き当てられた円輪部20aを設けているからである。即ち、この外輪2の外周面に付着した泥水等の水分が、この外輪2の外周面を伝って端部に流れた場合でも、前記円輪部20aの軸方向内側面のうち、前記外輪2の端部外周面よりも径方向外方に突出した部分により、前記水分が前記内部空間15に侵入する事を有効に防止できる(堰き止める事ができる)。又、本例の場合、前記芯金17aの径方向外端部に、断面円弧状の折れ曲がり部26を設けている。この為、前記外輪2の外周面を伝って端部に流れた水分が、前記円輪部20aを乗り越える事の防止を図れる。
又、使用状態でオゾンに曝らされ易い環境で使用される場合でも、オゾン劣化に基づいて前記内径側シール材25の各シールリップ24d〜24fによる緊迫力が低下する事なく、必要とされるシール性能を十分に維持できる理由は、前記内径側シール材25の外周縁部を、前記円輪部20aの内周縁部と整合する部分に位置させて、この円輪部20aの軸方向外側面全体に、全周に亙りシール材が設けられていない前記露出部27を形成しているからである。即ち、本例の場合、前記各シールリップ24d〜24fを有する内径側シール材25によって、円周方向に関する引っ張り応力が発生し易く、しかもオゾンに曝され易い前記円輪部20aの軸方向外側面を覆わない様にしている。この為、前記内径側シール材25にオゾン劣化に基づく亀裂が発生する事の防止を図れる。尚、本例の場合、前記芯金17aを、防錆性を有する金属製としている。この為、前記円輪部20a及び前記折れ曲がり部26が、水分により錆びる事の防止を図れる。
[実施の形態の第2例]
図2は、請求項1、3、5、7に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例のシールリング14cの場合、内径側シール材25aの外周縁部の位置を、前述した実施の形態の第1例の内径側シール材25よりも径方向外方に位置させている。即ち、本例の場合、前記内径側シール材25aにより、芯金17bを構成する円輪部20aの軸方向外側面の径方向内端部を覆っている。これにより、前記内径側シール材25aの外周縁部を、前記円輪部20aの径方向中間部(内端寄り部分)に位置させている。そして、この様な内径側シール材25aを、前記円輪部20aの軸方向外側面の径方向内端部、湾曲部36及び前記嵌合筒部19aの内周面、並びに前記内径支持部21aの軸方向外側面に支持している。又、本例の場合には、前記芯金17bの径方向外端部に、前記第1例の場合の様な折れ曲がり部は設けていない。その替わりに、前記円輪部20aに関する、外輪2の端部外周面からの径方向外方への突出量を前記第1例の場合よりも大きくしている。
又、前記芯金17bの円輪部20aの軸方向外側面のうち、前記内径側シール材25aの外周縁部よりも径方向外方部分(円輪部20aの軸方向外側面の軸方向中間部)に露出部27aが設けられている。
又、前記円輪部20aの軸方向外側面のうち、この露出部27aよりも径方向外方部分を覆うと共に、その外周縁部が外輪2の軸方向外端部外周面よりも径方向外方に突出した外径側シール材28が設けられている。具体的には、この外径側シール材28は、前記円輪部20aの軸方向両側面の径方向中間部から径方向外端部に掛けての部分、及び外周縁部をそれぞれ覆っている。そして、前記シールリング14cの装着状態で、前記外径側シール材28のうち、前記円輪部20aの軸方向内側面を覆った部分の内径側半部を、前記外輪2の軸方向外端面の外径側部分に弾性的に当接させている。尚、本例の場合、前記外径側シール材28のうち、前記円輪部20aの軸方向内側面を覆った部分の内径と、同じく軸方向外側面を覆った部分の内径とを等しくしている。又、本例の場合、前記内径側シール材25aと前記外径側シール材28とを、それぞれアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のジエン系加硫ゴム製としている。但し、前記内径側シール材25aと前記外径側シール材28とを異なる材料により造る事もできる。
以上の様な構成を有する本例の場合、前記外径側シール材28のうち、前記円輪部20aの軸方向内側面を覆った部分の内径側半部を、前記外輪2の軸方向外端面の外径側部分に弾性的に当接させている。この為、前記外輪2の外周面に付着した泥水等の水分が、この外輪2の外周面を伝って内部空間15に侵入する事をより有効に防止できる。
尚、本例の場合、前記円輪部20aの径方向外端部を覆った外径側シール材28に、オゾン劣化に基づく亀裂が発生したとしても、この外径側シール材28と、前記内径側シール材25aとの間に、前記露出部27aを設けている(露出部27aにより構成される不連続部が存在している)為、前記亀裂が径方向内方に進展して前記内径側シール材25aの各シールリップ24d〜24fの根元部分にまで達する事はない。従って、これら各シールリップ24d〜24fによる緊迫力が低下する事もない。その他の部分の構造及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
図3も、請求項1、3、5、7に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例のシールリング14dの場合、内径側シール材25を前述した実施の形態の第1例と同様の構造にすると共に、芯金17bを実施の形態の第2例と同様の構造としている。
又、芯金17bを構成する円輪部20aの径方向外端部の周囲を覆う状態で設けられた外径側シール材28aのうち、前記円輪部20aの軸方向内側面を覆った部分の内径を、同じく軸方向外側面を覆った部分の内径よりも小さくしている。そして、前記シールリング14dの装着状態で、前記外径側シール材28aのうち、前記円輪部20aの軸方向内側面を覆った部分の内径側半部を、前記外輪2の軸方向外端面の全面(径方向全幅に亙る範囲)に弾性的に当接させている。
以上の様な構成を有する本例の場合、前記外径側シール材28aのうち、前記円輪部20aの軸方向内側面を覆った部分の内周縁部を、この円輪部20aの径方向内端部(内周縁部に整合する部分)に位置させると共に、当該部分の内径側半部を、前記外輪2の軸方向外端面の全面に弾性的に当接させている。この為、前記外輪2の外周面に付着した泥水等の水分が、この外輪2の外周面を伝って内部空間15に侵入する事を、前述した実施の形態の第2例よりも更に有効に防止できる。又、前記シールリング14dを組み付ける際、このシールリング14dが傾斜する事を有効に防止できる為、このシールリング14dの嵌合筒部19aを前記外輪2に対して、容易に圧入する事ができる。その他の部分の構造及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例及び第2例と同様である。
[実施の形態の第4例]
図4は、請求項1〜3、5、7に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例のシールリング14eの場合、内径側シール材25及び芯金17aを、前述した実施の形態の第1例と同様の構造としている。
又、芯金17aの径方向外端部(折れ曲がり部26及び円輪部20aの径方向外端部)の周囲を覆う状態で外径側シール材28bが設けられている。そして、前記シールリング14eの装着状態で、この外径側シール材28bのうち、前記円輪部20aの軸方向内側面を覆った部分の内径側半部を、外輪2の軸方向外端面の外径側部分に弾性的に当接させている。尚、前記外径側シール材28bのうち、前記円輪部20aの軸方向内側面を覆う部分の内周縁部を、前述した実施の形態の第3例と同様に、前記円輪部20aの径方向内端部に位置させた構造を採用する事もできる。その他の部分の構造及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例及び第2例と同様である。
[実施の形態の第5例]
図5は、請求項1〜4、7に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例のシールリング14fの場合、内径側シール材25及び芯金17aを、前述した実施の形態の第1例と同様の構造としている。
又、前記芯金17aの円輪部20aの軸方向外側面の径方向外端寄り部分(露出部27aの径方向外方部分)、及び、折れ曲がり部26の軸方向外側面をそれぞれ覆う状態で外径側シール材28cが設けられている。この様な外径側シール材28cは、前記円輪部20aの軸方向外側面、及び、折れ曲がり部26の軸方向外側面に支持された基部29と、この基部29から軸方向外方に延出した状態で設けられた外径側リップ30とを有している。本例の場合、この外径側リップ30の外周面は円すい筒面状としており、その外径寸法を、外輪2の軸方向外端部外周面の外径寸法よりも、大きくしている。
又、前記外径側リップ30の先端部の位置を、回転側フランジ12の軸方向内側面のうちで基端寄り部分(根元部分)に設けられた厚肉部31と、同じく先端寄り部分に設けられ、この厚肉部31よりも肉厚の小さい薄肉部32とを連続する、段部33との関係で規制している。即ち、前記外径側リップ30の先半部を、前記段部33よりも径方向外方に位置させると共に、この外径側リップ30の先半部と段部33とを径方向に重畳させている。これにより、この外径側リップ30の先端縁と前記回転側フランジ12の軸方向内側面との間に、径方向のラビリンスシール34を形成すると共に、この径方向のラビリンスシール34に連続する状態で、前記外径側リップ30の先半部内周面と前記段部33の外周面との間に、軸方向のラビリンスシール35を形成している。
以上の様な構成を有する本例の場合、前記外径側シール材28cに外径側リップ30を設けると共に、この外径側リップ30と、前記回転側フランジ12の段部33との間に前記各ラビリンスシール34、35を設けている。この為、内径側シール材25を構成する各シールリップ24d〜24fのうち、最も径方向外方に設けられたシールリップ24dが設けられた位置に、塵芥や水分等の異物が進入する事の防止を図れる。この結果、前記シールリング14fのシール性の向上を図れる。その他の部分の構造及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第6例]
図6は、請求項1、3〜5、7に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例のシールリング14gの場合、内径側シール材25a及び芯金17bを、前述した実施の形態の第2例と同様の構造としている。
又、外径側シール材28dを、前述した実施の形態の第2例の外径側シール材28と同様の構造を有する(円輪部20aの径方向外端部を覆った)基部29aと、この基部29aのうち、芯金17bを構成する円輪部20aの軸方向外側面を覆う部分から軸方向外方に延出した状態で形成された外径側リップ30とにより構成している。尚、この外径側リップ30の配設状態(段部33との関係)は、前述した実施の形態の第5例の場合と同様である。その他の部分の構造及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例、第2例、及び第5例と同様である。
[実施の形態の第7例]
図7も、請求項1、3〜5、7に対応する、本発明の実施の形態の第7例を示している。本例のシールリング14hの場合、内径側シール材25を前述した実施の形態の第1例と同様の構造とすると共に、芯金17bを実施の形態の第2例と同様の構造としている。
又、外径側シール材28eは、前述した実施の形態の第3例の外径側シール材28aと同様の構造を有する基部29bと、この基部29bのうち、芯金17bを構成する円輪部20aの軸方向外側面を覆う部分から軸方向外方に延出した状態で形成された外径側リップ30とから成る。尚、この外径側リップ30の配設状態は、前述した実施の形態の第5例の場合と同様である。その他の部分の構造及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例、第3例、及び第5例と同様である。
[実施の形態の第8例]
図8は、請求項1〜4、6、7に対応する、本発明の実施の形態の第8例を示している。本例のシールリング14iの場合、芯金17cの湾曲部36の円周方向の少なくとも1箇所(好ましくは円周方向等間隔複数箇所)に、貫通孔37が形成されている。
又、内径側シール材25bを、例えばアクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等のジエン系加硫ゴム等に、導電性付与剤を添加する事により導電性を付与した弾性材により構成している。尚、導電性付与剤としては、例えば、銅、銀等の金属粉末、カーボンブラック等の炭素粒子、或いはイオン導電性付与剤等を使用できる。
そして、上述の様な材料製の内径側シール材25bの一部を、前記芯金17cに形成した貫通孔37を通じて、前記湾曲部36の外周面から突出させている。具体的には、前記内径側シール材25bの外周面のうちで、前記貫通孔37と整合する位置に、この外周面から径方向外方に突出した状態で、接続突部38を形成している。
そして、この接続突部38の基半部を前記貫通孔37の内側に配置すると共に、先半部を前記湾曲部36から径方向外方に突出させた状態で、その先端部を外輪2の軸方向外端面内周縁部に形成した面取り部に当接させている。尚、図8には、前記接続突部38の自由状態での形状を示している。
又、本例の場合も、前記内径側シール材25bの各シールリップ24d〜24fの先端縁を、ハブ3の軸方向中間部外周面又は回転側フランジ12の軸方向内側面に、全周に亙り摺接させている。
以上の様な構成を有する本例の場合、導電性を有する前記内径側シール材25bを外輪2及びハブ3に接触させている。この為、車両に発生した静電気(電流)が、車輪支持用転がり軸受ユニット1(図12参照)に流れ込んだ場合でも、この電流が、前記外輪2とこのハブ3との間を、前記内径側シール材25bを介して流れる(導通する)事ができる。従って、前記車輪支持用転がり軸受ユニット1に前記電流が流れ込んだ場合でも、前記外輪2と前記ハブ3との間に電位差が生じる事により、各転動体4、4の転動面と前記外輪、内輪両軌道6、10との間に瞬間的に放電現象(スパーク)が発生する事の防止を図れる。この結果、このスパークに起因して発生する可能性がある、ラジオノイズ、及び車載の電子機器の誤作動等を防止できる。尚、前記芯金17cと前記内径側シール材25bとは絶縁性を有する接着材(例えば、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤等)により加硫接着されている為、前記芯金17cを介して、前記外輪2から前記内径側シール材25bに電流が流れる事はない。又、図示は省略するが、前記接続突部38の先半部(湾曲部36から径方向外方に突出した部分)を、円環状連続部により全周に亙り連続させると共に、この円環状連続部の外周面を、前記外輪2の面取り部に全周に亙り当接させる事もできる。この様な構造を採用した場合、この外輪2と前記ハブ3との間の導電性の向上を図ると共に、前記芯金17cとこの外輪2との間のシール性能の向上を図る事ができる。その他の部分の構造及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例及び第5例と同様である。
[実施の形態の第9例]
図9は、請求項1、3〜7に対応する、本発明の実施の形態の第9例を示している。本例のシールリング14jの場合、芯金17cの円輪部20aの径方向内端部の円周方向の少なくとも1箇所(好ましくは円周方向等間隔複数箇所)に、貫通孔37aが形成されている。そして、内径側シール材25cの一部を、この貫通孔37aを通じて前記円輪部20aの軸方向内側面から突出させている。
具体的には、前記内径側シール材25cの径方向外端部のうちで、前記貫通孔37aと整合する位置に、当該部分から軸方向内方に突出した状態で、接続突部38aが形成されている。尚、本例の場合も、前記内径側シール材25cは、導電性を付与した弾性材により構成されている。
そして、前記接続突部38aの基半部を前記貫通孔37aの内側に配置すると共に、先半部を前記円輪部20aの軸方向内側面の径方向内端部から軸方向内方に突出させた状態で、その先端部を外輪2の軸方向外端面に当接させている。
又、本例の場合も、前記内径側シール材25cの各シールリップ24d〜24fの先端縁を、ハブ3の軸方向中間部外周面又は回転側フランジ12の軸方向内側面に、全周に亙り摺接させている。その他の部分の構造及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例、第6例、及び第8例と同様である。
[実施の形態の第10例]
図10も、請求項1、3〜7に対応する、本発明の実施の形態の第10例を示している。本例のシールリング14kの場合、芯金17dの嵌合筒部19aの軸方向内端部と、内径支持部21aの径方向外端部との連続部39の円周方向の少なくとも1箇所(好ましくは円周方向等間隔複数箇所)に、貫通孔37bが形成されている。そして、内径側シール材25dの一部を、この貫通孔37bを通じて、前記連続部39の外周面から径方向外方に突出させている。
具体的には、内径側シール材25dの外周面の軸方向内端部で、前記貫通孔37bと整合する位置に、当該部分から径方向外方に突出した状態で、接続突部38bが形成されている。尚、本例の場合も、前記内径側シール材25dは、導電性を付与した弾性材により構成されている。その他の部分の構造及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例、第7例、及び第8例と同様である。
[実施の形態の第11例]
図11は、請求項1〜4、6、7に対応する、本発明の実施の形態の第11例を示している。本例のシールリング14mの場合、前述した実施の形態の第8例の様な貫通孔37(図8参照)を芯金に形成していない。この為に、本例の場合、内径側シール材25eの一部を、芯金17aの内径支持部21aの軸方向内側面の径方向内端部から径方向外端部に掛けての部分に沿う状態で設る事により、当該部分を接続部40としている。そして、この接続部40の径方向外端を外輪2の内周面に当接させている。尚、本例の場合も、前記内径側シール材25eは、導電性を付与した弾性材により構成されている。又、この内径側シール材25eの各シールリップ24d〜24fの先端縁を、ハブ3の軸方向中間部外周面又は回転側フランジ12の軸方向内側面に、全周に亙り摺接させている。この様にして導電性を有する前記内径側シール材25eを外輪2及びハブ3に接触させている。その他の部分の構造及び作用・効果は、前述した実施の形態の第1例、第5例、及び第8例と同様である。
本発明を実施する場合には、前述した実施の形態の各例の構造を適宜組み合わせて実施できる。
1 シールリング付車輪支持用転がり軸受ユニット
2 外輪
3 ハブ
4 転動体
5 静止側フランジ
6 外輪軌道
7 ハブ本体
8 内輪
9 ナット
10 内輪軌道
11 保持器
12 回転側フランジ
13 スタッド
14、14a〜14m シールリング
15 転動体配置空間
16 カバー
17、17a、17b、17c、17d、17e 芯金
18、18b、18c、18d、18e、18f シール材
19、19a 嵌合筒部
20、20a 円輪部
21、21a 内径支持部
22 堰部
23、23a 基部
24a、24b、24c、24d、24e、24f シールリップ
25、25a、25b、25c、25d、25e 内径側シール材
26 折れ曲がり部
27、27a 露出部
28、28a、28b、28c、28d、28e 外径側シール材
29、29a、29b 基部
30 外径側リップ
31 厚肉部
32 薄肉部
33 段部
34 ラビリンスシール
35 ラビリンスシール
36 湾曲部
37、37a、37b 貫通孔
38、38a、38b 接続突部
39 連続部
40 接続部

Claims (7)

  1. 外気に曝らされる環境下で、使用時に回転する内径側軌道輪部材の外周面と使用時にも回転しない外径側軌道輪部材の内周面との間に存在する内部空間の端部開口を塞ぐ為に使用されるものであり、
    芯金と、この芯金に加硫接着された弾性材製の内径側シール材とを備え、
    このうちの芯金は、金属板製で全体を円環状とされたもので、前記外径側軌道輪部材の端部内周面に内嵌固定される円筒状の嵌合筒部と、この嵌合筒部の軸方向片端部から径方向外方に向けて折れ曲がり、その外周縁部が前記外径側軌道輪部材の端部外周面よりも径方向外方に突出すると共に、その軸方向他側面を前記外径側軌道輪部材の端面に直接又は間接的に突き当てられる円輪部と、前記嵌合筒部の軸方向他端部に連続する状態でこの嵌合筒部よりも径方向内方に設けられた内径支持部とを有するものであり、
    前記内径側シール材は、前記内径支持部の軸方向片側面に支持された基部と、この基部から延出する状態で設けられ、その先端縁を前記内径側軌道輪部材の表面に全周に亙り摺接させる少なくとも1本のシールリップとを有するものである、シールリングであって、
    前記芯金が、防錆性を有する金属製であり、
    前記円輪部の軸方向片側面のうち、前記内径側シール材の外周縁部よりも径方向外方位置に、その表面が外部に直接露出した露出部が全周に亙り形成されている事を特徴とするシールリング。
  2. 前記芯金の径方向外端部に、前記円輪部の外周縁部から軸方向他側に延出した状態で折れ曲がり部が形成されている、請求項1に記載したシールリング。
  3. 前記芯金の径方向外端部のうち、前記露出部よりも径方向外方部分を覆うと共に、その外周縁部が前記外径側軌道輪部材の端部外周面よりも径方向外方に突出した外径側シール材が設けられている、請求項1に記載したシールリング。
  4. 前記外径側シール材の軸方向片側面に、軸方向片側に延出する外径側リップが設けられている、請求項3に記載したシールリング。
  5. 前記外径側シール材の一部が、前記円輪部の軸方向他側面を覆う状態で設けられており、この円輪部の軸方向他側面が、前記外径側シール材を介して、前記外径側軌道輪部材の端面に突き当てられている、請求項3〜4のうちの何れか1項に記載したシールリング。
  6. 前記内径側シール材が、導電性を有する弾性材により造られており、この内径側シール材が前記外径側軌道輪部材及び前記内径側軌道輪部材の表面にそれぞれ接触している、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載したシールリング。
  7. 内周面に外輪軌道を有し、懸架装置に支持された状態で回転しない、外径側軌道輪部材である外輪と、外周面のうちでこの外輪軌道と対向する部分に内輪軌道を有し、この外輪と同心に配置された、内径側軌道輪部材であるハブと、これら外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、このハブの外周面のうちで、前記外輪の軸方向外端開口部よりも軸方向外方に突出した部分に設けられた、前記ハブに対し車輪を支持固定する為のフランジと、前記外輪の内周面とこのハブの外周面との間に存在する内部空間の軸方向外端開口部を塞ぐシールリングとを備えたシールリング付車輪支持用転がり軸受ユニットであって、
    前記シールリングが、請求項1〜6のうちの何れか1項に記載したシールリングである事を特徴とするシールリング付車輪支持用転がり軸受ユニット。
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