JP2015131783A - アリール−1,2,4−トリアゾール誘導体の製造方法 - Google Patents

アリール−1,2,4−トリアゾール誘導体の製造方法 Download PDF

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征生 狩屋
一弘 五十嵐
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一弘 五十嵐
康雄 沖
Yasuo Oki
康雄 沖
絢瀬 本間
Ayase Homma
絢瀬 本間
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Abstract

【課題】医農薬中間体として有用なアリール−1,2,4−トリアゾール類(1)を安価な出発原料を用いて、従来より簡便かつ経済性に優れた工業的な製造方法を提供する。【解決手段】アリールカルボン酸誘導体(2)を、ヒドラジン類(3)と反応させて、アリールカルボヒドラジド類(4)に変換し、得られたアリールカルボヒドラジド類(4)を、金属アルコキシド又はアルカリ金属塩の存在下に、アリールカルボニトリル類(5)と反応させて、アリール−1,2,4−トリアゾール誘導体(1)を得る、アリール−1,2,4−トリアゾール誘導体の製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、医農薬分野等に於ける機能中間体として有用なアリール−1,2,4−トリアゾール誘導体の製造方法に関する。更に詳しくは、安息香酸誘導体とヒドラジン類及びベンゾニトリル類を出発原料とする3,5−ジアリール−1,2,4−トリアゾール類の工業的な製造方法に関する。
一般に複素環化合物は生体内において、様々な生理活性を示す物質が多く存在し、医薬、農薬として広範に使用されている。その中でも3,5−ジアリール−1,2,4−トリアゾール類は医農薬用活性化合物の中間体として重要である。
該3,5−ジアリール−1,2,4−トリアゾール類の合成法として、Tetrahedron Lett.1987,28,5133(非特許文献1)には、ベンゾヒドラジドとベンズアミジン塩酸塩を用いた反応による3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾールの合成例が記載され、収率は97%に達することが示されているが、原料のベンズアミジン塩酸塩が高価であり、経済的な合成法とはいえない。
Indian J. Chem. 1993,22B,79(非特許文献2)には、安価な原料として、ベンゾニトリルとベンゾヒドラジドからの3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾールの合成法が報告されているが、収率が25%と低く、工業的に満足できるものではない。
Tetrahedron Lett.2005,46,3429(非特許文献3)には、マイクロ波を使用し、ベンゾニトリルとベンゾヒドラジドから3,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾールが84%の収率で得られることが報告されているが、マイクロ波の利用は一般的ではなく、特殊な専用装置が必要であり、工業的製造法としては経済性だけを取り上げても問題がある。
Tetrahedron Lett.1987,28,5133 Indian J. Chem. 1993,22B,79 Tetrahedron Lett.2005,46,3429
前述のように、現在知られている3,5−ジアリール−1,2,4−トリアゾールの製造法は、高価な出発原料を必要とするか、あるいは、反応を促進するために特殊な専用装置を要するマイクロ波を使う必要があるなどの問題を抱えていた。従って工業的には、安価な出発原料を用いて収率良く実施できる該化合物の製造方法が求められていた。
本発明の目的は、下記の反応式に従い、アリールカルボン酸誘導体(2)を、ヒドラジン類(3)と反応させて、アリールカルボヒドラジド類(4)に変換した後、アリールカルボニトリル類(5)と反応させて、アリール−1,2,4−トリアゾール類(1)を得る、という安価な出発原料を用いて行う方法において、医農薬中間体として有用なアリール−1,2,4−トリアゾール類(1)を、従来よりも簡便かつ経済性に優れた方法により製造することができる工業的な製造方法を提供することにある。
Figure 2015131783
式中、Ar1及びAr2は、それぞれヘテロ原子で構成されることがあり、かつ電子吸引性置換基及び/又は電子供与性置換基を有することのある、アリール基又はアラルキル基であり、両者は同一であっても異なっていてもよく、Rは、水素原子、置換基を有することのある炭素数1から20迄のアルキル基、又はヘテロ原子で構成されることがあり、かつ電子吸引性置換基及び/又は電子供与性置換基を有することのある、アリール基又はアラルキル基を表す。また、Xはハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、置換基を持つことのある、炭素数20迄のアルキルオキシ基、アリールオキシ基又はアラルキルオキシ基を表す。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、容易に入手でき安価なアリールカルボン酸誘導体(2)とヒドラジン類(3)との反応により、アリールカルボヒドラジド類(4)を得た後、アルカリ触媒存在下にアリールカルボヒドラジド類(4)と安価なアリールカルボニトリル類(5)とを反応させることにより該反応が円滑に進行することを知り、アリール−1,2,4−トリアゾール誘導体(1)を高収率で製造できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、一般式(2)
Figure 2015131783
(式中、Ar1は、ヘテロ原子で構成されることがあり、かつ電子吸引性置換基及び/又は電子供与性置換基を有することのある、アリール基又はアラルキル基であり、Xはハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、置換基を持つことのある、炭素数20迄のアルキルオキシ基、アリールオキシ基、又はアラルキルオキシ基を表す。)
で示されるアリールカルボン酸誘導体を、一般式(3)
Figure 2015131783
(式中、Rは、水素原子、置換基を有することのある炭素数1から20迄のアルキル基、又はヘテロ原子で構成されることがあり、かつ電子吸引性置換基及び/又は電子供与性置換基を有することのある、アリール基又はアラルキル基を表す。)
で示されるヒドラジン類と反応させて、一般式(4)
Figure 2015131783
(式中、Ar1は式(2)と同様であり、Rは式(3)と同様の意味を表す。)
で示されるアリールカルボヒドラジド類に変換した後、
得られた一般式(4)で示されるアリールカルボヒドラジド類を、金属アルコキシド又はアルカリ金属塩の存在下に、一般式(5)で示されるアリールカルボニトリル類と反応させて、
Figure 2015131783
(式中、Ar2は、ヘテロ原子で構成されることがあり、かつ電子吸引性置換基及び/又は電子供与性置換基を有することのある、アリール基又はアラルキル基を表す。)
一般式(1)
Figure 2015131783
(式中、Ar1及びAr2は、それぞれ式(2)及び式(5)で規定するAr1及びAr2と同様の意味を表し、両者は同一であっても異なっていてもよく、Rは、式(3)で規定されるRと同様の意味を表す。)
で示されるアリール−1,2,4−トリアゾール誘導体を製造する方法に関するものである。
なお、一般式(1)で示されている置換基Ar1及びAr2における、ヘテロ原子で構成されることがある、アリール基又はアラルキル基が有していても良い電子吸引性置換基としては、例えば、ニトロ基などが、また、電子供与性置換としては、例えば、アルキル基などが挙げられる。一方、置換基Rにおけるアルキル基が有しても良い置換基としては、例えば、ハロゲンなどがあり、ヘテロ原子で構成されることがある、アリール基又はアラルキル基が有していても良い電子吸引性置換基としては、上記同様、例えば、ニトロ基などが、また、電子供与性置換としては、例えば、アルキル基などが挙げられる。更に、一般式(2)で示されている置換基Xにおけるアルキルオキシ基、アリールオキシ基又はアラルキルオキシ基が有していても良い置換基としては、ハロゲンやアルキル基などがあげられ、このような置換基を持つことがある、炭素数20迄のアルキルオキシ基、アリールオキシ基、又はアラルキルオキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ステアリルオキシ基、フェノキシ基、トリルオキシ基、ベンジルオキシ基などが挙げられる。
本発明によれば、医農薬中間体として重要なアリール−1,2,4−トリアゾール誘導体の製造における従来の問題点が解決可能であり、工業的規模で実施しても高収率で目的物を得ることができる。
以下に本発明の製造方法について更に詳細に説明する。
本発明の方法では、アリールカルボン酸誘導体(2)をヒドラジン類(3)と反応させてアリールカルボヒドラジド類(4)に変換した後、アルカリ触媒存在下にアリールカルボニトリル類(5)と反応させることで、一般式(1)で示されるアリール−1,2,4−トリアゾール誘導体を製造する。この工程は下記反応式で示される。
Figure 2015131783
各式中のAr1、Ar2、RおよびXは上述のとおりである。
本発明の製造方法においては、まず、アリールカルボヒドラジド類(4)の合成をアリールカルボン酸誘導体(2)とヒドラジン類(3)とを所定の時間、温度で反応させることにより行う。
用いることができるアリールカルボン酸誘導体(2)としては、アリールカルボン酸のエステル類やハロゲン化物があげられ、アリールカルボン酸としては、例えば、安息香酸、2-メチル安息香酸、2-クロロ安息香酸などが挙げられる。これらのアリールカルボン酸の誘導体のうちでも、エステル類が、経済性の点から好ましく、例えば、安息香酸の場合、安息香酸メチル、安息香酸エチルなどが挙げられる、なお、このアリールカルボン酸誘導体(2)は、目的とするアリール−1,2,4−トリアゾール誘導体に構造に応じて対応するものが適時選択されるものである。
反応に用いるヒドラジン類(3)は、無水物、水和物、塩類或いは水溶液又は溶液のいずれでも使用することができる。ヒドラジン類(3)の具体例としては、水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、メチルヒドラジン、tert−ブチルヒドラジン、フェニルヒドラジン等が挙げられる。また、これらのヒドラジン類は、市販品として、例えば、(株)日本ファインケムなどから入手することができる。これらのうち、水加ヒドラジン、メチルヒドラジンが比較的安価であり、経済性の点で好ましい。なお、このヒドラジン類(3)は、目的とするアリール−1,2,4−トリアゾール誘導体に構造に応じて対応するものが適時選択されるものである。
本発明において反応に用いるヒドラジン類(3)の量は反応基質であるアリールカルボン酸誘導体(2)に対するモル比で0.5から10が適当であり、より好ましくは1から3の範囲である。
アリールカルボヒドラジド類(4)合成時の反応温度は20から100℃が適当であり、より好ましくは50から65℃の範囲である。上記反応温度条件下において反応時間は特に制限されないが、好ましくは2から24時間の範囲である。
反応は無溶媒でも行うことができるが、溶媒を用いても良い。該反応に用い得る溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等の脂肪族アルコールが挙げられる。また、反応原料に溶媒を兼ねさせることも可能であり、単独又は任意に混合して用いることもできる。
反応終了後、析出した粗結晶は濾別し、乾燥した後、必要に応じて精製し、次工程の環化工程に用いることもできるが、工業的には湿潤状態のまま次工程に用いることが効率的にも経済的にも好ましい。
アリール−1,2,4−トリアゾール誘導体(1)の合成はアリールカルボヒドラジド類(4)とアリールカルボニトリル類(5)とを、金属アルコキシドやアルカリ金属塩などのアルカリ触媒存在下にて所定の時間、温度で反応させることにより行う。
本発明で用いるアリールカルボニトリル類(5)としては、例えば、ベンゾニトリル、4−エチルベンゾニトリル、2-クロロベンゾニトリルなどがあり、これらの中でも、ベンゾニトリルが経済性の点で好ましい。なお、このアリールカルボニトリル類(5)は、目的とするアリール−1,2,4−トリアゾール誘導体に構造に応じて対応するものが適時選択されるものである。
本発明において反応に用いるアリールカルボニトリル類(5)の量は反応基質であるアリールカルボヒドラジド類(4)に対するモル比で0.5から5が適当であり、より好ましくは1から3の範囲である。また、アルカリ触媒の使用量は上記アリールカルボヒドラジド類(4)に対するモル比で0.1から2が適当であり、より好ましくは0.3から1.0の範囲である。
アルカリ触媒としては、ナトリウムメトキシドやカリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩も使用することができる。中でも、目的物の収率が良く、安価であるナトリウムメトキシド又はナトリウムエトキシド並びに炭酸カリウム、炭酸ナトリウムが好ましく、ナトリウムメトキシド又はナトリウムエトキシドが更に好ましい。
アリール−1,2,4−トリアゾール誘導体(1)合成時の反応温度は20から100℃が適当であり、より好ましくは50から70℃の範囲である。上記反応温度条件下において反応時間は特に制限されないが、好ましくは2から48時間の範囲が良い。
反応は無溶媒でも行うことができるが、溶媒を用いても良い。該反応に用い得る溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等の脂肪族アルコールが挙げられる。また、反応原料に溶媒を兼ねさせることも可能であり、単独又は任意に混合して用いることもできる。
反応生成物は、冷却し、析出してきた結晶を濾過して取得する。他にも、例えば、反応終了後に水、又は適当な酸を添加することによって、析出してきた結晶を濾過しても良い。得られた粗結晶は再結晶等の一般的な方法によって精製されるが、少量の場合等にはカラムクロマトグラフィーを用いて分離精製しても良い。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってその範囲が限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例などにおいて、分析は高速液体クロマトグラフィーを用いた。
高速液体クロマトグラフィーは以下の条件で測定した。
装置;島津製作所社製10Aシリーズ
溶離液;アセトニトリル:0.1%リン酸水溶液=4:6(容積比)
カラム;東ソー社製 ODS-80TM(4.6mmφ×250mm長)
温度;40℃
流速;1ml/分
検出UV;230nm
実施例1
2Lの四つ口フラスコに安息香酸メチル272.3g(2.0モル)、水加ヒドラジン250.4g(5.0モル)、メタノール300.0gを仕込み、撹拌下、65℃まで昇温した。続けて65℃にて12時間反応を行った。得られた反応液に水580.0gを添加し、0℃まで冷却した。析出した結晶を濾別し、メタノールで再結晶し、得られた結晶を減圧下、乾燥を行い、ベンゾヒドラジドの結晶182.4gを得た。使用した安息香酸メチルに基づいた収率は67.0%であった。
次いで、500mLの四つ口フラスコにベンゾヒドラジド27.2g(0.20モル)、ベンゾニトリル20.6g(0.20モル)、メタノール128.2gを仕込み、撹拌下、60℃まで昇温した。ここに28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液19.3g(0.10モル)を10分間かけて滴下した。続けて60〜68℃にて27時間反応を行った。得られた反応液に17.5%塩酸25.1gを加えた後、水125.1gを添加し、30℃まで冷却した。析出した結晶を濾別し、得られた結晶を減圧下、乾燥を行い、3,5−ジフェニル−1H−1,2,4−トリアゾールの結晶28.2g(純度99.9単純面積%)を得た。使用したベンゾヒドラジドに基づいた収率は65.8%であった。
実施例2〜5
実施例1と同様にして、ベンゾニトリル、ナトリウムメトキシドのモル比を変え、3,5−ジフェニル−1H−1,2,4−トリアゾールを合成した結果を実施例1および下記の比較例1とあわせて表1に記載した。なお、表1においては、3,5−ジフェニル−1H−1,2,4−トリアゾールは、「3,5−DT」と略記した。
比較例1
上述のようにして得られたベンゾヒドラジドを用い、500mLの四つ口フラスコにベンゾヒドラジド27.2g(0.20モル)、ベンゾニトリル20.6g(0.20モル)、メタノール128.2gを仕込み、撹拌下、60℃まで昇温した。続けて60〜67℃にて93時間反応を行った。分析の結果、反応液中の3,5−ジフェニル−1H−1,2,4−トリアゾールの濃度は0.03%であり、使用したベンゾヒドラジドに基づいた収率は0.1%であった。
Figure 2015131783
表1を見れば明らかな様に、ナトリウムメトキシド、炭酸カリウムを用いると反応が進行し、未使用の比較例1に比べて著しく収率が向上した。ナトリウムメトキシド、炭酸カリウムによる反応促進効果は明らかである。また、特許文献3にように、マイクロ波など特殊な装置を使わなくても、通常の撹拌混合による反応のみで実用的な収率が得られることもわかる。
次に、安息香酸メチルと水加ヒドラジンから調製したベンゾヒドラジドの精製度合いを変えたベンゾヒドラジドを用いて、3,5−ジフェニル−1H−1,2,4−トリアゾールを合成した。
実施例6
2Lの四つ口フラスコに安息香酸メチル272.3g(2.0モル)、水加ヒドラジン250.4g(5.0モル)、メタノール320.4gを仕込み、撹拌下、60℃まで昇温した。続けて60℃にて12時間反応を行った。得られた反応液に水576.6gを添加し、0℃まで冷却した。析出した結晶を濾別し、得られた結晶を減圧下、乾燥を行い、ベンゾヒドラジドの結晶220.2gを得た。使用した安息香酸メチルに基づいた収率は80.9%であった。
次いで、上記の乾燥ベンゾヒドラジド結晶を用いて、3,5−ジフェニル−1H−1,2,4−トリアゾールを合成した。
1Lの四つ口フラスコに上記で合成したベンゾヒドラジド108.9g(0.80モル)、ベンゾニトリル82.5g(0.80モル)、メタノール400.5gを仕込み、撹拌下、60℃まで昇温した。ここに28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液77.2g(0.40モル)を120分間かけて滴下した。続けて60〜70℃にて36時間反応を行った。得られた反応液に水129.7gを加えた後、12℃まで冷却し、17.5%塩酸83.3gを添加した。析出した結晶を濾別し、得られた結晶を減圧下、乾燥を行い、3,5−ジフェニル−1H−1,2,4−トリアゾールの結晶116.4g(純度99.9単純面積%)を得た。使用したベンゾヒドラジドに基づいた収率は65.8%であった。
次に、合成したベンゾヒドラジドを乾燥させることなく湿体にて、3,5−ジフェニル−1H−1,2,4−トリアゾールを合成する場合について説明する。
実施例7
2Lの四つ口フラスコに安息香酸メチル272.3g(2.0モル)、水加ヒドラジン250.4g(5.0モル)、メタノール320.4gを仕込み、撹拌下、60℃まで昇温した。続けて60℃にて12時間反応を行った。得られた反応液に水576.6gを添加し、0℃まで冷却した。析出した結晶を濾別し、ベンゾヒドラジドの湿体粗結晶255.3gを得た。湿体の1部サンプルを乾燥し、分析した結果、使用した安息香酸メチルに基づいた収率は81.1%であった。
次いで、上記の湿体のベンゾヒドラジド粗結晶を用いて、3,5−ジフェニル−1H−1,2,4−トリアゾールを合成した。
1Lの四つ口フラスコに上記で合成した湿体ベンゾヒドラジド125.9g(0.80モル)、ベンゾニトリル82.5g(0.80モル)、メタノール400.5gを仕込み、撹拌下、60℃まで昇温した。ここに28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液77.2g(0.40モル)を120分間かけて滴下した。続けて60〜70℃にて36時間反応を行った。得られた反応液に水129.7gを加えた後、26℃まで冷却し、17.5%塩酸83.3gを添加した。析出した結晶を濾別し、得られた結晶を減圧下、乾燥を行い、3,5−ジフェニル−1H−1,2,4−トリアゾールの結晶112.1g(純度99.9単純面積%)を得た。使用したベンゾヒドラジドに基づいた収率は63.3%であった。
実施例8〜12
実施例7と同様にして、ベンゾヒドラジドの湿体を用いて、ベンゾニトリル、ナトリウムメトキシドのモル比を変え、3,5−ジフェニル−1H−1,2,4−トリアゾールを合成した結果を、実施例7とあわせて表2に記載した。なお、表2においては、3,5−ジフェニル−1H−1,2,4−トリアゾールは、「3,5−DT」と略記した。
Figure 2015131783
表2を見れば明らかな様に、合成したベンゾヒドラジドは湿体でも、3,5−ジフェニル−1H−1,2,4−トリアゾールは高収率で得られており、工業的な実施の際に有利な湿体でも使用できることは明らかであり、このことからみて、湿潤状態のアリールカルボヒドラジド類を用いて、アリール−1,2,4−トリアゾール誘導体を効率よく製造できることがわかる。

Claims (7)

  1. 一般式(1)で示される
    Figure 2015131783
    (式中、Ar1及びAr2は、それぞれヘテロ原子で構成されることがあり、かつ電子吸引性置換基及び/又は電子供与性置換基を有することのある、アリール基又はアラルキル基であり、両者は同一であっても異なっていてもよく、Rは、水素原子、置換基を有することのある炭素数1から20迄のアルキル基、又はヘテロ原子で構成されることがあり、かつ電子吸引性置換基及び/又は電子供与性置換基を有することのある、アリール基又はアラルキル基を表す。)
    アリール−1,2,4−トリアゾール誘導体を製造する方法であって、
    一般式(2)で示されるアリールカルボン酸誘導体を、
    Figure 2015131783
    (式中、Ar1は、式(1)と同じ意味を表し、Xはハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、置換基を持つことのある、炭素数20迄のアルキルオキシ基、アリールオキシ基、又はアラルキルオキシ基を表す。)
    一般式(3)で示されるヒドラジン類と反応させて、
    Figure 2015131783
    (式中、Rは水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基であり、式(1)と同様の意味を表す。)
    一般式(4)で示されるアリールカルボヒドラジド類を得る工程(1)と、
    Figure 2015131783
    (式中、Ar1及びRは、いずれも式(1)と同様の意味を表す。)
    工程(1)で得られた一般式(4)で示されるアリールカルボヒドラジド類を、一般式(5)で示されるアリールカルボニトリル類と反応させて、
    Figure 2015131783
    (式中、Ar2は式(1)と同様の意味を表す。)
    一般式(1)に示されるアリール−1,2,4−トリアゾール誘導体を得る工程(2)とを有し、
    工程(2)における、一般式(4)で示されるアリールカルボヒドラジド類と、一般式(5)で示されるアリールカルボニトリル類との反応を金属アルコキシド又はアルカリ金属塩の存在下で行う、アリール−1,2,4−トリアゾール誘導体の製造方法。
  2. 工程(2)における、一般式(4)で示されるアリールカルボヒドラジド類と、一般式(5)で示されるアリールカルボニトリル類との反応の際に用いるアルカリ金属アルコキシドが、ナトリウムアルコキシド又はカリウムアルコキシドである請求項1に記載のアリール−1,2,4−トリアゾール誘導体の製造方法。
  3. 工程(2)における、一般式(4)で示されるアリールカルボヒドラジド類と、一般式(5)で示されるアリールカルボニトリル類との反応の際に用いるアルカリ金属塩が、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムである請求項1に記載のアリール−1,2,4−トリアゾール誘導体の製造方法。
  4. 工程(1)における、一般式(3)で示されるヒドラジン類が水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、メチルヒドラジン、及びフェニルヒドラジンからなる群から選ばれる1種以上の化合物である請求項1から3のいずれかに記載のアリール−1,2,4−トリアゾール誘導体の製造方法。
  5. 工程(1)における、一般式(2)で示されるアリールカルボン酸誘導体が安息香酸メチルであり、一般式(3)で示されるヒドラジン類が水加ヒドラジンである請求項1から4のいずれかに記載のアリール−1,2,4−トリアゾール誘導体の製造方法。
  6. 工程(1)で、アリールカルボヒドラジド類を得た後、湿潤状態のアリールカルボヒドラジド類(4)を用いて、工程(2)の反応を行う、請求項1から5のいずれかに記載のアリール−1,2,4−トリアゾール誘導体の製造方法。
  7. 一般式(1)で示されるアリール−1,2,4−トリアゾール誘導体が、3,5−ジフェニル−1H−1,2,4−トリアゾールである請求項1から6のいずれかに記載のアリール−1,2,4−トリアゾール誘導体の製造方法。
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