JP2015131328A - ステンレスクラッド鋼材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コストを抑えて、ステンレスクラッド鋼材を製造が可能なステンレスクラッド鋼材の製造方法を提供する。【解決手段】SUS312L、又は、NAS354Nのステンレス鋼を合せ材とし、炭素鋼を母材としたクラッド鋼板に開先加工を施す開先加工工程S1と、開先加工を施したクラッド鋼板同士を突き合わせ、合せ材側から溶接による接合を行う接合工程S5と、を備え、接合工程S5では、母材に溶接を施す際の入熱量が40kJ/cm以下であり、合せ材に溶接を施す際の入熱量が10kJ/cm以上、20kJ/cm以下であることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、ステンレスクラッド鋼板を接合し、ステンレスクラッド鋼材を製造する方法に関する。
例えば、港湾施設の桟橋、岸壁、防波堤など海洋構造物の基礎には鋼管杭が用いられているが、鋼管杭は常時海水に曝されており、特に飛沫帯、干満帯での腐食環境は厳しいものとなっている。
そこで一般的には、鋼管杭にエポキシ樹脂やウレタン等の皮膜を設けたり、皮膜に比べて耐久性に優れた手法として鋼管杭に耐海水性ステンレス鋼やチタンクラッド鋼を用いることで、防食効果を向上させている。
また、特許文献1には、腐食性を向上したステンレスクラッド鋼管の製造方法が開示されている。このステンレスクラッド鋼管を鋼管杭に用いることで、上述した他の手法と比較して耐用年数が長くなり、維持補修の手間を低減できることや、船舶、流木の衝突等の外的な衝撃に対する十分な強度を確保することが可能である。さらに、ステンレスクラッド鋼はチタンクラッド鋼に比べて安価であることや、溶接構造が簡易であるため、条件の厳しいオフショア海域で用いる際に有利である。
特開2005−133125号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているステンレスクラッド鋼管が、実構造物へ適用された例はこれまでない。またこのステンレスクラッド鋼管を実構造物に適用するとした場合に、長尺にする必要があると、ステンレスクラッド鋼管の短管を溶接して継いでいくことになる。しかしながらステンレスクラッド鋼管の溶接の際には、ステンレス鋼の熱影響部分に鋭敏化が生じる可能性があり、造管後に固溶化熱処理が必要となる。従って、専用設備が必要となって大幅なコストアップとなってしまう。また、固溶化熱処理が十分に行えない場合には重防食塗装や電気防食を適用する必要があり、やはりコストアップは避けられない。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、コストを抑えて、ステンレスクラッド鋼材を製造が可能なステンレスクラッド鋼材の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用している。
即ち、本発明に係るステンレスクラッド鋼材の製造方法は、SUS312L、又は、NAS354Nのステンレス鋼を合せ材とし、炭素鋼を母材としたクラッド鋼板に開先加工を施す開先加工工程と、前記開先加工を施した前記クラッド鋼板同士を突き合わせ、シールドガスとして100%のCOガスを用いたアーク溶接によって前記合せ材側から溶接による接合を行う接合工程と、を備え、前記接合工程では、前記母材に溶接を施す際の入熱量が40kJ/cm以下であり、前記合せ材に溶接を施す際の入熱量が10kJ/cm以上、20kJ/cm以下であることを特徴とする。
このように、接合工程で母材への入熱量が40kJ/cm以下とし、合せ材への入熱量を10kJ/cm以上、20kJ/cm以下とすることによって、溶接部分に十分な溶け込みを得ることができるとともに、ステンレス鋼である合せ材への入熱量を抑えることができる。また、シールドガスとして100%のCOガスであることで、溶接部分での溶接ビードの断面形状がナベ底状に拡がるため、溶接部分の端部での融合不良を防止しながら溶接接合が可能となる。従って、溶接時の内部欠陥が発生することを防止し、合せ材での鋭敏化の発生を抑制しながら接合できる。よって、長尺のステンレスクラッド鋼材を製造する際にも、固溶化熱処理を行う必要がなく、専用設備が不要となる。
また、前記接合工程では、フラックスコアードアーク溶接が用いられてもよい。
このようにフラックスコアードアーク溶接を行うことで、溶接品質の確保が可能となる。
さらに、本発明に係るステンレスクラッド鋼材の製造方法は、前記接合工程の後に、溶接部分を研磨し、酸洗を実施する仕上げ工程をさらに備えていてもよい。
このように、溶接後に研磨、酸洗を行うことで、溶接スケールの除去が可能となる。
また、本発明に係るステンレスクラッド鋼材の製造方法は、前記開先加工工程の後で、かつ前記接合工程の前に、溶接部分の周囲における前記合せ材の表面にスパッタ付着防止剤を塗布する接合準備工程をさらに備えていてもよい。
このような接合準備工程によって、溶接時に生じるスパッタが合せ材の表面に付着してしまうことを防止することができる。
さらに、本発明に係るステンレスクラッド鋼材の製造方法は、前記開先加工工程の後で、かつ前記接合工程の前に、前記合せ材の表面をシートで覆う養生工程をさらに備えていてもよい。
このような養生工程によって、接合時などに合せ材への異物の付着を防止することができる。
さらに、前記開先加工工程では、前記合せ材を溶接部分側の端面から所定距離除去するカットバック加工が施されてもよい。
このようなカットバック加工によって、母材の溶接に用いる溶接材が、合せ材に接触してしまわないようにできる。
請求項1のステンレスクラッド鋼材の製造方法によれば、固溶化熱処理を行う必要がなくなることで、コストを抑えてステンレスクラッド鋼材を製造が可能である。
また、請求項2のステンレスクラッド鋼材の製造方法によれば、ステンレスクラッド鋼材の品質向上につながる。
さらに、請求項3のステンレスクラッド鋼材の製造方法によれば、ステンレスクラッド鋼材のさらなる品質向上につながる。
また、請求項4のステンレスクラッド鋼材の製造方法によれば、ステンレスクラッド鋼材のさらなる品質向上につながる。
さらに、請求項5のステンレスクラッド鋼材の製造方法によれば、ステンレスクラッド鋼材のさらなる品質向上につながる。
また、請求項6のステンレスクラッド鋼材の製造方法によれば、ステンレスクラッド鋼材のさらなる品質向上につながる。
本発明の実施形態に係るステンレスクラッド鋼材の製造方法によって製造されたステンレスクラッド鋼材の短管の全体概略図である。 本発明の実施形態に係るステンレスクラッド鋼材の製造方法の手順を示すフロー図である。 本発明の実施形態に係るステンレスクラッド鋼材の製造方法に関し、開先加工工程、及び造管工程を実行した際のクラッド鋼板の要部の概略図である。 本発明の実施形態に係るステンレスクラッド鋼材の製造方法に関し、接合工程を時系列に(a)、(b)、(c)、(d)に示すクラッド鋼板の要部の概略図である。
以下、本発明の実施形態に係るステンレスクラッド鋼材100の製造方法について説明する。ここで、まず、製造されたステンレスクラッド鋼材100について説明する。
図1に示すように、ステンレスクラッド鋼材100は、SUS312L、又は、NAS354Nのステンレス鋼を合せ材2とし、例えばSM490YB等を母材3としたクラッド鋼板1から形成されたステンレスクラッド鋼管の短管である。
そしてこのステンレスクラッド鋼材100は、例えば海洋構造物の基礎となる鋼管杭に適用されるものである。
図2に示すように、ステンレスクラッド鋼材100の製造方法は、クラッド鋼板1に開先加工を施す開先加工工程S1と、クラッド管を養生する養生工程S2と、クラッド鋼板1を管状に形成する造管工程S3とを備えている。
さらに、このステンレスクラッド鋼材100の製造方法は、造管工程S3の後に行う接合準備工程S4と、その後、溶接接合を行って上記短管を形成する接合工程S5と、接合工程S5の後に行われる仕上げ工程S6とを備えている。
まず、開先加工工程S1を実行する。即ち、図3に示すようにクラッド鋼板1の端面5に開先形状がX形開先となるように機械切削による開先加工を行う。またこの端面5では、図3のAに示すように、合せ材2を母材3に比べて所定距離分だけ多目に、端面5から離間するように除去するカットバック加工が施されることが好ましい。
次に、図3に示すように養生工程S2を実行する。即ち、開先加工が施された端面5近傍を除き、合せ材2の表面2aにポリエチレン等のシート6を貼着させて表面2aを覆う。
そして、図3に示すように造管工程S3を実行する。即ち、合せ材2の表面2aが径方向の外側に位置するように、ベンディングローラーを用いてクラッド鋼板1を軸線Oを中心とした管状に形成する。この際、開先加工を施した端面5同士が軸線Oの周方向に突き合わされる。
そして、接合準備工程S4を実行する。即ち、養生工程S2でシート6を貼着していない端面5近傍(溶接部分となる位置)の周囲における合せ材2の表面2aに、スパッタ付着防止剤4を塗布する。このスパッタ付着防止剤4とは、例えば、セラミック系の耐熱コート剤等である。
次に、接合工程S5を実行する。即ち、管状となったクラッド鋼板1の端面5同士が突き合わされることで形成された継ぎ目となる縦シームに、フラックスコアードアーク溶接(以下、FCAW溶接とする)を施して端面5同士を接合し、短管を形成する。
この際に用いられるシールドガスは、100%のCOガスとなっている。
より具体的にはこの接合工程S5では、図4(a)に示すように、まずX形開先を形成した端面5の外面側部分5aで、母材3同士を軸線Oの径方向外側から炭素鋼材用の溶接材を用いて接合する。その後、図4(b)に示すように、X形開先を形成した端面5の内面側部分5bにエアアークガウジングを施し、溶接不良部分をはつり取る。
さらに、図4(c)に示すように、内面側部分5bの母材3同士を、軸線Oの径方向内側から炭素鋼材用の溶接材を用いて接合する。
その後、図4(d)に示すように外面側部分5aの合せ材2同士を、軸線Oの径方向外側からステンレス用の溶接材を用いて接合する。
なお、ステンレス用の溶接材としては、合せ材2がSUS312Lの場合にはインコネル625(登録商標)を使用し、合せ材2がNAS354Nの場合にはハステロイC276(登録商標)を使用する。また、SUS312LとNAS354Nとを接合する場合には、インコネル625(登録商標)を使用することが好ましい。なお、インコネル625(登録商標)の成分を表1の上段に、また、ハステロイC276(登録商標)の成分を表1の下段に示す。
Figure 2015131328
ここで、接合工程S5での溶接時の条件として、母材3に溶接を施す際の入熱量を40〔kJ/cm〕以下とし、また、合せ材2に溶接を施す際の入熱量を10〔kJ/cm〕以上、20〔kJ/cm〕以下とする。これらの数値は、後述する実施例での結果に基づいて設定されている。
最後に、溶接部分を研磨し、酸洗を実施する仕上げ工程S6を実行する。即ち、合せ材2の溶接ビード部分、及びその周辺の熱影響部を研磨し、酸液によって洗浄する。
なお、図示はしないが、上述した開先加工工程S1を、短管における軸線O方向の端面に対して実行し、その後、養生工程S2、接合準備工程S4、接合工程S5、及び仕上げ工程S6を同様に実行する。このようにして複数の短管を接合して長尺のステンレスクラッド鋼管を製造する。この際、軸線O方向に短管を突き合わせた際の継ぎ目となる円周シームの溶接は、例えば、ウレタン製のターニングローラー上で回転させながら行われる。
このようなステンレスクラッド鋼材100の製造方法によると、接合工程S5で母材3への入熱量が40〔kJ/cm〕以下とし、合せ材2への入熱量を10〔kJ/cm〕以上、20〔kJ/cm〕以下とすることによって、溶接部分に十分な溶け込みを得ることができる。また、ステンレス鋼の合せ材2への入熱量を抑えることができる。
このため、溶接時の内部欠陥が発生することを防止しつつ、合せ材2での鋭敏化の発生を抑制しながらの溶接接合が可能となる。よって、短管を製造する場合の縦シームの溶接を行う際に、固溶化熱処理を行う必要がなくなる。
また同様に、短管を突き合わせて円周シームの溶接を行い、ステンレスクラッド鋼材100として、長尺のステンレスクラッド鋼管を製造する際にも固溶化熱処理を行う必要がなくなる。
この結果、固溶化熱処理を行う大きな専用設備が不要となる。また固溶化熱処理が不要となることで、製造可能な短管のサイズに制約がなくなり、短管サイズのバリエーションが多くなる。具体的には、短管長さがクラッド鋼板1の板幅寸法の最大値となるように、クラッド鋼板1の造管が可能となる。
また、100%のCOのシールドガスを用いたFCAW溶接を行うことで、溶接部分での溶接ビードの断面形状がナベ底状に拡がるため、溶接部分の端部での融合不良を防止しながらの溶接接合が可能となり、ステンレスクラッド鋼材100の品質向上につながる。
さらに、仕上げ工程S6で研磨、酸洗を行うことで、溶接スケールの除去が可能となることや、スパッタ付着防止剤4の塗布によって、溶接時に生じるスパッタが合せ材2の表面2aに付着してしまうことを防止することができる。このため、ステンレスクラッド鋼材100のさらなる品質向上につながる。
さらに、養生工程S2によって、クラッド鋼板1を造管する際に、合せ材2への異物の付着を防止することができることや、カットバック加工によって、母材3に溶接を施す際の炭素鋼用の溶接材が合せ材2に接触してしまわないようにできる。従って、溶接部分の品質向上につながり、ステンレスクラッド鋼材100のさらなる品質向上につながる。
本実施形態のステンレスクラッド鋼材100の製造方法によれば、固溶化熱処理を行う必要がなくなることで、コストを抑えつつ、ステンレスクラッド鋼材100を製造することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について詳細を説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内において、多少の設計変更も可能である。
例えば、上述の実施形態では、開先加工工程S1で加工する開先形状は、X形開先には限定されない。
また、接合工程S5ではFCAW溶接を用いる場合に限られず、母材3の部分の溶接にFCAW溶接以外のガスシールドアーク溶接、サブマージアーク溶接、被覆アーク溶接等を適用し、合せ材2の部分にFCAW溶接以外のガスシールドアーク溶接、TIG溶接、プラズマアーク溶接等を適用してもよい。
さらに、上述の実施形態では、ステンレスクラッド鋼材100は、海洋基礎構造物の基礎となる鋼管杭に適用可能とするように、鋼管である場合について説明した。しかしこのような場合には限定されず、例えばポンツーンなどの大型平面構造物に適用可能となるように大型鋼板として製造することも可能である。この場合には上述した造管工程S3は不要である。
〔実施例〕
ここで、表1に示すように、シールドガスに100%のCOガスを用いてステンレス鋼にFCAW溶接を施し、非破壊検査(UT(超音波探傷検査)、RT(放射線透過検査))によって溶接欠陥の発生の有無等を検査する実験を行った。
Figure 2015131328
実験結果は、ケース1の場合、即ち、入熱量が9.450〔kJ/cm 〕の場合には、UT検査、RT検査ともに不合格となった。これは、入熱量が小さすぎることで、融合不良が生じたためと考えられる。
また、ケース3の場合、即ち、入熱量が23.040〔kJ/cm 〕の場合には、UT検査、RT検査ともに合格であった。しかしながら、入熱量が大きすぎるため、CPT(臨界孔食発生温度)、及び、CCT(臨界すきま腐食発生温度)の結果が好ましくない結果となった。従って、ケース3の場合には固溶化熱処理によって耐食性能を向上させる必要がある。
ここで、ケース2の場合、即ち、入熱量が13.660〔kJ/cm 〕の場合には、UT検査、RT検査ともに合格であり、また、耐食性能も十分得られることがわかった。さらに、このケース2の場合には、機械的性質ついて疲労強度が疲労設計曲線のD等級を満足することや、JISA5525(鋼管杭)の規格を満足することが確認できた。
このような結果を踏まえ、上述の実施形態では、接合工程S5で合せ材2に溶接を施す際の入熱量を10〔kJ/cm〕以上、20〔kJ/cm〕以下とした。
また、表2に示すように、合せ材2に溶接を施す際の入熱量を10〔kJ/cm〕以上、20〔kJ/cm〕以下となる条件の下でシールドガスの種類を変え、ステンレス鋼にFCAW溶接を施し、溶接欠陥の発生の有無等を検査する実験を行った。
Figure 2015131328
ケース1〜3のように、シールドガスに100%のCOガスを用いた場合では、耐食性能、機械的性質、内部欠陥、及び外観のいずれについても合格となった。一方で、シールドガスに20%のCOガスと80%のArガスとを混合したガスを用いた場合には、RT検査の結果が不合格となり、内部欠陥が発生したことが確認できた。
このような結果を踏まえ、上述の実施形態では、接合工程S5では、シールドガスに100%のCOガスを用いた。
また、表3に示すように、シールドガスに100%のCOガスを用いて炭素鋼にサブマージアーク溶接を施し、外観検査、耐食性評価を行った。
Figure 2015131328
実験結果は、ケース3場合、即ち、入熱量が49.2〔kJ/cm 〕の場合には外観検査の結果が不良となった。これは、炭素鋼に溶接を施した後の溶接部の表面が滑らかでなく、上述の実施形態のように母材3の溶接後にさらに合せ材2の溶接を施すような場合に、溶接欠陥が生じてしまう可能性があるためである。
一方で、ケース1の入熱量が27.8〔kJ/cm 〕の場合、及び、ケース2の入熱量が35.2〔kJ/cm 〕の場合には、外観検査の結果は良好であった。
なお、耐食性評価ではケース1〜3のいずれの場合でも合格となった。この耐食性評価では、孔食電位を、60〔℃〕、5.6〔%〕の塩化ナトリウム水溶液中での電流密度が100〔μA/cm〕となる対SSE電位とし、900〔mV〕以上を合格とした。
このような結果を踏まえ、上述の実施形態では、接合工程S5で母材3に溶接を施す際の入熱量を40〔kJ/cm〕以下とした。
1…クラッド鋼板 2…合せ材 2a…表面 3…母材 4…スパッタ付着防止剤 5…端面 5a…外面側部分 5b…内面側部分 6・・・シート S1…開先加工工程 S2…養生工程 S3…造管工程 S4…接合準備工程 S5…接合工程 S6…仕上げ工程 100…ステンレスクラッド鋼材 O…軸線

Claims (6)

  1. SUS312L、又は、NAS354Nのステンレス鋼を合せ材とし、炭素鋼を母材としたクラッド鋼板に開先加工を施す開先加工工程と、
    前記開先加工を施した前記クラッド鋼板同士を突き合わせ、シールドガスとして100%のCOガスを用いたアーク溶接によって前記合せ材側から溶接による接合を行う接合工程と、
    を備え、
    前記接合工程では、前記母材に溶接を施す際の入熱量が40kJ/cm以下であり、前記合せ材に溶接を施す際の入熱量が10kJ/cm以上、20kJ/cm以下であることを特徴とするステンレスクラッド鋼材の製造方法。
  2. 前記接合工程では、フラックスコアードアーク溶接が用いられることを特徴とする請求項1に記載のステンレスクラッド鋼材の製造方法。
  3. 前記接合工程の後に、溶接部分を研磨し、酸洗を実施する仕上げ工程をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のステンレスクラッド鋼材の製造方法。
  4. 前記開先加工工程の後で、かつ前記接合工程の前に、溶接部分の周囲における前記合せ材の表面にスパッタ付着防止剤を塗布する接合準備工程をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のステンレスクラッド鋼材の製造方法。
  5. 前記開先加工工程の後で、かつ前記接合工程の前に、前記合せ材の表面をシートで覆う養生工程をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のステンレスクラッド鋼材の製造方法。
  6. 前記開先加工工程では、前記合せ材を溶接部分側の端面から所定距離除去するカットバック加工が施されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のステンレスクラッド鋼材の製造方法。
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