JP2015130284A - プラグ変換アダプタ - Google Patents

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Abstract

【課題】BFタイプのAC電源コンセントであっても容易にシャッターを開くことが可能であり、かつ、他のタイプのAC電源コンセントにも使用可能なプラグ変換アダプタを提供する。
【解決手段】一対の電極ピン1A,1Bの間隔を一対の第1可動部材5A,5Bを操作して調節できるため、より多くのタイプのAC電源コンセントに使用可能である。第2可動部材3によって、第1の可動部材5A,5Bの間隔を最大に規制するので、一対の電極ピン差込口の両隅を押すことでシャッターが開く構造を有したAC電源コンセントであっても容易にシャッターを開くことができる。
【選択図】図12

Description

本発明は、例えばAC電源コンセントに挿入するプラグなど、所定のタイプのプラグを別タイプのプラグに変換するために用いられるプラグ変換アダプタに関するものである。
世界には様々なタイプのAC電源コンセントが存在しているため、国内の電化製品を海外で使用する場合には、その国のAC電源コンセントと適合するようにプラグを変換するアダプタが必要となる。下記の特許文献1には、海外の様々な規格のAC電源コンセント(BF,B3,B,C,SE,O)と適合するように電極ピンの形状や配置,数などを変換できる海外コンセント用アダプタが記載されている。
特許第3946491号公報明細書
上述した特許文献1に記載されるアダプタは、電極差込口の間隔が異なる様々なタイプのAC電源コンセントと適合するように、電極ピン(プラグ端子)の間隔を調節できる構造となっている。一対の電極ピンは、例えば、アダプタのケース内部に設けられた一対のスライド部材に接続される。一対のスライド部材は、バネなどによって互いに離れる方向に付勢されている。一対のスライド部材の端部は、ケースの両側に開いた孔から押ボタンとして外部に突出している。この一対の押ボタンをバネ等の付勢力に逆らって押すことにより、一対の電極ピンの間隔を狭めることができる。
他方、海外のAC電源コンセントの中には、安全のため、電極ピンの差込口をシャッターによって開閉するものがある。例えば、イギリス,香港等で使用されているBFタイプのAC電源コンセントは、アース差込口に適当なピンを挿入しなければ、一対の電極ピン差込口のシャッターが開かない構造となっている。
また、BFタイプのAC電源コンセントの中には、上記と異なる仕組みでシャッターを開閉するものがある。すなわち、一対の電極ピンが一対の電極ピン差込口の両隅(互いに最も離れた隅)をシャッターの上から押すことによって、シャッターが開放する仕組みのシャッター構造である。このようなシャッター構造によれば、本来の角柱形状ではない電極ピン(特にBタイプ,Cタイプなどの断面が円形の電極ピン)の誤挿入が防止される。
ところが、一対の電極ピンが一対の電極ピン差込口の両隅を押すことでシャッターが開く構造を有したAC電源コンセント場合、上述した従来のアダプタでは、シャッターを開放させ難いという問題がある。すなわち、一対の電極ピンによって一対の電極ピン差込口の両隅を押そうとしても、従来のアダプタでは一対の電極ピンの間隔が変化し易くなっているため、両隅を適切に押すことが難しい場合がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電極ピンの形状が異なる複数タイプのプラグに対応可能であるとともに、一対の電極ピンが一対の電極ピン差込口の両隅を押すことでシャッターが開く構造を有したAC電源コンセントであっても容易にシャッターを開くことが可能なプラグ変換アダプタを提供することにある。
本発明に係るプラグ変換アダプタは、所定のタイプのプラグを複数の別タイプのプラグに変換可能なプラグ変換アダプタであって、前記所定のタイプのプラグを受け入れるソケットが設けられた第1ケーシングと、前記第1ケーシングから平行に突出し、前記別タイプのプラグの少なくとも一部を構成する一対の電極ピンと、前記一対の電極ピンをそれぞれ保持し、前記一対の電極ピンの平行を保ったまま前記一対の電極ピンの間隔を変化させる方向へ移動し得るように前記第1ケーシングに配置された一対の第1可動部材と、前記一対の第1可動部材の移動を許容して前記一対の電極ピンの間隔が可変な第1の位置と、前記一対の第1可動部材の移動を規制して前記一対の電極ピンの間隔が固定される第2の位置と、で移動可能であり、前記一対の電極ピンの間隔が最大のときに前記第2の位置に着座して、前記第1可動部材による前記一対の電極ピンの移動を解除可能に規制する前記第1ケーシングに配置された第2可動部材と、を有する。
好適に、前記一対の第1可動部材は、該一対の第1可動部材を互いに離間する方向へ付勢する第1弾性部材を有してよい。前記第1ケーシングは、前記一対の電極ピンが一定の可動範囲を超えて離間しないように前記一対の第1可動部材をそれぞれ係止する一対の係止部と、前記第1弾性部材の付勢力によって前記一対の第1可動部材の操作部をそれぞれ外部に露出させる一対の開口部と、を有してよい。
好適に、前記第2可動部材は、第1ケーシングに開口された長孔への貫通を許容して、前記第1ケーシングの外部に露出する移動操作部と、前記移動操作部に比べて幅広に形成され、前記長孔への貫通を阻止する本体部と、を有してよい。
好適に、前記第1ケーシング内の前記一対の第1可動部材の間に突設され、前記第2可動部材を前記一対の電極ピンと平行にスライド移動するように案内するガイド部材を有してよい。
好適に、前記第1ケーシング内の前記一対の第1可動部材の間に突設され、前記第2可動部材を前記一対の電極ピンと平行にスライド移動するように案内するガイド部材を有してよい。
好適に、前記第2可動部材が前記第2の位置に着座したときに、前記第2可動部材の位置を解除可能に固定する係合機構を有してよい。
前記係合機構は、前記ガイド部材の一部に形成された突起部と、前記第2可動部材の本体部に備えられ、前記突起部に係脱可能に係合する揺動壁と、を有してよい。
好適に、上記プラグ変換アダプタは、前記一対の電極ピンとともに前記別タイプのプラグを構成するアース差込口用ピンを備えた第2ケーシングを有してよい。前記第1ケーシングは、前記長孔が形成される面と対向する面において前記第2ケーシングを着脱自在に装着する装着部を有してよい。
本発明によれば、電極ピンの形状が異なる複数タイプのプラグに対応可能であるとともに、一対の電極ピンが一対の電極ピン差込口の両隅を押すことでシャッターが開く構造を有したAC電源コンセントであっても容易にシャッターを開くことができる。
本発明の実施形態に係るプラグ変換アダプタの一例を示す図である。図1Aは正面図を示し、図1Bは背面図を示し、図1Cは平面図を示し、図1Dは底面図を示し、図1Eは右側面図を示し、図1Fは左側面図を示す。 図1に示すプラグ変換アダプタにキャップを装着した状態を示す図である。図2Aは正面図を示し、図2Bは背面図を示し、図2Cは平面図を示し、図2Dは底面図を示し、図2Eは右側面図を示し、図2Fは左側面図を示す。 図1に示すプラグ変換アダプタをAタイプのAC電源コンセントに使用する場合の外観例を示す図である。図3Aは先端側から観た斜視図を示し、図3Bは背面側から観た斜視図を示す。 図1に示すプラグ変換アダプタをOタイプのAC電源コンセントに使用する場合の外観例を示す図である。図4Aは先端側から観た斜視図を示し、図4Bは背面側から観た斜視図を示す。 図1に示すプラグ変換アダプタをO2タイプのAC電源コンセントに使用する場合の外観例を示す図である。図5Aは先端側から観た斜視図を示し、図5Bは背面側から観た斜視図を示す。 図1に示すプラグ変換アダプタをBタイプ,SEタイプ又はCタイプのAC電源コンセントに使用する場合の外観例を示す図である。図6Aは先端側から観た斜視図を示し、図6Bは背面側から観た斜視図を示す。 図1に示すプラグ変換アダプタをBFタイプのAC電源コンセントに使用する場合の外観例を示す図である。図7Aは先端側から観た斜視図を示し、図7Bは背面側から観た斜視図を示す。 図1に示すプラグ変換アダプタをB3タイプのAC電源コンセントに使用する場合の外観例を示す図である。図8Aは先端側から観た斜視図を示し、図8Bは背面側から観た斜視図を示す。 第1ケーシングの一部が取り外された状態を示す斜視図である。図9Aは一対の電極ピンの間隔が最小の場合を示し、図9Bは一対の電極ピンの間隔が最大の場合を示す。 第1ケーシングの一部が取り外された状態を示す斜視図である。図10Aは一方のケース部材を取り外した状態を示し、図10Bは他方のケース部材を取り外した状態を示す。 第1ケーシングの長孔内の移動操作部が第1の位置にある状態を示す平面図である。図11Aは長孔内における移動操作部の第1の位置を示し、図11Bは第1可動部材のストローク可能状態において電極ピン同士の間隔が広い場合を示し、図11Cは第1可動部材のストローク可能状態において電極ピン同士の間隔が狭い場合を示す。 第1ケーシングの長孔内の移動操作部が第2の位置にある状態を示す平面図である。図12Aは長孔内における移動操作部の第2の位置を示し、図12Bは第1可動部材のストローク固定状態において電極ピン同士の間隔が広く固定されている場合を示す。
図1は、本発明の実施形態に係るプラグ変換アダプタの一例を示す図である。図1Aは正面図を示し、図1Bは背面図を示し、図1Cは平面図を示し、図1Dは底面図を示し、図1Eは右側面図を示し、図1Fは左側面図を示す。図1に示すプラグ変換アダプタは、それぞれソケットと電極ピンを備えた2つのケーシング(第1ケーシング10,第2ケーシング20)を有する。図1の例では、第1ケーシング10のソケット7(図6,図7,図8)に第2ケーシング20の電極ピン24A,24B(図3,図4,図5)が挿入されている。第1ケーシング10と第2ケーシング20を図1のように合体させることで、全体のサイズがコンパクトになり、持ち運びが容易となる。
図2は、図1に示すプラグ変換アダプタにキャップを装着した状態を示す図である。図2Aは正面図を示し、図2Bは背面図を示し、図2Cは平面図を示し、図2Dは底面図を示し、図2Eは右側面図を示し、図2Fは左側面図を示す。プラグ変換アダプタの第1ケーシング10の先端側の側面には、電極ピン1A,1Bが平行に突設されている(図1)。図2に示すように、プラグ変換アダプタの先端部には、キャップ2が着脱自在に取り付けられる。キャップ2は、例えば合成樹脂などの材料によって形成され、頂部が閉塞された長円筒体状を呈している。プラグ変換アダプタの先端部にキャップ2を取り付けることにより、当該キャップ2で電極ピン1A,1Bを覆って保護することができるので、持ち運びの際における電極ピン1A,1Bの損傷を防止することができる。キャップ2の幅方向の両側面には、第1ケーシング10もしくは第2ケーシング20の溝部19,29に当該キャップ2を着脱自在に取り付けるための横断面T字形状の突部28A,28Bが設けられている(図1B,図2B)。
図3〜図8は、図1に示すプラグ変換アダプタを各種タイプのAC電源コンセント(A,O,O2,B,SE,C,BF,B3)に使用する場合の外観例を示す図である。図3はAタイプ、図4はOタイプ、図5はO2タイプ、図6はBタイプ,SEタイプ又はCタイプ、図7はBFタイプ、図8はB3タイプの場合の外観例をそれぞれ示す。
Aタイプ,Oタイプ,O2タイプのAC電源コンセントについては、図3〜図5に示すように、第2ケーシング20が単体で用いられる。Bタイプ,SEタイプ,CタイプのAC電源コンセントについては、図6に示すように、第1ケーシング10が単体で用いられる。BFタイプ,B3タイプのAC電源コンセントについては、図7,図8に示すように、第1ケーシング10と第2ケーシング20を組み合わせて使用される。
まず、第2ケーシング20について説明する。
第2ケーシング20は、幅方向の両端部が丸みを帯びた薄い箱型の形状を有し、その1つの側面にソケット21(図1D,図2D,図3B,図4B,図5B)が設けられ、当該1つの側面と対向する側面に一対の電極ピン24A,24Bが設けられている(図3A,図4A,図5A)。ソケット21は、所定のタイプの電源プラグが備える一対の電極ピンを受け入れるための一対のメスコンタクト21A,21Bを有する。一対の電極ピン24A,24Bは、それぞれ細長い板状の形状を有しており、第2ケーシング20の一側面から互いに平行に突出する。メスコンタクト21Aは電極ピン24Aと導通し、メスコンタクト21Bは電極ピン24Bと導通する。
一対の電極ピン24A,24Bは、その突出方向と平行な回転軸において回動できるように、第2ケーシング20においてそれぞれ回動自在に支持されている。そのため、一対の電極ピン24A,24Bは、図3A,図4B,図5Aに示すように、それぞれ面の傾きを調節できる。AタイプのAC電源コンセントに使用される場合、一対の電極ピン24A,24Bの面は互いに平行とされ(図3A)、Oタイプ又はO2タイプのAC電源コンセントに使用される場合、一対の電極ピン24A,24Bの面は非平行に傾いた状態とされる(図4B,図5A)。
また、第2ケーシング20には、O2タイプのAC電源コンセントにおいて使用されるアース差込口用ピン27が折り畳み自在に設けられている(図5A)。アース差込口用ピン27は、O2タイプのAC電源コンセントのアース差込口に挿入してシャッターを開放させるためのピンである。アース差込口用ピン27は、側面においてL型に曲がった板状の部材によって構成される。そのL型板状部材の一端は、第2ケーシング20における一対の電極ピン24A,24Bの中間において回転自在に支持されている。O2タイプのAC電源コンセントの場合、アース差込口用ピン27は、電極ピン24A,24Bと平行に突き出た状態とされる。それ以外のAC電源コンセントの場合、アース差込口用ピン27は、第2ケーシング20に設けられた溝の中に折り畳まれた状態とされる。
更に、第2ケーシング20には、BFタイプのAC電源コンセントに使用されるアース差込口用ピン25と、B3タイプのAC電源コンセントに使用されるアース差込口用ピン26とが、それぞれ折り畳み自在に設けられている(図3,図4,図5,)。アース差込口用ピン25,26は、いずれも、アース差込口に挿入してシャッターを開放させるためのピンである。アース差込口用ピン25は細長い板状の形状を有し、アース差込口用ピン26は先端部が丸められた円柱状の形状を有する。
第2ケーシング20の対向する2つの側面(ソケット21と電極ピン24A,24Bが設けられていない側面)には、それぞれ溝が形成される。一方の溝の中では、アース差込口用ピン25の一端が回動自在に支持され、他方の溝の中では、アース差込口用ピン26の一端が回動自在に支持される。アース差込口用ピン25,26は、それぞれ使用時に第2ケーシング20の側面から突き出た状態とされ、未使用時には溝の中に折り畳まれた状態とされる。
第2ケーシング20においてソケット21が形成される側面部に近接した部分には、その側面部の縁と平行に伸びた溝22,23が形成される。この溝22,23は、第1ケーシング10に形成された突条16(図1A,図6A)に嵌合可能である。溝22又は溝23と突条16とが嵌合されることによって、第2ケーシング20は第1ケーシング10に着脱自在に装着された状態となる(図7,図8)。アース差込口用ピン25が使用される場合、当該アース差込口用ピン25を電極ピン1A,1B側へ向けて、第2ケーシング20の溝23と第1ケーシング10の突条16とが嵌合される(図7)。アース差込口用ピン26が使用される場合は、当該アース差込口用ピン26を電極ピン1A,1B側へ向けて、第2ケーシング20の溝22と第1ケーシング10の突条16とが嵌合される(図8)。第1ケーシング10の突条16は、本発明における装着部の一例である。
第1ケーシング10の突条16は、後述する長孔6(図1A,図1B)が形成される面と対向する面に形成されている。そのため、長孔6を貫通した第2可動部材3の移動操作部32(図1B)は、第2ケーシング20を第1ケーシング10に装着させた状態でも第1ケーシング10の外側に露出した状態となり、容易に操作をすることが可能である。長孔6を貫通する第2可動部材3の移動操作部32は、BFタイプのAC電源コンセント(図7)において一対の電極ピン1A,1B間の幅を最大に固定させる操作において使用される。
以上が、第2ケーシング20の説明である。
次に、第1ケーシング10について説明する。
第1ケーシング10は、第2ケーシング20と同様に、幅方向の両端部が丸みを帯びた薄い箱型の形状を有し、その1つの側面にソケット7(図6B,図7B,図8B)が設けられ、当該1つの側面と対向する側面に一対の電極ピン1A,1B(図6A,図7A,図8A)が設けられている。第1ケーシング10の横幅は、ソケット7の側に比べて一対の電極ピン1A,1Bの側が狭くなっている。ソケット7は、所定のタイプの電源プラグが備える一対の電極ピンを受け入れるための一対のメスコンタクト7A,7B(図6B,図7B,図8B)を有する。一対の電極ピン1A,1Bは、それぞれ先端部が丸みを帯びた円柱状の形状を有しており、第1ケーシング10の一側面から互いに平行に突出している。メスコンタクト7Aは電極ピン1Aと導通し、メスコンタクト7Bは電極ピン1Bと導通する。
また、第1ケーシング10には、一対の電極ピン1A,1Bをそれぞれ保持する一対の第1可動部材5A,5Bが設けられている(図1,図6,図7,図8)。一対の第1可動部材5A,5Bは、一対の電極ピン1A,1Bの平行を保ったまま一対の電極ピン1A,1Bの間隔を変化させる方向へ移動し得るように、第1ケーシング10の内部において移動可能に配置されている。一対の第1可動部材5A,5Bを操作することにより、一対の電極ピン1A,1Bの間隔をAC電源コンセントのタイプ(B,SE,C,B3)に合わせて調節することができる(図6,図8)。
なお、図3〜図8において、キャップ2は、当該キャップ2の幅方向の両側面の突部28A,28Bを用いて、第1ケーシング10もしくは第2ケーシング20の溝部19,29に着脱自在に取り付けられる。当該キャップ2は、不図示の三極プラグを差し込むためのメスコネクタとしても機能する。
図9〜図12を参照して、第1ケーシング10の内部の構造を説明する。
図9は、第1ケーシング10の一部が取り外された状態を示す斜視図である。第1ケーシング10は、側面の中央付近において2つの部材(ケース部材11,12)に分かれている(図6〜図8)。図9の斜視図は、その一方(ケース部材12)を取り外した状態を示す。図9Aは一対の電極ピン1A,1Bの間隔が最小の場合を示し、図9Bは一対の電極ピン1A,1Bの間隔が最大の場合を示す。図9に示すように、第1ケーシング10には、一対の電極ピン1A,1Bをそれぞれ保持する一対の第1可動部材5A,5Bと、当該第1可動部材5A,5Bを互いに離間する方向へ付勢する第1弾性部材9が設けられている(図11B,図11C,図12B)。第1弾性部材9は、例えば、金属のスプリング(バネ)などを用いて構成される。
図10は、第1ケーシング10の一部が取り外された状態を示す斜視図である。図10Aの斜視図は、一方のケース部材12を取り外した状態を示す。図10Bの斜視図は、他方のケース部材11を取り外した状態を示す。一対の第1可動部材5A,5Bは、第1ケーシング10から外部へと突き出した操作部50A,50Bと、これらの操作部50A,50Bの基端側に配され、当該操作部50A,50Bの外方への移動を規制するための幅広部51A,51Bと、これらの幅広部51A,51Bから先端側へ延出された係合部52A,52Bと、から構成される。操作部50A,50Bは円柱状を呈しており、その基部の幅広部51A,51Bは直方体状を呈している。係合部52A,52Bは、平面形状が逆L字状を呈している。操作部50A,50B、幅広部51A,51B及び係合部52A,52Bは、例えば、適度な強度と絶縁性を有する合成樹脂などの材料によって一体成形されている。
第1弾性部材9は、幅広部51A,51Bの対向面に形成された円柱状孔53内に配設される。一対の第1可動部材5A,5Bは、第1弾性部材9によって互いに離間する方向に付勢される。逆L字形状の係合部52A,52Bの対向面同士は、間隔を隔てて配置される。幅広部51A,51B及び係合部52A,52Bの内部には、一対の電極ピン1A,1Bが挿通されている。一対の第1可動部材5A,5Bは、一対の電極ピン1A,1Bの平行を保ったまま一対の電極ピン1A,1Bの間隔を変化させる方向へ移動し得るように、第1ケーシング10の内部において移動可能に配置されている。
また、第1ケーシング10には、第1弾性部材9の付勢力によって互いに離間する方向に移動する一対の電極ピン1A,1Bの可動範囲を制限するために、一対の係止部13A,13Bが形成される(図9)。一対の係止部13A,13Bは、第1弾性部材9の付勢力を受けた一対の第1可動部材5A,5Bの幅広部51A,51Bを係止することによって、一対の電極ピン1A,1Bの可動範囲を一定範囲内に制限する(図9,図10)。一対の係止部13A,13Bが一対の幅広部51A,51Bを係止した状態において、一対の電極ピン1A,1Bの間隔は最大となる(図9B)。図9の例において、係止部13A,13Bは、第1可動部材5A,5Bの操作部50A,50Bの貫通を許容するとともに、その操作部50A,50Bより内側に位置する第1可動部材5Aの幅広部52A,52Bの貫通を阻止するように形成された一対の開口部14A,14Bを有する(図9,図10)。
一対の第1可動部材5A,5Bの操作部50A,50Bは、第1弾性部材9の付勢力によって、第1ケーシング10に形成された一対の開口部14A,14Bにおいて外部に露出する。この外部に露出した第1可動部材5A,5Bの操作部50A,50Bを、第1弾性部材9の付勢力に抗して第1ケーシング10の内側方向へ押し戻すことにより、一対の電極ピン1A,1Bの間隔が狭められる。
図10に示すように、第1ケーシング10の内部において、一対の係合部52A,52Bの間には、第2可動部材3と、その第2可動部材3の位置を解除可能に固定する係合機構8が設けられている。
図10Aに示すように、第2可動部材3の本体部31は門型の矩形部材であり、その頂部に当該本体部31に比べて縮幅され、直方体状の突出した移動操作部32を有する。第2可動部材3の移動操作部32は、第1ケーシング10に形成された長孔6を貫通して、第1ケーシング10の外部に露出した状態となる(図1B)。長孔6は、第1ケーシング10において一対の電極ピン1A,1Bと平行な方向に伸びて形成されており、移動操作部32の貫通を許容しつつ、当該移動操作部32よりも幅広に形成された第2可動部材3の本体部31の貫通を阻止する。
第1ケーシング部材11の第1可動部材5A,5B間には、第2可動部材3のスライド移動を案内する逆T字状のガイド部材4が突設されている。逆T字状のガイド部材4は、一対の電極ピン1A,1Bと平行に配されたガイド部41と、当該ガイド部41の端部を閉塞するように設けられ、第2可動部材3のスライド移動を規制する規制部42と、を有する。第2可動部材3は、ガイド部41に跨るように配置され、当該ガイド部41に沿ってスライド移動し得るように第1ケーシング10の内部に配置される。第2可動部材3の移動操作部32は、一方のケース部材12に開口された長孔6から露出するように配置される。長孔6内において、第2可動部材3の移動操作部32を移動操作すると、第1ケーシング10の内部の第1可動部材3の本体部31がガイド部材4のガイド部41に沿って一対の電極ピン1A,1Bと平行な方向に移動する(図10B)。
第2可動部材3の本体部31の横幅は、一対の第1可動部材5A,5Bの係合部52A,52Bの間隔が最大のときに、これらの係合部52A,52B間に第2可動部材3の本体部31を進出させて、当該係合部52A,52B同士の間隔を規制するように設定されている。図10Aに示すように、一対の電極ピン1A,1Bと平行に延びたガイド部材4の先端側の両側部には、突起部81が幅方向に突設されている。他方、図10Bに示すように、第2可動部材3の門型の本体部31の内側には、スリット82A,82Bを介して一対の揺動壁83A,83Bが揺動可能に形成されている。一対の揺動壁83A,83Bの対向面は、横断面が二連円弧状に形成されている。
したがって、第2可動部材3の本体部31がガイド部材4に沿って先端側へ移動すると、二連円弧状の揺動壁83A,83Bがスリット82A,82B側へ揺動し、ガイド部材4の突起部81が当該揺動壁83A,83Bの円弧部を乗り越えて谷部84A,84Bに係合することになる。すなわち、ガイド部材4の突起部81と、第2可動部材3の本体部31の二連円弧状の揺動壁83A,83Bとは、本実施形態に係るプラグ変換アダプタの係合機構8を構成する。ガイド部材4の突起部81及び第2可動部材3の本体部31の二連円弧状の揺動壁83A,83Bは、本実施形態の係合機構8の一例である。
図11は、第1ケーシングの長孔内の移動操作部が第1の位置にある状態を示す平面図である。図11に示すように、第2可動部材3の移動操作部32は、ケーシング部材12に開口された長孔6内において、一対の電極ピン1A,1Bから離れた後端側の第1の位置にある。第2可動部材3の移動操作部32が第1の位置に着座するときは、一対の第1可動部材5A,5Bの移動を許容し、一対の電極ピン1A,1Bの間隔が可変である。
すなわち、一対の第1可動部材5A,5Bの操作部50A,50Bを操作することにより、一対の電極ピン1A,1Bの間隔を変化させることができる。図11Aは、長孔6内における第2可動部材3の移動操作部32が第1の位置に着座している状態を示している。図11Bは、第1可動部材5A,5Bがストローク可能状態において、一対の電極ピン1A,1B同士の間隔が広い場合を示している。図11Cは、5A,5Bがストローク可能状態において、一対の電極ピン1A,1B同士の間隔が狭い場合を示している。
図12は、第1ケーシングの長孔内の移動操作部が第2の位置にある状態を示す平面図である。図12に示すように、第2可動部材3の移動操作部32は、ケーシング部材12に開口された長孔6内において、一対の電極ピン1A,1Bに近い先端側の第2の位置にある。第2可動部材3の移動操作部32が第2の位置に着座するときは、一対の第1可動部材5A,5Bの移動を規制し、一対の電極ピン1A,1Bの間隔が固定される。
すなわち、一対の第1可動部材5A,5Bの間に第2可動部材3が進入し、当該一対の第1可動部材5A,5Bの移動が規制されるので、その操作部50A,50Bは操作できない。一対の電極ピン1A,1Bの間隔は、第2可動部材3によって最大の間隔に保持される。図12Aは、長孔6内における第2可動部材3の移動操作部32が第2の位置に着座している状態を示している。図12Bは、第1可動部材5A,5Bがストローク固定状態において、一対の電極ピン1A,1B同士の間隔が広く固定されている状態を示している。
以上説明したように、本実施形態に係るプラグ変換アダプタによれば、第2可動部材3は、一対の第1可動部材5A,5Bの移動を許容して一対の電極ピン1A,1Bの間隔が可変な第1の位置と、一対の第1可動部材5A,5Bの移動を規制して一対の電極ピン1A,1Bの間隔が固定される第2の位置と、で移動可能である。第2可動部材3は、一対の電極ピン1A,1Bの間隔が最大のときに第2の位置に着座して、第1可動部材5A,5Bによる一対の電極ピン1A,1Bの移動を解除可能に規制する。そのため、一対の電極ピン差込口の両隅(互いに最も離れた隅)をシャッターの上から押すことによりシャッターを開放させるタイプ(BFタイプ等)のAC電源コンセントであっても、最大の間隔に固定した一対の電極ピン1A,1Bにより容易にシャッターを開くことができる。
また、本実施形態に係るプラグ変換アダプタによれば、一対の第1可動部材5A,5Bの操作部50A,50Bが、第1弾性部材9の付勢力によって、第1ケーシング10に形成された一対の開口部14A,14Bにおいて外部に露出する。第1ケーシング10に形成された一対の係止部13A,13Bは、一対の電極ピン1A,1Bが一定の可動範囲を超えて離間しないように一対の第1可動部材5A,5Bをそれぞれ係止する。この外部に露出した第1可動部材5A,5Bの操作部50A,50Bを、第1弾性部材9の付勢力に抗して第1ケーシング10の内側方向へ押し戻すことにより、一対の電極ピン1A,1Bの間隔を変化させることができる。そのため、本実施形態に係るプラグ変換アダプタは、BFタイプ以外のAC電源コンセント(B,SE,C,B3等)にも使用可能である。
更に、本実施形態に係るプラグ変換アダプタによれば、第2可動部材3が、第1ケーシング10に開口された長孔6への貫通を許容して、第1ケーシング10の外部に露出する移動操作部32と、この移動操作部32に比べて幅広に形成され、長孔6への貫通を阻止する本体部31と、を有する。長孔6内において、第2可動部材3の移動操作部32を移動操作すると、第1ケーシング10の内部の第1可動部材3の本体部31がガイド部材4に沿って一対の電極ピン1A,1Bと平行な方向にスライド移動する。そして、第2の位置に着座したときに、係合機構8によって第2可動部材3を解除可能に固定するので、一対の電極ピン1A,1Bの間隔を最大に保持して、BFタイプのAC電源コンセントに対応させることができる。
また、本実施形態に係るプラグ変換アダプタによれば、第2可動部材3の本体部31がガイド部材4に沿って先端側の第2の位置へ移動すると、二連円弧状の揺動壁83A,83Bがスリット82A,82B側へ揺動し、ガイド部材4の突起部81が当該揺動壁83A,83Bの円弧部を乗り越えて谷部84A,84Bに係脱可能に係合する。したがって、本実施形態に係るプラグ変換アダプタによれば、簡単な係合機構8を備えることにより、第1の可動部材5A,5Bを規制する第2の位置に第2可動部材3を係脱可能に固定することができる。
更に、本実施形態に係るプラグ変換アダプタは、一対の電極ピン1A,1Bとともに別タイプのプラグを構成するアース差込口用ピン25,26,27を備えた第2ケーシング20を有する。また、第1ケーシング10は、長孔6が形成される面と対向する面において第2ケーシング20を着脱自在に装着する装着部(突条16)を有するので、Aタイプ,Oタイプ,O2タイプのAC電源コンセントに対応させることができる。
そして、本実施形態に係るプラグ変換アダプタによれば、第2ケーシング20の一対の電極ピン24A,24Bが第1ケーシング10のメスコネクタ7A,7Bに接続可能であるので、第1ケーシング10に第2ケーシング20を接続してコンパクトに持ち運ぶことができる。
また、本実施形態に係るプラグ変換アダプタによれば、当該プラグ変換アダプタの先端部にキャップ2を取り付けることができるので、電極ピン1A,1Bをキャップ2で覆って保護することができ、持ち運びの際における電極ピン1A,1Bの損傷を防止することができる。更に、キャップ2は、一対の電極ピン1A,1Bの保護機能だけでなく、第1ケーシング10もしくは第2ケーシング20にキャップ2を取り付けた場合には、当該キャップ2によって、不図示のアース電極が露出することを防止する機能も兼ね備えている。
すなわち、本実施形態に係るプラグ変換アダプタによれば、所定のタイプのプラグを受け入れるソケット7が設けられた第1ケーシング10と、別タイプのプラグを構成するアース差込口用ピン25,26,27を備えた第2ケーシング20と、を有するので、電極ピンの形状が異なる複数タイプのプラグに対応可能である。また、一対の電極ピン1A,1Bの間隔を一対の第1可動部材5A,5Bの操作によって調節できるため、より多くのタイプのAC電源コンセントに使用可能である。更に、第2可動部材3によって、第1の可動部材5A,5Bの間隔を最大に規制することができるので、一対の電極ピン差込口の両隅を押すことでシャッターが開く構造を有したAC電源コンセントであっても容易にシャッターを開くことができるものである。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。すなわち、ピンや各部材、ケーシング等の形状、サイズ、間隔、配置等は一例であり、上記以外の様々な形態も本発明のバリエーションを構成し得る。
1A,1B,24A,24B…電極ピン、3…第2可動部材、4…ガイド部材、5A,5B…第1可動部材、6…長孔、7…ソケット、7A,7B…メスコンタクト、8…係合機構、9…第1弾性部材、10…第1ケーシング、11,12…ケーシング部材、13A,13B…係止部、14A,14B…開口部、16…突条、20…第2ケーシング、25〜27…アース差込口用ピン、32…移動操作部、31…第2可動部材の本体部、81…突起部、83A,83B…揺動壁。

Claims (7)

  1. 所定のタイプのプラグを複数の別タイプのプラグに変換可能なプラグ変換アダプタであって、
    前記所定のタイプのプラグを受け入れるソケットが設けられた第1ケーシングと、
    前記第1ケーシングから平行に突出し、前記別タイプのプラグの少なくとも一部を構成する一対の電極ピンと、
    前記一対の電極ピンをそれぞれ保持し、前記一対の電極ピンの平行を保ったまま前記一対の電極ピンの間隔を変化させる方向へ移動し得るように前記第1ケーシングに配置された一対の第1可動部材と、
    前記一対の第1可動部材の移動を許容して前記一対の電極ピンの間隔が可変な第1の位置と、前記一対の第1可動部材の移動を規制して前記一対の電極ピンの間隔が固定される第2の位置と、で移動可能であり、前記一対の電極ピンの間隔が最大のときに前記第2の位置に着座して、前記第1可動部材による前記一対の電極ピンの移動を解除可能に規制する前記第1ケーシングに配置された第2可動部材と、
    を有するプラグ変換アダプタ。
  2. 前記一対の第1可動部材は、該一対の第1可動部材を互いに離間する方向へ付勢する第1弾性部材を有し、
    前記第1ケーシングは、
    前記一対の電極ピンが一定の可動範囲を超えて離間しないように前記一対の第1可動部材をそれぞれ係止する一対の係止部と、
    前記第1弾性部材の付勢力によって前記一対の第1可動部材の操作部をそれぞれ外部に露出させる一対の開口部と、
    を有する、
    請求項1に記載のプラグ変換アダプタ。
  3. 前記第2可動部材は、
    第1ケーシングに開口された長孔への貫通を許容して、前記第1ケーシングの外部に露出する移動操作部と、
    前記移動操作部に比べて幅広に形成され、前記長孔への貫通を阻止する本体部とを有する、
    請求項1又は2に記載のプラグ変換アダプタ。
  4. 前記第1ケーシング内の前記一対の第1可動部材の間に突設され、前記第2可動部材を前記一対の電極ピンと平行にスライド移動するように案内するガイド部材を有する、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプラグ変換アダプタ。
  5. 前記第2可動部材が前記第2の位置に着座したときに、前記第2可動部材の位置を解除可能に固定する係合機構を有する、
    請求項4に記載のプラグ変換アダプタ。
  6. 前記係合機構は、
    前記ガイド部材の一部に形成された突起部と、
    前記第2可動部材の本体部に備えられ、前記突起部に係脱可能に係合する揺動壁と、
    を有する、
    請求項5に記載のプラグ変換アダプタ。
  7. 前記一対の電極ピンとともに前記別タイプのプラグを構成するアース差込口用ピンを備えた第2ケーシングを有し、
    前記第1ケーシングは、前記長孔が形成される面と対向する面において前記第2ケーシングを着脱自在に装着する装着部を有する、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載のプラグ変換アダプタ。
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