次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、定着装置を備えるレーザプリンタの全体構成を簡単に説明した後、本発明の特徴部分を詳細に説明することとする。
以下の説明において、方向は、レーザプリンタ使用時のユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1において、紙面に向かって右側を「前側」、紙面に向かって左側を「後側」とし、紙面に向かって手前側を「左側」、紙面に向かって奥側を「右側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
図1に示すように、レーザプリンタ1は、本体フレーム2内に、用紙3を給紙するためのフィーダ部4と、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5とを備えている。
フィーダ部4は、本体フレーム2内の底部に着脱可能に装着される給紙トレイ6と、給紙トレイ6内に設けられた用紙押圧板7を備えている。また、フィーダ部4は、給紙トレイ6の前側上部に設けられる給紙ローラ8および給紙パット9と、給紙ローラ8に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられる紙粉取りローラ10,11を備えている。さらに、フィーダ部4は、紙粉取りローラ11に対して下流側に設けられるレジストローラ12を備えている。
そして、このように構成されるフィーダ部4では、給紙トレイ6内の用紙3が、用紙押圧板7によって給紙ローラ8側に寄せられ、この給紙ローラ8および給紙パット9で一枚ずつに分離されて送り出され、本体フレーム2の前側においてUターンするように各種ローラ10〜12を通り、本体フレーム2の前側から後側に向かって画像形成部5に搬送される。
画像形成部5は、スキャナ部16と、プロセスカートリッジ17と、定着装置18とを備えている。
スキャナ部16は、本体フレーム2内の上部に設けられ、レーザ発光部(図示せず。)、回転駆動されるポリゴンミラー19、レンズ20,21、反射鏡22,23,24などを備えている。そして、スキャナ部16では、レーザビームが図の鎖線で示す経路を通って、プロセスカートリッジ17の感光ドラム27の表面上に高速走査にて照射される。
プロセスカートリッジ17は、スキャナ部16の下方に配設され、本体フレーム2に対して着脱可能となっている。プロセスカートリッジ17は、現像カートリッジ28とドラムユニット51とで主に構成されている。
現像カートリッジ28は、現像ローラ31、層厚規制ブレード32、供給ローラ33およびトナーホッパ34を備えている。そして、トナーホッパ34内のトナーは、アジテータ(符号略)で攪拌された後、供給ローラ33により現像ローラ31に供給され、このとき、供給ローラ33と現像ローラ31との間で正に摩擦帯電される。現像ローラ31上に供給されたトナーは、現像ローラ31の回転に伴って、層厚規制ブレード32と現像ローラ31との間に進入し、一定厚さの薄層として現像ローラ31上に担持される。
ドラムユニット51は、感光ドラム27、スコロトロン型帯電器29および転写ローラ30を備えている。そして、このドラムユニット51内において、感光ドラム27の表面は、スコロトロン型帯電器29により一様に正帯電された後、スキャナ部16からのレーザビームの高速走査により露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、画像データに基づく静電潜像が形成される。
次いで、現像ローラ31の回転により、現像ローラ31上に担持されているトナーが、感光ドラム27に対向して接触するときに、感光ドラム27の表面上に形成される静電潜像に供給される。そして、トナーは、感光ドラム27の表面上で選択的に担持されることによって可視像化され、これによって反転現像によりトナー像が形成される。その後、感光ドラム27と転写ローラ30の間で用紙3が搬送されることで、感光ドラム27の表面に担持されているトナー像が用紙3上に転写される。
定着装置18は、内部にハロゲンランプ60を備える加熱ローラ41と、加熱ローラ41の下方に配置された加圧部材の一例としての加圧ローラ42とを備えている。
加圧ローラ42は、ゴム等からなる筒状のローラ部42Aと、ローラ部42Aと一体に回転する金属製のシャフト42Bとを有している。そして、加圧ローラ42は、加熱ローラ41に圧接されることで、加熱ローラ41との間で定着ニップを形成するように設けられている。
この定着装置18では、用紙3が加熱ローラ41と加圧ローラ42の間を前側から後へ向けて搬送される。また、ハロゲンランプ60によって加熱ローラ41が加熱されることで、用紙3が加熱ローラ41と加圧ローラ42との間を通過する間に用紙3上に転写されたトナー像が熱定着される。
その後、用紙3は、搬送ローラ43によって、排紙パス44に搬送され、排紙ローラ45によって排紙トレイ46上に排紙される。
次に、定着装置18の構造を詳細に説明する。
図2に示すように、定着装置18は、前述したハロゲンランプ60や加熱ローラ41等を備える他、これらを支持する定着フレーム100を備えている。
ハロゲンランプ60は、通電により発熱するように構成されるヒータであり、ガラス管61と、ガラス管61内に設けられるフィラメント62と、ガラス管61の両端部から左右方向外側に突出するフィラメント62の両端部62Aに接続される2つの端子63とを備えて構成されている。
加熱ローラ41は、左右方向に長い円筒状に形成される金属製の円筒部41Rと、円筒部41Rの左端部に設けられた第1当接部の一例としてのローラギヤ80および第2当接部の一例としてのリング部材70とを有している。
円筒部41Rは、その両端部が、定着フレーム100に支持される2つの軸受(具体的には、右側軸受200と左側軸受300)によって回転可能に支持されることで、左右方向に延びる軸線ALを中心に回転可能となっている。なお、ハロゲンランプ60は、ガラス管61が円筒部41Rの内側に配置されている。
ローラギヤ80は、樹脂製のギヤであり、円筒部41Rと一体に回転するように設けられ、円筒部41Rの外周面よりも円筒部41Rの径方向外側に突出している。ローラギヤ80は、本体フレーム2内に設けられる図示せぬモータの駆動力が複数のギヤを介して伝達されるようになっている。これにより、加熱ローラ41がモータの駆動力で回転するようになっている。
ローラギヤ80の中心部分には、左右方向に貫通して円筒部41Rの内部に連通する貫通孔81が、左右方向から見て円筒部41Rの開口41A(右側のみ図示)と重なるように形成されている。これにより、円筒部41R内に挿入されるハロゲンランプ60の左端部(左側の端子63)を、加熱ローラ41の開口41Aおよび貫通孔81を通してローラギヤ80の左右方向外側の端面よりも外側に突出させることが可能となっている。また、貫通孔81は、加熱ローラ41の左端側の開口41Aよりも小径となっている。
リング部材70は、ローラギヤ80から左右方向内側に離れて配置され、円筒部41Rの外周面を囲うような円環状に形成されている。このリング部材70は、加熱ローラ41の外周面に対して左右方向に移動可能な状態で取り付けられている。
そして、図3に示すように、円筒部41Rのリング部材70の左右方向内側には、リング部材規制部の一例としての規制ワイヤ90が設けられている。
具体的に、円筒部41Rには、径方向に貫通する複数の係合孔41Hが形成されている。そして、規制ワイヤ90は、係合孔41Hを通りながら複数回屈曲することで、一部が円筒部41Rの外周面から円筒部41Rの径方向外側へ突出するとともに、係合孔41Hに係合し円筒部41Rに固定されている。これにより、規制ワイヤ90は、リング部材70の左右方向における左側軸受300とは反対側への移動を規制するようになっている。
図2に戻り、右側軸受200は、下側に開口する円弧形状を有し、加熱ローラ41の右端部を加圧ローラ42とは反対側から支持している。
左側軸受300は、加熱ローラ41の左端部において、円筒部41Rのうちリング部材70とローラギヤ80の間の部分を回転可能に支持している。
つまり、リング部材70とローラギヤ80は、これらの間に配置された左側軸受300に対して左右方向で当接可能となっている。これにより、加熱ローラ41が軸線方向に移動した際に、左側軸受300にリング部材70またはローラギヤ80が当接することで、加熱ローラ41が軸線方向に移動しすぎてしまうのを抑えることが可能となっている。
左側軸受300は、例えば、導電性を有する樹脂からなり、図4(a)〜(c)に示すように、加熱ローラ41の円筒部41Rを囲むように設けられる円筒状の本体部310を有している。本体部310は、本体部310の上部を構成する第1部分310Aと、第1部分310Aよりも下側(図示上側)、つまり、加圧ローラ42の近くに配置され、第1部分310Aよりも左右方向の幅が小さい第2部分310Bとから構成されている。
第1部分310Aは、加熱ローラ41の周方向における前端と後端が、上下方向において加熱ローラ41の軸線ALよりも下の位置(加圧ローラ42側の位置)に設けられており、加熱ローラ41の周方向における長さが、第2部分310Bよりも大きくなっている。つまり、第2部分310Bの加熱ローラ41の周方向における長さは、本体部310の半周分の長さより小さくなっている。
第2部分310Bは、左右の端面302,304が、第1部分310Aの左右の端面301,303よりも左側軸受300の幅方向内側に配置されている。具体的には、第1部分310Aの左側を向く第1左側端面301よりも、第2部分310Bの左側を向く第2左側端面302は、右側に退避している。また、第1部分310Aの右側を向く第1右側端面303よりも、第2部分310Bの右側を向く第2右側端面304は、左側に退避している。
そして、本体部310は、後部の外周面から突出する第1凸部320と、前部の外周面から突出する第2凸部330および第3凸部340とを有している。
第1凸部320は、第1部分310Aの後端において、第1部分310Aの左端から右端まで左側軸受300の幅方向沿って延びている。
第2凸部330は、第1部分310Aと第2部分310Bとの境界線を跨ぐように設けられ、左側軸受300の幅方向における大きさが第2部分310Bよりも小さくなっている。
第3凸部340は、第2凸部330の第1部分310Aに設けられた部分から左側軸受300の幅方向へ突出し、第1部分310Aの左端まで延びている。
また、本体部310は、第1部分310Aの幅方向中央部から突出し、第1凸部320と第2凸部330を繋ぐように外周面に沿って延びる係合部の一例としての第1リブ350と、第2部分310Bの幅方向中央部から突出し、第2凸部330から第2部分310Bの下部まで外周面に沿って延びる第2リブ360と、第2リブ360と第1凸部320の間において外周面から突出する突出部370とを有している。
突出部370は、本体部310から突出する凸部320,330,340およびリブ350,360よりも本体部310からの突出量が大きい部分である。この突出部370は、第1凸部320の表面から上下方向において第2凸部330よりも下方へ延びる第1面371と、第1面371から後斜め下方へ延びる第2面372と、第2面372の下端から下方へ延びる第3面373と、第3面373の下端から前方へ延び、第2リブ360の表面に繋がる第4面374とを有している。これにより、突出部370は、第2凸部330よりも下方において本体部310から後斜め下方に張り出すような形状になっている。
また、突出部370は、先端部に、前後方向において第1凸部320や第1リブ350よりも後側へ突出した膨出部375を有している。この膨出部375は、左側軸受300において、加熱ローラ41の軸線ALから最も離れた位置に配置されている。
図2に示すように、定着フレーム100は、下側、つまり、加圧ローラ42側に開口した断面視略U字形状を有し、加熱ローラ41や軸受200,300を定着フレーム100に対して下側から組み付けるように構成されている。
図5に示すように、定着フレーム100は、左端部に、左側軸受300を支持するための軸受支持部101を有している。
軸受支持部101は、加熱ローラ41に対し加圧ローラ42とは反対側に配置される底壁110と、底壁110の後側に配置される後壁120と、底壁110の前側に配置される前壁130とを有し、この3つの壁110,120,130の内側に左側軸受300が配置されている。
図5および図6に示すように、底壁110は、底壁110から下方(図示上方)へ突出し、左側軸受300の第1リブ350を左右方向で挟む第1壁111と第2壁112を有している。
第1壁111は、第1リブ350の左右方向内側に配置される壁である。第1壁111は、左側軸受300の外周面に沿って円弧状に延びる円弧面111Aと、円弧面111Aの左端から上方へ延び、第1リブ350と係合する第1規制面111Bと、円弧面111Aの後端から前後方向外側へ延びる平面111Cとを有している。
第2壁112は、第1リブ350の左右方向外側に配置される壁であり、第1壁111の左側に間隔をあけて設けられている。第2壁112は、第1壁111と略同じ形状を有し、左側軸受300の外周面に沿って円弧状に延びる円弧面112Aと、円弧面112Aの左端から上方へ延び、第1リブ350と係合する第1規制面112Bと、円弧面112Aの後端から前後方向外側へ延びる平面112Cとを有している。
このように第1壁111と第2壁112が設けられることにより、左側軸受300が左右方向に移動しようとするときに、第1壁111または第2壁112が第1リブ350と係合するので、左側軸受300が左右方向へ移動するのを抑えることが可能となっている。つまり、図8に示すように、第1壁111と第2壁112が、加熱ローラ41に対して加圧ローラ42とは反対側に配置された、左側軸受300の左右方向への移動を規制する第1規制部101A(規制部)を構成している。
この第1規制部101Aは、加熱ローラ41の周方向における長さが、左側軸受300の本体部310の半周分よりも小さく、全体が、加熱ローラ41の軸線ALよりも上方に配置されている。
図5および図7に示すように、後壁120は、上端部に、左側軸受300の突出部370のうち膨出部375が入り込む溝121が形成されている。溝121は、後壁120の前面から後方へ凹むとともに、下方が開口するように、後壁120の下端まで延びている。これにより、左側軸受300を軸受支持部101に組み付けるとき、膨出部375を溝121に下側から差し込むことが可能になっている。
この後壁120は、溝121の底(前側を向く面)の右側から前方へ突出する第3壁122と、溝121の底の左側から前方へ突出する第4壁123とを有し、この第3壁122と第4壁123とで左側軸受300の膨出部375を左右方向で挟んでいる。
第3壁122は、膨出部375の右側に配置される壁であり、左側を向くとともに、膨出部375と係合する第2規制面122Aを有している。
第4壁123は、膨出部375の左側に配置される壁であり、第3壁122の左側に間隔をあけて設けられている。第4壁123は、右側を向くとともに、膨出部375と係合する第2規制面123Aを有している。
このように第3壁122と第4壁123が設けられることにより、左側軸受300が左右方向に移動しようとするときに、第3壁122または第4壁123が左側軸受300の膨出部375と係合するので、左側軸受300が左右方向へ移動するのを抑えることが可能となっている。つまり、図8に示すように、第3壁122と第4壁123が、加熱ローラ41と加圧ローラ42の対向方向において、加熱ローラ41の軸線ALよりも加圧ローラ42側に配置された、左側軸受300の左右方向への移動を規制する第2規制部101Bを構成している。
また、第2規制部101Bは、左側軸受300のうち加熱ローラ41の軸線ALから最も離れた位置に配置された膨出部375に係合するので、第2規制部101Bの膨出部375に係合する部分P1と、加熱ローラ41の軸線ALとの距離X2は、第1規制部101Aの左側軸受300の第1リブ350に係合する部分P2と、加熱ローラ41の軸線ALとの距離X1よりも長くなっている。
例えば、第2規制部を第1規制部101Aに近い位置に設けた場合と、第2規制部を第1規制部101Aから遠い位置に設けた場合とを比較すると、第1規制部101Aから遠い位置に設けた第2規制部の方が、左側軸受300が第1規制部101Aを支点に傾いたとき、左側軸受300の傾きが小さいうちに左側軸受300に当接することができる。したがって、本実施形態のように、第2規制部101Bを第1規制部101Aからより遠い位置に設けることで、左側軸受300の傾きを小さくすることが可能となっている。
また、図5に示すように、第3壁122の第2規制面122Aは、下端部が下方に向かうにつれて第4壁123から離れるように延びる傾斜面となっている。そして、第4壁123の第2規制面123Aも同様に、下端部が下方に向かうにつれて第3壁122から離れるように延びる傾斜面となっている。これにより、左側軸受300の膨出部375を第3壁122の第4壁123の間に下方から挿入する際に、第2規制面122A,123Aの上端部で膨出部375を第3壁122と第4壁123の間に案内することができるようになっている。
図5および図7に示すように、前壁130には、その後面から突出し、左側軸受300の第2凸部330を左右方向で挟む第5壁131と第6壁132とを有している。なお、この第5壁131と第6壁132は、前後方向において、加熱ローラ41の軸線ALに対し、後壁120に設けられた第3壁122と第4壁123とは反対側に配置されている。そして、第5壁131と第6壁132の間の空間は上方に開口しており、左側軸受300を軸受支持部101に組み付けるときに、第2凸部330を第5壁131と第6壁132の間に下側から差し込むことが可能になっている。
第5壁131は、第2凸部330の右側に配置される壁であり、左側を向くとともに、第2凸部330と係合する第3規制面131Aを有している。
第6壁132は、第2凸部330の左側に配置される壁であり、第5壁131の左側に間隔をあけて設けられている。第6壁132は、右側を向くとともに、第2凸部330と係合する第3規制面132Aを有している。
このように第5壁131と第6壁132が設けられることにより、左側軸受300が左右方向に移動しようとするときに、第5壁131または第6壁132が左側軸受300の第2凸部330と係合するので、左側軸受300が左右方向へ移動するのを抑えることが可能となっている。つまり、図8に示すように、第5壁131と第6壁132が、加熱ローラ41と加圧ローラ42の対向方向(上下方向)において、加熱ローラ41の軸線ALよりも加圧ローラ42側に配置された、左側軸受300の左右方向への移動を規制する第3規制部101Cを構成している。
なお、第3規制部101Cの第2凸部330に係合する部分P3は、上下方向において、第1規制部101Aの第1リブ350に係合する部分P2と第2規制部101Bの膨出部375に係合する部分P1との間に配置されている。
以上のように定着フレーム100の軸受支持部101が構成されることにより、軸受支持部101の第1規制部101A、第2規制部101Bおよび第3規制部101Cの3箇所で、左側軸受300の左右方向への移動が規制されるようになっている。
このように、左側軸受300の左右方向への移動を、軸受支持部101の3箇所で規制することで、1箇所で規制する場合に比べて、左側軸受300のがたつきを抑制することが可能となっている。
また、第3規制部101Cは、前後方向において、加熱ローラ41の軸線ALに対し、第2規制部101Bとは反対側に配置されているので、左側軸受300が、加熱ローラ41の軸線ALを囲む3箇所で左側軸受300の左右方向への移動が規制される。これにより、より左側軸受300のがたつきを抑制することが可能となっている。
また、図9に示すように、第3規制部101Cを構成する第6壁132は、左側軸受300の第3凸部340よりも下に設けられた下部132Lが、その上部132Uよりも前壁130の後面から後方へ突出し、上下方向において第3凸部340と重なっている。つまり、第6壁132は、下部132Lの後端面132Bと上部132Uの後端面132Cとを繋ぎ、第3凸部340と対向する回転規制面132Dを有している。
これにより、加熱ローラ41が図9における時計回りに回転する際、加熱ローラ41の円筒部41Rと左側軸受300との間に生じる摩擦力により左側軸受300が回転しようとしても、回転規制面132Dが第3凸部340と係合するので、左側軸受300の回転を抑えることが可能になっている。
次に、図6を参照して、左側軸受300と、その両側に配置されるローラギヤ80およびリング部材70の位置関係等について説明する。
左側軸受300の第2部分310Bのうち、ローラギヤ80を通過し加熱ローラ41の軸線ALに直交する第1仮想平面IP1を向く第2左側端面302は、第1部分310Aのうち、第1仮想平面IP1を向く第1左側端面301よりも左右方向において第1仮想平面IP1から離れた位置に配置されている。これにより、ローラギヤ80は、左側軸受300に接近したときに、第1部分310Aの第1左側端面301に当接し、第2部分310Bの第2左側端面302には当接しないようになっている。
より詳細には、ローラギヤ80は、右側の側面に、加熱ローラ41の円筒部41Rの外周に沿って設けられた環状の突起82を有しており、この突起82の先端面82Aが第1部分310Aの第1左側端面301に当接するようになっている。つまり、第1部分310Aの第1左側端面301が第1当接面の一例である。
仮に、第2部分310Bの第2左側端面302を、左右方向において、第1左側端面301と同じ位置に設けた場合、第2部分310Bにローラギヤ80の突起82が当たって、左側軸受300が第1規制部101Aを支点に傾いてしまうおそれがある。ところが、本実施形態においては、上記したように、第2部分310Bの第2左側端面302が第1左側端面301よりもローラギヤ80から退避しているので、第2部分310Bにローラギヤ80が当たるのを抑制することができる。これにより、左側軸受300が第1規制部101Aを支点に傾くのを抑制すること可能となっている。
また、本実施形態においては、第2部分310Bに設けられた膨出部375と第2凸部330とが、第2規制部101Bと第3規制部101Cに係合するように構成されているので、より左側軸受300が傾くのを抑制することが可能となっている。
そして、ローラギヤ80の突起82は、円筒部41Rの全周にわたって設けられており、先端面82Aの加熱ローラ41の周方向における長さが、第2部分310Bの第2左側端面302の加熱ローラ41の周方向における長さよりも大きくなっている。
これにより、ローラギヤ80が回転しても、突起82の先端面82Aが常に第1部分310Aの第1左側端面301に対向するので、ローラギヤ80が左側軸受300の第2部分310Bに当たるのを抑制し、また、突起82が第1部分310Aと第2部分310Bの段差に引っかからないようになっている。
左側軸受300の第2部分310Bのうち、リング部材70を通過し加熱ローラ41の軸線ALに直交する第2仮想平面IP2を向く第2右側端面304は、第1部分310Aのうち、第2仮想平面IP2を向く第1右側端面303よりも左右方向において第2仮想平面IP2から離れた位置に配置されている。これにより、リング部材70は、左側軸受300に接近したときに、左側の側面71が、左側軸受300のうち第1部分310Aの第1右側端面303に当接し、第2部分310Bの第2右側端面304には当接しないようになっている。つまり、第1部分310Aの第1右側端面303が第2当接面の一例である。
このように構成されることにより、第2部分310Bの第2右側端面304が第1右側端面303よりもリング部材70から退避しているので、第2部分310Bにリング部材70が当たるのを抑制することができる。これにより、左側軸受300が第1規制部101Aを支点に傾くのを抑制することが可能になっている。
また、リング部材70は、円環状に形成されているため、左側の側面71の加熱ローラ41の周方向における長さが、第2部分310Bの第2右側端面304の加熱ローラ41の周方向における長さよりも大きくなっている。
これにより、リング部材70の左側の側面71が常に第1部分310Aの第1右側端面303に対向するので、リング部材70が第2部分310Bに当たるのを抑制し、また、リング部材70が第1部分310Aと第2部分310Bの段差に引っかからないようになっている。
次に、定着装置18に設けられた部材を接地するための構成について説明する。
図10に示すように、定着装置18は、定着フレーム100の上部、すなわち、定着フレーム100に対して加熱ローラ41とは反対側に、グランドプレート400と、サーミスタプレート500と、グランドバネ600とを備えている。
定着フレーム100は、グランドプレート400が固定されるグランドプレート固定面140と、グランドプレート固定面140の前側において、グランドプレート固定面140よりも下方に配置されたサーミスタプレート固定面150とを有している。
グランドプレート固定面140は、上方に突出する第1ボス141と、第1ボス141よりも左方に設けられた挿通孔142とを有している。挿通孔142は、左右方向に長い矩形状に形成された貫通孔である。この挿通孔142は、左側軸受300の上方に設けられている(図11(a)参照)。
サーミスタプレート固定面150は、グランドプレート固定面140の前方の位置から定着フレーム100の右端部付近まで延びている(左端部のみ図示)。そして、サーミスタプレート固定面150は、左端部に、上方に突出する第2ボス151を有している。
サーミスタプレート500は、左右方向に延びる板金であり、右端部に、加熱ローラ41の円筒部41Rの温度を検知するための図示しないサーミスタが設けられている。このサーミスタプレート500は、サーミスタプレート固定面150の上に配置されている。そして、サーミスタプレート500は、左端部に図示しない貫通孔を有し、この貫通孔にサーミスタプレート固定面150に設けられた第2ボス151が係合している。
グランドプレート400は、三叉状に形成された板金である。具体的に、グランドプレート400は、グランドプレート固定面140の上に載せられる第1固定面410と、第1固定面410の左端部から前斜め下方へ延びる第1延出部420と、第1固定面410の中央部から前斜め下方に延びる第2延出部430と、第2延出部430の下端から前方へ向けて延びる第2固定面440と、第1固定面410の後端から上方へ向けて延びるとともに左方へ延びる接続部450と、接続部450の左端部から前方へ向けて延びる第3延出部460と、第3延出部460の前端からグランドプレート固定面140の挿通孔142を通って下方へ延びる接触部470とを有している。
第1固定面410は、右端部に上下に貫通する円孔411を有し、この円孔411にグランドプレート固定面140の第1ボス141が係合している。また、第1固定面410には、中央部に図示しない貫通孔が設けられており、この貫通孔に通されたネジS1がグランドプレート固定面140(定着フレーム100)にねじ込まれることにより、第1固定面410が定着フレーム100に固定されている。
第2延出部430は、第1延出部420よりも下方へ長く延びており、第1延出部420の右側に配置される部分431が、その下方に配置される部分432よりも左右方向の幅が狭くなっている。これにより、第1延出部420と第2延出部430が干渉しないようになっている。
第2固定面440は、サーミスタプレート500の上に配置され、サーミスタプレート500に接触している。これにより、グランドプレート400は、サーミスタプレート500と電気的に接続されている。
第2固定面440は、前端部に左右方向に長い長孔441を有し、この長孔441にサーミスタプレート固定面150の第2ボス151が係合している。また、第2固定面440は、長孔441の後側に図示しない貫通孔を有し、この貫通孔と、サーミスタプレート500に形成された貫通孔に通されたネジS2がサーミスタプレート固定面150(定着フレーム100)にねじ込まれることにより、第2固定面440とサーミスタプレート500が定着フレーム100に固定されている。
接続部450は、左端部に、左右方向に長い開口451を有している。この開口451には、グランドバネ600の一端が係止されている。
ここで、グランドバネ600は、引張コイルバネであり、他端が加圧ローラ42のシャフト42B(図1参照)と係合する図示しない押圧板金に係止されている。これにより、グランドプレート400は、押圧板金や加圧ローラ42のシャフト42Bと電気的に接続されている。
接触部470は、図11(a)に示すように、左側軸受300の本体部310の上で上下方向に延び、下端部が本体部310から突出する第1リブ350から遠ざかるように先細った形状を有している。
また、接触部470は、図11(b)に示すように、下端部が前方へ向けて折り曲げられており、この折り曲げられた部分が左側軸受300の本体部310の周面に接触している。これにより、グランドプレート400は、左側軸受300を介して加熱ローラ41の円筒部41Rと電気的に接続されている。
そして、グランドプレート400は、本体フレーム2に設けられた図示しないアース部材と接触することで、接地されている。つまり、グランドプレート400を介して、加熱ローラ41の円筒部41R、サーミスタプレート500および加圧ローラ42の押圧板金が接地されている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
前記実施形態では、第1当接部として円筒部41Rに設けられたローラギヤ80を例示し、第2当接部として円筒部41Rに設けられたリング部材70を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1当接部または第2当接部は、円筒部41Rに形成された円筒部41Rの径方向の外側に突出する突起であってもよい。
また、前記実施形態では、左側軸受300がローラギヤ80とリング部材70とで挟まれていたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、左側軸受300の横にはローラギヤ80のみが設けられていてもよい。この場合、加熱ローラ41の左右方向の移動を抑えるために、右側軸受200の左右方向外側の位置に右側軸受200に左右方向外側から当接する当接部材を設けてもよい。