JP2015129528A - 冷媒用管継手構造 - Google Patents
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Abstract
Description
一般に、図10に示すように、雄ネジ付き継手本体30のテーパ面31と、継手本体30の雄ネジ32に螺着される袋ナット33のテーパ面34の間に、銅製パイプ35の端部を拡径テーパ状に塑性加工して成るフレア端部37を、挟持させて圧接力により密封する構成である。
しかし、フレア加工を現場で行う必要があったため、配管作業能率アップが阻害されていた。
即ち、図11に於て、袋ナット38の内部収納空間39に圧縮変形用スリーブ40を内有させて、袋ナット38を継手本体41の雄ネジ42に螺進させ、この螺進させる際に、継手本体41のテーパ状先端面43と、袋ナット38の内鍔38Aによって、アキシャル方向の強い圧縮力を付与させることで、上記スリーブ40の2個の外周凹溝44,44のアキシャル方向幅寸法を減少させつつ、この外周凹溝44の溝底薄壁部45をラジアル内方向へ塑性変形させて、挿入されているパイプ46の外周面に、塑性変形した溝底薄壁部45を食い込ませて、(図11のように)パイプ46の引抜けを阻止する構造である。なお、47は、PTFE等を塗装したシール層であり、溝底薄壁部45のパイプ46の外周面への食い込み変形に伴って、強く圧縮されて密封作用(シール性能)を増加させている。
また、上記金属管がアルミニウム管である。あるいは、上記金属管が銅管である。
また、シール層の被覆も不要であり、さらに、ゴム等のシール材を省略できて、耐久性も優れ、コストダウンも達成できる。勿論、フレア加工、溶接、ろう付け等の現場作業も不要である。
特に、エアコン屋外機が倒れた場合には、パイプは約90°の捩れを生じ、パイプに回転トルクが作用するが、本発明では、継手本体又は短筒状中間体の内挿筒部と、パイプとの間の強力な廻り止めにより、パイプの回転は阻止され、少なくとも残りの(奥側の)凹周溝の溝底薄壁部とパイプとの間の相対的回転は(微小角度さえ)発生せず、密封性(シール性)は、長期にわたって安定して維持できる。
図1と図2は本発明の実施の形態を示し、図1は未締付状態を、図2は締付(接続)完了状態を示す断面図である。
この圧縮変形用スリーブ7は、外周面8に複数本(図1,図2では2本を示す)のU字状の凹周溝9,9を有し、袋ナット3を継手本体1の雄ネジ2に螺進させる際にアキシャル方向の圧縮力Fを受けて、凹周溝底薄壁部13がラジアル内方向へ塑性変形して、挿入されている金属管(冷媒用パイプ)Pに閉円環状縮径変形部12を形成しつつ食い込んで、パイプ(金属管)Pの抜止めを行う。
継手本体1は、雄ネジ2を外周面に有する雄ネジ筒体4の先端面から突設された(金属管Pに挿入される)内挿筒部6を有する。図例では、雄ネジ筒部4の先端面を段付面6Aとして、内挿筒部6が突設され、流路孔51が、雄ネジ筒部4と内挿筒部6に渡って、同一径で連続状に形成される。つまり、内挿筒部6は雄ネジ筒部4よりも薄肉である。
さらに、図1と図2と図6に示すように、アキシャル方向凹凸条部52は、内挿筒部6の中間部から先端部(最先端)に渡って形成され、複数本(図1,図2では2本)の凹周溝9,9の内の最も外方の位置のものによって形成される縮径変形部12(12Z)を、上記アキシャル方向凹凸条部52に食い込ませる。
このように、短筒状中間体54を内部収納空間10に収納している。
そして、図4,図5,図6に示したように、アキシャル方向凹凸条部52は、中間体54の内挿筒部6の中間部から先端部(最先端)に渡って形成され、複数本(図4,図5では2本)の凹周溝9,9の内の最外方のものによって形成される縮径変形部12Zを、凹凸条部52に食い込ませる。
圧縮変形用スリーブ7は、外周面8に2本のU字状の凹周溝9,9を有し(図12参照)、袋ナット3を継手本体1の雄ネジ2に螺進させる際に圧縮方向の圧縮力Fを受けて、凹周溝底薄壁部13がラジアル内方向へ塑性変形して、挿入されている金属管(冷媒用パイプ)Pに閉円環状縮径変形部12を形成しつつ食い込んで、パイプ抜止めを行う点は、図1,図2や図4,図5と同様である。
そして、内挿筒部6の外周面に、アキシャル方向凹凸条部52が形成され、この凹凸条部52の横断面形状は、前述した実施の形態(図1,図2,図4,図5)と同様である。それ以外の構成に関しても、図1,図2,図4,図5、及び、図3,図6にて説明した構成と同様である。
圧縮変形用スリーブ7は、袋ナット3と継手本体1との螺進によって、図1から図2、あるいは、図4から図5に示すように、あるいは、図12から図13に示したように、継手本体1と袋ナット3からアキシャル方向の圧縮力(締付力)Fを受けて、凹周溝底薄壁部13がラジアル内方向に塑性変形して、挿入されている金属管Pの外周面側から食い込んで抜止めする。つまり、耐引抜力を発揮する。凹周溝9の幅寸法が、図1から図2(図6)のように、あるいは、図4から図5(図6)のように、又は、図12から図13(図6)のように、スリーブ7の圧縮変形に伴って減少して、狭小U字又は狭小V字となる。
上述したように、図6(図2,図5,図13)に於ける外方の凹周溝9の溝底薄壁部13の塑性変形によれば、金属管Pの廻り止め機能は強力であり、また、金属管Pの耐引抜力も大きい。他方、内方の凹周溝9の溝底薄壁部13の塑性変形によれば、金属管Pに対する強力な耐引抜力が発揮され、かつ、冷媒に対して、(シール材なしでの)シール性能・密封性を発揮する。
図7は、図2,図5,図13,図6に示した圧縮接続完了状態下で、仮に金属管Pを除去した場合の圧縮変形用スリーブ7の要部拡大説明図であり、この図7からも明らかなように、凹周溝9に於ける各溝底薄壁部13の内周面には、U字状又はV字状に塑性変形する際に多数の皺Nが発生する。その理由は、全体に縮径変形であるがために、圧縮変形に伴って、皺Nが発生すると推定される。
当然に、パイプP側の(対応する)圧接部には、凹と凸が逆の皺が発生し、相互に密に凹凸が入り込んでいる。しかし、金属管Pとスリーブ7の相互の回転阻止力(グリップ機能)は、銅やアルミニウムは軟らかい金属のために、弱い。
このような回転に伴って、凹凸の入り込みが、逆に、極微小間隙を発生させ、冷媒が外部漏洩する。実験の結果、微小な皺Nによる凹凸の入り込み状態から、金属管Pが1°〜2°の微小角度の回転が生ずると、冷媒(気体)は外部漏洩することが判明した。
本発明では、継手本体1に対して金属管Pが強力に回転阻止できる構成としたので、冷媒等の気体に対しても十分に長期間にわたって、かつ、過酷な使用状況にあっても、密封性能(シール性)を発揮して、外部漏洩を防止できる。
冷媒配管18は、既述の金属管P(銅管又はアルミニウム管)が相当するが、図9(A)に示した正常姿勢の室外機17に於て、L字(Z字)型等に金属管Pは折曲げられており、このような正常姿勢から図9(B)に示すように、地震や他の物体が衝突する等の何らかの原因で矢印C方向へ倒れる事故が発生すると、金属管Pの管継手との接続近傍位置では、矢印M方向の捩れが発生する。室外機17の設置面20は通常水平面状であるから、約90°の角度β0 の捩れが管継手(黒丸19参照)と金属管Pの接続領域で生ずる。
また、図1,図2,図4〜図6,図12,図13に於て、圧縮変形用スリーブ7には、ステンレス鋼等の硬質金属(又は硬質プラスチック)のカバー部材29が外嵌状に取付けられている。このカバー部材29は、袋ナット3の内周面と、圧縮変形用スリーブ7の外周面との摩擦抵抗(圧着による抵抗)を低減し、滑りを助長する円筒状のものである。
なお、本発明にあっては各部品を電蝕現象の起こらない材質を組合せる。また、本発明では、ゴムやプラスチック等の冷媒による劣化(腐食)を生ずる材質を用いていない点も他の特徴である。溶接や銀ロウの作業は全く不要である点もさらなる特徴であるといえる。
さらに、図6に於て、未圧縮状態における凹周溝9,9のアキシャル方向の各基準位置H1 ,H2 が最終の圧縮状態に到るまでに、内方の凹周溝9は小さなストロークL1 分を移動し、外方の凹周溝9は大きなストロークL2 を移動する。従って、外方の縮径変形部12Zはラジアル内方向に変形すると同時に、矢印L2 方向へも移動してゆく。この矢印L2 方向への移動によって、外方の縮径変形部12Zの内面は、アキシャル方向凹凸条部52に対して滑動しつつ凹凸条部52の凹凸形状(図3参照)になじみ易く、相互に深く入り込んで、これによって、相対的な軸心方向回転を強力に阻止できる。
2 雄ネジ
3 袋ナット
6 内挿筒部
7 圧縮変形用スリーブ
8 外周面
9 凹周溝
10 内部収納空間
12 縮径変形部
12Z 縮径変形部
13 凹周溝底薄壁部
48 テーパ面
52 アキシャル方向凹凸条部
53 テーパ内面
54 中間体
F 圧縮力(締付力)
P 金属管
Claims (5)
- 雄ネジ付き継手本体(1)と袋ナット(3)とを備え、上記袋ナット(3)の内部収納空間(10)に収納されると共に、外周面(8)に複数本の凹周溝(9)を有し、上記袋ナット(3)を上記継手本体(1)の雄ネジ(2)に螺着させる際にアキシャル方向の圧縮力(F)を受けて、凹周溝底薄壁部(13)がラジアル内方向へ塑性変形して、挿入されている金属管(P)に閉円環状縮径変形部(12)を形成しつつ食い込んで抜止めする圧縮変形用スリーブ(7)を有する冷媒用管継手構造に於て、
上記継手本体(1)は上記金属管(P)に挿入される内挿筒部(6)を有し、上記凹周溝(9)の凹周溝底薄壁部(13)によって形成される上記縮径変形部(12)の少なくとも一つ(12Z)が食い込んでパイプ廻り止めを行うアキシャル方向凹凸条部(52)を、上記内挿筒部(6)の外周面に設けたことを特徴とする冷媒用管継手構造。 - 先端縮径テーパ面(48)を有する雄ネジ付き継手本体(1)と袋ナット(3)とを備え、上記袋ナット(3)の内部収納空間(10)に収納されると共に、外周面(8)に複数本の凹周溝(9)を有し、上記袋ナット(3)を上記継手本体(1)の雄ネジ(2)に螺着させる際にアキシャル方向の圧縮力(F)を受けて、凹周溝底薄壁部(13)がラジアル内方向へ塑性変形して、挿入されている金属管(P)に閉円環状縮径変形部(12)を形成しつつ食い込んで抜止めする圧縮変形用スリーブ(7)を有する冷媒用管継手構造に於て、
上記継手本体(1)の上記先端縮径テーパ面(48)に圧接するテーパ内面(53)と、上記金属管(P)に挿入される内挿筒部(6)と有する短筒状中間体(54)を、上記内部収納空間(10)に収納し、
上記凹周溝(9)の凹周溝底薄壁部(13)によって形成される上記縮径変形部(12)の少なくとも一つが食い込んでパイプ廻り止めを行うアキシャル方向凹凸条部(52)を、上記内挿筒部(6)の外周面に設けたことを特徴とする冷媒用管継手構造。 - 上記アキシャル方向凹凸条部(52)は上記内挿筒部(6)の中間部から先端部に渡って形成され、複数本の上記凹周溝(9)の内の最も外方の位置のものによって形成される上記縮径変形部(12)を、上記アキシャル方向凹凸条部(52)に食い込ませるように構成した請求項1又は2記載の冷媒用管継手構造。
- 上記金属管(P)がアルミニウム管である請求項1,2又は3記載の冷媒用管継手構造。
- 上記金属管(P)が銅管である請求項1,2又は3記載の冷媒用管継手構造。
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