JP2015129066A - 炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法および炭化珪素エピタキシャル基板 - Google Patents

炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法および炭化珪素エピタキシャル基板 Download PDF

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Abstract

【課題】裏面の表面粗さの増大が抑制されており、かつ、デバイスを形成したときにデバイス特性の安定性に優れた炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法を提供する。
【解決手段】第1の主面と、第1の主面の反対側に位置する第2の主面とを有するベース基板を準備する工程(S10)と、ベース基板の第2の主面に保護膜を形成する工程(S20)と、第2の主面が保護膜で覆われている状態を保ちながら、第1の主面上に炭化珪素をエピタキシャル成長させる工程(S30)とを備え、保護膜におけるナトリウムの濃度は0.00001%以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法および炭化珪素エピタキシャル基板に関し、特に裏面の表面粗さの増大が抑制されている炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法および炭化珪素エピタキシャル基板に関する。
電力用半導体装置に適した材料のひとつとして考えられているものとして、ポリタイプ4Hの結晶構造を有する炭化珪素(4H−SiC)がある。
「Keiji Wada et al., "Epitaxial growth of 4H-SiC on 4° off-axis (0 0 0 1) and (0 0 0 -1) substrates by hot-wall chemical vapor deposition", Journal of Crystal Growth, Volume 291, Issue 2 (2006), pp. 370-374」によれば、高純度でかつ良好な表面モフォロジでの再現性のあるエピ層の成長のため、4H−SiCホモエピタキシャル成長は主に、8度オフ角(0001)Si面基板上に行われている旨が記載されている。またチャネル移動度を顕著に高めた高性能電力用MOSFETの製造に向けて、(0001)Si面に置き換わる有望な候補として、(000−1)C面について言及されている。(000−1)C面上には、広いC/Si比の範囲において、マクロスコピックなステップバンチングなしにエピ層を形成し得る、と記載されている。
SiC基板のC面上にエピタキシャル成長が行われる場合、C面と反対の面であるSi面はエピタキシャル成長が行われない面、すなわち裏面である。
Keiji Wada et al., "Epitaxial growth of 4H-SiC on 4° off-axis (0 0 0 1) and (0 0 0 -1) substrates by hot-wall chemical vapor deposition", Journal of Crystal Growth, Volume 291, Issue 2 (2006), pp. 370-374
しかしながら、上記文献のようにC面上に形成されたエピタキシャル層の品質についての検討はあったものの、その際の裏面の状態については検討がなされていなかった。
本発明者らは、C面あるいはC面からある程度以内のオフ角を有する面上にエピタキシャル成長が行われる際、裏面の表面粗さが顕著に増大することを見出した。裏面の表面粗さが過大な場合、その基板を用いた半導体装置の製造に支障が生じ得る。たとえば、フォトリソグラフィにおけるエピタキシャル基板の上面へのフォーカス合わせが、裏面からの光散乱によって乱されることがある。これを解消するために仮にCMP(Chemical Mechanical Polishing)が行われたとすると、CMPの研磨材の残留が後の工程に悪影響を及ぼし得る。
本発明はこのような課題を解決するために成されたものである。本発明の1つの目的は、裏面の表面粗さの増大が抑制されており、かつ、デバイスを形成したときにデバイス特性の安定性に優れた炭化珪素エピタキシャル基板およびその製造方法を提供することである。
本発明に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法は、第1の主面と、第1の主面の反対側に位置する第2の主面とを有するベース基板を準備する工程と、ベース基板の第2の主面に保護膜を形成する工程と、第2の主面が保護膜で覆われている状態を保ちながら、第1の主面上に炭化珪素をエピタキシャル成長させる工程とを備え、保護膜におけるナトリウムの濃度は0.00001%以下である。
本発明に係る炭化珪素エピタキシャル基板は、第1の主面と、第1の主面の反対側に位置する第2の主面とを有するベース基板と、ベース基板の第1の主面上に形成されている炭化珪素エピタキシャル層と、第2の主面上に形成されている保護膜とを備える。
本発明によれば、裏面の表面粗さが小さく、かつ、デバイスを形成したときにデバイス特性の安定性に優れた炭化珪素エピタキシャル基板を提供することができる。
本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法のフローチャートである。 本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法を説明するための断面図である。 本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法を説明するための断面図である。 本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法を説明するための断面図である。 本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法を説明するための断面図である。 本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法を説明するための断面図である。 本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法を説明するための断面図である。 本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法を説明するための断面図である。 本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法の変形例を説明するための断面図である。 本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法の変形例を説明するための断面図である。 本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法の変形例を説明するための断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。また、本明細書中の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示している。また結晶学上の指数が負であることは、通常、”−”(バー)を数字の上に付すことによって表現されるが、本明細書中では数字の前に負の符号を付している。
[本願発明の実施形態の説明]
はじめに、本願発明の実施の形態の概要を列挙する。
(1)本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法は、第1の主面P1と、第1の主面P1の反対側に位置する第2の主面P2とを有するベース基板10を準備する工程(S10)と、ベース基板10の第2の主面P2に保護膜22を形成する工程(S20)と、第2の主面P2が保護膜22で覆われている状態を保ちながら、第1の主面P1上に炭化珪素をエピタキシャル成長させる工程(S30)とを備え、保護膜22におけるナトリウムの濃度は0.00001%以下である。
このようにすれば、エピタキシャル成長させる工程(S30)においてベース基板10の第2の主面P2上には保護膜22が形成されていることにより、工程(S30)の前後で第2の主面P2の表面粗さが増大することを抑制することができる。具体的には、エピタキシャル成長時において、第2の主面P2から炭化珪素が昇華することにより第2の主面P2の表面粗さが増大するという問題がある。これに対し、本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法によれば、エピタキシャル成長させる工程(S30)中に第2の主面P2は保護膜22で覆われているため、第2の主面P2からの炭化珪素の昇華を防止することができる。そのため、保護膜22を形成する工程(S20)での第2の主面P2の表面粗さと比べて、工程(S30)後での当該表面粗さが増大することを抑制することができる。
また、ウエハトレイ(たとえばサセプタ50)等によって保持されている状態にあるベース基板10上にエピタキシャル成長が実施される場合がある。このとき、ウエハトレイを構成する材料としてはたとえば炭化珪素が用いられる。そして、該ウエハトレイはベース基板10よりも熱源に近く、より高温に加熱されるため、ウエハトレイの構成材料が昇華されてベース基板10の第2の主面P2に析出することがある。これに対し、本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法によれば、上記のようにエピタキシャル成長中に第2の主面P2は保護膜22で覆われているため、ウエハトレイから第2の主面P2への炭化珪素等の析出を抑制することができる。その結果、第2の主面P2の表面粗さが低く抑えられた炭化珪素エピタキシャル基板1を得ることができる。
さらに、保護膜22におけるナトリウム(Na)の濃度が0.00001%以下であるため、保護膜22により第2の主面P2が覆われている状態でエピタキシャル成長を行っても、Naが炭化珪素エピタキシャル層11の内部や表面に含まれることを十分に抑制することができる。つまり、本実施の形態の炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法により得られる炭化珪素エピタキシャル基板1において、炭化珪素エピタキシャル層11中のNa濃度を十分に低く(たとえば0.00001%以下と)することができる。炭化珪素エピタキシャル層11に含まれたNaイオン(Na)は、可動性イオンとして該炭化珪素エピタキシャル層11上に形成される酸化膜に移動・混入して、デバイス特性を悪化させる。しかし、本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法によれば、Naに起因したデバイス特性の悪化を防止することができ、デバイス特性の安定性に優れた炭化珪素エピタキシャル基板1を得ることができる。
(2)本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法において、保護膜22の膜厚は100nm以上であるのが好ましい。
このようにすれば、エピタキシャル成長させる工程(S30)において第2の主面P2が保護膜22により覆われている状態を確実に維持することができる。言い換えれば、工程(S30)での成長条件下において、保護膜22が分解等されて減膜あるいは消失することを抑制することができる。この結果、第2の主面P2の表面粗さが低く抑えられており、かつデバイス特性の安定性に優れた炭化珪素エピタキシャル基板1を得ることができる。
(3)本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法において、保護膜22におけるカリウム、カルシウム、鉄、クロム、ニッケル、アルミニウム、および銅の濃度はそれぞれ0.00001%以下であるのが好ましい。
このようにすれば、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、および銅(Cu)といった炭化珪素内において可動性イオンになり得る元素が、炭化珪素エピタキシャル層11に混入することを抑制することができる。この結果、可動性イオンに起因したデバイス特性の悪化を防止することができ、デバイス特性の安定性に優れた炭化珪素エピタキシャル基板1を得ることができる。
(4)本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法において、保護膜22は多層構造を有してもよい。
このようにすれば、保護膜22は、耐熱性、強度、製造コストなどの異なる材料の中から最適な組み合わせで構成された多層構造として形成されることができる。その結果、第2の主面P2の表面粗さをより低く抑えることができ、かつ可動性イオンの混入をより効果的に抑制することができる。
(5)本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法において、保護膜22を構成する材料は、炭素を主成分としてもよい。これにより、炭化珪素からなるベース基板10に対して保護膜22の密着性を確保しやすくなる。また、炭化珪素のエピタキシャル成長条件下においても保護膜22が安定であるため、第2の主面P2をより確実に保護することができる。
(6)本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法では、形成する工程(S20)において、保護膜22は第2の主面P2に塗布された有機膜21が炭化されることにより形成されてもよい。このようにすれば、100nm以上の膜厚を有する保護膜22を容易に形成することができる。
(7)本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法では、形成する工程(S20)において、保護膜22はスパッタリング法により形成されてもよい。このようにすれば、ベース基板10の第2の主面P2に対して密着性良く保護膜22を形成することができる。
(8)本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法は、エピタキシャル成長させる工程(S30)の後に、エッチングによって保護膜22を除去する工程(S40)を備えるのが好ましい。このようにすれば、保護膜22が除去されてベース基板10と炭化珪素エピタキシャル層11とからなる炭化珪素エピタキシャル基板2を取り扱うことができる。
(9)本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法において、除去する工程(S40)では、保護膜22が酸素雰囲気中において加熱された状態でドライエッチングされてもよい。
このようにすれば、これによりドライエッチングによって保護膜22が酸化されるので、ドライエッチングの速度を高めることができる。
(10)本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板1は、第1の主面P1と、第1の主面P1の反対側に位置する第2の主面P2とを有するベース基板10と、ベース基板10の第1の主面P1上に形成されている炭化珪素エピタキシャル層11と、第2の主面P2上に形成されている保護膜22とを備え、保護膜22におけるナトリウムの濃度は0.00001%以下である。
本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板1は、本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法により得られたもの、すなわち、第2の主面P2が保護膜22で覆われている状態でエピタキシャル成長されて得られたものである。このような炭化珪素エピタキシャル基板1は、第2の主面P2の表面粗さが低く抑えられているとともに、炭化珪素エピタキシャル層11にNaがほとんど含まれていない。そのため、当該炭化珪素エピタキシャル基板1を用いて製造された炭化珪素半導体装置は特性の悪化が抑制されている。
(11)本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板1において、保護膜22の膜厚は100nm以上であるのが好ましい。このような炭化珪素エピタキシャル基板1は、エピタキシャル成長中において第2の主面P2が保護膜22により覆われている状態を維持しながら作製され得るため、第2の主面P2の表面粗さを低く抑えることができる。
(12)本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板1において、保護膜22を構成する主成分は、炭素であってもよい。このような炭化珪素エピタキシャル基板1は、第2の主面P2と密着性が高く、かつエピタキシャル成長条件下においても安定な保護膜22により第2の主面P2が覆われている状態で作製され得るため、第2の主面P2の表面粗さを低く抑えることができる。
(13)本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板1において、保護膜22は多層構造を有していてもよい。このような保護膜22は、耐熱性、強度、製造コストなどの異なる材料の中から最適な組み合わせで構成された多層構造として形成されることができる。そのため、保護膜22により第2の主面P2が覆われているベース基板10上に炭化珪素がエピタキシャル成長されることにより得られる炭化珪素エピタキシャル基板1は、第2の主面P2の表面粗さがより低く抑えられ、かつ可動性イオンの混入がより効果的に抑制されている。
[本願発明の実施形態の詳細]
次に、本発明の実施の形態の詳細について説明する。
はじめに、図1を参照して、本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法について説明する。本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法は、ベース基板10を準備する工程(S10)と、ベース基板10の第2の主面P2に保護膜22を形成する工程(S20)と、第2の主面P2が保護膜22で覆われている状態を保ちながら、第1の主面P1上に炭化珪素をエピタキシャル成長させる工程(S30)とを備える。
まず、図2を参照して、ベース基板10を準備する(工程(S10))。ベース基板10は、単結晶炭化珪素からなり、たとえば外径が100mm以上である第1の主面P1を有している。ベース基板10を構成する炭化珪素は、たとえば六方晶の結晶構造を有しており、好ましくは結晶多形(ポリタイプ)が4H−SiCである。ベース基板10は、たとえば窒素(N)などのn型不純物を高濃度で含んでおり、導電型はn型である。ベース基板10の不純物濃度は、たとえば1.0×1018cm-3以上1.0×1019cm-3以下程度である。第1の主面P1は、たとえば{0001}面であってもよいし、{0001}面に対するオフ角が10°以下である面であってもよい。ベース基板10の厚みは、たとえば200μm以上700μm以下程度である。ベース基板10の第2の主面P2の表面粗さ(Ra)は、50nm以下であり、好ましくは20nm以下である。本実施の形態において、第2の主面P2は化学機械研磨(CMP)されている。このため、第2の主面P2の表面粗さRaは0.6nm以下程度である。
次に、図3および図4を参照して、ベース基板10の第2の主面P2に保護膜22を形成する(工程(S20))。具体的には、たとえば有機膜21が第2の主面P2上に塗布される。有機膜21はたとえば高純度フェノール樹脂である。高純度フェノール樹脂は、Naの濃度が0.00001%以下に抑えられており、好ましくは、さらにK,Ca,Fe,Cr,Ni,Al,Cuの各元素の濃度もそれぞれ0.00001%以下に抑えられている。不純物の濃度はたとえばグロー放電質量分析(GDMS)法により測定することができる。
ベース基板10の第2の主面P2上に塗布された有機膜21が固化された後、炭化されることにより、保護膜22が形成される。保護膜22は有機膜21の炭化によって形成されるので、保護膜22を構成する材料は主に炭素原子からなる。また保護膜22を構成する材料は、炭素原子の酸化によって容易に酸化分解可能であり、そのために必要な温度は、炭化珪素の昇華温度である2000℃程度よりも低い。
次に、図5を参照して、ベース基板10を成膜工程中に支持するための部材であるサセプタ50が準備される。サセプタ50は、たとえばカーボンから作られている。保護膜22がサセプタ50に面するように、ベース基板10がサセプタ50上に載置される。
次に、図6を参照して、ベース基板10の第1の主面P1上において炭化珪素をエピタキシャル成長させる(工程(S30))。これにより、ベース基板10とベース基板10の第1の主面P1上に設けられた炭化珪素エピタキシャル層11とを有する炭化珪素エピタキシャル基板1が形成される。このエピタキシャル成長の間、保護膜22によって第2の主面P2が覆われた状態が保たれる。図7を参照して、エピタキシャル成長の完了後、炭化珪素エピタキシャル基板1がサセプタ50から分離される。
このエピタキシャル成長はCVD(Chemical Vapor Deposition)法により行われ得る。この際、炭化珪素エピタキシャル基板1へキャリアガスとして水素ガスが供給され得る。原料ガスとしては、たとえば、シラン(SiH4)とプロパン(C38)との混合ガスを用い得る。この際、不純物として、たとえば窒素(N)やリン(P)を導入することが好ましい。
このようにして、第2の主面P2上に保護膜22を備える本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板1を得ることができる。
次に、本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板1について説明する。本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板1は、上述した本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法により製造されたものであり、ベース基板10と、ベース基板10の第1の主面P1上に形成された炭化珪素エピタキシャル層11と、第2の主面P2上に形成されている保護膜22とを備える。
このような炭化珪素エピタキシャル基板1は、第2の主面P2の表面粗さが低く抑えられているとともに、炭化珪素エピタキシャル層11にNaがほとんど含まれていない。そのため、当該炭化珪素エピタキシャル基板1を用いて製造された炭化珪素半導体装置は特性の悪化が抑制されている。
次に、本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法および炭化珪素エピタキシャル基板1の作用効果について説明する。
本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法は、エピタキシャル成長させる工程(S30)の前にベース基板10の第2の主面P2に保護膜22を形成する工程(S20)を備えるため、工程(S30)においてベース基板10の第2の主面P2上には保護膜22が形成されている状態で炭化珪素をエピタキシャル成長させることができる。そのため、第2の主面P2からの炭化珪素の昇華を防止することができるため、第2の主面P2が荒れることを抑制することができる。また、サセプタ50から第2の主面P2への炭化珪素等の析出を抑制することができる。その結果、第2の主面P2の表面粗さが低く抑えられた炭化珪素エピタキシャル基板1を得ることができる。
つまり、エピタキシャル成長させる工程(S30)において第2の主面P2は保護膜22により保護されているため、工程(S30)後の第2の主面P2の表面粗さは、工程(S30)前の第2の主面の表面粗さ(すなわち工程(S20)において保護膜22が形成される際の第2の主面の表面粗さ)と同等とすることができる。その結果、炭化珪素エピタキシャル基板1の第2の主面P2の表面粗さを工程(S10)におけるベース基板10の第2の主面P2の表面粗さと同等とすることができ、具体的には表面粗さ(Ra)を50nm以下、好ましくは20μm以下とすることができる。なお、本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法のように、ベース基板10を準備する工程(S10)において第2の主面P2が化学機械研磨されている場合には、第2の主面P2の表面粗さ(Ra)が0.6nm以下と極めて低い炭化珪素エピタキシャル基板1を得ることができる。
さらに、当該保護膜22におけるナトリウム(Na)の濃度が0.00001%以下であるため、保護膜22に含まれる元素が何らかの理由で炭化珪素エピタキシャル層11の内部や表面に含まれることを十分に抑制することができる(含まれたとしてもその濃度を十分に低く抑えることができる)。具体的には、保護膜22の一部を構成する材料がエピタキシャル成長条件下において物理的反応または化学的反応により除去されてエピタキシャル成長雰囲気下に放出されると、原料ガスとともにベース基板10の成長面に供給されて炭化珪素エピタキシャル層11内に取り込まれることもある。しかし、保護膜22におけるNaの濃度が0.00001%以下に抑えられていることにより、炭化珪素エピタキシャル基板1を用いて炭化珪素半導体装置を製造したときに、炭化珪素エピタキシャル層11にNaイオン(Na)が混入することを防止することができる。すなわち、炭化珪素エピタキシャル層11に含まれたNaは、可動性イオンとして該炭化珪素エピタキシャル層11上に形成される酸化膜に移動・混入して、デバイス特性を悪化させる。しかし、本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法によれば、Naに起因したデバイス特性の悪化を防止することができ、デバイス特性の安定性に優れた炭化珪素エピタキシャル基板1を得ることができる。
また、保護膜22の膜厚は100nm以上であるため、エピタキシャル成長させる工程(S30)において第2の主面P2が保護膜22により覆われている状態を確実に維持することができる。この結果、第2の主面P2の表面粗さが低く抑えられており、かつデバイス特性の安定性に優れた炭化珪素エピタキシャル基板1を得ることができる。
本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法では、保護膜22は高純度フェノール樹脂からなる有機膜21を固化および炭化することにより単層構造として形成されるが、これに限られるものではない。第2の主面P2上に形成される保護膜は多層構造を有していてもよい。たとえば、保護膜は、第2の主面P2上に形成され、高純度フェノール樹脂からなる第1有機膜23が固化および炭化されてなる第1保護膜24と、第1保護膜24上に形成され、多結晶ダイヤモンドからなる第2保護膜25との多層構造として形成されていてもよい。この場合には、たとえば図9および図10を参照して、第2の主面P2上に塗布された第1有機膜23が固化および炭化されることにより第1保護膜24が形成される。次に、図11を参照して、第1保護膜24上に第2保護膜25が形成される。保護膜が第1保護膜24と第2保護膜25との多層構造として形成される場合、第1保護膜24および第2保護膜25はいずれもNaの濃度が0.00001%以下である。このようにすれば、本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法と同様の効果を奏することができる。また、第2の主面P2において表出している第2保護膜25は、多結晶ダイヤモンドで構成されているため、水素雰囲気における安定性が高い。その結果、より効果的にベース基板10の第2の主面P2を水素から保護することができ、第2の主面P2における炭化珪素を構成する炭素や珪素が水素と反応して、第2の主面P2に荒れ等が発生することを抑制することができる。
なお、本実施の形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法は、エピタキシャル成長させる工程(S30)の後、エッチングによって保護膜22を除去する工程(S40)をさらに備えてもよい。図8を参照して、これにより露出された第2の主面P2を有する炭化珪素エピタキシャル基板2が得られる。保護膜22は、任意の方法で除去され得るが、たとえば酸化分解反応により除去される。具体的には、保護膜22が酸化される際に、酸化雰囲気下で保護膜22に対してドライエッチングが行われる。また、保護膜22は、ウエットエッチングにより除去されてもよい。たとえば、現像液等のアルカリ性溶液に保護膜22を浸漬させることにより行ってもよい。なお、上述のように、エピタキシャル成長させる工程(S30)において第2の主面は保護膜22で覆われているため、工程(S30)に起因して第2の主面P2の表面粗さは増大することが防止されている。そのため、炭化珪素エピタキシャル基板2の第2の主面P2の表面粗さRaは0.6nm以下程度である。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 炭化珪素エピタキシャル基板
10 ベース基板
11 炭化珪素エピタキシャル層
21 有機膜
22 保護膜
23 第1有機膜
24 第1保護膜
25 第2保護膜
50 サセプタ
P1 第1の主面
P2 第2の主面

Claims (13)

  1. 第1の主面と、前記第1の主面の反対側に位置する第2の主面とを有するベース基板を準備する工程と、
    前記ベース基板の前記第2の主面に保護膜を形成する工程と、
    前記第2の主面が前記保護膜で覆われている状態を保ちながら、前記第1の主面上に炭化珪素をエピタキシャル成長させる工程とを備え、
    前記保護膜におけるナトリウムの濃度は0.00001%以下である、炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法。
  2. 前記保護膜の膜厚は100nm以上である、請求項1に記載の炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法。
  3. 前記保護膜におけるカリウム、カルシウム、鉄、クロム、ニッケル、アルミニウム、および銅の濃度はそれぞれ0.00001%以下である、請求項1または請求項2に記載の炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法。
  4. 前記保護膜は多層構造を有している、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法。
  5. 前記保護膜を構成する材料は、炭素を主成分とする、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法。
  6. 前記形成する工程において、前記保護膜は前記第2の主面に塗布された有機膜が炭化されることにより形成される、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法。
  7. 前記形成する工程において、前記保護膜はスパッタリング法により形成される、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法。
  8. 前記エピタキシャル成長させる工程の後に、エッチングによって前記保護膜を除去する工程を備える、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法。
  9. 前記除去する工程では、前記保護膜が酸素雰囲気中において加熱された状態でドライエッチングされる、請求項8に記載の炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法。
  10. 第1の主面と、前記第1の主面の反対側に位置する第2の主面とを有するベース基板と、
    前記ベース基板の前記第1の主面上に形成されている炭化珪素エピタキシャル層と、
    前記第2の主面上に形成されている保護膜とを備え、
    前記保護膜におけるナトリウムの濃度は0.00001%以下である、炭化珪素エピタキシャル基板。
  11. 前記保護膜の膜厚は100nm以上である、請求項10に記載の炭化珪素エピタキシャル基板。
  12. 前記保護膜を構成する主成分は、炭素である、請求項10または請求項11に記載の炭化珪素エピタキシャル基板。
  13. 前記保護膜は多層構造を有している、請求項10〜請求項12のいずれか1項に記載の炭化珪素エピタキシャル基板。
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