JP2015128418A - 胃癌細胞の検出方法、及び胃癌細胞検出キット - Google Patents

胃癌細胞の検出方法、及び胃癌細胞検出キット Download PDF

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Abstract

【課題】生体試料中の胃癌細胞の検出を高精度に検出できる胃癌細胞の検出方法、及び胃癌細胞検出キットを提供する。【解決手段】本発明の胃癌細胞の検出方法は、生体試料中の胃癌細胞の検出方法であって、KK−LC−1の発現を検出する工程と、ヘリコバクター・ピロリ感染を検出する工程を有することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、胃癌細胞の検出方法、及び胃癌細胞検出キットに関する。
癌/精巣抗原は、癌細胞と精巣以外では発現が認められないタンパク質の総称である。
癌/精巣抗原の一つであるKitakyushu lung cancer antigen−1(以下、KK−LC−1ともいう。)は、肺癌よりT細胞に認識される腫瘍抗原として同定されている(例えば、非特許文献1参照。)。従って、KK−LC−1は、免疫応答を介した肺癌の治療、診断及び予防の標的分子としては有用と考えられる。
Identification of a new cancer/germline gene, KK-LC-1, encoding an antigen recognized by autologous CTL induced on human lung adenocarcinoma. Fukuyama T, Hanagiri T, Takenoyama M, Ichiki Y, Mizukami M, So T, Sugaya M, So T, Sugio K, Yasumoto K. Cancer Res. 2006 May 1;66(9):4922-8.
しかしながら、一般的に癌/精巣抗原の発現率は4割以下であり、癌/精巣抗原を用いて癌細胞を高精度に検出する方法については未だ改良の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、生体試料中の胃癌細胞の検出を高精度に検出できる胃癌細胞の検出方法、及び胃癌細胞検出キットを提供する。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、KK−LC−1の発現を検出する工程と、ヘリコバクター・ピロリ感染を検出する工程と、を兼ね備えることで、生体試料中の胃癌細胞の検出を高精度に行うことができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記の特徴を有する胃癌細胞の検出方法、及び胃癌細胞検出キットを提供する。
(1)生体試料中の胃癌細胞の検出方法であって、KK−LC−1の発現を検出する工程と、ヘリコバクター・ピロリ感染を検出する工程を有することを特徴とする胃癌細胞の検出方法。
(2)前記KK−LC−1の発現を検出する工程は、配列番号1で表されるプライマー及び配列番号2で表されるプライマーを用いてRT−PCRを行う工程を有する前記(1)に記載の胃癌細胞の検出方法。
(3)KK−LC−1検出キットとヘリコバクター・ピロリ感染検出キットを備えたことを特徴とする胃癌細胞検出キット。
(4)前記KK−LC−1検出キットは、配列番号1で表されるプライマー及び配列番号2で表されるプライマーを含む前記(3)に記載の胃癌細胞検出キット。
本発明によれば、生体試料中の胃癌細胞の検出を高精度に行うことができる。
胃癌症例の腫瘍部位における癌/精巣抗原の発現頻度を示す結果である。 KK−LC−1陽性患者及び陰性患者の血清中の抗ヘリコバクター・ピロリ IgG価を示す結果である。 他の癌/精巣抗原陽性患者及び陰性患者の血清中の抗ヘリコバクター・ピロリ IgG価を示す結果である。 RT−PCR及びリアルタイムPCRをそれぞれ用いてKK−LC−1の発現解析を行った結果である。
<胃癌細胞の検出方法>
本発明の胃癌細胞の検出方法は、生体試料中の胃癌細胞の検出方法であって、KK−LC−1の発現を検出する工程と、ヘリコバクター・ピロリ感染を検出する工程を有する。
[KK−LC−1の発現を検出する工程]
KK−LC−1は、発明者らが肺癌から同定した抗原である。肺癌におけるKK−LC−1の発現頻度は、約3割〜4割であった(非特許文献1参照。)。
一方、実施例において後述するように、本発明者は、KK−LC−1が胃癌症例の約8割で発現していることを明らかにした。また、胃癌症例の腫瘍部位及び正常部位におけるKK−LC−1の発現パターンを分析したところ、KK−LC−1は、癌特異的に発現していることを明らかにした。
従って、KK−LC−1の発現を検出することにより、生体試料中の胃癌細胞を高精度に検出することができる。
検出に用いる生体試料としては、特に限定されず、培養細胞であってもよいが、被験者から得られたものが好ましく、胃癌発症が疑われている発症被疑者、又は胃癌治療を受けている患者等の被験者の切除組織、胃癌細胞を含む血液、尿等から得られたものであることがより好ましい。
KK−LC−1の発現を検出する工程としては、例えば、生体試料中のKK−LC−1遺伝子を検出する工程が挙げられる。該工程は、KK−LC−1遺伝子のフラグメント、又はその相補配列からなるオリゴヌクレオチドを、該生体試料からの抽出物とインキュベートする工程を含むことが好ましく、該生体試料からの抽出物のゲノムDNA、mRNA、又は該mRNAに対するcDNAとハイブリダイズさせる工程を含むことがより好ましい。
本発明において、オリゴヌクレオチドは、ヌクレオチドが数個〜数十個または数百個結合したものを意味する。
本発明に用いられるオリゴヌクレオチドは、KK−LC−1遺伝子又はそのフラグメントを得るためのPCRプライマー又はハイブリダイゼーションプローブとして使用され得る。
本発明に用いられるオリゴヌクレオチドの長さとしては、7塩基以上が好ましく、15塩基以上がより好ましく、20塩基以上が更に好ましい。これらのオリゴヌクレオチドは、例えば、Applied Biosystems Incorporated(ABI,850 Lincoln Center Dr.,Foster City,CA 94404)392型シンセサイザー等によって合成される。
KK−LC−1の発現を検出する工程としては、RT−PCRを行う工程を有することが好ましく、配列番号1(ATGAACTTCTATTTACTCCTAGCGAGC)で表されるプライマー及び配列番号2(TTAGGTGGATTTCCGGTGAGG)で表されるプライマーを用いてRT−PCR法を行う工程を有することがより好ましい。
実施例において後述するように、本発明者は、KK−LC−1の発現解析に用いられていた従来のリアルタイムPCR法では、ゲノムDNAを検出してしまう問題点を見出し、上記配列番号1及び2で表されるプライマーを用いたRT−PCR法により、KK−LC−1をより高精度に検出できることを見出した。
配列番号1で表されるプライマー及び配列番号2で表されるプライマーを用いたKK−LC−1の検出方法としては、一例として、(a)生体試料からmRNAを抽出する工程と、(b)逆転写反応により、前記mRNAから該mRNAに相補するcDNAを合成する工程と、(c)配列番号1で表されるプライマー及び配列番号2で表されるプライマーを用いて、前記cDNAから、KK−LC−1のcDNAの配列を有する標的塩基配列を増幅する工程と、(d)前記標的塩基配列の増幅産物を検出する工程と、を有するものが挙げられる。
以下、各工程について説明する。
まず、工程(a)において、生体試料からmRNAを抽出する。生体試料からのmRNA抽出は、トリゾルを用いる等、定法により行うことができる。
次いで、工程(b)において、逆転写反応により、前記mRNAから該mRNAに相補するcDNAを合成する。
逆転写に用いられる逆転写酵素としては、従来公知のものが用いられ、例えば、Moloney Murine Leukemia Virus由来の逆転写酵素等が挙げられる。
逆転写に用いられるプライマーの長さは、通常用いられるプライマーの長さと同様、10〜40塩基が好ましく、20〜30塩基がより好ましい。
また、逆転写反応により合成されたcDNAは、鋳型となったmRNAとのハイブリッドを形成しているため、RNaseH等のRNaseを用いて、工程(c)の前に、予めmRNAを分解しておくことが好ましい。
次いで、工程(c)において、配列番号1で表されるプライマー及び配列番号2で表されるプライマーを用いて、前記cDNAから、KK−LC−1のcDNAの配列を有する標的塩基配列を増幅する。
DNAポリメラーゼとはプライマーがアニールした鋳型DNAと相補的な塩基配列を持つDNA鎖を合成する酵素の総称である。
本発明に用いられるDNAポリメラーゼとしては、特に限定されないが、Taq DNAポリメラーゼ、Tth DNAポリメラーゼ、Vent DNAポリメラーゼ等の熱安定性DNAポリメラーゼを用いることが好ましく、試験開始前の伸長を防ぐためにホットスタート機能を持つDNAポリメラーゼを使用することがより好ましい。
配列番号1で表されるプライマー及び配列番号2で表されるプライマーは、KK−LC−1のmRNA及びゲノムDNAのいずれも認識するが、PCRによる増幅産物の大きさからその違いを見分けることができる。従って、上記配列番号1及び2で表されるプライマーを用いたRT−PCR法により、KK−LC−1の発現をより高精度に検出できる。
次いで、工程(d)において、前記標的塩基配列の増幅産物を検出する。
工程(d)における代表的な検出方法としては、標的塩基配列の増幅を電気泳動により評価する方法が挙げられる。この方法は、標的塩基配列の増幅産物及び核酸分子量マーカーに対して、電気泳動を行い、両者の泳動度を対比することにより、所定の分子量を有する標的塩基配列が増幅された否かを評価する方法である。
電気泳動による検出に用いる試薬としては、二本鎖DNAに結合して蛍光を発する臭化エチジウムやサイバーグリーンが好ましい。
工程(d)におけるその他の検出方法としては、特に限定されるものではなく、蛍光色素等によるオリゴヌクレオチドの標識、高速液体クロマトグラフィー、マススペクトル、融解曲線分析、増殖曲線分析等が挙げられる。
蛍光色素等によるオリゴヌクレオチドの標識としては、例えば、配列番号1で表されるプライマー及び配列番号2で表されるプライマーの少なくともいずれか一方を、標識物質により標識しておく方法が挙げられる。かかる方法により、標識物質を指標として標的塩基配列の増幅を検出することができる。このような標識物質としては、例えば、蛍光色素、エネルギー吸収性物質、ラジオアイソトープ、化学発光体、酵素、抗体等が挙げられる。かかる標識物質を用いて、オリゴヌクレオチドを標識する位置については、特に限定するものではないが、伸長反応を阻害しないような位置が好ましい。
また、KK−LC−1の発現を検出する工程としては、例えば、KK−LC−1タンパク質に対する特異的抗体を作製して、特異的抗体を使用したウエスタンブロット法、固相酵素免疫検定法(ELISA) 、免疫組織学的染色法等の免疫学的方法によりKK−LC−1タンパク質の発現を検出する工程も挙げられる。
ウエスタンブロット法は、例えば、KK−LC−1タンパク質を含有する生体試料をSDS−PAGEにより分離し、ゲル中の分離されたタンパク質をPVDF膜等のメンブレンに転写し、KK−LC−1タンパク質を認識しうる抗体 (一次抗体) と反応させて免疫複合体を形成させ、該免疫複合体を標識した二次抗体を用いて検出する方法である。形成した免疫複合体と結合した標識二次抗体の標識量を測定することにより、生体試料中に存在するKK−LC−1タンパク質の量を測定できる。
免疫組織学的染色法は、例えば、スライドガラス上に固定された切除組織切片や細胞などを、抗KK−LC−1抗体と反応させて免疫複合体を形成させ、これと結合した標識二次抗体により検出するものである。
使用する特異的抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でもよく、特異的抗体は既知の抗体作製方法によって得ることができる。
ポリクローナル抗体の場合、KK−LC−1タンパク質を構成するアミノ酸配列の一部に基づいて作製した合成ペプチドをウサギなどの非ヒト動物に免疫し、この動物の血清などから産生された抗体を常法により得ることができる。
モノクローナル抗体の場合、KK−LC−1タンパク質を構成するアミノ酸配列の一部に基づいて作製した合成ペプチドをマウスなどの非ヒト動物に免疫し、脾臓などに含まれる抗体産生細胞を採取し、骨髄腫細胞と融合させて得たハイブリドーマ細胞より得ることができる。
また、形成した免疫複合体の検出は、二次抗体を用いる方法に代えて、一次抗体を予め同位体などで標識する方法を用いたものであってもよい。
[ヘリコバクター・ピロリ感染を検出する工程]
ヘリコバクター・ピロリは、胃癌発生のclass1(確実に発癌誘導する)発癌物質としてWHO/IARCにより認定されている。また、本邦における胃癌患者の80%以上は、ヘリコバクター・ピロリに感染していることが明らかとなっている(Helicobacter pylori infection and the development of gastric cancer. Uemura N, Okamoto S, Yamamoto S, Matsumura N, Yamaguchi S, Yamakido M, Taniyama K, Sasaki N, SchlemperRJ. N Engl J Med. 2001 Sep 13;345(11):784-9.参照)。
実施例において後述するように、本発明者は、KK−LC−1を発現している胃癌症例で抗ヘリコバクター・ピロリIgGが高値であることを見出した。従って、KK−LC−1の発現を検出する工程と、ヘリコバクター・ピロリ感染を検出する工程と、を兼ね備えることで、生体試料中の胃癌細胞を高精度に行うことができる。
検出に用いる生体試料としては、[KK−LC−1の発現を検出する工程]で挙げたものに加えて、唾液、糞便等が挙げられる。
ヘリコバクター・ピロリ感染を検出する工程としては、ヘリコバクター・ピロリの発現を検出する工程、又はその感染によって起こりうる炎症反応もしくは免疫応答を検出する工程が挙げられる。
ヘリコバクター・ピロリの発現を検出する工程としては、KK−LC−1の発現を検出する工程と同様に、ヘリコバクター・ピロリ由来の遺伝子を検出する工程、又は、ヘリコバクター・ピロリ由来のタンパク質を検出する工程が挙げられる。
ヘリコバクター・ピロリ由来のタンパク質としては、ウレアーゼA、ウレアーゼB等のウレアーゼ;FlaA、FlaB、FliD、FliK、FlgE、FlgM等の鞭毛タンパク質;空胞化毒素(VacA);毒素随伴タンパク質(CagA);好中球活性化タンパク質(NapA)等が挙げられる。
ヘリコバクター・ピロリ由来の遺伝子としては、上述したヘリコバクター・ピロリ由来のタンパク質をコードする遺伝子が挙げられる。
これらのヘリコバクター・ピロリ由来のタンパク質、遺伝子の検出方法としては、KK−LC−1を検出する工程で述べた方法と同様のものが挙げれらる。
ヘリコバクター・ピロリ感染によって起こりうる炎症反応もしくは免疫応答を検出する工程としては、抗ヘリコバクター・ピロリIgG抗体を検出する工程、ヘリコバクター・ピロリ感染により、胃粘膜上皮細胞から放出されるIL−8を検出する工程、IL−8が産生誘導するTNF−α、IL−1、IL−6等を検出する工程等が挙げられる。
また、ヘリコバクター・ピロリ感染を検出する工程としては、尿素試験法を用いて生ずる同位元素で標識されたCOを測定する工程も挙げられる。
具体的には、安定性同位元素又は放射性同位元素で標識した尿素を経口投与する。ヘリコバクター・ピロリのもつウレアーゼにより同位元素で標識した尿素が加水分解され、アンモニアと同位元素で標識されたCOが発生し、呼気から放出される。この呼気を採取し、同位元素で標識されたCOと自然界に存在するCOとの比率により、ヘリコバクター・ピロリの存在を測定することができる。
<胃癌細胞検出キット>
本発明の胃癌細胞検出キットは、KK−LC−1検出キットとヘリコバクター・ピロリ感染検出キットを備えたものであり、具体的には、上述した<胃癌細胞検出方法>で、KK−LC−1及びヘリコバクター・ピロリの検出に用いられる試薬を含むものが挙げられる。
一例として、抗KK−LC−1抗体と抗ヘリコバクター・ピロリIgGに対する抗体とを備えたELISAキット;抗KK−LC−1抗体とヘリコバクター・ピロリ由来のタンパク質に対する抗体(例えば、抗CagA抗体)とを備えたELISAキット等が挙げられる。
また、KK−LC−1遺伝子とヘリコバクター・ピロリ由来の遺伝子を検出するためのプライマーセットを含むものも挙げられる。一例として、本発明の胃癌細胞検出キットは、逆転写酵素と、逆転写用プライマーと、RNaseと、KK−LC−1遺伝子用プライマーと、ヘリコバクター・ピロリ由来の遺伝子用プライマーと、を有する。
増幅産物の大きさから、ゲノムDNAの検出を排除できる観点から、胃癌細胞検出キット中のKK−LC−1検出キットは、配列番号1で表されるプライマー及び配列番号2で表されるプライマーを含むことが好ましい。
このように、本発明の胃癌細胞検出方法に必要な試薬等をキット化することにより、生体試料中の胃癌細胞をより簡便にかつ高精度に検出をすることができる。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[胃癌における癌/精巣抗原の発現についての検討]
胃癌と診断され、胃の切除手術を受けた患者のうち、切除組織から癌部位の採取可能であった55例について、癌/精巣抗原の発現を検討した。
胃癌切除手術直後、新鮮胃癌組織より腫瘍部位及び正常部位を採取し、RNAlater(Ambion社)に一晩浸漬した。浸漬した各部位をRNAlaterより取り出し、5mm角の大きさに細切りし、−80℃に保存した。
保存した部位をアルミホイルに包み、液体窒素に浸漬し完全に凍結させた後にハンマーで破砕した。破砕した組織からEZ1 RNA Tissue Mini Kit(Qiagen社)を用いてRNAを抽出した。詳細には、破砕した組織をRLT液に添加し、23Gニードル付1mLシリンジで完全に溶解させ、組織を溶解したRLT液よりRNAを抽出した。オリゴp(dN)6ランダムプライマー及びSuperscriptII
reverse(Invitrogen社)を用いて、抽出したRNAからcDNAを合成した。
β−actinの発現量、並びに、他の癌/精巣抗原として、Melanoma antigen−encoding gene(MAGE)A1、Melanoma antigen−encoding gene(MAGE)A3、及びNew York Esophageal squamous cell carcinoma−1(NY−ESO−1)の発現量をTaqman Gene Expression Assays(Hs99999903_m1、Hs00607097_m1、Hs200366532_m1、Hs00265824_m1)を用いて測定した。
5μLのcDNA、10μLのFastStart Universal Probe
Master(Roche社)、1μLのTaqman Gene Expression Assaysを含む20μLの反応液を作製し、HT−7900(Life Technologies)にて反応回数45サイクルのリアルタイムPCRを実施した。
MAGE−A1、MAGE−A3、及びNY−ESO−1に関しては、Ct値が45以下を結果として採用した。β―actinに関しては、Ct値が28以下を結果として採用した。
β―actinのCt値と各癌/精巣抗原のCt値の差をΔCtとし、ΔCtの有無を各癌/精巣抗原の発現の有無とした。結果を図1に示す。
KK−LC−1に関しては、RT−PCRで発現を確認した。2μLのcDNA、0.2μLのrTaq(TAKARA社)、125μMdNTP、及び500nMのKK−LC−1特異的プライマー(配列番号1(ATGAACTTCTATTTACTCCTAGCGAGC)及び配列番号2(TTAGGTGGATTTCCGGTGAGG))を含む反応液を調製した。40サイクルでの増幅の有無を確認した。
図1に示すように、胃癌症例の胃癌部位において、55例中41例(75%)でKK−LC−1の発現が認められた。それに対して、MAGE−A1、MAGE−A3、及びNY−ESO−1の発現は、それぞれ20例(36%)、27例(49%)、及び11例(20%)であった。
この結果から、KK−LC−1は、他の癌/精巣抗原よりも胃癌において高頻度に発現していることが明らかとなった。
血清採取可能であった25症例について、Anti−IgG ヘリコバクター・ピロリ
ELISA Kit Quantiative(Phoenix pharmaceutics)を用いて血清中のヘリコバクター・ピロリに対するIgGを測定した。各癌/精巣抗原について、発現の有無で群分けし、群間における抗体価について比較した。結果を図2〜3に示す。
図2に示すように、KK−LC−1陽性患者及び陰性患者の血清中の抗ヘリコバクター・ピロリ IgG価は、それぞれ67.5±7.6U及び15.8±7.5Uであり、KK−LC−1陽性の胃癌患者血清で高い値を示した(p=0.0046)。
以上の結果から、KK−LC−1は胃癌において高頻度に発現しており、その発現はヘリコバクター・ピロリ感染に対するIgG産生と相関することが示された。
一方、図2に示すように他の癌/精巣抗原の発現と、ヘリコバクター・ピロリ感染に対するIgG産生との相関は見られなかった。
[RT−PCRとリアルタイムPCRの比較]
RT−PCR及びリアルタイムPCRをそれぞれ用いて、胃癌29症例の腫瘍部におけるKK−LC−1の発現の検出精度を比較した。
〔リアルタイムPCR〕
β―actinの発現量、並びに、KK−LC−1の発現量をTaqman Gene
Expression Assays(Hs02386421_g1)を用いて測定した。
5μLのcDNA、10μLのFastStart Universal Probe
Master(Roche社)、1μLのTaqman Gene Expression Assaysを含む20μLの反応液を作製し、HT−7900(Life Technologies)にて反応回数45サイクルのリアルタイムPCRを実施した。
KK−LC−1に関しては、Ct値が45以下を結果として採用した。β―actinに関しては、Ct値が28以下を結果として採用した。
β―actinのCt値と各癌/精巣抗原のCt値の差をΔCtとし、ΔCtの有無を各癌/精巣抗原の発現の有無とした。結果を図4に示す。図4中、ΔCtが−25以上をKK−LC−1の発現ありと判断した。
〔RT−PCR〕
[胃癌における癌/精巣抗原の発現についての検討]で述べた実験条件に従って342bpの増幅産物の有無でKK−LC−1の発現の有無を判断した。結果を図4に示すように、リアルタイムPCRによる KK−LC−1の発現頻度は、RT−PCRにおける結果と比較すると高値であった。このプローブを用いたリアルタイムPCRでは、ゲノムDNAのコンタミネーションを検出してしまうおそれがあり、上記配列番号1及び配列番号2のプライマーを用いたRT−PCR法による方が正確にKK−LC−1の発現頻度を測定できることが示唆された。

Claims (4)

  1. 生体試料中の胃癌細胞の検出方法であって、KK−LC−1の発現を検出する工程と、ヘリコバクター・ピロリ感染を検出する工程を有することを特徴とする胃癌細胞の検出方法。
  2. 前記KK−LC−1の発現を検出する工程は、配列番号1で表されるプライマー及び配列番号2で表されるプライマーを用いてRT−PCRを行う工程を有する請求項1に記載の胃癌細胞の検出方法。
  3. KK−LC−1検出キットとヘリコバクター・ピロリ感染検出キットを備えたことを特徴とする胃癌細胞検出キット。
  4. 前記KK−LC−1検出キットは、配列番号1で表されるプライマー及び配列番号2で表されるプライマーを含む請求項3に記載の胃癌細胞検出キット。
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