JP2015128388A - 殺菌野菜の生産方法及びその生産装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来と同程度の設備を用いて、従来よりも殺菌力を向上可能な、オゾンガスを用いた殺菌野菜の生産方法及びその生産装置を提供する。【解決手段】オゾン水生成装置1を用い、オゾンガスを水に接触させることでオゾンガスを生成するオゾン水生成工程と、オゾン水生成装置1で生成したオゾン水を、オゾン水殺菌槽2で野菜と接触させることで野菜を殺菌するオゾン水殺菌工程と、オゾン水生成装置1で水との接触後に余剰となった余剰オゾンガスを、オゾンガス燻蒸槽4において野菜と接触させることで野菜を殺菌するオゾンガス殺菌工程と、を含むようにする。【選択図】図1

Description

本発明は、殺菌野菜の生産方法及びその生産装置に関する。
核家族化や共働きの増加を背景に、野菜を切ることなくそのまま調理したり食べたりすることができるカット野菜の需要が増している。カット野菜は、畑から収穫された野菜が切断されて生産されるが、収穫された野菜には泥や塵等の汚れや生菌が付着していることが多い。そのため、畑から収穫された野菜に対して中性洗剤等を用いた洗浄や殺菌の後、切断されてカット野菜を得ることが多い。
殺菌方法としては、大量調理施設衛生管理マニュアル(厚生労働省)に記載のある、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いた方法が主流である。具体的には、野菜が次亜塩素酸ナトリウム水溶液に所定時間浸漬されることで、野菜の殺菌が行われる。しかし、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤を用いると、野菜に塩素臭が残留したり、次亜塩素酸ナトリウムを野菜から除去するために大量のリンス水が必要になったりすることがある。
そこで、強い殺菌力を有するオゾンが近年注目されている。特に、オゾンは有機物と反応し速やかに分解され、残存しにくいという利点もある。そこで、オゾンガスを水に溶解させたオゾン水を用いた殺菌方法が知られている。例えば特許文献1には、食品材料に対して、オゾンガスへの接触とオゾン水への接触とを少なくとも一度ずつ行うことで、食品材料を殺菌する方法が記載されている。
特開平06−327448号公報
オゾンガスは、通常は単独の状態では殺菌力はそれほど強くなく、水分とともに存在するときに特に強い酸化力を示す。従って、野菜等の食品を洗浄するときにオゾンガスを用いる場合、用いるオゾンガスには水分を共存させることが好ましい。しかし、前記の特許文献1には、オゾンガス中の水分の有無についての記載はない。また、オゾンガスに対して単に水分を含ませようとした場合、水分を含ませるための特殊な設備が必要になることもある。
本発明は前記課題に鑑みて為されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、従来と同程度の設備を用いて、従来よりも殺菌力を向上可能な、オゾンガスを用いた殺菌野菜の生産方法及びその生産装置を提供することである。
本発明者は前記課題を解決するべく鋭意検討した結果、オゾンガスを水に溶解させてオゾン水を生成させる際に発生した余剰のオゾンガスと、生成したオゾン水とを用いて野菜を殺菌することで前記課題を解決できることを見出した。
本発明によれば、従来と同程度の設備を用いて、従来よりも殺菌力を向上可能な、オゾンガスを用いた殺菌野菜の生産方法及びその生産装置を提供することができる。
第1実施形態の野菜殺菌装置の系統図である。 第1実施形態の殺菌野菜の生産方法のフローチャートである。 第2実施形態の野菜殺菌装置の系統図である。 第2実施形態の殺菌野菜の生産方法のフローチャートである。 第3実施形態の野菜殺菌装置の系統図である。 第3実施形態の殺菌野菜の生産方法のフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本実施形態を説明する。
[1.第1実施形態]
図1は、第1実施形態の野菜殺菌装置100の系統図である。野菜殺菌装置100は、オゾンガスを水に溶解させることで生成したオゾン水と、当該オゾン水の生成時に発生した余剰のオゾンガスとを用いて、野菜10を殺菌するものである。これにより、殺菌野菜が生産される。なお、図1は、オゾン水殺菌槽2で野菜10が殺菌されている様子を示している。
野菜殺菌装置100は、オゾン水生成装置1と、オゾン水殺菌槽2と、遠心脱水装置3と、オゾンガス燻蒸槽4とを備えて構成される。また、野菜殺菌装置100は、これら以外にも、いずれも図示しないが、オゾンガスや空気等の気体、及び、水やオゾン水等の液体の流量を制御する流量制御弁や、野菜10を搬送する搬送装置等を備えている。
はじめに図1を参照しながら野菜殺菌装置100の構成を説明し、次いで、図2を参照しながら野菜殺菌装置100での制御(殺菌野菜の生産方法、殺菌方法)を説明する。
オゾン水生成装置1は、オゾンガスと水とを用いてオゾン水を生成させるものである。具体的には、オゾン水生成装置1にはオゾンガスと水とが供給され、供給された水に対してオゾンガスが溶解されることで、オゾン水が生成するようになっている。なお、オゾンガスは、例えば、オゾンガスの原料となる酸素に対し、無声放電やコロナ放電、紫外線照射等を行うことで生成させることができる。また、オゾンガスを生成させる装置に供給される酸素は、純酸素であってもよく、酸素を含む気体(空気等)であってもよい。オゾンガスを発生させる装置に例えば純酸素が供給される場合、例えば酸素ボンベを用いることができる。また、当該装置に例えば空気等が供給される場合、空気中の窒素を吸着分離して酸素を濃縮した後に当該装置に供給するための酸素発生装置を併設することができる。
オゾン水生成装置1には、本実施形態では、水にオゾンガスが十分に溶解するようにオゾンガスが供給される。具体的は、生成するオゾン水中のオゾン濃度が例えば4mg/L〜30mg/L程度になるように、オゾンガスが供給される。オゾン水生成装置1では、例えば、水中に配置された散気管等を通じてオゾンガスが放出されることで、オゾンガスが溶解したオゾン水が得られる。このとき、溶解しなかったオゾンガス(即ち、余剰のオゾンガス)は、水中の散気管からオゾン水生成装置1内の気相に放出されることになる。
ここで、オゾン水生成装置1内の気相には、飽和蒸気圧以下の水分が含まれている。そのため、オゾン水生成装置1では、オゾン水に加えて、水分(水蒸気)と併存するオゾンガス(即ち加湿されたオゾンガス)が得られることになる。オゾンガスは、水分と併存することで、より強い殺菌力を有するものになる。そのため、オゾン水生成装置1からオゾンガス燻蒸槽4に供給されるオゾンガス(水分を含む)は、乾燥したオゾンガスと比べて、より強い殺菌力を有している。
オゾンガスが存在する気相に含まれる水分の量(即ち湿度)は特に制限されないが、特に良好な殺菌力を有するオゾンガスを生成させる観点から、オゾンガスを含む気相の湿度は、相対湿度として80%以上であることが好ましい。ただし、前記のように、気相には飽和蒸気圧以下ではあるものの水分が通常含まれていることから、通常含まれる程度の量の水分でも、十分に良好な殺菌力を有するオゾンガスが得られる。
以下、説明の便宜のために、水分と併存しているオゾンガスのことを、「水分を含むオゾンガス」や「加湿されたオゾンガス」ということがある。
一般に、温度の低い水の方が、オゾンガス等の気体の溶解量が多い。従って、より多くのオゾンガスを含むオゾン水、即ち殺菌力のより高いオゾン水を生成させるためには、温度の低い水に対してオゾンガスを溶解させればよいことになる。しかし、詳細は後記するが、オゾン水生成装置1において発生した余剰のオゾンガスは、オゾンガス燻蒸槽4に供給され、野菜10の殺菌に用いられる。前記のように、オゾンガスは水分を含むことでより強い殺菌力を発生させることができることから、余剰のオゾンガスにはできるたけ多くの水分が含まれることが好ましい。従って、オゾン水生成装置1の気相により多くの水分を含ませるためには、オゾン水生成装置1での水の温度は高い方が好ましいことになる。
このように、オゾン水による殺菌力と、オゾンガスによる殺菌力とは、所謂トレードオフの関係にある。従って、野菜殺菌装置100のオゾン水生成装置1では、オゾン水中のオゾンガスの溶解量や余剰のオゾンガスに含まれる水分量等を考慮して、オゾン水生成装置1での水の温度やオゾンガスの温度、さらには生成させるオゾン水の温度を決定すればよい。
オゾン水殺菌槽2は、オゾン水生成装置1で生成したオゾン水を用いて、野菜10を殺菌するものである。以下、オゾン水殺菌槽2における殺菌を、「洗浄」ということがある。オゾン水殺菌槽2にはオゾン水が貯溜されており、このオゾン水中のオゾンガスの溶解量(濃度)が略一定になるように、オゾン生成装置1からオゾン水が適宜供給される。余剰のオゾン水は適宜排水される。また、オゾン水殺菌槽2には、図示しない攪拌翼が備えられ、攪拌翼が回転されることで、オゾン水が攪拌されるようになっている。そして、オゾン水殺菌槽2内のオゾン水に野菜10が浸した後、前記の攪拌翼が回転してオゾン水を攪拌しながら、野菜10の殺菌が行われるようになっている。
野菜10がオゾン水殺菌槽2で殺菌されるときの殺菌条件は特に制限されず、例えば野菜10の種類や処理量等に応じて適宜設定される。例えばカットされていないキャベツ等の比較的凹凸の少ない形状を有する野菜の場合には、キャベツの細部にまで十分にオゾン水を到達させ易いため、比較的短時間の殺菌となる。一方で、例えばカットキャベツの場合にはカット断面増加に伴い接触面積が多くなることやカット断面でのオゾンの消費が多いことから、細部にまで十分にオゾン水を到達させるため、比較的長時間の殺菌となる。これらのことを具体的に示せば、野菜の種類や処理量によっても異なるため一概にはいえないが、洗浄時間(殺菌時間)は、例えば数分〜数十分程度である。また、オゾン水の温度は、例えば4℃〜40℃程度とすることができる。
遠心脱水装置3は、オゾン水殺菌槽2から供給された野菜10が遠心されることで、野菜10に付着している水分を除去するものである。遠心脱水装置3では、野菜10に付着している水分が必ずしも全て除去される必要はない。即ち、野菜10の細部にもし水分が過剰に残存していると、後段のオゾンガス燻蒸槽4においてその細部にまでオゾンガスが十分に到達できず、十分な殺菌が行われないことがある。そこで、遠心脱水装置3では、後段のオゾンガス燻蒸槽4において野菜10の細部にオゾンガスが到達可能な程度に、水分が除去されればよい。ただし、水分が過度に多くなると生菌数が増加することがあるため、付着している水分はできるだけ除去されることが好ましい。遠心脱水時の条件は特に制限されず、野菜10の種類(大きさや形状等)や処理量等に応じて適宜設定すればよい。遠心脱水により生じた水分は排水される。
オゾンガス燻蒸槽4は、遠心脱水装置3で表面の水分が除去された野菜10に対して、オゾンガスを用いた殺菌を行うものである。以下、オゾンガス燻蒸槽4における殺菌を、「燻蒸」ということがある。この燻蒸は、前記のオゾン水生成装置1で生成した余剰のオゾンガス(即ち、水分を含むオゾンガス)が用いられる。オゾンガス燻蒸槽4に供給されるオゾンガスは空気により希釈され、野菜10に対して好適な濃度のオゾンガスが供給されるようになっている。燻蒸が行われた後のオゾンガスは排気される。
オゾンガス燻蒸槽4にはCICセンサ4Aが備えられ、CICセンサ4Aにより、オゾンガス燻蒸槽4内のオゾンガス濃度が測定可能になっている。CICセンサ4Aは例えば紫外線吸収式や半導体方式のセンサである。これらのうち紫外線吸収式のセンサは、オゾンが紫外線を吸収することに着目したセンサである。即ち、オゾンガス燻蒸槽4内の気体をセルに封入した後、当該セルに紫外線(例えば波長254nmの光)を照射して吸光度を測定することで、オゾンガス燻蒸槽4内のオゾン濃度を測定することができる。
燻蒸の条件は特に制限されるものではないが、野菜10の細部にまでオゾンガスを十分に到達させることができる時間及び圧力で行うことが好ましい。例えば、野菜10の種類や処理量によっても異なるため一概にはいえないものの、燻蒸時間(殺菌時間)は例えば数分〜数時間であり、燻蒸温度は例えば10℃〜40℃程度である。
また、本実施形態では、オゾンガス燻蒸槽4に野菜10が供給された後、いったんやや減圧にした後で槽内の負圧を利用してオゾンガスを吸入することで、野菜10の細部にまでオゾンガスを接触させ易くしている。これにより、野菜10の細部についても十分に殺菌することができる。特に、例えばキャベツ等の葉物野菜の場合には空隙が多く、オゾン水殺菌槽2で、十分な時間で殺菌を行ったとしても、オゾン水殺菌槽2ではオゾン水が細部にまで到達していないことがある。しかし、オゾンガスはオゾン水よりも細部に到達し易いため、オゾン水及びオゾンガスを用いた二段階の殺菌とすることで、どのような種類の野菜10であっても、確実に野菜10を殺菌することができる。
ここで、従来、例えば、オゾン水を生成させる際の無駄なオゾンガス(即ち溶解しなかったオゾンガス)をできるだけ低減するため、水に対して供給されるオゾンガスの量はある程度厳密に制御されていた。そして、このような厳密な制御の下で生成したオゾン水と、別系統で供給されるオゾンガスとを用いた殺菌が行われていた(例えば前記の特許文献1参照)。そのため、制御が複雑になる傾向があった。しかし、本実施形態の野菜殺菌装置100では、オゾン水を生成させる際に用いられるオゾンガスの量は、それほど厳密に制御する必要はない。即ち、オゾンガスが十分に溶解できる量であれば具体的な量は特に限定されず、余剰量が多く発生しても、その余剰のオゾンガスが殺菌に用いられるため、オゾンガスが無駄になることがない。
しかも、オゾン水生成の際に生成した余剰のオゾンガスには、前記のように水分が含まれている。従って、前記のような別系統からのオゾンガスを用いて殺菌する場合と比べて、オゾンガスを加湿するための特殊な設備を設置することなく、従来よりも強い殺菌力が発揮される。
なお、野菜殺菌装置100を構成する各装置(流量制御弁や野菜10の搬送装置等を含む)は、図示しない演算制御装置により制御される。演算制御装置は、いずれも図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、I/F(インターフェイス)等を備え、ROMに格納されている所定の制御プログラムがCPUによって実行されることにより具現化される。
次に、図2を参照しながら、図1の野菜殺菌装置100を用いた野菜の殺菌方法(殺菌野菜の生産方法)を説明する。図2に示すフローチャートは、前記の演算制御装置により実行される。
図2は、第1実施形態の殺菌野菜の生産方法のフローチャートである。まず、オゾン水生成装置1において、オゾンガスと水とを用いて、オゾン水の生成が行われる(ステップS101)。このとき、供給される水に対するオゾンガスの供給量は、水に対してオゾンガスを十分に溶解させることができる量としている。これにより、オゾンガスを含むオゾン水が得られるとともに、水分を含む余剰のオゾンガスが得られる。生成したオゾン水はオゾン水殺菌槽2に供給され、生成した余剰のオゾンガスはオゾンガス燻蒸槽4に供給される。
そして、オゾン水殺菌槽2では、オゾン水を用いて野菜10が洗浄される(ステップS102)。これにより、野菜10の殺菌が行われる。次いで、洗浄後の野菜10は遠心脱水装置3に搬送され、遠心脱水装置3において遠心脱水される(ステップS103)。これにより、野菜10の表面に付着していた水分が除去される。遠心脱水後の野菜10はオゾンガス燻蒸槽4に供給される。
オゾンガス燻蒸槽4において、オゾン水生成装置1で生成した余剰のオゾンガスを用いて、野菜10が燻蒸される(ステップS104)。これにより、オゾン水による殺菌後の野菜10が、再度、オゾンガスによって殺菌されることになる。そして、燻蒸後、オゾンガス燻蒸槽4から取り出された野菜10は、殺菌野菜として得られる(ステップS105)。
このように、図2に示すフローに従って殺菌野菜を生産すれば、オゾン水とオゾンガスとを併用して十分な殺菌が行われた野菜を提供することができる。特に、用いられるオゾンガスはオゾン水生成時の余剰のオゾンガスである。そのため、用いられるオゾンガスは水分を含み、殺菌力が高い。従って、オゾン水とオゾンガスとを単に併用した場合よりも高い殺菌力を得ることができる。また、オゾン水生成時の余剰のオゾンガスを用いるため、オゾンガスを別途加湿する必要がない。そのため、本実施形態の野菜殺菌装置100によれば、従来と同様の簡便な装置構成で、従来よりも十分に殺菌が行われた野菜を提供することができる。
[2.第2実施形態]
次に、図3及び図4を参照しながら、第2実施形態を説明する。
図3は、第2実施形態の野菜殺菌装置200の系統図である。図3に示す野菜殺菌装置200において、図1に示す野菜殺菌装置100と同じものについては同じ符号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。従って、野菜殺菌装置200についての以下の説明においては、主に、図1の野菜殺菌装置100と異なる点について説明する。
図3の野菜殺菌装置200においては、図1の野菜殺菌装置100のオゾンガス燻蒸槽4に代えて、真空チャンバ5が備えられている。そして、オゾン水生成装置1において生成した余剰のオゾンガス(水分を含む)は、この真空チャンバ5に供給されるようになっている。また、この真空チャンバ5には、真空チャンバ5内の圧力を測定する圧力計5Bと、真空チャンバ内5内の気体を排出するための真空ポンプ5Cとが備えられている。
真空チャンバ5は、野菜10を収容した後に内部を減圧して真空にするものである。そして、真空チャンバ5内が減圧されたとき、真空チャンバ5内の負圧を利用して、オゾン水生成装置1からの余剰のオゾンガスが吸入されるようになっている。このようにすることで、オゾンガスは真空チャンバ5内に急激に取りこまれ、野菜10の細部にまでより確実にオゾンガスを到達させ、より十分に殺菌することができる。
また、真空チャンバ5に供給される野菜10は、遠心脱水装置3において予め付着の水分が除去されたものであるが、遠心脱水装置3では、付着している水分の全てを完全に取りきることができない場合もある。そこで、このような野菜10が真空チャンバ5に供給されて真空チャンバ5内を減圧することで、野菜10の表面に付着している水分を気化させて除去することができる。これにより、野菜10の表面の生菌数をより確実に低減することができる。
さらに、表面に水分が残存する野菜10を真空状態にすると、表面に残存する水分は気化して除去されるため、気化熱を野菜10から奪うことになる。従って、野菜10の温度が下がることになる。一般的に、野菜10は低温下で取り扱うことが好ましい。そのため、このような装置構成によれば、特別な冷却装置を用いることなく、野菜10を低温状態で殺菌処理(具体的にはオゾンガスによる殺菌処理)することができる。
次に、図4を参照しながら、図3の野菜殺菌装置200を用いた野菜の殺菌方法(殺菌野菜の生産方法)を説明する。図4に示すフローチャートは、前記の演算制御装置により実行される。
図4は、第2実施形態の殺菌野菜の生産方法のフローチャートである。図4に示すフローにおいても、図2に示すフローと同様の内容は同様のステップ番号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。
まず、前記の野菜殺菌装置100での制御と同様にオゾン水生成が行われ(ステップS101、生成したオゾン水を用いて野菜10が洗浄された後(ステップS102)、遠心脱水が行われる(ステップS103)。遠心脱水後の野菜10は真空チャンバ10に供給され、野菜10が収容された真空チャンバ10内が減圧される(ステップS201)。このとき、減圧は、図3に示した圧力計5Bを参照しながら行われる。また、真空チャンバ5の内部の気体や、水分(野菜10に付着していた水分が気化したもの)は、真空ポンプ5Cにより排気される。そして、所定時間経過後、真空チャンバ5を開放、即ち減圧状態から常圧状態に戻すときに、真空チャンバ5内の負圧を利用して、オゾン水生成装置1で生成した余剰のオゾンガスが真空チャンバ5内に吸入される(ステップS202)。その後は、前記の野菜殺菌装置100での制御と同様にして燻蒸され(ステップS104)、殺菌野菜が得られる(ステップS105)。
このように、図4に示すフローに従って殺菌野菜を生産すれば、図2に示すフローに従った場合に得られる効果に加えて、以下のような効果が得られる。即ち、野菜殺菌槽200においては、真空チャンバ5が備えられているため、野菜10はいったん減圧状態(真空状態)に晒されることになる。そのため、野菜10の表面に付着している水分は気化して除去されるため、野菜10の表面に付着している水分をより確実に除去することができる。これにより、野菜10の生菌数をより低減することができる。さらには、野菜10は、水分が気化するときに奪われた気化熱によって冷却される。そのため、冷却設備等の特殊な装置を用いずに、野菜10を冷却することができる。そのため、特別な冷却設備を設けることなく、野菜10の鮮度を良好に維持することができる。
[3.第3実施形態]
次に、図5及び図6を参照しながら、第3実施形態を説明する。
図5は、第3実施形態の野菜殺菌装置300の系統図である。図5に示す野菜殺菌装置300において、図1に示す野菜殺菌装置100と同じものについては同じ符号を付すものとし、その詳細な説明は省略する。従って、野菜殺菌装置300についての以下の説明においては、主に、図1の野菜殺菌装置100と異なる点について説明する。
図1の野菜殺菌装置100では、はじめにオゾン水による洗浄を行った後にオゾンガスによる燻蒸を行ったが、図5の野菜殺菌装置300では、はじめにオゾンガスによる燻蒸を行い、次いで、オゾン水による洗浄が行われる。即ち、野菜殺菌装置300では、野菜10は、オゾンガス燻蒸槽4、オゾン水殺菌槽2及び遠心脱水装置3の順で搬送されるようになっている。
図6は、第3実施形態の殺菌野菜の生産方法のフローチャートである。図6に示すフローチャートは、前記の演算制御装置により実行される。まず、図1の野菜殺菌装置100と同様に、オゾン水生成装置1においてオゾン水の生成が行われる(ステップS101)。このとき、オゾン水生成装置1においては、野菜殺菌装置100と同様に、余剰のオゾンガスが生成する。そして、第3実施形態の野菜殺菌装置300では、野菜殺菌装置100とは異なり、はじめにこの余剰オゾンガスを用いて野菜10が燻蒸される(ステップS104)。その後、野菜10はオゾン水を用いて洗浄され(ステップS102)、遠心脱水された後(ステップS103)、殺菌野菜が完成する(ステップS105)。
以上のように、図5の野菜殺菌装置300での野菜10の殺菌の順番は、図1の野菜殺菌装置100での野菜10の殺菌の順番と比べて、逆になっている。このようにしても、十分に殺菌された野菜10を得ることができる。特に、最後にオゾン水を用いて洗浄(殺菌)することで、殺菌された野菜10に適度な水分を持たせることができる。これにより、例えばキャベツ等のみずみずしさが重視される野菜10の場合には、殺菌された場合でも適度な水分を持っているため、みずみずしさ等が維持される。これにより、十分に殺菌されつつ、食感にもより優れた野菜10が得られる。
[4.変形例]
以上、3つの実施形態を挙げて本実施形態を説明したが、本実施形態は前記の実施形態に何ら制限されるものではない。
例えば、前記の実施形態では、オゾン水生成装置1において、水中でオゾンガスを散気することでオゾン水を生成させているが、水とオゾンガスとを接触させてオゾン水を生成させることができれば、オゾン水はどのようにして生成させてもよい。例えば、水が収容された密閉容器の気相にオゾンガスを供給し、当該密閉容器を激しく振動させて水にオゾンガスを溶解させてオゾン水を生成してもよい。
また、例えば、前記の実施形態では、オゾン水殺菌槽2でオゾン水を用いて野菜10を洗浄することで殺菌しているが、オゾン水と野菜10とを接触させて野菜10を殺菌できれば、野菜10が必ずしも洗浄されなければならないものではない。また、同様に、オゾンガス燻蒸槽4(図1参照)や真空チャンバ5(図3参照)でオゾンガスを用いて野菜10を燻蒸することで殺菌しているが、オゾンガスと野菜10とを接触させて野菜10を殺菌できれば、野菜10が必ずしも燻蒸されなければならないものではない。従って、所望する殺菌の強さに応じて、オゾン水殺菌槽2やオゾンガス燻蒸槽4、真空チャンバ5での接触の形態や度合等を決定すればよい。
さらに、例えば、前記の実施形態では、オゾン水殺菌槽2や遠心脱水装置3で使用されたオゾン水は単に排水されているが、排水されたオゾン水から不純物を除去した上で、オゾン水生成装置1等に戻すようにしてもよい。このようにすることで、オゾン水を無駄なく利用することができる。オゾンガスについても同様であり、オゾンガス燻蒸槽4や真空チャンバ5で使用されたオゾンガスは単に排気されているが、排気されたオゾンガスから不純物を除去した上で、オゾン水生成装置1等に戻すようにしてもよい。このようにすることで、オゾンガスを無駄なく利用することができる。
また、例えば、前記の実施形態では、オゾン水生成装置1で生成した余剰のオゾンガスは、オゾンガス燻蒸槽4や真空チャンバ5に直接供給されるようにしているが、オゾン水生成装置1で生成した余剰のオゾンガスをいったんオゾンガスタンクに貯蔵して、当該オゾンガスタンクからオゾンガスをオゾンガス燻蒸槽4や真空チャンバ5に供給するようにしてもよい。
さらに、例えば、前記の実施形態では遠心脱水装置3を設けているが、付着している水分を野菜10から除去する装置は遠心脱水装置に何ら限られず、乾燥装置等であってもよい。また、遠心脱水装置3等の水分を除去する装置は設けられなくてもよい。
また、例えば、前記の実施形態では、オゾンガス燻蒸槽4や真空チャンバ5には、オゾンガス濃度を測定するCIC装置4A,5Aが備えられているが、CIC装置はこれらに備えられるのではなく、オゾンガス生成装置1とオゾンガス燻蒸槽4や真空チャンバ5とを接続する配管(図示していない)の途中に設けられてもよい。
さらに、例えば、前記の実施形態では、野菜10はフロー式で処理されているが、バッチ式で処理されるようにしてもよい。
また、例えば、前記の実施形態での各装置や配管を構成する材料は、オゾンガスやオゾン水に耐性のある材料で構成すればよく、例えば、ステンレス鋼(SUS316やSUS304等)が使用可能である。
1 オゾン水生成装置1
2 オゾン水殺菌槽(オゾン水接触装置)
3 遠心脱水装置
4 オゾンガス燻蒸槽(オゾンガス接触装置)
5 真空チャンバ(オゾンガス接触装置)
100,200,300 野菜殺菌装置(殺菌野菜の生産装置)

Claims (5)

  1. オゾン水生成装置において、オゾンガスを水に接触させることでオゾンガスを生成するオゾン水生成工程と、
    前記オゾン水生成装置において生成したオゾン水を、オゾン水接触装置において野菜と接触させることで野菜を殺菌するオゾン水殺菌工程と、
    前記オゾン水生成装置において水との接触後に余剰となって加湿されたオゾンガスを、オゾンガス接触装置において野菜と接触させることで野菜を殺菌するオゾンガス殺菌工程と、を含むことを特徴とする、殺菌野菜の生産方法。
  2. 前記オゾン水殺菌工程においてオゾン水により野菜を殺菌した後、殺菌された野菜について前記オゾンガス殺菌工程においてオゾンガスを用いてさらに殺菌することを特徴とする、請求項1に記載の殺菌野菜の生産方法。
  3. 前記オゾンガス殺菌工程において、
    野菜が前記オゾンガス接触装置内に搬送された後に、前記オゾンガス接触装置内の圧力を低下させて真空状態にし、
    真空状態にした後の前記オゾンガス接触装置内の負圧により、前記オゾン水生成装置において生成したオゾンガスを前記オゾンガス接触装置内に吸入することで、前記オゾンガス接触装置内の圧力を大気圧に戻して野菜にオゾンガスを接触させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の殺菌野菜の生産方法。
  4. 野菜に付着した水分を、遠心脱水装置を用いて除去する遠心脱水工程を含み、
    前記遠心脱水工程において前記遠心脱水装置により付着した水分が除去された野菜について、前記オゾンガス殺菌工程においてオゾンガスとの接触が行われて殺菌が行われることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の殺菌野菜の生産方法。
  5. オゾンガスを水に接触させることでオゾン水を生成するオゾン水生成装置と、
    前記オゾン水生成装置において生成したオゾン水を野菜と接触させることで野菜を殺菌するオゾン水接触装置と、
    前記オゾン水生成装置において水との接触後に余剰となって加湿されたオゾンガスを野菜と接触させることで野菜を殺菌するオゾンガス接触装置とを備えることを特徴とする、殺菌野菜の生産装置。
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