JP2015128090A - 熱ポーリング方法、圧電体膜及びその製造方法、熱ポーリング装置、圧電特性の検査方法 - Google Patents

熱ポーリング方法、圧電体膜及びその製造方法、熱ポーリング装置、圧電特性の検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】乾式法によって簡易的にポーリング処理を行える熱ポーリング方法を提供する。
【解決手段】PZT膜15を加圧酸素雰囲気で400℃以上900℃以下の温度で熱処理することにより、PZT膜15にポーリング処理を行う。前記熱処理する前のPZT膜はシングルドメインの結晶構造を有しており、前記熱処理した後のPZT膜はマルチドメインの結晶構造を有している。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱ポーリング方法、圧電体膜及びその製造方法、熱ポーリング装置、圧電特性の検査方法に関する。
図11は、従来のポーリング装置を示す模式図である。
結晶33を10×10mmの2枚の平行平板からなる1対の電極35の中心に、機械的ポーリングが施されていない方向に電場が印加されるように挟持する。そして、電極35ごと結晶33をオイルバス37内のオイル36中に浸漬し、結晶33を浸漬したオイル36をヒーター38によって125℃まで加熱する。所定の温度に達した後、高圧電源39からリード線40を介して電極35間に1kV/cmの直流電場を10時間印加する。これにより、結晶33にポーリング処理が施される(例えば特許文献1参照)。
特開平10−177194(段落0018、図4)
前述した従来のポーリング処理方法では、被ポーリング物を、1対の電極の中心に挟持した状態でオイルに浸漬するという湿式的方法であるため、ポーリング処理が煩雑になるという課題がある。
本発明の一態様は、乾式法によって簡易的にポーリング処理を行える熱ポーリング方法、圧電体膜及びその製造方法、熱ポーリング装置のいずれかを提供することを課題とする。
また、本発明の一態様は、圧電特性を検査する方法を提供することを課題とする。
以下に、本発明の種々の態様について説明する。
[1]強誘電体膜を加圧酸素雰囲気で400℃以上900℃以下の温度で熱処理することにより、前記強誘電体膜にポーリング処理を行うことを特徴とする熱ポーリング方法。
[2]上記[1]において、
前記熱処理する前の強誘電体膜はシングルドメインの結晶構造を有しており、
前記熱処理した後の強誘電体膜はマルチドメインの結晶構造を有していることを特徴とする熱ポーリング方法。
[3]上記[1]または[2]において、
前記加圧雰囲気は202650Pa(2気圧)以上であることを特徴とする熱ポーリング方法。
[4]上記[1]乃至[3]のいずれか一項において、
前記熱処理の処理時間は10sec以上(好ましくは60sec以上)であることを特徴とする熱ポーリング方法。
[5]上記[1]乃至[4]のいずれか一項において、
前記強誘電体膜は、ゾルゲル法により形成され、結晶化されたものであることを特徴とする熱ポーリング方法。
[6]上記[1]乃至[5]のいずれか一項において、
前記強誘電体膜は、
ABOあるいは(Bi2+(Am−13m+12−(式中、AはLi、Na、K、Rb、Pb、Ca、Sr、Ba、Bi、La及びHfからなる群から選択される少なくとも1種、BはRu、Fe、Ti、Zr、Nb、Ta、V、W及びMoからなる群から選択される少なくとも1種、mは5以下の自然数である。)で表されるペロブスカイトまたはビスマス層状構造酸化物を有する膜、
LanBaCu、TrmBaCan−1Cu2n+4又はTrmBaCan−1Cu2n+3(式中、LanはY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選択される少なくとも1種、TrmはBi、Tl及びHgからなる群から選択される少なくとも1種、nは5以下の自然数である。)で表される超伝導酸化物を有する膜、
0.5BO(正方ブロンズ構造)又はA0.3BO(六方ブロンズ構造)(式中、AはLi、Na、K、Rb、Cs、Pb、Ca、Sr、Ba、Bi及びLaからなる群から選択される少なくとも1種、BはRu、Fe、Ti、Zr、Nb、Ta、V、W及びMoからなる群から選択される少なくとも1種である。)で表されるタングステンブロンズ構造酸化物を有する膜、
CaO、BaO、PbO、ZnO、MgO、B、Al、Y、La、Cr、Bi、Ga、ZrO、TiO、HfO、NbO、MoO、WO及びVからなる群から選択される少なくとも1種の材料を有する膜、
前記少なくとも1種の材料にSiOを含む材料を有する膜、または、
前記少なくとも1種の材料にSiO及びGeOを含む材料を有する膜であることを特徴とする熱ポーリング方法。
[7]上記[1]乃至[5]のいずれか一項において、
前記強誘電体膜はPZT膜であることを特徴とする熱ポーリング方法。
なお、本明細書において「PZT膜」は、Pb(Zr,Ti)O3に不純物を含有するものも含み、その不純物を含有させてもPZT膜の圧電体の機能を消滅させないものであれば種々のものを含有させてもよいものとする。
[8]上記[1]乃至[7]のいずれか一項において、
前記強誘電体膜は基板上に形成されていることを特徴とする熱ポーリング方法。
[9]上記[8]において、
前記強誘電体膜と前記基板との間には電極膜が形成されていることを特徴とする熱ポーリング方法。
[10]上記[1]乃至[9]のいずれか一項に記載の熱ポーリング方法によって前記強誘電体膜にポーリング処理が行われ、前記強誘電体膜に圧電活性が与えられたことを特徴とする圧電体膜。
[11]基板上に強誘電体膜を形成し、
前記強誘電体膜を加圧酸素雰囲気で400℃以上900℃以下の温度で熱処理することにより前記強誘電体膜にポーリング処理を行うことで、前記強誘電体膜に圧電活性を与えて圧電体膜を形成することを特徴とする圧電体膜の製造方法。
[12]上記[11]において、
前記熱処理する前の強誘電体膜はシングルドメインの結晶構造を有しており、
前記熱処理した後の強誘電体膜はマルチドメインの結晶構造を有していることを特徴とする圧電体膜の製造方法。
[13]上記[11]または[12]において、
前記加圧雰囲気は202650Pa(2気圧)以上であることを特徴とする圧電体膜の製造方法。
[14]上記[11]乃至[13]のいずれか一項において、
前記熱処理の処理時間は10sec以上であることを特徴とする圧電体膜の製造方法。
[15]上記[11]乃至[14]のいずれか一項において、
前記基板上に形成した前記強誘電体膜は、ゾルゲル法により形成され、熱処理により結晶化されたものであることを特徴とする圧電体膜の製造方法。
[16]上記[11]乃至[15]のいずれか一項において、
前記基板上に強誘電体膜を形成する前の基板は、前記基板上に電極膜が形成されていることを特徴とする圧電体膜の製造方法。
[17]処理室と、
前記処理室内に配置され、強誘電体膜を有する基板を保持する保持部と、
前記処理室内に加圧された酸素ガスを導入するガス導入機構と、
前記処理室内のガスを排気するガス排気機構と、
前記強誘電体膜にランプ光を照射するランプヒータと、
前記ガス導入機構及び前記ランプヒータを制御する制御部と、
を具備し、
前記制御部は、前記加圧された酸素ガスを前記処理室内に導入し、前記ランプヒータからランプ光を前記強誘電体膜に照射することで前記強誘電体膜を加圧雰囲気で400℃以上900℃以下の温度で熱処理することにより、前記強誘電体膜にポーリング処理を行うように制御することを特徴とする熱ポーリング装置。
[18]第1の強誘電体膜及び第2の強誘電体膜それぞれのXRD回折結果におけるピーク位置を比較し、前記第2の強誘電体膜のピーク位置が、前記第1の強誘電体膜のピーク位置より低角側にシフトしているときは優れた圧電特性を有すると判定し、前記第2の強誘電体膜のピーク位置が、前記第1の強誘電体膜のピーク位置より低角側にシフトしていないときは優れた圧電特性を有しないと判定する圧電特性の検査方法であり、
前記第1の強誘電体膜は、熱ポーリング処理が行われていないものであり、
前記第2の強誘電体膜は、熱ポーリング処理が行われたものであることを特徴とする圧電特性の検査方法。
[19]上記[18]において、
前記第1の強誘電体膜はシングルドメインの結晶構造を有しており、
前記第2の強誘電体膜はマルチドメインの結晶構造を有していることを特徴とする圧電特性の検査方法。
なお、上記の本発明の種々の態様において、特定のA(以下「A」という)の上(または下)に特定のB(以下「B」という)を形成する(Bが形成される)というとき、Aの上(または下)に直接Bを形成する(Bが形成される)場合に限定されず、Aの上(または下)に本発明の作用効果を阻害しない範囲で、他のものを介してBを形成する(Bが形成される)場合も含むものとする。
本発明の一態様によれば、乾式法によって簡易的にポーリング処理を行える熱ポーリング方法、圧電体膜及びその製造方法、熱ポーリング装置のいずれかを提供することができる。
また、本発明の一態様によれば、圧電特性を検査する方法を提供することができる。
本発明の一態様に係る圧電体膜の製造方法を説明する断面図である。 本発明の一態様に係る熱ポーリング装置を示す模式図である。 図2に示すA−A'部の断面図である。 図2に示すB−B'部の断面図である。 (A)は、第2の条件で熱ポーリング処理を行ったサンプルウェハのPZT膜のヒステリシス特性を示す図、(B)は、第2の条件で熱ポーリング処理を行ったサンプルウェハのPZT膜の表面を撮影した写真、(C)は、熱ポーリング処理を行わないサンプルウェハのPZT膜のヒステリシス特性を示す図、(D)は、熱ポーリング処理を行わないサンプルウェハのPZT膜の表面を撮影した写真である。 熱ポーリング処理を行わないサンプルウェハのPZT膜のヒステリシス評価を行った結果及びPZT膜のピエゾ曲線を示す図である。 第2の条件で熱ポーリング処理を行ったサンプルウェハのPZT膜のヒステリシス評価を行った結果及びPZT膜のピエゾ曲線を示す図である。 第2の条件で熱ポーリング処理を行ったサンプルウェハのXRDチャートとFIB断面像である。 熱ポーリング処理を行わないサンプルウェハ(as)、第1の条件で熱ポーリング処理を行ったサンプルウェハ(PA85-1-HP10)、第3の条件で熱ポーリング処理を行ったサンプルウェハ(PA85-3-HP10)それぞれのPt(400)及びPZT(400)のピークを示すXRD(X-Ray Diffraction)チャートである。 熱ポーリング処理を行わないサンプルウェハ(as)、第1の条件で熱ポーリング処理を行ったサンプルウェハ(PA85-1-HP10)、第3の条件で熱ポーリング処理を行ったサンプルウェハ(PA85-3-HP10)それぞれのPt(400)、PZT(400)及びPZT(004)のピークを示すXRD(X-Ray Diffraction)チャートである。 従来のポーリング装置を示す模式図である。
以下では、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
<圧電体膜の製造方法>
図1は、本発明の一態様に係る圧電体膜の製造方法を説明する断面図である。
(100)の結晶面を有するSi基板11上にエピタキシャル成長によるPt膜13を形成する。Pt膜13は、Si基板11の(100)の結晶面と同様に(100)に配向している。Pt膜13は電極膜として機能するとよい。なお、Pt膜13は、Pt以外の電極膜であってもよい。この電極膜は、例えば酸化物または金属からなる電極膜でもよいし、Ir膜でもよい。
なお、Si基板11とPt膜13との間に第1のバッファー膜(図示せず)を形成してもよい。第1のバッファー膜は複数の膜で構成されていてもよい。また、第1のバッファー膜は(100)の配向膜であるとよい。(100)の配向膜とは、Si基板11の(100)の結晶面と同様に(100)に配向する膜をいう。
この後、Pt膜13上にPZT膜15を形成する。このPZT膜15はシングルドメインの結晶構造を有しているとよい。
なお、本明細書において「シングルドメイン」とは、文字通り、たったひとつのドメインを意味しており、同一分極成分の存在するいわゆる分極域がたった一つからなることを意味する。ウェハサイズの分極の開始が全て同一で、通常は幾つもの分域に分かれており、分域と分域の間はドメインウォール(分域壁)と呼ばれる壁が存在する。分域と分域壁が多数存在する場合を「マルチドメイン」と呼ぶ。通常、ドメインウェールに沿って存在する分極成分が、壁を伝って分極反転する。つまりシングルドメインはドメインウォールがウェハ端面以外に存在しない為、壁に沿って分極反転が発生しにくい構造である。
以下にPZT膜15の形成方法について詳細に説明する。
Pt膜13上にゾルゲル法により鉛が不足したPZTアモルファス膜またはストイキオメトリの組成のPZTアモルファス膜を形成し、このPZTアモルファス膜を常圧酸素雰囲気または加圧酸素雰囲気で熱処理することにより、PZTアモルファス膜を結晶化したPZT膜15をPt13上に形成する。なお、鉛が不足したPZTアモルファス膜中の鉛量は、PZTアモルファス膜がストイキオメトリの組成である場合の鉛量を100原子%としたのに対して80原子%以上95原子%以下であるとよい。
さらに具体的なPZT膜15の形成方法について説明する。
PZT膜形成用ゾルゲル溶液としては、ブタノールを溶媒とする鉛が70%〜90%不足した量添加された、濃度10重量%濃度のE1溶液を用いた。
このゾルゲル溶液に、ジメチルアミノエタノールというアミノ基を有するアルカリ性アルコールを、体積比で、E1ゾルゲル溶液:ジメチルアミノエタノール=7:3の割合で添加したところ、pH=12と強アルカリ性を示した。
上記、本溶液を用いて、PZTアモルファス膜のスピンコート形成を行った。スピンコーターはミカサ株式会社製MS-A200を用いて行った。先ず800rpmで5秒、1500rpmで10秒回転させた後、徐々に10秒で3000rpmまで回転を上昇させた後、150℃のホットプレート(アズワン株式会社製セラミックホットプレートAHS-300)上に5min、大気中で放置した後、300℃のホットプレート(同AHS-300)上で10min、同じく大気中で放置した後、室温まで冷却した。これを5回繰り返すことで、所望の膜厚200nmのPZTアモルファス膜をPt13上に形成した。
次いで、上記のPZTアモルファス膜を、常圧酸素雰囲気または加圧酸素雰囲気で例えば温度が650℃の熱処理を行うことにより、PZTアモルファス膜を結晶化したPZT膜15をPt膜13上に形成する。このPZT膜15はシングルドメインの結晶構造を有している。
この後、PZT膜15を加圧雰囲気で400℃以上900℃以下の温度で熱処理することによりPZT膜15に熱ポーリング処理を行う。この際の熱処理条件は、圧力が202650Pa(2気圧)以上1519875Pa以下で、雰囲気が酸素雰囲気で、処理時間が10sec以上(好ましくは60sec以上)60min以下であるとよく、例えば10気圧の圧力で550℃の温度で30分の処理時間であってもよいし、例えば10気圧の圧力で850℃の温度で1分〜3分の処理時間であってもよい。このようにしてPZT膜15に圧電活性が与えられ、PZT膜15をマルチドメインの結晶構造とすることができる。その結果、PZT膜15を圧電体膜にすることができる。なお、マルチドメインの定義は前述したとおりである。
また、Pt膜13とPZT膜15との間に第2のバッファー膜(図示せず)を形成してもよい。第2のバッファー膜は複数の膜で構成されていてもよい。また、第2のバッファー膜は、例えばスパッタリングにより形成されるSrTiO膜であってもよい。SrTiO膜14は、ストロンチウムとチタンの複合酸化物で、ペロブスカイト構造をとる化合物である。
また、本実施形態では、Si基板11を用いているが、Si基板11以外の単結晶基板を用いても良い。
また、本実施形態では、PZT膜15を用いているが、PZT膜以外の強誘電体膜を用いてもよく、この強誘電体膜は、下記の(1)〜(6)の少なくとも一つの膜からなるとよい。
(1)ABOあるいは(Bi2+(Am−13m+12−(式中、AはLi、Na、K、Rb、Pb、Ca、Sr、Ba、Bi、La及びHfからなる群から選択される少なくとも1種、BはRu、Fe、Ti、Zr、Nb、Ta、V、W及びMoからなる群から選択される少なくとも1種、mは5以下の自然数である。)で表されるペロブスカイト及びビスマス層状構造酸化物を有する膜
(2)LanBaCu、TrmBaCan−1Cu2n+4又はTrmBaCan−1Cu2n+3(式中、LanはY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選択される少なくとも1種、TrmはBi、Tl及びHgからなる群から選択される少なくとも1種、nは5以下の自然数である。)で表される超伝導酸化物を有する膜
(3)A0.5BO(正方ブロンズ構造)又はA0.3BO(六方ブロンズ構造)(式中、AはLi、Na、K、Rb、Cs、Pb、Ca、Sr、Ba、Bi及びLaからなる群から選択される少なくとも1種、BはRu、Fe、Ti、Zr、Nb、Ta、V、W及びMoからなる群から選択される少なくとも1種である。)で表されるタングステンブロンズ構造酸化物を有する膜
(4)CaO、BaO、PbO、ZnO、MgO、B、Al、Y、La、Cr、Bi、Ga、ZrO、TiO、HfO、NbO、MoO、WO及びVからなる群から選択される少なくとも1種の材料を有する膜
(5)前記少なくとも1種の材料にSiOを含む材料を有する膜
(6)前記少なくとも1種の材料にSiO及びGeOを含む材料を有する膜
本実施形態によれば、結晶化したPZT膜15を加圧雰囲気で550℃以上900℃以下の温度で熱処理することで、PZT膜15に熱ポーリング処理を行うことができる。これにより、PZT膜15に圧電活性が与えられ、圧電特性を向上させることができる。以下に詳細に説明する。
ゾルゲル法により成膜し、結晶化したPZT膜15などの強誘電体膜は、成膜時の体積収縮により引張応力を有するため、強誘電体膜が動きにくい状態になっている。この強誘電体膜を熱ポーリング処理することで、引張応力が除去されるため、強誘電体膜が動きやすい状態になると考えられる。その結果、強誘電体膜に圧電活性が与えられ、マルチドメインの結晶構造とすることができる。
また、上記のようにPZT膜15などの強誘電体膜をマルチドメインの結晶構造とすることにより、d31を取り出す圧電素子として強誘電体膜を用いた場合の圧電特性を向上させることができる。なお、本明細書において「d31を取り出す圧電素子」とは、PZT膜15などの強誘電体膜において基板11の表面に対して垂直方向に電界をかけ、基板11の表面に対して平行方向に動かすような圧電素子をいう。
<熱ポーリング装置>
図2は、本発明の一態様に係る熱ポーリング装置を示す模式図である。図3は、図2に示すA−A'部の断面図である。図4は、図2に示すB−B'部の断面図である。この熱ポーリング装置によって上記の熱ポーリング処理が行われる。以下に詳細に説明する。
図2〜図4に示すように、熱ポーリング装置はチャンバー21を有しており、このチャンバー21の内部によって処理室25が形成されている。チャンバー21の内表面21aには表面処理が施されている。つまり、チャンバー21の内表面21aには反射膜が形成されている。この反射膜でランプ光を反射させることができる。その結果、昇温レートを上げることができる。また、チャンバー21は図示せぬ冷却機構によって水冷されるように構成されている。
チャンバー21内には結晶化したPZT膜15を有するSi基板11を載置するステージ(保持部)23が設けられている。ステージ23はランプ光が透過する材料、例えば石英で形成されている。ステージ23の上方には複数の透明管20が配置されており、これら透明管20はランプ光が透過する材料、例えば石英で形成されている。複数の透明管20それぞれの内部にはランプヒータ19が配置されている。
チャンバー21の上部内壁21bには溝18が形成されており、この溝18の内壁は、透明管20の外表面に沿った曲面を有している。これにより、透明管20を、その外表面が溝18の内壁の曲面に接触した状態で溝18内に配置することができる。ランプヒータ19のランプ光は、ステージ23に保持されたウェハ22に透明管20を通して照射されるようになっている。
図3及び図4に示すように、透明管20の一方端20aはチャンバー21の外側に位置する金属製の第1の筐体26aの内部に繋げられており、透明管20の他方端20bはチャンバー21の外側に位置する金属製の第2の筐体26bの内部に繋げられている。第1の筐体26aには排気ダクト(図示せず)が接続されている。
透明管20の両端20a,20bそれぞれとチャンバー21との間には白色のOリング28が配置されている。これらのOリング28は処理室25内の気密性を保持するものである。
ステージ23の下方に位置するチャンバー21の下部には窓が設けられており、この窓にはフッ化カルシウム8が配置されている。フッ化カルシウム8の下方には放射温度計9が配置されている。フッ化カルシウム8は、放射温度計9でSi基板11の温度を測定するために、測定する波長領域の光(波長5μmの赤外線)を取り込むために配置している。
チャンバー21内の処理室25は、ガス導入機構を有する加圧ライン(加圧機構)51に接続されている。加圧ライン51は、アルゴンガスによる加圧ライン、酸素ガスによる加圧ライン及び窒素ガスによる加圧ラインを有している。
また、チャンバー21内の処理室25は、ガス排気機構を有する圧力調整ライン52に接続されている。この圧力調整ライン52及び加圧ライン51によってチャンバー21内の処理室25を所定の圧力(例えば1.014MPa以下)に加圧できるようになっている。
また、熱ポーリング装置は、ガス導入機構を有する加圧ライン51及びランプヒータ19を制御する制御部(図示せず)を備えている。この制御部は、後述する熱ポーリング方法を実施するように加圧ライン51及びランプヒータ19を制御するものである。
<熱ポーリング方法>
上記熱ポーリング装置を用いた熱ポーリング方法について説明する。
チャンバーの処理室25内を加圧雰囲気とする。詳細には、例えば加圧ライン51の酸素ガス供給源から酸素ガスを処理室25内に導入する。これと共に、圧力調整ライン52の可変バルブを徐々に閉じていくことにより、処理室25内を酸素雰囲気としながら徐々に加圧する。そして、処理室25内は1.014MPa以下の所定の圧力まで加圧され、その圧力で維持される。次いで、ランプヒータ19から透明管20を通してランプ光をSi基板11上のPZT膜15に照射することにより、PZT膜15を400℃以上900℃以下の温度で所定時間熱処理する。このようにしてPZT膜15に熱ポーリング処理が行われ、PZT膜15に圧電活性を与えられる。
本実施形態によれば、乾式法によって簡易的にPZT膜15に熱ポーリング処理を行うことが可能となる。
また、図11に示す従来のポーリング装置は、バルク材にポーリング処理を行う装置であり、強誘電体膜のような薄膜からなる基材にポーリング処理を行うことは困難であるのに対し、本実施形態による熱ポーリング装置は、強誘電体膜のような薄膜からなる基材にポーリング処理を行うことが容易である。
また、本実施形態による熱ポーリング装置では、基板上に形成した強誘電体膜にポーリング処理を行う際にチップ状に個片化しなくてもポーリング処理を行うことができる。
また、本実施形態による熱ポーリング装置では、熱を用いてポーリング処理を行うため、従来のポーリング装置に比べてポーリング処理時間を短くすることができ、圧電体膜の生産性を向上させることができる。
また、本実施形態による熱ポーリング装置では、従来のポーリング装置のようにオイルを使用しないため、オイルが気化して作業者の作業環境を悪化させることがない。
<圧電特性の検査方法>
熱ポーリング処理を行う前の強誘電体膜と熱ポーリング処理を行った後の強誘電体膜とでは、XRD回折結果におけるピーク位置が異なるため、それらのピーク位置を比較することで、強誘電体膜の圧電特性を非破壊で検査することができる。以下に詳細に説明する。
結晶化したが熱ポーリング処理を行っていない第1の強誘電体膜と、結晶化した後に熱ポーリング処理を行った第2の強誘電体膜を準備する。次いで、第1の強誘電体膜及び第2の強誘電体膜それぞれのXRD回折結果におけるピーク位置を比較し、第2の強誘電体膜のピーク位置が、第1の強誘電体膜のピーク位置より低角側にシフトしているときは優れた圧電特性を有すると判定でき、第2の強誘電体膜のピーク位置が、第1の強誘電体膜のピーク位置より低角側にシフトしていないときは優れた圧電特性を有しないと判定できる。
なお、第1の強誘電体膜はシングルドメインの結晶構造を有しており、第2の強誘電体膜はマルチドメインの結晶構造を有している。
(100)の結晶面を有するSi基板(Siウェハ)の表面には自然酸化膜が付いている。このSi基板上にZrO膜とY膜とZrO膜とTiO膜を順に形成し、そのTiO膜上にPt膜を形成する。以下に各膜の成膜方法を詳細に説明する。
ZrOターゲットに電子ビームを約10分間照射し、続けてYターゲットに電子ビームを2分間照射し、続けてZrOターゲットに電子ビームを約10分間照射することで、自然酸化膜付きSi基板上にZrO膜とY膜とZrO膜を順に蒸着法によって成膜する。その際の条件は下記のとおりである。
成膜時の真空度: 2×10−4Pa
基板温度: 800℃
基板回転速度: 15rpm
出力: 60kW
次に、ZrO膜上にTiO膜を形成する。このTiO膜は、DCスパッタ法によりTi膜を形成し、その後、そのTi膜に酸素中で熱処理を施すことで形成される。詳細は以下のとおりである。
<Ti膜の成膜条件>
成膜装置: DCスパッタ装置
ターゲット・基板間距離: 50mm
基板温度: 200℃
成膜時のガス: Arガス100%の雰囲気
スパッタ圧力: 0.5Pa
DCパワー: 200W
成膜時間: 20秒(膜厚2nm)
<Ti膜の熱処理条件>
酸素圧力: 10気圧
基板温度: 400℃
処理時間: 1min
次に、TiO膜上にPt膜をDCスパッタ法により成膜する。この際の成膜条件は以下のとおりである。
成膜装置: DCスパッタ装置
ターゲット・基板間距離: 50mm
基板温度: 400℃
成膜時のガス: Arガス100%の雰囲気
スパッタ圧力: 1Pa
DCパワー: 400W
成膜時間: 240秒(膜厚150nm)
次に、Pt膜上にスパッタリングによりSrRuO膜を形成する。この際のスパッタ成膜条件は以下のとおりである。
成膜圧力 :4Pa
成膜基板温度:常温
成膜時のガス:Ar
Ar流量 :30sccm
RF出力 :300W(13.56MHz電源)
成膜時間 :6分(膜厚50nm)
ターゲット :SrRuO焼結体
この後、SrRuO膜を加圧酸素雰囲気でRTA(Rapid Thermal Anneal)により結晶化する。この際のRTAの条件は以下のとおりである。
アニール温度:600℃
導入ガス :酸素ガス
圧力 :9kg/cm2
昇温レート :100℃/sec
アニール時間:5分
SrRuO膜は、ストロンチウムとルテニウムの複合酸化物で、ペロブスカイト構造をとる化合物である。
次に、SrRuO膜上に以下のようにPZT膜を成膜する。
PZT膜形成用ゾルゲル溶液としては、ブタノールを溶媒とする鉛の不足がないストイキオメトリ組成の量添加された、濃度10重量%濃度のE1溶液を用いた。
このゾルゲル溶液に、ジメチルアミノエタノールというアミノ基を有するアルカリ性アルコールを、体積比で、E1ゾルゲル溶液:ジメチルアミノエタノール=7:3の割合で添加したところ、pH=12と強アルカリ性を示した。
上記、本溶液を用いて、PZTアモルファス膜のスピンコート形成を行った。スピンコーターはミカサ株式会社製MS-A200を用いて行った。先ず800rpmで5秒、1500rpmで10秒回転させた後、徐々に10秒で3000rpmまで回転を上昇させた後、150℃のホットプレート(アズワン株式会社製セラミックホットプレートAHS-300)上に5min、大気中で放置した後、300℃のホットプレート(同AHS-300)上で10min、同じく大気中で放置した後、室温まで冷却した。これを複数回繰り返すことで、所望の膜厚773nmのPZTアモルファス膜をSrRuO膜上に形成した。これを複数枚作製した。
次いで、上記のPZTアモルファス膜を、加圧酸素雰囲気で熱処理することにより、PZTアモルファス膜を結晶化したPZT膜をSrRuO膜上に作製した。
この後、結晶化したPZT膜上にスパッタリングによりSrRuO膜を上記のSrRuO膜と同様の方法で形成した。
このようにして作製されたサンプルウェハは、SrRuO/PZT/SrRuO/150nm-Pt/2nm-TiO/15nm-ZrO/3nm-Y/15nm-ZrO/Siウェハとなった。
次に、上記のサンプルウェハを2分割し、一方のサンプルウェハに熱ポーリング処理を行わず、他方のサンプルウェハに以下の3種類の条件で熱ポーリング処理を行った。
第1の条件は10気圧の酸素雰囲気、850℃の温度で1分間の処理時間である。
第2の条件は10気圧の酸素雰囲気、850℃の温度で2分間の処理時間である。
第3の条件は10気圧の酸素雰囲気、850℃の温度で3分間の処理時間である。
上記の第2の条件で熱ポーリング処理を行ったサンプルウェハ(PA85-2-HP10)のPZT膜のヒステリシス特性(図5(A)参照)及び上記の熱ポーリング処理を行わないサンプルウェハ(as)のPZT膜のヒステリシス特性(図5(C)参照)の評価を行った。なお、図5(A),(C)において、縦軸はPolarization(μC/cm)を示し、横軸は印加電圧(V)を示す。
図5(C),(D)に示すように、熱ポーリング処理を行わないサンプルウェハのPZT膜は、シングルドメインの結晶構造を有し、ヒステリシス曲線が十分に開いていないので圧電より電歪のほうが大きいという性質を有することが分かる。これに対し、図5(A),(B)に示すように、第2の条件で熱ポーリング処理を行ったサンプルウェハのPZT膜は、マルチドメインの結晶構造を有し、ヒステリシス曲線が大きく開いているため電歪より圧電のほうが大きいという性質を有することが分かる。これらのことから熱ポーリング処理を行うことにより圧電特性を高くできることが確認された。
なお、図5(A)に示す十分に開いていないヒステリシス曲線は、図5(C)に示すヒステリシス曲線を図5(A)に記載したものである。図5(C)に示すヒステリシス曲線と図5(A)に示すそれが異なる曲線に見えるのは、横軸の電圧を図5(C)では±50Vとし、図5(A)では±10Vとしているためである。
また、PZT膜をマルチドメイン化することで、PZT膜の表面に平行に見える複数の線が発生することも確認された(図5(B)参照)。
表1は、第2の条件で熱ポーリング処理(Post Anneal:850℃/10atm/2min)を行ったサンプルウェハのPZT膜、及び熱ポーリング処理を行わない(as)サンプルウェハのPZT膜それぞれのεr及びd31を3か所測定した結果を示すものである。表1は、3か所(Loc.01〜03)測定した平均値Ave.も示した。
εrとは、比誘電率(relative permittivity、 dielectric constant)とは媒質の誘電率と真空の誘電率の比 ε / ε0 = εrのことである。比誘電率は無次元量であり、用いる単位系によらず、一定の値をとる。
εrの測定方法は以下のとおりである。
真空(物質がない状態)の誘電率をε0(既知),ある物質の誘電率をεとし,比誘電率εr=ε/ε0を求める。比誘電率はコンデンサーの容量の比からを決定することができる。
例えば、充放電の電流の時間変化から計測するものである。しかし,微小な容量の変化を調べようとする場合は、LC 共振回路により,周波数変化を求める方法がある。二つの共振回路をつくり,それらの周波数の差を求めれば,電気容量の変化からなり小さな比誘電率の変化を求めることができる。以上は市販のLCRメーターやインピーダンスアナライザー等を用いて、測定を行う。
d31の測定方法は以下のとおりである。
圧電定数d31とは、振動方向が分極方向に対して直角であり単一振動であることを意味する。薄膜の圧電定数d31を測定する場合、圧電体薄膜を基板ごとカンチレバーと呼ばれる測定可能な形状に加工して測定する。例えば、圧電体薄膜を形成したSi基板を幅2mm,長さ15mm程の短冊状に加工し,この片側端部を固定し、圧電体薄膜の上下層に形成した電極薄膜に、正弦波電圧を印加した際の先端変位量をレーザードップラー振動計で変位量δを測定し、その数値を下記式に導入してd31値を求める。
表1に示すように、PZT膜に熱ポーリング処理を行うことで、PZT膜に圧電活性が与えられ、圧電特性を向上させることが確認できた。
図6及び図7はd33特性を比較したものである。なお、本明細書において「d33特性」とは、PZT膜において基板表面に対して垂直方向に電界をかけ、基板表面に対して垂直方向に動かすような圧電素子の特性を意味する。
図6は、熱ポーリング処理を行わないサンプルウェハのPZT膜のヒステリシス評価を行った結果(縦軸:残留分極Pr(μC/cm),横軸:印加電圧(V))及びPZT膜のピエゾ曲線を示す図である。図7は、第2の条件で熱ポーリング処理を行ったサンプルウェハのPZT膜のヒステリシス評価を行った結果(縦軸:残留分極Pr(μC/cm),横軸:印加電圧(V))及びPZT膜のピエゾ曲線を示す図である。
図6に示すように、熱ポーリング処理を行わないサンプルウェハのシングルドメインのPZT膜は、急激に立ち上がり巨大歪特性を有することが分かる。これに対し、図7に示す第2の条件で熱ポーリング処理を行ったサンプルウェハのマルチドメインのPZT膜は、印加電圧に対してフラットな圧電特性を有することが分かる。
図8は、上記の第2の条件で熱ポーリング処理を行ったサンプルウェハのXRDチャートとFIB断面像である。
図8によれば、熱ポーリング処理の前後のサンプルウェハにはXRDもFIBも変化がなかったが、数10倍で観測した金属顕微鏡写真では熱ポーリング処理の前後のサンプルウェハに変化が見られた。つまり、熱ポーリング処理前のサンプルウェハではシングルドメインが観察されたのに対し、熱ポーリング処理後のサンプルウェハではマルチドメインが観察された(図5(B),(D)参照)。
図9及び図10は、熱ポーリング処理を行わないサンプルウェハ(as)、第1の条件で熱ポーリング処理を行ったサンプルウェハ(PA85-1-HP10)、第3の条件で熱ポーリング処理を行ったサンプルウェハ(PA85-3-HP10)それぞれのPt(400)、PZT(400)及びPZT(004)のピークを示すXRD(X-Ray Diffraction)チャートである。図9及び図10それぞれにおいて、縦軸は強度であり、横軸は2θである。
図9及び図10に示す各々のサンプルウェハの(400)PZTのピーク位置を比較すると、サンプルウェハ(as)、サンプルウェハ(PA85-1-HP10)、サンプルウェハ(PA85-3-HP10)の順に2θが低角側にシフトしていることが分かる。そして、圧電特性は、サンプルウェハ(as)、サンプルウェハ(PA85-1-HP10)、サンプルウェハ(PA85-3-HP10)の順に高くなる。従って、θが低角側にシフトするほど圧電特性が高くなることが確認された。
上記のことは、PZT膜などの強誘電体膜の非破壊検査に利用することができる。つまり、熱ポーリング処理を行わないサンプルウェハ(as)及び熱ポーリング処理を行ったサンプルウェハそれぞれのXRD回折結果におけるピーク位置を比較し、熱ポーリング処理を行ったサンプルウェハのピーク位置が、熱ポーリング処理を行わないサンプルウェハ(as)のピーク位置より低角側にシフトしていれば、圧電特性が高くなっていると判定できる。
また、図9及び図10に示す各々のサンプルウェハの(400)Ptのピーク位置を比較すると、サンプルウェハ(as)、サンプルウェハ(PA85-1-HP10)、サンプルウェハ(PA85-3-HP10)の順に2θが高角側にシフトしていることが分かる。また、図10に示す各々のサンプルウェハの(004)PZTのピーク位置を比較すると、サンプルウェハ(as)、サンプルウェハ(PA85-1-HP10)、サンプルウェハ(PA85-3-HP10)の順に2θが高角側にシフトしていることが分かる。このように高角側にシフトするのは格子定数が小さくなることを意味する。Ptの格子定数が小さくなることは、熱ポーリング処理を行うことでPt膜の歪が除去され、Pt自身の格子状態を取り戻していることが考えられる。
8…フッ化カルシウム
9…放射温度計
11…Si基板
13…Pt膜
15…PZT膜
18…溝
19…ランプヒータ
20…透明管
20a…透明管の一方
20b…透明管の他方端
21…チャンバー
21a…チャンバーの内表面
21b…チャンバーの上部内壁
23…ステージ(保持部)
25…処理室
26a…第1の筐体
26b…第2の筐体
28…白色のOリング
33…結晶
35…1対の電極
36…オイル
37…オイルバス
38…ヒーター
39…高圧電源
40…リード線
51…加圧ライン(加圧機構)
52…圧力調整ライン

Claims (19)

  1. 強誘電体膜を加圧酸素雰囲気で400℃以上900℃以下の温度で熱処理することにより、前記強誘電体膜にポーリング処理を行うことを特徴とする熱ポーリング方法。
  2. 請求項1において、
    前記熱処理する前の強誘電体膜はシングルドメインの結晶構造を有しており、
    前記熱処理した後の強誘電体膜はマルチドメインの結晶構造を有していることを特徴とする熱ポーリング方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記加圧雰囲気は202650Pa以上であることを特徴とする熱ポーリング方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項において、
    前記熱処理の処理時間は10sec以上であることを特徴とする熱ポーリング方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項において、
    前記強誘電体膜は、ゾルゲル法により形成され、結晶化されたものであることを特徴とする熱ポーリング方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項において、
    前記強誘電体膜は、
    ABOあるいは(Bi2+(Am−13m+12−(式中、AはLi、Na、K、Rb、Pb、Ca、Sr、Ba、Bi、La及びHfからなる群から選択される少なくとも1種、BはRu、Fe、Ti、Zr、Nb、Ta、V、W及びMoからなる群から選択される少なくとも1種、mは5以下の自然数である。)で表されるペロブスカイトまたはビスマス層状構造酸化物を有する膜、
    LanBaCu、TrmBaCan−1Cu2n+4又はTrmBaCan−1Cu2n+3(式中、LanはY、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選択される少なくとも1種、TrmはBi、Tl及びHgからなる群から選択される少なくとも1種、nは5以下の自然数である。)で表される超伝導酸化物を有する膜、
    0.5BO(正方ブロンズ構造)又はA0.3BO(六方ブロンズ構造)(式中、AはLi、Na、K、Rb、Cs、Pb、Ca、Sr、Ba、Bi及びLaからなる群から選択される少なくとも1種、BはRu、Fe、Ti、Zr、Nb、Ta、V、W及びMoからなる群から選択される少なくとも1種である。)で表されるタングステンブロンズ構造酸化物を有する膜、
    CaO、BaO、PbO、ZnO、MgO、B、Al、Y、La、Cr、Bi、Ga、ZrO、TiO、HfO、NbO、MoO、WO及びVからなる群から選択される少なくとも1種の材料を有する膜、
    前記少なくとも1種の材料にSiOを含む材料を有する膜、または、
    前記少なくとも1種の材料にSiO及びGeOを含む材料を有する膜であることを特徴とする熱ポーリング方法。
  7. 請求項1乃至5のいずれか一項において、
    前記強誘電体膜はPZT膜であることを特徴とする熱ポーリング方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項において、
    前記強誘電体膜は基板上に形成されていることを特徴とする熱ポーリング方法。
  9. 請求項8において、
    前記強誘電体膜と前記基板との間には電極膜が形成されていることを特徴とする熱ポーリング方法。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の熱ポーリング方法によって前記強誘電体膜にポーリング処理が行われ、前記強誘電体膜に圧電活性が与えられたことを特徴とする圧電体膜。
  11. 基板上に強誘電体膜を形成し、
    前記強誘電体膜を加圧酸素雰囲気で400℃以上900℃以下の温度で熱処理することにより前記強誘電体膜にポーリング処理を行うことで、前記強誘電体膜に圧電活性を与えて圧電体膜を形成することを特徴とする圧電体膜の製造方法。
  12. 請求項11において、
    前記熱処理する前の強誘電体膜はシングルドメインの結晶構造を有しており、
    前記熱処理した後の強誘電体膜はマルチドメインの結晶構造を有していることを特徴とする圧電体膜の製造方法。
  13. 請求項11または12において、
    前記加圧雰囲気は202650Pa以上であることを特徴とする圧電体膜の製造方法。
  14. 請求項11乃至13のいずれか一項において、
    前記熱処理の処理時間は10sec以上であることを特徴とする圧電体膜の製造方法。
  15. 請求項11乃至14のいずれか一項において、
    前記基板上に形成した前記強誘電体膜は、ゾルゲル法により形成され、熱処理により結晶化されたものであることを特徴とする圧電体膜の製造方法。
  16. 請求項11乃至15のいずれか一項において、
    前記基板上に強誘電体膜を形成する前の基板は、前記基板上に電極膜が形成されていることを特徴とする圧電体膜の製造方法。
  17. 処理室と、
    前記処理室内に配置され、強誘電体膜を有する基板を保持する保持部と、
    前記処理室内に加圧された酸素ガスを導入するガス導入機構と、
    前記処理室内のガスを排気するガス排気機構と、
    前記強誘電体膜にランプ光を照射するランプヒータと、
    前記ガス導入機構及び前記ランプヒータを制御する制御部と、
    を具備し、
    前記制御部は、前記加圧された酸素ガスを前記処理室内に導入し、前記ランプヒータからランプ光を前記強誘電体膜に照射することで前記強誘電体膜を加圧雰囲気で400℃以上900℃以下の温度で熱処理することにより、前記強誘電体膜にポーリング処理を行うように制御することを特徴とする熱ポーリング装置。
  18. 第1の強誘電体膜及び第2の強誘電体膜それぞれのXRD回折結果におけるピーク位置を比較し、前記第2の強誘電体膜のピーク位置が、前記第1の強誘電体膜のピーク位置より低角側にシフトしているときは優れた圧電特性を有すると判定し、前記第2の強誘電体膜のピーク位置が、前記第1の強誘電体膜のピーク位置より低角側にシフトしていないときは優れた圧電特性を有しないと判定する圧電特性の検査方法であり、
    前記第1の強誘電体膜は、熱ポーリング処理が行われていないものであり、
    前記第2の強誘電体膜は、熱ポーリング処理が行われたものであることを特徴とする圧電特性の検査方法。
  19. 請求項18において、
    前記第1の強誘電体膜はシングルドメインの結晶構造を有しており、
    前記第2の強誘電体膜はマルチドメインの結晶構造を有していることを特徴とする圧電特性の検査方法。
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