JP2015127270A - セメント添加剤 - Google Patents

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健 枚田
大谷 真理
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周 齊藤
Shu Saito
周 齊藤
亜希 金谷
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亜希 金谷
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Abstract

【課題】セメントの水和初期にできる層状化合物やクレイ等の層状化合物の層間にセメント添加剤の一部が入り込むことを抑制することで、少量でも充分な減水性能を発揮し、高強度コンクリートの粘性低減にも優れたセメント添加剤を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表わされる(ポリ)アルキレングリコール鎖を有する繰り返し単位を有する重合体を含むセメント添加剤であって、該(ポリ)アルキレングリコール鎖末端の少なくとも1つに、金属、金属化合物及び金属イオンの少なくとも1つに対して吸着能を示す有機残基が結合し、該有機残基は、カルボニル基、水酸基、アミノ基、チオール基、リン酸基、亜リン酸基及びシラン基からなる群より選択される少なくとも2つの官能基を有し、且つ、ビニル系単量体由来の炭素−炭素結合を有しない基であり、分子量が700以下の基であるセメント添加剤。
Figure 2015127270

【選択図】なし

Description

本発明は、セメント添加剤に関する。より詳しくは、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物に用いるセメント添加剤に関する。
ポリ(メタ)アクリル酸等のポリカルボン酸の側鎖にポリアルキレングリコールを有するポリカルボン酸系減水剤(以下、ポリカル系減水剤という)は、その優れたセメント分散性能により、いまや高強度コンクリートや高耐久コンクリートには欠かせない添加剤である。ポリカル系減水剤は、ポジティブな電荷を持つセメント表面に、主鎖のポリカルボン酸で電気的に吸着し、側鎖のポリエチレングリコールによる立体反発でセメント粒子を分散させる。高強度コンクリートあるいは超高強度コンクリートでは、水セメント比が30%あるいは20%以下と極端に低いためにコンクリートの粘性がきわめて高くなる。それゆえ、スコップでの練り返しが重くてしづらくなり、ときには打説現場でのポンプ圧送もスムーズに行なえない事態となる。そのため、特許文献1ではコンクリートの粘性を下げるポリカル系減水剤が提案されているが、ときに添加量が多く、不経済になるという問題がある。
また、ポリカル系減水剤の問題点として、非特許文献1には、モンモリロナイト等のクレイが混入した骨材を用いた場合に、フロー値の低下が見られることが開示されている。それらの作用機構について、非特許文献2には、セメントの1成分である3CaO・Al(以下、CAともいう。)は水和初期に不安定な層状化合物である2CaO・Al・8HO(以下、C2AHともいう。)や4CaO・Al・13HO(以下、CAH13ともいう)を生成し、減水剤の一部はその層間にインターカレーションされてセメント粒子を分散する能力を失うことが開示されている。またセメント組成物に含まれるセメント粒子は、アルミン酸三カルシウム(CA:3CaO・Al)、鉄アルミン酸四カルシウム(CAF:4CaO・Al・Fe)、ケイ酸二カルシウム(CS:2CaO・SiO)及びケイ酸三カルシウム(CS:3CaO・SiO)等の金属化合物がモザイク状に集合したものであることが非特許文献4等により知られている。
一方、非特許文献3には、材料の細骨材や粗骨材からコンクリートにクレイが混入することがあり、その場合も層状化合物であるクレイの層間に減水剤がインターカレーションされるため、充分な減水性能を発揮させるためには、添加量が甚だしく多くなることが開示されている。
また、特許文献2には、少なくとも一つのホスホン酸アミノアルキレン基と少なくとも一つのポリオキシアルキレン鎖とからなる化合物のセメント流動化剤としての応用が開示されており、特許文献3には、ポリアルキレングリコールの1つの末端で官能基を有する少なくとも1つのポリアルキレングリコール構造単位を有する水溶性分散剤を含む硬化促進剤組成物が開示されており、特許文献4には、セメントに吸着する非ポリマー機能成分A、分散能を与える水溶性の非イオン性ポリマー成分C、および必要に応じてこれらを結合するために成分Aと成分Cの間に配置される非ポリマー成分Bからなるオリゴマー分散剤が開示されている。
特開2004−43280号公報 特表平8−505082号公報 特表2013−520390号公報 特表2003−504294号公報
A ジェクナヴォリアン(A. Jeknavorian)外3名「インタラクション オブ スーパープラスチサイザーズ ウィズ クレイ−ベアリング アグリゲーツ(Interaction of Superplasticizers with Clay−Bearing Aggregates)」、(独国)、ACI インターナショナル カンファレンス オン スーパープラスチサイザーズ アンド アザーケミカル アドミクスチャーズ イン コンクリート(ACI International Conference on Superplasticizersand Other Chemical Admixtures in Concrete)、2003年、p143−159 J プランク(J.Plank)外2名「マテリアルズ レターズ(Materials Letters)」、2006年、第60巻、p3614−3617 S ン(S. Ng)外1名「セメント アンド コンクリート リサーチ(Cement and Concrete Research)」、2012年、第42巻、p847−854 J プランク(J.Plank)外1名「セメント アンド コンクリート リサーチ(Cement and Concrete Research)」、2007年、第37巻、p537−542
上記のようにポリアルキレングリコール鎖を含有する化合物及び重合体として種々の構造のものが開示されているが、減水剤の添加量を多量にする原因となる、減水剤の構造の一部のセメントやクレイ等の層状化合物へのインターカレーションという課題は解決されていない。
また、従来のポリカル系減水剤は、高強度コンクリートの粘性が高く、作業性の面で改善の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、セメントの水和初期にできる層状化合物やクレイ等の層状化合物の層間にセメント添加剤の一部が入り込むことを抑制することで、少量でも充分な減水性能を発揮し、高強度コンクリートの粘性低減にも優れたセメント添加剤を提供することを目的とする。
本発明者は、セメント分散性(減水性)等に優れたセメント添加剤について種々検討し、不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体由来の繰り返し単位を有する重合体で、該(ポリ)アルキレングリコール鎖末端の少なくとも1つに、金属、金属化合物及び金属イオンの少なくとも1つに対して吸着能を示す特定の有機残基を有する重合体をセメント添加剤として用いることに想到した。このような重合体をセメント添加剤として用いると、(ポリ)アルキレングリコール鎖の末端の有機残基が、セメントの初期水和物やクレイ等の層状化合物の表面の金属原子や金属イオンに吸着し、これによって、(ポリ)アルキレングリコール鎖が立体障害又は(ポリ)アルキレングリコール鎖の運動の自由度低下により、セメントの初期水和物やクレイ等の層状化合物の層間に入り込むことが抑制される結果、(ポリ)アルキレングリコール鎖がセメント粒子を分散する能力を失うことが抑制され、少量でも充分な減水性能を発揮することを見出した。
更に本発明者は、このような重合体をセメント添加剤として用いると、分散したセメント粒子を適度に凝集させて、セメント粒子が緻密に沈降することを防ぐ故、粘性が高くなるのを防ぎ、少量のセメント添加剤の添加量で、低粘性で作業性の良いコンクリートが得られることも見出し、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表わされる(ポリ)アルキレングリコール鎖を有する繰り返し単位を有する重合体を含むセメント添加剤であって、上記(ポリ)アルキレングリコール鎖末端の少なくとも1つに、金属、金属化合物及び金属イオンの少なくとも1つに対して吸着能を示す有機残基が結合し、上記有機残基は、カルボニル基、水酸基、アミノ基、チオール基、リン酸基、亜リン酸基及びシラン基からなる群より選択される少なくとも2つの官能基を有し、且つ、ビニル系単量体由来の炭素−炭素結合を有しない基であり、分子量が700以下の基であるセメント添加剤である。
Figure 2015127270
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、メチル基、又は、−(CHy’(CO)z’−O−(AO)r’−R4’を表す。R及びR4’は、同一又は異なって、上記有機残基、水素原子、又は、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。(AO)は、オキシアルキレン基を表す。r、r’は、同一又は異なって、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜1000の数である。y、y’は、同一又は異なって、0〜2の整数を表し、z、z’は、同一又は異なって、0又は1を表す。)
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
≪セメント添加剤≫
本発明の重合体は、上記一般式(1)で表わされる不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体由来の繰り返し単位を有する重合体であり、該(ポリ)アルキレングリコール鎖末端の少なくとも1つに、有機残基を有するものである。
以下、本発明の重合体を有機残基含有重合体ともいう。
本発明の有機残基含有重合体は、上記一般式(1)で表わされる不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体由来の繰り返し単位及び(ポリ)アルキレングリコール鎖末端の少なくとも1つに有機残基を有するものであれば、その他の構造部位を含んでいてもよい。また、これらの構造部位を2つ以上含む場合、それらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記(ポリ)アルキレングリコール鎖の末端に結合した有機残基とは、(ポリ)アルキレングリコール鎖の末端に直接結合した有機残基を意味する。ここで、「(ポリ)アルキレングリコール鎖の末端」には、後述するような、末端が未変性の(ポリ)アルキレングリコール鎖の末端(末端が水酸基である形態)と、(ポリ)アルキレングリコール鎖の末端を変性させたものとが含まれる。(ポリ)アルキレングリコール鎖の末端に有機残基が結合した構造は、(ポリ)アルキレングリコール鎖の末端の水酸基又は(ポリ)アルキレングリコール鎖の末端に反応性の官能基を導入し、変性させた末端と、後述する有機残基を与える化合物とを反応させて形成することができる。上記反応性の官能基としては特に制限されないが、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基等が挙げられる。好ましくはエポキシ基である。
本発明の有機残基含有重合体は、上記一般式(1)で表わされる不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体由来の繰り返し単位を有する限り特に限定されず、例えば、不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体由来の繰り返し単位と、必要に応じて該不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体と共重合可能な1種又は2種以上のビニル系単量体由来の繰り返し単位とを有する重合体等、(ポリ)アルキレングリコールを必須成分として含む種々の重合体が挙げられる。
本発明の有機残基含有重合体は、構造中に(ポリ)アルキレングリコール鎖の少なくとも1つの末端に有機残基を有し、該有機残基は、カルボニル基、水酸基、アミノ基、チオール基、リン酸基、亜リン酸基及びシラン基からなる群より選択される少なくとも2つの官能基を有する。これらの官能基は、金属、金属化合物及び金属イオンの少なくとも1つに対して吸着することができる。本発明の有機残基含有重合体は、(ポリ)アルキレングリコール鎖末端の少なくとも1つに有機残基が有するカルボニル基、水酸基、アミノ基、チオール基、リン酸基、亜リン酸基及びシラン基からなる群より選択される少なくとも2つの官能基が、セメント組成物中の金属、金属化合物及び金属イオンに吸着する形態が好ましい。有機残基含有重合体が有する該有機残基がセメント組成物中の金属、金属化合物及び金属イオンに吸着することで、立体障害又は運動の自由度の低下が顕著になるため、(ポリ)アルキレングリコール鎖がセメントの初期水和物やクレイ等の層状化合物の層間に入り込むことが抑制される効果が充分に発揮される。
本発明の有機残基含有重合体は、(ポリ)アルキレングリコール鎖末端の有機残基を少なくとも2つ有する形態であることが好ましい。このように、有機残基含有重合体が、セメント組成物中の金属、金属化合物及び金属イオンに吸着しうる有機残基を構造中に2つ以上有すると、これらの有機残基が金属、金属化合物又は金属イオンに吸着することで、重合体の立体障害又は運動の自由度の低下がより顕著になり、(ポリ)アルキレングリコール鎖がセメントの初期水和物やクレイ等の層状化合物の層間に入り込むことがより充分に抑制されることになる。
本発明の有機残基含有重合体が構造中に有機残基を少なくとも2つ有する形態である場合、上記少なくとも2つの有機残基が、同一の金属粒子、同一の金属化合物粒子又は同一の金属イオンに吸着する形態と、同一の金属粒子、同一の金属化合物粒子又は同一の金属イオンには吸着せず、別々の粒子に吸着する形態とがある。
ここで、同一の粒子とは、セメント組成物中に含まれる同一の塊の粒子を意味し、当該同一の塊は単一の成分によって形成されているものであっても、複数の成分を含んでいてもよい。すなわち、上記有機残基含有重合体が有する少なくとも2つの有機残基が同一の金属粒子に吸着する形態とは、単一又は複数の金属によって構成される1つの金属の塊があり、有機残基含有重合体が有する少なくとも2つの有機残基の両方が、当該1つの塊に吸着している形態を意味し、有機残基含有重合体が有する少なくとも2つの有機残基の両方が同じ種類の金属に吸着していることを意味するものではない。
上記有機残基含有重合体が有する少なくとも2つの有機残基が同一の金属化合物粒子に吸着する形態についても同様である。
上記セメント組成物に含まれるセメント粒子は、アルミン酸三カルシウム(CA:3CaO・Al)、鉄アルミン酸四カルシウム(CAF:4CaO・Al・Fe)、ケイ酸二カルシウム(CS:2CaO・SiO)及びケイ酸三カルシウム(CS:3CaO・SiO)等の金属化合物がモザイク状に集合したものであることが非特許文献4等により知られている。したがって、上記有機残基含有重合体が有する少なくとも2つの有機残基が、このような1つのセメント粒子に吸着する場合には、セメント粒子のモザイクを構成する金属化合物のうちの少なくとも2つに吸着することになる。
上記有機残基含有重合体が有する少なくとも2つの有機残基が、同一の金属粒子、同一の金属化合物粒子又は同一の金属イオンには吸着せず、別々の粒子に吸着する場合には、有機残基含有重合体が有する少なくとも2つの有機残基に吸着する金属粒子、金属化合物粒子又は金属イオンによる立体障害又は(ポリ)アルキレングリコール鎖の運動の自由度低下により、セメントやクレイ等の層状化合物の層間に入り込むことが抑制されると考えられる。
一方、有機残基含有重合体が有する少なくとも2つの有機残基が、同一の金属粒子、同一の金属化合物粒子又は同一の金属イオンに吸着する場合には、有機残基含有重合体が有する少なくとも2つの有機残基が、1つの粒子又はイオンに固定され、(ポリ)アルキレングリコール鎖及び/又は(ポリ)アルキレングリコール鎖以外の重合鎖(以下、(ポリ)アルキレングリコール鎖等ともいう。)がループ構造を形成し、ループ構造をとる(ポリ)アルキレングリコール鎖等の立体障害により、(ポリ)アルキレングリコール鎖等が、セメントの初期水和物やクレイ等の層状化合物の層間に入り込むことがより抑制されると考えられる。
上記ループ構造とは、有機残基含有重合体が有する少なくとも2つの有機残基が同一の粒子に吸着することにより、2つの末端の間をつなぐ(ポリ)アルキレングリコール鎖等が輪になっている構造をいう。
上記金属化合物の中には、多層構造をとる層状化合物のものがあり、上記有機残基含有重合体の少なくとも2つの有機残基が、層状の金属化合物の同一の粒子に吸着する場合には、有機残基含有重合体の少なくとも2つの有機残基は、金属化合物粒子の同一の層上に吸着する場合と、異なる2層を跨ぐように吸着する場合とがある。いずれの場合であっても、金属化合物粒子の表面に、有機残基含有重合体が有する(ポリ)アルキレングリコール鎖等が、ループ構造を形成するため、(ポリ)アルキレングリコール鎖等が、運動の自由度低下によりセメントの初期水和物やクレイ等の層状化合物の層間に入り込むことがより抑制されると考えられる。
本発明の有機残基含有重合体は、(ポリ)アルキレングリコール鎖末端の有機残基以外にカルボキシル基を有していてもよい。このようなカルボキシル基も、セメント組成物中の金属、金属化合物及び金属イオンに吸着する機能を発揮する。このように、(ポリ)アルキレングリコール鎖末端の有機残基とともに、該有機残基以外のカルボキシル基を有することも、本発明の有機残基含有重合体の好適な形態である。
この場合も、本発明の有機残基含有重合体がセメント組成物中の金属、金属化合物及び金属イオンに吸着しうる部位を構造中に2つ以上有することになり、上述の有機残基含有重合体が(ポリ)アルキレングリコール鎖末端の有機残基を少なくとも2つ有する形態と同様の効果が発揮される。
上記(ポリ)アルキレングリコール鎖の少なくとも1つの末端に有する有機残基は、金属、金属化合物及び金属イオンの少なくとも1つに対して吸着能を示す有機残基である。
上記有機残基は、カルボニル基、水酸基、アミノ基、チオール基、リン酸基、亜リン酸基及びシラン基からなる群より選択される少なくとも2つの官能基を有し、且つ、ビニル系単量体由来の炭素−炭素結合を有しない基である。
上記官能基は、孤立電子対を有する電子供与性基を有し、金属、金属化合物及び金属イオンの少なくとも1つと配位結合を形成することにより金属、金属化合物及び金属イオンの少なくとも1つに対して吸着することができる。
一つの有機残基に複数の電子供与性基を有する場合、有機残基は、複数の配位座によって、金属、金属化合物及び金属イオンの少なくとも1つと配位結合することができる。すなわち、上記有機残基は、キレート効果により、より強く金属、金属化合物及び金属イオンの少なくとも1つと結合することができるため、セメント添加剤のセメント分散性能低下抑制効果及びコンクリート粘性の低減効果により優れたものとなる。
本発明の有機残基含有重合体が有する有機残基は、上記官能基の中でも、カルボニル基、水酸基、アミノ基、リン酸基又はシラン基のいずれかを有することが好ましい。より好ましくは、カルボニル基、水酸基、アミノ基又はリン酸基のいずれかを有することである。
上記カルボニル基を有する有機残基は、カルボニル基を有する限り特に制限されず、カルボキシル基、アルデヒド基、エステル基、アミド基等のカルボニル基を構造中に含む官能基を有する有機残基も含まれる。カルボニル基を有する官能基として好ましくは、カルボキシル基又はアミド基である。
上記有機残基は、金属、金属化合物及び金属イオンの少なくとも1つに対して吸着能を示す限り制限されないが、アミノカルボン酸類、ヒドロキシアミン類、ピロリドン類、フェノール類、ポリオール類、又はポリカルボン酸類由来の構造を有することが好ましい。また、上記フェノール類としては、カテコール類由来の構造を有するものがより好ましい。有機残基としてより好ましくは、アミノカルボン酸類、ヒドロキシアミン類又はピロリドン類由来の構造を有することである。アミノカルボン酸類、ヒドロキシアミン類又はピロリドン類由来の残基の中でも、アスパラギン酸、イミノ二酢酸、ジエタノールアミン、ヒドロキシエチルピロリドンを(ポリ)アルキレングリコール鎖末端に結合させて形成する残基がさらに好ましく、特に好ましくは、イミノ二酢酸、ジエタノールアミン又はヒドロキシエチルピロリドンである。
上記有機残基が、金属、金属化合物及び金属イオンの少なくとも1つに対して吸着能を示すことは、以下の方法により確認することができる。
本発明の有機残基含有重合体と、金属、金属化合物又は金属イオンとを溶液中で分散させた後、ろ過を行うことにより、金属等と吸着した有機残基含有重合体は、ろ別される。したがって、ろ液中の全有機炭素量の定量分析やろ液中の重合体の定量分析などを行い、ろ液に含まれる金属等と吸着していない有機残基含有重合体を定量することにより、全有機残基含有重合体に対する金属等と吸着した有機残基含有重合体の割合を求めることができ、上記吸着能を確認することができる。
上記有機残基1つ当たりの官能基の数は、2〜12であることが好ましい。有機残基が有する官能基の数が2〜12であれば、有機残基と金属、金属化合物及び金属イオンの少なくとも1つとがより強く結合することができる。更に好ましくは、3〜12である。
上記有機残基は、分子量が700以下の基である。有機残基の分子量が700以下であればセメント添加剤の使用量が少量であっても、セメント分散性能の低下抑制、コンクリート粘性の低減効果等の本願の効果を効率的に発揮させることができる。有機残基の分子量は、好ましくは500以下、より好ましくは300以下、更に好ましくは200以下の範囲である。また、有機残基の分子量は、好ましくは、40以上、より好ましくは60以上、更に好ましくは80以上、特に好ましくは100以上である。
上記(ポリ)アルキレングリコール鎖の少なくとも1つの末端に有機残基を導入する方法としては、(ポリ)アルキレングリコール鎖の少なくとも1つの末端に、以下に詳述する有機残基を与える化合物を結合させる方法が好ましい。
上記有機残基とは、有機残基を与える化合物を(ポリ)アルキレングリコール鎖の末端に結合させることにより形成される残基であり、上記有機残基を与える化合物は、ビニル系単量体でない限り特に制限されないが、具体的には以下の化合物が挙げられる。
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリアミノトリエチルアミン、トリエチレンテトラミン、N,N,N,N−テトラキス(2−ピリジルメチル)エチレンジアミン等のアミン類;エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、テトラエチレンペンタミンヘプタ酢酸、グリコールエーテルジアミンテトラ酢酸、ニトリロトリ酢酸、ニトリロトリプロピオン酸、エチレンジアミン−N−モノ酢酸、エチレンジアミン−N,N−二酢酸、エチレンジアミン−N,N−ジプロピオン酸、N−(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン−N,N’,N’−トリ酢酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシベンジル)−エチレンジアミン−N,N−二酢酸、エチレンジアミン−N,N,N,N−テトラプロピオン酸、o,o’−ビス(2−アミノフェニル)エチレングリコール−N,N,N’,N’−テトラ酢酸、o,o−ビス(2−アミノエチル)エチレングリコール−N,N,N’,N’−テトラ酢酸、グリシン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、trans−1,2−シクロヘキサンジアミン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N’’,N’’−ペンタ酢酸、1,6−ヘキサメチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸、イミノ二酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸、1,2‐ジアミノプロパン−N,N,N’,N−テトラ酢酸、トリエチレンテトラミン−N,N,N,N’’,N’’’,N’’’−ヘキサ酢酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、アミノコハク酸等のアミノカルボン酸類;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のヒドロキシアミン類;
酒石酸、クエン酸、2,5−ジヒドロキシ−テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、5−ヒドロキシ−シクロヘキサン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、6−ヒドロキシ−テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、1,4−ジヒドロキシ−ブタン−1,1’,4,4’−テトラカルボン酸、1,3−ジヒドロキシ−プロパン−1,1’,3,3’−テトラカルボン酸、2−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン−1,1’,3,3’−テトラカルボン酸等のヒドロキシカルボン酸類;ビシン等のヒドロキシアミノカルボン酸類;シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、3−ブテン−1,2,3−トリカルボン酸、ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸、1,2,3,4,5,6−シクロヘキサンヘキサカルボン酸等のポリカルボン酸類;グルコン酸、グルコサミン酸、グルコへプトン酸ラクトン、グルコン酸ラクトン等のポリオール類;タイロン、サリチル酸、スルホサリチル酸、ピロガロールカルボン酸、アリザリンS、アリザリンコンプレクソン、こうじ酸、3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン、3−ヒドロキシチラミン、DL−アドレナリン等のフェノール類;ヒスチジン等のイミダゾール類;N−ヒドロキシエチルピロリドン等のピロリドン類;エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラキス(メチレンホスホン酸)、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)等のアミノリン酸類;ホスフェート類;ホスファイト類;ホスホネート類;ホスフィネート類;2,3−ジメルカプトプロパノール、ユニチオール、チオグリコール酸、β−メルカプトプロピオン酸、ジメルカプトこはく酸、アミノエチルメルカプタン、チオシュウ酸、システアミン等のチオール類;ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、チオ尿素、チオカルバジド、チオセミカルバジド等のイオウ類;モノアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、アシルオキシシラン、トリアシルオキシシラン等のシラン類;o−フェナントロリン;アセチルアセトン;エリオクローム・ブラックT、1−(2−ヒドロキシ−4−スルホ−1−ナフチルアゾ)−2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、ヒドロキシナフトールブルー、カルコン、エリオクローム・ブルー・ブラックB、エリオクローム・ブルーSE、エリオクローム・レッドB等のo,o’−ジヒドロキシアゾ類;1−ピリジルアゾ−2−ナフトール、4−(2−ピリジルアゾ)−レゾルシン、2−(2−ピリジルアゾ)−p−クレゾール、1−(2−チアゾリルアゾ)−2−ナフトール、4−(2−チアゾリルアゾ)−レゾルシン、2−(2−チアゾリルアゾ)−p−クレゾール、トリン、ネオトリン、3−(4−スルホフェニルアゾ)−4,5−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸ナトリウム塩、ナフチルアゾキシン等のヒドロキシアゾ類;
クレゾールフタレインコンプレクソン、チモールフタレインコンプレクソン、キシレノールオレンジ、メチルチモールブルー、ピロカテコールバイオレット、ピロガロールレッド、ブロムピロガロールレッド、クロマズロールS、エリオクロームシアニンR、グリシンチモールブルー、グリシンクレゾールレッド等のフタレイン、スルホフタレインおよびトリフェニルメタン類;ムレキシド;ジンコン;チオ尿素;ジチゾン;グリオキサル・ビス(2−ヒドロキシアニル);N−ベンゾイル−N−フェニルヒドロキシルアミン;ガロシアニン;ヘマトキシリン;フェロン;カルセイン、カルセインブルー、フルオキシン、アニシジンブルー、スチルベンフルオブルーS、モリン等の蛍光金属指示薬;バリアミンブルーB塩基、ビンドシェドラースグリーン・ロイコ塩基、3,3’−ジメチルナフチジン、カコテリン、ジフェニルカルバジド、ジフェニルカルバゾン等の酸化還元指示薬等。
(ポリ)アルキレングリコールの末端に上記有機残基を導入するにあたっては、上記化合物を1種又は2種以上を用いることができる。
上記(ポリ)アルキレングリコール鎖の末端に有機残基を与える化合物を結合させる方法は、特に制限されず、通常用いられる方法をとることができる。例えば、上記有機残基を与える化合物がカルボキシル基を有する場合(例えば、アミノカルボン酸類、ヒドロキシカルボン酸類、ポリカルボン酸類)は、(ポリ)アルキレングリコール末端の水酸基とのエステル化反応により有機残基を導入することができる。
また、(ポリ)アルキレングリコール鎖の末端にアミノ基、カルボキシル基、エポキシ基等の反応性の官能基を導入した変性(ポリ)アルキレングリコールと、有機残基を与える化合物又はその誘導体のカルボキシル基、水酸基、アミノ基等とをアミド結合、エステル結合、共有結合等させることにより、有機残基を導入することができる。これらについては、例えばグリシジルポリアルキレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル等のエポキシ基含有不飽和単量体とアスパラギン酸、イミノ二酢酸、ジエタノールアミン、3−ヒドロキシチラミン等のアミノ基とを反応させてこれらを結合させることが挙げられる。ヒドロキシエチルピロリドンでは、その水酸基にアルキレングリコールを付加した後、(メタ)アクリル酸等とエステル化反応を行ない、あるいは末端水酸基の脱水反応によって不飽和基を導入し、後述する不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体を得ることができる。
上記(ポリ)アルキレングリコール鎖末端にホスホネート基を有する化合物を反応させてホスホネート基を導入することも有用である。この場合、不飽和(ポリ)アルキレングリコールの末端にホスホネート基を導入することが好ましく、例えば、アミノポリアルキレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、ホルムアルデヒド、亜リン酸のマンニッヒ反応により得られる。
上記(ポリ)アルキレングリコール鎖末端にシラン基を有する化合物を反応させてシラン基を導入する場合、シラン基を有する化合物の中では、炭素数1〜10のアルコキシシランが好ましく、トリアルコキシシランがより好ましい。中でも、−Si(OMe)及び/又は−Si(OCHCHを有する化合物が特に好ましい。このような化合物の合成例としては、例えば、3−(トリアルコキシシリル)プロピルイソシアネートと、不飽和(ポリ)アルキレングリコール又は不飽和(ポリ)アルキレングリコールジアミンとの反応を挙げることができる。イソシアネート基とアミン又はヒドロキシ基との反応では、それぞれ尿素又はウレタン結合が形成される。
本発明の有機残基含有重合体中の(ポリ)アルキレングリコール鎖の有機残基による変性率は、(ポリ)アルキレングリコール鎖の有する全末端の数100%に対して、20%以上が好ましく、より好ましくは40%以上、更に好ましくは60%以上、特に好ましくは80%以上、最も好ましくは100%である。本発明の(ポリ)アルキレングリコール鎖の有機残基による変性率が20%以上であれば、より少ないセメント添加剤の添加量でセメント又はクレイを分散させることができ、よりコンクリート粘性の低減効果も発揮することができる。
上記不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体としては、下記式(2);
Figure 2015127270
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、メチル基、又は、−(CHy’(CO)z’−O−(AO)r’−R4’を表す。R及びR4’は、同一又は異なって、上記有機残基、水素原子、又は、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。(AO)は、オキシアルキレン基を表す。r、r’は、同一又は異なって、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜1000の数である。y、y’は、同一又は異なって、0〜2の整数を表し、z、z’は、同一又は異なって、0又は1を表す。)で表される化合物が好適である。
上記式(2)において、R、R4’で表される末端基のうち、炭素数1〜20の炭化水素基としては、炭素数1〜20の脂肪族アルキル基、炭素数3〜20の脂環式アルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基等が挙げられる。
上記R、R4’で表される有機残基以外の末端基は、セメント粒子の分散性の観点から親水性基であることが好適であり、具体的には、水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基が好ましい。より好ましくは、水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり、更に好ましくは、水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基であり、特に好ましくは、水素原子又はメチル基である。
上記式(2)において、(AO)で表されるオキシアルキレン基の好ましい構造は、後述する、(ポリ)アルキレングリコール鎖の好ましい構造と同様である。
不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体の具体例としては、例えば、不飽和アルコール(ポリ)アルキレングリコール付加物、(ポリ)アルキレングリコールエステル系単量体が挙げられ、これらのいずれも不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体として好ましい。すなわち、不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体が不飽和アルコール(ポリ)アルキレングリコール付加物であること、及び、不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体が(ポリ)アルキレングリコールエステル系単量体であることは、いずれも本発明の好適な実施形態の1つである。
上記不飽和アルコール(ポリ)アルキレングリコール付加物としては、不飽和基を有するアルコールに(ポリ)アルキレングリコール鎖が付加した構造を有する化合物であればよい。
上記(ポリ)アルキレングリコールエステル系単量体としては、不飽和基と(ポリ)アルキレングリコール鎖とがエステル結合を介して結合された構造を有する単量体であればよく、不飽和カルボン酸(ポリ)アルキレングリコールエステル系化合物が好適であり、中でも、(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートが好ましい。すなわち、不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体が(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートであることは、本発明の好適な実施形態の1つである。
不飽和カルボン酸(ポリ)アルキレングリコールエステル系化合物としてより好ましくは、(アルコキシ)(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートである。
上記不飽和アルコール(ポリ)アルキレングリコール付加物としては、例えば、ビニルアルコール(ポリ)アルキレンオキシド付加物、(メタ)アリルアルコール(ポリ)アルキレンオキシド付加物、3−ブテン−1−オール(ポリ)アルキレンオキシド付加物、3−メチル−3−ブテン−1−オール(ポリ)アルキレンオキシド付加物、3−メチル−2−ブテン−1−オール(ポリ)アルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−2−オール(ポリ)アルキレンオキシド付加物、2−メチル−2−ブテン−1−オール(ポリ)アルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−1−オール(ポリ)アルキレンオキシド付加物が好適である。また、不飽和アルコールに(ポリ)アルキレンオキシドを付加した末端に、アルキル基を付加してもよい。これらの中でも、アルキレンオキシド部分がエチレンオキシドとなっている形態が好ましい。
上記不飽和アルコール(ポリ)アルキレングリコール付加物として具体的には、例えば、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−プロペニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(3−メチル−2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−3−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(1,1−ジメチル−2−プロペニル)エーテル、ポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、エトキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、1−プロポキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、シクロヘキシルオキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、フェノキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、メトキシポリエチレングリコールモノアリルエーテル、エトキシポリエチレングリコールモノアリルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールモノアリルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−プロペニル)エーテル、エトキシポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−プロペニル)エーテル、フェノキシポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−プロペニル)エーテル等が好適である。
上記(アルコキシ)(ポリ)アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、アルコール類に炭素数2〜18のアルキレンオキシド基を1〜1000モル付加したアルコキシ(ポリ)アルキレングリコール類、特にエチレンオキシドが主体であるアルコキシ(ポリ)アルキレングリコール類と、(メタ)アクリル酸とのエステル化物が好適である。
上記アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ノニルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素数1〜30の脂肪族アルコール類;シクロヘキサノール等の炭素数3〜30の脂環族アルコール類;(メタ)アリルアルコール、3−ブテン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等の炭素数3〜30の不飽和アルコール類等が挙げられる。
上記エステル化物として具体的には、以下に示す(アルコキシ)ポリエチレングリコール(ポリ)(炭素数2〜4のアルキレングリコール)(メタ)アクリル酸エステル類等が好適である。
メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、エトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、プロポキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート。
上記式(1)又は(2)で表される構造のオキシアルキレン基の末端を有機残基に変える方法は、後述する(ポリ)アルキレングリコール鎖の末端に有機残基を導入する方法と同様の方法を用いることができる。
本発明の有機残基含有重合体が有する(ポリ)アルキレングリコール鎖の構造は、直鎖状でも分岐していてもよい。また、2種以上の(ポリ)アルキレンオキシドを有するものであってもよい。
上記(ポリ)アルキレングリコール鎖は、炭素数2〜18のオキシアルキレン基から構成される高分子鎖((ポリ)アルキレンオキシド)であることが好ましい。オキシアルキレン基の炭素数は、より好ましくは、2〜8の範囲であり、更に好ましくは、2〜4の範囲である。
上記(ポリ)アルキレングリコール鎖は、親水性と疎水性のバランスの観点からは、オキシアルキレン基中にオキシエチレン基を必須成分として含むことが好ましい。全アルキレンオキシド100モル%中のオキシエチレン基は、より好ましくは、60モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上である。
上記オキシアルキレン基の平均付加モル数は、1〜1000の範囲であることが好ましく、より好ましくは3以上、更に好ましくは5以上、特に好ましくは10以上であり、より好ましくは800以下、更に好ましくは600以下、特に好ましくは400以下である。
上記(ポリ)アルキレングリコール鎖が分岐している場合には、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリグリセリン、ポリグリシドール等の多価アルコールにアルキレンオキシドを逐次付加反応させる方法で分岐状ポリアルキレングリコールを合成することができる。
上記(ポリ)アルキレングリコール鎖が2種以上のアルキレンオキシドにより構成される場合は、2種以上のアルキレンオキシドがランダム付加、ブロック付加、交互付加等のいずれの形態で付加したものであってもよい。
上記(ポリ)アルキレングリコール鎖は、重量平均分子量が100〜50000であることが好ましい。より好ましくは重量平均分子量が100〜40000、更に好ましくは100〜30000、特に好ましくは100〜20000、一層好ましくは200〜20000、最も好ましくは400〜20000である。
重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の有機残基含有重合体は、不飽和カルボン酸系単量体由来の繰り返し単位を有することが好ましい。
上記不飽和カルボン酸系単量体単位(以下、単量体(a)ともいう。)は、単量体(a)に由来するのと同じ構造の構成単位となるのであれば、他の単量体に由来する構成単位を変性したものであってもよい。
単量体(a)としては、下記式(3):
Figure 2015127270
(式中、R、R、Rは、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、−(CHp1COOM(−(CHp1COOMは、COOMまたはその他の−(CHp1COOMと無水物を形成していてもよい)、−(CHp2(CO)q1−O−R、−(CHp3(CO)q2−O−(AO)s1、−(CHp4CONR1011、−(CHp5CON−[(AO)s112][(AO)s213]を表す。p1、p2、p3、p4、p5は、同一又は異なって0〜2の整数を表し、q1、q2は、同一又は異なって0又は1を表す。M及びMは、同一又は異なって、水素原子、一価金属、二価金属、三価金属、第4級アンモニウム基、又は、有機アミン基を表す。R、R10、R11は、同一又は異なって、水素原子、又は、炭素数1〜30の炭化水素基を表す。R、R12、R13は、同一又は異なって、上記有機残基、水素原子、又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。(AO)はオキシアルキレン基を表す。s1、s2は、同一又は異なって、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、0〜1000の数であり、且つs1とs2の合計は1〜2000である。)で示される化合物が好適である。
すなわち、単量体(a)は、C=C二重結合に結合した少なくとも一つのカルボキシル基又はその塩(−COOM)を有する不飽和カルボン酸系単量体である。
なお、上記単量体(a)由来の繰り返し単位とは、重合反応によって単量体(a)の重合性二重結合が開いた構造(二重結合(C=C)が、単結合(−C−C−)となった構造)に相当する。
上記一般式(3)において、M及びMで表される基としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子等の一価金属原子;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子等の二価金属原子;アルミニウム、鉄等の三価金属原子が挙げられる。また、有機アミン基としては、例えば、エタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基や、トリエチルアミン基等が挙げられる。
上記一般式(3)において、R、R、Rで表される基としては、例えば、水素原子、メチル基、カルボキシル基と炭素数1〜30のアルコールとがエステル結合により結合した基、カルボキシル基と炭素数1〜30のアミンとがアミド結合により結合した基、等が挙げられる。
上記一般式(3)で示される不飽和カルボン酸系単量体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸系単量体;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸等のジカルボン酸系単量体、これらのジカルボン酸無水物及びこれらの塩(例えば、一価金属、二価金属、三価金属、第4級アンモニウムまたは有機アミンの塩);上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのハーフエステル;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのハーフアミド;炭素原子数2〜18のアルキレンオキシドが1〜1000モル付加した(アルキル)(ポリ)アルキレングリコール或いは(アルキル)(ポリ)アルキレングリコールアミンと上記不飽和ジカルボン酸類とのハーフエステル、ハーフアミド;アリルマレート、アリルイタコネート、アリルシトラコネート等が挙げられる。
中でも、重合性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸及びこれらの塩が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの塩が特に好ましい。
また、これらの単量体は2種以上併用してもよい。
本発明の有機残基含有重合体は、その他のビニル系単量体(B)由来の繰り返し単位を有していてもよく、ビニル系単量体(B)は、不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体又は不飽和カルボン酸系単量体と共重合可能であって、C=C二重結合にカルボキシル基及びその塩の基のいずれも結合せず、末端に有機残基を有する(ポリ)アルキレングリコール鎖を有していない単量体である。ビニル系単量体(B)としては、例えば、以下の化合物が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのジエステル類;上記不飽和ジカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのジアミド類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルクロトネート、エチルクロトネート、プロピルクロトネート等の不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアルコールとのエステル類
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類
トリエチレングリコールジマレート、ポリエチレングリコールジマレート等の(ポリ)アルキレングリコールジマレート類;ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、並びにそれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩;メチル(メタ)アクリルアミドのように不飽和モノカルボン酸類と炭素原子数1〜30のアミンとのアミド類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン等のビニル芳香族類;1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート等のアルカンジオールモノ(メタ)アクリレート類;ブタジエン、イソプレン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエン等のジエン類;(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル等の不飽和シアン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の不飽和エステル類;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸ジブチルアミノエチル、ビニルピリジン等の不飽和アミン類;ジビニルベンゼン等のジビニル芳香族類
トリアリルシアヌレート等のシアヌレート類;(メタ)アリルアルコール、グリシジル(メタ)アリルエーテル等のアリル類;ポリジメチルシロキサンプロピルアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサンアミノプロピレンアミノマレインアミド酸、ポリジメチルシロキサン−ビス−(プロピルアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(ジプロピレンアミノマレインアミド酸)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−(1−プロピル−3−メタクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−アクリレート)、ポリジメチルシロキサン−ビス−(1−プロピル−3−メタクリレート)等のシロキサン誘導体;等を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、(ポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、多官能(メタ)アクリレート類、(ポリ)アルキレングリコールジマレート類を用いることが好ましい。なお、これらの単量体由来の繰り返し単位とは、重合反応によって単量体の重合性二重結合が開いた構造(二重結合(C=C)が、単結合(−C−C−)となった構造)に相当する。
本発明の有機残基含有重合体の全単量体成分100質量%に対して、不飽和カルボン酸系単量体由来の繰り返し単位の割合は、0〜90質量%であることが好ましい。より好ましくは、1〜80質量%である。
また、上述した不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体由来の繰り返し単位の含有割合は、全単量体成分100質量%に対して、10〜100質量%であることが好ましい。より好ましくは、20〜99質量%である。
またその他のビニル系単量体(B)由来の繰り返し単位の含有割合は、全単量体成分100質量%に対して、0〜50質量%であることが好ましい。より好ましくは、0〜40質量%である。
このような割合で各単量体由来の繰り返し単位を含むことで、得られる有機残基含有重合体が、セメント添加剤のセメント分散性能低下抑制効果及びコンクリート粘性の低減効果により優れたものとなる。
本発明の有機残基含有重合体は、重量平均分子量が100〜1000000であることが好ましい。より好ましくは、500〜500000であり、更に好ましくは、1000〜500000であり、特に好ましくは5000〜300000である。
重量平均分子量は、実施例に記載の方法により測定することができる。
上記有機残基含有重合体が有する有機残基又はカルボキシル基が吸着する金属は、特に制限されないが、例えば、典型元素及び周期律表の8族、9族、10族、11族の遷移元素に分類される金属が挙げられる。好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び周期律表の8族、10族、11族、12族、13族、14族の金属元素等が挙げられ、より好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム及び鉄等の卑金属である。
上記有機残基又はカルボキシル基が吸着する金属化合物は、特に制限されないが、例えば、CaCO、SiO,Al,Fe、CaSOが挙げられる。また、セメント、クレイが挙げられる。セメントは、鉄アルミン酸四カルシウムCAF(4CaO・Al・Fe)、アルミン酸三カルシウムCA(3CaO・Al)、ケイ酸二カルシウムCS(2CaO・SiO)、ケイ酸三カルシウムCS(3CaO・SiO)を主成分として含む。クレイは、層状構造を有する粘土鉱物の他、イモゴライトやアロフェン等の層状構造を有しない粘土鉱物があり、本明細書では、いずれのクレイも含むものとする。層状構造を有する粘土鉱物としては、スメクタイト、バーミキュライト、モンモリロナイト、ベントナイト、イライト、ヘクトライト、ハロイサイト、雲母、脆雲母等の膨潤性鉱物;カオリン鉱物(カオリナイト)、サーペンティン、パイロフィライト、タルク、クロライト等の非膨潤性鉱物が挙げられる。これらの中でも、本発明のセメント添加剤は、セメントに用いることがより好ましく、層状構造を有する粘土鉱物からなるクレイに用いることがより好ましく、層状構造を有する粘土鉱物からなるクレイ存在下でセメントとともに用いることが更に好ましく、当該クレイとしてはモンモリロナイトがより好ましい。
上記モンモリロナイトは、下記式(4)で表されるケイ酸塩鉱物の一種であり、アルモシリケート層と、金属イオンの層(金属イオンは水和している場合と水和していない場合とがある。)とにより多層構造を形成した粘度鉱物(クレイ)である。
(Mg,Al,Fe)(OH)[Si10]・nHO (4)
(式中、Mは、Na、K、Mg又はCaを表す。Xは、MがNa又はKの場合は1であり、MがMg又はCaの場合は1/2である。)
上記有機残基又はカルボキシル基が吸着する金属イオンは、特に制限されないが、例えば、典型元素及び周期律表の8族、9族、10族、11族の遷移元素に分類される金属のイオンが挙げられる。好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び周期律表の8族、10族、11族、12族、13族、14族の金属元素のイオン等が挙げられ、より好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、アルミニウム及び鉄等の卑金属のイオンである。
上記金属イオンは、セメント組成物中に含まれるクレイ等の表面に存在する金属イオンであってもよい。例えば、セメント組成物中に含まれるモンモリロナイトの表面に、モンモリロナイトの金属イオンの層がある場合、Na、K、Ca2+、Mg2+が存在する場合がある。
本発明において、不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体由来の繰り返し単位を有する重合体を製造する方法は限定されないが、例えば、(1)不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体と、必要に応じて該不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体と共重合可能なビニル系単量体(B)の1種又は2種以上を共重合して得ることができ、また、(2)不飽和カルボン酸系単量体と必要に応じてその他のビニル系単量体(B)の1種又は2種以上を共重合して得られるカルボキシル基含有重合体の一部又はすべてのカルボキシル基と(ポリ)アルキレングリコールとをエステル化して得ることもできる。
本発明の有機残基含有重合体を製造する方法として、上記(1)の場合には、(I)不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体由来の繰り返し単位を必須とする重合体を合成した後、該(ポリ)アルキレングリコール鎖末端に有機残基を導入する反応を行なう方法、(II)不飽和(ポリ)アルキレングリコール鎖の末端に有機残基を導入する反応を行なった後、重合に供する方法、(III)末端に有機残基を有する(ポリ)アルキレングリコール鎖の他の末端に不飽和基を導入する反応を行なった後、重合に供する方法、等種々の方法が挙げられる。
これらの方法の中でも、本発明の有機残基含有重合体を製造する方法としては、予め(ポリ)アルキレングリコール鎖の末端に有機残基を導入する反応を行った不飽和(ポリ)アルキレングリコール系単量体を用いる、上記(II)、(III)の方法を行うことが好ましい。
上記重合体を得るための重合反応には、通常は、連鎖移動剤が使用される。連鎖移動剤としては、例えば、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、2−メルカプトエタンスルホン酸等のチオール系連鎖移動剤;イソプロピルアルコール等の2級アルコール;亜リン酸、次亜リン酸及びその塩(次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等)、亜硫酸、亜硫酸水素、亜二チオン酸、メタ重亜硫酸及びその塩(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、亜二チオン酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等)の低級酸化物及びその塩等の親水性連鎖移動剤が挙げられる。
上記連鎖移動剤としてはまた、疎水性連鎖移動剤を使用することもできる。疎水性連鎖移動剤としては、例えば、ブタンチオール、オクタンチオール、デカンチオール、ドデカンチオール、ヘキサデカンチオール、オクタデカンチオール、シクロヘキシルメルカプタン、チオフェノール、チオグリコール酸オクチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチル等の炭素数3以上の炭化水素基を有するチオール系連鎖移動剤が好適に使用される。
上記連鎖移動剤の使用量は、適宜設定すればよいが、単量体成分の総量100モルに対し、好ましくは0.1モル以上、より好ましくは0.25モル以上、更に好ましくは0.5モル以上であり、また、好ましくは20モル以下、より好ましくは15モル以下、更に好ましくは10モル以下である。
上記重合反応は、必要に応じてラジカル重合開始剤を使用し、溶液重合や塊状重合等の方法により行うことができる。溶液重合は、回分式でも連続式でも又はそれらの組み合わせでも行うことができ、その際に使用される溶媒としては、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の芳香族又は脂肪族炭化水素;酢酸エチル等のエステル化合物;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物等が挙げられる。中でも、例えば、セメント混和剤用途のように水溶液として使用されることが多い用途に用いる場合には、水溶液重合法によって重合することが好適である。
上記溶液重合のうち、水溶液重合では、水溶性のラジカル重合開始剤を用いることが、重合後に不溶成分を除去する必要がないので好適である。例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩等のアゾアミジン化合物、2,2’−アゾビス−2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン塩酸塩等の環状アゾアミジン化合物、2−カルバモイルアゾイソブチロニトリル等のアゾニトリル化合物、2,4’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}等のアゾアミド化合物、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)と(アルコキシ)ポリエチレングリコールとのエステル等のマクロアゾ化合物等の水溶性アゾ系開始剤が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。中でも、過硫酸系開始剤が好適である。
この際、亜硫酸水素ナトリウム等のアルカリ金属亜硫酸塩、メタ二亜硫酸塩、次亜燐酸ナトリウム、モール塩等のFe(II)塩、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム二水和物、ヒドロキシルアミン塩酸塩、チオ尿素、L−アスコルビン酸(塩)、エリソルビン酸(塩)等の促進剤(還元剤)を併用することもできる。例えば、過酸化水素と有機系還元剤との組み合わせが可能であり、有機系還元剤としては、L−アスコルビン酸(塩)、L−アスコルビン酸エステル、エリソルビン酸(塩)、エリソルビン酸エステル等を好適に用いることができる。これらのラジカル重合開始剤や促進剤(還元剤)はそれぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、上記促進剤(還元剤)の使用量は、特に限定されるものではないが、例えば、併用する重合開始剤の総量を100モルとすると、好ましくは10モル以上、より好ましくは20モル以上、更に好ましくは50モル以上であり、また、好ましくは1000モル以下、より好ましくは500モル以下、更に好ましくは400モル以下である。
また低級アルコール類、芳香族若しくは脂肪族炭化水素類、エステル類又はケトン類を溶媒とする溶液重合や塊状重合では、ラジカル重合開始剤として、例えば、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ナトリウムパーオキシド等のパーオキシド;t−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパーオキシド;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾニトリル化合物、2,4’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}等のアゾアミド化合物、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)と(アルコキシ)ポリエチレングリコールとのエステル等のマクロアゾ化合物等のアゾ系開始剤等の1種又は2種以上を使用することができる。中でも、後述するようにアゾ系開始剤が好適である。なお、この際、アミン化合物等の促進剤を併用することもできる。
更に水と低級アルコール混合溶媒を用いる場合には、上記の種々のラジカル重合開始剤、又は、上記ラジカル重合開始剤と促進剤との組合せの中から適宜選択して用いることができる。
上記ラジカル重合開始剤の使用量は、単量体成分の総量100モルに対し、好ましくは0.001モル以上、より好ましくは0.01モル以上、更に好ましくは0.1モル以上、特に好ましくは0.2モル以上、更に特に好ましくは1モル以上、最も好ましくは5モル以上であり、また、好ましくは50モル以下、より好ましくは30モル以下、更に好ましくは20モル以下、更により好ましくは10モル以下、特に好ましくは5モル以下、最も好ましくは3モル以下である。
上記重合反応において、重合温度等の重合条件としては、用いられる重合方法、溶媒、重合開始剤、連鎖移動剤により適宜定められるが、重合温度としては、0℃以上であることが好ましく、また、150℃以下であることが好ましい。より好ましくは30℃以上であり、更に好ましくは50℃以上である。また、より好ましくは120℃以下であり、更に好ましくは100℃以下である。
上記単量体成分の反応容器への投入方法は特に限定されるものではなく、全量を反応容器に初期に一括投入する方法;全量を反応容器に分割又は連続投入する方法;一部を反応容器に初期に投入し、残りを反応容器に分割又は連続投入する方法のいずれであってもよい。なお、ラジカル重合開始剤や連鎖移動剤は、反応容器に初めから仕込んでもよく、反応容器へ滴下してもよく、また、目的に応じてこれらを組み合わせてもよいが、滴下により製造されることが好ましい。このような方法で製造すると、得られる重合体が、セメント混和剤として用いたときにセメントの流動性をより向上させることができるものとなる。
上記重合反応においてはまた、所定の分子量の重合体を再現性よく得るために、重合反応を安定に進行させることが好適である。そのため、溶液重合では、使用する溶媒の25℃における溶存酸素濃度を5ppm以下(好ましくは0.01〜4ppm、より好ましくは0.01〜2ppm、更に好ましくは0.01〜1ppm)の範囲に設定することが好ましい。なお、溶媒にビニル系単量体成分を添加した後に窒素置換等を行う場合には、ビニル系単量体成分をも含んだ系の溶存酸素濃度を上記範囲内とすることが適当である。
上記溶媒の溶存酸素濃度の調整は、重合反応槽で行ってもよく、予め溶存酸素量を調整したものを用いてもよい。溶媒中の酸素を追い出す方法としては、例えば、下記の(1)〜(5)の方法が挙げられる。
(1)溶媒を入れた密閉容器内に窒素等の不活性ガスを加圧充填後、密閉容器内の圧力を下げることで溶媒中の酸素の分圧を低くする。その際、窒素気流下で、密閉容器内の圧力を下げてもよい。
(2)溶媒を入れた容器内の気相部分を窒素等の不活性ガスで置換したまま液相部分を長時間激しく攪拌する。
(3)容器内に入れた溶媒に窒素等の不活性ガスを長時間バブリングする。
(4)溶媒を一旦沸騰させた後、窒素等の不活性ガス雰囲気下で冷却する。
(5)配管の途中に静止型混合機(スタティックミキサー)を設置し、溶媒を重合反応槽に移送する配管内で窒素等の不活性ガスを混合する。
上記重合反応により得られた本発明の有機残基含有重合体は、水溶液状態で弱酸性以上(より好ましくはpH4以上、更に好ましくはpH5以上、特に好ましくはpH6以上)のpH範囲に調整しておくことで取り扱いやすいものとすることができる。
その一方で、重合反応をpH7以上で行うと、重合率が低下すると同時に、共重合性が充分とはならず、例えば、セメント混和剤用途に用いた場合に分散性能を充分に発揮できないおそれがある。そのため、重合反応においては、酸性から中性(好ましくはpH6未満、より好ましくはpH5.5未満、更に好ましくはpH5未満)のpH領域で重合反応を行うことが好適である。このように重合系が酸性から中性となる好ましい重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩等のアゾアミジン化合物等の水溶性アゾ開始剤、過酸化水素、過酸化水素と有機系還元剤との組み合わせ等を用いることが好ましい。なお、より好ましくは、過硫酸系開始剤を少なくとも使用することである。
したがって、低いpHで重合反応を行った後に、アルカリ性物質等を添加してより高いpHに調整することが好適である。具体的には、pH6未満で重合反応を行った後にアルカリ性物質を添加してpH6以上に調整する方法;pH5未満で重合反応を行った後にアルカリ性物質を添加してpH5以上に調整する方法;pH5未満で重合反応を行った後にアルカリ性物質を添加してpH6以上に調整する方法等が挙げられる。
pHの調整は、例えば、一価金属又は二価金属の水酸化物や炭酸塩等の無機塩;アンモニア;有機アミン;等のアルカリ性物質を用いて行うことができる。また、pHを下げる場合、特に重合の際にpHの調整が必要な場合、リン酸、硫酸、硝酸、アルキルリン酸、アルキル硫酸、アルキルスルホン酸、(アルキル)ベンゼンスルホン酸等の酸性物質を用いてpHの調整を行うことができ、これら酸性物質の中では、pH緩衝作用がある点等からリン酸や少量の添加でpHを下げることができる硫酸が好ましい。また、反応終了後、必要に応じて濃度調整を行うこともできる。
上記の重合反応により得られる反応生成物には、本発明の有機残基含有重合体の他、副生成物としての種々の重合体や未反応原料、原料に含まれる不純物を含むことがあるため、必要に応じて、個々の重合体を単離する工程に付してもよいが、通常、作業効率や製造コスト等の観点から、個々の重合体を単離することなく、セメント添加剤として使用してもよい。
本発明の有機残基含有重合体は、有機残基導入前の(ポリ)アルキレングリコール系単量体と不飽和カルボン酸系単量体を必須とする単量体とを、上述の方法により共重合させ、その後に上述の方法により有機残基を与える化合物を反応させて製造することもできる。
≪セメント組成物≫
本発明はまた、本発明のセメント添加剤とセメントとを必須成分とし、上記セメント添加剤中の(ポリ)アルキレングリコール鎖末端の少なくとも1つの有機残基が、金属、金属化合物及び金属イオンの少なくとも1つに吸着するセメント組成物でもある。
上述したとおり、本発明のセメント添加剤は、有機残基含有重合体の(ポリ)アルキレングリコール鎖が水和初期のセメントやクレイ等の層状化合物の層間に入り込むことが抑制されたものであるため、本発明のセメント組成物は、少量のセメント添加剤を含むだけで充分な減水性能やコンクリート粘性の低減効果を発揮することができる。
上記金属粒子、金属化合物粒子及び金属イオンは、セメント組成物に含まれるセメントやクレイ等に含まれるものであり、特に制限されないが、これらの具体例は、上述の有機残基含有(ポリ)アルキレングリコール化合物が有する有機残基が吸着能を示す金属、金属化合物及び金属イオンと同様である。
上記セメントとしては特に限定されないが、例えば、ポルトランドセメント(普通、早強、超早強、中庸熱、耐硫酸塩及びそれぞれの低アルカリ形)、特開2009−046655号公報に記載のものと同様のものを用いることができる。
本発明のセメント組成物は、層状化合物であるモンモリロナイト等のクレイを含んでいてもよく、セメント組成物にクレイが含まれている場合にも、本発明の有機残基含有重合体がクレイ表面に吸着することにより、クレイの層間への(ポリ)アルキレングリコール鎖の侵入が抑制される。
上述したとおり、本発明の有機残基含有重合体は、層状化合物の層間に(ポリ)アルキレングリコール鎖がインターカレーションすることを抑制できる点を特徴とし、層状化合物を多く含むセメント組成物に用いられた場合に、より効果を発揮することができる。すなわち、本発明のセメント組成物が、層状化合物であるモンモリロナイト等のクレイを含むことは、本発明のセメント組成物の好適な実施形態の1つである。
本発明のセメント組成物は、セメント以外の水硬性材料を使用した水硬性組成物であってもよい。本発明のセメント添加剤(又は有機残基含有重合体)は、セメント以外の水硬性材料を使用した水硬性組成物にも有効であり、具体的には、本発明のセメント添加剤用化合物と石膏とを必須とする水硬性組成物等が挙げられる。また、本発明のセメント組成物は、さらに水を含んでいてもよく、水を含むことによって水硬性が発現して硬化する。本発明のセメント組成物は、必要に応じて、細骨材(砂等)や粗骨材(砕石等)等を含有していてもよい。このようなセメント組成物の具体例としては、セメントペースト、モルタル、コンクリート、プラスター等が挙げられる。
上記骨材としては、砂利、砕石、水砕スラグ、再生骨材等以外に、珪石質、粘土質、ジルコン質、ハイアルミナ質、炭化珪素質、黒鉛質、クロム質、クロマグ質、マグネシア質等の耐火骨材が使用可能である。本発明の化合物を含むセメント組成物において、その1mあたりの単位水量、セメント使用量及び水/セメント比は、特に制限はなく、単位水量100〜185kg/m、使用セメント量250〜800kg/m、水/セメント比=10〜70重量%、好ましくは単位水量120〜175kg/m、使用セメント量270〜800kg/m、水/セメント比=20〜65%が推奨され、貧配合〜富配合まで幅広く使用可能であり、単位セメント量の多い高強度コンクリート、単位セメント量が300kg/m以下の貧配合コンクリートのいずれにも有効である。
本発明の有機残基含有重合体を含むセメント組成物において、上記化合物の配合割合については、特に限定はないが、水硬セメントを用いるモルタルやコンクリート等に使用する場合には、セメント重量の0.01〜3.0%、好ましくは0.02〜2.0%、より好ましくは0.05〜1.0%となる比率の量を添加すれば良い。この添加により、単位水量の低減、強度の増大、耐久性の向上等の各種の好ましい諸効果がもたらされる。上記配合割合が0.01%未満では性能的に不十分であり、逆に3.0%を超える多量を使用しても、その効果は実質上頭打ちとなり経済性の面からも不利となり、上記配合割合が0.01〜3.0%であれば、このような不具合を充分に抑制することができる。
本発明のセメント添加剤は、上記有機残基含有重合体を必須とするものであり、上記有機残基含有重合体のみでもセメント添加剤となりうるが、さらに消泡剤を含有することもある。消泡剤を添加することにより、連行空気量の経時変化を小さくすることができる。連行空気量が少なすぎると、耐凍結融解サイクル性が悪くなり、連行空気量が多すぎるとコンクリート強度が低くなるため、連行空気は一定量に保持する必要があるのであるが、消泡剤を用いることにより、連行空気量を経時的に安定に保持することができ、品質の安定なコンクリートを供給することができる。
上記消泡剤としては、通常用いられる消泡剤であれば良く特に限定されない。例えば、鉱油系消泡剤;油脂系消泡剤;脂肪酸系消泡剤;ジエチレングリコールモノラウレート、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビトールモノラウレート等の脂肪酸エステル系消泡剤;アルコール系消泡剤;ポリオキシアルキレンアミド等のアミド系消泡剤;リン酸エステル系消泡剤;金属石鹸系消泡剤;シリコン油等のシリコン系消泡剤;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン付加物等のオキシアルキレン系消泡剤;等が挙げられる。これらの具体例としては、特開2011−079721号公報に記載のものと同様のものが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記例示の消泡剤の中でも、オキシアルキレン系消泡剤が好ましい。本発明のセメント添加剤用化合物とオキシアルキレン系消泡剤とを組み合わせて用いると、消泡剤使用量が少なくて済み、さらに消泡剤と共重合体との相溶性にも優れるからである。オキシアルキレン系消泡剤としては、分子内にオキシアルキレン基を有しかつ水性液体中の気泡を減少させる作用を有する化合物であれば特に制限はないが、その中でも下記式(5)で表わされる特定のオキシアルキレン系消泡剤が好ましい。
{−T−(RO)t−R}n (5)
(式中、R、Rは、それぞれ独立に、水素、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数1〜22のアルケニル基、炭素数1〜22のアルキニル基、フェニル基又はアルキルフェニル基(アルキルフェニル基中のアルキル基の炭素数は1〜22である)を表わし、ROは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基の1種又は2種以上の混合物を表わし、2種以上の場合はブロック状に付加していてもランダム状に付加していても良く、tは、オキシアルキレン基の平均付加モル数であり、0〜300の数を表わし、tが0のときはR、Rが同時に水素であることはなく、Tは−O−、−CO−、−SO−、−PO−又は−NH−の基を表わし、nは、1又は2の整数を表わし、Rが水素のときは、nは1である。)
上記式(5)で表されるオキシアルキレン系消泡剤の例としては、特開2011−079721号に記載のものと同様のものが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記消泡剤を含有する場合、その含有量は本発明の有機残基含有重合体100質量%に対して0.01〜300重量%が好ましく、0.5〜200重量%であることがより好ましく、1〜100重量%であることがさらに好ましい。
本発明のセメント添加剤(又は有機残基含有重合体)は、コンクリート2次製品用のコンクリート、遠心成形用コンクリート、振動締め固め用コンクリート、蒸気養生コンクリート、吹付けコンクリート等に有効であり、さらに、高流動コンクリート、自己充填性コンクリート、セルフレベリング材等の高い流動性を要求されるモルタルやコンクリートにも有効である。本発明の化合物は、水溶液の形態でそのままセメント混和剤の主成分として使用することができるが、カルシウム、マグネシウム等の二価金属の水酸化物で中和して多価金属塩とした後に乾燥させたり、シリカ系微粉末等の無機粉体に担持して乾燥させたりすることにより粉体化して使用しても良い。
本発明のセメント添加剤(又は有機残基含有重合体)は、さらに、通常用いられるセメント分散剤と組み合わせて使用しても良い。併用可能な通常用いられるセメント分散剤としては、特に限定はなく、例えば、以下に記載するようなセメント分散剤が挙げられ、2種類以上の公知のセメント分散剤の併用も可能である。
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のポリアルキルアリールスルホン酸塩系;メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物等のメラミンホルマリン樹脂スルホン酸塩系;アミノアリールスルホン酸−フェノール−ホルムアルデヒド縮合物等の芳香族アミノスルホン酸塩系;リグニンスルホン酸塩、変成リグニンスルホン酸塩等のリグニンスルホン酸塩系;ポリスチレンスルホン酸塩系等の分子中にスルホン酸基を有する各種スルホン酸系分散剤。
特公昭59−18338号公報、特開平7−223852号公報に記載の如くポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系単量体、(メタ)アクリル酸系単量体、及び、これらの単量体と共重合可能な単量体から得られる共重合体;特開平10−236858号公報、特開2001−220417号公報、特開2002−121055号公報、特開2002−121056号公報に記載の如く不飽和(ポリ)アルキレングリコールエーテル系単量体、マレイン酸系単量体又は(メタ)アクリル酸系単量体から得られる共重合体等の分子中に(ポリ)オキシアルキレン基とカルボキシル基とを有する各種ポリカルボン酸系分散剤。
特開2006−52381号公報に記載の如く(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、リン酸モノエステル系単量体、およびリン酸ジエステル系単量体から得られる共重合体等の分子中に(ポリ)オキシアルキレン基とリン酸基とを有する各種リン酸系分散剤。
上記通常用いられるセメント分散剤を併用する場合、本発明の有機残基含有重合体と通常用いられるセメント分散剤との配合重量比は、使用する通常用いられるセメント分散剤の種類、配合及び試験条件等の違いにより一義的には決められないが、好ましくは1:99〜99:1、より好ましくは3:97〜97:3の範囲内である。
本発明の有機残基含有重合体を含むセメント添加剤は、以下に例示するような他の通常用いられるセメント添加剤(材)と組み合わせて使用することができる。他の通常用いられるセメント添加剤(材)を併用する場合、本発明の有機残基含有重合体と他の通常用いられるセメント添加剤(材)との配合重量比は、使用する他の通常用いられるセメント添加剤(材)の種類、配合及び試験条件等の違いにより一義的には決められないが、好ましくは5:95〜99.9:0.01の範囲内である。
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンのポリマー又はそれらのコポリマー等の水溶性高分子物質;高分子エマルジョン;遅延剤;早強剤・促進剤;AE剤;その他界面活性剤;防水剤;防錆剤;ひび割れ低減剤;膨張材
上記他の通常用いられるセメント添加剤(材)は、特開2009−046655号公報に記載のものと同様のものを用いることができる。
その他の通常用いられるセメント添加剤(材)としては、例えば、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、防錆剤、着色剤、防カビ剤等を挙げることができる。
本発明のセメント添加剤は、上述の構成よりなり、セメント分散性能の低下抑制効果及びコンクリート粘性の低減効果に優れるため、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物に用いるセメント分散剤又はコンクリート用減水剤として用いることができる。
比較重合体に本発明の重合体を添加したときのJ漏斗流下時間の測定結果を示すグラフである。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
なお、得られたセメント添加剤用化合物の分析については、下記のようにして行なった。
[重量平均分子量測定条件(GPC)]
装置:Waters社製、Waters Alliance(2695)
解析ソフト:Waters社製、Empower2プロフェッショナル、GPCオプション
使用カラム:東ソー(株)製、TSKguard column α、TSKgel α―3000、TSKgel α―4000、・TSKgel α―5000
検出器:示差屈折率計(RI)検出器(Waters社製、Waters 2414)、
溶離液:100mMホウ酸水溶液14304gに50mM水酸化ナトリウム水溶液96gとアセトニトリル3600gを混合した溶媒
較正曲線作成用標準物質:ポリエチレングリコール(ピークトップ分子量Mp 300000、200000、107000、50000、27700、11840、6450、1470、1010、400)
較正曲線:上記ポリエチレングリコールのMp値と溶出時間を基礎にして3次式で作成。
流量:1.0mL/分
カラム温度:40℃
測定時間:60分
試料注入量:100μL(試料濃度0.5wt%の溶離液調製溶液)
製造例1
攪拌翼、温度計、冷却管を備えた500mL4つ口フラスコに、末端にグリシジル基を有するイソプレノールのエチレンオキシド平均10モル付加物が124.0g、イソプレノールのエチレンオキシド平均10モル付加物が9.3g含まれる組成物150.5gを仕込み、撹拌しながら内温50℃になるよう加温した。ここに、イミノ二酢酸二ナトリウム一水和物52.8g、純水207.4gの混合液を内温50℃に維持しながら、1時間かけてゆっくり滴下し、さらに5時間撹拌することにより、不飽和ポリエチレングリコールの全末端100モル%に対して92モル%の末端にイミノ二酢酸二ナトリウム残基を有する単量体混合物(1)を得た。
製造例2
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置に製造例1で得られた単量体混合物(1)23.8g、アクリル酸5.8g、3−メルカプトプロピオン酸0.3g、水26.1gを仕込み、200rpmで攪拌下に反応装置内を100mL/分で窒素置換しながら、80℃まで加温した。続いて反応装置内を80℃に保ったまま、3−メルカプトプロピオン酸0.91gに水10gを加えた混合水溶液を1時間、過硫酸アンモニウム9gを水150gに溶かした水溶液を1.5時間かけて、それぞれ反応装置内に均一速度で滴下した。すべての滴下終了後更に1時間80℃を維持して重合反応を完結させ本発明の重合体(1)を得た。得られた重合体は、ポリエチレングリコール鎖の全末端100モル%に対して92モル%の末端にイミノ二酢酸ナトリウム残基を有し、重量平均分子量Mwは35000であった。なお、本発明の重合体(1)の固形分に対するポリマー純分は、上記GPC測定の面積比から、68.0%であった。
製造例3
温度計、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置に無水マレイン酸/イソブテン交互共重合体(株式会社クラレ製イソバン−600)108.6gとヒドロキシエチルピロリドンポリ(n=10)エチレングリコール付加物300.9g、ピリジン4.18gを仕込み、200rpmで攪拌下に反応装置内を100mL/分で窒素置換しながら、120℃まで加温した。続いて反応装置内を20時間120℃を維持してエステル化反応を終了し、本発明の重合体(2)を得た。得られた重合体は、ポリエチレングリコール鎖の全末端100モル%に対して100モル%の末端にピロリドン残基を有し、重量平均分子量Mwは29500であった。なお、本発明の重合体(2)の固形分に対するポリマー純分は、上記GPC測定の面積比から、53.1%であった。
製造例4
攪拌翼、温度計、冷却管を備えた2L4つ口フラスコに、末端にグリシジル基を有するイソプレノールのエチレンオキシド平均10モル付加物が931.5g、イソプレノールのエチレンオキシド平均10モル付加物が70.1g含まれる組成物1130.5g、ジエタノールアミン236.0gを仕込み、内温80℃になるよう外温を調整しながら6時間撹拌することにより、不飽和ポリエチレングリコールの全末端100モル%に対して92モル%の末端にジエタノールアミン残基を有する単量体混合物(2)を得た。
製造例5
温度計、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却装置を備えたガラス製反応装置にモール塩3.6mgと水130.0gを仕込み、200rpmで攪拌下に反応装置内を100mL/分で窒素置換しながら、70℃まで加温した。続いて反応装置内を70℃に保ったまま、製造例4で得られた単量体混合物(2)の80%水溶液117.0gとイソプレノールのエチレンオキシド平均10モル付加物の80%水溶液105.7gの混合水溶液を2.5時間、80%アクリル酸水溶液を3時間、15%過硫酸ナトリウム水溶液71.7gを3時間10分、35%亜硫酸水素ナトリウム13.0gと水29.8gの混合水溶液を3時間かけて、それぞれ反応装置内に均一速度で滴下した。すべての滴下終了後更に30分間70℃を維持して重合反応を完結させ本発明の重合体(3)を得た。得られた重合体は、ポリエチレングリコール鎖の全末端100モル%に対して42モル%の末端にジエタノールアミン残基を有し、重量平均分子量Mwは64900であった。なお、本発明の重合体(3)の固形分に対するポリマー純分は、上記GPC測定の面積比から、97.2%であった。
比較重合体として、メトキシポリ(n=10)エチレングリコールメタクリレートとメタクリル酸ナトリウムを75/25の重量比で共重合した重量平均分子量32600の比較重合体(1)と、メトキシポリ(n=25)エチレングリコールメタクリレートとメタクリル酸ナトリウムを80/20の重量比で共重合した重量平均分子量51500の比較重合体(2)を用いた。なお、比較重合体(1)及び比較重合体(2)の固形分に対するポリマー純分は、上記GPC測定の面積比から、それぞれ95.7%、94.6%であった。
[セメントペーストの調製]
所定量の本発明の重合体又は比較重合体を秤量して水で希釈したもの105g、普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)350gを、スパチュラを用いて1分間全体が馴染むまで手で練った後、1分間静置し、その後2分間スパチュラを用いて混練した。得られたセメントペーストを、直ちに水平なガラス板上に置いた上部内径35mm、下部内径60mm、高さ60mmの中空容器にすりきりまで充填し、容器を垂直方向に静かに持ちあげて広がったセメントペーストのフロー値を測定した。フロー値は、直角方向に2回測定し、その平均をとった。フロー値が大きいほど、セメントペーストの流動性が高いことを示す。
モンモリロナイトクレイ(ベントナイト:クニゲルV1(クニミネ工業社製))を使用するときは、セメント重量に対して0.6%をセメントに添加して用いた。
クレイの添加、無添加で、セメントペーストのフロー値が200mmになるのに必要な重合体の添加量と、クレイを添加することによる重合体の添加量の増加割合を表1に示す。表1において、重合体の添加量は、セメントの重量100%に対するポリマー純分の割合を表す。クレイ存在下での重合体の添加量の増加割合は、比較重合体(1)が172%であるのに対し、本発明の重合体(1)は155%、本発明の重合体(2)は160%、本発明の重合体(3)は133%であり、本発明の重合体が、クレイに対する耐性が大きいことがわかる。
Figure 2015127270
[J漏斗流下時間の測定]
所定量の本発明の重合体又は比較重合体を秤量して水で希釈した水溶液360g、普通ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)1200gを、モルタルミキサーを用いて低速で1分間、全体が馴染むまで混練した後、1分間静置し、その後中速で2分間混練した。得られたセメントペーストを、直ちに水平なガラス板上に置いた上部内径35mm、下部内径60mm、高さ60mmの中空容器にすりきりまで充填し、容器を垂直方向に静かに持ちあげて広がったセメントペーストのフロー値を測定した。フロー値は、直角方向に2回測定し、その平均を採った。そして、残りのセメントペーストを上端内径70mm、下端内径14mm、高さ392mmのPCグラウト流下試験器(J14漏斗)にすりきりまで充填し、注水後6分経過した時点から流下を開始させた。流下の終点は、セメントペーストの流下の終盤で、セメントペーストの液滴が間欠的に落ちる間隔が10秒以上になった時点とした。試験は、比較重合体(1)及び本発明の重合体(1)と比較重合体(1)を5/95の割合で混合したもの、ならびに比較重合体(2)及び本発明の重合体(1)と比較重合体(2)を8/92の割合で混合したもので行なった。
試験結果を図1に示した。
それぞれのプロットに標記した数字は、用いた重合体の添加量であり、セメント重量に対する割合を表す。
比較重合体(1)または比較重合体(2)に本発明の重合体(1)をブレンドすることで、J漏斗流下時間が短縮し作業性のよいセメントペーストが得られることがわかる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表わされる(ポリ)アルキレングリコール鎖を有する繰り返し単位を有する重合体を含むセメント添加剤であって、
    該(ポリ)アルキレングリコール鎖末端の少なくとも1つに、金属、金属化合物及び金属イオンの少なくとも1つに対して吸着能を示す有機残基が結合し、
    該有機残基は、カルボニル基、水酸基、アミノ基、チオール基、リン酸基、亜リン酸基及びシラン基からなる群より選択される少なくとも2つの官能基を有し、且つ、ビニル系単量体由来の炭素−炭素結合を有しない基であり、分子量が700以下の基であることを特徴とするセメント添加剤。
    Figure 2015127270
    (式中、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、メチル基、又は、−(CHy’(CO)z’−O−(AO)r’−R4’を表す。R及びR4’は、同一又は異なって、前記有機残基、水素原子、又は、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。(AO)は、オキシアルキレン基を表す。r、r’は、同一又は異なって、オキシアルキレン基の平均付加モル数を表し、1〜1000の数である。y、y’は、同一又は異なって、0〜2の整数を表し、z、z’は、同一又は異なって、0又は1を表す。)
  2. 前記有機残基は、アミノカルボン酸類、ヒドロキシアミン類、ピロリドン類由来の構造を有することを特徴とする請求項1に記載のセメント添加剤。
  3. 前記重合体が、不飽和カルボン酸系単量体由来の繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のセメント添加剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のセメント添加剤とセメントとを必須成分とすることを特徴とするセメント組成物。
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