JP2015127183A - 揺動式車両 - Google Patents

揺動式車両 Download PDF

Info

Publication number
JP2015127183A
JP2015127183A JP2013273486A JP2013273486A JP2015127183A JP 2015127183 A JP2015127183 A JP 2015127183A JP 2013273486 A JP2013273486 A JP 2013273486A JP 2013273486 A JP2013273486 A JP 2013273486A JP 2015127183 A JP2015127183 A JP 2015127183A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel
swing
lock
claw
ratchet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013273486A
Other languages
English (en)
Inventor
洋平 川崎
Yohei Kawasaki
洋平 川崎
昌之 藤田
Masayuki Fujita
昌之 藤田
一成 井口
Kazunari Iguchi
一成 井口
俊一 宮岸
Shunichi Miyagishi
俊一 宮岸
賢三 清水
Kenzo Shimizu
賢三 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2013273486A priority Critical patent/JP2015127183A/ja
Publication of JP2015127183A publication Critical patent/JP2015127183A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Automatic Cycles, And Cycles In General (AREA)

Abstract

【課題】車体前後の少なくとも一方に左右一対の車輪を備えた揺動式車両において、揺動ロック及び車輪ロックが連動するものであっても押し歩き等の車両の取り回しを容易にする。【解決手段】左右一対の前輪2を接地させた状態でこれらを車体の左右の揺動に合わせて左右に揺動させる前二輪懸架装置4と、車体の左右の揺動を規制する揺動ロック機構42Aと、後輪3を停止状態に維持する車輪ロック機構63Aと、パーキングレバー43aの操作によって揺動ロック機構42A及び車輪ロック機構63Aを連動させてロック状態にするパーキングロック連動機構と、パーキングレバー43aとは別に車輪ロック機構63Aのロック状態のみを解除するための車輪ロック解除レバー78と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、揺動式車両に関する。
従来、車体前後の少なくとも一方に左右一対の車輪を備えた揺動式車両において、駐車時に車体の揺動を規制(ロック)するとともに、いわゆるブレーキロックとして機械的に車輪の制動状態を維持することで、駐車状態を維持するものが知られている。
例えば、揺動ロックと車輪ロックとの二つの機能を備えた揺動式三輪車として、特許文献1に記載の技術がある。
特許文献1に係る揺動式車両によれば、一つのレバー97でロールロック機構62と後輪ロック機構113とを作動させることができる。
特開2002−79976号公報
ところで、上記従来の技術においては、揺動ロック及び車輪ロックがなされた駐車状態から揺動式車両を動かす場合に、車輪ロックとともに揺動ロックが解除されるので、通常の二輪車と同じように車体の倒れを支えながら動かす必要があり、煩わしさがあった。
そこで本発明は、車体前後の少なくとも一方に左右一対の車輪を備えた揺動式車両において、揺動ロック及び車輪ロックが連動するものであっても押し歩き等の車両の取り回しを容易にすることを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、車体前後の少なくとも一方に左右一対の車輪(2)を備えるとともに、前記左右一対の車輪(2)を接地させた状態でこれらを車体の左右の揺動に合わせて左右に揺動させる揺動機構(4)と、前記車体の左右の揺動を規制する揺動ロック機構(42A)と、少なくとも一つの車輪(3)を停止状態に維持する車輪ロック機構(63A)と、ロック操作子(43a)の操作によって前記揺動ロック機構(42A)及び前記車輪ロック機構(63A)を連動させてロック状態にする連動機構(80)と、を備えた揺動式車両(1)において、前記ロック操作子(43a)とは別に、前記車輪ロック機構(63A)のロック状態のみを解除するための車輪ロック解除操作子(78)をさらに備えることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記連動機構(80)と前記揺動ロック機構(42A)及び前記車輪ロック機構(63A)とが機械的に接続されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記車輪ロック解除操作子(78)は、運転者の着座位置(9a)よりも後方に配置されることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、車輪ロック解除操作子(78)は、リヤアシストグリップ(84)に配置されることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記連動機構(80)は、前記揺動ロック機構(42A)をロック状態に作動させる揺動側ラチェット機構(45)と、前記車輪ロック機構(63A)をロック状態に作動させる車輪側ラチェット機構(65)と、前記両ラチェット機構(45,65)をイコライザーアーム(82)の両端部にそれぞれ連結するとともに前記イコライザーアーム(82)の中間部に前記ロック操作子(43a)を連結するイコライザー機構(81)と、を備え、前記両ラチェット機構(45,65)のそれぞれは、前記ロック操作子(43a)の操作により前記イコライザー機構(81)を介して揺動し、前記揺動ロック機構(42A)又は前記車輪ロック機構(63A)をロック状態に作動させるとともに、爪部材(47,67)を揺動可能に支持するラチェットアーム(46,66)と、前記ラチェットアーム(46,66)を揺動可能に支持するとともに、前記ラチェットアーム(46,66)が前記揺動ロック機構(42A)又は前記車輪ロック機構(63A)をロック状態に作動させた揺動位置で爪部材(47,67)を噛み込ませて、前記ラチェットアーム(46,66)の揺動を停止させるベース部材(48,68)と、を備え、前記車輪側ラチェット機構(65)は、前記ベース部材(68)を前記ラチェットアーム(66)と一体的に揺動可能とし、このベース部材(68)に前記車輪ロック解除操作子(78)を連結し、前記車輪ロック解除操作子(78)の操作により、前記ベース部材(68)を前記ラチェットアーム(66)と一体的に前記車輪ロック機構(63A)のロック状態を解除する側に揺動させることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記両ラチェット機構(45,65)のラチェットアーム(46,66)のそれぞれは、アーム本体に前記爪部材(47,67)を揺動可能に支持するとともに、前記アーム本体に対して前記爪部材(47,67)をその揺動軸(46d,66d)と直交する方向で変位可能とする爪変位機構(53,73)と、前記アーム本体に対して前記爪部材(47,67)をその揺動軸(46d,66d)回りに付勢する爪付勢機構(52,72)と、を有し、前記両ラチェット機構(45,65)のそれぞれは、前記ラチェットアーム(46,66)が前記揺動ロック機構(42A)又は前記車輪ロック機構(63A)をロック状態に作動させる側に揺動する前、及び前記ラチェットアーム(46,66)への操作入力による前記揺動の最中には、前記爪付勢機構(52,72)により前記爪部材(47,67)を前記ベース部材(48,68)に噛み込ませる側に付勢し、前記ラチェットアーム(46,66)が前記揺動ロック機構(42A)又は前記車輪ロック機構(63A)をロック状態に作動させた揺動位置で前記操作入力が解除された後には、前記爪部材(47,67)が前記ベース部材(48,68)に噛み込んだままで、前記爪変位機構(53,73)により前記爪部材(47,67)がその揺動軸(46d,66d)と直交する方向で変位して、前記爪付勢機構(52,72)による爪部材(47,67)の付勢方向を反転させ、この状態で再度、前記ラチェットアーム(46,66)に前記操作入力がなされると、前記爪付勢機構(52,72)により前記爪部材(47,67)の噛み込みが解除されることを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、ロック操作子を操作して揺動ロック機構のロック状態を解除することなく、車輪ロック解除操作子の操作により車輪ロック機構のロック状態のみを一時的に解除することが可能となる。このため、車両の押し歩き時等に車体の倒れを支えることなく動かすことができ、車両の取り回しの煩わしさを軽減して使い勝手を向上させることができる。
請求項2に記載した発明によれば、電気的な接続により各機構を作動させる場合と比べてアクチュエータ等が不要になり、重量及びコストの低減を図ることができる。なお、「機械的に接続」とは、電気的な指令を介した接続ではなく、ワイヤケーブルや液圧等を介して操作力を直接伝達する接続を意味する。
請求項3に記載した発明によれば、運転者が車輪ロック解除操作子を降車状態で操作し易くなり、使い勝手を向上させることができる。
請求項4に記載した発明によれば、押し歩き時に操作し易く、使い勝手をより向上させることができる。
請求項5に記載した発明によれば、ロック操作子の単一の操作により、イコライザー機構を介して両ラチェット機構を均等に作動させることで、揺動ロック機構及び車輪ロック機構を簡単にロック状態に作動させることができる。また、両ロック機構のロック状態で車輪ロック解除操作子を操作することで、両ラチェット機構の爪部材の噛み込みを維持したままで、車輪ロック機構のロック状態のみを一時的に解除することができる。
請求項6に記載した発明によれば、ロック操作子の操作により両ラチェット機構のラチェットアームを揺動させ、これらの爪部材をベース部材に噛み込ませた後、ロック操作子によるラチェットアームへの操作入力を解除すれば、揺動ロック機構及び車輪ロック機構がロック状態に維持される。また、この状態から再度ロック操作子を同様に操作し、再度ラチェットアームに操作入力がなされると、爪部材の付勢方向が反転していることから、爪部材とベース部材との噛み込みによる面圧の解除に伴い、爪部材がベース部材との噛み込みを解除する側へ揺動する。このように、ロック操作子の一操作の繰り返しにより、両ロック機構のロック状態への作動及びその解除を簡単に行うことができる。
本発明の実施形態における揺動式車両の概略を示す左側面図である。 上記前二輪懸架装置の上下揺動軸に沿う前面図であり、(a)は車体の直立時、(b)は車体の左揺動時、(c)は車体の右揺動時をそれぞれ示す。 上記揺動式車両のパーキングロック連動機構の説明図であり、パーキングレバーを操作する前の説明図である。 (a)は図3の揺動側ラチェット機構の拡大説明図、(b)は図3の車輪側ラチェット機構の拡大説明図である。 図3からパーキングブレーキを操作した後の説明図である。 図5から車輪ロック解除レバーを操作した状態の説明図である。 上記車輪側ラチェット機構の第一説明図である。 上記ラチェット機構の第二説明図である。 上記ラチェット機構の第三説明図である。 上記ラチェット機構の第四説明図である。 上記揺動式車両のリヤアシストグリップの左側面図である。 図11のXII矢視図である。 実施形態の変形例を示す構成図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また、以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UPが示されている。
図1に示す揺動式車両1は、車体前部に左右一対の前輪(操舵輪)2を左右対称に備えるとともに、車体後部の左右中央に単一の後輪(駆動輪)3を備え、左右前輪2を路面Rに接地させた状態で車体を左右揺動(ローリング動)可能にした三輪の鞍乗り型車両として構成される。
なお、前記鞍乗り型車両とは、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般を含む概念であり、自動二輪車、自動三輪車(前二輪かつ後一輪の他、前一輪かつ後二輪も含む)等を含む。
揺動式車両1の車体フレーム5は、車体前部上側の左右中央でバータイプの操向ハンドル11を支持するヘッドパイプ12と、ヘッドパイプ12から後下がりに後方へ延びる左右メインフレーム13と、左右メインフレーム13の前端部からより急傾斜で後下方へ延びる左右ダウンフレーム14と、左右ダウンフレーム14から前上がりに延びてヘッドパイプ12の下方にロアアームブラケット15を支持する左右フロントロアフレーム16と、ヘッドパイプ12及びロアアームブラケット15を含むフレーム前端部に支持されてこれらの前方に前二輪懸架装置4を支持する前懸架フレーム体20と、左右メインフレーム13の後端部から下方に延びる左右ピボットフレーム18と、左右ピボットフレーム18の上部から後上がりに延びる左右シートフレーム19と、を備える。
メインフレーム13の下方には、揺動式車両1の原動機であるエンジン(内燃機関)6が搭載される。エンジン6の動力で駆動される後輪3は、スイングアーム7の後端部に支持される。スイングアーム7の前端部は、左右ピボットフレーム18に上下揺動可能に支持される。左右シートフレーム19上には、乗員着座用のシート9が支持される。
図2を併せて参照し、前懸架フレーム体20は、ヘッドパイプ12の前方に離間して上下に延びるフロントサブフレーム23を有する。フロントサブフレーム23の上部には、前二輪懸架装置4における左右一体のアッパーアーム24の左右中央を貫通する上揺動軸25の前端部が支持される。フロントサブフレーム23の下部には、前二輪懸架装置4における左右別体の左右ロアアーム26L,26Rの左右内側端部を貫通する左右の下揺動軸27L,27Rの前端部が支持される。
アッパーアーム24及び左右ロアアーム26L,26Rの左右外側端部には、左右前輪2を独立して懸架する左右フロントフォークユニット28L,28Rの上部が、左右操舵軸(キングピン軸)29L,29Rを介して操舵可能に支持される。図2(a)中符号CLは車体左右中心線を示す。
前二輪懸架装置4は、左右前輪2を接地させたままで、車体フレーム5、エンジン6及び後輪3等を含む車体本体(以下、単に車体という。)を左右揺動可能とし、かつ車体の左右揺動に合わせて左右フロントフォークユニット28L,28R及び左右前輪2を左右揺動させる。逆に、前二輪懸架装置4は、車体に対して左右フロントフォークユニット28L,28R及び左右前輪2を互い違いに上下動させる。
アッパーアーム24上には、これを左右に跨ぐように設けられた支持フレーム体31が固定される。支持フレーム体31は、前面視で上方に凸のV字形状をなし、その左右下端部がアッパーアーム24の左右外側部上に締結固定される。
図1を参照し、支持フレーム体31の上端部には、シリンダ式のスプリング装置(揺動反力発生装置)35の上端部が連結される。スプリング装置35の下端部は、フロントサブフレーム23の上下中間部に連結される。
スプリング装置35は、車体が直立状態から左右に揺動したときには、最伸長状態から短縮するようにストロークする。このときのスプリング装置35が伸長しようとする力が、車体を直立状態に戻そうとする復元力となり、かつ車体のローリング動に対する反力となる。支持フレーム体31には、車体の揺動エネルギーを減衰するための揺動ダンパー(揺動減衰装置)38がさらに支持される。
図1、図2を参照し、支持フレーム体31の後部には、車体フレーム5に対するアッパーアーム24の揺動軌跡に沿うように、前面視で円弧状に延びるロックプレート41が固定される。ロックプレート41は、上下揺動軸25,27L,27Rの軸方向と直交する板状をなし、このロックプレート41の上端位置には、ロックプレート41を厚さ方向で挟圧可能な揺動ロックキャリパ42が配置される。揺動ロックキャリパ42は、車体フレーム5の前端部上に支持される。ロックプレート41及び揺動ロックキャリパ42は、車体の左右揺動をロック可能な揺動ロック機構42Aを構成する。
図3を併せて参照し、揺動ロックキャリパ42はケーブル式であり、例えば車体前部左側に配置された操作ボックス43から延びる第一操作ケーブル44の一端が連結される。第一操作ケーブル44の他端は、操作ボックス43内の揺動側ラチェット機構45の揺動側ラチェットアーム46に連結される。
ここで、図1を参照し、後輪3の側方(左側)には、ブレーキディスク61及びブレーキキャリパ62による後輪ブレーキ(走行用ブレーキ)60が構成される。ブレーキキャリパ62は、例えばスイングアーム7の後端部上方に支持される。一方、スイングアーム7の後端部下方には、車輪ロックキャリパ63が支持される。ブレーキディスク61及び車輪ロックキャリパ63は、パーキングブレーキとして後輪3の回転をロック可能な車輪ロック機構63Aを構成する。
図3を併せて参照し、車輪ロックキャリパ63はケーブル式であり、操作ボックス43から延びる第二操作ケーブル64の一端が連結される。第二操作ケーブル64の他端は、操作ボックス43内の車輪側ラチェット機構65の車輪側ラチェットアーム66に連結される。
両ラチェット機構45,65の各ラチェットアーム46,66には、イコライザー機構81を介してパーキングレバー43aが連結される。パーキングレバー43aは、例えば図3中左回り方向(図5中矢印F0方向)に回動する操作(ロック操作)がなされることで、揺動ロックキャリパ42を作動させてロックプレート41を挟圧し、車体の左右揺動をロック(制止)するとともに、車輪ロックキャリパ63を作動させてブレーキディスク61を挟圧し、後輪3の回転をロック(制止)する。
図3を参照し、操作ボックス43内の両ラチェット機構45,65及びイコライザー機構81は、単一のパーキングレバー43aの操作により揺動ロック機構42A及び車輪ロック機構63Aを連動して作動させるパーキングロック連動機構80を構成する。
具体的には、パーキングロック連動機構80は、揺動ロック機構42Aをロック状態(車体の左右揺動を制止した状態)に作動させるとともにこの作動状態を保持する揺動側ラチェット機構45と、車輪ロック機構63Aをロック状態(後輪3の回転を制止した状態)に作動させるとともにこの作動状態を保持する車輪側ラチェット機構65と、両ラチェット機構45,65をイコライザーアーム82の両端部にそれぞれ連結するとともにイコライザーアーム82の中間部を単一のパーキングレバー43aに中間リンクアーム82cを介して連結するイコライザー機構81と、を備える。
揺動側ラチェット機構45は、イコライザーアーム82の一端部に第一リンクアーム82aを介して連結されるとともに揺動ロック機構42Aの揺動ロックキャリパ42に第一操作ケーブル44を介して連結される揺動側ラチェットアーム46と、揺動側ラチェットアーム46を揺動可能に支持するとともに操作ボックス43におけるパーキングロック連動機構80を支持するフレーム(不図示)に固定的に支持される揺動側ベース部材48と、を備える。
揺動側ラチェットアーム46は、例えばパーキングレバー43aのレバー揺動軸43bと平行なアーム揺動軸46bを介して、その軸方向視で直線状に延びるアーム本体46aの一端部を揺動側ベース部材48に揺動可能に連結する。アーム本体46aの他端側には、アーム揺動軸46bと平行な爪揺動軸46dを介して爪部材47が揺動可能に支持される。揺動側ラチェットアーム46のアーム本体46aにおいては、図中右回りの揺動方向(図5中矢印F1方向)が揺動ロック機構42Aをロック状態とする側の作動方向(以下、ロック方向という。)であり、図中左回りの揺動方向が前記ロック状態を解除する側の作動方向(以下、ロック解除方向という。)である。
アーム本体46aの中間部には、例えば引張りコイルバネ49の一端が係止される。引張りコイルバネ49の他端は揺動側ベース部材48に係止され、この引張りコイルバネ49がアーム本体46aをロック解除方向に付勢する。アーム本体46aは、引張りコイルバネ49に付勢された状態で、揺動側ベース部材48に固設したストッパ片48a(図4(a)参照)に当接して停止する。この状態が、揺動側ラチェットアーム46における揺動ロック機構42Aをロック状態に作動させる前の初期状態となる。
図4(a)を併せて参照し、爪部材47は、例えばアーム本体46aに固設した爪揺動軸46dを長軸方向で変位可能に挿通する楕円状の挿通孔47bを形成する基部47cと、前記長軸方向で基部47cの一端から延びてその揺動側ベース部材48側の側縁に爪47aを突設する係止部47dと、基部47cの他端側の側縁から前記長軸方向に対して傾斜して揺動側ベース部材48から離間する側に延びてトーションコイルバネ51の一方のコイル端51aを係止するバネ係止部47eと、を有する。
バネ係止部47eは概略C字状をなすように切り欠かれ、その切り欠き奥の凹部47fにトーションコイルバネ51の一方のコイル端51aが係止される。トーションコイルバネ51の他方のコイル端51bは、アーム本体46aの他端側の末端の係止孔46eに係止される。トーションコイルバネ51、凹部47f及び係止孔46eは、爪部材47をアーム本体46aに対して爪揺動軸46d回りに付勢する爪付勢機構52を構成する。爪部材47及び挿通孔47bは、爪部材47をアーム本体46aに対してアーム本体46aの揺動軌跡に沿うように変位可能とする爪変位機構53を構成する。
ここで、本実施形態では、両ラチェット機構45,65は概ね対称又は共通の構成を有しており、本段落では、車輪側ラチェット機構65を示す図7〜図10を援用して揺動側ラチェット機構45の説明を行う(図7〜図10の符号を括弧書きで記す。)。
図7を参照し、爪揺動軸46d(66d)の軸方向視において、トーションコイルバネ51(71)の一方のコイル端51a(71a)は、挿通孔47b(67b)と爪揺動軸46d(66d)との相対変位により、爪揺動軸46d(66d)の軸心とトーションコイルバネ51(71)の他方のコイル端51b(71b)とを結ぶ直線T1に対し、係止部47d(67d)側に位置する状態(図7、図8参照)とその反対側に位置する状態(図9、図10参照)とを切り替える。前者の状態では、トーションコイルバネ51(71)の付勢力は爪47a(67a)を揺動側ベース部材48(68)に噛み込ませる側に作用し、後者の状態では、トーションコイルバネ51(71)の付勢力は爪47a(67a)を揺動側ベース部材48(68)から離間させる側に作用する。アーム本体46a(66a)には、爪部材47(67)における爪47a(67a)を歯部48b(68b)から離間させる側への揺動を停止させるべく、バネ係止部47e(67e)の側縁から突出する凸部47g(67g)を当接させる爪ストッパ46f(66f)が設けられる。
図4(a)を参照し、揺動側ベース部材48は、揺動側ラチェットアーム46が揺動ロック機構42Aをロック状態とするまで図中右回り方向(ロック方向、図5中矢印F1方向)に揺動した際に爪部材47の爪47aを噛み込ませる歯部48bと、揺動側ラチェットアーム46が図中左回り方向(ロック解除方向)に揺動しきった前記「初期状態」で爪部材47の係止部47dを入り込ませる切り欠き部48cと、を有する。
歯部48bは、揺動側ラチェットアーム46が揺動ロック機構42Aをロック状態とする通常のロック揺動位置を越えてさらにロック方向に揺動しても、爪部材47を噛み込み可能とするべく、揺動側ラチェットアーム46のある程度の揺動範囲に亘って形成される。切り欠き部48cのロック解除方向側には、揺動側ラチェットアーム46が前記「初期状態」に戻る際に爪部材47の係止部47dを切り欠き部48c内に案内するガイド壁48dが立設される。
再び図3を参照し、車輪側ラチェット機構65は、イコライザーアーム82の他端部に第二リンクアーム82bを介して連結されるとともに車輪ロック機構63Aの車輪ロックキャリパ63に第二操作ケーブル64を介して連結される車輪側ラチェットアーム66と、車輪側ラチェットアーム66を揺動可能に支持するとともに前記フレームに車輪側ラチェットアーム66と同軸に揺動可能に支持される車輪側ベース部材68と、を備える。前述のように、本実施形態では、両ラチェット機構45,65は概ね対称又は共通の構成を有している。
車輪側ラチェットアーム66は、例えばパーキングレバー43aのレバー揺動軸43bと平行なアーム揺動軸66bを介して、その軸方向視で直線状に延びるアーム本体66aの一端部を車輪側ベース部材68に揺動可能に連結する。アーム本体66aの他端側には、アーム揺動軸66bと平行な爪揺動軸66dを介して爪部材67が揺動可能に支持される。車輪側ラチェットアーム66のアーム本体66aにおいては、図中左回りの揺動方向(図5中矢印F2方向)が車輪ロック機構63Aをロック状態とする側の作動方向(以下、ロック方向という。)であり、図中右回りの揺動方向が前記ロック状態を解除する側の作動方向(以下、ロック解除方向という。)である。
アーム本体66aの中間部には、例えば引張りコイルバネ69の一端が係止される。引張りコイルバネ69の他端は車輪側ベース部材68に係止され、この引張りコイルバネ69がアーム本体66aをロック解除方向に付勢する。アーム本体66aは、引張りコイルバネ69に付勢された状態で、車輪側ベース部材68に固設したストッパ片68a(図4(b)参照)に当接して停止する。この状態が、車輪側ラチェットアーム66における車輪ロック機構63Aをロック状態に作動させる前の初期状態となる。
図4(b)を併せて参照し、爪部材67は、例えばアーム本体66aに固設した爪揺動軸66dを長軸方向で変位可能に挿通する楕円状の挿通孔67bを形成する基部67cと、前記長軸方向で基部67cの一端から延びてその車輪側ベース部材68側の側縁に爪67aを突設する係止部67dと、基部67cの他端側の側縁から前記長軸方向に対して傾斜して車輪側ベース部材68から離間する側に延びてトーションコイルバネ71の一方のコイル端71aを係止するバネ係止部67eと、を有する。
バネ係止部67eは概略C字状をなすように切り欠かれ、その切り欠き奥の凹部67fにトーションコイルバネ71の一方のコイル端71aが係止される。トーションコイルバネ71の他方のコイル端71bは、アーム本体66aの他端側の末端の係止孔66eに係止される。トーションコイルバネ71、凹部67f及び係止孔66eは、爪部材67をアーム本体66aに対して爪揺動軸66d回りに付勢する爪付勢機構72を構成する。爪部材67及び挿通孔67bは、爪部材67をアーム本体66aに対してアーム本体66aの揺動軌跡に沿うように変位可能とする爪変位機構73を構成する。
図7を参照し、爪揺動軸66dの軸方向視において、トーションコイルバネ71の一方のコイル端71aは、挿通孔67bと爪揺動軸66dとの相対変位により、爪揺動軸66dの軸心とトーションコイルバネ71の他方のコイル端71bとを結ぶ直線T1に対し、係止部67d側に位置する状態(図7、図8参照)とその反対側に位置する状態(図9、図10参照)とを切り替える。前者の状態では、トーションコイルバネ71の付勢力は爪67aを車輪側ベース部材68に噛み込ませる側に作用し、後者の状態では、トーションコイルバネ71の付勢力は爪67aを車輪側ベース部材68から離間させる側に作用する。アーム本体66aには、爪部材67における爪67aを歯部68bから離間させる側への揺動を停止させるべく、バネ係止部67eの側縁から突出する凸部67gを当接させる爪ストッパ66fが設けられる。
図4(b)を参照し、車輪側ベース部材68は、車輪側ラチェットアーム66が車輪ロック機構63Aをロック状態とするまで図中左回り方向(ロック方向、図5中矢印F2方向)に揺動した際に爪部材67の爪67aを噛み込ませる歯部68bと、車輪側ラチェットアーム66が図中右回り方向(ロック解除方向)に揺動しきった前記「初期状態」で爪部材67の係止部67dを入り込ませる切り欠き部68cと、を有する。
歯部68bは、車輪側ラチェットアーム66が車輪ロック機構63Aをロック状態とする通常のロック揺動位置を越えてさらにロック方向に揺動しても、爪部材67を噛み込み可能とするべく、車輪側ラチェットアーム66のある程度の揺動範囲に亘って形成される。切り欠き部68cのロック解除方向側には、車輪側ラチェットアーム66が前記「初期状態」に戻る際に爪部材67の係止部67dを切り欠き部68c内に案内するガイド壁68dが立設される。
以下、図7〜図10を参照し、車輪側ラチェット機構65の作用について説明するが、特に記載が無ければ揺動側ラチェット機構45の作用も同様とする。
まず、図7を参照し、車輪側ラチェットアーム66が車輪ロック機構63Aを作動させる前の前記「初期状態」にあるときには、車輪側ベース部材68の切り欠き部68cに爪部材67の係止部67dが入り込み、かつトーションコイルバネ71が爪部材67を車輪側ベース部材68に向けて付勢する。このとき、トーションコイルバネ71の両コイル端71a,71bを結ぶ直線T2と前記直線T1との角度は、爪部材67の係止部67dが切り欠き部68cから抜け出たとき(図8参照)よりも大きい。トーションコイルバネ71の付勢方向は両コイル端71a,71bの離間方向であり、前記両直線T1,T2間の角度が大きい方が爪部材67を揺動させる付勢力は大きくなる。
次いで、図8を参照し、車輪側ラチェットアーム66がロック方向に揺動する最中には、爪部材67と車輪側ベース部材68との間の摺動抵抗等により、爪変位機構73が許容する分だけ爪部材67がアーム本体66aに対してロック解除方向(矢印F2と反対方向)に変位する。このとき、車輪側ラチェットアーム66は前記「前者の状態」となり、爪部材67が車輪側ベース部材68に噛み込む側に付勢される。この付勢力は前記「初期状態」の付勢力よりも小さく、爪67aが歯部68bの各歯を乗り越える際の抵抗を抑える。
次いで、図9を参照し、爪67aが歯部68bに噛み込み可能な位置でパーキングレバー43aのロック操作を終了すれば、その時点で爪部材67は爪67aをベース部材の歯部68bに噛み込ませて停止する。一方、アーム本体66aは、引張りコイルバネ69の付勢力により、爪変位機構73が許容する分だけ爪部材67に対してロック解除方向(図中矢印R2方向)に揺動する。このとき、車輪側ラチェットアーム66が前記「後者の状態」となり、爪部材67が車輪側ベース部材68から離間する側に付勢される。この付勢力は前記「初期状態」の付勢力よりも小さく、爪67aが歯部68bに噛み込んだ状態ではその面圧に勝って爪部材67を揺動させることはない。
次いで、図10を参照し、再度パーキングレバー43aのロック操作がなされて車輪側ラチェットアーム66がロック方向(矢印F2方向)に揺動すると、爪67aの歯部68bへの噛み込みによるフリクションが解除されることで、爪部材67がトーションコイルバネ71の付勢力により爪67aを歯部68bから離間させる側(図中矢印Rt方向)に揺動する。
その後、パーキングレバー43aひいて車輪側ラチェットアーム66への操作入力を解除すれば、車輪側ラチェットアーム66は前記「後者の状態」のままロック解除方向へ揺動する。これにより、車輪ロック機構63Aがロック作動前の状態に戻される。
車輪側ラチェットアーム66がロック解除方向へ揺動する際、車輪側ベース部材68から離間する側に揺動した爪部材67は、切り欠き部68cのロック解除方向側に起立したガイド壁68dに係止部67dの先端を摺接させることで、車輪側ベース部材68側へ揺動して係止部67dを切り欠き部68c内に入り込ませる。これにより、車輪側ラチェットアーム66が前記「前者の状態」となった前記「初期状態」に戻される。
以下、車輪側ラチェット機構65について再度説明する。
図4(b)を参照し、車輪側ベース部材68は、前記フレームに対して車輪側ラチェットアーム66のアーム揺動軸66b回りに揺動可能に支持される。車輪側ベース部材68には、例えば引張りコイルバネ75が係止される。引張りコイルバネ75は、車輪側ベース部材68を前記フレームに対して図中左回り方向(ロック方向)に付勢する。車輪側ベース部材68は、引張りコイルバネ75に付勢された状態で、前記フレームに固設したストッパ片75aに当接して停止する。
車輪側ベース部材68には、車輪ロック解除レバー78に至る第三操作ケーブル76の一端を係止するケーブル係止部77が設けられる。車輪ロック解除レバー78は、所定の操作により引張りコイルバネ75の付勢力に抗して車輪側ベース部材68を図中右回り方向(ロック解除方向、図6中矢印F3方向)に揺動させる。これにより、車輪側ラチェットアーム66が車輪側ベース部材68に噛み込んだ状態のまま図6中右回り方向(矢印R2方向)に揺動し、車輪ロック解除レバー78の操作中に限り車輪ロック機構63Aのロック状態のみが解除され、車体の押し歩き等の取り回しが可能となる。
図1を参照し、左右シートフレーム19の後端部上には、左右リヤアシストグリップ84が取り付けられる。左右リヤアシストグリップ84は、シート9の前部である運転者の着座位置9aよりも後方に位置する。左リヤアシストグリップ84は、揺動式車両1の押し歩き時等に把持されるが、この左リヤアシストグリップ84に、車輪ロック解除レバー78が配置される。
図11、図12を参照し、車輪ロック解除レバー78は、略水平な把持部を有する左リヤアシストグリップ84に対し、その車幅方向内側に形成された凹部84a内に整合するように設けられる。車輪ロック解除レバー78は、その前端部が左リヤアシストグリップ84の前端部にグリップ内揺動軸78aを介して支持され、後端側が左リヤアシストグリップ84の把持部の下方に張り出すように設けられる。
車輪ロック解除レバー78の前端側には、第三操作ケーブル76の他端が係止されるとともに、車輪ロック解除レバー78を左リヤアシストグリップ84の把持部内に張り出すように付勢する引張りコイルバネ85が係止される。この引張りコイルバネ85の付勢力に抗して車輪ロック解除レバー78を左リヤアシストグリップ84の凹部84a内に収めるように揺動させることで、第三操作ケーブル76を介して車輪側ベース部材68を揺動させ、車輪ロック機構63Aのロック状態のみを解除することが可能となる。車輪ロック解除レバー78の揺動は、左リヤアシストグリップ84を把持する動作で簡単に行うことができる。
一方、車輪ロック解除レバー78及び左リヤアシストグリップ84の間には、車輪ロック解除レバー78の揺動を規制するストッパ機構86が設けられる。ストッパ機構86は、凹部84a内側のピストン穴87aに出没可能に保持されるとともにコイルバネ87bにより車幅方向内側に向けて付勢されるプランジャ87と、車輪ロック解除レバー78の後端部でプランジャ87の突出端を整合状態で入り込ませるロック孔88と、車輪ロック解除レバー78の後端部でロック孔88の車幅方向内側に保持されて車幅方向内側から押下される操作ボタン89と、を有する。
操作ボタン89を押下しない状態では、プランジャ87がピストン穴87aとロック孔88とに跨って配置され、車輪ロック解除レバー78の揺動すなわち車輪ロック機構63Aのロック解除操作が不能となる。これに対し、左リヤアシストグリップ84の把持と併せて操作ボタン89を押下することで、プランジャ87がロック孔88から離脱し、車輪ロック解除レバー78の揺動すなわち車輪ロック機構63Aのロック解除操作が可能となる。
以上説明したように、上記実施形態における揺動式車両1は、車体前部に左右一対の前輪2を備えるとともに、前記左右一対の前輪2を接地させた状態でこれらを車体の左右の揺動に合わせて左右に揺動させる前二輪懸架装置4と、前記車体の左右の揺動を規制する揺動ロック機構42Aと、後輪3を停止状態に維持する車輪ロック機構63Aと、パーキングレバー43aの操作によって前記揺動ロック機構42A及び前記車輪ロック機構63Aを連動させてロック状態にするパーキングロック連動機構80と、を備えるものにおいて、前記パーキングレバー43aとは別に、前記車輪ロック機構63Aのロック状態のみを解除するための車輪ロック解除レバー78をさらに備えるものである。
この構成によれば、パーキングレバー43aを操作して揺動ロック機構42Aのロック状態を解除することなく、車輪ロック解除レバー78の操作により車輪ロック機構63Aのロック状態のみを一時的に解除することが可能となる。このため、車両の押し歩き時等に車体の倒れを支えることなく動かすことができ、車両の取り回しの煩わしさを軽減して使い勝手を向上させることができる。
また、上記揺動式車両1は、前記パーキングロック連動機構80と前記揺動ロック機構42A及び前記車輪ロック機構63Aとが機械的に接続されることで、電気的な接続により各機構を作動させる場合と比べてアクチュエータ等が不要になり、重量及びコストの低減を図ることができる。
また、上記揺動式車両1は、前記車輪ロック解除レバー78は、運転者の着座位置9aよりも後方に配置されることで、運転者が車輪ロック解除レバー78を降車状態で操作し易くなり、使い勝手を向上させることができる。
また、上記揺動式車両1は、車輪ロック解除レバー78は、リヤアシストグリップ84に配置されることで、押し歩き時に操作し易く、使い勝手をより向上させることができる。
また、上記揺動式車両1は、前記パーキングロック連動機構80は、前記揺動ロック機構42Aをロック状態に作動させる揺動側ラチェット機構45と、前記車輪ロック機構63Aをロック状態に作動させる車輪側ラチェット機構65と、前記両ラチェット機構45,65をイコライザーアーム82の両端部にそれぞれ連結するとともに前記イコライザーアーム82の中間部に前記パーキングレバー43aを連結するイコライザー機構81と、を備え、前記両ラチェット機構45,65のそれぞれは、前記パーキングレバー43aの操作により前記イコライザー機構81を介して揺動し、前記揺動ロック機構42A又は前記車輪ロック機構63Aをロック状態に作動させるとともに、爪部材47,67を揺動可能に支持するラチェットアーム46,66と、前記ラチェットアーム46,66を揺動可能に支持するとともに、前記ラチェットアーム46,66が前記揺動ロック機構42A又は前記車輪ロック機構63Aをロック状態に作動させた揺動位置で爪部材47,67を噛み込ませて、前記ラチェットアーム46,66の揺動を停止させるベース部材48,68と、を備え、前記車輪側ラチェット機構65は、前記ベース部材68を前記ラチェットアーム66と一体的に揺動可能とし、このベース部材68に前記車輪ロック解除レバー78を連結し、前記車輪ロック解除レバー78の操作により、前記ベース部材68を前記ラチェットアーム66と一体的に前記車輪ロック機構63Aのロック状態を解除する側に揺動させるものである。
この構成によれば、パーキングレバー43aの単一の操作により、イコライザー機構81を介して両ラチェット機構45,65を均等に作動させることで、揺動ロック機構42A及び車輪ロック機構63Aを簡単にロック状態に作動させることができる。また、両ロック機構42A,63Aのロック状態で車輪ロック解除レバー78を操作することで、両ラチェット機構45,65の爪部材47,67の噛み込みを維持したままで、車輪ロック機構63Aのロック状態のみを一時的に解除することができる。
また、上記揺動式車両1は、前記両ラチェット機構45,65のラチェットアーム46,66のそれぞれは、アーム本体46a,66aに前記爪部材47,67を揺動可能に支持するとともに、前記アーム本体46a,66aに対して前記爪部材47,67をその爪揺動軸46d,66dと直交する方向で変位可能とする爪変位機構53,73と、前記アーム本体46a,66aに対して前記爪部材47,67をその爪揺動軸46d,66d回りに付勢する爪付勢機構52,72と、を有し、前記両ラチェット機構45,65のそれぞれは、前記ラチェットアーム46,66が前記揺動ロック機構42A又は前記車輪ロック機構63Aをロック状態に作動させる側に揺動する前、及び前記ラチェットアーム46,66への操作入力による前記揺動の最中には、前記爪付勢機構52,72により前記爪部材47,67を前記ベース部材48,68に噛み込ませる側に付勢し、前記ラチェットアーム46,66が前記揺動ロック機構42A又は前記車輪ロック機構63Aをロック状態に作動させた揺動位置で前記操作入力が解除された後には、前記爪部材47,67が前記ベース部材48,68に噛み込んだままで、前記爪変位機構53,73により前記爪部材47,67がその爪揺動軸46d,66dと直交する方向で変位して、前記爪付勢機構52,72による爪部材47,67の付勢方向を反転させ、この状態で再度、前記ラチェットアーム46,66に前記操作入力がなされると、前記爪付勢機構52,72により前記爪部材47,67の噛み込みが解除されるものである。
この構成によれば、パーキングレバー43aの操作により両ラチェット機構45,65のラチェットアーム46,66を揺動させ、これらの爪部材47,67をベース部材48,68に噛み込ませた後、パーキングレバー43aによるラチェットアーム46,66への操作入力を解除すれば、揺動ロック機構42A及び車輪ロック機構63Aがロック状態に維持される。また、この状態から再度パーキングレバー43aを同様に操作し、再度ラチェットアーム46,66に操作入力がなされると、爪部材47,67の付勢方向が反転していることから、爪部材47,67とベース部材48,68との噛み込みによる面圧の解除に伴い、爪部材47,67がベース部材48,68との噛み込みを解除する側へ揺動する。このように、パーキングレバー43aの一操作の繰り返しにより、両ロック機構42A,63Aのロック状態への作動及びその解除を簡単に行うことができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、車両ロック機構は、後輪をロックするものに限らず全車輪の内の少なくとも一つをロックするものでよく、ブレーキキャリパを作動させるものでもよく、ブレーキディスクを用いず車軸に爪を係止する等により車輪をロックするものでもよい。
また、例えば図13に示す如く揺動ロック機構42A及び車輪ロック機構63Aとロック操作子及び車輪ロック解除操作子とが電気的に接続される構成でもよい。すなわち、所定箇所に設けられたロック操作子としてのスイッチSW1及び車輪ロック解除操作子としてのスイッチSW2が、ECUを介して揺動ロック機構42A側のアクチュエータ42B及び車輪ロック機構63A側のアクチュエータ63Bを制御する構成でもよい。
なお、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1 揺動式車両
2 前輪(車輪)
3 後輪(車輪)
4 前二輪懸架装置(揺動機構)
9a 着座位置
42A 揺動ロック機構
43a パーキングレバー(ロック操作子)
45 揺動側ラチェット機構
46 揺動側ラチェットアーム(ラチェットアーム)
46a アーム本体
46d 爪揺動軸(揺動軸)
47 爪部材
48 揺動側ベース部材(ベース部材)
52 爪付勢機構
53 爪変位機構
63A 車輪ロック機構
65 車輪側ラチェット機構
66 車輪側ラチェットアーム(ラチェットアーム)
66a アーム本体
66d 爪揺動軸(揺動軸)
67 爪部材
68 車輪側ベース部材(ベース部材)
72 爪付勢機構
73 爪変位機構
78 車輪ロック解除レバー(車輪ロック解除操作子)
80 パーキングロック連動機構(連動機構)
81 イコライザー機構
82 イコライザーアーム
84 リヤアシストグリップ

Claims (6)

  1. 車体前後の少なくとも一方に左右一対の車輪(2)を備えるとともに、
    前記左右一対の車輪(2)を接地させた状態でこれらを車体の左右の揺動に合わせて左右に揺動させる揺動機構(4)と、
    前記車体の左右の揺動を規制する揺動ロック機構(42A)と、
    少なくとも一つの車輪(3)を停止状態に維持する車輪ロック機構(63A)と、
    ロック操作子(43a)の操作によって前記揺動ロック機構(42A)及び前記車輪ロック機構(63A)を連動させてロック状態にする連動機構(80)と、を備えた揺動式車両(1)において、
    前記ロック操作子(43a)とは別に、前記車輪ロック機構(63A)のロック状態のみを解除するための車輪ロック解除操作子(78)をさらに備えることを特徴とする揺動式車両。
  2. 前記連動機構(80)と前記揺動ロック機構(42A)及び前記車輪ロック機構(63A)とが機械的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の揺動式車両。
  3. 前記車輪ロック解除操作子(78)は、運転者の着座位置(9a)よりも後方に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の揺動式車両。
  4. 車輪ロック解除操作子(78)は、リヤアシストグリップ(84)に配置されることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の揺動式車両。
  5. 前記連動機構(80)は、前記揺動ロック機構(42A)をロック状態に作動させる揺動側ラチェット機構(45)と、前記車輪ロック機構(63A)をロック状態に作動させる車輪側ラチェット機構(65)と、前記両ラチェット機構(45,65)をイコライザーアーム(82)の両端部にそれぞれ連結するとともに前記イコライザーアーム(82)の中間部に前記ロック操作子(43a)を連結するイコライザー機構(81)と、を備え、
    前記両ラチェット機構(45,65)のそれぞれは、
    前記ロック操作子(43a)の操作により前記イコライザー機構(81)を介して揺動し、前記揺動ロック機構(42A)又は前記車輪ロック機構(63A)をロック状態に作動させるとともに、爪部材(47,67)を揺動可能に支持するラチェットアーム(46,66)と、
    前記ラチェットアーム(46,66)を揺動可能に支持するとともに、前記ラチェットアーム(46,66)が前記揺動ロック機構(42A)又は前記車輪ロック機構(63A)をロック状態に作動させた揺動位置で爪部材(47,67)を噛み込ませて、前記ラチェットアーム(46,66)の揺動を停止させるベース部材(48,68)と、を備え、
    前記車輪側ラチェット機構(65)は、前記ベース部材(68)を前記ラチェットアーム(66)と一体的に揺動可能とし、このベース部材(68)に前記車輪ロック解除操作子(78)を連結し、前記車輪ロック解除操作子(78)の操作により、前記ベース部材(68)を前記ラチェットアーム(66)と一体的に前記車輪ロック機構(63A)のロック状態を解除する側に揺動させることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の揺動式車両。
  6. 前記両ラチェット機構(45,65)のラチェットアーム(46,66)のそれぞれは、アーム本体に前記爪部材(47,67)を揺動可能に支持するとともに、前記アーム本体に対して前記爪部材(47,67)をその揺動軸(46d,66d)と直交する方向で変位可能とする爪変位機構(53,73)と、前記アーム本体に対して前記爪部材(47,67)をその揺動軸(46d,66d)回りに付勢する爪付勢機構(52,72)と、を有し、
    前記両ラチェット機構(45,65)のそれぞれは、
    前記ラチェットアーム(46,66)が前記揺動ロック機構(42A)又は前記車輪ロック機構(63A)をロック状態に作動させる側に揺動する前、及び前記ラチェットアーム(46,66)への操作入力による前記揺動の最中には、前記爪付勢機構(52,72)により前記爪部材(47,67)を前記ベース部材(48,68)に噛み込ませる側に付勢し、
    前記ラチェットアーム(46,66)が前記揺動ロック機構(42A)又は前記車輪ロック機構(63A)をロック状態に作動させた揺動位置で前記操作入力が解除された後には、前記爪部材(47,67)が前記ベース部材(48,68)に噛み込んだままで、前記爪変位機構(53,73)により前記爪部材(47,67)がその揺動軸(46d,66d)と直交する方向で変位して、前記爪付勢機構(52,72)による爪部材(47,67)の付勢方向を反転させ、
    この状態で再度、前記ラチェットアーム(46,66)に前記操作入力がなされると、前記爪付勢機構(52,72)により前記爪部材(47,67)の噛み込みが解除されることを特徴とする請求項5に記載の揺動式車両。
JP2013273486A 2013-12-27 2013-12-27 揺動式車両 Pending JP2015127183A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013273486A JP2015127183A (ja) 2013-12-27 2013-12-27 揺動式車両

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013273486A JP2015127183A (ja) 2013-12-27 2013-12-27 揺動式車両

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015127183A true JP2015127183A (ja) 2015-07-09

Family

ID=53837394

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013273486A Pending JP2015127183A (ja) 2013-12-27 2013-12-27 揺動式車両

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015127183A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3150476A1 (en) * 2015-09-29 2017-04-05 Honda Motor Co., Ltd. Rocking vehicle
JP2017065379A (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 本田技研工業株式会社 揺動型車両
JP2018167678A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 本田技研工業株式会社 鞍乗り型車両の揺動ロック操作部構造
WO2018211973A1 (ja) * 2017-05-19 2018-11-22 ヤマハ発動機株式会社 リーン車両
JP2018538198A (ja) * 2015-12-28 2018-12-27 ピアッジオ エ チ.ソシエタ ペル アチオニ 回転モータ車両の前輪台車
WO2019044472A1 (ja) * 2017-09-04 2019-03-07 ヤマハ発動機株式会社 傾斜車両
US10493813B2 (en) * 2017-03-29 2019-12-03 Honda Motor Co., Ltd. Structure of rocking controller of saddle riding type vehicle
CN111959665A (zh) * 2020-09-22 2020-11-20 天津爱玛运动用品有限公司 用于三轮车的后摇摆锁止装置及三轮车
JP2022026353A (ja) * 2020-07-30 2022-02-10 カワサキモータース株式会社 前2輪型車両

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017065379A (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 本田技研工業株式会社 揺動型車両
JP2017065377A (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 本田技研工業株式会社 揺動型車両
EP3150476A1 (en) * 2015-09-29 2017-04-05 Honda Motor Co., Ltd. Rocking vehicle
JP2018538198A (ja) * 2015-12-28 2018-12-27 ピアッジオ エ チ.ソシエタ ペル アチオニ 回転モータ車両の前輪台車
JP7161403B2 (ja) 2015-12-28 2022-10-26 ピアッジオ エ チ.ソシエタ ペル アチオニ 回転モータ車両の前輪台車
JP2018167678A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 本田技研工業株式会社 鞍乗り型車両の揺動ロック操作部構造
US10493813B2 (en) * 2017-03-29 2019-12-03 Honda Motor Co., Ltd. Structure of rocking controller of saddle riding type vehicle
US10632811B2 (en) 2017-03-29 2020-04-28 Honda Motor Co., Ltd. Structure of rocking lock operation part of saddle riding type vehicle
US11358671B2 (en) 2017-05-19 2022-06-14 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Leaning vehicle
WO2018211973A1 (ja) * 2017-05-19 2018-11-22 ヤマハ発動機株式会社 リーン車両
WO2019044472A1 (ja) * 2017-09-04 2019-03-07 ヤマハ発動機株式会社 傾斜車両
US11136087B2 (en) 2017-09-04 2021-10-05 Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha Leaning vehicle
JP2022026353A (ja) * 2020-07-30 2022-02-10 カワサキモータース株式会社 前2輪型車両
JP7413182B2 (ja) 2020-07-30 2024-01-15 カワサキモータース株式会社 前2輪型車両
CN111959665A (zh) * 2020-09-22 2020-11-20 天津爱玛运动用品有限公司 用于三轮车的后摇摆锁止装置及三轮车

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2015127183A (ja) 揺動式車両
EP2251253B1 (en) Vehicle
JP4943994B2 (ja) ブレーキ装置、及び鞍乗型車両
US6367824B1 (en) Tricycle
EP0017480A2 (en) Three-wheeled vehicle parking apparatus
JP5364618B2 (ja) 車両用ブレーキロック装置及びそれを備えた鞍乗型車両
JP2000313318A (ja) 鞍乗型四輪車両のブレーキシステム
JP2006298087A (ja) 車両の牽引装置
JP5618949B2 (ja) 小型車両用スイングアーム
US11919604B2 (en) Leaning vehicle
JP5122537B2 (ja) 前輪操舵装置及び三輪車
US8851222B1 (en) Motorcycle
WO2014190757A1 (zh) 用脚控制、车身可倾斜三轮摩托车
WO2017056281A1 (ja) 鞍乗り型車両の連動ブレーキ装置
TW580471B (en) Vehicle body structure in saddle-riding type vehicle
JP2001278168A (ja) 車両用前後輪ブレーキ連動装置
US20230057719A1 (en) Leaning-Type Vehicle
JP4664886B2 (ja) 二輪車のブレーキ・スタンド連動装置
CN110573417B (zh) 跨骑型车辆的前后连动制动装置
JP2017159824A (ja) 自動二輪車のメインスタンド
JP6236485B2 (ja) 連動ブレーキ装置
JP6425349B2 (ja) 鞍乗り型車両の連動ブレーキ装置
JP2016155531A (ja) 自動二輪車
JPH08337131A (ja) 不整地走行車のチェンジ装置
WO2021100138A1 (ja) 鞍乗り型車両の連動ブレーキ装置