JP2015126848A - 災害対応バッグ - Google Patents
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Abstract
【課題】多目的に活用できる汎用性の高い災害対応バッグの提供。
【解決手段】本発明の災害対応バッグ1は、各種物品を収容可能な所定の空間を有する本体部2を有し、この本体部2は、その前面から上面を通って後面に至る両側面との境界部を線ファスナー3,3によって開閉自在に構成されている。また本体部2の前面2a側には、拡張シート7が連結されており、この拡張シート7には、その対辺を開閉自在な線ファスナー8が設けられている。この線ファスナー8により、拡張シート7を筒状に構成することができ、前記本体部2の線ファスナー3,3を操作して本体部2の前面2aだけを開口させれば、拡張シートから本体部に連通する有底袋状の構造を得ることができる。また、本体部2と拡張シート7には、それぞれ持ち手5a,9aが備えられている。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の災害対応バッグ1は、各種物品を収容可能な所定の空間を有する本体部2を有し、この本体部2は、その前面から上面を通って後面に至る両側面との境界部を線ファスナー3,3によって開閉自在に構成されている。また本体部2の前面2a側には、拡張シート7が連結されており、この拡張シート7には、その対辺を開閉自在な線ファスナー8が設けられている。この線ファスナー8により、拡張シート7を筒状に構成することができ、前記本体部2の線ファスナー3,3を操作して本体部2の前面2aだけを開口させれば、拡張シートから本体部に連通する有底袋状の構造を得ることができる。また、本体部2と拡張シート7には、それぞれ持ち手5a,9aが備えられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、災害が発生した時などに多目的に活用できる災害対応バッグに関する。
従来、災害対応バッグに類するものとしては、特許文献1に記載の防災用カバンや特許文献2に記載の救助用バッグが知られている。特許文献1に記載の防災用カバンは、カバンの2辺全部と1辺の一部がファスナーで開放できるようになったものであり、災害時にはファスナーで各辺を開放することにより防災頭巾に転用できるように構成したものである。また、特許文献2に記載の救助用バッグは、災害場所で用いる工具を収容しておく工具収納袋を、展開時に担架として用いるように構成したものである。
災害発生時などの非常時には、あまり多くの物品を持ち出すことが難しいことから、災害対策用品にはできるだけ多くの用途に転用できる機能が求められる。しかしながら、特許文献1に記載の防災用カバンおよび特許文献2に記載の救助用バッグの何れも、防災頭巾あるいは担架として使用しか想定されていないものであり、非常時の汎用性が非常に低いものであった。また、特許文献2の救助用バッグにおいては、担架として使用する場合に要救助者を乗せるための2次元平面しか提供することができず、担架で要救助者を運ぶために常に複数の要員を必要とする等の問題があった。
本発明は上述の課題を解決するべく、多目的に活用できる汎用性の高い災害対応バッグを提供することを目的とする。この目的を達成するために本発明は、常時は各種物品を収容可能な所定の空間を有する本体部を有し、この本体部にその前面から上面を通って後面までを開閉自在に構成する第1の開閉手段を設けるとともに、この本体部の前面側に連なって常時は本体部内に収納可能な拡張シートを連結し、この拡張シートの対辺を連結して拡張シートを前記本体部の空間に連通する筒状に構成可能な第2の開閉手段を設けたことを特徴とするものである。
なお、前記本体部は6面で規定される略直方体形状であり、第1の開閉手段は本体部の前面・上面・後面の両側面との境界全長に渡って、それぞれ設けられた2本の線ファスナーであり、これらの線ファスナーのスライダは連結具で連結されていることが望ましい。また、本体部と拡張シートそれぞれにベルトを設け、このベルトをアジャスタに通して常時は長さ調節可能な環状に構成し、必要に応じてアジャスタから解いて他部位に連結可能に構成することが望ましい。さらに、本体部と拡張シートとを合わせた長さは、人が伸展姿勢で収まる長さに構成されていることが望ましい。また、拡張シートの本体部と反対側の端部にドローコードを通し、このドローコードにより当該端部を絞れるように構成することが望ましい。また、拡張シートは、本体部の前面側の底面に連結され、常時は本体部内に収納可能であることが望ましい。さらに、柔軟性のある薄型の災害対応敷物類を常時収容しておくことが望ましい。
本発明の災害対応バッグは、通常のバッグ・鞄として用いることは勿論、防災頭巾、寝袋、防寒具、防水服、防火服、担架、背負子と様々な形態で利用することができる。第1・第2の開閉手段により本体部と拡張シートのそれぞれを連通させた状態で有底の袋状に構成できるため、利用者の体温低下を防ぎ、担架や背負子として使用する場合には被搬送者の落下等を防止することもできる。また、本体部を略直方体形状とし、その両側面と前面・上面・後面との境界全長を線ファスナーで開閉自在に成しているため、開口部を大きく取ることができ、使用時の装着性を高めることができる等の利点がある。また、それら線ファスナーのスライダは連結具で連結されており、連結具を操作することで2本の線ファスナーを同時に開け閉めできることから操作性も高くなっている。さらに、本体部と拡張シートの各ベルトはアジャスタによって長さ調節可能、かつ互いに連結することが可能であるため、被搬送者を腰掛けた姿勢で載せられる背負子とすることも可能であり、周囲に支援者がなく被搬送者を一人で運ぶ必要に迫られた場合にも、これに対応することができ、また被搬送者および搬送者双方の負担も軽減できる等の利点がある。
以下、図面に基づいて本発明の災害対応バッグの実施形態を説明する。図1ないし図5において、1は災害対応バッグであり、バリスティックナイロン等の切り裂き強度や耐摩耗性能の優れた材質の布地を縫製して構成されている。この災害対応バッグ1は、所定の空間容積を持つ直方体形状の本体部2を有し、この本体部2の前面2a・上面2b・後面2cの両側面2d,2eとの境界部分には、その全長に渡って第1の開閉手段の一例である線ファスナー3,3が設けられており、この線ファスナー3,3のスライダ3a,3aを操作することにより、前面2a・上面2b・後面2cの間を自由に開口または閉止することが可能になっている。これら2つの線ファスナー3,3のスライダ3a,3aは、連結具の一例である紐4によって連結されており、この紐4を操作することにより2つのスライダ3a,3aを一緒に往復移動させることが可能になっている。また本体部2には、その中央部分外側の底面2fから側面2d,2eにかけて2本のベルト5,5が縫い付けられており、このベルト5は本体部2の両側部でコキ等のアジャスタ6に通され、長さ調節が可能な環状に構成されている。この部分が本体部2の持ち手5a,5aを構成する。
前記本体部2の底面2f前部には、拡張シート7が取り付けられている。この拡張シート7は、本体部2と同様の素材によって矩形状(長方形状)に構成されており、常時は、図2に示すように折り畳んだり巻いたりして本体部2内に収容されている。本体部2の内部には、折り畳むなどして本体部内に収容された拡張シート7を結束・固定しておくための結束ベルト等(図示せず)を設けておくとよい。この拡張シート7の長辺には第2の開閉手段の一例である線ファスナー8が設けられており、この線ファスナー8で長辺を結束することにより、拡張シート7を本体部2前方に延びる筒状に構成することが可能になっている。
前記拡張シート7には、その短手方向に延びてベルト9,9が取り付けられている。このベルト9の拡張シート7に縫い付けられずに余った部分は持ち手9a,9aを構成しており、前記ベルト5同様、このベルト9の持ち手部分もアジャスタ10を介して長さを調節可能に構成されている。各持ち手9a,9aは、拡張シート7を筒状に成した時、その両側方に突出するようになっている。また、拡張シート7における自由端、すなわち本体部2に取り付けられている辺の対辺部は紐通し口に加工されており、ここにはドローコード11が通されている。このドローコード11を操作することにより、当該自由端部分を絞ることができるようになっている。なお、本例では絞り操作の利便性を高めるためにドローコード11の両端にコードロック12が配してあり、このコードロック12をドローコード11に沿って移動させることにより、簡単に拡張シート7の辺を絞り込むことができるようになっている。
本災害対応バッグ1は、常時は拡張シート7を折り畳むなどして内部に収納しておくことで普通の鞄として使用できる。災害発生時のことを想定すると、ウレタン製の防災備蓄畳やマット等の柔軟性のある災害対応敷物類、非常用寝具・衣類、あるいは他の災害対策用品を収納しておく用に供するのが最適である。本例における災害対応バッグ1は、特に近年需要が高まっている半畳サイズのウレタン製防災備蓄畳の収容鞄として使用することを前提に生み出されたものであり、本体部2の長手方向の長さは丸めた複数枚の防災備蓄畳を十分に収められる長さ(約100cm)と容積に構成され、また拡張シート7は、本体部2から引き出して展開した状態で、防災備蓄畳と同程度の面積となるように構成してある。
本災害対応バッグ1は、上述のような普通の鞄として使用する以外にも、多目的に活用できるものである。例えば図3に示すように、線ファスナー3,3を解いて本体部2の前面2aから上面2bまでを開口させ、自由になった前面2aと上面2bの布地を本体部2内に納めてかぶれば、防災頭巾として利用できる。防災備蓄畳を本体部2内に納めてかぶれば、防災備蓄畳の緩衝性を利用して防御能力を高めることもできる。勿論、その場合には避難先等で防災備蓄畳を取り出して敷物として用いることができる。また、前述のような防災頭巾としての利用形態において、拡張シート7を本体部2から引き出して身体に巻き付ければ、利用者の全身を覆うことができる。これにより、頭部だけでなく全身を保護することが可能になるとともに、簡易的な防寒具や防水服、あるいは防火服として利用することもできる。
また本災害対応バッグ1は、本体部2から拡張シート7を引き出して展開(図1参照)し、各線ファスナー3,8を閉止することにより、図4に示すように、利用者が伸展姿勢(足を伸ばした体勢)で十分に収まり得る全長200cm弱の長尺有底の袋体と成すことができ、これを寝袋や担架として活用することができる。この時、拡張シート7から本体部2までを連通させるために本体部2の前面2aは開いた状態となり、結果、前面2a部分に相当する布地が余ることとなるが、これを面ファスナー13,13等を利用して拡張シート7に連結することにより、拡張シート7と本体部2の境界部分に生じる隙間を極力減らすことができる。また、ドローコード11とコードロック12を操作して拡張シート7の短辺を絞ることで、首元の隙間も減らすことができる。
前述のように本災害対応バッグ1を寝袋や担架として用いる場合においても、本体部2と拡張シート7内に防災備蓄畳を丸めて入れておけば、それぞれの用途において緩衝性(クッション性)を担保することができる。また、担架として用いる場合には、本体部2および拡張シート7それぞれに持ち手5a,9aが備わっているため、担架を運ぶ要員にとって作業性が高い。しかも、要救助者の全身を本体部2および拡張シート7で包むことができるため、足場の悪い場所でも要救助者が担架から落ちるといった事故を防止し、かつ気温が低い場合にも要救助者の体温低下を防ぐことが可能である。
担架を運ぶための要員が確保できない場合には、ベルト9,9の長さを調節することにより本災害対応バッグ1を背負い、これによって要救助者を搬送することもできる。このように災害対応バッグを背負子として用いる場合には、ベルト5,5を一旦アジャスタ6から解き、ベルト9,9をくぐらせて再度アジャスタ6にセットして長さを調節することにより、図5に示すように、災害対応バッグ1を椅子の形の背負子と成すことができる。このように設定することで要救助者を腰掛けた姿勢で背負うことが可能となり、救助を行う者、要救助者双方の負担を軽減できる。このように背負子として用いる場合にも、要救助者の全身を本体部2および拡張シート7で包むことができるため、要救助者の転落や体温低下等を防ぐことができる。
なお、以上の説明において拡張シート7は1枚のシート状のものを想定して説明したが、2枚のシートを重合して三辺を縫合した袋状のものであってもよい。これにより、拡張シート7に防災備蓄畳を広げたまま収容することが可能となり、前述のように防災頭巾、寝袋、担架、背負子等として用いる場合の緩衝性能を高めることができる。また、本体部2および拡張シート7に防水透湿性素材と保温起毛素材とを重合した裏地を設けておけば、本災害対応バッグの有する保温性を高めることができる。さらに、第1・第2の開閉手段の一例として線ファスナーを例に説明したが、面ファスナーやボタン等の他の手段を採用してもよい。
1 災害対応バッグ
2 本体部
2a 前面
2b 上面
2c 後面
2d,2e 側面
2f 底面
3 線ファスナー
3a スライダ
4 紐
5 ベルト
5a 持ち手
6 アジャスタ
7 拡張シート
8 線ファスナー
9 ベルト
9a 持ち手
10 アジャスタ
11 ドローコード
12 コードロック
13 面ファスナー
2 本体部
2a 前面
2b 上面
2c 後面
2d,2e 側面
2f 底面
3 線ファスナー
3a スライダ
4 紐
5 ベルト
5a 持ち手
6 アジャスタ
7 拡張シート
8 線ファスナー
9 ベルト
9a 持ち手
10 アジャスタ
11 ドローコード
12 コードロック
13 面ファスナー
Claims (7)
- 常時は各種物品を収容可能な所定の空間を有する本体部を有し、この本体部にその前面から上面を通って後面までを開閉自在に構成する第1の開閉手段を設けるとともに、この本体部の前面側に連なって常時は本体部内に収納可能な拡張シートを連結し、この拡張シートの対辺を連結して拡張シートを前記本体部の空間に連通する筒状に構成可能な第2の開閉手段を設けたことを特徴とする災害対応バッグ。
- 本体部は6面で規定される略直方体形状であり、第1の開閉手段は本体部の前面・上面・後面の両側面との境界全長に渡って、それぞれ設けられた2本の線ファスナーであり、これらの線ファスナーのスライダは連結具で連結されていることを特徴とする請求項1に記載の災害対応バッグ。
- 本体部と拡張シートそれぞれにベルトを設け、このベルトをアジャスタに通して常時は長さ調節可能な環状に構成し、必要に応じてアジャスタから解いて他部位に連結可能に構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の災害対応バッグ。
- 本体部と拡張シートとを合わせた長さは、人が伸展姿勢で収まる長さに構成されていることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の災害対応バッグ。
- 拡張シートの本体部と反対側の端部にドローコードを通し、このドローコードにより当該端部を絞れるように構成したことを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の災害対応バッグ。
- 拡張シートは、本体部の前面側の底面に連結され、常時は本体部内に収納可能であることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の災害対応バッグ。
- 柔軟性のある薄型の災害対応敷物類を常時収容しておくことを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の災害対応バッグ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013273947A JP2015126848A (ja) | 2013-12-27 | 2013-12-27 | 災害対応バッグ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013273947A JP2015126848A (ja) | 2013-12-27 | 2013-12-27 | 災害対応バッグ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015126848A true JP2015126848A (ja) | 2015-07-09 |
Family
ID=53837151
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2013273947A Pending JP2015126848A (ja) | 2013-12-27 | 2013-12-27 | 災害対応バッグ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2015126848A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101755602B1 (ko) * | 2015-11-24 | 2017-07-20 | 주식회사 아세아방재 | 침상 환자 화재 대피용 이송낭 완강기 및 그 이송낭 |
KR101822627B1 (ko) | 2016-05-25 | 2018-01-26 | 주식회사 아세아방재 | 침상 환자 화재 대피용 이송낭 피난장치 |
-
2013
- 2013-12-27 JP JP2013273947A patent/JP2015126848A/ja active Pending
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KR101822627B1 (ko) | 2016-05-25 | 2018-01-26 | 주식회사 아세아방재 | 침상 환자 화재 대피용 이송낭 피난장치 |
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