JP2015125345A - トナー粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】懸濁重合法及び溶解懸濁法によるトナー粒子の製造方法で、着色剤を分散させる工程において、撹拌装置の撹拌軸シール部材近傍への原材料の堆積を防止し、装置メンテナンス費用を抑制することにより製造コストを抑制することが出来、更に、堆積物が混入することによる、トナー品質への悪影響を及ぼさないトナー粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】重合性単量体、又は結着樹脂が有機溶媒に溶解した樹脂溶解液に着色剤を分散させる工程を有するトナー粒子の製造方法であって、分散装置は、第一撹拌部材2、第二撹拌部材3及び撹拌槽9を有し、第一撹拌部材及び該第二撹拌部材は、それぞれ撹拌羽根を有し、同一の撹拌軸4によって回転するものであり、撹拌軸は撹拌槽の下部から撹拌槽内に挿入されており、第二撹拌部材は、該第一撹拌部材の下端と該撹拌槽の内壁との間に設けられており、撹拌軸を中心とする径方向の外向きに突出した撹拌羽根を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は電子写真、静電印刷、磁気記録のような、画像形成方法において静電荷画像を顕像化するためのトナーおよびトナー粒子の製造方法に関するものである。特に分散装置を用いて、重合性単量体、又は結着樹脂が有機溶媒に溶解した樹脂溶解液に着色剤を分散させる分散工程における、分散装置の撹拌機構への堆積物を抑制するトナー粒子の製造方法に関するものである。
近年、トナー粒子の製造方法として、重合性単量体等を使用した懸濁重合法、乳化重合凝集法や、結着樹脂等を溶剤中で造粒する溶解懸濁法等の湿式トナーに関する提案が盛んにおこなわれている。
たとえば懸濁重合法では、重合性単量体、着色剤、離型剤及び重合開始剤、さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤およびその他の添加剤を均一に溶解または分散せしめて重合性単量体組成物とする。これを、分散安定剤を含有する水系媒体中に適当な撹拌機を用いて分散させ、重合性単量体を重合させて、所望の粒径を有するトナー粒子の懸濁液を得る。
前述の懸濁重合法によるトナーの製造において、重合性単量体に着色剤を分散させる分散工程は通常撹拌装置および加熱冷却手段を有する撹拌槽にて行われる。撹拌装置は通常、撹拌槽上部から撹拌槽内部へ挿入される。この際、撹拌軸の重合性単量体と撹拌槽気層部との気液界面には重合体が付着してしまう。この付着は製品に混入するとトナー品質が低下するばかりか、撹拌装置の可動部分を可動不能にさせることがあった。更には、この付着を除去するための装置メンテナンス費用の増大といった課題もあった。溶解懸濁法等の湿式トナーの製造方法においても、気液界面で樹脂の再析出等で同様に付着が発生する。
こうした付着を改善する手法として、例えば特許文献1には撹拌装置の撹拌羽根および撹拌軸が、撹拌槽内の液層部に包括される位置に設けることによる付着防止手段が提案されている。この手法によって撹拌軸への付着は解消されている。
通常、撹拌羽根が上部に設置されると、気体の巻き込みにより撹拌効率が悪くなることから撹拌槽下部に撹拌羽根を設置することが好ましい。また、撹拌槽内に液跳ねが起こり、撹拌槽上部に設置された原材料の投入口等を閉塞させる。このことから、上記手法によって撹拌槽内の液を撹拌する場合、通常、撹拌羽根は撹拌槽の下部に具備する。撹拌羽根を撹拌槽下部に設置すると、撹拌軸の軸シール部材も撹拌槽下部に配置される。この場合、撹拌軸のシール部材近傍に撹拌羽根により生み出される液流の影響が小さい部分が生じ、着色剤等種々の原材料が軸シール部材近傍に堆積するという課題が新たに発生した。更に、分散媒が重合性単量体である場合、堆積物に残った重合性単量体が重合することで堆積物がより強固に固着する。
この堆積物は連続生産で蓄積され、軸シール部材や撹拌羽根の可動不良や破損となることがある。さらに、この堆積物の一部が剥離し製品へ混入すると、トナーの現像性を悪化させる。
この堆積物の影響は堆積物を定期的に除去することによって回避することができるが、製造ラインを停止して行わなければならないため、製造コストを上昇させる原因となっている。
撹拌羽根の軸シール部材への付着対策として、例えば特許文献2に、重合反応に使用する軸シール液に重合禁止剤や酸化防止剤といった薬品を含む液体を使用することで方法が開示されている。しかしながら、これらの方法はで撹拌軸シール液として注入された薬品が系内に混入するため、トナー粒子の製造において用いることは、トナー性能への影響が大きいことから難しい。
更に、軸シールへの課題に対して、例えば特許文献3には撹拌羽根の下部に櫛歯状の付着防止部材を取り付ける方法が提案されている。水系媒体中にトナー粒子が分散した分散液を撹拌する場合、この方法は効果的である。しかしながら、トナー粒子といった一定以上の粒子径があり分散媒の流れによって動き易いものには効果的であるが、分散媒に対して動きにくい非常に小さい粒子径の材料や材料の密度が大きい材料が含まれる場合、効果は限定的であり十分とは言えない。
特開2005−78006号公報 特開2002−371102号公報 特開2012−87241号公報
本発明は、上述の如き問題を解決したトナー粒子の製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、懸濁重合法及び溶解懸濁法によるトナー粒子の製造方法で、着色剤を分散させる工程において、撹拌装置の撹拌軸シール部材又は撹拌軸近傍への原材料の堆積を防止し、装置メンテナンス費用を抑制することにより製造コストを抑制することが出来るトナー粒子の製造方法を提供することにある。更に、堆積物がトナー粒子またはトナーへ混入することによる、トナー品質への悪影響を及ぼさないトナー粒子の製造方法を提供することにある。
本発明者らは撹拌装置の撹拌軸シール部材又は撹拌軸近傍への原材料の堆積を防止、および、堆積物の製品への混入抑制について鋭意検討を行った結果、以下の方法を見出した。
すなわち、本発明は、分散装置を用いて、重合性単量体、又は結着樹脂が有機溶媒に溶解した樹脂溶解液に着色剤を分散させる分散工程を有するトナー粒子の製造方法であって、
該分散装置は、第一撹拌部材、第二撹拌部材及び撹拌槽を有し、
該第一撹拌部材及び該第二撹拌部材は、それぞれ撹拌羽根を有し、同一の撹拌軸によって回転するものであり、該撹拌軸は該撹拌槽の下部から該撹拌槽内に挿入されており、
該第二撹拌部材は、該第一撹拌部材の下端と該撹拌槽の内壁との間に設けられており、該撹拌軸を中心とする径方向の外向きに突出した撹拌羽根を有することを特徴とするトナー粒子の製造方法である。
本発明によれば、撹拌軸シール部材又は撹拌軸近傍の堆積物によって、トナーの品質に悪影響を及ぼさないトナー粒子の製造方法を提供することが可能である。さらに本発明によれば、撹拌軸シール部材近傍の堆積物を除去する必要が無く製造コストを抑制することができるトナー粒子の製造方法も提供することが可能となる。
本発明に好適に用いられる、分散工程で使用される分散装置の外形図である。 第一撹拌部材および第二撹拌部材を有する撹拌部材の外形図である。 図2におけるa−a’平面での撹拌部材の断面図である。 比較例2にて使用した櫛歯状の部材を取り付けた撹拌部材の外形図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明が好適に適用するトナーの製造方法としては、懸濁重合法、別途重縮合したポリエステル等を用いる溶解懸濁法等があるが、湿式で造粒するトナー粒子の製造方法であれば、その他各種重合法トナーの製造が適用出来る。
以下に、その一例として、本発明を懸濁重合法によるトナーの製造方法に用いた場合について説明する。
懸濁重合法とは、重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体に加え、水系媒体中で重合性単量体組成物を造粒し重合性単量体組成物の粒子を形成し、重合性単量体組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合してトナー粒子を得る製造方法である。
以下、懸濁重合法によるトナー粒子の製造法に本発明を用いた場合について工程毎に説明する。
(分散工程)
重合性単量体に着色剤を分散させ重合性単量体組成物を得る。着色剤は重合性単量体と直接混合してもよく、適宜選定される重合性単量体又は有機溶媒と着色剤とを別途混合した混合液と、重合性単量体とを合わせてもよい。分散工程では、重合性単量体組成物を所定の温度に冷却又は加温しながら行うことが好ましい。加熱冷却手段としては撹拌槽にジャケットを設けてもよく、また、外部循環経路を設け熱交換機を外部循環経路内に設置してもよい。分散装置としては、図1に示すような撹拌軸4が撹拌槽9の下部より挿入され、撹拌部材2、3および撹拌軸4が重合性単量体組成物に包括される位置に具備されるものが好ましい。撹拌部材および撹拌軸が重合性単量体組成物に包括されるため、撹拌軸に重合性単量体組成物の気液界面が存在せず付着が発生しないため、付着物の製品への混入によるトナー品質の低下や、撹拌装置の可動部分を可動不能にさせるといった問題が生じない。
分散装置1の撹拌槽9内には撹拌羽根を有する第一撹拌部材2と第二撹拌部材3を有することが好ましい。第一撹拌部材2としては、一般的に乳化・分散に使用される高剪断力を有する撹拌羽根が用いられる。高剪断力を持つ撹拌羽根の一例としては、ディスクタービン翼、ディスパー翼のごとき一般的な撹拌羽根、クレアミックスディゾルバー(エム・テクニック株式会社)、ディスパー(田島化学機械株式会社)、ネオミクサー(プライミクス社製)等が挙げられるがこれに限定はされない。第一撹拌部材の周速S(m/s)は、5≦S≦30であることが好ましい。周速Sが5≦S≦30であれば、撹拌羽根による剪断効果によって着色剤を分散させることが出来る。周速Sが5m/sより小さい場合、撹拌羽根の吐出作用が小さくなり撹拌槽内の重合性単量体に滞留部が発生し均一に撹拌しにくくなるばかりか、剪断効果が小さく、着色剤の凝集体の分散や分散された着色剤の再凝集の抑制効果が十分でなくトナー性能を低下させるため好ましくない。周速Sが30m/sより大きい場合、撹拌羽根の高速回転によりキャビテーションが発生し撹拌羽根を壊食させるため好ましくない。また、キャビテーションによって分散媒中の溶存気体が分散媒外へ気泡として出てくるため、撹拌羽根による撹拌効果を減衰させてしまうことからも好ましくない。
撹拌槽の外部に循環系路を設け分散槽内の液を抜き出しインライン式の分散機にて分散処理し、分散装置へ再度戻すことで分散処理を行ってもよい。
第一撹拌部材のみでは、撹拌羽根により生み出される重合性単量体組成物の吐出作用の影響が小さい部分が生じ、着色剤等種々の原材料が軸シール部材又は撹拌軸に堆積してしまう。加えて、分散媒が重合性単量体である場合、堆積物に残った重合性単量体が重合することで堆積物がより強固に軸シール部材又は撹拌軸に固着する。分散媒が樹脂溶解液の場合は、有機溶媒が揮発することで残る決着樹脂が堆積物の間に入り込み撹拌軸または撹拌軸シール部材に固着する。
こうした課題を抑制するために、第二撹拌部材は第一撹拌部材の下端と撹拌槽内壁との間に設けられることが好ましい。これにより、第一撹拌部材のみでは着色剤等の堆積が生じてしまう流れが小さい部分の重合性単量体組成物を流動することができ、上記堆積物の発生を抑制することが出来る。
第一撹拌部材および第二撹拌部材の撹拌軸又は撹拌軸シール部材は撹拌槽内に設置される。図2に示すように撹拌槽9外部に撹拌軸4があり、撹拌槽9内部には撹拌軸シール部材7のみを配してもよく、撹拌槽内に撹拌軸4と撹拌軸シール部材7を有してもよい。
第二撹拌部材3は撹拌軸を中心とする径方向の外向きに突出した撹拌羽根を具備していることが好ましい。第二撹拌部材の撹拌羽根が径方向の外向きに突出していることで、第二撹拌部材の撹拌羽根が重合性単量体組成物を撹拌軸の外向き又は内向きへ吐出する作用が生じ、撹拌軸又は撹拌軸シール部材近傍の重合性単量体組成物を流動させる。これによって、着色剤等の原材料の撹拌軸軸シール部材近傍への堆積を抑制出来る。第二撹拌部材の撹拌羽根が径方向の外向きへの突出が無い場合としては、特に形状を限定しないが例えば、丸棒や正四角柱のような形状や回転方向に突出しているものが挙げられる。この場合、第二撹拌部材の回転によって一定量の重合性単量体組成物は吐出されるが、撹拌羽根に共回る重合性単量体組成物の流れが発生してしまうため、堆積物を抑制する効果は限定的となるため好ましくない。
第二撹拌部材と第一撹拌部材は、各々が撹拌軸に取り付けられていてもよく、第一撹拌部材に第二撹拌部材が取り付けられていてもよい。第二撹拌部材の取り付け方法としては、ボルト等機械的手法、溶接等によって取り付けられるがこれに限定されない。また、材料の削り出しによって撹拌軸又は第一撹拌部材と一体となっていてもよい。
第二撹拌部材の撹拌羽根は、撹拌軸と直交する平面上で撹拌羽根を通る直線jと撹拌羽根との交点間の最大長J(m)と、撹拌軸と直交する平面上で直線jと直交する直線iと撹拌羽根との交点間の最大長I(m)とがI/J≦0.9であることが好ましい(図3参照)。第二撹拌部材の撹拌羽根を通る直線Jの長さは、I/Jが0.9以下であれば、第二撹拌部材の撹拌羽根の吐出作用を大きくすることが出来る。これにより、撹拌軸又は撹拌軸シール部材近傍の重合性単量体組成物が流動するため、着色剤等の堆積が抑制できる。I/Jが0.9より大きい場合、前述した丸棒や正四角柱型の撹拌羽根のように共回りする重合性単量体組成物の量が大きくなる。このため、相対的に撹拌羽根の吐出作用が小さくなり軸近傍の重合性単量体組成物を流動が小さくなるため好ましくない。
撹拌軸の中心を通る遠心方向の直線で、隣接する第二撹拌部材の撹拌羽根とを結ぶ直線のなす最小角度B(°)が15≦B≦170であることが好ましい。最小角度Bは、撹拌軸と直交する平面上で形成される隣接する第二撹拌部材の撹拌羽根と回転中心10とで形成される(図3参照)。最小角度Bが15≦B≦170の場合、隣接する第二撹拌部材の撹拌羽根の間が十分にあり、第二撹拌部材による重合性単量体組成物の吐出作用により、撹拌軸又は撹拌軸シール部材近傍の重合性単量体組成物を十分に流動することが出来、堆積物を抑制できるため好ましい。最小角度Bが15°より小さい場合、隣接する撹拌羽根の隙間が狭く、撹拌羽根によって流動する重合性単量体組成物の量が少なくなるばかりか、撹拌羽根の隙間が狭いために液の流れを阻害してしまうため好ましくない。
回転軸の回転中心10を通る遠心方向の直線と、第二撹拌部材の撹拌羽根とが成す角度C(°)が10≦C≦80であることが好ましい。角度C(°)は回転中心を通る遠心方向の直線と第二撹拌部材のとがなす角度で鋭角となる角度である。また、第二撹拌部材の撹拌羽根が湾曲している場合、回転中心を通る遠心方向の直線と撹拌羽根との交点を通る撹拌羽根の接線と回転中心を通る遠心方向の直線とがなす角度である。撹拌羽根が成す角度Cが本範囲内の場合、撹拌羽根角度Cが10°より小さい場合、撹拌軸方向への重合性単量体組成物の流れが小さくなるため好ましくない。角度Cが80°より大きい場合、撹拌羽根によって吐出された重合性単量体組成物が撹拌羽根の回転方向後方に回り込んでしまい、撹拌軸又は撹拌軸シール部材近傍の重合性単量体組成物の流動が限定的になってしまうため好ましくない。
第一撹拌部材の直径A(m)と第二撹拌部材の最小回転径H(m)は0.1≦H/A≦0.6であることが好ましい(図2参照)。第一撹拌部材の直径A(m)と第二撹拌部材の最小回転径H(m)が0.1≦H/A≦0.6の範囲内の場合、第二撹拌部材の撹拌羽根が撹拌軸又は撹拌軸シール部材に十分近いため、第二撹拌部材による吐出作用によって十分に重合性単量体組成物を流動することが出来る。撹拌軸および撹拌軸シール部材の形状は、主として第一撹拌部材の形状によって決められる。H/Aを0.1より小さくすることは、撹拌軸近傍に設置される第二撹拌部材を限りなく撹拌軸又は撹拌軸シール部材近傍に設置するか、撹拌軸又は撹拌軸シール部材を小さくすることとなる。これは、分散装置としての機械的強度が保てないため好ましくない。H/Aが0.6より大きい場合、第二撹拌部材の撹拌羽根の吐出作用が撹拌軸シール部材近傍に影響を及ぼさない。また、第一撹拌部材の撹拌羽根の吐出作用範囲と第二撹拌部材の撹拌羽根の突出作用範囲が殆ど変わらなくなり、着色剤等の堆積抑制効果が小さくなるため好ましくない。
第一撹拌部材の直径A(m)と、該第一撹拌部材の上端と該撹拌槽内壁との該撹拌軸方向の距離L(m)が、1.5≦A/L≦3.8であることが好ましい(図2参照)。第一撹拌部材の直径A(m)と、該第一撹拌部材の上端と該撹拌槽内壁との該撹拌軸方向の距離L(m)が、1.5≦A/L≦3.8の範囲内の場合、第一撹拌部材が撹拌槽の壁面付近に位置することから、第一撹拌部材の吐出の影響が及ばない範囲を小さくすることが出来るため好ましい。更には、撹拌槽内での重合性単量体組成物のボルテックスの軽減や液跳ねがしにくくなることからも好ましい。これによって、第一撹拌部材の剪断力又は吐出力が気泡によって阻害されにくくなる。また、液跳ねの発生も抑制できることから生産安定性の観点からも好ましい。更には、第二撹拌部材の位置も撹拌槽壁面付近に配置されることから、撹拌槽付近の撹拌軸近傍の着色剤等の堆積も抑制されることから好ましい。A/Lが3.8より大きくすることは、第一撹拌部材が撹拌槽内壁に近く、撹拌軸シール部材の取り付けや撹拌軸と撹拌部材との接合の観点から技術的に難しい。A/Lが1.5よりも小さい場合、第一撹拌部材と撹拌槽内壁との距離が大きくなるため、撹拌軸又は撹拌軸シール部材近傍の第一撹拌部材の吐出の影響が小さい部位が大きくなるため好ましくない。
撹拌槽内壁と、第一撹拌部材下端との撹拌軸方向の距離Fと、該第二撹拌部材の撹拌羽根の該撹拌軸方向の距離Gとが0.3≦G/F≦0.9であることが好ましい(図2参照)。撹拌槽内壁と、第一撹拌部材下端との撹拌軸方向の距離Fと、該第二撹拌部材の該撹拌軸方向の距離Gとが0.3≦G/F≦0.9の範囲内の場合、第二撹拌部材の撹拌羽根の吐出が撹拌軸又は撹拌軸シール部材近傍に作用するため好ましい。G/Fが0.9より大きい場合、第二撹拌部材と撹拌槽内壁との距離が短いため、干渉なく第二撹拌部材を取り付けることは難しく取り付け精度を求められることから、製作コストが大きくなるため好ましくない。また、第二撹拌部材の撹拌羽根による吐出が撹拌槽内壁にぶつかり第一撹拌部材の撹拌効果に干渉する場合がある。G/Fが0.3より小さい場合、第二撹拌部材の撹拌羽根と撹拌槽内壁との距離が大きくなり、第二撹拌部材の撹拌羽根による吐出作用の撹拌軸近傍の重合性単量体組成物の流動が小さくなるため、着色剤等の堆積の観点から好ましくない。
分散工程にて調整される重合性単量体組成物の液密度d(g/cm3)が2.0≦d≦3.0の範囲の時、本発明の分散装置の構成は特に良好な効果を示す。分散装置の装置構成および運転条件が同じ場合、液密度が大きくなると重合性単量体組成物動動きは小さくなる。つまり、撹拌部材や撹拌羽根による吐出作用が伝搬される領域が小さくなるため、第一撹拌部材の吐出作用の影響が小さく、着色剤等が堆積する領域が大きくなる。特に液密度dが1.5以上で効果が大きくなり第二撹拌部材を有する本発明の分散装置の構成が特に良好な効果を示す。
分散工程に使用される分散媒密度Kと分散質密度Mとが、5.6≦M/Kである場合、本発明の分散装置の構成が特に良好な効果を示す。M/Kが大きい場合、分散媒に分散質が沈降しやすくなることから、分散装置の撹拌軸近傍への堆積も発生しやすくなることから、本発明の装置構成は特に好適な効果を示す。
(造粒工程)
分散安定剤を含む水系分散媒を調製し、高剪断力を有する撹拌機を設置した竪型撹拌槽に投入し、ここに重合性単量体組成物を添加し、撹拌することにより分散させ、重合性単量体組成物分散液とする。また、一般的な竪型撹拌槽に分散安定剤を含む水系分散媒を投入し、さらに重合性単量体組成物を投入して撹拌し、重合性単量体組成物予備分散液とした後に、ここから連続的に重合性単量体組成物予備分散液を抜き出し、インライン型の高速撹拌機を通過させることによって連続的に重合性単量体組成物分散液を得ることもできる。さらには上記のようにして得られた重合性単量体組成物分散液を再度前述の竪型撹拌槽に戻す循環式とすることもできる。
重合性単量体組成物の分散液滴径の分布は、得られるトナー粒子の粒径分布にそのまま反映されるので、重合性単量体組成物の分散液滴径を均一にすることが重要である。
本発明においては、高剪断力を有する撹拌機が好適に用いられる。高剪断力を有する撹拌機としては、「ウルトラタラックス」(IKA社製)、「T.K.ホモミクサー」(プライミクス社製)、「T.K.フィルミックス」(プライミクス社製)又は「クレアミックス」(エム・テクニック社製)等の市販のものを用いることができる。また、インライン型の高速撹拌機としては、「マイルダー」(大平洋機工社製)又は「キャビトロン」(大平洋機工社製)等の市販のものを用いることができる。
(重合工程)
上述のようにして得られた重合性単量体組成物分散液を重合工程に導入することにより、トナー粒子分散液を得る。本発明における重合工程には、温度調節可能な一般的な撹拌槽を用いることができる。
重合温度は40℃以上、一般的には50乃至90℃で行われる。重合温度は終始一定でもよいが、所望の分子量分布を得る目的で重合工程後半に昇温してもよい。撹拌に用いられる撹拌羽根はトナー用原料分散液を滞留させることなく浮遊させ、かつ槽内の温度を均一に保てるようなものならばどのようなものを用いても良い。撹拌羽根又は撹拌手段としては、パドル翼、傾斜パドル翼、三枚後退翼、プロペラ翼、ディスクタービン翼、ヘリカルリボン翼及びアンカー翼のごとき一般的な撹拌羽根、並びに、「フルゾーン」(神鋼パンテック社製)、「ツインスター」(神鋼パンテック社製)、「マックスブレンド」(住友重機社製)、「スーパーミックス」(佐竹化学機械工業社製)及び「Hi−Fミキサー」(綜研化学社製)などが挙げられる。
(蒸留工程)
必要であれば未反応の重合性単量体や副生成物等の揮発性不純物を除去するために、重合終了後に一部水系媒体を蒸留工程により留去してもよい。蒸留工程は常圧もしくは減圧下で行うことができる。
(洗浄工程、固液分離工程及び乾燥工程)
重合体粒子表面に付着した分散安定剤を除去する目的で、重合体粒子分散液を酸またはアルカリで処理をすることもできる。この後、一般的な固液分離法により重合体粒子は液相と分離されるが、酸またはアルカリおよびそれに溶解した分散安定剤成分を完全に取り除くため、再度水を添加して重合体粒子を洗浄する。この洗浄工程を何度か繰り返し、十分な洗浄が行われた後に、再び固液分離してトナー粒子を得る。得られたトナー粒子は必要であれば公知の乾燥手段により乾燥される。
(分級工程)
こうして得られたトナー粒子は従来の粉砕法トナーと比較して十分シャープな粒度を有するものであるが、さらにシャープな粒度を要求される場合には風力分級機などで分級を行なうことにより、所望の粒度分布から外れる粒子を分別して取り除くこともできる。
次いで、本発明を溶解懸濁法によるトナーの製造方法に用いた場合の一例について説明する。
(分散工程)
結着樹脂を有機溶媒に溶解させ樹脂溶解液に着色剤を分散させトナー粒子組成物を分散させたトナー粒子混合物を作製する方法としては、有機溶媒中に撹拌をしながら樹脂、着色剤などを徐々に添加していき、溶解あるいは分散させればよい。ただし、着色剤として顔料を用いる場合や、離型剤や帯電制御剤などのなかで有機溶媒に溶解しにくいようなものを添加する場合、有機溶媒への添加に先立って粒子を小さくしておくことが好ましい。分散に際して使用できる分散装置や構成は、前述の懸濁重合法における手段と同様である。
(造粒工程)
少なくとも界面活性剤もしくは、無機分散安定剤を含む水系媒体中に前述の工程で得られたトナー粒子組成物を分散させ、トナー粒子組成物の分散液を作製する。トナー粒子組成物の末端にイソシアネート基を有する変性樹脂を添加している場合は、活性水素基含有化合物を添加し、水系媒体中で、活性水素基含有化合物と、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を有する変性樹脂を反応させることにより結着樹脂を生成しながら、トナー粒子組成物の分散液を形成してもよい。造粒工程で使用する装置としては、前述した懸濁重合法同様、例えば高剪断力を有する撹拌機を設置した竪型撹拌槽で行なうことができる。高剪断力を有する撹拌機としてはハイシェアミキサー(IKA社製)、T.K.ホモミクサー(プライミクス社製)、T.K.フィルミックス(プライミクス社製)、クレアミックス(エム・テクニック社製)の如き市販のものを用いることができる。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
無機分散安定剤としては、例えば、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸亜鉛等のリン酸金属塩;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄の金属水酸化物;等を挙げることができる。
(脱溶工程)
得られたトナー粒子組成物の分散液から有機溶剤を除去するためには、系全体を撹拌しながら徐々に昇温し、液滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。もしくは、トナー粒子組成物の分散液を撹拌しながら減圧し、有機溶媒を蒸発除去しても良い。
(熟成工程)
末端にイソシアネート基を有する変性樹脂を添加している場合は、イソシアネートの伸長・架橋反応を進めるために、熟成工程を行っても良い。熟成時間は通常10分乃至40時間、好ましくは2乃至24時間である。反応温度は、通常、0乃至65℃、好ましくは35乃至50℃である。
脱溶工程と熟成工程は、同一の容器で行ってもよいし、別々の容器で行ってもよい。
(洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程及び分級工程)
上記の工程については、前述した懸濁重合法における手法と同様の操作を行えばよい。
(重合性単量体)
本発明のトナーに好適に用いられる重合性単量体としては、ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体が用いられる。該ビニル系重合性単量体としては、単官能性のものまたは多官能性のものを使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては以下のものが挙げられる。
スチレン;α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ο−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレンの如きスチレン誘導体類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ジメチルフォスフェートエチルアクリレート、ジエチルフォスフェートエチルアクリレート、ジブチルフォスフェートエチルアクリレート、2−ベンゾイルオキシエチルアクリレートの如きアクリル系モノマー類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、ジエチルフォスフェートエチルメタクリレート、ジブチルフォスフェートエチルメタクリレートの如きメタクリル系重合性単量体類;メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル、ギ酸ビニルの如きビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロピルケトンの如きビニルケトン類。
多官能性重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−(アクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル。
本発明においては、上記した単官能性重合性単量体を単独、あるいは2種以上組み合わせて、または上記した単官能性重合性単量体と多官能性重合性単量体を組み合わせて使用する。上述の単量体の中でもスチレンまたはスチレン誘導体を単独もしくは混合して、またはそれらとほかの単量体と混合して使用することがトナーの現像特性及び耐久性などの点から好ましい。
<着色剤>
本発明に好ましく使用される着色剤として、以下の有機顔料または染料、無機顔料が挙げられる。
シアン系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が利用できる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー1、C.I.ピグメントブルー7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66。マゼンタ系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、以下のものが挙げられる。縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド254。イエロー系着色剤としての有機顔料又は有機染料としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I.ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエロー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメントイエロー176、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー191、C.I.ピグメントイエロー194。黒色着色剤としては、カーボンブラック、及び、上記イエロー系/マゼンタ系/シアン系着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明のトナーに用いられる着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナー中の分散性の点から選択される。
該着色剤は、好ましくは結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下添加して用いられる。
着色剤を選択する上で、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要がある。特に染料やカーボンブラックは重合阻害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要する。好ましくはこれらに表面改質、例えば重合阻害のない物質による疎水化処理を施しておいたほうが良い。染料を表面処理する方法としては、予めこれら染料の存在下に重合性単量体を重合させる方法が挙げられ、得られた着色重合体を重合性単量体組成物等トナー用原料に添加する。さらにカーボンブラックについては上記染料と同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物質、例えばポリオルガノシロキサンでグラフト処理を行ってもよい。
<離型剤>
本発明で用いられる離型剤としては室温で固体状態のワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点でよい。
ワックスとしては以下のものが挙げられる。パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如きポリメチレンワックス、アミドワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス及びこれらのグラフト化合物、及びこれらのブロック化合物。これらは低分子量成分が除去されており、示差走査熱量計によって得られる吸熱曲線の最大吸熱ピークがシャープなものが好ましい。OHPに定着した画像の透光性を向上させるためには特に直鎖状エステルワックスが好適に用いられる。直鎖状エステルワックスは重合性単量体100質量部に対して1乃至40質量部、より好ましくは4乃至30質量部含有されるのがよい。
本発明においては、トナー粒子の可塑性を増し、低温領域での定着性をよくするために、融点が80℃より小さい第2の離型剤を併用することができる。第2の離型剤としては炭素数15乃至100個の直鎖状のアルキルアルコール、直鎖状脂肪酸、直鎖状酸アミド、直鎖状エステルあるいはモンタン系誘導体のワックスが好ましく用いられる。これらのワックスから液状脂肪酸の如き不純物を予め除去してあるものがより好ましい。
<荷電制御剤>
本発明により製造されるトナーは荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては公知のものが利用できる。例えばトナーを負荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、モノアゾ系染料金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類。さらに、以下のものが挙げられる。尿素誘導体、含金属サリチル酸系化合物、4級アンモニウム塩、カリックスアレーン、ケイ素化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体、非金属カルボン酸系化合物。
トナーを正荷電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き4級アンモニウム塩;ホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、またはフェロシアン化物)、高級脂肪酸の金属塩。これらを単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも4級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
これらの荷電制御剤は重合性単量体100質量部に対して0.01乃至20質量部、より好ましくは0.5乃至10質量部使用するのがよい。
<重合開始剤>
本発明に用いることができる重合開始剤としては、アゾ系重合開始剤がある。アゾ系重合開始剤としては以下のものが挙げられる。2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスメチルブチロニトリル。
また、有機過酸化物系開始剤を用いることもできる。有機過酸化物系開始剤としては以下のものが挙げられる。ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチル−パーオキシピバレート。
また、酸化性物質と還元性物質を組み合わせたレドックス系開始剤を用いることもできる。酸化性物質としては過酸化水素、過硫酸塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩など)の無機過酸化物、4価のセリウム塩の如き酸化性金属塩が挙げられる。還元性物質としては還元性金属塩(2価の鉄塩、1価の銅塩、3価のクロム塩)、アンモニア、低級アミン(メチルアミン、エチルアミンの如き炭素数1乃至6のアミン)、ヒドロキシルアミン等のアミノ化合物、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムハイドロサルファイト、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートの如き還元性硫黄化合物、低級アルコール(炭素数1乃至6)、アスコルビン酸又はその塩、および低級アルデヒド(炭素数1乃至6)。開始剤は10時間半減期温度を参考に選択され単独又は混合して利用される。該重合開始剤の添加量は目的とする重合度により変化するが、一般的には重合性単量体100質量部に対し0.5乃至20質量部が添加される。
<架橋剤>
本発明には各種架橋剤を用いることもできる。架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ジビニルベンゼン、4,4’−ジビニルビフェニル、ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート。
<結着樹脂>
本発明の懸濁重合法及び溶解懸濁法で用いられる結着樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えばスチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、などの単独重合体、又は共重合体などが挙げられる。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、等が挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等が挙げられる。
特に代表的な結着樹脂としては、例えばポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<有機溶剤>
本発明の溶解懸濁法で用いられる有機溶剤としては、種々の有機溶剤を用いることが出来る。例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。また、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶剤除去が容易になる点から好ましい。有機溶媒中に溶解あるいは分散させる樹脂がポリエステル骨格を有する樹脂である場合、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系の溶媒もしくはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系の溶媒を用いたほうが溶解性が高く好ましく、このなかでは溶媒除去性の高い酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンが特に好ましい。
<有機溶媒中に添加する変性樹脂>
本発明の溶解懸濁法で用いられる変性樹脂(以下「プレポリマー」と称することがある)としては、活性水素基含有化合物と反応可能な部位を少なくとも有しているものであれば特に制限はなく、公知の樹脂等の中から適宜選択することができ、例えば、ポリオール樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、これらの誘導体樹脂、等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、溶融時の高流動性、透明性の点で、ポリエステル樹脂が特に好ましい。
前記プレポリマーにおける活性水素基含有化合物と反応可能な部位としては、特に制限はなく、公知の置換基等の中から適宜選択することができるが、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基、等が挙げられる。
これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。これらの中でも、イソシアネート基が特に好ましい。
<活性水素基含有化合物>
本発明の溶解懸濁法で用いられる活性水素基含有化合物は、水系媒体中で、活性水素基含有化合物と反応可能な変性樹脂が伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基含有化合物と反応可能な重合体が前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーである場合には、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーと伸長反応、架橋反応等の反応により高分子量化可能な点で、アミン類が好適である。
前記活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルコール性水酸基が特に好ましい。
<外添剤>
本発明の製造方法では、トナーへの各種特性付与を目的として外添剤を使用することができる。外添剤はトナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。外添剤としては、以下のものが挙げられる。酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化錫、酸化亜鉛の如き金属酸化物;窒化ケイ素の如き窒化物;炭化ケイ素の如き炭化物;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムの如き無機金属塩;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムの如き脂肪酸金属塩;カーボンブラック、シリカ。
これら外添剤はトナー粒子100質量部に対し0.01乃至10質量部が用いられ、好ましくは0.05乃至5質量部が用いられる。外添剤は単独で用いても、また複数併用しても良いがそれぞれ疎水化処理を行ったものがより好ましい。
<磁性材料>
本発明の製造方法は、磁性材料を含有する磁性トナーの製造方法にも適用でき、トナーに含有される磁性材料は着色剤の役割を兼ねることもできる。本発明において、磁性トナー中に含まれる磁性材料としてはマグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物。
これらの磁性体は体積平均粒径(Dv)が0.5μm以下、好ましくは0.1乃至0.5μm程度のものがよい。
磁性体の体積平均粒径(Dv)は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1万倍ないしは4万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の磁性体の投影面積に等しい円の相当径を求め、それをもとに体積平均粒径の算出を行う。
上記磁性体のトナー中への含有量は、重合性単量体100質量部に対して20乃至200質量部、特に好ましくは重合性単量体100質量部に対して40乃至150質量部がよい。
また、上記磁性体の800kA/m印加時の磁気特性が、飽和磁化(σs)50乃至200Am2/kg、残留磁化(σr)2乃至20Am2/kgのものが好ましい。磁性体の磁気特性は、振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業社製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場79.6kA/mで測定する。
<疎水化剤>
また、トナー粒子中でのこれらの磁性体の分散性を向上させるために、磁性体の表面を疎水化処理することも好ましい。疎水化処理にはシランカップリング剤やチタンカップリング剤などのカップリング剤類が用いられる。中でもシランカップリング剤が好ましく用いられる。シランカップリング剤としては以下のものが挙げられる。ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン。
本発明により製造されるトナーは、前述したように、一成分及び二成分系現像剤のいずれとしても使用できる。
一成分系現像剤として磁性体をトナー中に含有させた磁性トナーの場合には、現像スリーブ中に内蔵されたマグネットを利用して磁性トナーを搬送したり帯電する方法が用いられる。また、磁性体を含有しない非磁性トナーを用いる場合には、ブレード及びファーブラシを用い現像スリーブにて強制的に摩擦帯電しスリーブ上にトナーを付着させることで搬送させる方法がある。
本発明の製造方法により得られるトナーを、二成分系現像剤として用いる場合には、トナーと共にキャリアを用い現像剤として使用する。本発明に使用されるキャリアとしては特に限定されるものではないが、主として鉄、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、マンガンおよびクロム原子からなる単独または複合フェライト状態で構成される。
飽和磁化、電気抵抗を広範囲にコントロールできる点からキャリア形状も重要であり、たとえば球状、扁平、不定形を選択し、更にキャリア表面状態の微細構造たとえば表面凹凸性をもコントロールすることが好ましい。一般的には上記金属の化合物を焼成、造粒することにより、あらかじめキャリアコア粒子を生成した後、樹脂をコーティングする方法が用いられている。キャリアのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、金属化合物と樹脂を混練後、粉砕、分級して低密度分散キャリアを得る方法や、さらには直接金属化合物と重合性単量体との混練物を水系媒体中にて懸濁重合させて真球状に分散した重合キャリアを得る方法も利用することが可能である。
キャリアの粒径の測定は、シンパテック(SYNPATEC)社製で乾式分散機(ロドス<RODOS>)を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置(へロス<HELOS>)を用いてキャリアの体積基準の50%平均粒径として測定する。
これらキャリアの平均粒径は10乃至100μm、より好ましくは20乃至50μmであることが望ましい。
二成分系現像剤を調製する場合のキャリアと本発明におけるトナーとの混合比率は現像剤中のトナー濃度として2質量%乃至15質量%、好ましくは4質量%乃至13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低く実用不可となり、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が増加しやすく、画像の劣化および現像剤の消費量増加が起こりやすい。
以下、本発明を製造例及び実施例により更に具体的に説明するが、これらは本発明をなんら限定するものではない。
本発明で用いた測定方法を以下に述べる。
<液密度測定>
100mlのメスシリンダー(ガラス製)の質量X(g)を測定する。63℃に調節したウォーターバスに前述のメスシリンダーを入れる。分散工程にて調製した、重合性単量体組成物を前述のメスシリンダーにて100ml秤取り、その質量Y(g)を測定する。液密度d(g/cm3)は下記(1)式にて算出する。
(1)式:(X−Y)/100
〔実施例1〕
<未処理磁性体の製造>
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対して1.0当量以上1.1当量以下の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対してケイ素元素換算で1.5質量%のケイ酸ソーダを混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液をpH9.0に維持しながら、空気を吹き込み、80℃以上90℃以下で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し1.0当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた。その後、スラリー液をpH8.0に維持して、空気を吹込みながら酸化反応をすすめ、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。このスラリーをろ過と洗浄を行った後、再びろ過をした。その後、解砕、乾燥を行い、未処理の磁性体を得た。
<シラン化合物1の調製>
イソブチルトリメトキシシラン20質量部をイオン交換水80質量部に対して撹拌しながら滴下した。その後、この水溶液をpH5.5、温度40℃に保持し、ディスパー翼を用いて0.46m/sで2時間分散させて加水分解を行い、加水分解物を含有する水溶液であるシラン化合物1を得た。
<処理磁性体1の製造>
未処理の磁性体をヘンシェルミキサー(日本コークス社製)に入れ、34.5m/sで分散しながら、シラン化合物1を噴霧して加えた。そのまま10分間分散させた後、シラン化合物1が吸着した磁性体を取り出し、160℃で2時間静かに置いて処理磁性体を乾燥すると共にシラン化合物の縮合反応を進行させた。その後、目開き100μmの篩を通過させた磁性体を処理磁性体1として得た。
<トナー粒子の製造>
(水系媒体の調製)
イオン交換水720質量部に0.1M−Na3PO4水溶液450質量部を投入して60℃に加温した後、1.0M−CaCl2水溶液67.7質量部を添加して、分散安定剤を含む水系媒体を得た。
(分散工程)
・スチレン 76.00質量部
・n−ブチルアクリレート 24.00質量部
・ジビニルベンゼン 0.52質量部
・モノアゾ染料の鉄錯体(T−77:保土ヶ谷化学社製) 1.00質量部
・処理磁性体1 90.00質量部
・非晶質ポリエステル 3.00質量部
(ビスフェノールAのE.O.付加物とテレフタル酸との縮合反応により得られる飽和ポリエステル樹脂:Mn=5,000、酸価=12mgKOH/g、Tg=68℃)
上記成分を第一撹拌部材と第二撹拌部材および撹拌槽を有する分散装置を用いて30分間分散処理を行った。用いた分散装置の装置構成は表1に示す。均一に分散混合して単量体組成物を得た。この単量体組成物を60℃に加温し、そこにパラフィンワックス(吸熱ピークトップ温度:77.2℃)15.0質量部を加え70分混合溶解した後、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4.5質量部を溶解させ重合性単量体組成物を得た。
得られた重合性単量体組成物を分散装置から排出した後、分散装置に水を投入し撹拌した後に水を排出した。
上記分散工程を1セットとし重合性単量体組成物を製造し、同じ分散装置を使用して20サイクル繰り返し、重合性単量体組成物を分散装置から排出し、分散装置に水を投入し撹拌し水を排出した後、撹拌軸および撹拌軸シール部材への堆積物の状態を確認し評価した。評価基準は下記に記す。評価結果は表2に記す。
(造粒工程)
上記水系媒体中に上記単量体組成物を投入し、60℃、N2雰囲気下においてハイシェアミキサー(IKA社製)にて3000rpmにて15分間撹拌し重合性単量体組成物の分散液を得た。
(反応工程)
造粒工程終了後、重合性単量体組成物の分散液を、パドル撹拌羽根を具備した撹拌槽に移し、撹拌しつつ0.5℃/分の速度で70℃まで昇温し、70℃に保持したまま4時間反応させた。その後、90℃に昇温し、2時間保持した後、0.5℃/分の速度で30℃まで徐々に冷却した。
(洗浄・濾過・乾燥工程)
冷却後、塩酸を加えて洗浄した後に濾過・乾燥してトナー粒子を得た。
(外添工程)
このトナー粒子を100質量部と個数平均1次粒径12nmの疎水性シリカ微粉体1.0質量部をヘンシェルミキサー(日本コークス社製)で混合し、重量平均粒径(D4)が7.0μmのトナーを得た。
得られたトナーは下記評価方法によって耐久現像性を行った。その結果を表2に示す。
〔実施例2〕
該第二撹拌部材の撹拌羽根の、撹拌軸と直交する平面上で撹、拌羽根を通る直線と撹拌羽根との交点間の最大長J(m)と、最大長J(m)を規定した直線と直交する直線と撹拌羽根との交点間の最大長I(m)との関係が、I/J=0.1となる以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔実施例3〕
該第二撹拌部材の撹拌羽根の、撹拌軸と直交する平面上で撹、拌羽根を通る直線と撹拌羽根との交点間の最大長J(m)と、最大長J(m)を規定した直線と直交する直線と撹拌羽根との交点間の最大長I(m)との関係が、I/J=0.9となる以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔実施例4〕
該第二撹拌部材の撹拌羽根の形状を正四角柱としI/J=1.0となる以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔実施例5〕
撹拌軸の中心を通る遠心方向の直線で、隣接する第二撹拌部材の撹拌羽根とを結ぶ直線のなす最小角度B(°)がB=15で、撹拌軸の回転中心を通り該遠心方向の直線と、第二撹拌部材とが成す角度C(°)をC=10とした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔実施例6〕
撹拌軸の中心を通る遠心方向の直線で、隣接する第二撹拌部材の撹拌羽根とを結ぶ直線のなす最小角度B(°)がB=170で、撹拌軸の回転中心を通り該遠心方向の直線と、第二撹拌部材とが成す角度C(°)をC=10とした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔実施例7〕
撹拌軸の中心を通る遠心方向の直線で、隣接する第二撹拌部材の撹拌羽根とを結ぶ直線のなす最小角度B(°)がB=10で、撹拌軸の回転中心を通り該遠心方向の直線と、第二撹拌部材とが成す角度C(°)をC=10とした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔実施例8〕
撹拌軸の回転中心を通り該遠心方向の直線と、第二撹拌部材とが成す角度C(°)をC=10とした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔実施例9〕
撹拌軸の回転中心を通り該遠心方向の直線と、第二撹拌部材とが成す角度C(°)をC=80とした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔実施例10〕
撹拌軸の回転中心を通り該遠心方向の直線と、第二撹拌部材とが成す角度C(°)をC=5とした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔実施例11〕
第一撹拌部材の直径A(m)と第二撹拌部材の最小回転径H(m)との関係をH/A=0.1とした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔実施例12〕
第一撹拌部材の直径A(m)と第二撹拌部材の最小回転径H(m)との関係をH/A=0.6とした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔実施例13〕
第一撹拌部材の直径A(m)と第二撹拌部材の最小回転径H(m)との関係をH/A=0.7とした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔実施例14〕
第一撹拌部材の直径A(m)と、第一撹拌部材の上端と該撹拌槽内壁との該撹拌軸方向の距離L(m)との関係をA/L=1.5とした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔実施例15〕
第一撹拌部材の直径A(m)と、第一撹拌部材の上端と該撹拌槽内壁との該撹拌軸方向の距離L(m)との関係をA/L=3.8とした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔実施例16〕
第一撹拌部材の直径A(m)と、第一撹拌部材の上端と該撹拌槽内壁との該撹拌軸方向の距離L(m)との関係をA/L=1.0とした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔実施例17〕
撹拌槽内壁と、第一撹拌部材下端との撹拌軸方向の距離Fと、第二撹拌部材の撹拌羽根の撹拌軸方向の距離Gとの関係がG/F=0.3とした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔実施例18〕
撹拌槽内壁と、第一撹拌部材下端との撹拌軸方向の距離Fと、第二撹拌部材の撹拌羽根の撹拌軸方向の距離Gとの関係がG/F=0.9とした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔実施例19〕
撹拌槽内壁と、第一撹拌部材下端との撹拌軸方向の距離Fと、第二撹拌部材の撹拌羽根の撹拌軸方向の距離Gとの関係がG/F=0.2とした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔実施例20〕
第一撹拌部材の最外周の周速を5.0m/sとした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔実施例21〕
第一撹拌部材の最外周の周速を30m/sとした以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔実施例22〕
分散工程での処理磁性体1を130質量部とし、液比重が3.0であった以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔実施例23〕
分散工程での処理磁性体1を50質量部とし、液比重が2.0であった以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔実施例24〕
分散工程で、処理磁性体1を加えず、C.I.ピグメントイエロー155を6質量部とし、液比重が0.9であった以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔比較例1〕
分散装置の第二撹拌部材を取り外した以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
〔比較例2〕
分散装置の第二撹拌部材を取り外し、図4に示す櫛歯状の部材を取り付けた以外は、実施例1と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。なお、表1における比較例2のI/J乃至G/Fのデータは、櫛歯状部材に基づくものである。
〔比較例3〕
分散装置の第二撹拌部材を取り外した以外は、実施例24と同様の条件、方法によりトナー粒子を製造し、トナーを得た。得られたトナーを用いて下記の評価を行った。
Figure 2015125345
<評価>
撹拌軸シール部材への堆積物評価
20サイクル繰り返し、重合性単量体組成物を分散装置から排出し、分散装置に水を投入し撹拌し水を排出した後、撹拌軸および撹拌軸シール部材への堆積物又は付着物の状態を目視にて確認した。
○堆積物評価基準
ランクA:堆積物が全くない(実用可能なレベル)
ランクB:径が1cm程度の堆積物が複数確認出来る(実用可能なレベル)
ランクC:堆積物が繋がっているものがある(実用可能なレベル)
ランクD:堆積物が撹拌軸シール部材を覆っているが、撹拌軸シール部材の凹凸は確認出来る(実用上好ましくないレベル)
ランクE:堆積物が撹拌軸シール部材を完全に覆ってしまい撹拌軸シール部材の形が確認できない。(実用上好ましくないレベル)
耐久現像性試験
(実施例1から23、比較例1,2のトナー)
分散工程を繰り返し行った20サイクル目の重合性単量体組成物使用して、上記の方法にて製造したトナーを、画像形成装置としてLBP3000(キヤノン製)を用い、常温常湿環境下(23℃/60%RH)及び高温高湿環境下(32.5℃/80%RH)にて印字率が4%の横線を連続モードで2,000枚画出し試験を行った。なお、記録媒体としてはA4の75g/m2の紙を使用した。通紙耐久後に、印字紙全面にベタ画像部を形成したチャートを1枚ずつ出力し、このベタ画像をマクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、反射濃度計にて測定を行った。原稿は画像比率5%のチャートを使用した。評価は耐久初期の反射濃度と、耐久前後の濃度差という2つの観点で行った。
○濃度の評価基準
ランクA:耐久前の反射濃度が1.55以上。(実用可能なレベル)
ランクB:耐久前の反射濃度が1.50以上1.55未満(実用可能なレベル)
ランクC:耐久前の反射濃度が1.45以上1.50未満(実用可能なレベル)
ランクD:耐久前の反射濃度が1.35以上1.45未満(実用可能なレベル)
ランクE:耐久前の反射濃度が1.35未満(実用上好ましくないレベル)
また、通紙耐久前後に白画像を出力して、その反射率を東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して測定した。一方、白画像形成前の転写紙(標準紙)についても同様に反射率を測定した。フィルターはグリーンフィルターを使用し、下記式にてカブリを算出した。
カブリ(反射率)(%)=標準紙の反射率(%)−白画像サンプルの反射率(%)
なお、カブリは得られたカブリ値の最大値を用いて以下の判断基準に従って評価した。
○カブリの評価基準
A:非常に良好(0.5%未満)
B:実用可能なレベル(0.5%以上1.5%未満)
C:実用可能なレベル(1.5%以上3.0%未満)
D:実用上好ましくないレベル(3.0%以上)
(実施例24、比較例3のトナー)
分散工程を繰り返し行った20サイクル目の重合性単量体組成物使用して、上記の方法にて製造したトナーを非磁性一成分系現像剤とし、画像形成装置としては市販のレーザプリンタであるLBP−5400(キヤノン製)の改造機を用い、温度23℃、相対湿度50%環境下でA4のカラーレーザーコピー用紙(キヤノン製、80g/m2)を用いて画像評価を行った。評価機の改造点は以下のとおりである。評価機本体のギアおよびソフトウエアを変更することにより、プロセススピードが200mm/secとなるようにした。評価に用いるカートリッジはシアンカートリッジを用いた。すなわち、市販のシアンカートリッジから製品トナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、本発明によるトナーを150g充填して評価を行った。なお、マゼンタ、イエロー、ブラックの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたマゼンタ、イエロー、およびブラックカートリッジを挿入して評価を行った。以上の条件で、0.5%の印字比率の画像を15000枚まで間歇モード(すなわち、1枚プリントアウトする毎に10秒間現像器を休止させ、再起動時の現像装置の予備動作でトナーの劣化を促進させるモード)でプリントアウトした。その際、初期と5000枚後耐久後と15000枚耐久後に後述の項目について画像評価を行った。
○画像濃度
A4のカラーレーザーコピー用紙(キヤノン製、80g/m2)を転写材として用いて、ベタ画像を出力し、その濃度を測定(右上、右下、中心、左上、左下の5点平均)することにより評価した。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計 RD918」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分の画像に対する相対濃度を測定した。
A:画像濃度が1.45以上(実用可能なレベル)
B:画像濃度が1.30以上1.45未満(実用可能なレベル)
C:画像濃度が1.15以上1.30未満(実用可能なレベル)
D:画像濃度が1.15未満(実用上好ましくないレベル)
○カブリ
カブリの測定については、東京電色社製の反射濃度計、REFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して、標準紙及びプリントアウト画像の非画像部の反射率を測定した。測定で用いられるフィルターには、グリーンフィルターを用いた。測定結果から下記の式よりカブリを算出し、以下の基準で評価した。
カブリ(反射率:%)=標準紙上の反射率(%)−サンプル非画像部の反射率(%)
A:カブリ(反射率)が0.5%未満(実用可能なレベル)
B:カブリ(反射率)が0.5%以上1.0%未満(実用可能なレベル)
C:カブリ(反射率)が1.0%以上2.0%未満(実用可能なレベル)
D:カブリ(反射率)が2.0以上(実用上好ましくないレベル)
Figure 2015125345
1 分散装置、2 第一撹拌部材、3 第二撹拌部材、4 撹拌軸、5 底弁、6 ジャケット、7 メカニカルシール、8 撹拌槽内壁、9 撹拌槽、A 第一撹拌部材の直径、B 隣接する第二撹拌部材の撹拌羽根と撹拌軸の回転中心を結ぶ直線のなす最小角度、C 撹拌軸の回転中心を通る直線と第二撹拌部材とがなす角度、D 第二撹拌部材の回転方向、F 撹拌槽内壁と、第一撹拌部材下端との撹拌軸方向の距離F、G 第二撹拌部材の撹拌羽根の撹拌軸方向の距離G、L 第一撹拌部材の上端と撹拌槽内壁との撹拌軸方向の距離L、i 撹拌軸と直交する平面上で撹拌羽根を通る直線の代表例、j 直線jと直交する直線の代表例

Claims (7)

  1. 分散装置を用いて、重合性単量体、又は結着樹脂が有機溶媒に溶解した樹脂溶解液に着色剤を分散させる分散工程を有するトナー粒子の製造方法であって、
    該分散装置は、第一撹拌部材、第二撹拌部材及び撹拌槽を有し、
    該第一撹拌部材及び該第二撹拌部材は、それぞれ撹拌羽根を有し、同一の撹拌軸によって回転するものであり、該撹拌軸は該撹拌槽の下部から該撹拌槽内に挿入されており、
    該第二撹拌部材は、該第一撹拌部材の下端と該撹拌槽の内壁との間に設けられており、該撹拌軸を中心とする径方向の外向きに突出した撹拌羽根を有することを特徴とするトナー粒子の製造方法。
  2. 該第二撹拌部材の撹拌羽根は、該撹拌軸と直交する平面上で該撹拌羽根を通る直線と撹拌羽根との交点間の最大長J(m)と、該撹拌軸と直交する平面上で該直線と直交する直線と撹拌羽根との交点間の最大長I(m)とがI/J≦0.9であることを特徴とする請求項1に記載のトナー粒子の製造方法。
  3. 該撹拌軸の中心を通る遠心方向の直線で、隣接する第二撹拌部材の撹拌羽根とを結ぶ直線のなす最小角度B(°)が15≦B≦170であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー粒子の製造方法。
  4. 該撹拌軸の回転中心を通り該遠心方向の直線と、該第二撹拌部材とが成す角度C(°)が10≦C≦80以下である、第二撹拌部材を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
  5. 該第一撹拌部材の直径A(m)と該第二撹拌部材の最小回転径H(m)が、
    0.2≦H/A≦0.6ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
  6. 該第一撹拌部材の直径A(m)と、該第一撹拌部材の上端と該撹拌槽内壁との該撹拌軸方向の距離L(m)が、1.5≦A/L≦3.8であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
  7. 該撹拌槽内壁と、該第一撹拌部材下端との該撹拌軸方向の距離Fと、該第二撹拌部材の撹拌羽根の該撹拌軸方向の距離Gとが0.3≦G/F≦0.9であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のトナー粒子の製造方法。
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WO2023276968A1 (ja) * 2021-06-29 2023-01-05 花王株式会社 油剤含有シリカカプセル粒子の製造方法

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