JP2015124862A - パイプの分岐部および分岐管ユニットとそれらの製造方法 - Google Patents

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英朋 湯本
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Abstract

【課題】容易かつ低コストで、かつ漏れ防止の信頼性の高いパイプの分岐部を提供する。
【解決手段】
パイプの分岐部の製造方法が、パイプ1の管壁に摩擦熱を生じさせながらバーリング加工を行って分岐穴5をあけるとともに、分岐穴5の内周面からパイプ1の内側に向けて突出する第1の環状壁部6と、分岐穴5の内周面からパイプ1の外側に向けて突出する第2の環状壁部7とを形成することにより、第1の環状壁部6と分岐穴5の内周面と第2の環状壁部7とからなる環状壁23を形成する工程と、環状壁23の、パイプ1の外側に位置する端部に、Oリング10を収容可能な環状溝9を形成する工程と、環状溝9の形成部分よりもパイプ1の内側における環状壁23の内周面に雌ねじ8を形成する工程と、を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、パイプの分岐部および分岐管ユニットとそれらの製造方法に関する。
内部を流体が流通する中空のパイプにおいて、パイプの長手方向のみならずその他の方向にも流体を流れさせるために、分岐穴が設けられる場合がある。一般的には、パイプの管壁に分岐穴が形成されて、その分岐穴に連結部材が接続される。特許文献1には、パイプに設けられた分岐穴の周囲を取り囲むT字型の連結部材(T−フィッティング)がパイプに填められた構成が開示されている。特許文献2には、パイプ(配管)に設けられた分岐穴に連通する中空部を有する連結部材(ソケット)がパイプに溶接された構成が開示されている。また、特許文献3には、分岐穴の内周面に雌ねじが形成され、分岐穴に連通する中空部を有する連結部材(分岐管)の外周面に雄ねじが形成されており、雄ねじを雌ねじにねじ込むことによって分岐管をパイプに接続した構成が開示されている。
特表2006−522907号公報 特開2008−206620号公報 実用新案登録第3173050号公報 欧州特許明細書第0057039号
特許文献1に記載された構成では、分岐穴に連結部材を直接接続するのではなく、分岐穴の周囲を取り囲むT字型の連結部材が用いられているため、流体の漏れを防止するのは容易ではない。特許文献1ではパイプの外周に填められる2つのOリングが用いられているが、このOリングは、特許文献1のT字型の連結部材がパイプに対して直交する面内で回転可能ないわゆるスイベル継手であるために設けられたものである。スイベル継手はパイプに対して回転可能であるため、T字型の連結部材をパイプに固定することはできず、連結部材とパイプとの間に多少のクリアランス(隙間)が必要である。そこで、このクリアランスを塞いで漏れを防止するために、パイプの外周面と連結部材との間にOリングを配置している。このように、特許文献1のOリングは、スイベル継手において回転可能な状態を保ちつつ漏れを防ぐために配置されたものであり、そのOリングの配置は、スイベル継手以外の、パイプに対して回転不能に固定される連結部材においてはほとんど意味をなさず、採用されることは考えられない。言い換えると、特許文献1には、パイプに対して回転不能に固定される連結部材において漏れを抑制するために有効な部材(Oリング等)の配置は示されていない。また、T字型の連結部材を形成して1つずつパイプに填め込む作業は、特にパイプが長い場合に非常に煩雑であり、作業時間が長い。
特許文献2に記載された構成では、分岐穴の周囲を取り囲むT字型の連結部材ではなく、分岐穴に直接接続される連結部材が用いられているため、特許文献1に比べて漏れ防止の信頼性が高い。しかし、連結部材をパイプに溶接する作業が繁雑で製造コストが高い。また、1本のパイプの複数個所に次々に連結部材を接続することが困難であり、1個所の溶接が終了したら十分な時間をおいて次の個所の溶接に移行する必要がある。さらに、この構成では、溶接時の高熱がパイプおよび連結部材の周囲に存在する様々な部材を損傷させるおそれがある。従って、周囲に他の部材が存在しない作業位置において溶接を行った後にパイプの設置場所に移動させるか、あるいは、パイプと連結部材の溶接個所の近傍には他の部材を配置せず、熱の影響を防ぐのに十分な大きさの空間を設けるように設計する必要がある。前者の場合には、作業効率が非常に悪く作業時間が長くなる。後者の場合には、スペース効率が悪く、設備の大型化を招く。そして、連結部材をパイプに溶接しているため、一旦接続したら破壊しない限り取り外すことができず、万一不具合が発生したときに対応できない。
これに対し、特許文献3に記載の構成では、ねじによって連結部材をパイプの分岐穴に接続しているため、特許文献2の溶接に基づく前記した様々な問題点を解決することができる。ただし、分岐穴の内周面に雌ねじを形成するためには、パイプの本来の肉厚だけでは厚さが不足する。そのため、分岐穴の内周面の厚さを補うために、分岐穴の内周面から実質的に垂直に突出する環状壁が形成される。特許文献3においては、下穴を開けたパイプの内側に玉を入れてこの玉を下穴に対向する位置に保持し、パイプの外側から下穴内にボルトを挿入して、そのボルトを、玉に設けられた貫通穴にねじ込む。その後にボルトをパイプの外側に向かって引き抜くと、ねじで接合された玉がパイプの外側に引き出され、下穴の径を広げて分岐穴を形成するとともに、分岐穴の内周面から外側に向かって突出する環状壁が形成される。
このように、特許文献3において、玉とボルトを使って環状壁を形成する工程では、環状壁の高さを精度良く形成することが困難である。すなわち、塑性変形させて環状壁を形成する際の引き抜き力の付与やタイミングなどの点で設計通りの寸法の環状壁が形成できない可能性がある。
穴の内周面から実質的に垂直に突出する環状壁を形成する加工を一般にバーリング加工と言い、バーリング加工に適した工具として、特許文献4にフロードリル(商標)が提案されている。フロードリルは、長手方向に直交する方向の外形が非円形(略多角形)である。フロードリルによると、分岐穴の内周面から突出する環状壁が寸法精度良く形成できる。ただし、このフロードリルを用いて特許文献3の環状壁を形成したとしても、ねじを締めたり緩めたりする作業を繰り返した場合などに漏れ防止の信頼性が低くなるという問題は解決されない。
そして、前記したようにスイベル継手において連結部材をパイプに対して回転可能にするために必要なクリアランスを塞ぐ特許文献1のOリングを、仮に特許文献2〜4のようなスイベル継手以外の構成に採用したとしても、そのOリングは漏れ防止にあまり寄与しない。
そこで本発明の目的は、容易かつ低コストで、かつ漏れ防止の信頼性の高いパイプの分岐部および分岐管ユニットとそれらの製造方法を提供することにある。
本発明のパイプの分岐部の製造方法は、パイプの管壁に摩擦熱を生じさせながらバーリング加工を行って分岐穴をあけるとともに、分岐穴の内周面からパイプの内側に向けて突出する第1の環状壁部と、分岐穴の内周面からパイプの外側に向けて突出する第2の環状壁部とを形成することにより、第1の環状壁部と分岐穴の内周面と第2の環状壁部とからなる環状壁を形成する工程と、環状壁の、パイプの外側に位置する端部に、Oリングを収容可能な環状溝を形成する工程と、環状溝の形成部分よりもパイプの内側における環状壁の内周面に雌ねじを形成する工程と、を含む。
本発明によると、分岐穴の周囲を取り囲むT字型の連結部材を用いるのではなく、分岐穴に連結部材を直接接続させることができるので、漏れ防止が容易である。しかも、摩擦熱を利用したバーリング加工を行うことにより、所望の寸法の環状壁を容易に形成できる。環状壁は雌ねじと環状溝の両方を有するため、連結部材を適宜に取り外すことができ、また、環状溝に収容したOリングによって気密性をさらに向上させることができ、漏れ防止の信頼性が高い。
本発明によって製造された分岐管ユニットの要部を示す正面図である。 図1に示す分岐管ユニットのパイプを示す斜視図である。 図2に示すパイプの一部の拡大図である。 図1に示す分岐管ユニットのパイプと連結部材の接続部分の拡大断面図である。 図4に示す接続部分の拡大分解図である。 図1に示す分岐管ユニットの製造方法を示すフローチャートである。 図6に示す分岐管ユニットの製造方法の、下穴を開ける工程を行った後の状態を示す断面図である。 リーマ加工に用いられるリーマボルトの一例を示す正面図である。 バリ取りに用いられる種々の軸付砥石の例を示す正面図である。 バリ取りに用いられるワイヤブラシの一例を示す正面図である。 バリ取りに用いられる切削工具の一例を示す正面図である。 分岐管ユニットの製造方法の、環状壁を形成する工程を行った後の状態を示す断面図である。 分岐管ユニットの製造方法の、環状溝を形成する工程を行った後の状態を示す断面図である。 (a)はリーマ加工を行わなかった場合のバリの発生状態を示す斜視図、(b)はリーマ加工を行った場合のバリの発生状態を示す斜視図である。 本発明に基づいて分岐部を製造した結果を示す表である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1に本発明によって製造された分岐管ユニットの要部を示している。この分岐管ユニットは、中空のパイプ1と、パイプ1の管壁に設けられた分岐部2に接続された連結部材である継手3とを備えている。継手3には他のパイプ4等が接続される。図1には、パイプ1に設けられた分岐部2が右側に示されており、分岐部2に継手3が接続された状態が左側に示されている。
図2は本実施形態のパイプ1を示しており、図3はその拡大図である。図4はパイプの分岐部2に継手3が接続された状態の断面図、図5はその分解図を示している。分岐部2は、パイプ1に開けられた分岐穴5と、分岐穴5の内周面からパイプ1の内側に突出する第1の環状壁部6と、分岐穴5の内周面からパイプ1の外側に突出する第2の環状壁部7とを含む。この第1の環状壁部6と、分岐穴5の内周面と、第2の環状壁部7とによって、環状壁23が形成されている。本明細書中における「パイプ1の内側」はパイプ1の内周側(中心側)を意味し、「パイプ1の外側」はパイプ1の外周側を意味する。環状壁23(第1の環状壁部6、分岐穴5、第2の環状壁部7)はパイプ1の管壁に対して実質的に垂直に形成されているため、環状壁23(第1の環状壁部6、分岐穴5、第2の環状壁部7)の内周面は、パイプ1の内周面に対して実質的に垂直に位置する。そして、第1の環状壁部6の内周面と、分岐穴5の内周面と、第2の環状壁部7の内周面の根元部分とにわたって、雌ねじ8が形成されている。環状壁23の、パイプ1の外側に位置する端部、すなわち第2の環状壁部7の先端部には雌ねじ8が形成されておらず、環状溝9が形成されている。雌ねじ8は、環状溝9の形成部分よりもパイプ1の内側において、環状壁23の内周面に形成されている。環状溝9は、Oリング10を収容可能である。
分岐部2に接続される継手3は、一端部に、雌ねじ8と螺合する雄ねじ11を有している。雄ねじ11は先端部11aと根元部11bとからなり、先端部11aと根元部11bとの間には、ねじが形成されていない小径部19が介在している。この小径部19にOリング10とワッシャ13がはめ込まれている。Oリング10とワッシャ13の内径は小径部19の外径よりも大きく、かつ雄ねじ11の先端部11aおよび根元部11bの外径よりも小さい。従って、Oリング10とワッシャ13は、一旦弾性変形させられて小径部19にはめ込まれた後は、小径部19から脱け落ちることはない。雄ねじ11の根元部11bにはナット12がねじ込まれている。雄ねじ11を雌ねじ8にねじ込むことによって継手3を分岐部2に取り付けた状態で、小径部19にはめ込まれているOリング10は環状溝9内に収容され、ワッシャ13によって環状溝9内に保持される。すなわち、ワッシャ13が、Oリングに当接して圧縮する押さえ部を構成している。
また、図1に示すように、継手3の他端部にも雄ねじ14が設けられており、この雄ねじ14には、想像線(2点鎖線)で示された他のパイプ4等の分岐配管が接続されている。
以下に本発明の分岐管ユニットの製造方法を説明する。まず、パイプ1の分岐部2の製造方法の一例について、図6のフローチャートと図7〜14を参照して説明する。
図7に示すように、ステンレス鋼などからなる中空のパイプ1を、クランプ部材15(想像線(2点鎖線)により模式的に図示)を用いて固定し、パイプ1の管壁の所望の位置に、図示しないドリル等を用いて下穴16を開ける(ステップS1)。図7には、下穴が開けられた状態が示されている。下穴16は、最終的な分岐穴5よりも小径である。次に、リーマ加工を行って下穴16の内周面を平滑にする(ステップS2)。リーマ加工に用いるリーマドリル20は、図8に示すような、従来から用いられている一般的なものであってよい。
そして、リーマ加工を施した下穴16の内周面に生じたバリ、特にパイプ1の内側に突出するバリを除去する(ステップS3)。一例としては、図9に3種類例示しているような軸付砥石21や、図10に示すようなワイヤブラシ22を、下穴16の内側に挿入して、パイプ1の内部で回転させながら下穴16の内側端縁に接触させて削ることにより、バリを除去する。あるいは、図11に示す、いわゆるスポットフェーシング用の切削工具24を用いてバリを除去する。スポットフェーシング用の切削工具24は、下穴16よりも小径の柱部24aに、柱部24aの径方向に突出する状態と、突出せずに格納された状態とを切り替え可能な切刃部24bが取り付けられた構成である。この切削工具24の柱部24aが下穴16を貫通してパイプ1内に進入した状態で、パイプ1の内部において突出した切刃部24bが下穴16のバリに接触し、柱部24aおよび切刃部24bが一体的に回転することにより、切刃部24bがバリを切り取る。
それから、図12に示すように、下穴16を拡大して分岐穴5を形成するとともに、摩擦熱を利用して分岐穴5の内周面から突出する第1および第2の環状壁部6,7を形成する(ステップS4)。具体的には、摩擦式穴開け工具17の尖端部分17aを、高圧かつ高速回転でパイプ1に接触させる。すると、摩擦熱によってパイプ1は局所的に高熱になって可塑性になる。その結果、パイプ1の下穴16が容易に拡大して所望の径の分岐穴5になる。それと同時に、パイプ1の、摩擦式穴開け工具17に接触している個所が、摩擦式穴開け工具17の外周面に沿って延びる。摩擦式穴開け工具17が下降する際に、分岐穴5の内周面からパイプ1の内側に向けて実質的に垂直に突出する第1の環状壁部6と、分岐穴5の内周面からパイプ1の外側に向けて実質的に垂直に突出する第2の環状壁部7が形成される。そして、摩擦式穴開け工具17の大径部17bの平坦な下面を第2の環状壁部7の端面に押しつけることによって、第2の環状壁部7の端面を平坦にすることができる。こうして、分岐穴5の内周面と、パイプ1の内側に突出する第1の環状壁部6と、パイプ1の外側に突出する第2の環状壁部7とからなる環状壁23が形成される。図12には、環状壁23が形成された状態が示されている。摩擦式穴開け工具17としては、特許文献4に開示されているような、長手方向に直交する方向の外形が非円形(略多角形)であるフロードリル(商標)が用いられる。
次に、図13に示すように、カウンタボア工具18を用いて、環状壁23の、パイプ1の外側に位置する端部、すなわち第2の環状壁部7の先端部に環状溝9を形成する(ステップS5)。カウンタボア工具18は、分岐穴5内に挿入可能な円柱部18aと、円柱部よりも大径の切刃部18bとを有し、円柱部18aが分岐穴5の内部に挿入された状態で、その上方に位置する切刃部18bが主に第2の環状壁部7の内周面に押し当てられつつ回転することによって、第2の環状壁部7の内周面を切削する。第2の環状壁部7はカウンタボア工具18の切刃部18の角度に対応して切削され、環状溝9が形成される。図13には、環状溝9が形成された状態が示されている。この環状溝9は、継手3が分岐部2に取り付けられる際にOリング10(図4,5参照)を収容するために用いられる。
それから、図示しないタップを用いて、環状溝9の形成部分よりもパイプ1の内側における環状壁23の内周面、具体例では第1の環状壁部6と分岐穴5の内周面と第2の環状壁部7の根元部分とにわたって雌ねじ8を形成する(ステップS6)。この時、第2の環状壁部7の先端部、すなわち環状溝9が形成されている部分は、内径が拡大しているためタップに当接せず雌ねじ8は形成されない。
最後に、再び砥石20やワイヤブラシ21やスポットフェーシング用の切削工具24を用いてバリを除去する(ステップS7)。この工程では、主に環状壁23からパイプ1の内側に向かって形成されているバリを除去する。このようにして、図1〜5に示されているパイプ1の分岐部2が製造される。
このパイプ1の分岐部2に連結部材を接続する。本実施形態の連結部材は、図1に示すように両端部に雄ねじ11,14を有する継手3であり、一端部に雄ねじ11が形成されるとともに、小径部19にナット12とワッシャ13がはめ込まれている。この一端部の雄ねじ11を分岐穴2の雌ねじ8にねじ込むことによって、継手3はパイプ1の分岐部2に接続される(ステップS8)。この時、Oリング10は、パイプ1の分岐部2と継手3との間、詳しくは環状溝9とワッシャ13との間に挟み込まれる。ワッシャ13がOリング10に対する押さえ部となり、Oリングを環状溝9に対して押しつけて圧縮させる。その後、他のパイプ4等の分岐配管を継手3の雄ねじ14にねじ込んで固定することができる。
この分岐管ユニットでは、流体がパイプ1の内部を流通するとともに、分岐部2を介して他のパイプ4にも流れる。継手3は分岐穴5に直接接続されているため漏れのおそれが小さい。さらに、Oリングが、分岐部2と継手3との接続部分に配置されているため、分岐穴から離れた位置にOリングが配置される場合に比べて非常に効果的に漏れを防止できる。そして、摩擦熱を利用したバーリング加工によって分岐穴5の内周面から突出する第1および第2の環状壁部6,7を形成しているため所望の長さの環状壁23を容易に形成でき、その結果、継手3の雄ねじ11をねじ込んで強固に固定できる長さの雌ねじ8が形成できる。
また、下穴16を形成した段階でリーマ加工およびバリ取りを行い、さらに第1の環状壁部6と分岐穴5の内周面と第2の環状壁部7の根元部分とにわたって雌ねじ8を形成した後に再びバリ取りを行っているため、流体の流通経路内に突出するバリを防ぎ、不要な抵抗を抑えて流体の円滑な流れを実現できる。仮に、リーマ加工を行わない場合、バリ取り前のバリは、図14(a)に示すように大きくしかもランダムに生成される。従って、バリ取りは容易ではなく、作業が繁雑かつ長時間になるか、十分にバリを取れない可能性がある。これに対し、本実施形態のようにリーマ加工を行うと、バリ取り前のバリは、図14(b)に示すように小さくかつ均一になる。従って、短時間で容易に十分にバリがとれる。
従来、タップを用いて分岐部の環状壁に雌ねじを形成する場合には、環状壁の全長にわたって雌ねじが形成されるのが一般的であるため、その環状壁にはOリングを配置できるスペースがない。従って、分岐部と継手との接続部分から離れた位置に複数のシール部材(Oリング等)を配置せざるを得ない。その結果、効率的な漏れ防止が困難である。それに対し本実施形態では、環状壁23に雌ねじ8を形成する前に、環状壁23の、パイプ1の外側に位置する端部(第2の環状壁部7の先端部)に、Oリング10を収容できる環状溝9を形成している。これにより、分岐部2と継手3の接続部分自体に、継手3の雄ねじ11をねじ込むための雌ねじ8と隣接して、Oリング10収容用の環状溝9を形成できる。従って、強固な接続が可能であるとともに、漏れ防止の信頼性が高い。
この構成では、雄ねじ11を回転させることにより雌ねじ8から取り外すことができ、それによりパイプ1の分岐部2に対する継手3の取り外しおよび再接続が容易にできる。仮に、雄ねじ11と雌ねじ8の間に多少の緩みが生じたとしても、雌ねじ8に隣接してOリング10が配置されているので、緩みに起因して漏れが生じることを抑えることができる。
本出願人は、前記した実施形態に基づいて様々な寸法の分岐部2を実際に製造した。その結果を図15に示す。これによると、様々な条件において良好な分岐部2が製造できた(図15中に「○」で示す)。なお、パイプ1の径と分岐穴5の径との差が小さいと、構造上の強度が不十分になる可能性や、環状壁を形成するために摩擦熱によって可塑化する材料の量が不足して、所望の雌ねじを形成するのに十分な高さの環状壁23が形成できない可能性があるため、そのような条件では分岐部2の製造を行わず、図15に示す表では斜線で示している。また、パイプ1の肉厚が厚過ぎると、本願出願時の一般的な摩擦式穴開け工具17では分岐穴5および第1,2の環状壁6,7の形成が困難であるため、そのような条件では分岐部2の製造を行わず、図15に示す表では斜線で示している。ただし、摩擦式穴開け工具17の性能が向上すれば、より肉厚の厚いパイプ1に対して本発明の分岐部2を製造できるようになる可能性はある。
図15において、呼び径A、外径、肉厚、内径、下穴はmm単位で示し、呼び径Bはインチ単位で示している。「G」はストレートねじ、「RC」はテーパねじを意味し、「G1/8」、「RC1/8」等は、当業者の一般的なねじの表記方法に則って記載している。図1に示すような屈曲した継手3を用いる場合に、継手3のパイプと接続する端部と反対側を任意の方向に向けることを可能にするためには、ねじ込み量が厳密に規定されないストレートねじを用い、任意の方向に向く位置まで継手3を分岐部2にねじ込んで、Oリング10によって封止する構成が好ましい。
図15に示す各例では炭素鋼(SGP)を材料としているが、その他の様々な材料(例えばステンレス鋼)を用いることもできる。
前記した実施形態では、下穴16を形成した後に摩擦式穴開け工具17を用いて分岐穴5を形成し、その後に環状溝9の形成や雌ねじ8の形成を行っている。しかし、分岐穴5の寸法やパイプ1の材料によっては、下穴16を形成することなく摩擦式穴開け工具17を用いてパイプ1に直接分岐穴5を形成できる場合もある。その場合には、リーマ加工や1回目のバリ取りは省略される。
環状壁23において、環状溝9や雌ねじ8を形成する範囲は任意に選択することができる。すなわち、環状溝9は、パイプ1の外側の第2の環状壁部7のみに形成されても、第2の環状壁部7と分岐穴5の内周面とにわたって形成されても、第2の環状壁部7から分岐穴5の内周面および第1の環状壁部6の一部に至るまで形成されてもよい。同様に、雌ねじ8は、パイプ1の内側の第1の環状壁部6のみに形成されても、第1の環状壁部6と分岐穴5の内周面とにわたって形成されても、第1の環状壁部6から分岐穴5の内周面および第2の環状壁部7の一部(環状溝9の形成部分を除く部分)に至るまで形成されてもよい。
前記した実施形態では、パイプ1に設けられた分岐部2に継手3をねじによって接続しているが、パイプ1に別のパイプ(分岐配管)をねじによって直接接続する構成において本発明を採用することも可能である。
1 パイプ
2 分岐部
3 継手(連結部材)
4 他のパイプ
5 分岐穴
6 第1の環状壁部
7 第2の環状壁部
8 雌ねじ
9 環状溝
10 Oリング
11 雄ねじ
11a 先端部
11b 根元部
12 ナット
13 ワッシャ(押さえ部)
14 雄ねじ
15 クランプ部材
16 下穴
17 摩擦式穴開け工具
18 カウンタボア工具
19 小径部
20 リーマドリル
21 軸付砥石
22 ワイヤブラシ
23 環状壁
24 切削工具

Claims (13)

  1. パイプの管壁に摩擦熱を生じさせながらバーリング加工を行って分岐穴をあけるとともに、前記分岐穴の内周面から前記パイプの内側に向けて突出する第1の環状壁部と、前記分岐穴の内周面から前記パイプの外側に向けて突出する第2の環状壁部とを形成することにより、前記第1の環状壁部と前記分岐穴の前記内周面と前記第2の環状壁部とからなる環状壁を形成する工程と、
    前記環状壁の、前記パイプの外側に位置する端部に、Oリングを収容可能な環状溝を形成する工程と、
    前記環状溝の形成部分よりも前記パイプの内側における前記環状壁の内周面に雌ねじを形成する工程と、
    を含む、パイプの分岐部の製造方法。
  2. 前記環状壁を形成する工程の前に、前記分岐穴よりも径が小さい下穴を形成する工程をさらに含む、請求項1に記載のパイプの分岐部の製造方法。
  3. 前記下穴を形成する工程の後であって、前記環状壁を形成する工程の前に、前記下穴の内周面にリーマ加工を施す工程をさらに含む、請求項2に記載のパイプの分岐部の製造方法。
  4. 前記環状壁を形成する工程の前に、前記下穴の内周面に生じたバリを除去する工程をさらに含む、請求項2または3に記載のパイプの分岐部の製造方法。
  5. 前記雌ねじを形成する工程の後に、前記環状壁の、前記パイプの内側に位置する端部に生じたバリを除去する工程をさらに含む、請求項1から4のいずれか1項に記載のパイプの分岐部の製造方法。
  6. 前記環状壁を形成する工程は、摩擦式穴開け工具を用いて行う、請求項1から5のいずれか1項に記載のパイプの分岐部の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のパイプの分岐部の製造方法の各工程と、
    外周面に前記雌ねじに螺合可能な雄ねじを有する中空管状の連結部材を、前記環状溝と前記連結部材の一部との間に配置された前記Oリングを圧縮させながら前記雄ねじを前記雌ねじにねじ込むことによって、前記パイプに固定する工程と、
    を含む分岐管ユニットの製造方法。
  8. 前記雄ねじは前記連結部材の先端部に形成されており、前記連結部材には前記Oリングを押さえる押さえ部が設けられており、前記連結部材が前記パイプに固定される工程では、前記Oリングを前記管状溝と前記押さえ部との間で圧縮する、請求項7に記載の分岐管ユニットの製造方法。
  9. 前記押さえ部は、前記連結部材の小径部にはめ込まれたワッシャにより構成されている、請求項8に記載の分岐管ユニットの製造方法。
  10. パイプの管壁に開けられた分岐穴の内周面と、前記分岐穴の内周面から前記パイプの内側に向けて突出する第1の環状壁部と、前記分岐穴の内周面から前記パイプの外側に向けて突出する第2の環状壁部と、からなる環状壁と、
    前記環状壁の、前記パイプの外側に位置する端部に形成されており、Oリングを収容可能な環状溝と、
    前記環状溝の形成部分よりも前記パイプの内側における前記環状壁の内周面に形成されている雌ねじと、
    を有するパイプの分岐部。
  11. 請求項10に記載のパイプの分岐部と、外周面に前記雌ねじに螺合可能な雄ねじを有する中空管状の連結部材と、前記環状溝と前記連結部材の一部との間に配置され、前記雄ねじが前記雌ねじにねじ込まれて前記連結部材が前記パイプに固定されることにより圧縮される前記Oリングと、を含む分岐管ユニット。
  12. 前記雄ねじは前記連結部材の先端部に形成されており、前記連結部材の中間部分には前記Oリングを押さえる押さえ部が設けられており、前記連結部材が前記パイプに固定されることにより、前記Oリングは前記管状溝と前記押さえ部との間で圧縮されている、請求項11に記載の分岐管ユニット。
  13. 前記押さえ部は、前記連結部材の小径部にはめ込まれたワッシャにより構成されている、請求項12に記載の分岐管ユニット。
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