JP2015124779A - 断熱材及びその製造方法 - Google Patents

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亮介 澤
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Kazuma Kugimiya
一真 釘宮
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善光 生駒
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【課題】強度が高く断熱性に優れた断熱材を提供する。【解決手段】断熱材は、エアロゲル粒子1と、エアロゲル粒子1を接着する接着剤2と、熱融着性接着成分3aが保護膜3bによりコーティングされた複合接着体3とを備える。エアロゲル粒子1は接着剤2により点状に接着されている。複合接着体3と、エアロゲル粒子1及び接着剤2から形成された断熱体4とが、一体化されている。複合接着体3はエアロゲル粒子1の間に点状に配置されていることが好ましい一態様である。【選択図】図1

Description

本発明は、エアロゲル粒子を用いた断熱材及びその製造方法に関する。
従来、断熱性の高い素材として、エアロゲルが知られている。エアロゲルは、ゲルのネットワークを保持したまま、ゲル中の溶媒を除去したものであり、例えば、微細多孔質シリカの集合体によって構成される。エアロゲルは、空気の熱伝導率より小さいものが存在し、断熱材の材料としての利用価値が高い。特に、エアロゲルが粒子状になったエアロゲル粒子は、成形性に優れ、断熱材の原料として有用である(特許文献1、2参照)。
特開2001−99393号公報 特開2003−42386号公報
エアロゲル粒子を成形して成形体を作製する場合、エアロゲル粒子を固めるための接着剤が必要となる。エアロゲル粒子が接着剤で接着されることによって所望の形状の成形体が得られる。エアロゲル粒子の成形体においては、断熱性と強度とを両立して高めることが重要である。成形体の強度が低くなると、割れたり壊れたりしやすいものとなってしまう。成形体の強度を高めるために、接着剤を増加することが考えられるが、その場合、接着剤によってかえって断熱性が低下するおそれがある。接着剤を増加すると、接着剤が繋がって熱橋となり、熱が伝達しやすくなってしまうのである。しかし、断熱性を高めるために接着剤の量をできるだけ減らそうとすると、成形体の接着力が弱くなってしまう。そして、接着力が弱いと、成形体を加工した際には、接着していたエアロゲル粒子が加工部分以外で離れて、断熱材が欠けてしまうといった問題が発生し得る。
特許文献1では、エアロゲルなどの多孔性の粒体にバインダー成分の被膜を形成することで、成形体を得るのに必要なバインダー成分の添加量を減らし、断熱性を高めようとしている。しかしながら、この文献の方法では、粒体の周囲で連続的に繋がったバインダー被膜が、成形体の熱橋となり、断熱性を十分に向上できない場合がある。
また、特許文献2では、エアロゲル粒子を粉末のバインダーを用いて成形することにより、バインダーによる熱橋の形成を抑制し、断熱性と強度の両立を実現しようとしている。しかしながら、粉末のバインダーのみの接着ではエアロゲル粒子間の接着力が弱く、切断等の加工が行われた際には接着剤が剥離しやすくなり、端部の欠けが生じやすくなってしまう場合がある。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、加工時の強度が高く断熱性に優れた断熱材及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の断熱材は、エアロゲル粒子と、前記エアロゲル粒子を接着する接着剤と、熱融着性接着成分が保護膜によりコーティングされた複合接着体とを備えている。前記エアロゲル粒子は前記接着剤により点状に接着されている。前記複合接着体と、前記エアロゲル粒子及び前記接着剤から形成された断熱体とが、一体化されている。
前記複合接着体は前記エアロゲル粒子の間に点状に配置されていることが、好ましい一態様である。
前記複合接着体は、繊維状の前記熱融着性接着成分が前記保護膜によりコーティングされた繊維で構成され、前記繊維から不織布が形成され、前記エアロゲル粒子は、前記不織布における前記繊維の間に配置されていることが好ましい一態様である。
前記複合接着体は、繊維状の前記熱融着性接着成分が前記保護膜によりコーティングされた繊維で構成され、前記繊維からシートが形成され、1又は複数の前記断熱体と1又は複数の前記シートとが積層されていることが好ましい一態様である。
本発明に係る断熱材の製造方法の一つは、エアロゲル粒子と、前記エアロゲル粒子を接着する粒状の接着剤と、熱融着性接着成分が保護膜によりコーティングされた粒状の複合接着体とを混合し、加熱加圧成形することにより、前記エアロゲル粒子を前記接着剤により点状に接着するとともに、前記複合接着体と、前記エアロゲル粒子及び前記接着剤から形成される断熱体とを一体化するものである。
本発明に係る断熱材の製造方法の一つは、エアロゲル粒子と、前記エアロゲル粒子を接着する粒状の接着剤とを混合し、この混合物を、繊維状の熱融着性接着成分が保護膜によりコーティングされた繊維から形成された不織布に含ませ、加熱加圧成形することにより、前記不織布における前記繊維の間で、前記エアロゲル粒子を前記接着剤により点状に接着するものである。
本発明に係る断熱材の製造方法の一つは、エアロゲル粒子と、前記エアロゲル粒子を接着する粒状の接着剤とを混合し、この混合物と、繊維状の熱融着性接着成分が保護膜によりコーティングされた繊維から形成されたシートとを重ね、加熱加圧成形することにより、前記エアロゲル粒子が前記接着剤により点状に接着された断熱体と、前記シートとを積層一体化するものである。
本発明によれば、エアロゲル粒子が点状に接着され、複合接着体と一体化されることにより、強度が高く断熱性に優れた断熱材を得ることができる。
図1は図1A及び図1Bにより構成される。図1Aは、断熱材の実施形態の一例を示す模式的な断面図である。図1Bは複合接着体の一例を示す模式的な断面図である。 図2は図2A及び図2Bにより構成される。図2Aは、断熱材の実施形態の一例を示す模式的な断面図である。図2Bは複合接着体の繊維の一例を示す説明図である。 図3は図3A、図3B及び図3Cにより構成される。図3Aは、断熱材の実施形態の一例を示す模式的な断面図である。図3Bは複合接着体の繊維で構成されるシートの一例を示す斜視図である。図3Cは複合接着体の繊維の一例を示す説明図である。
本発明の断熱材は、エアロゲル粒子1と、エアロゲル粒子1を接着する接着剤2と、熱融着性接着成分3aが保護膜3bによりコーティングされた複合接着体3とを備えている。断熱材では、エアロゲル粒子1は接着剤2により点状に接着されている。複合接着体3と、エアロゲル粒子1及び接着剤2から形成された断熱体4とが、一体化されている。この断熱材によれば、エアロゲル粒子1が点状に接着され、複合接着体3と一体化されることにより、強度が高く断熱性に優れた断熱材を得ることができる。
図1は、断熱材の第1実施形態を示している。この断熱材は、エアロゲル粒子1と、エアロゲル粒子1を接着する接着剤2と、熱融着性接着成分3aが保護膜3bによりコーティングされた複合接着体3とを備えている。断熱材では、エアロゲル粒子1は接着剤2により点状に接着されている。複合接着体3と、エアロゲル粒子1及び接着剤2から形成された断熱体4とが、一体化されている。第1実施形態では、複合接着体3はエアロゲル粒子1の間に点状に配置されている。第1実施形態では、エアロゲル粒子1が点状に接着されるとともに、複合接着体3が点状に配置されることにより、複合接着体3を介して熱が伝達することが抑制される。そのため、断熱性を効果的に向上することができる。
図2は、断熱材の第2実施形態を示している。この断熱材は、エアロゲル粒子1と、エアロゲル粒子1を接着する接着剤2と、熱融着性接着成分3aが保護膜3bによりコーティングされた複合接着体3とを備えている。断熱材では、エアロゲル粒子1は接着剤2により点状に接着されている。複合接着体3と、エアロゲル粒子1及び接着剤2から形成された断熱体4とが、一体化されている。第2実施形態では、複合接着体3は、繊維状の熱融着性接着成分3aが保護膜3bによりコーティングされた繊維で構成されている。この繊維から不織布30が形成されている。そして、エアロゲル粒子1は、不織布30における繊維の間に配置されている。第2実施形態では、エアロゲル粒子1が、不織布30の繊維の間に配置されることにより、不織布30によってエアロゲル粒子1の接着を補強することができる。そのため、断熱材の強度を効果的に高めることができる。
図3は、断熱材の第3実施形態を示している。この断熱材は、エアロゲル粒子1と、エアロゲル粒子1を接着する接着剤2と、熱融着性接着成分3aが保護膜3bによりコーティングされた複合接着体3とを備えている。断熱材では、エアロゲル粒子1は接着剤2により点状に接着されている。複合接着体3と、エアロゲル粒子1及び接着剤2から形成された断熱体4とが、一体化されている。第3実施形態では、複合接着体3は、繊維状の熱融着性接着成分3aが保護膜3bによりコーティングされた繊維で構成されている。この繊維からシート31が形成されている。そして、1又は複数の断熱体4と1又は複数のシート31とが積層されている。第3実施形態では、エアロゲル粒子1が点状に接着された断熱体4が、複合接着体3の繊維を有するシート31と積層されることで、断熱性を効果的に向上するとともに、強度を効果的に向上することができる。
以下、各実施形態の共通部分を説明し、その後、実施形態ごとにその好ましい態様を説明する。
断熱材は、エアロゲル粒子が接着剤で点状に接着されて形成された断熱体を有している。断熱体は、エアロゲル粒子と接着剤とを含む。
エアロゲル(aerogel)は、ゲル中に含まれる溶媒を乾燥により気体に置換した多孔性の物質(多孔質体)である。粒子状のエアロゲルをエアロゲル粒子という。エアロゲル粒子は空気よりも熱伝導率が低い材料となり得る。エアロゲルとしては、シリカエアロゲル、カーボンエアロゲル、アルミナエアロゲルなどが知られているが、このうちシリカエアロゲルを好ましく用いることができる。シリカエアロゲルは、断熱性に優れ、製造が容易であり、コストも安く、他のエアロゲルよりも容易に得ることができる。なお、ゲル中の溶媒が蒸発などにより失われ、空隙を持つ網目構造となったものをキセロゲル(xerogel)ということもあるが、本明細書におけるエアロゲルは、キセロゲルを含むものであってよい。
エアロゲル粒子としては、特に限定されるものではなく、一般的な製造方法によって得られたものを用いることができる。代表的なものとして、超臨界乾燥法によって得られるエアロゲル粒子と、水ガラスを利用して得られるエアロゲル粒子とがある。これらのエアロゲル粒子は、基本的に同じ構造を有している。シリカエアロゲル粒子は、シリカ微粒子が連結し、三次元の網目状となった粒子構造を有するものであってよい。
エアロゲル粒子は、アルコキシシランから形成され得る。原料となるアルコキシシランとしては、特に限定されるものではないが、2官能、3官能又は4官能のアルコキシシランを単独で又は複数種を混合して用いることができる。2官能アルコキシシランとしては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン等が挙げられる。3官能アルコキシシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等が挙げられる。4官能アルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等が挙げられる。また、アルコキシシランとして、ビストリメチルシリルメタン、ビストリメチルシリルエタン、ビストリメチルシリルヘキサン、ビニルトリメトキシシランなどを用いることもできる。また、アルコキシシランの部分加水分解物を原料に用いてもよい。
エアロゲル粒子の形状は、特に限定されるものではなく、種々の形状であってよい。粒子化するために粉砕等を行った場合には、エアロゲル粒子の形状は不定形の形状となり得る。いわば表面がごつごつした岩状の粒子となる。もちろん、一定の形状を有するものであってもよい。例えば、球状やラグビーボール状などの粒子でもよい。また、楕円体であってもよい。また、パネル状、フレーク状、繊維状であってもよい。また、エアロゲル粒子は、成形に用いる原料としては、粒子の大きさが種々のものが混合したものであってよい。成形物においては、エアロゲル粒子が接着して一体化されるため、粒子の大きさが揃っていなくてもよい。エアロゲル粒子は、エアロゲルビーズとも呼ばれる。エアロゲル粒子は、ゴム性を有していてもよい。
エアロゲル粒子の大きさは、例えば、粒子の最長の長さが50nm以上10mm以下の範囲であってよい。ただし、強度、取扱い性や成形容易性の観点からは、大きすぎる粒子や小さすぎる粒子が少ない方が好ましい。特に小さすぎる粒子が多くなると、一般的な粉末接着剤で固めることが難しくなるおそれがある。固めるためには、粉末接着剤の添加量を増やせばよいが、接着剤の量が増えると、断熱材の断熱性能が低下してしまうおそれがある。したがって、エアロゲル粒子の最長の長さが100μm以上2mm未満の範囲の粒子が多く存在する方が好ましい。
エアロゲル粒子としては、平均粒径が500μm以上であるものを用いることが好ましい。それにより、断熱性を向上することができる。また、エアロゲル粒子の平均粒径が500μmを上回ると、一般的に市販されている粉末接着剤(例えば平均粒径30μm程度)で固めることがより容易になる。さらに、エアロゲル粒子の平均粒径は500μm以上5mm以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは、500μm以上1.5mm以下の範囲である。また、断熱材においては、断熱材内部に多くの空孔ができると熱伝導率を十分に低くすることができなくなって、断熱性の低下に繋がるおそれがある。空孔は、エアロゲル粒子間の隙間として形成され得る。この空孔の増加を抑制するためにはエアロゲル粒子の平均粒径が500μm以上であることが有効である。空孔の増加を抑制するために、平均粒径が500μm以上のエアロゲル粒子と、平均粒径が500μm未満のエアロゲル粒子とを混合してもよい。その場合、平均粒径が500μm未満のエアロゲル粒子の平均粒径は、平均粒径が500μm以上のエアロゲル粒子の平均粒径の1/100〜1/5などにすることができる。また、エアロゲル粒子全体における平均粒径が500μm未満のエアロゲル粒子の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば、0.01〜50質量%の範囲にすることができる。
接着剤は複数のエアロゲル粒子を点状に接着するものである。接着剤としては、熱伝導を少なくするという観点から、熱伝導率がより小さいものを用いるのが好ましい。また、接着剤は強度を高くするという観点から、接着強度がより大きいものを用いるのが好ましい。さらに、接着剤は、エアロゲル粒子の細孔の中に侵入していないことが好ましい。接着剤がエアロゲル粒子の細孔に侵入すると、エアロゲル粒子の熱伝導率が大きくなって断熱性が低下するおそれがある。例えば、疎水性のエアロゲル粒子を用い、接着剤を親水性にすると、エアロゲル粒子の細孔に接着剤が侵入することを抑制できる。
断熱材では、隣接するエアロゲル粒子は点状の接着剤を介して結合されている。接着剤は、連結して複数のエアロゲル粒子の間を線状に配置するようなことがなく、接着剤が分断されて点状になっていることが好ましい。接着剤は、例えば、ドット状に配置されていてもよい。接着剤は、例えば、島状に配置されていてもよい。エアロゲル粒子と接着剤とから断熱体が形成されている。
接着剤は、断熱材内において、点在していてよい。接着剤は、隣り合うエアロゲル粒子の間に配置される。断熱材では、複数のエアロゲル粒子が密集されて形成され得るが、その際、複数のエアロゲル粒子の間に隙間が形成される。接着剤は、複数のエアロゲル粒子の間の隙間に配置されるものであってよい。
接着剤は、略球形あるいは略半球形の状態でエアロゲル粒子の表面に付着しているものであってよい。接着剤の形状は適宜の形状であってよい。接着剤の断面形状は、例えば、円形、楕円形、多角形、などであってよい。もちろん、接着剤の断面形状は、不定形であってもよい。
接着剤の平均粒径はエアロゲル粒子の平均粒径よりも小さいことが好ましい。それにより、エアロゲル粒子を点状に接着しやすくなる。接着剤の平均粒径はエアロゲル粒子の平均粒径の半分以下であることがより好ましい。それにより、エアロゲル粒子を点状に接着しやすくすることができ、さらに接着剤による熱橋の形成を抑制することができる。接着剤の平均粒径とエアロゲル粒子の平均粒径との比率(接着剤/エアロゲル粒子)は、1/200〜1/3であることが好ましい。それにより、断熱性と強度とを効果的に高めることができる。この場合の平均粒径は、断面積から真円換算した径で定義される。平均粒径は、X線CTによって得られる接着剤とエアロゲル粒子の断面から求めることができる。例えば100個の接着剤の粒径の平均値と、100個のエアロゲル粒子の粒径の平均値を用いることができる。接着剤の平均粒径とエアロゲル粒子の平均粒径との比率(接着剤/エアロゲル粒子)は、1/100〜1/10であることがより好ましく、1/80〜1/20であることがさらに好ましい。
複数個の点状の接着剤は、互いに接触しないように、間隔を置いて配置されていることが好ましい。このとき、隣り合う点状の接着剤は、間隔を介して隣り合っていることになる。接着剤は離間して配置されているといってよい。接着剤が接触しないことにより、熱伝導のパスが生じにくくなるため、断熱性を高めることができる。
エアロゲル粒子の表面は、接着剤で覆われないことが好ましい。エアロゲル粒子の表面が接着剤で覆われると、エアロゲル粒子の細孔が塞がれるおそれがあるため、断熱性が低下するおそれがある。また、エアロゲル粒子の表面が接着剤で覆われると、熱伝導のパスができやすくなるおそれがある。
断熱材においては、複数のエアロゲル粒子が点状の接着剤で結合しており、隣接するエアロゲル粒子が点接触(点接続)により結合されている。そのため、接着剤を通じてのエアロゲル粒子間の熱の移動を少なくすることができる。それにより、接着剤によるエアロゲル粒子間の結合を高めながら断熱性の低下を少なくすることができる。なお、成形された断熱材における接着剤の部分は、エアロゲル粒子を接着させる接着機能が発揮された後のものであり、接着性を有していなくてもよいし、有していなくてもよい。成形後の接着剤の部分は、断熱体の接着部と呼んでもよい。
接着剤としては、接着性を有する適宜の接着剤を用いることができる。接着剤としては、熱硬化性接着剤、熱可塑性接着剤、光硬化性接着剤、紫外線硬化性接着剤などが例示される。接着剤の具体例としては、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、フェノール樹脂、メラミン樹脂などのホルムアルデヒド縮合物、ポリイミド、ポリベンズイミダゾール、シアナクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレンワックス、嫌気性接着剤、湿分硬化シリコーン、光硬化系樹脂、紫外線硬化系樹脂、メタクリレート、2成分シリコーン、エポキシド樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂からなる群から選ばれるものが挙げられる。これらは単独で、又は複数種を混合して使用することができる。
接着剤の接着温度は、複合接着体の熱融着性接着成分の融着温度より高いことが好ましい。それにより、加工時に局所的に発生する熱により、熱融着性接着成分が接着性を発揮してエアロゲル粒子を再接着させる際、接着剤が再溶融することなどによるエアロゲル粒子に対する接着性低下を抑制することができる。接着剤の接着温度は、接着性を発現する温度と定義される。接着温度は、熱硬化性接着剤の場合は、硬化温度となる。接着温度は、熱可塑性接着剤の場合は、軟化する温度となる。接着剤の接着温度は、特に限定されるものではないが、例えば、60〜200℃の範囲内であってよい。なお、光硬化性樹脂(紫外線硬化樹脂を含む)の場合、光により硬化することが可能であるため、温度の依存性が少なく、比較的低温度で接着性を発現することが可能である。
断熱材においては、エアロゲル粒子100質量部に対して、接着剤が1〜40質量部含有されていることが好ましい。エアロゲル粒子と接着剤の含有割合は、接着剤の種類や断熱材の断熱性能と強度などを勘案して適宜設定されるものであるが、接着性及び断熱性の観点から、より好適な比率が設定され得る。そこで、例えば、100質量部のエアロゲル粒子に対して、1〜40質量部であることが好ましい。接着剤が少なくなるほど断熱材の熱伝導率が低くなるが強度が低下する傾向にあり、接着剤が多くなるほど断熱材の強度が高くなるが熱伝導率が増加する傾向にある。エアロゲル粒子100質量部に対して、接着剤が5〜30質量部含有されていることがより好ましく、10〜25質量部含有されていることがさらに好ましい。
接着剤は粒状であってよい。粒状の接着剤は、粉体の接着剤又は液滴の接着剤から形成され得る。
接着剤は、粉体の接着剤であることが好ましい一態様である。それにより、粉体の接着剤をエアロゲル粒子の間に配置することにより、容易にエアロゲル粒子を点状に接着することができる。そのため、効果的に熱橋を抑制することができる。
接着剤は、液体の接着剤が液滴の状態から固化したものであることが好ましい一態様である。例えば、エアロゲル粒子に混合される際に、スプレーなどによって液体の接着剤がミスト状にされると、液滴によって構成される粒状の接着剤が形成される。そして、ミスト状となった液体の接着剤が点状にエアロゲル粒子間に配置されることにより、点状にエアロゲル粒子を接着することができる。そのため、効果的に熱橋を抑制することができる。
断熱体は、エアロゲル粒子が接着剤で点状に接着されて形成された成形体として形成され得る。この断熱体は、エアロゲル粒子で構成されるため、熱伝導率が低く、断熱性が高い。また、エアロゲル粒子が点状となった接着剤により点接触して結合されているため、接着剤によって熱橋が形成されることが抑制される。
断熱材は、複合接着体を有している。複合接着体は、熱融着性接着成分が保護膜によりコーティングされた構造を有する。エアロゲル粒子が結合した断熱体は、接着剤で接着されているため強度が高められているが、点状の接着のため、加工時の強度が十分でなくなる場合があり得る。例えば、断熱体は、成形後に、切断されたり、穴あけされたりするなどして加工が行われることがあるが、その際、加工箇所において、欠けが発生するおそれがある。しかしながら、断熱材が複合接着体を有する場合、加工時において複合接着体が接着性を発現し、エアロゲル粒子を接着させることができる。そのため、欠けを抑制し、強度に優れ、加工性の高い断熱材を得ることができる。
複合接着体は、断熱材においてエアロゲル粒子を接着させていなくてよい。複合接着体は、断熱材の加工時に接着性を発現するものであってよい。もちろん、複合接着体は、エアロゲル粒子を接着し、さらに加工時に接着性を発現するものであってもよい。
複合接着体の接着性の発現について説明する。断熱材においては、切断等の加工が行われ得る。切断は丸ノコなど適宜の切断具によって行われる。このとき、複合接着体を有さないと、エアロゲル粒子の点接着箇所に力が加わるなどして、端部が欠けるなどの問題が生じ得る。それに対し、断熱材が複合接着体を有すると、切断時に保護膜が破壊されることにより、熱融着性接着成分がエアロゲル粒子の間で放散されてエアロゲル粒子に付着する。そして、局所的に発生する熱により、熱融着性接着成分が接着性を発揮してエアロゲル粒子を再接着させる。そのため、加工時における欠けを抑制し、加工性の高い断熱材を得ることができる。
複合接着体は、熱融着性接着成分と保護膜とを有する。熱融着性接着成分が核となり、その核を取り囲んで保護膜が配置される。保護膜の中に熱融着性接着成分が含まれた構造であってよい。保護膜は、熱融着性接着成分を成形時に保護する保護材として機能することができる。
熱融着性接着成分は、熱により融着して接着性を発揮する成分である。熱融着性接着成分は、その融着温度が、エアロゲル粒子を点状に接着する接着剤の接着温度より低いものを用いることが好ましい。それにより、加工時における接着性を高めることができる。熱融着性接着成分は保護膜でコーティングされているために、成形時においてエアロゲル粒子を接着剤で接着させる際にも、熱融着性接着成分を融着しないようにすることができる。熱融着性接着成分の融着温度は、具体的には、例えば、100℃以下であることが好ましい。この場合、丸ノコなどによって切断する際に切断部付近で一時的に上昇する温度が約100℃であるため、エアロゲル粒子の再接着を効果的に行うことができる。熱融着性接着成分の融着温度は80℃以下であることがより好ましい。
熱融着性接着成分としては、例えば、EVA、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ウレタンなどからなる群から選ばれるものを用いることができる。これらは単独であるいは2種以上が混合されて用いられてよい。熱融着性接着成分として、熱可塑性樹脂を用いるようにしてもよい。
保護膜は、熱融着性接着成分をコーティングしている。保護膜は被覆剤として機能する。保護膜は、熱融着性接着成分を保護する機能を有する。そのため、保護膜は、成形時の熱によって変性したり溶けたりしないものであることが好ましい。
保護膜としては、接着成分や樹脂や無機化合物などが例示される。無機化合物としては、シリケート等の珪酸系無機化合物、石こう等のカルシウム系無機化合物などが挙げられる。樹脂としては、熱硬化性樹脂、アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ニトリルゴム系樹脂などが挙げられる。
保護膜は、熱硬化性接着成分が硬化した膜であることが好ましい。それにより、熱融着性接着成分の保護性を高めることができる。また、熱融着性接着成分を容易に包み込んで保護することができる。熱硬化性接着成分の硬化温度は、エアロゲル粒子を点状に接着する接着剤の接着温度よりも高いことが好ましい。それにより、エアロゲル粒子の接着の際には、熱硬化性接着成分の保護膜に影響が与えられないようにして熱融着性接着成分を保護することができる。そのため、加工時に熱融着性接着成分の接着性を発現させることができる。熱硬化性接着成分の硬化温度は、特に限定されるものではないが、例えば、80〜250℃の範囲内であってよい。熱硬化性樹接着成分で形成された保護膜は、断熱材の状態では硬化しており、断熱材が切断等の加工がされたときには、物理的破壊により中の熱融着性接着成分を出すことができる。
熱硬化性接着成分としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂などのホルムアルデヒド縮合物、メタクリレート、2成分シリコーン、エポキシ樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などからなる群から選ばれるものを用いることができる。これらは単独であるいは2種以上が混合されて用いられてよい。
断熱材は板状又はパネル状にすることができる。断熱材は、厚みが1〜100mmであることが好ましい。厚みがこの範囲であると、断熱性と強度の高い断熱材を得ることができる。断熱材の厚みは5〜50mmであることがより好ましい。
断熱材では、エアロゲル粒子が接着剤で点状に接着されて形成された断熱体と、複合接着剤とが一体化されている。この一体化の態様は、実施形態によって異なる。以下、実施形態ごとに説明する。
第1実施形態は、図1にその構造が例示されている。図1Aでは、断熱材を割って破断した様子を模式的に示している。図1Aにおいては、複合接着体3内の熱融着性接着成分3aが破線で示されている。図1Bでは複合接着体3の断面が示されている。
図1Aに示すように、第1実施形態では、複合接着体3はエアロゲル粒子1の間に点状に配置されている。複合接着体3は粒体によって構成されている。粒状の複合接着体3が、エアロゲル粒子1の隙間に配置されているといってもよい。断熱体4の隙間に複合接着体3が配置されることにより、断熱体4と複合接着体3とが一体化されている。
図1Bに示すように、複合接着体3は、熱融着性接着成分3aが保護膜3bによりコーティングされた粒体で構成されている。熱融着性接着成分3aの周囲に保護膜3bが配置されている。熱融着性接着成分3aは、保護膜3bに包みこまれるものであってよい。保護膜3bは、好ましくは熱硬化性接着成分から形成される。図1では、複合接着体3は略球形で図示されている。複合接着体3の形状は適宜の形状であってよい。複合接着体3は、略球形以外にも、楕円体、ラグビーボール状、棒状などであってもよい。複合接着体3の断面形状は、例えば、円形、楕円形、多角形、などであってよい。もちろん、複合接着体3の断面形状は、不定形であってもよい。複合接着体3はカプセル構造を有するものであってよい。
複合接着体3は、エアロゲル粒子1の隙間において、固定されていることが好ましい。複合接着体3が固定されることにより、断熱材から複合接着体3がこぼれ落ちることが抑制される。複合接着体3は、エアロゲル粒子1に付着して固定されていてよい。複合接着体3は、接着剤2によって接着されて固定されていてもよいし、複合接着体3自体の接着性によって固定されていてもよい。複合接着体3が接着剤2によりエアロゲル粒子1に接着されていると、複合接着体3をより強く保持することができる。複合接着体3は、点接触してエアロゲル粒子1に付着していることが好ましい。それにより、複合接着体3が熱橋となることを抑制することができる。熱橋抑制のため、複合接着体3は離間していることが好ましい。
複合接着体3において、複合接着体3の直径に対する熱融着性接着成分3aの直径の比は、特に限定されるものではないが、好ましくは次のようになる。複合接着体3の直径に対する熱融着性接着成分3aの直径の比〔(熱融着性接着成分の直径)/(複合接着体の直径)〕は1/2〜19/20であることが好ましい。それにより、加工時の接着性を高めることができる。さらに、この比〔(熱融着性接着成分の直径)/(複合接着体の直径)〕は4/5〜9/10がより好ましい。熱融着性接着成分3aの直径は内径、複合接着体3の直径は外径と考えることができる。内径とは保護膜3bの内側の径であり、外径とは保護膜3bの外側の径である。
複合接着体3の平均粒径は、エアロゲル粒子1の平均粒径よりも小さいことが好ましい。それにより、複合接着体3による加工時の接着性を高めることができるとともに、熱橋の形成を抑制することができる。複合接着体3とエアロゲル粒子1の粒径比としては、粒径比〔(複合接着体の平均粒径)/(エアロゲル粒子の平均粒径)〕が1/200〜1/3であることが好ましい。それにより、熱橋を抑制するとともに、加工時の接着性を高めることができる。平均粒径は、断面積から真円換算した径で定義されるものであってよい。この粒径比〔(複合接着体の平均粒径)/(エアロゲル粒子の平均粒径)〕は、1/100〜1/10がより好ましく、1/80〜1/20がさらに好ましい。
複合接着体3と接着剤2の粒径比としては、粒径比〔(複合接着体の平均粒径)/(接着剤の平均粒径)〕が1/10〜10/1であることが好ましい。それにより、断熱材の強度と、加工時の接着性とを効果的に高めることができる。この粒径比〔(複合接着体の平均粒径)/(接着剤の平均粒径)〕は、1/3〜3/1がより好ましく、1/2〜2/1がさらに好ましい。
断熱材において、複合接着体3は、100質量部のエアロゲル粒子1に対して1〜40質量部で含有されていることが好ましい。それにより、断熱性と加工強度とを効果的に向上することができる。複合接着体3は、100質量部のエアロゲル粒子1に対して5〜30質量部で含有されていることがより好ましい。
第1実施形態の断熱材は、次のように製造することができる。まず、エアロゲル粒子1と、エアロゲル粒子1を接着する粒状の接着剤2と、熱融着性接着成分3aが保護膜3bによりコーティングされた粒状の複合接着体3とを混合する。複合接着体3においては、保護膜3bが熱硬化性接着成分から形成される場合は、熱硬化性接着成分は硬化していてよい。そして、この混合物を加熱加圧成形することにより、エアロゲル粒子1を接着剤2により点状に接着するとともに、複合接着体3と、エアロゲル粒子1及び接着剤2から形成される断熱体4とを一体化する。この方法では、成形前に混合することにより、エアロゲル粒子1と接着剤2との均一性を向上させることが可能になる。また、複合接着体3をより均一に断熱体4内に配置することが可能になる。また、加熱加圧成形を行うことにより、エアロゲル粒子1を点状に接着することができるとともに、断熱体4と複合接着体3とを容易に一体化することができる。
粒状の接着剤2としては、粉末状の接着剤2が好ましい一態様である。それにより、点状にエアロゲル粒子1を容易に接着することができる。粒状の接着剤2としては、液滴の接着剤2が好ましい他の一態様である。それにより、点状にエアロゲル粒子1を容易に接着することができる。液滴の接着剤2は、例えば、液体の接着剤2がスプレーなどでミスト化されることにより形成され得る。
粒状の複合接着体3としては、粉末状の複合接着体3が好ましい一態様である。それにより、点状に均一性高く、断熱体4内に複合接着体3を配置することができる。
上記の製造方法においては、成形温度は、熱融着性接着成分3aの接着温度より高くてもよい。それにより、接着剤2の接着性をより確実に発揮させることが容易になる。
熱融着性接着成分3aは保護膜3bによりコーティングされているため、成形時に熱融着性接着成分3aがエアロゲル粒子1の間において付着してしまうことが抑制されている。そのため、切断などの加工時においては、熱融着性接着成分3aが接着性を発揮し、断熱材の端部の欠けをより効果的に抑制することができる。成形温度は、例えば、80〜200℃の範囲であってよく、好ましくは、100〜190℃の範囲であってよい。成形時間は、例えば、1〜60分の範囲であってよく、好ましくは、5〜30分の範囲であってよい。成形時の圧力は、0.1〜10MPaの範囲であってよく、好ましくは、0.5〜5MPaの範囲であってよい。
第2実施形態は、図2にその構造が例示されている。図2Aでは、断熱材を割って破断した様子を模式的に示している。図2Aにおいては、繊維によって隠れた部分が破線で示されている。図2Bでは複合接着体3の断面が示されている。
図2Aに示すように、第2実施形態では、複合接着体3は繊維で構成されている。この繊維は、繊維状の熱融着性接着成分3aが保護膜3bによりコーティングされたものである。不織布30は、この繊維によって形成されている。そして、エアロゲル粒子1は、不織布30における繊維の間に配置されている。不織布30の内部において、エアロゲル粒子1が接着剤2により点状に接着されているといってもよい。断熱体4は、不織布30の繊維と絡み合いながら形成されている。複合接着体3で構成される不織布30の内部において、断熱体4が繊維と絡み合って配置されることにより、断熱体4と複合接着体3とが一体化されている。本形態では繊維の補強効果によって、強度の高い断熱材を得ることができる。
図2Bに示すように、複合接着体3は、熱融着性接着成分3aが核となり、保護膜3bが外層となった繊維で構成されている。熱融着性接着成分3aの周囲に保護膜3bが配置されている。熱融着性接着成分3aは、保護膜3bに包みこまれるものであってよい。保護膜3bは、好ましくは熱硬化性接着成分から形成される。複合接着体3の断面形状は円形であってよい。複合接着体3の断面形状は、例えば、楕円形、多角形、などであってもよい。もちろん、複合接着体3の断面形状は、不定形であってもよい。複合接着体3は芯鞘構造を有する繊維であってよい。
不織布30は、複数の複合接着体3の繊維で形成される。複合接着体3の繊維は、短繊維であってもよいし、長繊維であってもよい。不織布30は空隙を有することが好ましい。それにより、不織布30の空隙にエアロゲル粒子1と接着剤2とを容易に配置することができる。空隙は繊維の隙間で形成されるものであってよい。不織布30は、成形前においては、バインダーを用いずに繊維が集合しているものが好ましい。不織布30にバインダーが用いられると、熱橋が形成されやすくなる。不織布30は、成形前においては、繊維が絡み合って集合しているものであってよい。成形後の不織布30、すなわち、断熱材中の不織布30の部分は、繊維が絡み合っていなくてもよい。断熱材では不織布30の繊維が離間していてもよい。繊維が離間されていると、熱橋の形成を抑制することができる。
エアロゲル粒子1は、複合接着体3で構成される繊維の隙間において、接着剤2により点状に接着されて不織布30に固定されていることが好ましい。エアロゲル粒子1は、接着剤2によって不織布30の繊維と接着していてもよい。それにより、不織布30と断熱体4との一体性が高まり、より強度を高めることができる。接着剤2によってエアロゲル粒子1が不織布30の繊維に接着される場合、熱橋を抑制する観点から、エアロゲル粒子1は点状に繊維に接着されることが好ましい。
複合接着体3の繊維において、繊維の直径に対する熱融着性接着成分3aの直径の比は、特に限定されるものではないが、好ましくは次のようになる。繊維の直径に対する熱融着性接着成分3aの直径の比〔(熱融着性接着成分の直径)/(繊維の直径)〕は1/2〜19/20であることが好ましい。それにより、加工時の接着性を高めることができる。さらに、この比〔(熱融着性接着成分の直径)/(繊維の直径)〕は4/5〜9/10がより好ましい。熱融着性接着成分3aの直径は内径、繊維(複合接着体3)の直径は外径と考えることができる。内径とは保護膜3bの内側の径であり、外径とは保護膜3bの外側の径である。なお、繊維の直径は繊維径であってよい。
複合接着体3の繊維の直径は、エアロゲル粒子1の平均粒径よりも小さいことが好ましい。それにより、複合接着体3による加工時の接着性を高めることができるとともに、熱橋の形成を抑制することができる。複合接着体3の繊維の直径とエアロゲル粒子1の直径との比率としては、比率〔(繊維の直径)/(エアロゲル粒子の平均粒径)〕が1/300〜1/10であることが好ましい。それにより、熱橋を抑制するとともに、加工時の接着性を高めることができる。平均粒径は、断面積から真円換算した径で定義されるものであってよい。この比率〔(繊維の直径)/(エアロゲル粒子の平均粒径)〕は、1/100〜1/20がより好ましく、1/50〜1/30がさらに好ましい。
複合接着体3の繊維の直径と接着剤2の平均粒径との比率としては、比率〔(繊維の直径)/(接着剤の平均粒径)〕が1/20〜2/1であることが好ましい。それにより、断熱材の強度と、加工時の接着性とを効果的に高めることができる。この比率〔(繊維の直径)/(接着剤の平均粒径)〕は、1/10〜1/1がより好ましく、1/5〜1/2がさらに好ましい。
断熱材において、複合接着体3は、100質量部のエアロゲル粒子1に対して1〜40質量部で含有されていることが好ましい。それにより、断熱性と加工強度とを効果的に向上することができる。複合接着体3は、100質量部のエアロゲル粒子1に対して5〜30質量部で含有されていることがより好ましい。断熱材では、エアロゲル粒子1が、複合接着体3の繊維で構成される不織布30に、質量比で不織布30の0.1〜100倍の範囲で含有されていてもよい。それにより、断熱性と加工強度とを効果的に向上することができる。エアロゲル粒子1が、複合接着体3の繊維で構成される不織布30に、質量比で不織布30の1〜50倍の範囲で含有されることがより好ましく、2〜30倍の範囲で含有されることがさらに好ましい。
第2実施形態の断熱材は、次のように製造することができる。まず、エアロゲル粒子1と、エアロゲル粒子1を接着する粒状の接着剤2とを混合する。次に、この混合物を、繊維状の熱融着性接着成分3aが保護膜3bによりコーティングされた繊維から形成された不織布30に含ませる。複合接着体3の繊維においては、保護膜3bが熱硬化性接着成分から形成される場合は、熱硬化性接着成分は硬化していてよい。そして、混合物を含んだ不織布30を加熱加圧成形する。これにより、不織布30における繊維の間で、エアロゲル粒子1を接着剤2により点状に接着する。不織布30の繊維は複合接着体3で構成される。そのため、加熱加圧成形後には、不織布30の内部で、エアロゲル粒子1が接着剤2により接着された断熱体4が形成され、断熱体4と複合接着体3とが一体化される。この方法では、成形前に混合することにより、エアロゲル粒子1と接着剤2の均一性を向上させることが可能になる。また、不織布30にエアロゲル粒子1と接着剤2との混合物を含ませることにより、不織布30の繊維の間にエアロゲル粒子1と接着剤2とをより均一に配置させることができる。また、加熱加圧成形を行うことにより、エアロゲル粒子1を点状に接着することができるとともに、断熱体4と複合接着体3とを容易に一体化することができる。
粒状の接着剤2としては、粉末状の接着剤2が好ましい一態様である。それにより、点状にエアロゲル粒子1を容易に接着することができる。粒状の接着剤2としては、液滴の接着剤2が好ましい他の一態様である。それにより、点状にエアロゲル粒子1を容易に接着することができる。液滴の接着剤2は、例えば、液体の接着剤2がスプレーなどでミスト化されることにより形成され得る。
上記の製造方法においては、成形温度は、熱融着性接着成分3aの接着温度より高くてもよい。それにより、接着剤2の接着性をより確実に発揮させることが容易になる。
熱融着性接着成分3aは保護膜3bによりコーティングされているため、成形時に熱融着性接着成分3aがエアロゲル粒子1の間において付着してしまうことが抑制されている。そのため、切断などの加工時においては、熱融着性接着成分3aが接着性を発揮し、断熱材の端部の欠けをより効果的に抑制することができる。成形温度は、例えば、80〜200℃の範囲であってよく、好ましくは、100〜190℃の範囲であってよい。成形時間は、例えば、1〜60分の範囲であってよく、好ましくは、5〜30分の範囲であってよい。成形時の圧力は、0.1〜10MPaの範囲であってよく、好ましくは、0.5〜5MPaの範囲であってよい。
第3実施形態は、図3にその構造が例示されている。図3Aでは、断熱材を割って破断した様子を模式的に示している。図3Bでは、シート31の斜視図が示されている。図3Cでは複合接着体3の断面が示されている。
図3Aに示すように、第3実施形態では、複合接着体3は繊維で構成されている。この繊維は、繊維状の熱融着性接着成分3aが保護膜3bによりコーティングされたものである。シート31は、この繊維によって構成されている。断熱体4は層状に形成されている。そして、断熱体4とシート31とが積層されている。積層される断熱体4の数は1であってもよいし、2以上であってもよい。積層されるシート31の数は1であってもよいし、2以上であってもよい。図3Aでは、4つのシート31の間に3つの断熱体4が配置された断熱材が例示されている。断熱体4とシート31とは交互に配置されている。層状の断熱体4とシート31とが重なっているといってもよい。断熱体4とシート31とは接着されている。断熱体4とシート31とが積層されることにより、断熱体4と複合接着体3とが一体化されている。本形態では、繊維の補強効果によって断熱材の強度を高めることができる。また、シート31が層状に配置されていることによって、曲げられる方向の力に対しての強度を高めることができる。断熱材が屈曲性を有することになり、曲げによって破断されにくくすることができる。また、積層構造となることによって、厚み方向における熱橋が抑制され、断熱性を効果的に向上することができる。
図3Bに示すように、シート31は繊維で構成されるものである。この繊維は複合接着体3により構成される。シート31は、繊維が編み込まれて形成されたものであってもよい。シート31は繊維が絡み合って集合しているものであってよい。シート31は、繊維で構成される不織布であってもよい。シート31は織布であってもよい。シート31は、複数の複合接着体3の繊維の集合体で形成される。複合接着体3の繊維は、短繊維であってもよいし、長繊維であってもよい。シート31は、バインダーを用いずに繊維が集合しているものであってよい。シート31にバインダーが用いられると、断熱性が低下するおそれがある。
シート31の厚みは、0.05〜1mmであることが好ましい。それにより、断熱性を維持しつつ、強度を高めることができる。シート31の厚みは、0.1〜0.5mmであることがより好ましい。
図3Cに示すように、複合接着体3は、熱融着性接着成分3aが核となり、保護膜3bが外層となった繊維で構成されている。熱融着性接着成分3aの周囲に保護膜3bが配置されている。熱融着性接着成分3aは、保護膜3bに包みこまれるものであってよい。保護膜3bは、好ましくは熱硬化性接着成分から形成される。複合接着体3の断面形状は円形であってよい。複合接着体3の断面形状は、例えば、楕円形、多角形、などであってもよい。もちろん、複合接着体3の断面形状は、不定形であってもよい。複合接着体3は芯鞘構造を有する繊維であってよい。
本形態では、断熱体4とシート31とが積層される。断熱体4の両面にシート31が配置されていることが好ましい。それにより、強度を高めることができる。断熱材では、シート31が断熱材の両側の面に配置されていることが好ましい。それにより、断熱材の表面での強度を高めることができ、強度の高い断熱材を得ることができる。断熱体4がシート31に挟み込まれている構造であることが好ましい。
断熱材において、一つの断熱体4の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、0.5〜5mmであることが好ましい。それにより、断熱性を維持しつつ、強度を高めることができる。断熱体4の数は10以下が好ましい。断熱体4の数が10を超えると厚みが厚くなりすぎるおそれがある。シート31の数は11以下であってよい。
断熱体4とシート31とは、エアロゲル粒子1を接着する接着剤2によって接着されていることが好ましい。それにより、より少ない量の接着剤2で積層体を得ることができ、断熱性を高めることができる。もちろん、断熱体4とシート31とが接着剤2とは別の接着成分で接着されていてもよい。
複合接着体3の繊維において、繊維の直径に対する熱融着性接着成分3aの直径の比は、特に限定されるものではないが、好ましくは次のようになる。繊維の直径に対する熱融着性接着成分3aの直径の比〔(熱融着性接着成分の直径)/(繊維の直径)〕は1/2〜19/20であることが好ましい。それにより、加工時の接着性を高めることができる。さらに、この比〔(熱融着性接着成分の直径)/(繊維の直径)〕が4/5〜9/10がより好ましい。熱融着性接着成分3aの直径は内径、繊維(複合接着体3)の直径は外径と考えることができる。内径とは保護膜3bの内側の径であり、外径とは保護膜3bの外側の径である。なお、繊維の直径は繊維径であってよい。
複合接着体3の繊維の直径は、エアロゲル粒子1の平均粒径よりも小さいことが好ましい。それにより、複合接着体3による加工時の接着性を高めることができるとともに、熱橋の形成を抑制することができる。複合接着体3の繊維の直径とエアロゲル粒子1の直径との比率としては、比率〔(繊維の直径)/(エアロゲル粒子の平均粒径)〕が1/300〜1/10であることが好ましい。それにより、熱橋を抑制するとともに、加工時の接着性を高めることができる。平均粒径は、断面積から真円換算した径で定義されるものであってよい。この比率〔(繊維の直径)/(エアロゲル粒子の平均粒径)〕は、1/100〜1/20がより好ましく、1/50〜1/30がさらに好ましい。
複合接着体3の繊維の直径と接着剤2の平均粒径との比率としては、比率〔(繊維の直径)/(接着剤の平均粒径)〕が1/20〜2/1であることが好ましい。それにより、断熱材の強度と、加工時の接着性とを効果的に高めることができる。この比率〔(繊維の直径)/(接着剤の平均粒径)〕は、1/10〜1/1がより好ましく、1/5〜1/2がさらに好ましい。
断熱材において、複合接着体3は、100質量部のエアロゲル粒子1に対して1〜40質量部で含有されていることが好ましい。それにより、断熱性と加工強度とを効果的に向上することができる。複合接着体3は、100質量部のエアロゲル粒子1に対して5〜30質量部で含有されていることがより好ましい。断熱材では、エアロゲル粒子1が、複合接着体3の繊維で構成されるシート31に、質量比でシート31の0.1〜100倍の範囲で含有されていてもよい。それにより、断熱性と加工強度とを効果的に向上することができる。エアロゲル粒子1が、複合接着体3の繊維で構成されるシート31に、質量比でシート31の1〜50倍の範囲で含有されることがより好ましく、2〜30倍の範囲で含有されることがさらに好ましい。
第3実施形態の断熱材は、次のように製造することができる。まず、エアロゲル粒子1と、エアロゲル粒子1を接着する粒状の接着剤2とを混合する。次に、この混合物と、繊維状の熱融着性接着成分3aが保護膜3bによりコーティングされた繊維から形成されたシート31とを重ねる。複合接着体3の繊維においては、保護膜3bが熱硬化性接着成分から形成される場合は、熱硬化性接着成分は硬化していてよい。そして、エアロゲル粒子1を含有する混合物とシート31とが重ねられたものを加熱加圧成形する。これにより、エアロゲル粒子1が接着剤2により点状に接着された断熱体4と、シート31とを積層一体化する。シート31は接着剤2によって断熱体4に接着されるものであってよい。この方法では、成形前に混合することにより、エアロゲル粒子1と接着剤2の均一性を向上させることが可能になる。また、エアロゲル粒子1と接着剤2との混合物をシート31に積層させることにより、層状に断熱体4とシート31とを一体化することができ、熱橋の形成を抑制することができる。また、加熱加圧成形を行うことにより、エアロゲル粒子1を点状に接着することができるとともに、断熱体4と複合接着体3とを容易に一体化することができる。
粒状の接着剤2としては、粉末状の接着剤2が好ましい一態様である。それにより、点状にエアロゲル粒子1を容易に接着することができる。粒状の接着剤2としては、液滴の接着剤2が好ましい他の一態様である。それにより、点状にエアロゲル粒子1を容易に接着することができる。液滴の接着剤2は、例えば、液体の接着剤2がスプレーなどでミスト化されることにより形成され得る。
上記の製造方法においては、成形温度は、熱融着性接着成分3aの接着温度より高くてもよい。それにより、接着剤2の接着性をより確実に発揮させることが容易になる。
熱融着性接着成分3aは保護膜3bによりコーティングされているため、成形時に熱融着性接着成分3aがエアロゲル粒子1の間において付着してしまうことが抑制されている。そのため、切断などの加工時においては、熱融着性接着成分3aが接着性を発揮し、断熱材の端部の欠けをより効果的に抑制することができる。成形温度は、例えば、80〜200℃の範囲であってよく、好ましくは、100〜190℃の範囲であってよい。成形時間は、例えば、1〜60分の範囲であってよく、好ましくは、5〜30分の範囲であってよい。成形時の圧力は、0.1〜10MPaの範囲であってよく、好ましくは、0.5〜5MPaの範囲であってよい。
第1〜第3実施形態のいずれにおいても、断熱部4と複合接着体3とが一体化されている。そのため、丸ノコによる切断等の加工時には、保護膜3bが破壊され、熱融着性接着成分3aがエアロゲル粒子1に付着するとともに、局所的に発生する熱により熱融着性接着成分3aが接着性を発揮してエアロゲル粒子1を再接着させることが可能となる。したがって、エアロゲル粒子1の優れた断熱性能を維持しながら、切断等の加工時に端部の欠けを抑制し、断熱材の加工性を格段に向上させることができる。
なお、断熱材は、第1〜第3実施形態に限定されるものではない。例えば、第1実施形態の断熱材が上記のシート31を介して複数積層されたものであってもよい。また、第2実施形態の断熱材が上記のシート31を介して複数積層されたものであってもよい。すなわち、第3実施形態において、断熱体4が第1又は第2実施形態における断熱材に置換される形態であってもよい。また、シート31を介さずに、第1又は第2実施形態の断熱材が複数積層されたり、第1実施形態の断熱材と第2実施形態の断熱材とが混合して複数積層されたりしたものであってもよい。これらの場合も、断熱性と強度とを高めることができ、加工性が高い断熱材を得ることができる。
断熱材は、種々の断熱用途への利用が可能である。断熱材は建築用の断熱材として用いることができる。例えば、断熱ボードとして利用することができる。断熱ボードは、壁、床、天井などに使用することができる。また、断熱材は、乗物用の断熱材として利用することができる。
(実施例1)
容器回転式混合装置中で、シリカエアロゲル粒子(平均粒径D50: 700μm)100質量部と、粉末状メラミン樹脂接着剤(平均粒径D50: 50μm、硬化温度130℃)15質量部と、粉末状の複合接着体(平均粒径D50: 40μm)10質量部とを混合した。粉末状の複合接着体は、粉末状ウレタン樹脂(平均粒径D50: 30μm、融点80℃)に予めフェノール樹脂(硬化温度150℃)を保護膜としてコーティングして硬化したものである。得られた混合物を、温度140℃、時間5分の条件でプレス成形し、厚さ10mmの板状の成形体を断熱材として得た。
得られた成形体の熱伝導率は15.2W/m・Kであった。得られた成形体を丸ノコで20回切断した。端部の欠けが発生した回数は3回であった。
(実施例2)
容器回転式混合装置中で、シリカエアロゲル粒子(平均粒径D50: 700μm)100質量部と、粉末状メラミン樹脂接着剤(平均粒径D50: 50μm、硬化温度130℃)15質量部とを混合した。得られた混合物を、繊維状ポリエチレン樹脂(平均繊維径10μm、融点85℃)の周囲に予めフェノール樹脂(硬化温度150℃)を保護膜としてコーティングして硬化した繊維(平均繊維径15μm、複合接着体)で形成された不織布に、振動により含ませた。この不織布を温度140℃、時間5分の条件でプレス成形し、厚さ10mmの板状の成形体を断熱材として得た。
得られた成形体の熱伝導率は15.7W/m・Kであった。得られた成形体を丸ノコで20回切断した。端部の欠けが発生した回数は2回であった。
(実施例3)
容器回転式混合装置中で、シリカエアロゲル粒子(平均粒径D50: 700μm)100質量部と、粉末状メラミン樹脂接着剤(平均粒径D50: 50μm、硬化温度130℃)15質量部とを混合した。得られた混合物と、繊維状ポリエチレン樹脂(平均繊維径10μm、融点85℃)の周囲に予めフェノール樹脂(硬化温度150℃)を保護膜としてコーティングして硬化した繊維(平均繊維径15μm、複合接着体)を編みこんで形成されたシートとを交互に積み重ねた。積層数は、混合物を5層とし、シートを6層とした。この積層物を、温度140℃、時間5分の条件でプレス成形し、厚さ10mmの板状の成形体を断熱材として得た。
得られた成形体の熱伝導率は15.5W/m・Kであった。得られた成形体を丸ノコで20回切断した。端部の欠けが発生した回数は1回であった。
(比較例1)
容器回転式混合装置中で、シリカエアロゲル粒子(平均粒径D50: 700μm)100質量部と、粉末状メラミン樹脂接着剤(平均粒径D50: 50μm、硬化温度130℃)15質量部とを混合した。得られた混合物を、温度140℃、時間5分の条件でプレス成形し、厚さ10mmの板状の成形体を断熱材として得た。
得られた成形体の熱伝導率は15.0W/m・Kであった。得られた成形体を丸ノコで20回切断した。端部の欠けが発生した回数は11回であった。
比較例1の断熱材は、熱伝導率が低いものの、複合接着体が含まれていないため、加工性が低下している。一方、各実施例の断熱材は、低い熱伝導率を維持しており断熱性が高く、エアロゲル粒子が接着されて強度が高く、さらに、切断時において欠けが少なく加工性が高いものとなっている。
1 エアロゲル粒子
2 接着剤
3 複合接着体
3a 熱融着性接着成分
3b 保護膜
4 断熱体
30 不織布
31 シート

Claims (7)

  1. エアロゲル粒子と、前記エアロゲル粒子を接着する接着剤と、熱融着性接着成分が保護膜によりコーティングされた複合接着体とを備え、
    前記エアロゲル粒子は前記接着剤により点状に接着され、
    前記複合接着体と、前記エアロゲル粒子及び前記接着剤から形成された断熱体とが、一体化されていることを特徴とする、断熱材。
  2. 前記複合接着体は前記エアロゲル粒子の間に点状に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の断熱材。
  3. 前記複合接着体は、繊維状の前記熱融着性接着成分が前記保護膜によりコーティングされた繊維で構成され、
    前記繊維から不織布が形成され、
    前記エアロゲル粒子は、前記不織布における前記繊維の間に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の断熱材。
  4. 前記複合接着体は、繊維状の前記熱融着性接着成分が前記保護膜によりコーティングされた繊維で構成され、
    前記繊維からシートが形成され、
    1又は複数の前記断熱体と1又は複数の前記シートとが積層されていることを特徴とする、請求項1に記載の断熱材。
  5. エアロゲル粒子と、前記エアロゲル粒子を接着する粒状の接着剤と、熱融着性接着成分が保護膜によりコーティングされた粒状の複合接着体とを混合し、加熱加圧成形することにより、前記エアロゲル粒子を前記接着剤により点状に接着するとともに、前記複合接着体と、前記エアロゲル粒子及び前記接着剤から形成される断熱体とを一体化することを特徴とする、断熱材の製造方法。
  6. エアロゲル粒子と、前記エアロゲル粒子を接着する粒状の接着剤とを混合し、この混合物を、繊維状の熱融着性接着成分が保護膜によりコーティングされた繊維から形成された不織布に含ませ、加熱加圧成形することにより、前記不織布における前記繊維の間で、前記エアロゲル粒子を前記接着剤により点状に接着することを特徴とする、断熱材の製造方法。
  7. エアロゲル粒子と、前記エアロゲル粒子を接着する粒状の接着剤とを混合し、この混合物と、繊維状の熱融着性接着成分が保護膜によりコーティングされた繊維から形成されたシートとを重ね、加熱加圧成形することにより、前記エアロゲル粒子が前記接着剤により点状に接着された断熱体と、前記シートとを積層一体化することを特徴とする、断熱材の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016121372A1 (ja) * 2014-01-30 2016-08-04 オゾンセーブ株式会社 断熱材及び断熱材の製造方法
JP2017015205A (ja) * 2015-07-03 2017-01-19 パナソニックIpマネジメント株式会社 断熱材およびその製造方法、その断熱材を使用した電子機器
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KR102137634B1 (ko) * 2019-07-02 2020-07-24 (주)대협테크 에어로겔 함유 분무용 단열 조성물과 그 제조방법

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