JP2014040750A - エアロゲルを用いた断熱材 - Google Patents

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健太 細井
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Abstract

【課題】強度が高く、断熱性に優れた断熱材を提供する。
【解決手段】断熱材は、エアロゲル粒子A及び接着剤を含むエアロゲル層1を備えている。エアロゲル層1の外周部に樹脂発泡体2が設けられている。好ましくは、エアロゲル層1の少なくとも一方の表面に表皮材3が貼り付けられており、より好ましくは、エアロゲル層1の両方の表面に表皮材3が貼り付けられている。樹脂発泡体2を設けることにより断熱材の強度が高まり、表皮材3を設けることによりさらに強度が高まる。
【選択図】図1

Description

本発明は、建材などに利用可能なエアロゲルを用いた断熱材に関する。
従来、断熱材として、ウレタンフォームやフェノールフォームなどのフォーム材(発泡性の断熱材)が知られている。フォーム材は、発泡により生じた気泡によって断熱性を発揮するものである。このようなウレタンフォームやフェノールフォームは、一般的に、熱伝導率が空気の熱伝導率よりも高い。したがって、断熱性をより高めるためには、熱伝導率を空気よりも低くすることが有利である。空気よりも低い熱伝導率を達成させる方法として、ウレタンフォームやフェノールフォームなどの発泡させた材料の空隙内にフロンガスなどの熱伝導率の低いガスを充填させる方法などが知られている。しかしながら、空隙内にガスを充填する方法では、経時的に空隙内からガスが漏れ出ていき、熱伝導率が上昇してしまう可能性がある。
近年、ケイ酸カルシウムの多孔体やガラス繊維を気密性の袋に封入し、10Pa程度の真空状態にしたものなど、真空を利用して断熱性を高める手法が提案されている。しかし、真空による断熱は、真空状態を保つ必要があり、経時的な劣化や製造コストにおいて問題がある。さらに真空を利用して断熱材を形成するにしても、真空を維持するために形状の制約を受け、用途が著しく限定されてしまい、充分に実用化がなされていない。
ところで、常圧でも空気の熱伝導率よりも低い断熱材の材料として、微細多孔質シリカの集合体(いわゆるエアロゲル)が知られている。この材料は、例えば、米国特許第4402927号、米国特許第4432956号、米国特許第4610863号に開示されているような方法で得ることができる。これらの方法によれば、原料としてアルコキシシラン(別にシリコンアルコキシド又はアルキルシリケートとも称する)を用い、シリカエアロゲルを作製することができる。具体的には、シリカエアロゲルは、アルコキシシランを溶媒の存在下で加水分解させて縮重合して得られるシリカ骨格からなる湿潤状態のゲル状化合物を、溶媒の臨界点以上の超臨界条件で乾燥することによって得ることができる。溶媒としては、例えば、アルコールまたは液化二酸化炭素等が用いられる。
米国特許第4402927号 米国特許第4432956号 米国特許第4610863号 特開2010−167685号公報
図7は、特許文献4に開示されたエアロゲルを用いた耐熱シートを示している。この文献には、エアロゲルシート11の一面に無機繊維製布はく12が配設され、他面に補強用シート13が配設され、これらの積層体が積層体を貫通する締結部材14によって一体化された耐熱シートが開示されている。エアロゲルシート11としては、ゲルの乾燥によってシート状に成形されたものが用いられている。しかしながら、ゲルを乾燥させて所望のシート状のエアロゲルを得ることは容易ではなく、また、エアロゲルの取り扱いも煩雑になるおそれがある。また、貫通した締結部材14によって一体化しているため、締結部材14以外の部分では無機繊維製布はく12や補強用シート13との十分な接着性が得られなくなるおそれがある。さらに、貫通した締結部材14により熱が伝わりやすくなって断熱性を低下させてしまうおそれがある。
ここで、エアロゲルが粒子状になったエアロゲル粒子は、熱伝導率が空気よりも低く、種々の形状に成形が可能であり、取扱いも容易で、断熱材の原料として有用である。そのため、このエアロゲル粒子を接着剤で固めて断熱材の材料として用いることが考えられる。
図6(a)は、エアロゲル粒子を成形して得た断熱材の一例を示している。この断熱材は、エアロゲル粒子を接着剤により接着して成形することにより得ることができる。図6(a)の断熱材では、エアロゲル粒子が板状に成形されたエアロゲル層1によって構成されるボード状の断熱材が示されている。
しかしながら、エアロゲル粒子は、非常に軽量であると共に、強度が小さく脆い。そのため、エアロゲル粒子を成形して断熱材を作製したとしても、粒子自体が脆いものであるので、成形物の強度は低くなり、割れたり欠けたり壊れたりしやすいものとなってしまう。特に建材として利用した場合には、図6(b)で示すように、端部の強度が弱く端部において欠けが生じやすいため、エアロゲルの欠け屑10が発生して、施工時に発塵しやすく、また、施工後も端部などから発塵するおそれがある。強度を高めたり、発塵を抑えたりするために、エアロゲルに補強材などを混合したり接着材料を増加したりすることが考えられるが、その場合、補強材や接着材料によってかえって断熱性が低下するおそれがある。そのため、断熱性が低下することを抑制しつつ成形物の強度を高めて、強度と断熱性能とを両立させることが求められている。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、強度が高く断熱性に優れた断熱材を提供することを目的とするものである。
本発明に係る断熱材は、エアロゲル粒子及び接着剤を含むエアロゲル層を備えた断熱材であって、前記エアロゲル層の外周部に樹脂発泡体が設けられていることを特徴とするものである。
上記断熱材にあっては、前記エアロゲル層の少なくとも一方の表面に表皮材が貼り付けられていることが好ましい。また、前記表皮材は金属酸化物を含む材料で形成されていることが好ましい。また、前記表皮材はカーボン微粒子を含有することが好ましい。
上記断熱材にあっては、前記樹脂発泡体はカーボン微粒子を含有することが好ましい。
上記断熱材にあっては、アルミを含む金属層を備えていることが好ましい。
本発明によれば、エアロゲル層が補強されるので、強度が高く断熱性に優れた断熱材を得ることができる。
断熱材の実施形態の一例を示す概略図であり、(a)は断面図、(b)は一部を破断した斜視図である。 (a)及び(b)は、断熱材の実施形態の一例を示す概略断面図である。 (a)〜(d)は、断熱材の実施形態の一例を示す概略断面図である。 (a)〜(c)は、エアロゲル粒子の一例の模式図である。 エアロゲル粒子の電子顕微鏡写真である。 断熱材の一例を示し、(a)は概略断面図、(b)は一部を拡大した概略断面図である。 断熱材の従来例を示す断面図である。
エアロゲル(aerogel)は、ゲル中に含まれる溶媒を乾燥により気体に置換した多孔性の物質(多孔質体)である。粒子状のエアロゲルをエアロゲル粒子という。エアロゲルとしては、シリカエアロゲル、カーボンエアロゲル、アルミナエアロゲルなどが知られているが、このうちシリカエアロゲルを好ましく用いることができる。シリカエアロゲルは、断熱性に優れ、製造が容易であり、コストも安く、他のエアロゲルよりも容易に得ることができる。なお、ゲル中の溶媒が蒸発などにより失われて、空隙を持つ網目構造となったものをキセロゲル(xerogel)ということもあるが、本明細書におけるエアロゲルは、キセロゲルを含むものであってよい。
図4に、エアロゲル粒子の一例の模式図を示す。図4(a)及び(b)に示すように、このエアロゲル粒子Aはシリカエアロゲル粒子であり、数10ナノオーダー(例えば20〜40nm)の気孔を有するシリカ(SiO)構造体である。このようなエアロゲル粒子Aは超臨界乾燥などによって得ることができる。エアロゲル粒子Aは、エアロゲル粒子Aを構成する微粒子P(シリカ微粒子)が三次元の網目状に連結することにより形成されている。シリカ微粒子1個の大きさは例えば1〜2nm程度である。図4(c)に示すように、エアロゲル粒子Aの数10ナノオーダーの気孔には気体Gが入り込むことができる。そして、この気孔が空気の成分である窒素や酸素の移動を阻害することにより、熱伝導率を空気よりも低いレベルに低下させることができる。例えば、従来の断熱材における空気が熱伝導率WLFλ 35〜45mW/m・Kであったところ、エアロゲル粒子により熱伝導率WLFλ 9〜12mW/m・Kのレベルまで熱伝導率を低下させることができる。なお、エアロゲル粒子Aは、一般的に、疎水性の性質を有する。例えば、図4(b)に示すシリカエアロゲル粒子では、アルキル基(メチル基:CH)がケイ素(Si)に結合しており、ケイ素に結合した水酸基(OH)は少ない。したがって、シリカエアロゲル粒子の表面の極性は低い。
図5は、シリカエアロゲル粒子の電子顕微鏡写真である。このシリカエアロゲル粒子は超臨界乾燥法によって得たものである。シリカエアロゲル粒子が三次元の立体網目構造をとることはこの写真からも理解される。なお、エアロゲル粒子Aは、一般的に10nm未満の大きさのシリカ微粒子が線状に連結して網目構造が形成されるものであるが、微粒子の境目が曖昧になったり、シリカ構造(−O−Si−O−)が線状に延びたりして網目構造が形成されていてもよい。
エアロゲル粒子としては、特に限定されるものではなく、一般的な製造方法によって得られたものを用いることができる。代表的なものとして、超臨界乾燥法によって得られるエアロゲル粒子と、常圧乾燥法を利用して得られるエアロゲル粒子とがある。
超臨界乾燥法によって得られるシリカエアロゲル粒子は、液相反応であるゾル−ゲル法によって重合させてシリカ粒子を作製し、溶媒を超臨界乾燥によって除去することにより得ることができる。原料としては、例えば、アルコキシシラン(シリコンアルコキシド又はアルキルシリケートともいう)を用いる。そして、このアルコキシシランを溶媒の存在下で加水分解させて縮重合して得られるシリカ骨格からなる湿潤状態のゲル状化合物を、溶媒の臨界点以上の超臨界条件で乾燥する。溶媒としては、例えば、アルコールまたは液化二酸化炭素などを用いることができる。このように超臨界条件によって乾燥されることにより、ゲルの網目構造を保持したまま溶媒が除去されて、エアロゲルを得ることができる。エアロゲルが粒子状となったエアロゲル粒子は、溶媒を含むゲルを粉砕して粒子化し、この溶媒を含んだ粒子状のゲルを超臨界乾燥することにより得ることができる。あるいは、エアロゲル粒子は、超臨界乾燥によって得られたエアロゲルのバルク体を粉砕することにより得ることができる。
エアロゲル粒子の原料となるアルコキシシランとしては、特に限定されるものではないが、2官能、3官能又は4官能のアルコキシシランを単独で又は複数種を混合して用いることができる。2官能アルコキシシランとしては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン等が挙げられる。3官能アルコキシシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等が挙げられる。4官能アルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等が挙げられる。また、アルコシシシランとして、ビストリメチルシリルメタン、ビストリメチルシリルエタン、ビストリメチルシリルヘキサン、ビニルトリメトキシシランなどを用いることもできる。また、アルコキシシランの部分加水分解物を原料に用いてもよい。
アルコキシシランの加水分解と縮重合は、水の存在下で行うことが好ましく、さらに水との相溶性を有し、且つアルコキシシランを溶解する有機溶媒と、水との混合液を用いて行うことが好ましい。このような混合液を溶媒として用いた場合、加水分解工程と縮重合工程を連続して行うことができ、効率よくゲルを得ることができる。その際、生成するポリマーは、上記溶媒を分散媒とするゲル化物(湿潤ゲル)として得られる。水との相溶性を有し、且つアルコキシシランを溶解する溶媒としては、特に限定はされないが、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコールや、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。これらは一種のみを用いても良いし、二種以上を併用してもよい。
また、アルコキシシランの加水分解と縮重合は、アルコキシシランのアルコキシ基を脱離させて縮合反応を起こさせることが可能な触媒の存在下で行うことが好ましい。このような触媒としては、酸性触媒、塩基性触媒等が挙げられる。具体的には、酸性触媒としては、例えば、塩酸、クエン酸、硝酸、硫酸、フッ化アンモニウム等が挙げられる。また、塩基性触媒としては、例えば、アンモニア、ピペリジン等が挙げられる。
また、アルコキシシランの反応液中には、適宜の成分を添加してもよい。例えば、界面活性剤、官能基導入剤、などが挙げられる。このような添加成分により、エアロゲル粒子に適宜の機能性を付与することができる。
そして、得られた湿潤ゲルを超臨界乾燥することにより、エアロゲルを得ることができる。その際、湿潤ゲルを切断や粉砕などによってあらかじめ粒子化して、溶媒を含んだ粒子状のゲルを作製し、この粒子状のゲルを超臨界乾燥することが好ましい。それにより、エアロゲル構造を破壊することなく粒子化及び乾燥を行うことができ、エアロゲル粒子を容易に得ることができる。この場合、粒子状のゲルの大きさを揃えておくことにより、エアロゲル粒子の大きさを整えることができる。また、エアロゲルをバルクで得た後に、エアロゲルのバルク体を粉砕機により粉砕することにより、エアロゲル粒子を得るようにしてもよい。なお、得られたエアロゲル粒子はふるいや分級などによって、粒子の大きさをさらに揃えることができる。エアロゲル粒子の大きさが整うと、取扱い性を高めることができるとともに、安定な成形物を得やすくすることができる。
水ガラスを利用して得られるエアロゲル粒子は、例えば、シリカゾルの作製、シリカゾルのゲル化、熟成、ゲルの粉砕、溶媒置換、疎水化処理、乾燥という工程を順番に行う常圧乾燥法により製造することができる。水ガラスは、一般的にケイ酸ナトリウムなどのケイ酸金属塩の高濃度の水溶液である。例えば、ケイ酸金属塩を水に溶かして加熱することで得られる。
シリカゾル作製の原料としては、ケイ酸アルコキシド、ケイ酸アルカリ金属塩等を使用することができる。ケイ酸アルコキシドとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等が挙げられる。また、ケイ酸アルコキシドとして、上記超臨界乾燥法で説明した各種のアルコキシシランを用いてもよい。また、ケイ酸アルカリ金属塩としては、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム等が挙げられる。このうち、安価な点でケイ酸アルカリ金属塩を好適に用いることができ、更には入手が容易であるケイ酸ナトリウムをより好適に用いることができる。
ケイ酸アルカリ金属塩を用いる場合には、塩酸、硫酸等の無機酸により中和する方法か、あるいは対イオンがHとされている陽イオン交換樹脂を用いる方法により、シリカゾルを作製することができる。これらの方法のうちでも、陽イオン交換樹脂を用いることが好ましい。
酸型の陽イオン交換樹脂を用いてシリカゾルを作製するには、陽イオン交換樹脂を充填した充填層に適切な濃度のケイ酸アルカリ金属塩の溶液を通過させることにより行うことができる。あるいは、シリカゾルの作製は、ケイ酸アルカリ金属塩の溶液に、陽イオン交換樹脂を添加、混合し、アルカリ金属を除去した後に濾別するなどして陽イオン交換樹脂を分離することにより行うことができる。その際、陽イオン交換樹脂の量は、溶液に含まれるアルカリ金属を交換可能な量以上であることが好ましい。陽イオン交換樹脂により溶液の脱アルカリ(脱金属)が行われる。
酸型の陽イオン交換樹脂としては、例えば、スチレン系、アクリル系、メタクリル系等で、イオン交換性基としてスルフォン酸基やカルボキシル基が置換されたものを用いることができる。このうち、スルフォン酸基を有する、いわゆる強酸型の陽イオン交換樹脂を好適に用いることができる。なお、陽イオン交換樹脂は、アルカリ金属の交換に使用した後に、硫酸や塩酸を通過させることで、再生処理を行うことができる。
シリカゾルの作製後、シリカゾルをゲル化させ、次いでその熟成を行う。ゲル化及び熟成においては、pHを調整することが好ましい。すなわち、通常、陽イオン交換樹脂によりイオン交換されたシリカゾルのpHは低く、例えば3以下である。このようなシリカゾルを中和して弱酸性から中性のpH領域とすることによりシリカゾルがゲル化する。例えば、シリカゾルのpHを5.0〜5.8、好ましくは5.3〜5.7とすることによってゲル化させることができる。pHの調整は塩基及び酸の添加により行うことができる。塩基としては、アンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸アルカリ金属塩などを用いることができる。酸としては、塩酸、クエン酸、硝酸、硫酸などを用いることができる。pH調整後、ゲルを静置して熟成を行う。熟成は、例えば、40〜80℃の温度条件で、4〜24時間程度であってもよい。
熟成工程に引き続き、ゲルを粉砕することが好ましい。このゲルの粉砕により、目的とするエアロゲル粒子を容易に得ることが可能になる。ゲルの粉砕は、例えばヘンシャル型のミキサーにゲルを入れるか、あるいはミキサー内でゲル化させ、ミキサーを適度な回転数と時間で運転することにより行うことができる。
粉砕工程に引き続き、好ましくは、溶媒置換が行われる。この溶媒置換はゲルを乾燥するに際し、乾燥収縮を起こさないよう、ゲルの作製に用いた水などの溶媒を、表面張力の小さな溶媒に置き換えるものである。直接水を表面張力の小さな溶媒に置き換えることは困難なため、通常はこの溶媒置換は、複数の段階、好ましくは2段階で行なわれる。1段目に用いる溶媒の選定基準としては、水、及び2段目の溶媒置換に用いられる溶媒に対して馴染みが良いことが挙げられる。1段目は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン等を用いることができ、好適には、エタノールを用いることができる。また2段目に用いる溶媒の選定基準としては、引き続き行われる疎水化処理に用いられる処理剤と反応しないこと、乾燥収縮を起こさないために表面張力が小さいことが挙げられる。2段目に用いる溶媒としては、ヘキサン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン等を用いることができ、好適にはヘキサンを用いることができる。もちろん、必要に応じて、上記1段目の溶媒置換と2段目の溶媒置換との間に、更なる溶媒置換を行っても構わない。
溶媒置換の後に、疎水化処理を行うことが好ましい。疎水化処理に用いる処理剤としては、アルキルアルコキシシランやハロゲン化アルキルシランなどを用いることができる。例えば、ジアルキルジクロロシラン、モノアルキルトリクロロシランを好ましく用いることができ、原料コストや反応性を考慮するとジメチルジクロロシランを特に好適に用いることができる。なお、疎水化処理は、溶媒置換の前に行ってもよい。
そして、疎水化処理の後に、濾別して溶媒とゲルとを分離する。次いで、未反応の処理剤を取り除くためにゲルを溶媒で洗浄する。その後、ゲルを乾燥する。乾燥は常圧であってよい。また、加温したり温風を吹き込んだりしてもよい。乾燥は、不活性ガス(例えば窒素)の雰囲気下で行うことが好ましい。これにより、ゲル中の溶媒がゲルからとり除かれ、エアロゲル粒子を得ることできる。
臨界乾燥法によって得たエアロゲル粒子と、水ガラスを利用して得たエアロゲル粒子とは、基本的に同じ構造を有するものである。すなわち、シリカ微粒子が連結し、三次元の網目状となった粒子構造となる。
エアロゲル粒子の形状は、特に限定されるものではなく、種々の形状であってよい。上記で説明した方法でエアロゲル粒子を得た場合、粒子化するために粉砕等を行っているため、通常、エアロゲル粒子の形状は不定形の形状となる。いわば表面がごつごつした岩状の粒子となる。もちろん、球状やラグビーボール状などの粒子でもよい。また、パネル状、フレーク状、繊維状であってもよい。また、エアロゲル粒子は、成形に用いる原料としては、粒子の大きさが種々のものが混合したものであってよい。成形物においては、エアロゲル微粒子が接着して一体化されるため、粒子の大きさが揃っていなくてもよい。エアロゲル粒子の大きさは、例えば、粒子の最長の長さが50nm以上10mm以下の範囲であってよい。ただし、取扱い性や成形容易性の観点からは、大きすぎる粒子や小さすぎる粒子が混在していない方が好ましい。そのため、エアロゲル粒子は、適度の大きさにそろえることができる。例えば、エアロゲル粒子の最長の長さが1μm以上1mm未満の範囲のミクロンオーダーの粒子であってもよい。あるいは、エアロゲル粒子の最長の長さが100μm以上5mm未満の範囲の1ミリ前後のサイズの粒子であってもよい。あるいは、エアロゲル粒子の最長の長さが1mm以上10mm未満の範囲のミリオーダーの粒子であってもよい。
本発明では、以上で説明したようなエアロゲル粒子を、断熱材を構成する断熱層(中層)として用いる。そのため、熱伝導性が低く断熱性に優れた断熱材を得ることができる。
図1は、エアロゲル粒子Aを用いた断熱材の実施形態の一例である。図1(a)は断熱材の断面図であり、図1(b)は、表皮材3の一部を破断した断熱材の斜視図である。
本形態の断熱材は、エアロゲル粒子A及び接着剤を含むエアロゲル層1を備えている。このエアロゲル層1の外周部には、樹脂発泡体2が設けられている。エアロゲル層1の外周部の側面に樹脂発泡体2が設けられていることにより、エアロゲル層1の側部が保護される。そのため、エアロゲル層1の側部が欠けたりして破壊されることを抑制することができる。特に、エアロゲル層1の端部は破壊されやすい部分であるが、エアロゲル層1の周囲を樹脂発泡体2で囲むことにより、脆弱なエアロゲル層1の端部をカバーして保護することができ、発塵を抑制することができる。そして、側部の保護には樹脂発泡体2を用いており、この樹脂発泡体2は熱伝導性が低いために、エアロゲル層1を補強する部材を設けたとしても、断熱材の一方の面から他方の面に熱が伝わることを抑制することができ、断熱性を低下させにくくすることができる。そのため、強度が高く断熱性に優れた断熱材を得ることができる。
エアロゲル層1の少なくとも一方の表面には、表皮材3が貼り付けられていることが好ましい。それにより、エアロゲル層1に曲げ方向の力が働いたとしても、曲げ方向の力に対して対抗することができ、エアロゲル層1が割れたりして破壊されることを低減することができる。また、エアロゲル層1の表面を表皮材1によって被覆することにより、エアロゲル層1の表面を露出しないようにして保護することができ、エアロゲル層1が衝撃によって割れたり欠けたりして破壊されることを抑制することができる。
図1の形態では、エアロゲル層1は、その両面に表皮材3が貼り付けられている。それにより、さらに強度を高めてエアロゲル層1を破壊されにくくすることができる。
表皮材3は、エアロゲル層1の表面全体を覆うことが好ましい。すなわち、表皮材3の大きさをエアロゲル層1の大きさと同じかやや大きくして、表皮材3でエアロゲル層1の端縁まで覆うものである。それにより、エアロゲル層1の端部が表皮材3で補強されて、エアロゲル層1が端部で欠けたりして断熱材が破損することを抑制することができる。
本形態では、表皮材3は平面視(表皮材3の表面と垂直な方向から見た場合)においてエアロゲル層1よりもやや大きく形成され、表皮材3の外周端部はエアロゲル層1からはみ出している。そして、表皮材3におけるエアロゲル層1よりもはみ出した外周端部の表面が樹脂発泡体2と密着している。このように、エアロゲル層1の端縁部分(表面と側面との境界)を樹脂発泡体2と表皮材3とで覆うことにより、強度が弱く欠けやすいエアロゲル層1の角部を強力に保護することができる。樹脂発泡体2と表皮材3とは接着剤により接着されていることが好ましい。それにより、断熱材の端部の強度をより高めることができる。
エアロゲル層1は、複数のエアロゲル粒子Aが接着剤により固着することにより形成されている。エアロゲル粒子Aを固着させてエアロゲル層1を形成する接着剤としては、接着性を有する適宜の樹脂(樹脂組成物)を用いることができる。樹脂の主成分としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、などを挙げることができる。また、樹脂組成物には、樹脂の硬化を促進したり補助したりする成分が含まれていてもよい。例えば、硬化剤、硬化促進剤、重合開始剤などである。エアロゲル層1の厚みは、特に限定されるものではないが、建材として用いるためには、例えば、1〜100mmの厚みの範囲内にすることができる。
樹脂発泡体2としては、樹脂組成物を発泡させて硬化させたものを用いることができる。樹脂発泡体2は、断熱材として使用される際の形状に合わせて硬化成形されたものであってもよいし、体積の大きい樹脂発泡体2が切断されるなどして断熱材に使用されるサイズに成形されて得られたものであってもよい。
樹脂発泡体2は、材料中の発泡剤を発泡させて気泡を有したまま硬化するタイプの適宜の樹脂材料によって形成することができる。樹脂発泡体2としては、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリエチレンフォームなどを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
樹脂発泡体2はカーボン微粒子を含有することが好ましい一形態である。カーボン微粒子を含有することにより、断熱性を向上させることができる。カーボン微粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、粒径0.01〜5μmのものを使用することができる。カーボン微粒子の含有量は、特に限定されるものではないが、断熱性を効率よく高める観点から、例えば、樹脂発泡体2の全量中、0.1〜10質量%の範囲にすることができる。
樹脂発泡体2は、好ましくは、エアロゲル層1の外周部における側面を覆って設けられるものである。そのため、樹脂発泡体2の厚み(エアロゲル層1の表面と垂直な方向の長さ)はエアロゲル層1と同じであることが好ましい。また、樹脂発泡体2の幅(エアロゲル層1の表面と平行な方向の長さ)は、特に限定されるものではないが、強度を高めるとともに断熱性を低下させないようにする観点から、例えば、10〜100mmの範囲にすることができる。本形態では、エアロゲル層1の面積に比べて十分に小さい面積(例えば平面視における面積が100分の1以下)の樹脂発泡体2を設けることにより、断熱性が低下するのを抑制しながら強度を高めることができる。
樹脂発泡体2は、接着剤によりエアロゲル層1に接着して貼り付けられていることが好ましい。それにより、エアロゲル層1の側面をより保護することができる。また、樹脂発泡体2は接着剤により表皮材3に接着して貼り付けられていることが好ましい。それにより、エアロゲル層1の端縁(表面と側面との境界部分)をより保護することができる。樹脂発泡体2は、エアロゲル層1及び表皮材3の一方において接着されて固定されていてもよいが、樹脂発泡体2がエアロゲル層1及び表皮材3の両方に接着されていることにより、強度をより高めることができる。樹脂発泡体2は、エアロゲル層1の側面に接着される場合、エアロゲル粒子Aを接着して一体化する接着剤によりエアロゲル層1に接着されていてよい。あるいは、エアロゲル粒子Aで構成されるエアロゲル層1と樹脂発泡体2との間に、塗布などにより接着剤が導入されて接着されていてよい。要するに、エアロゲル層1と樹脂発泡体2との界面に接着剤が設けられていればよいものである。樹脂発泡体2とエアロゲル層1とを接着する接着剤としては、上記で説明したエアロゲル粒子Aの接着に用いることのできる接着剤を使用することができる。また、樹脂発泡体2が表皮材3に接着される場合、樹脂発泡体2と表皮材3との間に接着剤が塗布などにより導入されて接着が行われてもよいし、あるいは完全に硬化していない樹脂を含んだ表皮材3を用い、その樹脂を接着剤として機能させて接着を行ってもよい。
表皮材3の材料としては、板材、シート材などを用いることができる。板材としては、木製、金属製、樹脂製など適宜の材料の板材を用いることができる。金属製の板材は、断熱性の悪化を抑制するため厚みを1mm以下にすることが望ましく、さらに腐食を抑制するために、その表面に樹脂をコーティングすることができる。また、プラスチック板を用いてもよい。樹脂製のものを用いることにより軽量化を図ることができる。また、シート材としては、紙、金属薄膜、樹脂シート、繊維シート、樹脂含浸繊維シートなどを用いることができる。シート材を用いた場合、断熱材を軽量にすることができ、また、製造性及び取り扱い性を高めることができる。例えば、巻上げ可能なロール状のシート材を用いれば、製造性をより高めることができる。樹脂製の板材やシート材を用いる場合、加熱圧延されて形成されたものを用いてもよいし、樹脂が直接シート状や板状に成形されたものを用いてもよい。樹脂としては、PET、アクリル系、などを用いることができる。また、繊維シートを用いる場合、織布、不織布などを使用することができる。繊維としては、ガラス繊維、有機繊維、合成繊維、パルプ、など適宜の繊維を用いることができる。また、樹脂含浸繊維シートは前記の繊維シートに前記の樹脂を含浸させたものを用いることができる。樹脂含浸繊維シートを用いる場合、未硬化のシートを用いてもよいし、半硬化のシートを用いてもよいし、硬化後のシートを用いてもよい。液状の樹脂組成物が含浸されている場合は、湿潤したシートを用いることになる。表皮材3が繊維を含む場合、繊維としては長繊維を用いることが好ましい。それにより断熱材の強度をより高めることができる。また、表皮材3が繊維を含む場合、繊維が面方向に配向されたものを用いれば、曲げに対する強度をより高めることができる。
表皮材3の好ましい形態の一例は、FRP(繊維強化プラスチック)である。FRPは、繊維をプラスチックの中に入れた複合材料であり、断熱材の強度を効果的に向上させることができる。特に、FRPを表皮材3の材料として使用すると、プラスチック中の繊維が折り曲げ方向に対して抵抗力を発揮するため、曲げに対する強度をより高めることができる。繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、樹脂繊維などを用いることができる。また、FRPを用いた場合、エアロゲル粒子Aを接着剤で固着させてエアロゲル層1を形成するのと同時にFRPを硬化させて形成することも可能であり、それにより、効率よく断熱材を形成することができる。また、エアロゲル粒子Aの接着とFRPで構成される表皮材3の硬化とを同時に行うようにすれば、エアロゲル層1と表皮材3との密着性を高めることができ、強度の高い断熱材を形成することができる。
断熱材の好ましい一形態は、未硬化又は半硬化の材料を使用し、硬化させて一体化する際に、表皮材3とエアロゲル層1との界面において互いの樹脂成分が混じり合って硬化してエアロゲル層1と表皮材3とが固着されている態様である。それにより、表皮材3とエアロゲル層1との密着性を高めることができ、断熱材の強度をさらに高めることができる。このような接着は、上記で説明したように、完全に硬化する前の、樹脂板、樹脂シート、樹脂含浸繊維シート、FRP、などによって行うことができる。
表皮材3は金属酸化物を含む材料で形成されていることが好ましい一形態である。それにより、強度をより向上することができる。金属酸化物としては、ケイ素酸化物(SiO)、アルミナ(Al)、酸化チタン(TiO)などを用いることができる。繊維状の金属酸化物(ガラス繊維など)を用いることも好ましい。金属酸化物を用いた表皮材3としては、前記した通り、繊維含有シートやFRPなどを用いることが可能である。
また、表皮材3はカーボン微粒子を含有することが好ましい一形態である。カーボン微粒子を含有することにより、断熱性を向上させることができる。カーボン微粒子としては、特に限定されるものではないが、例えば、粒径0.01〜5μmのものを使用することができる。カーボン微粒子の含有量は、特に限定されるものではないが、断熱性を効率よく高める観点から、例えば、表皮材3の全量中、0.1〜10質量%の範囲にすることができる。樹脂製の表皮材3を用いる場合には、樹脂材料にカーボン粒子を混ぜ込んで硬化させることにより、カーボン微粒子が分散して配合された表皮材3を容易に得ることができる。なお、表皮材3と樹脂発泡体2の両方にカーボン微粒子を含ませると、断熱性をより高めることができる。
表皮材3の厚みは、特に限定されるものではないが、強度を高めるとともに断熱材として利用しやすくするという観点から、例えば、0.05〜100mmの範囲にすることができる。
表皮材3は、接着剤によりエアロゲル層1に接着して貼り付けられている。表皮材3は、エアロゲル粒子Aを接着して一体化する接着剤により接着されていてよい。あるいは、エアロゲル粒子Aで構成されるエアロゲル層1と表皮材3との間に、塗布などにより接着剤が導入されて接着されていてよい。あるいは、表皮材3が接着性の樹脂を含むものである場合は、この接着性の樹脂により接着されていてよい。要するに、エアロゲル層1と表皮材3との界面に接着剤が設けられていればよいものである。表皮材3とエアロゲル層1とを接着する接着剤としては、上記で説明したエアロゲル粒子Aの接着に用いることのできる接着剤を使用することができる。
エアロゲル層1の一方の面に設けられる表皮材3と、他方の面に設けられる表皮材3とは、同じ材料で構成されていてもよいし、異なる材料で構成されていてもよい。両面の表皮材3を同じ材料で構成する場合、製造を容易に行うことができる。表皮材3を各面において異なる材料で構成する場合、例えば、一方の面をシートなどで構成するようにすれば、薄型化や軽量化を図ることができる。
ところで、カーボン微粒子は、エアロゲル粒子Aを固着してエアロゲル層1を形成する接着剤中に含まれていてもよい。それにより、断熱性をさらに高めることができる。また、エアロゲル層1と表皮材3とを接着する接着剤、エアロゲル層1と樹脂発泡体2とを接着する接着剤、及び、樹脂発泡体2と表皮材3とを接着する接着剤のいずれか一つ以上の接着剤にも含まれていてよい。カーボン微粒子が接着剤に練りこまれると、このカーボン微粒子によって赤外線を乱反射して輻射することができる。そのため、断熱性を高めることができるものである。
本形態では、エアロゲル層1は、表皮材3及び樹脂発泡体2に表面全体が囲まれて包まれている。したがって、エアロゲル層1は外部に露出した部分を有していない。そのため、エアロゲル層1をより破壊されにくくすることができる。もちろん、強度に問題ないのであれば、エアロゲル層1は、表皮材3の一部において、あるいは、樹脂発泡体2の一部において、部分的に外部に露出していてもよい。ただし、エアロゲル層1の端部はより欠けやすい部分であるので、エアロゲル層1の端部は露出していないことが好ましい。
図1の形態の断熱材は、板状(ボード状)に形成されており、平面視において矩形状の形状となっている。もちろん、断熱材の形状は、表面が盛り上がるなどして立体的形状になっていてもよいが、板状になることにより、建築用のパネルとして用いることができるなど、建材として利用しやすくすることができる。断熱材の大きさ寸法は、特に限定されるものではないが、ボードを構成する四角形の一辺を0.1m以上10m以下などにすることができる。なお、断熱材の厚みは、エアロゲル層1の厚みと表皮材3の厚みとを合計したものとすることができる。
図2(a)及び図2(b)は、エアロゲル粒子Aを用いた断熱材の実施形態の他の各一例である。図2(a)は表皮材3をエアロゲル層1の片面に貼り付けた例である。図2(b)は、表皮材3を設けずに、エアロゲル層1の外周部に樹脂発泡体2を貼り付けた例である。
図2(a)に示すように、表皮材3は、片面のみに貼り付けられていてもよい。片面積層の場合にも、強度を高める効果を得ることができる。また、図2(b)に示すように、表皮材3は両面に設けられていなくてもよい。この場合にも、外周部には樹脂発泡体2が設けられているので、外周部でエアロゲル層1が欠けたりすることを抑制することができ、エアロゲル層1を単独で使用したときよりも強度を高めることができる。ただし、強度をより高めるためには、表皮材3をエアロゲル層1の表面に設けることが好ましく、さらに表皮材3を両面に積層させる方が好ましい。断熱材においては、表皮材3の貼り付けにより曲げに対する強度を効果的に高めることができる。
図3(a)〜(d)は、エアロゲル粒子Aを用いた断熱材の実施形態の他の各一例である。これらの形態では、断熱材はアルミを含む金属層4を備えている。アルミを含む金属層4を備えることにより、赤外線を反射させることができるため、遮熱効果が高まり、断熱性をより向上することができる。
図3(a)の形態では、図1の形態の断熱材において、表皮材3の外表面に金属層4が設けられた形態を示している。金属層4は表皮材3に接着剤などで貼り付けられていてよい。このように、金属層4が外表面に設けられると、外表面において赤外線を遮断して遮熱することができるため、断熱性を効率よく高めることができる。また、表皮材3の外表面に金属層4を貼り付けるだけで金属層4を設けることができるため、断熱性の高い断熱材を容易に形成することができる。図3(a)の形態では、建材として用いる際には、金属層4が設けられた面を外側にして建物に配設することができる。なお、本形態の変形例として、両面の表皮材3の外面に金属層4を設けるようにしてもよい。それにより、さらに断熱性を高めることができる。また、本形態の他の変形例として、金属層4の外面にさらに表皮材3を貼り付けて、金属層4が両面から表皮材3で挟まれるようにしてもよい。それにより、金属層4が表皮材3の内部に配設されて露出しないため、金属層4が破損することを抑制することができる。
図3(b)の形態では、図1の形態の断熱材において、一方の面の表皮材3が金属層4で構成された形態を示している。金属層4はエアロゲル層1に接着剤で貼り付けられている。この接着剤は、エアロゲル粒子Aを接着している接着剤であってもよく、エアロゲル粒子Aを固着する接着剤とは別に塗布などされたものであってもよい。本形態では、表皮材3の一方が金属層4に置き換えられているため、表皮材3の厚みを薄くすることができ、薄型の断熱材を得ることができる。図3(b)の形態では、建材として用いる際には、金属層4が設けられた面を外側にして建物に配設することができる。なお、本形態の変形例として、両面の表皮材3を金属層4で構成するようにしてもよい。それにより、さらなる薄型化を図ることができる。ただし、強度が弱くなるおそれがあるので、エアロゲル層1の少なくとも一方の面には強度の高い表皮材3を貼り付けることが好ましい。
図3(c)の形態では、図1の形態において、エアロゲル層1と表皮材4との境界部分に金属層4が挿入されて設けられた形態を示している。金属層4は一方の面(内面)がエアロゲル層1に接着され、他方の面(外面)が表皮材3に接着されている。金属層4の内面側の接着剤は、エアロゲル粒子Aを接着している接着剤であってもよく、エアロゲル粒子Aを固着する接着剤とは別に塗布などされたものであってもよい。また、金属層4の外面側の接着剤は適宜の接着材料で構成することができる。本形態では、表皮材3の内面に金属層4を設けているため、金属層4を外面に設ける場合に比べて、金属層4が破れたりすることを抑制することができる。図3(c)の形態では、建材として用いる際には、金属層4が設けられた方の面を外側にして建物に配設することができる。なお、本形態の変形例として、両面の表皮材3の内側に金属層4を設けるようにしてもよい。それにより、さらに断熱性を高めることができる。なお、本形態では、金属層4は平面視においてエアロゲル層1と略同じ大きさとなっており、エアロゲル層1の外周部においては、樹脂発泡体2と表皮材3とが直接接着されている。それにより、断熱材の端部における強度を高めることができる。
図3(d)の形態では、図1の形態において、エアロゲル層1の内部に金属層4が挿入されて設けられた形態を示している。本形態では、エアロゲル層1は厚み方向で二つに分断されており、この二つのエアロゲル層1の間に金属層4が設けられている。エアロゲル層1と金属層4とはエアロゲル粒子Aを接着する接着剤により接着されている。本形態では、エアロゲル層1の内部に金属層4を埋め込んで設けているため、金属層4を外面に設ける場合に比べて、金属層4が破れたりすることを抑制することができる。また、金属層4とエアロゲル層1とが一体化するため、表皮材3とエアロゲル層1との界面に金属層4を挿入する場合よりも、強度を向上させることができる。図3(d)の形態では、二つのエアロゲル層1は厚みが略同一のものが用いられているが、厚みの異なるエアロゲル層1を用いるようにしてもよい。なお、本形態の変形例として、エアロゲル層1を厚み方向で三以上の複数個に分断するとともにこの分断されたエアロゲル層1の間に金属層4を設けるようにして、エアロゲル層1の内部に複数の金属層4を設けるようにしてもよい。それにより、さらに断熱性を高めることができる。
図3(a)〜(d)の形態で用いる金属層4としては、アルミを含有するものであれば、適宜の材料を用いることができる。例えば、アルミニウム蒸着シートなどで構成すれば、取扱い性がよく、遮熱性が高いため好ましい。また、アルミ箔と樹脂シートとの積層体などの複合シートを用いてもよい。金属層4の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、0.001〜10mmの範囲のものを使用することができる。
図1〜3に示す各形態においては、表皮材3の上にさらにエアロゲル層1と表皮材3とをこの順で積層することにより、エアロゲル層1に挟まれた表皮材3を中間皮材として構成し、エアロゲル層1を多層構造にして断熱材を形成してもよい。この場合、断熱材全体としてのエアロゲル層1の内部に中間皮材が配置されるような層構成になるため、断熱材の強度をさらに向上することができる。このような多層構造は、中間皮材を介してエアロゲル層1を複数有する構造であり、エアロゲル層1を二つ有する構造だけでなく、三つ以上有する構造であってもよい。ただし、薄板化のためには、エアロゲル層1の積層数は少ない方がよい。多層構造においては、各エアロゲル層1ごとにエアロゲル層1と略同じ厚みの樹脂発泡体2をエアロゲル層1の側面に設けるようにしてもよい。あるいは、中間皮材の大きさをエアロゲル層1と平面視において略同じ大きさにして積層させ、多層となったエアロゲル層1の側面全体を覆うようにして樹脂発泡体2を設けるようにしてもよい。なお、多層構造においては、外表面の表皮材3と中間皮材とは、接していないようにすることが好ましい。表皮材3と中間皮材が接すると熱が伝達する経路(パス)が形成されることになって、断熱性が低下するおそれがある。同様に、断熱性を高めるために、外表面の表皮材3同士、及び、内部の中間皮材同士は接していないことが好ましい。
次に、断熱材の製造について説明する。
図1の形態の断熱材の製造においては、好ましくは、エアロゲル粒子Aを接着剤で接着して一体化させてエアロゲル層1を形成するとともに、このエアロゲル層1の表面に表皮材3を接着させる。このとき、例えば、エアロゲル粒子Aと接着剤とを混合した混合物を予め調製し、この混合物を表皮材3の上に層状に載せ、さらに層状となった混合物の表面に表皮材3の材料を重ね、成形型で押圧して接着剤などの樹脂を硬化させるようにする。その後、対向する表皮材3,3によりエアロゲル層1の側部に形成された凹部に、樹脂発泡体2を嵌め込む。このとき、凹部の表面又は樹脂発泡体2の表面に塗布するなどして接着剤を材料間に導入すれば、樹脂発泡体2をエアロゲル層1及び表皮材3に接着させることができる。これにより、図1に示すような断熱材を形成することができる。
表皮材3としては硬化されたものを用いることもできるが、完全に硬化する前のものを用いることも好ましい。未硬化又は半硬化の表皮材3を用いれば、エアロゲル層1との接着と同時に硬化することができ、効率よく成形できるとともに、密着性高く接着することができる。エアロゲル粒子Aの接着及びエアロゲル層1と表皮材3との接着にあたっては、プレスにより接着することが好ましい。プレスによれば、簡単に密着性高く接着を行うことができる。また、加熱加圧してプレスすることにより、接着性を高めることができる。特に、表皮材3としてFRPを用いた場合は、エアロゲル粒子Aの接着と、FRPの成形と、表皮材3とエアロゲル層1との接着とを同時に行うことができるため、接着及び成形の効率をさらに高めることができる。プレスにあたっては、離型剤や離型シートなど、プレス型との離型を良好にする材料を適宜使用することができる。なお、樹脂発泡体2はプレス時に潰れるおそれがあるため、樹脂発泡体2はプレス後に挿入することが好ましい。
図2及び図3で示す各形態の断熱材は、上記で説明する方法に準じて同様の方法で製造することができる。図2(a)の形態の断熱材を製造する場合には、プレスの際に、エアロゲル層1の片面に表皮材3を配設するようし、接着硬化後に、表皮材3におけるエアロゲル層1からはみ出した部分に樹脂発泡体2を取り付けるようにすればよい。図2(b)の形態の断熱材を製造する場合には、表皮材3を配設せずにエアロゲル粒子Aと接着剤との混合物をプレスして硬化させて成形し、その後、硬化したエアロゲル層1の側面に樹脂発泡体2を取り付ければよい。また、図3(a)の形態の断熱材の場合、図1の形態の断熱材を作製した後、この断熱材の外表面に金属層4を貼り付けることにより形成することができる。もちろん、金属層4が予め貼り付けられた表皮材3を用いてプレスを行うようにしてもよい。図3(b)〜(d)の各形態の断熱材においては、金属層4を所定の位置に配設しておきプレスして一体化することにより形成することができる。
上記の各形態では、断熱材は板状の断熱材(断熱ボード)として形成されている。もちろん、適宜の成形型を用いてプレスすることにより、ボード以外の形状の成形も可能である。このように形成された断熱材は、断熱性と強度に優れ、建築材料などとして有用なものである。
A エアロゲル粒子
1 エアロゲル層
2 樹脂発泡体
3 表皮材
4 金属層

Claims (6)

  1. エアロゲル粒子及び接着剤を含むエアロゲル層を備えた断熱材であって、前記エアロゲル層の外周部に樹脂発泡体が設けられていることを特徴とする断熱材。
  2. 前記エアロゲル層の少なくとも一方の表面に表皮材が貼り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の断熱材。
  3. 前記表皮材は金属酸化物を含む材料で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の断熱材。
  4. 前記表皮材はカーボン微粒子を含有することを特徴とする請求項2又は3に記載の断熱材。
  5. 前記樹脂発泡体はカーボン微粒子を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の断熱材。
  6. アルミを含む金属層を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の断熱材。
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