JP2015124307A - 木粉入り発泡成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】CO2排出量を減らして環境への負担を減らすことができるだけでなく、廃材や間伐材を有効に活用することによって環境保全にも役立ち、しかも、製造面においても成形不良が起き難い木粉入り発泡成形体を提供する。
【解決手段】木粉、親水性高分子、ポリオレフィン系樹脂及び水を加熱混合し、発泡成形して木粉入り発泡成形体を製造すると共に、この発泡成形体の全体形状を、直径3〜20mmの複数の棒状体の表面同士が密着結合した形状とし、更に各棒状体を、内部の発泡層とこの発泡層を被覆する平均厚さ15〜25μmの表皮層とから構成する木粉入り発泡成形体。木材の木粉に紙粉が含まれ、ポリオレフィン樹脂として平均粒子径0.02〜200μmで平均重合度が400〜3000の粒子状のポリ塩化ビニルが含まれる木粉入り発泡成形体。更に炭酸カルシウム及び可塑剤を含んでなる木粉入り発泡成形体。
【選択図】なし

Description

本発明は、発泡成形体の改良、詳しくは、CO2排出量を減らして環境への負担を減らすことができるだけでなく、廃材や間伐材を有効に活用することによって環境保全にも役立ち、しかも、製造面においても成形不良が起き難い木粉入り発泡成形体に関するものである。
周知のとおり、建築用または包装用断熱材としては、合成樹脂材料(主にポリスチレンやポリエチレン、ポリプロピレン等)を押出発泡して作製された発泡断熱材が利用されているが、断熱材は国内で大量に使用されるため、原料製造時から廃棄時までに排出されるCO2(ライフサイクルCO2)の量が膨大となる。
そこで、従来においては、上記ライフサイクルCO2量を抑えるために、紙粉とデンプンを発泡断熱材の主材料(全体の50重量%程度)に用いる技術が開発されている(特許文献1参照)。また、文献1中にも記載されているように、製造時のCO2排出量を抑える手段として、水発泡を発泡手段に用いる技術も公知となっている。
しかしながら、上記紙粉に関しては、紙を微粉砕する際に植物繊維同士を結合している接着剤等の影響により、粉砕後の紙粉中に繊維長の大きい植物繊維が残り易かった。そのため、紙粉入りの発泡断熱材の材料を、押出成形機内に投入して混練・押出を続けると、植物繊維が押出ノズルに残留して成形不良を起こすリスクが高かった。
一方、最近では、環境保全の観点から間伐材や廃木材を製品の材料に利用する動きが活発化しており、これらの木材を利用した製品が様々な分野で開発されている。ところが、発泡断熱材の分野では、現時点で間伐材や廃木材を活用した製品が存在しないことから、環境保全に貢献できるような新製品の開発が求められていた。
特開2003―41041号公報
本発明は、上記問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、CO2排出量を減らして環境への負担を減らすことができるだけでなく、廃材や間伐材を有効に活用することによって環境保全にも役立ち、しかも、製造面においても成形不良が起き難い木粉入り発泡成形体を提供することにある。
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
即ち、本発明は、木粉、親水性高分子、ポリオレフィン系樹脂及び水を加熱混合し、発泡成形して木粉入り発泡成形体を製造すると共に、この発泡成形体の全体形状を、直径3〜20mmの複数の棒状体の表面同士が密着結合した形状とし、更に各棒状体を、内部の発泡層とこの発泡層を被覆する平均厚さ15〜25μmの表皮層とから構成した点に特徴がある。なお上記「ポリオレフィン系樹脂」には、バージン樹脂だけでなく再生樹脂も含まれるものとする。
また、上記発泡成形体の材料には、セルロース系粉体の一部として紙粉を含めることもできる。また上記発泡成形体のセル密度を高めて(平均セル径を小さくして)断熱性を高めるために、材料に塩化ビニル樹脂を含めることもできる。
なお、上記のように塩化ビニル樹脂を材料に加える場合には、平均粒子径が0.02〜200μmで、かつ、平均重合度が400〜3000のポリマー粒子状の塩化ビニル樹脂を使用するのが好ましい。また、上記塩化ビニル樹脂を加える場合には、材料に炭酸カルシウム及び可塑剤を含めて一緒に添加するのが好ましい。
また更に、上記塩化ビニル樹脂や炭酸カルシウム、可塑剤を添加する場合には、木粉や紙粉を含むセルロース系微粉体、親水性高分子、ポリオレフィン系樹脂および水を足した材料100重量部に対して、塩化ビニル樹脂、炭酸カルシウム及び可塑剤を1〜20重量部混合し、かつ、塩化ビニル樹脂、炭酸カルシウム及び可塑剤の比率を、塩化ビニル樹脂30〜70%、炭酸カルシウム10〜60%、可塑剤10〜50%とするのが好ましい。
本発明では、発泡成形体の主材料として木粉、親水性高分子及びポリオレフィン系樹脂を使用すると共に、全体形状を所定太さの複数の棒状体の表面同士が密着結合した形状とし、更に各棒状体を、発泡層と所定厚みの表皮層とから構成したことにより、形態安定性及び断熱性に優れた木粉入り発泡成形体を作製することができる。
また、本発明で使用している木粉は、紙粉のように粉砕処理時に接着剤等の影響を受けないため、植物繊維の繊維長を紙粉よりも小さくなり易い。そのため、製造時において、上記材料を押出成形機に投入して混練・押出を続けた場合でも、ノズルの目詰まり等が起き難く成形不良を防止できる。
また更に、本発明では、材料として木粉や親水性高分子を使用すると共に、発泡手段として水発泡を採用することにより、原料製造から成形加工、使用、廃棄までの商品ライフサイクル中に排出されるCO2量も減らして、環境への負担も軽減できる。そして更に、木粉に間伐材や廃木材を利用すれば、環境保全にも役立てることができる。
したがって、本発明により、CO2排出量を軽減できるだけでなく、従来廃棄されていた木材や間伐材等を活用して製造することができ、また建築用や包装用断熱材として好適に使用できる上に、製造面での問題も生じ難い発泡成形体を提供できることから、本発明の実用的利用価値は頗る高い。
本明細書中における平均セル径の算出方法を示す参考図である。 本発明の実施例1及び2における発泡成形体の内部構造を表わす電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例3及び4における発泡成形体の内部構造を表わす電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例5及び6における発泡成形体の内部構造を表わす電子顕微鏡写真である。 本発明の比較例Aにおける発泡成形体の内部構造を表わす電子顕微鏡写真である。
次に、本発明を実施するための具体的態様及び好ましい条件について説明する。
[発泡成形体の材料]
まず本発明では、発泡成形体の材料として、木粉、親水性高分子、ポリオレフィン系樹脂、及び発泡剤として水を使用する。なお、断熱性を向上させるためにこれらの材料に紙粉や塩化ビニル樹脂を添加することもできる。また、塩化ビニル樹脂を加える場合には、炭酸カルシウムと可塑剤も添加するのが好ましい。そして、これらの材料を加熱混合して発泡成形することによって、内側に微小なセルを無数に有する発泡成形体を作製する。
[木粉]
また、上記木粉としては、粒径50〜800μm程度のものが好適に使用される。なお木粉には、通常5〜30質量%の水分が含まれる。また木粉には、間伐材や廃木材などの木材を微粉砕処理して得られた木粉を使用するのが好ましい。また、木材の種類については、スギやヒノキ、松等の針葉樹を使用することも、ラワンやナラ、シナノキ等の広葉樹を使用することもでき、複数種の木材が混ざり合った木粉を使用することもできる。
[その他セルロース系粉体]
また更に、上記紙粉に関しては、木粉以外のセルロース系粉体を代わりに使用することもでき、具体的には、米粉、竹粉、籾粉、草粉などを使用することができる。また、セルロースを多量に含む粉状のものであれば他の材料も使用することもでき、これらの材料から選択した複数種の材料を組み合わせて使用することもできる。
[親水性高分子]
そしてまた、上記親水性高分子としては、デンプンやペクチン、コンニャクマンナン、グアガム、アラビアガムなどの植物多糖、または寒天やカラギーナン、アルギン酸などの海藻多糖などを採用することができる。また他にも、親水性の天然高分子材料であれば微生物多糖や動物多糖などを使用することもできる。
また、上記親水性の天然高分子については、一つの材料を単独で使用することも複数の材料を混ぜて使用することも可能であるが、どちらを選択する場合でも、デンプンを主成分とすることが好ましい。これは、デンプンのα化(糊化)を利用することで発泡成形体の成形性(発泡用)が良好となるためである。
[ポリオレフィン系樹脂]
そしてまた、上記ポリオレフィン系樹脂としては、バージン樹脂としてはポリプロピレンやポリエチレンなどを使用することができ、またコスト面やリサイクル面を考慮して再生ポリオレフィン樹脂を使用することもできる。また、ポリプロピレンとしては、高い溶融張力と歪み硬化性を持つ発泡用ポリプロピレンが好ましい。
[塩化ビニル樹脂]
また、上記塩化ビニル樹脂としては、低重合度PVCや高重合度PVC等から選択して使用することができるが、発泡成形体のセル密度及び表面の平滑性を高めるために、平均粒子径が0.02〜200μmで、かつ、平均重合度が400〜3000のポリマー粒子状の塩化ビニル樹脂を使用するのが好ましい。
また、上記塩化ビニル樹脂には、未加工のバージン樹脂だけでなく、コスト面や環境面を考慮して壁紙や床材等の廃材をリサイクルして得られた粉体状の再生樹脂(軟質塩化ビニル樹脂等)を使用することもできる。
[可塑剤]
また更に、上記可塑剤としては、塩化ビニル樹脂と相性が良い可塑剤を選択して使用することができ、具体的には、フタレート系可塑剤やトリメリテート系可塑剤、脂肪酸系可塑剤、エポキシ系可塑剤、アジペート系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等の中から自由に選択して使用できる。
[炭酸カルシウム]
そしてまた、上記炭酸カルシウム粉末としては、軽質炭酸カルシウムや重質炭酸カルシウムを使用することができ、また粉末の粒子形状は、球状等の定形、或いは不定形、ウィスカー状等の何れであってもよい。また平均粒子径については、0.5〜5μmのものが好ましい。また更に、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸などの脂肪酸、並びにこれらの脂肪酸とアルカリ金属(カルシウム等)との塩などによって表面処理されたものを使用することも可能である。
[炭酸カルシウム及び可塑剤の添加方法]
また、上記炭酸カルシウムや可塑剤の添加方法については、塩化ビニル樹脂と別個にそれぞれ単独で添加することもできるが、炭酸カルシウムと可塑剤を含有する軟質塩化ビニル樹脂を細かく粉砕したものを使用して、まとめて添加することもできる。
[材料の割合]
一方、上記各材料の割合に関しては、発泡成形体のセル密度及び表面の平滑性を高めるために、セルロース微粉体の含有量を10〜35重量%、親水性高分子の含有量を20〜50重量%、ポリオレフィン系樹脂の含有量を25〜55重量%、水の含有量を5〜20重量%とし、更にこれらの材料100重量部に、塩化ビニル樹脂、炭酸カルシウム及び可塑剤を1〜20重量部混合するのが好ましい。
また、上記塩化ビニル樹脂、炭酸カルシウム及び可塑剤についても、発泡成形体のセル密度及び表面の平滑性を高めるために、これらの総量を100%としたときの各材料の割合を、塩化ビニル樹脂30〜70%、炭酸カルシウム10〜60%、可塑剤10〜50%とするのが好ましい。
[発泡成形体の形状]
他方また、上記発泡成形体の形状についても、断熱性をより向上させるために、直径3〜20mmの複数の棒状体の表面同士を密着結合して発泡成形体を構成し、更に各棒状体を、内部の発泡層とこの発泡層を被覆する平均厚さ15〜25μmの表皮層とを有する形状に成形するのが好ましい。また、押出発泡成形を採用する場合には、上記棒状体の発泡成形と棒状体同士の融着を一連に行うことができる。
[発泡成形体の製造方法]
次に本発明の発泡成形体を、プラスチック押出成形機を用いて製造する方法について説明する。まず、第一のステップとして、含水した状態の木粉、その他のセルロース粉体、親水性高分子、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル樹脂、炭酸カルシウム及び可塑剤をまとめてホッパーから投入し、これらをシリンダ内で加熱しながらスクリューによって混練する。
そして次に、第二のステップとして、上記第一のステップで混練した材料に、発泡剤として使用する水を、水が蒸発しない加熱・圧力条件下で注入する。これは、注入した水がすぐに蒸発して注入管内の水が逆流する危険を防止するためである。
その後、第三のステップとして、上記第二のステップで注入した水と混練材料とを加熱しながら高圧力化で再度混練する。そして最後に、第四のステップとして、上記第三のステップで混練した材料を、押出ダイスのノズルから外部に押し出し、大気圧下で水を蒸発させて材料を発泡させる。
なお、上記第四のステップにおいて、混練材料を複数のノズルから棒状に押出成形する場合には、冷めて固まる前にこれらを収束して全体を軽くプレスする。これにより、棒状体同士が融着して、発泡成形体が所定断面の板状または棒状に成形される。もちろん、発泡成形体を板状に成形する場合には、Tダイを用いた押出成形も採用できる。
『効果の実証試験』
以下に説明する実施例1〜6及び比較例Aの発泡成形体で、本発明の効果の実証試験を行った。なお本試験では、“木粉”にスギの間伐材を粉砕した平均粒径500μmの粉体を使用すると共に、“紙粉”に古紙を粉砕した平均粒径100μmの粉体を使用した。
また本試験では、“親水性高分子”に、とうもろこし由来デンプンを使用すると共に、“ポリオレフィン系樹脂”に、容器リサイクル材であるR-PO(PP47%,PE47%,PS6%)と発泡用ポリプロピレンとを組み合わせたものを使用した。
また本試験では、“塩化ビニル樹脂”に、平均粒子径1μm、平均重合度750のカネカ社製のペーストPVC(商品名:PSL-675)を使用した。また、“炭酸カルシウム”に、平均粒子径約2.2μmの白石カルシウム社製の炭酸カルシウム(商品名:ソフトン1000)を使用すると共に、“可塑剤”には、ジェイ・プラス社製のフタル酸ジイソノニル(略号:DINP)を使用した。
[評価方法について]
本試験におけるセル密度の測定については、試験体の断面SEM写真(30倍)から、観察範囲内のセル個数を数え、単位面積当たりのセル個数をセル密度(単位:個/mm2)とした。また、本試験における平均セル径の測定については、試験体の断面SEM写真に対して図1に示すように5本の線を任意方向に引き、その線上にあるセル長さの平均値を平均セル径(単位:μm)とした。
また、本試験における熱伝導率の測定に関しては、JIS A1414-2の熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法 第二部:熱流計法(HFM法)に準じて試験片200mm角×30mmを、迅速熱伝導率測定計QTM-D3(京都電子社製)を用いて測定した。また、本試験における表面製の評価については、押出機から押し出された発泡成形体の表面を目視して、凹凸が少なく表面が平滑なものを“良”、凹凸が多く表面が粗いものを“可”と評価した。
「実施例1」
それでは次に、実施例1の発泡成形体について説明する。この実施例1では、主材料に木粉(16重量%)、デンプン(30重量%)、R-PO(15重量%)、発泡用ポリプロピレン(30重量%)および水(9重量%)を使用し、これらを混練したものを水発泡で押出成形して発泡成形体を作製した。
その結果、図2(a)に示される断面構造を有する、セル密度が2.69個/mm2、平均セル径が1037μmの発泡成形体が得られた。また発泡成形体の熱伝導率を調べたところ、0.038であった。また発泡成形体の表面は、凹凸の多い粗い仕上がりとなった。
「実施例2」
この実施例2では、木粉(16重量%)、デンプン(30重量%)、R-PO(15重量%)、発泡用ポリプロピレン(30重量%)および水(9重量%)を主材料に使用すると共に、これらの主材料100重量部に対し、塩化ビニル樹脂を1重量部、炭酸カルシウムを1重量部、可塑剤を0.5重量部添加して混練したものを水発泡で押出成形して発泡成形体を作製した。
その結果、図2(b)に示される断面構造を有する、セル密度が5.6個/mm2、平均セル径が355.9μmの発泡成形体が得られた。また発泡成形体の熱伝導率を調べたところ、0.036であった。また発泡成形体の表面は、凹凸が少なく平滑性は良好であった。
「実施例3」
この実施例3では、木粉(5重量%)、紙粉(15重量%)、デンプン(28.5重量%)、R-PO(14重量%)、発泡用ポリプロピレン(28.5重量%)および水(15重量%)を主材料に使用し、これらを混練したものを水発泡で押出成形して発泡成形体を作製した。
その結果、図3(a)に示される断面構造を有する、セル密度が3.47個/mm2、平均セル径が427.4μmの発泡成形体が得られた。また、発泡成形体の熱伝導率は0.037であった。また発泡成形体の表面は、凹凸の多い粗い仕上がりとなった。
「実施例4」
この実施例4では、木粉(5重量%)、紙粉(15重量%)、デンプン(28.5重量%)、R-PO(14重量%)、発泡用ポリプロピレン(28.5重量%)、水(9重量%)を主材料に使用すると共に、これらの主材料100重量部に対し、塩化ビニル樹脂を1重量部、炭酸カルシウムを1重量部、可塑剤を0.5重量部添加して混練したものを水発泡で押出成形して発泡成形体を作製した。
その結果、図3(b)に示される断面構造を有する、セル密度が5.38個/mm2、平均セル径が326μmの発泡成形体が得られた。また発泡成形体の熱伝導率を調べたところ、0.035であった。また発泡成形体の表面は、凹凸が少なく平滑性は良好であった。
「実施例5」
この実施例5では、木粉(5重量%)、紙粉(15重量%)、デンプン(28.5重量%)、R-PO(14重量%)、発泡用ポリプロピレン(28.5重量%)及び水(9重量%)を主材料に使用すると共に、これらの主材料100重量部に対し、塩化ビニル樹脂を2重量部、炭酸カルシウムを2重量部、可塑剤を1重量部添加して混練したものを水発泡で押出成形して発泡成形体を作製した。
その結果、図4(a)に示される断面構造を有する、セル密度が9.27個/mm2、平均セル径が295.2μmの発泡成形体が得られた。また発泡成形体の熱伝導率を調べたところ、0.035であった。また発泡成形体の表面は、凹凸が少なく平滑性は良好であった。
「実施例6」
この実施例6では、木粉(9重量%)、紙粉(15重量%)、デンプン(27重量%)、R-PO(14重量%)、発泡用ポリプロピレン(27重量%)及び水(8重量%)を主材料に使用すると共に、これらの主材料100重量部に対し、塩化ビニル樹脂を1重量部、炭酸カルシウムを1重量部、可塑剤を0.5重量部添加して混練したものを水発泡で押出成形して発泡成形体を作製した。
その結果、図4(b)に示される断面構造を有する、セル密度が1.93個/mm2、平均セル径が746.9μmの発泡成形体が得られた。また発泡成形体の熱伝導率を調べたところ、0.036であった。また発泡成形体の表面は、凹凸が少なく平滑性は良好であった。
「比較例A」
この比較例Aでは、塩化ビニル樹脂、炭酸カルシウム及び可塑剤を材料に使用せず、紙粉(16重量%)、デンプン(30重量%)、R-PO(15重量%)、発泡用ポリプロピレン(30重量%)および水(9重量%)の主材料のみを混練したものを水発泡で押出成形して発泡成形体を作製した。
その結果、図5に示される断面構造を有する、セル密度が5.15個/mm2、平均セル径が720.3μmの発泡成形体が得られた。また発泡成形体の熱伝導率を調べたところ、0.038であった。また発泡成形体の表面は、凹凸の多い粗い仕上がりとなった。
[実証試験の総括]
上記試験結果の内容をまとめたものを以下の[表1]に示す。この[表1]の評価結果を見ても分かるように、本発明の構成を採用することによって、熱伝導率が小さく断熱性に優れた木粉入り発泡成形体を作製することができる。
本発明は、概ね上記のように構成されるが、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、発泡成形体には、断熱材の用途に応じて防虫剤や防カビ材等の機能性材料を添加することもでき、何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
近年、建築用断熱材や梱包用断熱材等において発泡成形体の需要は大きく、特に最近では断熱性能だけでなく環境に配慮したエコロジーな製品が求められている。そのような中で、本発明は、ライフサイクルCO2を低減できる上に間伐材等を活用して環境保全にも役立つ有用な技術であることから、その産業上の利用価値は非常に高い。

Claims (6)

  1. 木粉、親水性高分子、ポリオレフィン系樹脂および水を加熱混合し、発泡成形して成る木粉入り発泡成形体であって、全体の形状が、直径3〜20mmの複数の棒状体の表面同士が密着結合した形状から成り、更に各棒状体が、内部の発泡層とこの発泡層を被覆する平均厚さ15〜25μmの表皮層とから構成されていることを特徴とする木粉入り発泡成形体。
  2. 材料に紙粉が含まれていることを特徴とする請求項1記載の木粉入り発泡成形体。
  3. 材料に塩化ビニル樹脂が含まれていることを特徴とする請求項1または2に記載の木粉入り発泡成形体。
  4. 平均粒子径が0.02〜200μmで、かつ、平均重合度が400〜3000のポリマー粒子状の塩化ビニル樹脂が使用されていることを特徴とする請求項3記載の木粉入り発泡成形体。
  5. 材料に炭酸カルシウム及び可塑剤が含まれていることを特徴とする請求項3または4に記載の木粉入り発泡成形体。
  6. 木粉や紙粉を含むセルロース系微粉体、親水性高分子、ポリオレフィン系樹脂および水を足した材料100重量部に対して、塩化ビニル樹脂、炭酸カルシウム及び可塑剤が1〜20重量部混合されており、かつ、塩化ビニル樹脂、炭酸カルシウム及び可塑剤の比率が、塩化ビニル樹脂30〜70%、炭酸カルシウム10〜60%、可塑剤10〜50%であることを特徴とする請求項5記載の木粉入り発泡成形体。
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