JP2015123693A - 粉体混和材のセメント混練物への添加器具及び添加方法、並びに粉体混和材を混和したセメント混練物の製造方法 - Google Patents

粉体混和材のセメント混練物への添加器具及び添加方法、並びに粉体混和材を混和したセメント混練物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】短時間で、簡単に、かつ、低廉なコストでセメント混練物に粉体混和材を添加できる添加器具及び添加方法を提供することである。また、品質的にも満足できる粉体混和材を混和したセメント混練物、特に速硬性セメント混練物等の急硬性セメント混練物を、短時間で、簡単に、かつ、低廉なコストで提供すること。
【手段】トラックアジテータのホッパ又はドラム入口に嵌合する形状の漏斗部と、この漏斗部に連通しトラックアジテータのドラムに挿入可能なシュート部からなる粉体混和材添加器具によって解決される。前記シュート部の長さが0.5m〜2.5mであると好適である。また、ドラム内に未硬化のセメント混練物を積載したトラックアジテータのホッパからドラム内に、請求項1又は2記載の粉体混和材添加器具のシュート部を挿入する工程、該漏斗部に粉体混和材を投入する工程とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は粉体混和材のセメント混練物への添加器具及び添加方法、並びに粉体混和材を混和したセメント混練物の製造方法に関する。特に、本発明は速硬性セメント混和材のセメント混練物への添加器具及び添加方法、並びに速硬性セメント混練物の製造方法に関する。
セメント混練物の製造場所(製造プラント)と、打設場所とは、通常、離れていることが多い。このような場合、セメント混練物はトラックアジテータで輸送される。ところで、コンクリートやモルタル等のセメント混練物に混和材料が混和されることは周知である。混和材料には、混和量がセメントの質量の数%未満の比較的少なくその体積を考慮しないで済む混和剤と、混和量がセメントの質量の数%以上の比較的多くその体積を考慮する必要がある混和材がある。混和材としては、例えば速硬性セメント混和材等の急硬材が挙げられる。
さて、セメント混練物に混和材料を混和する方法として、セメント混練物(ベースとなるセメント混練物。ここでは、ベース混練物とも謂われる。)が投入されているトラックアジテータのドラム内に所定量の混和材料が投入された後、該ドラムを高速回転させる方法が有る。例えば、増粘剤、繊維、セメント分散剤等の如く、添加量が少ない混和剤の場合には、粉体の状態で直接又は解砕される容器内に収容し、上記ドラム内に投入されることが提案(特許文献1,2,3)されている。
ところが、添加量が多くなって来ると、そしてトラックアジテータのドラム内に多量の粉体の混和材(粉体混和材)が投入されると、投入された粉体混和材が舞い上がる。この為、作業環境が悪化する。また、セメント混練物は、ドラムの底部に位置しており、ホッパから直接多量の粉体を投入すると、セメント混練物まで届かず、ドラムの上部に止まり、充分な練混ぜができなくなる虞がある。かつ、添加がスムーズに行われ難いことから、粉体混和材の性能が充分には発揮され難い。このような虞が考えられることから、トラックアジテータのドラム内に多量の粉体混和材を投入する方法は行われていない。粉体混和材が用いられる場合、かつ、トラックアジテータのドラム内に投入される場合には、粉体混和材と水とが予め練り混ぜられ、この混練物が投入されることが提案(特許文献4)されている。
特開平08−052730号公報 特開平06−320528号公報 特許第4072710号公報 特開2010−052984号公報
ところで、粉体混和材と水とを練り混ぜてスラリ状(又はペースト状)とした上で、トラックアジテータのドラム内のベース混練物に前記スラリ状(又はペースト状)の混和材(混和材スラリとも謂われる)が混和される場合、次のような問題の有ることが判って来た。
(1) 粉体混和材を水と練り混ぜる時、又、ベース混練物の練り混ぜの時の両方において、充分な量の水が必要である。この為、混和材スラリが混合後のセメント混練物は、単位水量が多い。従って、乾燥収縮が大きくなり易く、また強度が低くなり易い。
(2) ベース混練物を練り混ぜる時、混和材スラリを混和する時に加えられる水量を考慮した材料配合とする必要が有る。従って、配合計算が煩雑となる。
(3) 粉体混和材がカルシウムアルミネート類のように水硬性を有している場合、練り混ぜ後の混和材スラリの可使時間に注意する必要が有る。かつ、練り混ぜ(加水)からの経過時間により混和材スラリの品質が変化する。従って、混和材スラリ混和後のセメント混練物の品質が安定しない。
(4) 速硬性セメント混練物の打設場所近傍で混和材スラリ混練装置及び混練作業が必要となり、作業が煩雑となる。
このようなことから、速硬性混和材(混和から硬化までの時間が、例えば3時間以内となる急硬性混和材(急硬材))が用いられた速硬性セメント混練物を製造し打設する場合、運搬時間分だけ打設作業に使用できる時間が減ってしまうことから、打設場所近傍で速硬性セメント混練物を製造することが好ましい。
この為に考えられる方法としては、打設場所近傍に、セメント混練物の製造プラント(ミキシングプラント)を設置することが考えられる。しかしながら、速硬性セメント混練物は、例えば補修工事、補強工事、緊急工事等に主に使用される。従って、ミキシングプラントを設置する手法はコストが掛かり過ぎること、及び補修工事や緊急工事等では作業開始から工事用資材及び機材の撤去までを短時間で行わなければならないことが多いこと等から現実には採用できない。
また、ミキシングプラントを装備した車両(移動式バッチャプラントシステム)を用いることも考えられる。しかしながら、前記車両に装備されているミキサの容量は数百リットル程度と小さいものが殆どである。従って、製造能力が小さい。かつ、この手法もコストが掛かり過ぎ、現実には採用し難い。
また、本願出願人は、特願2010−293716において、
「トラックアジテータのドラムの回転によりセメント混練物と速硬性セメント混和材とが混合されて速硬性セメント混練物が製造される方法であって、
トラックアジテータのドラム内にセメント混練物が投入されるセメント混練物投入工程と、
トラックアジテータのドラム内に速硬性セメント混和材が投入される速硬性セメント混和材投入工程
とを具備してなり、
前記セメント混練物投入工程におけるセメント混練物投入量は、前記ドラムの内容積の1/10〜3/8に相当する量であり、
前記速硬性セメント混和材投入工程で投入される速硬性セメント混和材は粉体状の速硬性セメント混和材であって、この粉体状の速硬性セメント混和材が高濃度粉体輸送機により前記ドラム内に投入される
ことを特徴とする速硬性セメント混練物製造方法」を提案した。
この速硬性セメント混練物製造方法は、品質的にも満足できる速硬性セメント混練物を、簡単に、かつ、低廉なコストで得られるという優れたものであるが、急硬材(速硬性セメント混和材)の添加に数分〜10分程度の時間が掛かり、ドラムの中に高圧噴射することでドラム内の天井側に粉体(速硬性セメント混和材)が付きやすい、コンプレッサーが必要、電源が必要等の制約がある等のため、より短時間で急硬材をセメント混練物に添加できる技術、即ち、より短時間で品質的にも満足できる急硬性セメント混練物を、簡単に、かつ、低廉なコストで提供することができる技術が望まれた。
従って、本発明が解決しようとする課題は、前記問題点を解決することである。すなわち、短時間で、簡単に、かつ、低廉なコストでセメント混練物に粉体混和材を添加できる添加器具及び添加方法を提供することである。また、品質的にも満足できる粉体混和材を混和したセメント混練物、特に速硬性セメント混練物等の急硬性セメント混練物を、短時間で、簡単に、かつ、低廉なコストで提供することである。
前記の課題は、
トラックアジテータのホッパ又はドラム入口に嵌合する形状の漏斗部と、この漏斗部に連通しトラックアジテータのドラムに挿入可能なシュート部からなる粉体混和材添加器具によって解決される。前記シュート部の長さが0.5m〜2.5mであると好適である。
また、前記の課題は、ドラム内に未硬化のセメント混練物を積載したトラックアジテータのホッパからドラム内に、請求項1又は2記載の粉体混和材添加器具のシュート部を挿入する工程、該漏斗部に粉体混和材を投入する工程、この粉体混和材添加器具の漏斗部又はシュート部とトラックアジテータのホッパ又はドラム入口とを固定する工程、上記ドラムを回転させ未硬化のセメント混練物に投入した粉体混和材を混合する工程とを具備する粉体混和材の添加方法によって解決される。
前記の漏斗部に粉体混和材を投入する工程は、好ましくは、粉体混和材が入った容器を粉体混和材添加器具の漏斗部よりも高く吊り上げ、該容器の下部に備えた排出口を開口することより前記漏斗部内に、粉体混和材を投入する工程である。
本発明によれば、短時間で、簡単に、かつ、低廉なコストで粉体混和材をセメント混練物に添加できる添加器具及び添加方法が得られる。また、品質的にも満足できる急硬性セメント混練物、特に速硬性セメント混練物等の急硬性セメント混練物を、短時間で、簡単に、かつ、低廉なコストで得られる。
本発明の粉体混和材添加器具の概略図である。 トラックアジテータの概略図である。
本発明は粉体混和材添加器具である。特に、トラックアジテータのドラム内に積載された未硬化のセメント混練物に、粉体混和材を添加するための粉体混和材添加器具である。本発明の粉体混和材添加器具は、トラックアジテータのホッパ又はドラム入口に嵌合する形状の漏斗部と、この漏斗部に連通しトラックアジテータのドラムに挿入可能なシュート部からなる。
本発明の粉体混和材添加器具におけるシュート部の長さは、0.5〜2.5mが好ましい。シュート部の長さが0.5mよりも短いと、粉体混和材を投入したときに、粉体混和材がドラムの入り口(ホッパ)付近に偏ってしまい急硬性セメント混練物が均質になり難い。特に粉体混和材が急硬材であるとその傾向が強くなり、急硬材が多い部分のみ所定の急硬性よりも硬化が早まってしまい、急硬材が少ない部分は所定の急硬性が得られないことになり易い。0.5mより短い場合は、粉体混和材のみがドラムの入り口に付着し、硬化することでドラムの洗浄が難しくなる。また、シュート部の長さが2.5mよりも長いと、シュート部をドラムに挿入したときにシュート部が水平に近づいてしまい、粉体(急硬材)が流れ難く急硬材の投入に時間が掛かってしまう。また、積載しているセメント混練物の量が多い場合は、長すぎて挿入できない恐れがある。急硬材の投入時間を短くでき且つ急硬性セメント混練物を均質にし易いことから、シュート部の長さは、0.7〜2.0mがより好ましく、1〜1.8mが更に好ましい。特にシュート部の長さが2m以内であれば、人力で取り扱い易いことから好ましい。シュート部の形状は、筒状、桶状、板状、シート状又はこれらの複合した形状でもよい。
本発明の粉体混和材添加器具において、漏斗部の形状及び大きさは、トラックアジテータのホッパ又はドラム入口に嵌合する形状であればよく、例えば円錐を逆さまにした形状でも、又角錐を逆さまにした形状でもよい。また、トラックアジテータのホッパの形状と相似な形状である必要はない。漏斗部のシュート部との連通部は、その開口面積が70〜1500cmであることが好ましい。連通部における開口面積が70cm未満では粉体混和材の投入に時間が掛かってしまい、1500cmを超えるとトラックアジテータのホッパの内側及びドラム入口に嵌合し難い。より好ましい連通部における開口面積は、粉体混和材の投入時間を短くでき且つトラックアジテータのホッパの内側又はドラム入口に嵌合し易いことから、200〜1200cmとする。
本発明の粉体混和材添加器具の材質は、金属、樹脂、木材、竹、セラミックス又はこれらを組み合わせたものを主体的としたものとすることが好ましい。部分的に材質が異なっててもよい。また、本発明の粉体混和材添加器具は、その質量が20kg以内であれば、人間一人の力で取り扱うことができることから好ましい。
本発明の粉体混和材の添加方法は、ドラム内に未硬化のセメント混練物を積載したトラックアジテータのホッパからドラム内に、前記の粉体混和材添加器具のシュート部を挿入する工程(工程a)、この粉体混和材添加器具の漏斗部とトラックアジテータのホッパとを固定する工程(工程b)、該漏斗部に粉体混和材を投入する工程(工程c)とを具備する。
工程bにおいて、この粉体混和材添加器具の漏斗部又はシュート部とトラックアジテータのホッパ又はドラム入口とを固定する方法は、漏斗部とホッパとを固定できれば特に限定されない。例えば、ホッパ又はドラム入口に漏斗部を嵌合させることで固定してもよいし、漏斗部とホッパとをロープ、帯又は針金等で括り付けてもよい。又、シュート部をホッパ又はドラム入口に嵌合させることで固定してもよいし、粉体混和材添加器具がぐらつかずに安定するのであれば、シュート部をホッパ又はドラム入口に載せる(置く)又は立てかけるようにすることでもよい。又、漏斗部とホッパとを金具やクランプ等で挟み止めてもよい。また、ホッパを手等で押さえることで固定することでもよい。粉体混和材添加器具に、漏斗部とホッパとを括り付けるためのロープ、帯又は針金等或いは漏斗部とホッパ挟み止めるための金具やクランプ等が具備されていると、別途用意する必要がないことから好ましい。
工程cにより、粉体混和材添加器具の漏斗部に投入された粉体混和材は、漏斗部から連通するシュート部に直ちに移動し、トラックアジテータのドラム内に移動する。投入する粉体混和材としては、粉末状混和材、顆粒状混和材、或いは、粉末状混和材又は顆粒状混和材を成型した粒状混和材の何れでも使用可能であり、本発明における粉体混和材は、これらを含むものである。本発明の粉体混和材の添加方法は、特に、粉末状急硬材又は粒状急硬材を多量にトラックアジテータのドラム内に投入することに適している。
工程cが、粉体混和材が入った容器を粉体混和材添加器具の漏斗部よりも高く吊り上げ、該容器の下部に備えた排出口を開口することより前記漏斗部内に、粉体混和材を投入することであると、より短時間に多量の粉体混和材をトラックアジテータのドラム内に投入することができることから好ましい。このような容器としては、例えば、特許第4308579号公報記載のフレキシブルコンテナバッグ、特開2000−255680号公報記載の輸送袋、や特開平10−95492号公報記載のフレキシブルコンテナ等がある。粉体混和材が入った容器を粉体混和材添加器具の漏斗部よりも高く吊り上げる方法は、特に限定されず、例えば、クレーンやフォークリフト等を用いる方法が好適である。特に、粉体混和材の運搬に用いるトラックに具備されているクレーンを用いると、作業スペースを少なくすることが出来ることからより好適である。
前記工程c(粉体混和材投入工程)で投入される粉体混和材は、好ましくは、粉体急硬材であり、より好ましくはカルシウムアルミネート類を含有する。特に、主成分としてカルシウムアルミネート類を含有し、速硬性を有する。更に、好ましくは、セメント分散剤を含有する。前記粉体混和材投入工程で投入される粉体混和材は、好ましくは、セメント混練物投入工程で投入される、即ちトラックアジテータのドラム内に積載された未硬化のセメント混練物中のセメント100質量部に対して、10〜100質量部である。より好ましくは20質量部以上である。より好ましくは70質量部以下である。
前記工程c(粉体混和材投入工程)でドラム内に投入される粉体混和材は、好ましくは、粉体急硬材であり、より好ましくは、混和(セメント混練物(ベース混練物)及び粉体混和材による混練開始)から硬化までの時間が3時間以内となる速硬性セメント混和材である。尚、更に好ましくは、混和(セメント混練物(ベース混練物)及び急硬材による混練開始)から硬化までの時間が10分以上である。硬化までの時間は、凝結調整剤を、ベース混練物、粉体混和材、及び粉体混和材を混和したセメント混練物の少なくとも何れかに添加することにより、10分以上に調整しても良い。
粉体混和材は、例えばカルシウムアルミネート類、アルミン酸ナトリウム、仮焼明礬を含む明礬、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、亜硝酸カルシウム、硝酸カルシウム等の急硬性物質の群の中から選ばれる一種又は二種以上を主成分とするものが好ましい。カルシウムアルミネート類、アルミン酸ナトリウム、硫酸アルミニウムの群の中から選ばれる一種又は二種以上を主成分とするものが更に好ましい。中でもカルシウムアルミネート類を主成分とするものが特に好ましい。尚、カルシウムアルミネート類には、CaOをC、AlをA、NaOをN、FeをFで表示した場合、CA,CA,C12,C,CA,C又はCA等と表示される鉱物組成を有するカルシウムアルミネート、CAF,CAF等と表示されるカルシウムアルミノフェライト、カルシウムアルミネートにハロゲンが固溶又は置換したC・CaFやC11・CaF等と表示されるカルシウムフロロアルミネートを含むカルシウムハロアルミネート、CNAやC等と表示されるカルシウムナトリウムアルミネート、カルシウムリチウムアルミネート、アウイン(3CaO・3Al・CaSO)等のカルシウムサルホアルミネート、アルミナセメント、太平洋セメント社製「スーパージェットセメント」(商品名)や住友大阪セメント社製「ジェットセメント」(商品名)等の超速硬セメント、並びにこれらにSiO,KO,Fe,TiO等が固溶又は化合したもの等が含まれる。
粉体混和材には、上記の急硬性物質以外にも、セメント、混和剤及び混和材等の添加材の一種又は二種以上が本発明の特長が損なわれない範囲で併用されても良い。この種の添加材としては、例えば減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤等のセメント分散剤、II型無水石膏等の石膏、速硬性を有してない水硬性セメント、凝結遅延剤、強度促進材、再乳化粉末樹脂、発泡剤、起泡剤、防水剤、防錆剤、収縮低減剤、増粘剤、保水剤、顔料、繊維、撥水剤、白華防止剤、消泡剤、川砂利、砕石、人工粗骨材、スラグ粗骨材、再生粗骨材、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、石粉、シリカフューム、火山灰等が挙げられる。特に、セメント分散剤が併用されると、急硬材混合によるコンシステンシーの低下を抑えることが出来ることから好ましい。また、石膏、特にII型無水石膏が含まれると急硬性が高まることから好ましい。急硬材とセメントの合計100質量部に対して、0.02〜2質量部のセメント分散剤が併用された場合、急硬材混合後の急硬性セメント混練物のコンシステンシーが添加前のベース混練物のコンシステンシーとほぼ同じ又は高まることから好ましい。硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム(石膏)等の硫酸塩が用いられた場合、強度が高まることから好ましい。
粉体混和材の混和量は、好ましくは、ベース混練物中のセメント100質量部に対して、10〜100質量部である。粉体混和材の混和量が10質量部未満では、ドラムの回転によりセメント混練物と粉体混和材とが混合されて粉体混和材を混和したセメント混練物(以下「混和後セメント混練物」ということがある。)が製造される際、添加した粉体混和材がドラム内壁に付着する割合が高く、混合時間を長くする必要性又はドラムの回転数を高める必要性が高くなる。このことは、経済的では無い。そして、CO排出量が増える。逆に、100質量部を越えた場合、粉体混和材の投入に要する時間が長くなる。そして、粉体混和材が粉体急硬材、特に速硬性セメント混和剤の場合、混和後セメント混練物の製造後から打設可能な時間が短くなる。粉体混和材の更に好ましい混和量は、ベース混練物中のセメント100質量部に対して、20〜70質量部であった。
本発明は粉体混和材を混和したセメント混練物製造方法である。特に、トラックアジテータのドラムの回転によりセメント混練物と粉体混和材とが混合されて混和後セメント混練物が製造される方法である。本発明のセメント混練物の製造方法は、ドラム内に未硬化のセメント混練物を積載したトラックアジテータのホッパからドラム内に、前記の粉体混和材添加器具のシュート部を挿入する工程(工程a)、この粉体混和材添加器具の漏斗部又はシュート部とトラックアジテータのホッパ又はドラム入口とを固定する工程(工程b)、該漏斗部に粉体混和材を投入する工程(工程c)、上記ドラムを回転させ未硬化のセメント混練物に投入した粉体混和材を混合する工程(工程d)とを具備する。即ち、ドラム内に未硬化のセメント混練物を積載したトラックアジテータの該ドラム内に、前記粉体混和材の添加方法により粉体混和材を投入し、更に、該ドラムを回転させ未硬化のセメント混練物に投入した粉体混和材を混合する工程(工程d)とを具備する粉体混和材を混和したセメント混練物の製造方法である。工程dの前には、粉体混和材添加器具をトラックアジテータのドラム内から取り出すことが好ましい。また、粉体混和材が急硬材の場合は、工程aの前、工程cの前又は工程cの後に、急硬材以外の混和材料をドラム内に投入し未硬化のセメント混練物に添加する工程を具備していてもよい。急硬材以外の混和材料としては、例えば、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤等のセメント分散剤、凝結遅延剤、増粘剤、膨張材、収縮低減剤、セメント用ポリマ、防水材、防錆剤、凍結防止剤、保水剤、顔料、繊維、撥水剤、白華防止剤、発泡剤、消泡剤、シリカフューム等のポゾラン微粉末、高炉スラグ微粉末、石灰石微粉末等の石粉、撥水剤、表面硬化剤等が挙げられ、これらから選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。また、ここで用いる混和材料としては、粉体でも、液状でも用いることができる。
また、工程cは、前記粉体混和材の添加方法における場合と同様に、粉体混和材が入った容器を粉体混和材添加器具の漏斗部よりも高く吊り上げ、該容器の下部に備えた排出口を開口することより前記漏斗部内に、粉体混和材を投入することであると、より短時間に多量の粉体混和材をトラックアジテータのドラム内に投入することができることから好ましい。
ドラム内に未硬化のセメント混練物を積載したトラックアジテータは、セメント混練物投入工程により、トラックアジテータのドラム内にベース混練物が投入されたものである。トラックアジテータのドラム内に投入されるベース混練物の量が該ドラムの内容積の1/10〜2/5であることが好ましい。それは、2/5を越えた場合、ベース混練物と粉体混和材との混合が不充分となったからである。混練物内における粉体混和材の分布が不均一となり、混練物内の強度発現性に斑が生じたからである。逆に、1/10未満の場合、混和後セメント混練物を製造する効率が悪かった。このような観点から、より好ましくは、1/5以上であった。好ましくは、3/8以下であった。トラックアジテータの最大混合容量がドラムの内容積の50%であることから、トラックアジテータのドラム内に投入するベース混練物の量は、トラックアジテータの最大混合容量の1/5〜4/5(好ましくは、2/5以上、3/4以下)の体積であると言うことも出来る。
本方法は、上記ドラムを回転させ未硬化のセメント混練物に投入した粉体混和材を混合する工程(工程d)を具備する。
本方法は、好ましくは、粉体混和材投入工程の前(他の混和材料をドラム内に投入する工程を具備する場合は、粉体混和材及び当該混和材料を投入する前)において、ドラム内のベース混練物の一部が品質試験用に採取される工程(工程e)と、この工程(工程e)で採取されたベース混練物の品質試験が行われる工程(工程f)と、ベース混練物と粉体混和材とが混合された後、混和後セメント混練物の一部が品質試験用に採取される工程(工程g)と、この工程(工程g)で採取された混和後セメント混練物の品質試験が行われる工程(工程h)とを更に具備する。すなわち、このような工程を具備させることによって、混和後セメント混練物の品質が許容範囲から外れた場合に、その責任の所在を明確にすることが出来る。例えば、ベース混練物に問題があるのか、粉体混和材の性能又はその混和方法に問題があるのか等が明確になる。ベース混練物の品質が許容範囲から外れている場合は、ベース混練物に問題があることから、ベース混練物の品質が許容範囲内に入るように、ベース混練物の製造者の責任において材料及び/又は製造方法を変更することで、混和後セメント混練物の品質を許容範囲内にすることが可能になる。ベース混練物の品質が許容範囲内の場合は、粉体混和材(他の混和材料を混和させる場合は、粉体混和材又は他の混和材料)の性能又はその混和方法に問題があることから、粉体混和材(他の混和材料を混和させる場合は、粉体混和材又は他の混和材料)の性能又はその混和方法を変更することで、混和後セメント混練物の品質を許容範囲内にすることが可能になる。粉体混和材の性能を変更するには、粉体混和材に含まれる成分の種類及び/又は割合を変更することが考えられる。粉体混和材の混和方法を変更するには、混合時間、ドラムの回転数を変更することが考えられる。或いは、粉体混和材の添加量を変更することが考えられる。他の混和材料を混和させる場合は、他の混和材料の種類及び/又は投入量を変更することが考えられる。
前記セメント混練物投入工程において、トラックアジテータのドラム内に投入される、即ちドラム内に積載されたセメント混練物(ベース混練物)は、少なくともセメントと水とを含む組成物が混練されたものである。ベース混練物に用いられるセメントとしては、水硬性セメントであればよい。粉体混和材が粉体の速硬性セメント混和材の場合は、ベース混練物に用いられるセメントとしては、速硬性を有さない水硬性セメントであれば良い。速硬性を有さない水硬性セメントとは、混練開始から硬化までの時間が、例えば3時間を超えるものが挙げられる。例えば、普通、早強、超早強、低熱及び中庸熱等の各種ポルトランドセメントが挙げられる。或いは、エコセメントが挙げられる。又は、前記ポルトランドセメント(又は、エコセメント)に、フライアッシュ、高炉スラグ、シリカフューム又は石灰石微粉末等が混合された各種の混合セメントが挙げられる。前記セメントの一種であっても、二種以上のものであっても良い。更には、カルシウムアルミネート類等の急硬成分を含有する急硬性セメントも速硬性を有さなければ、即ち混練開始から硬化までの時間が3時間以内でなければ使用できる。尚、太平洋セメント社製「スーパージェットセメント」(商品名)や住友大阪セメント社製「ジェットセメント」(商品名)等の超速硬セメントは含まれない。ベース混練物中のセメントの含有量は、特には、限定されない。また、速硬性を有する水硬性セメントの場合は、凝結遅延剤との併用で速硬性を有さなければ使用できる。
セメント混練物(ベース混練物)には、前記成分の他にも、必要に応じて、或いは本発明の特長が損なわれない程度において、各種の混和材や骨材の群の中から選ばれる一種又は二種以上の成分が含まれていても良い。この種の混和材としては、例えば減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤等のセメント分散剤、凝結遅延剤、増粘剤、膨張材、収縮低減剤、セメント用ポリマ、防水材、防錆剤、凍結防止剤、保水剤、顔料、繊維、撥水剤、白華防止剤、発泡剤、消泡剤、シリカフューム等のポゾラン微粉末、高炉スラグ微粉末、石灰石微粉末等の石粉、撥水剤、表面硬化剤等が挙げられる。急結剤(材)や急硬材(剤)も挙げられる。但し、急結剤(材)や急硬材(剤)は、その添加量が、ベース混練物が速硬性セメント混練物とならない範囲の添加量、即ち、混和(セメント、混和材及び水による混練開始)から硬化までの時間が3時間以内にはならない程度の場合である。骨材としては、例えば川砂、海砂、山砂、砕砂、人工細骨材、スラグ細骨材、再生細骨材、珪砂、川砂利、陸砂利、砕石、人工粗骨材、スラグ粗骨材、再生粗骨材などが挙げられる。
ベース混練物の製造方法は、特には、限定されない。但し、製造量や均質な混練性の観点から、ミキサを用いる手法が好ましい。ミキサとしては、例えば連続式ミキサやバッチ式ミキサが用いられる。パン型コンクリートミキサ、パグミル型コンクリートミキサ、重力式コンクリートミキサ、グラウトミキサ、ハンドミキサ、左官ミキサ等が用いられる。
ベース混練物は、安定した品質が得られ易い観点から、JIS A 5308「レディーミクストコンクリート」に準拠して製造されたレディーミクストコンクリート(又は未硬化のモルタル)であることが好ましい。製造されたベース混練物の品質を、当該ベース混練物を製造した者が責任を持つことが出来るからでもある。特に、JIS A 5308についてJIS認証を受けたレディーミクストコンクリート製造工場でJIS A 5308に従って製造されたレディーミクストコンクリート(JIS生コン)又は同規格に準じて製造された未硬化のモルタル(JISモルタル)であると、必要な強度、セメントの種類、コンシステンシー(スランプ又はスランプフロー値)、骨材の最大寸法等が指定されることで、必要な品質のベース混練物を容易に入手することが出来るからである。
ベース混練物がコンクリートの場合は、粉体混和材投入工程の前(他の混和材料投入工程を具備する場合は、液状凝結遅延剤投入工程の前)のベース混練物のコンシステンシーが、JIS A 1101「コンクリートのスランプ試験方法」に準拠して(従って)測定されたスランプ値が5cm以上のベース混練物が用いられることが特に好ましい。それは、スランプ値が5cm以上のベース混練物が用いられると、ベース混練物と粉体状速硬性セメント混和材との混合が短時間でも充分となるからによる。更に好ましくは、JIS A 1101によるスランプ値が8cm以上のベース混練物である。ベース混練物がモルタル又はセメントペーストの場合は、粉体混和材投入工程の前(液状凝結遅延剤投入工程を具備する場合は、液状凝結遅延剤投入工程の前)のベース混練物のコンシステンシーが、JIS R 5201に準じて測定されたフロー値が140以上のベース混練物が用いられることが特に好ましい。それは、フロー値が140以上のベース混練物が用いられると、ベース混練物と粉体混和材との混合が短時間でも充分となるからによる。更に好ましくは、JIS R 5201に準拠して測定されたフロー値が160以上のベース混練物である。
ドラムの回転によりセメント混練物(ベース混練物)と粉体混和材とが混合されて混和後セメント混練物が製造される際、ドラムは3.0〜20r.p.m.(より好ましくは、5〜15r.p.m.)で回転することが好ましい。すなわち、0.5r.p.m.以上とした場合、ベース混練物と粉体混和材との混合がスムーズに行われる。そして、粉体混和材が粉体の速硬性セメント混和材等の粉体急硬材の場合に、混和後セメント混練物の製造完了から硬化するまでの時間が短くなったり、或いはドラム内で硬化してしまうと言った虞がなくなる。その結果、混和後セメント混練物の打設を行えなくなると言った問題が起きない。そして、20r.p.m.以下の場合には、混練物がドラムの内壁からスムーズに落下した。従って、ベース混練物と粉体混和材との混合が不充分となる虞が解消された。更に、ドラムの回転数を高くし過ぎた場合、エンジンの回転数を高くしなければならず、経済的で無い。かつ、CO排出量が増える。ドラム回転による混合時間は、好ましくは1〜15分、より好ましくは1〜10分である。15分を越えて長すぎた場合、混和後セメント混練物製造後から打設可能な時間が短くなり、経済的では無い。かつ、CO排出量が増える。逆に、1分未満の短すぎた場合には、コンシステンシーの低いベース混練物が用いられた場合に、混練が不充分となる虞がある。
粉体混和材投入工程の前に液状凝結遅延剤がドラム内に投入される液状凝結遅延剤投入工程を具備することは好ましい。その理由は、粉体混和材混合後の混和後セメント混練物のコンシステンシーを、添加前のベース混練物のコンシステンシーとほぼ同じ又は高めることが出来るからである。特に粉体混和材が粉体の速硬性セメント混和材等の粉体急硬材の場合に有効である。そして、液状凝結遅延剤がドラム内に投入された後、トラックアジテータのドラムの回転により、添加された液状凝結遅延剤とベース混練物とが混合される。液状凝結遅延剤は、水硬性セメントの凝結に遅延作用を及ぼすもので、液状のものであれば良い。粉体混和材は粉体状のものを必須要件としたのに対して、凝結遅延剤が液状のものを好ましいとしたのは、本発明にあっては遅延効果に富んでいたからである。このような液状凝結遅延剤の具体例としては、例えばクエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸などの有機酸、又はその塩、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、リン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等の無機塩、糖類などの群の中から選ばれる一種又は二種以上を含む液状体(例えば、水溶液、エマルジョン、懸濁液の形態)のものが挙げられる。中でも、クエン酸、クエン酸塩、酒石酸、酒石酸塩、アルカリ金属炭酸塩の群の中から選ばれる一種又は二種以上を含む水溶液が用いられると、混和後セメント混練物の可使時間が長く、かつ、初期の強度発現が高いことから好ましい。混和後セメント混練物の可使時間や初期強度発現性の観点から、液状凝結遅延剤中の有効成分が、混和後セメント混練物に含まれる粉体混和材とセメントとの合計100質量部に対して、0.05〜2.0質量部であるよう液状凝結遅延剤が投入されることが好ましい。
以下、更に具体的な実施例を挙げて説明する。但し、本発明は以下の実施例によって限定されるものでは無い。
[実施例1]
先ず、以下に、本例で用いられた装置やセメント混練物などについて説明される。
*トラックアジテータのドラムの容量:8.9m 最大混合容量:4.5m
*粉体混和材添加器具
図1に示す薄い鋼板製の漏斗部と薄い鋼板製のシュート部からなる粉体混和材添加器具:本発明例。図1に薄い鋼板製の漏斗部と薄い鋼板製のシュート部からなる粉体混和材添加器具を示した。図1(a)は背面図、図1(b)は右側面図である。
漏斗部は逆円錐状で、漏斗部のシュート部との連通部の開口面積が962cm、上部開口の開口面積が2376cm且つ高さが0.71mである。シュート部の長さが1.45m、断面形状が半円の桶状である。また、質量は8.5kgである。
*セメント混練物(ベース混練物):JIS生コン 30−12−20N
水セメント比(W/C)47.0%、単位水量165kg/m
細骨材率(S/a)42.6%、単位セメント量351kg/m
単位減水剤量3.76kg/m
減水剤;BASFジャパン社製「ポゾリスNo.70」(商品名、AE減水剤)
*粉体状速硬性セメント混和材:カルシウムアルミネート系急硬材
(硫酸塩及び0.27wt%のポリカルボン酸系セメント分散剤を含有)
*凝結遅延剤: クエン酸系遅延剤水溶液
上記装置や組成物が用いられ、図2に示される工程に沿って製造が行われた。JIS A 5308についてJIS認証を受けたレディーミクストコンクリート製造工場でJIS A 5308に従って製造された上記レディーミクストコンクリート(JIS生コン)を、トラックアジテータのドラムに投入し、試験場まで運搬した。運搬時間は15分。JIS生コンのドラムへの投入量は、2mとした。試験場への到着時にベースコンクリート(ベース混練物)のサンプリングを行い(工程e)、フレッシュ性状を確認した。即ち、工程fにおける品質試験を行った。
ベースコンクリートのフレッシュ性状確認後、15kg/mの凝結遅延剤水溶液をドラム内に投入後、ドラムを高速(10r.p.m.)で30秒間回転させた後、粉体混和材添加器具のシュート部をトラックアジテータのホッパからドラム内に挿入した。粉体混和材添加器具のシュート部をトラックアジテータのドラム入り口に立てかけ固定した。
次に、ドラムを逆回転することによって、ドラム底のベースコンクリートをドラムの入り口近くまで移動させた。これは、粉体混和材がドラムに付くことなく、ベースコンクリートの上に投入するためである。単位粉体状速硬性セメント混和材量150kg/mとなる量の粉体混和材(粉体状速硬性セメント混和材)が入ったフレキシブルコンテナ袋(底に排出口を備えたもの)を、粉体状速硬性セメント混和材運搬用のトラックに備え付けられたクレーンにより、粉体混和材添加器具の漏斗部よりも高く吊り上げ、該フレキシブルコンテナ袋の底部に備えた排出口を開口し、前記漏斗部内に、粉体状速硬性セメント混和材を投入した。投入された粉体状速硬性セメント混和材は、投入開始から180秒未満で全量投入できた。前記漏斗部内に投入された粉体状速硬性セメント混和材は、漏斗部のシュート部との連通部の開口からシュート部に速やかに移動し、更にシュート部に沿ってドラム内の奥部分まで速やかに移動し、粉体状速硬性セメント混和材がドラム内に投入される。つまり、投入開始から180秒未満で粉体状速硬性セメント混和材全量を、トラックアジテータのドラム内に投入できた。
粉体状速硬性セメント混和材投入後、ドラムを高速(12r.p.m.)で3分間回転することで、ベースコンクリートと急硬材を混合し、急硬性コンクリート(速硬性コンクリート)を製造した。速硬性コンクリートをサンプリングし(工程e)、フレッシュ性状、可使時間及び材齢6時間の圧縮強度を確認した(工程h)。工程e及びgにおけるサンプリング量は30Lとした。表1に試験結果を示した。
・フレッシュ性状の確認
(1) スランプ試験 : JIS A 1101に従った。
(2) 空気量の測定 : JIS A 1128に従った。

・可使時間の確認
ビニール袋に約2〜3Lの速硬性コンクリートを入れ、当該速硬性コンクリートの硬さ(流動性)の経時変化を触指により確認し、速硬性コンクリートが硬くなり流動性(コンシステンシー)が顕著に低下した、即ち、著しくスランプが低下したと思われたときに使用できなくなったと判断し、可使時間を求めた。
Figure 2015123693
[実施例2]
実施例1で使用した粉体混和材添加器具とシュート部の長さのみ異なる粉体混和材添加器具を用いて、実施例1と同様に試験を行った。このとき用いた粉体混和材添加器具のシュート部の長さは2.5mであった。試験結果を、表1に実施例1のものと合わせて示した。
[実施例3]
実施例1で使用した粉体混和材添加器具とシュート部の長さのみ異なる粉体混和材添加器具を用いて、実施例1と同様に試験を行った。このとき用いた粉体混和材添加器具のシュート部の長さは0.5mであった。試験結果を、表1に実施例1のものと合わせて示した。
[比較例1]
粉体混和材添加器具を用いずに、フレキシブルコンテナ袋の底に備わっている排出口を、直接トラックアジテータのドラム内に挿入し、粉体状速硬性セメント混和材をトラックアジテータのドラム内に投入した。粉体状速硬性セメント混和材がトラックアジテータのホッパ及びドラムの入口周辺に溜まる状態となったため、投入不良であった。試験結果を、表1に実施例1のものと合わせて示した。
[比較例2]
実施例1で使用した粉体混和材添加器具とシュート部の長さのみ異なる粉体混和材添加器具を用いて、実施例1と同様に試験を行った。このとき用いた粉体混和材添加器具のシュート部の長さは0.3mであった。試験結果を、表1に実施例1のものと合わせて示した。粉体状速硬性セメント混和材がトラックアジテータのドラムの入口周辺に溜まる状態となったため、投入不良であった。
[比較例3]
実施例1で使用した粉体混和材添加器具とシュート部の長さのみ異なる粉体混和材添加器具を用いて、実施例1と同様に試験を行った。このとき用いた粉体混和材添加器具のシュート部の長さは3.0mであった。試験結果を、表1に実施例1のものと合わせて示した。粉体混和材添加器具のシュート部が長いためにトラックアジテータのドラム内にシュート部が挿入し難く、また、シュート部の先端がトラックアジテータのドラム内のコンクリートに当ってシュート部の角度が緩やかになったことにより粉体状速硬性セメント混和材がシュート部を流れ難く、投入不良であった。
1 トラックアジテータ
2 ドラム
3 ホッパ
4 シュート部の長さ
5 漏斗部
6 シュート部
7 粉体混和材添加器具

Claims (7)

  1. トラックアジテータのホッパ又はドラム入口に嵌合する形状の漏斗部と、この漏斗部に連通しトラックアジテータのドラムに挿入可能なシュート部からなる粉体混和材添加器具。
  2. シュート部の長さが0.5m〜2.5mである請求項1の粉体混和材添加器具。
  3. ドラム内に未硬化のセメント混練物を積載したトラックアジテータのホッパからドラム内に、請求項1又は2記載の粉体混和材添加器具のシュート部を挿入する工程、この粉体混和材添加器具の漏斗部又はシュート部とトラックアジテータのホッパ又はドラム入口とを固定する工程、該漏斗部に粉体混和材を投入する工程とを具備する粉体混和材の添加方法。
  4. 上記の漏斗部に粉体混和材を投入する工程が、粉体混和材が入った容器を粉体混和材添加器具の漏斗部よりも高く吊り上げ、該容器の下部に備えた排出口を開口することより前記漏斗部内に、粉体混和材を投入することを特徴とする粉体混和材の添加方法。
  5. ドラム内に未硬化のセメント混練物を積載したトラックアジテータのホッパからドラム内に、請求項1又は2記載の粉体混和材添加器具のシュート部を挿入する工程、この粉体混和材添加器具の漏斗部又はシュート部とトラックアジテータのホッパ又はドラム入口とを固定する工程、該漏斗部に粉体混和材を投入する工程、上記ドラムを回転させ未硬化のセメント混練物に投入した粉体混和材を混合する工程とを具備するセメント混練物の製造方法。
  6. 上記の漏斗部に粉体混和材を投入する工程が、粉体混和材が入った容器を粉体混和材添加器具の漏斗部よりも高く吊り上げ、該容器の下部に備えた排出口を開口することより前記漏斗部内に、粉体混和材を投入することを特徴とする請求項5記載の急硬性セメント混練物の製造方法。
  7. 上記粉体混和材が急硬材である急硬性セメント混練物の製造方法。
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