JP2015123305A - 磁気共鳴装置およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】ADC(拡散係数)の算出精度を向上させることのできる磁気共鳴装置を提供する。【解決手段】MPG(Motion Probing Gradient)を有するプリパレーションシーケンスと撮影部位からMR信号を収集するためのイメージングシーケンスとを含む拡散強調スキャンを実行するMR装置である。MR装置は、MPGのb値を変更し、MPGのb値が異なる拡散強調スキャンDW1およびDW2を実行するとともに、撮影部位のT1値を計測するためのT1値計測用スキャンSC1、および撮影部位のT2値を計測するためのT2値計測用スキャンSC2を実行するスキャン手段と、時間TDP、Trec、MR信号の信号値S1、S2、T1値、およびT2値に基づいて、撮影部位のADCを算出する算出手段とを有する。【選択図】図6
Description
本発明は、拡散強調スキャンを実行する磁気共鳴装置、および磁気共鳴装置に適用されるプログラムに関する。
拡散の情報を取得する方法としてMPG(Motion Probing Gradient)を用いた方法が知られている(特許文献1参照)。
MPGを用いて拡散の情報を得る方法の一例として、MPGをプリパルスとして印加したDiffusion Preparation(DP)と呼ばれる手法がある。この手法は、例えばFIESTA(Fast Imaging Employing Steady State Acquisition)でデータ収集する場合に適用されており、見かけの拡散係数ADC(Apparent Diffusion Coefficient)などの拡散情報を比較的容易に得ることができる。しかし、DP法では、T1回復の影響を受けて、ADCの算出精度が悪くなることがある。したがって、ADCの算出精度を向上させることが望まれている。
本発明の第1の観点は、MPGを有する第1のシーケンスと撮影部位からMR信号を収集するための第2のシーケンスとを含む拡散強調スキャンを実行する磁気共鳴装置であって、
前記MPGの強さを表すb値を変更し、前記MPGのb値が異なる複数の拡散強調スキャンを実行するとともに、前記撮影部位のT1値を計測するためのT1値計測用スキャンを実行するスキャン手段と、
前記第1のシーケンスと前記第2のシーケンスとの間の第1の時間、前記複数の拡散強調スキャンを実行することにより収集されたMR信号の信号値、および前記T1値計測用スキャンにより計測されたT1値に基づいて、前記撮影部位の見かけの拡散係数を算出する算出手段と、
を有する、磁気共鳴装置である。
前記MPGの強さを表すb値を変更し、前記MPGのb値が異なる複数の拡散強調スキャンを実行するとともに、前記撮影部位のT1値を計測するためのT1値計測用スキャンを実行するスキャン手段と、
前記第1のシーケンスと前記第2のシーケンスとの間の第1の時間、前記複数の拡散強調スキャンを実行することにより収集されたMR信号の信号値、および前記T1値計測用スキャンにより計測されたT1値に基づいて、前記撮影部位の見かけの拡散係数を算出する算出手段と、
を有する、磁気共鳴装置である。
本発明の第2の観点は、MPGを有する第1のシーケンスと撮影部位からMR信号を収集するための第2のシーケンスとを含む拡散強調スキャンと、MPGを有していない第3のシーケンスと前記撮影部位からMR信号を収集するための第4のシーケンスとを含む他のスキャンとを実行する磁気共鳴装置であって、
前記第1のシーケンスと前記第2のシーケンスとの間の第1の時間、前記拡散強調スキャンを実行することにより収集されたMR信号の信号値、前記他のスキャンを実行することにより収集されたMR信号の信号値、および前記T1値計測用スキャンにより計測されたT1値に基づいて、前記撮影部位の見かけの拡散係数を算出する算出手段と、
を有する、磁気共鳴装置である。
前記第1のシーケンスと前記第2のシーケンスとの間の第1の時間、前記拡散強調スキャンを実行することにより収集されたMR信号の信号値、前記他のスキャンを実行することにより収集されたMR信号の信号値、および前記T1値計測用スキャンにより計測されたT1値に基づいて、前記撮影部位の見かけの拡散係数を算出する算出手段と、
を有する、磁気共鳴装置である。
本発明の第3の観点は、MPGを有する第1のシーケンスと撮影部位からMR信号を収集するための第2のシーケンスとを含む拡散強調スキャンと、前記撮影部位のT1値を計測するためのT1値計測用スキャンとを実行する磁気共鳴装置に適用されるプログラムであって、
前記第1のシーケンスと前記第2のシーケンスとの間の第1の時間、前記MPGの強さを表すb値が異なる複数の拡散強調スキャンを実行することにより収集されたMR信号の信号値、および前記T1値計測用スキャンにより計測されたT1値に基づいて、前記撮影部位の見かけの拡散係数を算出する算出処理を計算機に実行させるためのプログラムである。
前記第1のシーケンスと前記第2のシーケンスとの間の第1の時間、前記MPGの強さを表すb値が異なる複数の拡散強調スキャンを実行することにより収集されたMR信号の信号値、および前記T1値計測用スキャンにより計測されたT1値に基づいて、前記撮影部位の見かけの拡散係数を算出する算出処理を計算機に実行させるためのプログラムである。
本発明の第4の観点は、MPGを有する第1のシーケンスと撮影部位からMR信号を収集するための第2のシーケンスとを含む拡散強調スキャンと、MPGを有していない第3のシーケンスと撮影部位からMR信号を収集するための第4のシーケンスとを含む他のスキャンとを実行する磁気共鳴装置に適用されるプログラムであって、
前記第1のシーケンスと前記第2のシーケンスとの間の第1の時間、前記拡散強調スキャンを実行することにより収集されたMR信号の信号値、前記他のスキャンを実行することにより収集されたMR信号の信号値、および前記T1値計測用スキャンにより計測されたT1値に基づいて、前記撮影部位の見かけの拡散係数を算出する算出処理を計算機に実行させるためのプログラムである。
前記第1のシーケンスと前記第2のシーケンスとの間の第1の時間、前記拡散強調スキャンを実行することにより収集されたMR信号の信号値、前記他のスキャンを実行することにより収集されたMR信号の信号値、および前記T1値計測用スキャンにより計測されたT1値に基づいて、前記撮影部位の見かけの拡散係数を算出する算出処理を計算機に実行させるためのプログラムである。
T1値を考慮してADCを算出するので、信頼性の高いADCが得られる。
以下、発明を実施するための形態について説明するが、本発明は、以下の形態に限定されることはない。
図1は、本発明の一形態の磁気共鳴装置の概略図である。
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ)100は、マグネット2、テーブル3、受信コイル4などを有している。
磁気共鳴装置(以下、「MR装置」と呼ぶ)100は、マグネット2、テーブル3、受信コイル4などを有している。
マグネット2は、被検体11が収容されるボア21を有している。また、マグネット2には、超伝導コイル、勾配コイル、およびRFコイルなどが内蔵されている。
テーブル3は、被検体11を支持するクレードル3aを有している。クレードル3aは、ボア21内に移動できるように構成されている。クレードル3aによって、被検体11はボア21に搬送される。
受信コイル4は、被検体11からの磁気共鳴信号を受信する。
受信コイル4は、被検体11からの磁気共鳴信号を受信する。
MR装置100は、更に、送信器5、勾配磁場電源6、受信器7、制御部8、操作部9、および表示部10などを有している。
送信器5はRFコイルに電流を供給し、勾配磁場電源6は勾配コイルに電流を供給する。受信器7は、受信コイル4から受け取った信号に対して、検波などの信号処理を実行する。尚、マグネット2、受信コイル4、送信器5、勾配磁場電源6,受信器7を合わせたものがスキャン手段に相当する。
制御部8は、表示部10に必要な情報を伝送したり、受信器7から受け取ったデータに基づいて画像を再構成するなど、MR装置100の各種の動作を実現するように、MR装置100の各部の動作を制御する。制御部8は、データ処理手段81およびADC算出手段82などを有している。
データ処理手段81は、スキャンにより収集されたデータに基づいて、T1値、T2値、MR信号の信号値などを求める。
ADC算出手段82は、後述する式に基づいて、ADCを算出する。
ADC算出手段82は、後述する式に基づいて、ADCを算出する。
制御部8は、データ処理手段81およびADC算出手段82を構成する一例であり、所定のプログラムを実行することにより、これらの手段として機能する。
操作部9は、オペレータにより操作され、種々の情報を制御部8に入力する。表示部10は種々の情報を表示する。
MR装置100は、上記のように構成されている。本形態では、MR装置100を用いてADCデータを取得する。以下に、ADCデータを取得するために実行されるスキャンについて説明する。
図2はADCデータを取得するために実行されるスキャンの一例を示す図である。
図2には、拡散強調データを取得するための2つの拡散強調スキャンDW1およびDW2が示されている。拡散強調スキャンDW1およびDW2は、MPGをプリパルスとして印加したDiffusion Preparation(DP)と呼ばれる手法で拡散情報を取得するスキャンである。以下、拡散強調スキャンDW1およびDW2について順に説明する。
図2には、拡散強調データを取得するための2つの拡散強調スキャンDW1およびDW2が示されている。拡散強調スキャンDW1およびDW2は、MPGをプリパルスとして印加したDiffusion Preparation(DP)と呼ばれる手法で拡散情報を取得するスキャンである。以下、拡散強調スキャンDW1およびDW2について順に説明する。
図3は拡散強調スキャンDW1の説明図である。
拡散強調スキャンDW1では、シーケンス部SE1〜SEmが実行される。シーケンス部SE1は、プリパレーションシーケンスA、脂肪抑制シーケンスB、およびイメージングシーケンスCを有している。
拡散強調スキャンDW1では、シーケンス部SE1〜SEmが実行される。シーケンス部SE1は、プリパレーションシーケンスA、脂肪抑制シーケンスB、およびイメージングシーケンスCを有している。
プリパレーションシーケンスAは、3つのRFパルス(90xパルス、180yパルス、90−xパルス)を有している。90xパルスは、縦磁化をフリップさせるためのRFパルスであり、90−xパルスは、横磁化を縦磁化に戻すためのRFパルスである。90xパルスと90−xパルスとの間に、180yパルスが送信される。これらのRFパルスの間には、拡散強調を行うためのMPGが印加される。MPGの強さを表すb値は、b=b1に設定されている。90−xパルスの直後に、横磁化を消去するためのキラーパルスが印加される。
プリパレーションシーケンスAに続いて、脂肪抑制シーケンスBが実行される。脂肪抑制シーケンスBを実行した後に、イメージングシーケンスCが実行される。
イメージングシーケンスCは、撮影部位からMR信号を収集するためのシーケンスである。イメージングシーケンスCはRFパルスx0およびRFパルスx1〜xNを有している。RFパルスx0は、MR信号を定常状態に移行させるためのRFパルスである。尚、RFパルスx0の代わりに、ランプアップパルスを用いてMR信号を定常状態に移行させてもよい。
RFパルスx0を送信した後に、MR信号を収集するためのRFパルスx1〜xNが送信される。尚、説明の便宜上、イメージングシーケンスCの勾配磁場は図示省略している。
図3には、シーケンス部SE1の構成が示されているが、他のシーケンス部SE2〜SEmも、シーケンス部SE1と同様に、プリパレーションシーケンスA、脂肪抑制シーケンスB、およびイメージングシーケンスBを有している。
拡散強調スキャンDW1を実行した後、次の拡散強調スキャンDW2が実行される(図4参照)。
拡散強調スキャンDW1を実行した後、次の拡散強調スキャンDW2が実行される(図4参照)。
図4は拡散強調スキャンDW2の説明図である。
拡散強調スキャンDW2も、拡散強調スキャンDW1と同様に、プリパレーションシーケンスA、脂肪抑制シーケンスB、およびイメージングシーケンスCが繰り返し実行される。ただし、拡散強調スキャンDW2で使用されるMPGのb値は、拡散強調スキャンDW1で使用されるMPGのb値とは異なる値(b=b2)に設定されている。
拡散強調スキャンDW2も、拡散強調スキャンDW1と同様に、プリパレーションシーケンスA、脂肪抑制シーケンスB、およびイメージングシーケンスCが繰り返し実行される。ただし、拡散強調スキャンDW2で使用されるMPGのb値は、拡散強調スキャンDW1で使用されるMPGのb値とは異なる値(b=b2)に設定されている。
拡散強調スキャンDW2を実行した後、拡散強調スキャンDW1およびDW2により収集されたデータに基づいて、ADCを算出することができる。
しかし、拡散強調スキャンDW1およびDW2では、プリパレーションシーケンスAにおける90−xパルスを送信してから、イメージングシーケンスCのRFパルスx1を送信するまでの間に(時間Trec)、キラーパルスが印加され、更に脂肪抑制シーケンスBが実行される。したがって、時間Trecの間にT1回復が起こり、このT1回復が原因で、ADCの計算値とADCの実際の値との差が大きくなるという問題がある。そこで、本形態では、時間TrecにおけるT1回復の影響が補正されたADCを計算している。以下に、本形態において、T1回復の影響が補正されたADCを計算する方法について説明する。
先ず、拡散強調スキャンDW1の時間Trec(図3参照)におけるT1回復について考える。時間TrecにおけるT1回復は、以下の式で表すことができる。
また、MDP1とADCとの関係は、以下の式で表すことができる。
式(2)を式(1)に代入し整理すると、以下の式が得られる。
ここで、拡散強調スキャンDW1において、撮影部位内の位置(x,y,z)から収集されるMR信号の信号値を「S1」とする。S1がMz1に比例すると仮定すると、S1は、以下の式で表すことができる。
式(4)において、S0は、M0の磁化を90°倒したときに収集されるMR信号の信号値を表している。
次に、拡散強調スキャンDW2において収集されるMR信号の信号値S2について考える。拡散強調スキャンDW2ではb=b2(図4参照)である。したがって、拡散強調スキャンDWにおいて収集されるMR信号の信号値S2は、式(4)のS1およびb1をそれぞれS2およびb2に置き換えることによって表すことができる。つまり、以下の式(5)で表すことができる。
式(4)および式(5)からS0を消去することにより、以下の式が得られる。
式(6)の中で、S1は、拡散強調スキャンDW1により収集されたMR信号の信号値であり、S2は、拡散強調スキャンDW2により収集されたMR信号の信号値である。したがって、S1およびS2は、それぞれ拡散強調スキャンDW1およびDW2を実行することにより知ることができる値である。また、b1は拡散強調スキャンDW1のb値であり、b2は拡散強調スキャンDW2のb値であるので、b1およびb2は既知の値である。更に、TDPおよびTrecは、拡散強調スキャンDW1(DW2)によって決まる値であるので、TDPおよびTrecも既知の値である。したがって、式(6)のT1およびT2を求めることができれば、Dを計算することができる。そこで、本形態では、被検体を撮影する場合、拡散強調スキャンDW1およびDW2の他に、T1およびT2を計測するためのスキャンも実行される(図5参照)。
図5は本形態で実行されるスキャンの説明図である。
本形態では、T1値計測用スキャンSC1、T2値計測用スキャンSC2、および拡散強調スキャンDW1、拡散強調スキャンDW2が実行される。
本形態では、T1値計測用スキャンSC1、T2値計測用スキャンSC2、および拡散強調スキャンDW1、拡散強調スキャンDW2が実行される。
T1値計測スキャンSC1は、撮影部位のT1値を計測するためのスキャンである。T1値を計測する手法としては、例えば、Look-Locker法を用いることができる。
T2計測スキャンSC2は、撮影部位のT2値を計測するためのスキャンである。T2値計測スキャンでは、例えば、マルチエコースピンエコーシーケンスを用いることができる。
拡散強調スキャンDW1およびDW2は、図2〜図4に示す拡散強調スキャンDW1およびDW2と同じである。拡散強調スキャンDW1はb=b1であり、一方、拡散強調スキャンDW2はb=b2(≠b1)である。
以下に、図5に示すスキャンを実行し、ADCデータを求めるフローについて説明する。
図6はADCデータを求めるときのフローを示す図である。
ステップST1では、T1値計測用スキャンSC1を実行する。データ処理手段81(図1参照)は、T1値計測用スキャンSC1を実行することにより収集されたデータに基づいて、撮影部位のT1値を求める。図7に、撮影部位のT1値を表すT1値データE1を概略的に示す。T1値計測用スキャンSC1を実行した後、ステップST2に進む。
ステップST1では、T1値計測用スキャンSC1を実行する。データ処理手段81(図1参照)は、T1値計測用スキャンSC1を実行することにより収集されたデータに基づいて、撮影部位のT1値を求める。図7に、撮影部位のT1値を表すT1値データE1を概略的に示す。T1値計測用スキャンSC1を実行した後、ステップST2に進む。
ステップST2では、T2値計測用スキャンSC2を実行する。データ処理手段81は、T2値計測用スキャンSC2を実行することにより収集されたデータに基づいて、撮影部位のT2値を求める。図8に、撮影部位のT2値を表すT2値データE2を概略的に示す。T2値計測用スキャンSC2を実行した後、ステップST3に進む。
ステップST3では、拡散強調スキャンDW1が実行される。データ処理手段81は、拡散強調スキャンDW1を実行することにより収集されたデータに基づいて、撮影部位の各位置(x,y,z)におけるMR信号の信号値を求める。図9に、拡散強調スキャンDW1により得られた撮影部位の信号値を表す信号値データE3を概略的に示す。拡散強調スキャンDW1はb=b1であるので、拡散強調スキャンDW1を実行することにより、b=b1における撮影部位の信号値データE3を取得することができる。拡散強調スキャンDW1を実行した後、ステップST4に進む。
ステップST4では、拡散強調スキャンDW2が実行される。データ処理手段81は、拡散強調スキャンDW2を実行することにより収集されたデータに基づいて、撮影部位の各位置(x,y,z)におけるMR信号の信号値を求める。図10に、拡散強調スキャンDW2により得られた撮影部位の信号値を表す信号値データE4を概略的に示す。拡散強調スキャンDW2はb=b2であるので、拡散強調スキャンDW2を実行することにより、b=b2における撮影部位の信号値データE4を取得することができる。拡散強調スキャンDW2を実行した後、ステップST5に進む。
ステップST5では、ADC算出手段82(図1参照)が、式(6)に基づいて撮影部位のADCを算出する。図11にADCの算出方法を概略的に示す。ADC算出手段82は、先ず、データE1〜E4の各々から、同じボクセルのデータを取り出す。図11では、データE1〜E4の各々からボクセルViのデータが取り出された例が示されている。取り出されたデータは、式(6)に代入される。
式(6)のTDPおよびTrecは、拡散強調スキャンDW1(DW2)によって決まる値である。また、b1は拡散強調スキャンDW1のb値である。したがって、ボクセルViにおけるADC値(D=Di)を算出することができる。
図11では、ボクセルViにおけるADC値を求める場合について説明したが、他のボクセルのADC値も、式(6)を用いて計算することができる。したがって、撮影部位内の各位置におけるADC値を表すADCデータE5を取得することができる。
本形態では、T1値およびT2値が考慮された式(6)を用いてADC値を計算している。したがって、時間TrecにおけるT1回復の影響が補正されたADC値を求めることができる。
尚、上記の説明では、時間Trecは、プリパレーションシーケンスAにおける90−xパルスを送信してから、イメージングシーケンスCのRFパルスx1が送信されるまでの時間として定義されている。しかし、時間Trecは、この定義に限定されることはない。図12に、時間Trecの他の例を示す。RFパルスx0がT1回復にほとんど影響を与えないと考えられる場合は、Trec=Trec1とすることができる。また、キラーパルスがT1回復にほとんど影響を与えないと考えられる場合は、Trec=Trec2とすることができる。更に、RFパルスx0およびキラーパルスがT1回復にほとんど影響を与えないと考えられる場合は、Trec=Trec3とすることができる。
また、式(6)には、TDPが含まれている。しかし、TDPがT2よりも十分に短い場合には、式(6)は以下の式に簡略化することができる。
式(7)は、式(6)と比較すると、TDPとT2が消去されている。したがって、式(7)を用いてADC値を計算する場合は、T2計測用スキャンSC2が不要となるので、スキャン時間を短縮することができる。
また、本形態では、MR信号の信号値S1はMz1に比例すると仮定して式(6)を導出した。しかし、実際には、イメージングシーケンスCが実行されている間にもT1回復するので、イメージングシーケンスCを実行している途中で、上記の仮定が成り立たなくなることがある。イメージングシーケンスCを実行している途中で上記の仮定が成り立たなくなる場合、Trecの間のT1回復を考慮するだけでは、信頼性の高いADC値を求めることができない。したがって、より信頼性の高いADC値を求めるためには、イメージングシーケンスCが実行されている間にT1回復が進んでも、上記の仮定が成り立つようにイメージングシーケンスCを構成することが望ましい。図13に、上記の仮定が成り立つように構成されたイメージングシーケンスCの一例を示す。図13のイメージングシーケンスCは、RFパルスX1〜XNのフリップ角α1〜αNが次第に小さくなるように設定されている。このように、フリップ角を次第に小さくすることにより、イメージングシーケンスCを実行している間にT1回復が進んでも、イメージングシーケンスCを開始してから終了するまでの間に渡って、MR信号の信号値S1がMz1に比例にする関係を保持することができるので、より信頼性の高いADC値を求めることができる。
また、本形態では、式(6)を解くことによりADC値を求めたが、b1とb2との値によっては、式(6)を簡単に解くことができる。例えば、b2=2b1となるように、b1およびb2を設定した場合、式(6)は以下の式で表すことができる。
ここで、以下の式で表されるXを定義する。
式(9)を用いると、式(8)はXについての二次方程式で表すことができる。したがって、Xは、解の公式を用いて以下の式で表すことができる。
式(9)を式(10)に代入し整理すると、以下の式が得られる。
式(11)は、ルート(root)の前の符号が±である。したがって、Dの値は2つ得られることがわかる。しかし、実際には、Dの値は一つしかないので、ルートの前の符号は、−(マイナス)か+(プラス)のどちらかである。そこで、ルートの前の符号が−(マイナス)であるべきか+(プラス)であるべきかを決定するために、Trecが十分に小さく、Trec=0と見なせる場合について考える。Trec=0の場合、ルートの前の符号を−(マイナス)にすると、D=∞(無限大)と計算される。しかし、実際にはDは有限の値であるので、ルートの前の符号を−(マイナス)にすると、Dの計算誤差が大きいと考えられる。したがって、ルートの前の符号は+(プラス)
とすべきであると考えられるので、Dは以下の式で計算することができる。
とすべきであると考えられるので、Dは以下の式で計算することができる。
したがって、b2=2b1に設定した場合は、式(12)を用いてADC値を算出することができる。
また、b1又はb2のいずれか一方のb値をゼロとしてもよい。例えば、b2=0とすると、b2=0を式(6)に代入することにより以下の式が得られる。
式(13)を変形すると、以下の式が得られる。
式(14)を用いてADC値を計算する場合、b2=0であるので、拡散強調スキャンDW2はMPGが不要となる。したがって、拡散強調スキャンDW2の代わりに、MPGを備えていないスキャンを実行することにより、式(14)を用いてADCを計算することができる。図14に、式(14)を用いてADC値を計算する場合に実行されるスキャンの一例を示す。図14のスキャンは、図5のスキャンと比較すると、T1値計測スキャンSC1、T2値計測スキャンSC2、および拡散強調スキャンDW1が実行される点は同じである。しかし、図14のスキャンでは、拡散強調スキャンDW2は実行されず、その代わりに、MPGを備えていないスキャンSC3が実行される。スキャンSC3はMPGを備えていないが、その他の点は、拡散強調スキャンDW2と同じである。
図14のスキャンを実行する場合は、式(14)を用いることにより、ADC値を計算することができる。
尚、式(14)には、TDPが含まれている。しかし、TDPがT2よりも十分に短い場合には、式(14)は以下の式に簡略化することができる。
式(15)は、式(14)と比較すると、TDPとT2が含まれていないことがわかる。したがって、式(15)を用いてADC値を計算する場合は、T2計測用スキャンSC2が不要となるので、スキャン時間を短縮することができる。
また、本形態では、b値が異なる2つの式(4)および(5)を用いてS0を消去し、ADC値を求めるための式(6)を導出している。しかし、以下に示すb値が異なるn(≧3)個の式(16−1)〜(16−n)を考え、最小二乗法などを用いてADCを求めるための式を導出してもよい。
この場合、図15に示すように、b値が異なるn個の拡散強調スキャンDW1〜DWn(b=b1、b2、b3、・・・bn)を実行すればよい。尚、拡散強調スキャンDW1〜DWnのうちの一つを、MPGを有していないスキャン(b=0)に置き換えてもよい。
2 マグネット
3 テーブル
3a クレードル
4 受信コイル
5 送信器
6 勾配磁場電源
7 受信器
8 制御部
9 操作部
10 表示部
11 被検体
21 ボア
81 データ処理手段
82 ADC算出手段
100 MR装置
3 テーブル
3a クレードル
4 受信コイル
5 送信器
6 勾配磁場電源
7 受信器
8 制御部
9 操作部
10 表示部
11 被検体
21 ボア
81 データ処理手段
82 ADC算出手段
100 MR装置
Claims (11)
- MPGを有する第1のシーケンスと撮影部位からMR信号を収集するための第2のシーケンスとを含む拡散強調スキャンを実行する磁気共鳴装置であって、
前記MPGの強さを表すb値を変更し、前記MPGのb値が異なる複数の拡散強調スキャンを実行するとともに、前記撮影部位のT1値を計測するためのT1値計測用スキャンを実行するスキャン手段と、
前記第1のシーケンスと前記第2のシーケンスとの間の第1の時間、前記複数の拡散強調スキャンを実行することにより収集されたMR信号の信号値、および前記T1値計測用スキャンにより計測されたT1値に基づいて、前記撮影部位の見かけの拡散係数を算出する算出手段と、
を有する、磁気共鳴装置。 - MPGを有する第1のシーケンスと撮影部位からMR信号を収集するための第2のシーケンスとを含む拡散強調スキャンと、MPGを有していない第3のシーケンスと前記撮影部位からMR信号を収集するための第4のシーケンスとを含む他のスキャンとを実行する磁気共鳴装置であって、
前記第1のシーケンスと前記第2のシーケンスとの間の第1の時間、前記拡散強調スキャンを実行することにより収集されたMR信号の信号値、前記他のスキャンを実行することにより収集されたMR信号の信号値、および前記T1値計測用スキャンにより計測されたT1値に基づいて、前記撮影部位の見かけの拡散係数を算出する算出手段と、
を有する、磁気共鳴装置。 - 前記スキャン手段は、
前記撮影部位のT2値を計測するためのT2値計測用スキャンを実行し、
前記算出手段は、
前記T2値計測用スキャンにより計測されたT2値も考慮して、前記見かけの拡散係数を算出する、請求項1又は2に記載の磁気共鳴装置。 - 前記第1のシーケンスは、縦磁化をフリップさせるための第1のRFパルスと、横磁化を縦磁化に戻すための第2のRFパルスとを有し、
前記算出手段は、
前記第1のRFパルスと前記第2のRFパルスとの間の第2の時間も考慮して、前記見かけの拡散係数を算出する、請求項3に記載の磁気共鳴装置。 - 前記第2のシーケンスは、前記撮影部位からMR信号を収集するための複数のRFパルスを有し、
前記第1の時間は、前記第2のRFパルスと、前記複数のRFパルスのうちの一番最初に送信されるRFパルスとの間の時間である、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。 - 前記複数のRFパルスのフリップ角は次第に小さくなるように設定されている、請求項5に記載の磁気共鳴装置。
- 前記第2のシーケンスは、前記複数のRFパルスの前に、MR信号を定常状態に移行させるためのRFパルスを有する、請求項5又は6に記載の磁気共鳴装置。
- 前記第1のシーケンスは、横磁化を消去するためのキラーパルスを有する、請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
- 前記拡散強調スキャンは、第1のシーケンスと第2のシーケンスとの間に、脂肪を抑制するための第3のシーケンスを有する、請求項1〜8のうちのいずれか一項に記載の磁気共鳴装置。
- MPGを有する第1のシーケンスと撮影部位からMR信号を収集するための第2のシーケンスとを含む拡散強調スキャンと、前記撮影部位のT1値を計測するためのT1値計測用スキャンとを実行する磁気共鳴装置に適用されるプログラムであって、
前記第1のシーケンスと前記第2のシーケンスとの間の第1の時間、前記MPGの強さを表すb値が異なる複数の拡散強調スキャンを実行することにより収集されたMR信号の信号値、および前記T1値計測用スキャンにより計測されたT1値に基づいて、前記撮影部位の見かけの拡散係数を算出する算出処理を計算機に実行させるためのプログラム。 - MPGを有する第1のシーケンスと撮影部位からMR信号を収集するための第2のシーケンスとを含む拡散強調スキャンと、MPGを有していない第3のシーケンスと撮影部位からMR信号を収集するための第4のシーケンスとを含む他のスキャンとを実行する磁気共鳴装置に適用されるプログラムであって、
前記第1のシーケンスと前記第2のシーケンスとの間の第1の時間、前記拡散強調スキャンを実行することにより収集されたMR信号の信号値、前記他のスキャンを実行することにより収集されたMR信号の信号値、および前記T1値計測用スキャンにより計測されたT1値に基づいて、前記撮影部位の見かけの拡散係数を算出する算出処理を計算機に実行させるためのプログラム。
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