JP2015122700A - マイクロ波受信用アンテナ及びマイクロ波受信用アンテナアレイ - Google Patents
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Abstract
Description
非特許文献1は、平面八木−宇田(Yagi-Uda)アンテナを並べて2次元マイクロ波アンテナアレイが構成されて、プラズマのマイクロ波イメージング反射計測に応用されている(以下、従来技術1という)。
非特許文献4は、ロッドアンテナを使用したマイクロ波CT(コンピュータトモグラフィ)実験が行われている(以下、従来技術4という)。
従来技術3の双極子アンテナは、プリント基板の面からマイクロ波を放射・受信するタイプであり、アレイ化は考慮されていない。仮にアレイ化しても1次元アンテナアレイは可能であるが、2次元、3次元の高密度のアレイ化は困難である。
本発明の目的は、十分な受信感度を確保できるとともに、アレイ化したときに、隣接するアンテナとの干渉を十分に低減できるマイクロ波受信用アンテナを提供することを目的としている。
請求項4のマイクロ波受信用アンテナアレイでは、請求項1に記載のマイクロ波受信用アンテナが、前記積層体の積層方向に複数連結されて直線状あるいは曲線状の1次元アンテナアレイが形成されてなるものである。
また、本発明のマイクロ波受信用アンテナアレイによれば、プリント基板は十分な機械強度を持ち、厚さを波長の1/10と高密度に実装できる。
以下、本発明を具体化したマイクロ波受信用アンテナのユニット(以下、単にアンテナユニットという)を図1〜図4を参照して説明する。
次に、誘電体基板20が有する受信回路80を図3(b)及び図4を参照して説明する。図3(b)に示すように誘電体基板20の第1面M1の後部20bにおいて、受信回路80が、前記マイクロストリップライン23に対して接続されている。また、受信回路80は、図2に示す枠体60内に位置するように配置されている。
本実施形態が受信対象とするマイクロ波は、マイクロストリップ回路で扱うことができる比較的低周波数である。このため、受信回路80は受信波(マイクロ波)RFを、マイクロストリップライン23に接続されて増幅(高周波増幅)するRFアンプ82を備えている。なお、RFアンプ82は、ミキサ84の変換損失が大きいために混合前に増幅するためのものである。また、受信回路80は、RFアンプ82で高周波増幅した受信波(マイクロ波)RFを、局部発信波LOで回路上で混合するミキサ84及び前記局部発信波LOを発生する発信器(図示しない)を備えている。
(実施形態の作用)
前記アンテナユニット10は、積層体40の四方周囲を覆う導体シールド50により、アンテナ間の誘導や干渉を防止する。しかし、導体シールド50は、受信感度にも影響を与える。
図3(b)に示すOをダイポール21,22のアンテナ中心としたとき、アンテナ中心Oを原点とする3次元座標(x,y,z)により、各シールド部材のアンテナ中心Oからの距離をx,y,zで下記のように表す。なお、xは、アンテナ中心Oからダイポール22が延出する方向であり、yはxに直交する方向であり、zは誘電体基板20の前端から奥行き方向(後方)である。また、アンテナ中心Oは、正確には、誘電体基板20の厚みの1/2の深さにあるが、説明の便宜上、図3(b)では、ダイポール21の表面に図示している。
シールド部材58の距離 x=b/2
シールド部材52の距離 y=a/2
シールド部材54の距離 y=−a/2
また、ダイポールアンテナ(アンテナ中心O)の誘電体基板20の前端からの距離は、下記の通りである。
このpは、ダイポールアンテナが導体シールド50に潜る深さを表している。
アンテナユニット10で受信できる最低次のモードの電場Exは、
すなわち、波長(λ)について、λ>2bとなる長波長のマイクロ波は導波管100の入口から奥に行くほど減衰するもので、エヴァネッセント波である。
この問題を検証するためにシールド開口部から測定対象のアンテナ先端までの距離pを変化させた場合において、隣接する他のアンテナユニット間の誘導信号と、測定対象のアンテナユニットの正面から離間した他のアンテナから照射されたマイクロ波(7.5GHz)の受信信号を測定した。前記測定対象のアンテナユニットは、アンテナユニット10の構成において、距離pのみ異ならせたアンテナユニットである。その結果を図7に示す。図7において、横軸は、ダイポールアンテナ(アンテナ中心O)の距離p、縦軸は対数軸であって信号の強度を表す。
また、測定対象のアンテナユニットの正面において離間配置した他のユニットは、導体シールド50を有しない以外は測定対象のアンテナユニットと同じ構成としたアンテナユニットと、Xバンドコルゲートホーンアンテナである。
図8には、受信信号と、誘導信号の比を表したものであり、同図において横軸はpであり、縦軸は前記比である。
(誘電体30,34について)
次に、誘電体30,34の作用について説明する。
図9は、誘電体30,34を有するアンテナユニット10の場合と、アンテナユニット10の構成から誘電体30,34を省いた場合のアンテナユニットの場合のそれぞれのダイポールアンテナ(q=15mm)の受信感度の周波数特性を示している。横軸は周波数、縦軸は対数軸であって、受信感度を示している。ここで、誘電体の材料として、FRP(ガラス繊維強化プラスチック,比誘電率:約4)を使用した。なお、a,bの各値は、図7の例と同じである。
本実施形態のアンテナユニットによれば、下記の特徴がある。
(4)また、受信回路80の主要部品である誘電体基板20の回路パターンはエッチングなどの方法で作成できる。また、誘電体30,34、導体シールド50を構成するシールド部材52,54,56,58は切削などの方法で容易に製作できるため、これらの組立は、それらの部材を重ねるだけであるため、容易に作成することができる。
次に、マイクロ波受信用アンテナアレイを1次元アンテナアレイに具体化した第2実施形態を図5(a)、図5(b)を参照して説明する。
本実施形態の1次元アンテナアレイによれば、第1実施形態のアンテナユニット10の効果(1)〜(5)の他に下記の特徴がある。
次に、マイクロ波受信用アンテナアレイを他の1次元アンテナアレイに具体化した第3実施形態を図6(a)〜(d)を参照して説明する。本実施形態の1次元アンテナアレイ220は、第1実施形態のアンテナユニットの構成と同一または相当する構成を有する。このため、第1実施形態と同一構成、又は相当する構成については、第1実施形態と同一符号を付して、詳細な説明を省略して、異なる構成を中心に説明する。
また、図6(b)に示す、相互に隣接する前記マイクロストリップライン23、及び受信回路80の組間に設けられた仕切パターン230には、図6(d)に示すシールド部材56C、58Cが配置されている。このシールド部材56C、58Cは、ダイポール21側の端部を除いた部分が四角柱状に形成されるとともに、ダイポール21側の端部が、それ以外の部分の幅よりも細長く形成されて、仕切パターン230の幅狭く形成された部分と合致して配置されている。
図6(c)に示すように、誘電体基板20Aの第2面M2には、前記複数のアンテナユニット分のダイポール22、テーパ形バラン26、及び地導体25と、金属箔からなる複数の仕切パターン240が前記仕切パターン230と同ピッチで並設されている。また、各仕切パターン240は、仕切パターン230と誘電体基板20Aを挟んで合致するように配置されている。前記誘電体基板20Aの第2面M2の両端にそれぞれ設けられた仕切パターン240は、全体が長方形状に形成されている。
また、図6(c)に示すように相互に隣接する前記ダイポール22、及びテーパ形バラン26の組間に設けられた仕切パターン240には、図6(d)に示すシールド部材56B、58Bが配置されている。このシールド部材56B、58Bは、ダイポール22側の端部を除いた部分が四角柱状に形成されるとともに、ダイポール22側の端部が、それ以外の部分の幅よりも細長く形成されて、仕切パターン240の幅狭く形成された部分と合致して配置されている。
誘電体基板20Aに対して平行に配置されたシールド部材52A及びシールド部材54Aは、誘電体基板20Aと同一長、及び同一幅を有するように板状に形成されている。
シールド部材52A,54Aは、ザグリ孔52a、52b、シールド部材56C,58Cの貫通孔62,64、誘電体基板20Aの各貫通孔72、シールド部材56B,58Bの貫通孔62,64を通した皿ネジ52c,52dがシールド部材54Aの雌ネジ孔54a,54bに螺合されることにより、相互に締結されている。
(1)本実施形態では、第1実施形態におけるマイクロ波受信用アンテナが、その積層体40の積層方向とは直交する方向に複数連結されて1次元アンテナアレイが形成されている。すなわち、マイクロ波受信用アンテナが、同一プリント基板上に電磁的に分離されながらも並列配置されている。この結果、1次元アンテナアレイ220として使用することができる。
次に、1次元アンテナアレイを、マイクロ波受信用アンテナアレイとしての2次元アンテナアレイに構成するとともにこの2次元アンテナアレイ300の使用例となる応用例の一実施形態を、図10を参照して説明する。
本実施形態では、2次元アンテナアレイ300をマイクロ波カメラとして使用するものである。具体的には、2次元アンテナアレイ300に対して、マイクロ波RFを結像させる結像光学系310が配設けられている。
(1)本実施形態の2次元アンテナアレイ300では、第2実施形態の1次元アンテナアレイが積み重ねられて構成されている。この結果、本実施形態によれば、1次元アンテナアレイを積み重ねるだけで簡単に2次元アンテナアレイとすることができる。
次に、第5実施形態を図4、図11を参照して説明する。
第5実施形態は、第2実施形態の1次元アンテナアレイ110と第3実施形態の1次元アンテナアレイ220とを組み合わせて2次元断面マイクロ波CT(コンピュータトモグラフィ)の検出部450としたものである。なお、前記各実施形態と同一構成については同一符号を付す。検出部450は、マイクロ波受信用アンテナアレイに相当する。
1次元アンテナアレイ110及び1次元アンテナアレイ220では、検出した信号を図4に示す各受信回路80で増幅するとともに、図10、図11の信号処理装置340において、パワーA及びI信号、及びQ信号に基づいて位相φを取得(検出)する。上記のようにして、パワーA及び位相φに基づいて、検査対象物400の2次元断面の取得が可能となる。
次に、3次元断面マイクロ波CTの検出部500に具体化した一実施形態を、図12を参照して説明する。検出部500は、マイクロ波受信用アンテナアレイに相当する。なお、前記各実施形態の構成と同一または相当する構成については同一符号を付す。
検出部500は、例えば、図12に示すように人の乳癌検診に使用できる。マイクロ波帯での乳房600の脂肪組織の比誘電率が約4に対し、乳癌組織の比誘電率が約50と大きく異なる。このため、3次元断面マイクロ波CTは乳癌検診に使用できると期待される。この場合、例えば周波数10GHz以下のマイクロ波を使用すると、大きさ5mmの乳癌610(図12参照)の検出が可能となる。
この場合、90°異なる2つの偏波の測定を行う必要がある場合は、マイクロ波照射器510については、1箇所に2個配置して、90°異なる偏波を照射すればよい。
検出部500では、検出した信号を図4に示す各受信回路80で増幅するとともに、図10、図12の信号処理装置340において、パワーA及びI信号、及びQ信号に基づいて位相φを取得(検出)する。上記のようにして、パワーA及び位相φに基づいて、検査対象物400の3次元断面の取得が可能となる。
(1) 本実施形態では、第3実施形態の1次元アンテナアレイ220の受信側側面が凹状に形成されるとともに、積層体40の積層方向に1次元アンテナアレイ220が複数個配置されて3次元アンテナアレイが形成されている。この結果、1次元アンテナアレイ220を組み合わせることにより簡単に3次元アンテナアレイを得ることができる。
・第2実施形態では、図5(a)に示すように、1次元アンテナアレイ110は、複数のアンテナユニット10が横方向、すなわち、積層体40の積層方向と同じ方向に一列になるように直線状にした。この直線状に代えて、複数のアンテナユニット10を曲線状に連結した1次元アンテナアレイとしてもよい。
21,22…ダイポール、23…マイクロストリップライン、
26…テーパ形バラン、30,34…誘電体、40…積層体、
52,54,56,58…シールド部材、
52A,54A,56A,58A…シールド部材、
80…受信回路、110,220…1次元アンテナアレイ、
300…2次元アンテナアレイ、330…マイクロ波発信器、
340…信号処理装置、450,500…検出部、
M1…第1面、M2…第2面。
Claims (7)
- 両側面の前部にそれぞれアンテナ素子がプリントされてアンテナが形成されるとともに、一側面の後部に受信回路を有する誘電体基板と、前記誘電体基板の両側面の前記アンテナ素子が形成された前部にそれぞれ積層された一対の誘電体とにより、積層体を構成し、
前記積層体の四方周囲を導体シールドで覆って導波管を形成し、前記積層体の四方周囲を導体シールドで覆うことにより、隣接アンテナ間の相互誘導・干渉を低減する一方、前記導波管により、受信周波数がカットオフ周波数以下となっても、エヴァネッセント波を受信するマイクロ波受信用アンテナ。 - 請求項1に記載のマイクロ波受信用アンテナが、同一プリント基板上に電磁的に分離されながらも並列配置されることで直線状あるいは曲線状の1次元アンテナアレイが形成されてなるマイクロ波受信用アンテナアレイ。
- 請求項2に記載の1次元アンテナアレイが積み重ねられて2次元アンテナアレイが形成されてなるマイクロ波受信用アンテナアレイ。
- 請求項1に記載のマイクロ波受信用アンテナが、前記積層体の積層方向に複数連結されて直線状あるいは曲線状の1次元アンテナアレイが形成されてなるマイクロ波受信用アンテナアレイ。
- 請求項2および請求項4の1次元アンテナアレイが組み合わされ積み重ねられて2次元アンテナアレイが形成されてなるマイクロ波受信用アンテナアレイ。
- 請求項2の1次元アンテナアレイの受信側側面が凹状に形成されるとともに、前記積層体の積層方向に前記1次元アンテナアレイが複数個配置されて3次元アンテナアレイが形成されてなるマイクロ波受信用アンテナアレイ。
- 請求項2および請求項4の1次元アンテナアレイが組み合わされ積み重ねられて、受信側側面が観測対象物体を取り囲むように配置されて3次元アンテナアレイが形成されてなるマイクロ波受信用アンテナアレイ。
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