JP2020161956A - アンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】地板と対向導体板との間に形成される静電容量と、短絡部が備えるインダクタンスの並列共振によって動作するアンテナ装置において、アンテナ水平方向における利得を維持/向上可能な構成を提供する。【解決手段】アンテナ装置1は、地板10と、地板10と所定の間隔をおいて設置された平板状の導体部材であって、給電点が設けられている対向導体板20と、対向導体板20と地板10とを電気的に接続する短絡部40と、を備える。対向導体板20の面積及び地板との離隔は、短絡部40が提供するインダクタンスと所定の対象周波数で並列共振する静電容量を形成するように設定されている。対向導体板20の上側には、導体又は誘電体を用いて構成されている板状、ブロック状、又は箱型の上方遮断体60が対向導体板20の上側面と当接するように配置されている。【選択図】図2

Description

本開示は、平板構造を有するアンテナ装置に関する。
特許文献1に開示されているように、グランドとして機能する平板状の金属導体(以降、地板)と、当該地板に対向するように配置されるとともに任意の位置に給電点が設けられた平板状の金属導体(以降、対向導体板)と、地板と対向導体板とを電気的に接続する短絡部と、を備えるアンテナ装置が提案されている。
この種のアンテナ装置では、地板と対向導体板との間に形成される静電容量と、短絡部が備えるインダクタンスとによって、その静電容量とインダクタンスに応じた周波数において並列共振を生じさせる。具体的には、対向導体板と地板がコンデンサとして作用し、短絡部に流れる電流により対向導体板と平板の間に垂直電界が発生する。当該垂直電界が短絡部から外周部に向かって垂直電界が伝搬していき、対向導体板の端部において空間に漏れ出ていくことで地板に垂直な電波の放射が得られる。以降では便宜上、地板と対向導体板との間に形成される静電容量と、短絡部が備えるインダクタンスの並列共振によって動作するアンテナ装置のことを0次共振アンテナと称する。
地板と対向導体板との間に形成される静電容量は、対向導体板の面積や、地板と対向導体板との距離に応じて定まる。また、短絡部が備えるインダクタンスは、短絡部の径に応じて定まる。故に、例えば対向導体板の面積や短絡部の径を調整することで、当該アンテナ装置において送受信の対象とする周波数(以降、対象周波数)を所望の周波数とすることができる。なお、特許文献1には、対向導体板及び短絡部を備えるパッチユニットを複数、周期的に配置する構成が開示されている。このように0次共振アンテナを周期配列した構成は、メタマテリアルアンテナとも称される。
米国特許第7911386号公報
発明者らは0次共振アンテナの動作態様を検証したところ、対向導体板の縁部から放射された垂直電界が対向導体板の上側に回り込んでいることが分かった。垂直電界が対向導体板の上側に回り込んでいると、その分だけ、アンテナ水平方向へ伝搬していく垂直電界は低減する。つまり、アンテナ水平方向への利得が低減してしまう。また、その傾向は、対向導体板と地板との離隔を小さくするほど(つまりアンテナ装置を薄型化するほど)顕著となることも分かった。なお、ここでのアンテナ水平方向とは、対向導体板の中心からその縁部に向かう方向を指す。アンテナ水平方向は、アンテナ装置にとっての側方に相当する。
本開示は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、地板と対向導体板との間に形成される静電容量と、短絡部が備えるインダクタンスの並列共振によって動作するアンテナ装置において、アンテナ水平方向における利得を維持/向上可能なアンテナ装置を提供することにある。
その目的を達成するためのアンテナ装置は、平板状の導体部材である地板(10)と、地板と所定の間隔をおいて設置された平板状の導体部材であって、給電線と電気的に接続する給電点が設けられている対向導体板(20)と、対向導体板と地板とを電気的に接続する短絡部(40)と、を備え、短絡部が備えるインダクタンスと、地板と対向導体板とが形成する静電容量とを用いて、所定の対象周波数で並列共振するように構成されているアンテナであって、対向導体板の上側には、導体又は誘電体を用いて構成されている、電界の伝搬を遮断するための電波遮断体(60)が配置されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、対向導体板の上側に電波の電波を遮断する電波遮断体が設けられているため、対向導体板の縁部から放射された垂直電界が対向導体板の上側に回り込むことを抑制する。つまり、垂直電界の放射方向をアンテナ水平方向に集中させることができる。その結果、アンテナ水平方向における利得を維持/向上させることできる。
なお、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
アンテナ装置1の構成を示す外観斜視図である。 図1におけるII―II線でのアンテナ装置1の断面図である。 0次共振アンテナの基本的な構成(つまり比較構成)を示す図である。 0次共振アンテナの動作原理を説明するための図である。 比較構成での垂直電界の強度分布を示す図である。 本実施形態の効果を説明するための図である。 本実施形態のアンテナ装置1と比較構成のアンテナ水平方向の利得を示す図である。 上方遮断体60の厚さH2と、材料と、利得との関係をシミュレーションした結果を示す図である。 上方遮断体60の変形例を示す図である。 上方遮断体60の変形例を示す図である。 上方遮断体60の変形例を示す図である。 アンテナ装置1が回路基板100に実装された構成の一例を示す図である。 図12に示すXIII−XIII線での断面を示す図である。 ケース90を備えるアンテナ装置1の構成を示す図である。 ケース90の変形例を示す図である。 ケース90内にシール材110が充填されているアンテナ装置1を示す図である。 ケース90の変形例を示す図である。
以下、本開示の実施形態について図を用いて説明する。なお、以降において同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。また、構成の一部のみに言及している場合、他の部分については先に説明した実施形態の構成を適用することができる。
図1は、本実施形態に係るアンテナ装置1の概略的な構成の一例を示す外観斜視図である。図2は、図1に示すII−II線におけるアンテナ装置1の断面図である。アンテナ装置1は、例えば、車両などの移動体に搭載されて用いられる。
このアンテナ装置1は、所定の対象周波数の電波を送受信するように構成されている。もちろん、他の態様としてアンテナ装置1は、送信と受信の何れか一方のみに利用されても良い。電波の送受信には可逆性があるため、或る周波数の電波を送信可能な構成は、当該周波数の電波を受信可能な構成でもある。
対象周波数は、ここでは一例として2.4GHzとする。もちろん、対象周波数は適宜設計されれば良く、他の態様として例えば300MHzや、760MHz、850MHz、900MHz、1.17GHz、1.28GHz、1.55GHz、5.9GHz等としてもよい。アンテナ装置1は、対象周波数だけでなく、対象周波数を基準として定まる所定範囲内の周波数の電波もまた送受信可能である。例えばアンテナ装置1は、2400MHzから2480MHzまでの帯域(以降、2.4GHz帯)に属する周波数を送受信可能に構成されている。つまり、アンテナ装置1は、Bluetooth Low Energy(Bluetoothは登録商標)や、Wi-Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)等といった、近距離無線通信で使用される周波数帯の電波を送受信可能に構成されている。便宜上以降では、アンテナ装置1が送受信可能な周波数の帯域を、動作帯域とも記載する。
アンテナ装置1は、例えば同軸ケーブルを介して図示しない無線機と接続されており、アンテナ装置1が受信した信号は逐次無線機に出力される。また、アンテナ装置1は無線機から入力される電気信号を電波に変換して空間に放射する。無線機は、アンテナ装置1が受信した信号を利用するとともに、当該アンテナ装置1に対して送信信号に応じた高周波電力を供給するものである。
なお、本実施形態ではアンテナ装置1と無線機とを同軸ケーブルで接続する場合を想定して説明するが、フィーダ線など、その他の通信ケーブルを用いて接続しても良い。また、アンテナ装置1と無線機とは、同軸ケーブルのほかに、整合回路やフィルタ回路などを介して接続される構成となっていても良い。アンテナ装置1は、無線機と一体的に構成されていても良い。例えば、アンテナ装置1は、変復調回路等が実装されたプリント基板上に実現されていてもよい。
以下、アンテナ装置1の具体的な構成について述べる。アンテナ装置1は、図1及び図2に示すように、地板10、対向導体板20、支持部30、短絡部40、給電線路50、及び上方遮断体60を備える。便宜上以降では、地板10に対して対向導体板20が設けられている側を、アンテナ装置1にとっての上側として各部の説明を行う。対向導体板20から地板10に向かう方向がアンテナ装置1にとっての下方向に相当する。
地板10は、銅などの導体を素材とする板状の導体部材である。ここでの板状には金属箔のような薄膜状も含まれる。つまり、地板10はプリント配線板等の樹脂製の板の表面にパターン形成されたものでもよい。地板10は、正方形状に形成されている。地板10の1つの辺の長さは、例えば電気的に対象周波数の電波の波長(以降、対象波長)の1.1倍に相当する値に設定されている。なお、電気的な長さとは、フリンジング電界や、誘電体による波長短縮効果などを考慮した、実効的な長さである。この地板10は、同軸ケーブルの外部導体と電気的に接続されて、アンテナ装置1におけるグランド電位(換言すれば接地電位)を提供する。
なお、地板10の大きさは適宜変更可能である。例えば地板10は、1辺が電気的に1波長に相当する値に設定された正方形状であってもよい。地板10は、アンテナ装置1を安定して動作させるために必要な大きさを備えていることが好ましい。他の態様として、地板10の1つの辺の長さは、電気的に1波長よりも小さい値(例えば対象波長の1/3)に設定されていても良い。なお、真空中及び空気中における2.4GHzの電波の波長(つまり対象波長)は125mmである。
また、地板10を上側から見た形状(以降、平面形状)も適宜変更可能である。ここでは一例として地板10の平面形状を正方形状とするが、他の態様として地板10の平面形状は、長方形状であってもよいし、その他の多角形状であってもよい。また、円形(楕円を含む)状であってもよい。地板10は、直径が1波長の円よりも大きく形成されていることが好ましい。或る部材の平面形状とは、当該部材を上方から見た形状を指す。
対向導体板20は、銅などの導体を素材とする板状の導体部材である。ここでの板状には、前述の通り、銅箔などの薄膜状も含まれる。対向導体板20は、支持部30を介し、地板10と対向するように配置されている。対向導体板20もまた地板10と同様にプリント配線板等の、樹脂製の板の表面にパターン形成されたものでもよい。また、ここでの平行とは完全な平行に限らない。数度から十度程度傾いていても良い。つまり概ね平行である状態(いわゆる略平行な状態)を含みうる。
対向導体板20と地板10とは、互いに対向配置されることで、対向導体板20の面積や、対向導体板20と地板10との間隔に応じた静電容量を形成する。対向導体板20は、短絡部40が備えるインダクタンスと対象周波数において並列共振する静電容量を形成する大きさに形成されている。対向導体板20の面積は、所望の静電容量を提供するように(ひいては対象周波数で動作するように)適宜設計されればよい。例えば対向導体板20は、一辺が14mmの正方形状に形成されている。もちろん、対向導体板20の一辺の長さは適宜変更可能であり、12.5mmや、15mm、20mm、25mmなどであっても良い。
なお、ここでは一例として対向導体板20の形状は正方形とするが、その他の構成として、対向導体板20の平面形状は、円形や、正八角形、正六角形などであってもよい。また、対向導体板20は、長方形状や長楕円形などであってもよい。対向導体板20は、互いに直交する2つの直線のそれぞれを対称の軸として線対称な形状(以降、2方向線対称形状)であることが好ましい。2方向線対称形状とは、或る直線を対称の軸として線対称であって、かつ、その直線と直交する他の直線についても線対称な図形を指す。2方向線対称形状とは、例えば、楕円形や、長方形、円形、正方形、正六角形、正八角形、ひし形などが該当する。また、対向導体板20は、円形や正方形、長方形、平行四辺形など、点対称な図形であることがより好ましい。
対向導体板20にはスリットが設けられたり、角部を丸められたりしていても良い。例えば1対の対角部分に縮退分離素子としての切り欠き部が設けられていてもよい。対向導体板20の縁部は、部分的に又は全体的にミアンダ形状に形成されていても良い。2方向線対称な形状には、2方向線対称形状の縁部に凹凸が設けられている形状も含まれる。点対称な形状も同様である。
支持部30は、地板10と対向導体板20とを、所定の間隔をおいて互いに対向するように配置するための部材である。支持部30は、樹脂などの誘電体を用いて実現されている。支持部30の材料としては、Flame Retardant Type 4(いわゆるFR4)なども採用可能である。ここでは一例として支持部30は比誘電率4.3のFR4を用いて実現されている。
本実施形態では一例として支持部30は、1.5mmの厚みを有する板状の部材として形成されている。支持部30が支持板に相当する。支持部30の厚さH1は、地板10と対向導体板20との間隔に相当する。支持部30の厚さH1を調整することで、対向導体板20と地板10との間隔を調整することができる。支持部30の厚さH1の具体的な値はシミュレーションや試験によって適宜決定されれば良い。もちろん、支持部30の厚さH1は、2.0mmや、3.0mmなどであってもよい。なお、支持部30での波長は、誘電体の波長短縮効果によって60mm程度となる。故に、厚さ1.5mmという値は、電気的に対象波長の40分の1に相当する。
なお、支持部30は前述の役割を果たせればよく、支持部30の形状は板状に限らない。支持部30は、地板10と対向導体板20とを所定の間隔をおいて対向するように支持する複数の柱であってもよい。また、本実施形態において地板10と対向導体板20の間は、支持部30としての樹脂が充填された構成を採用するが、これに限らない。地板10と対向導体板20の間は、中空や真空となっていてもよい。さらに、以上で例示した構造が組み合わさっていてもよい。アンテナ装置1がプリント配線板を用いて実現される場合には、プリント配線板が備える複数の導体層を、地板10や、対向導体板20として利用するとともに、導体層を隔てる樹脂層を支持部30として利用してもよい。
支持部30の厚さH1は、後述するように短絡部40の長さ(換言すれば短絡部40が提供するインダクタンス)を調整するパラメータとして機能する。また、間隔H1は、地板10と対向導体板20とが対向することによって形成する静電容量を調整するパラメータとしても機能する。
短絡部40は、地板10と対向導体板20とを電気的に接続する導電性の部材である。短絡部40は、導電性のピン(以降、ショートピン)を用いて実現されれば良い。短絡部40としてのショートピンの径や長さを調整することによって、短絡部40が備えるインダクタンスを調整することができる。
なお、短絡部40は、一端が地板10と電気的に接続され、他端が対向導体板20と電気的に接続された線状の部材であればよい。アンテナ装置1がプリント配線板を基材として用いて実現される場合には、プリント配線板に設けられたビアを短絡部40として利用することができる。
短絡部40は、対向導体板20の中心(以降、導体板中心)に位置するように設けられている。導体板中心は、対向導体板20の重心に相当する。本実施形態では対向導体板20が正方形状であるため、導体板中心とは、対向導体板20の2つの対角線の交点に相当する。なお、短絡部40の形成位置は、厳密に導体板中心と一致している必要はない。短絡部40は導体板中心から数mm程度ずれていてもよい。短絡部40は、対向導体板20の中央領域に形成されていれば良い。対向導体板20の中央領域とは、導体板中心から縁部までを1:5に内分する点を結ぶ線よりも内側の領域を指す。中央領域は、別の観点によれば、対向導体板20を6分の1程度に相似縮小した同心図形が重なる領域に相当する。
給電線路50は、対向導体板20に給電するために、支持部30のパッチ側面に設けられたマイクロストリップ線路である。給電線路50の一端は、同軸ケーブルの内部導体と電気的に接続されており、他端は、対向導体板20の縁部電気的に接続している。給電線路50と対向導体板20との接続部分が対向導体板20にとっての給電点に相当する。同軸ケーブルを介して給電線路50に入力された電流は、対向導体板20に伝搬し、対向導体板20を励振させる。対向導体板20の縁部において、給電線路50と接続している点が給電点に相当する。
なお、本実施形態では対向導体板20への給電方式として、給電線路50を対向導体板20に直接接続させた直結給電方式を採用しているが、これに限らない。他の態様として、給電線路50と対向導体板20とを電磁結合させる給電方式を採用しても良い。直結給電方式は、導電性のピンやビアを用いて実現されても良い。給電点の位置はインピーダンスが整合する位置であればよい。給電点は、例えば対向導体板20の中央領域など、任意の位置に配置することができる。
上方遮断体60は、対向導体板20の上側に配置された板状の誘電体である。本実施形態では一例として上方遮断体60の縦方向及び横方向の寸法(換言すれば平面形状)は、支持部30と同一に形成されている。上方遮断体60の厚さH2は、例えば3mmである。上方遮断体60は、対向導体板20の上面部を覆うように(換言すれば当接するように)対向導体板20上に配置されている。
当該上方遮断体60は、別途後述するように、対向導体板20の端部から発せられる垂直電界が対向導体板20の上側に回り込むことを抑制するための構成である。上方遮断体60は電波遮断体に相当する。ここでの遮断体とは、理想的には電波を反射する構成であるが、これに限らない。電波の伝搬を抑制(換言すれば阻害)する構成が、電波の伝搬を遮断する構成に相当する。上方遮断体60は、対向導体板20の縁部と当接し、かつ、所定の高さを有するように構成されていることが好ましい。
なお、上方遮断体60の材料としては、樹脂やガラス、セラミックスなど、多様な誘電体を採用可能である。例えば上方遮断体60は、比誘電率が50以上のセラミックを用いて実現されている。例えば上方遮断体60は、チタン酸バリウム(BaTiO)や、チタン酸ジルコン酸鉛などの強誘電体を用いて形成されている。なお、上方遮断体60は、チタン酸バリウム(BaTiO2)や、酸化チタン(TiO2)やジルコン酸カルシウム(CaZrO)などの常誘電体を用いて形成されていても良い。もちろん、上方遮断体60は、ポリカーボネートや、ABS樹脂などを用いて実現されていてもよい。上方遮断体60の材料としては、ウレタン樹脂や、エポキシ樹脂、シリコンなど、多様な樹脂材料を採用可能である。
上方遮断体60は、誘電正接が高いと放射エネルギーが熱損失として失われる量が増大する。そのため、上方遮断体60は、誘電正接がより小さい材料を用いて実現されていることが好ましい。また、上方遮断体60は、誘電率が高いほど電界の回り込みを抑制するように作用する。換言すれば、上方遮断体60の誘電率が高いほど、アンテナ水平方向の利得向上効果は向上する。故に、上方遮断体60の材料としては、誘電率が高い誘電体を用いて実現されていることが好ましい。その他、別途変形例として後述するように上方遮断体60は金属(つまり導体)を用いて構成されていても良い。
<0次共振アンテナの動作原理について>
次に、0次共振アンテナの従来構成(換言すれば基本的な構成)としてのアンテナ装置1Xを導入し、0次共振アンテナの動作原理について説明する。アンテナ装置1Xは、本実施形態のアンテナ装置1にとっての比較構成に相当する。基本的な0次共振アンテナとしてのアンテナ装置1Xは、図3に示すように、地板10、対向導体板20、支持部30、短絡部40、及び給電線路50を備える。つまり、比較構成としてのアンテナ装置1Xは、本実施形態のアンテナ装置1から、上方遮断体60を除去した構成に相当する。
なお、ここでは基本的な0次共振アンテナの動作原理について述べるが、本実施形態のアンテナ装置1(以降、提案構成とも記載する)も同様の原理にて作動する。つまり、アンテナ装置1Xについての説明は概ねアンテナ装置1にも適用できる。また、比較構成が電波を送信(放射)する際の作動と、電波を受信する際の作動は、互いに可逆性を有する。そのため、ここでは電波を放射する際の作動についてのみ説明し、電波を受信する際の作動についての説明は省略する。
アンテナ装置1Xとして開示の0次共振アンテナは、概略的には、地板10と対向導体板20との間に形成される静電容量と、短絡部40が備えるインダクタンスの、LC並列共振によって動作するアンテナである。具体的には次の通りである。アンテナ装置1Xにおいて、対向導体板20はその中央領域に設けられた短絡部40で地板10に短絡されており、かつ、対向導体板20の面積は、短絡部40が備えるインダクタンスと対象周波数において並列共振する静電容量を形成する面積となっている。このため、インダクタンスと静電容量との間のエネルギー交換によって並列共振が生じ、地板10と対向導体板20との間には、地板10(及び対向導体板20)に対して垂直な電界が発生する。この垂直電界は、短絡部40から対向導体板20の縁部に向かって伝搬していき、対向導体板20の縁部において、垂直電界は垂直偏波となって空間を伝搬していく。なお、ここでの垂直偏波とは、電界の振動方向が地板10や対向導体板20に対して垂直な電波を指す。
垂直電界の伝搬方向は、図4に示すように短絡部40を中心として対称であるため、アンテナ水平面における全方位に対して同程度の利得を有する。換言すれば、アンテナ装置1及びアンテナ装置1Xは対象周波数において、対向導体板20の中央領域から縁部に向かう全方向(つまりアンテナ水平方向)に指向性を有する。特に、地板10が水平となるように配置されている場合、アンテナ装置1は水平方向に対して指向性を有する。なお、ここでのアンテナ水平面とは、地板10及び対向導体板20に平行な平面を指す。また、なお、ここでのアンテナ水平方向とは、対向導体板20の中心からその縁部に向かう方向を指す。アンテナ水平方向は、別の観点によれば、対向導体板20の中心を通る地板10への垂線に直交する方向を指す。アンテナ水平方向は、アンテナ装置にとっての横方向(換言すれば側方)に相当する。
なお、対向導体板20に流れる電流は、短絡部40を中心として対称となるため、或る横行に流れる電流が発するアンテナ高さ方向の電波は、逆向きに流れる電流が発する電波によって相殺される。故に、アンテナ高さ方向には電波を放射しない。
<アンテナ装置1(主として上方遮断体の導入)の効果について>
次に、比較構成に対する本実施形態の効果/利点について説明する。発明者らが従来の0次共振アンテナとしての比較構成の動作態様を検証したところ、比較構成では、図5に示すように垂直電界が対向導体板20の上側に回り込み、アンテナ水平方向への電波の放射強度(つまり利得)が損なわれていることが分かった。また、上記の傾向は、地板10と対向導体板20との離隔H1を小さくするほど顕著となることもわかった。つまり、比較構成では地板10と対向導体板20との離隔H1を小さくするほどアンテナ水平方向への利得が低減してしまう。
このような課題に対し本実施形態の構成は、上方遮断体60として、対向導体板20の縁部を覆う誘電体を備える。上方遮断体60は、所定の誘電率を有する誘電体を用いて構成されているため、図6に示すように垂直電界が対向導体板20の上側に回り込むことを抑制することができる。また、その結果として、図7に示すように、アンテナ水平方向の利得を高めることができる。
なお、前述の通り、上方遮断体60の材料としては、セラミックのほか、樹脂や導体等を採用することができる。図8は上方遮断体60の材料、厚みH2、及びアンテナ水平方向の利得との3要素の関係を試験した結果を示す図である。図8に示すように上方遮断体60がセラミックを用いて構成されている場合、厚みH2を3mm程度に設定することにより、概ね2dB以上の利得を得ることができる。また、何れの材料においても厚みH2を大きくするほど、アンテナ水平方向における利得は、1/4波長のモノポールアンテナの利得の理論値に近づいていく。なお、1/4波長のモノポールアンテナの利得の理論値は5.16dBiである。
また、上方遮断体60の材料として完全導体(つまり金属)やセラミックを用いた場合には、厚みH2を18mmに設定する事により、モノポールアンテナと近い利得が得られることがわかる。付言すれば、2.4GHzの空中での波長は125mmであるため、1/4波長のモノポールアンテナの高さは31.3mm程度必要となる。対して、本開示の構成によれば、18mm程度の高さ(つまり1/4波長のモノポールアンテナの6割程度の高さ)で、1/4波長のモノポールアンテナと同等の利得を得ることができる。つまり、本実施形態の構成によればアンテナ装置1の高さを抑制することができる。なお、厚みH2を18mmとした構成は、板状というよりもブロック状に近い。板状とブロック状の境界は曖昧であるため、ここでの板状にはブロック状も含まれるものとする。
以上、本開示の実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、以降で述べる種々の変形例も本開示の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。例えば下記の種々の変形例は、技術的な矛盾が生じない範囲において適宜組み合わせて実施することができる。
[変形例1]
上方遮断体60は図9に示すように金属製(つまり導体)であっても良い。当該構成は、対向導体板20の端部に、導体を立設した構成に相当する。導体は電波を反射するため、電波の回り込み(換言すれば伝搬)を誘電体よりも一層抑制する。故に、導体を用いて上方遮断体60を実現したほうが、誘電体を用いて上方遮断体60を実現した構成よりもアンテナ水平方向の利得を高めることができる。
また、上方遮断体60を導体とする構成によれば、上方遮断体60の垂直面に電流が流れる。上方遮断体60の垂直面に流れる電流は、垂直偏波をアンテナ水平方向に放射するように作用するため、前述した実施形態よりも一層アンテナ水平方向の利得を向上させることができる。
ただし、導体を用いて上方遮断体60を実現する構成は、セラミック等の誘電体を用いて上方遮断体60を実現した構成よりも寸法誤差等に対するロバスト性が劣る。例えば金属製の上方遮断体60が対向導体板20の外側にはみ出ると、対象周波数は大きく変化しうる。これは、金属製の上方遮断体60において対向導体板20からはみ出している部分が地板10との間に静電容量を形成するためである。例えば、地板10と対向導体板20との離隔が1.5mmであって、支持部30の比誘電率が4.3である構成において、上方遮断体60が対向導体板20の縁部から1mmはみ出ると、並列共振に寄与する静電容量が増大し、動作周波数が低周波側へ1GHz近くずれてしまう。より具体的には動作周波数が2.4GHzから1.5GHzへとずれてしまう。
これに対して、上方遮断体60が誘電体を用いた構成によれば、上方遮断体60が対向導体板20の外側に1mm程度はみでたとしても、静電容量の増大量は無視できるレベルとなる。故に、セラミック等の誘電体を用いて上方遮断体60を実現した構成によれば、上方遮断体60の取り付け誤差や寸法誤差が、動作周波数に与える影響を抑制することができる。
ところで、金属製の上方遮断体60は、対向導体板20と一体的に形成されていても良い。また、上方遮断体60は対向導体板20と当接していることが好ましいが、他の態様としては、上方遮断体60は対向導体板20の上側に所定の間隔をおいて対向配置されていても良い。上方遮断体60は、対向導体板20の縁部の上側であって、当該縁部との離隔が10分の1波長以下となるように配置されていることが好ましい。
また、上方遮断体60はその垂直面が、対向導体板20の縁部と連接する位置に形成されていることが好ましいが、他の態様としては、上方遮断体60はその垂直面が対向導体板20の縁部より所定量(例えば数ミリ程度)内側となる位置に形成されていても良い。つまり、上方遮断体60の平面形状は対向導体板20よりも小さく形成されていても良い。
[変形例2]
上方遮断体60が導体である場合には、上方遮断体60は対向導体板20の縁部上側に形成されていればよい。上方遮断体60としての導体は、対向導体板20の中央領域の上方に形成されている必要はない。例えば、上方遮断体60としての導体は、図10に示すように、上側の面が開口している箱型に形成されていても良い。当該上方遮断体60は、対向導体板20の上面に配置される遮断体底部61と、対向導体板20の縁部に対して上側に直立する直立部62と、を備える構成に相当する。遮断体底部61は、対向導体板20と対向配置される構成に相当する。遮断体底部61は、対向導体板20と同一寸法に形成されていれば良い。なお、直立部62は対向導体板20に対して15°程度傾いていても良い。直立という表現には、真に直角な状態から15°程度傾いている態様も含まれる。
なお、金属製の上方遮断体60は、直立部62さえ備えていればよく、遮断体底部61は必須の要素ではない。図10に示す上方遮断体60から遮断体底部61を除去した構成は、上方遮断体60を対向導体板20の縁部に沿うように、所定の厚みH2(換言すれば高さ又は深さ)を有する枠型/筒状に形成した構成に相当する。また、金属製の上方遮断体60は、対向導体板20と一体的に形成されていてもよい。対向導体板20が遮断体底部61として兼用されてもよい。金属製の直立部62は、垂直電界の放射面積を拡張する役割を担う。
なお、変形例2として開示の構成は、上述した実施形態にも適用可能である。例えば上方遮断体60としてのセラミック/樹脂は、図11に示すように、上側の面が開口している扁平な(換言すれば底が浅い)箱型に形成されていても良い。ただし、誘電体は金属ほど電波を遮断する材料ではない。そのため、誘電体を用いて構成されている直立部62は、電波の回り込みを十分に遮断することができる厚み及び高さを有することが好ましい。例えば直立部62としての誘電体は少なくとも2mm〜5mm程度の厚みを有していることが好ましい。誘電体を用いて成る直立部62の具体的な厚み及び高さはシミュレーション等に基づいて適宜設計されれば良い。上方遮断体60は前述の役割を果たせればよく、上方遮断体60の形状は板状に限らない。上方遮断体60は、ブロック状を含む平板状であってもよいし、箱型であってもよいし、筒型であってもよい。
[変形例3]
地板10の或る方向における長さ(換言すれば幅)が1波長以下(特に0.7波長以下)になると、地板10の下方に電界が回り込んでしまい利得低下の原因となってくる。例えば図12に示すように地板10が長方形状であって、短辺の長さが電気的に0.5波長である場合には、地板10の下方にも垂直電界が回り込み得る。そのような事情を鑑みると、地板10の或る方向における長さが1波長以下(特に0.7波長以下)に形成されている場合には、図13に示すように地板10の下側にも、電界の伝搬を遮断するための誘電体又は導体を下方遮断体70として付加されていることが好ましい。
下方遮断体70は、上方遮断体60と同様に、電波の回り込みを抑制するための構成である。下方遮断体70は、地板10の下側面全域を覆うように形成されていることが好ましい。地板10の下側に下方遮断体70を設けた構成によれば、地板10の下側に垂直電界が回り込むことによってアンテナ水平方向の利得が損なわれる恐れを低減することができる。なお、下方遮断体70の材料や形状については、上方遮断体60の説明を援用することができる。
下方遮断体70は地板10と当接していてもよいし、所定の間隔が存在するように対向配置されていても良い。以上では地板10が長方形である場合を例示したが、本変形例として開示の技術思想は、地板10が楕円形や円形、正多角形である場合にも適用できる。例えば地板10が楕円形である場合には、地板10の短軸の長さが1波長以下である場合には下方遮断体70が形成されていることが好ましい。地板10において対向導体板の中心と重なる点を通る種々の方向の長さのうち、最も長さが小さくなる方向の長さが1波長以下となる場合には、下方遮断体70が形成されていることが好ましい。
なお、図12に示す81、82は、変復調回路を実現するための電子部品を示している。対向導体板20や地板10、変復調回路等が実装されるプリント基板は、前述の支持部30に相当する。以降では、対向導体板20や地板10、変復調回路等が実装されているプリント基板のことを回路基板100と称する。回路基板100は、アンテナ装置1としての機能を提供するモジュールに相当する。
[変形例4]
アンテナ装置1は図14に示すように回路基板100を収容するケース90を備えていても良い。ケース90は例えば上下方向に分離可能に構成されているアッパーケースとロアケースとが組み合わさることで構成されている。ケース90は、例えばポリカーボネート(PC:polycarbonate)樹脂を用いて構成されている。なお、ケース90の材料としては、PC樹脂にアクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(いわゆるABS)を混ぜた合成樹脂や、ポリプロピレン(PP:polypropylene)など、多様な樹脂を採用できる。ケース90は、ケース底部91、ケース側壁部92、及びケース天板部93を備える。ケース底部91は、ケース90の底を提供する構成である。ケース底部91は、平板状に形成されている。ケース90内において回路基板100は、地板10がケース底部91と対向するように配置されている。ケース底部91と地板10との離隔はλ/25以下に設定されていることが好ましい。
ケース側壁部92は、ケース90の側面を提供する構成であって、ケース底部91の縁部から上方に向かって立設されている。ケース側壁部92の高さは、例えば、ケース天板部93の内面と対向導体板20との離隔がλ/25以下となるように設計されている。ケース天板部93は、ケース90の上面部を提供する構成である。本実施形態のケース天板部93は平板状に形成されている。なお、ケース天板部93の形状としては、その他、ドーム型など多様な形状を採用することができる。ケース天板部93は、内面が支持部30の上面(ひいては対向導体板20)と対向するように構成されている。
上記構成のようにケース天板部93が対向導体板20の近くに存在する場合には、ケース天板部93が前述の上方遮断体60としても機能しうる。対向導体板20の近くとは、例えば対向導体板20からの距離が電気的に対象波長の25分の1以下となる領域を指す。上記構成は、上方遮断体60としてケース天板部93を用いる構成に相当する。また、上記構成のように、ケース底部91が地板10の近くに存在する場合、ケース底部91が前述の下方遮断体70としても機能しうる。地板10の近くとは、例えば地板10からの距離が電気的に対象波長の25分の1以下となる領域を指す。下方遮断体70は、ケース底部91を用いて実現されていても良い。
なお、ケース90には、回路基板100の支持及び位置決めのための上側リブ931が形成されていてもよい。上側リブ931は、ケース天板部93の内面の所定位置から下方に向かって形成された凸状の構成である。上側リブ931はケース90と一体的に形成されている。上側リブ931は、ケース90内における支持部30の位置を規制する。上側リブ931は、図15に示すように対向導体板20の縁部と当接するように設けられていることが好ましい。上側リブ931が対向導体板20の縁部と当接するように配置されている構成によれば、上側リブ931が上方遮断体60(具体的には直立部62)としても機能する。そのため、上側リブ931を備えない構成に比べてアンテナ水平方向の利得を高めることができる。対向導体板20の縁部と当接するように形成されている上側リブ931が縁部当接部に相当する。なお、上側リブ931において対向導体板20の縁部と連接する垂直面(つまり外側面)には、銅箔等の金属パターンが付与されていても良い。当該構成によれば、実質的に導体製の直立部62を付加した構成と同様の効果が得られる。
ケース底部91には、回路基板100の支持及び位置決めのための下側リブ911が形成されていても良い。下側リブ911は、ケース底部91の所定位置から上側に向かって一体的に形成された凸状の構成である。下側リブ911は、ケース90内における回路基板100の位置を規制する役割を担う。下側リブ911は、地板10とケース底部91との離隔がλ/25以下となるように形成されている。下側リブ911は、地板10の縁部と当接するように形成されていることが好ましい。当該構成によれば、下側リブ911が下方遮断体70としても機能する。そのため、下側リブ911が形成されていない構成に比べてアンテナ水平方向の利得を高めることができる。下側リブ911が下方支持部に相当する。なお、下側リブ911において地板10の縁部に連接する垂直面(つまり外側面)には、銅箔等の金属パターンが付与されていても良い。
[変形例5]
対向導体板20等を含むアンテナ装置1は、図12にて例示したように、変復調回路等が実装されている回路基板100に一体的に形成されていても良い。当該回路基板100は防水性等の観点から、ケース90に収容されて使用される。
アンテナ装置1がケース90を備える場合、ケース90と回路基板100との間には図16にて符号のみ示すように、シリコン等のシール材110を充填することが好ましい。シール材110は封止材に相当する。なお、図16においては図の視認性を維持するために、シール材110のハッチングは省略している。図17も同様である。ケース90内にシール材110を充填した構成によれば、対向導体板20の上方に位置するシール材110(図16の110aで示す部分)が上方遮断体60として機能しうる。なお、対向導体板20の上側にシール材110が充填されている場合も、ケース天板部93は、上方遮断体60の一部として機能しうる。上方遮断体60は、対向導体板20の上方に位置するシール材110とケース天板部93とが組み合わさることによって実現されても良い。また、ケース90内にシール材110を充填した構成によれば、防水性や防塵性、耐振動性も向上させる事ができる。このような構成は、別の観点によれば、シリコン等の防水目的のシール材110が上方遮断体60を兼ねる構成に相当する。
さらに、地板10の下方に位置するシール材110(図16の110bで示す部分)は、変形例3にて言及している下方遮断体70として機能しうる。つまり、ケース90内にシール材110を充填した構成によれば、シール材110を上方遮断体60及び下方遮断体70として機能するため、防水性とアンテナ水平方向の利得向上の両方の効果を得ることができる。なお、シール材110aが充填されている場合にも、ケース底部91は、下方遮断体70の一部として機能しうる。ケース90内にシール材110を充填した構成は、地板10の下方に位置するシール材110とケース底部91の組み合わせによって下方遮断体70を実現した構成に相当する。
なお、シール材110としてはポリウレタンプレポリマーなど、ウレタン樹脂を採用することができる。もちろん、シール材110としては、その他、エポキシ樹脂やシリコン樹脂など多様な材料を採用することができる。当該変形例5として開示の構成は、変形例4と組み合わせて実施してもよい。具体的には、図16に示すアンテナ装置1のケース90は対向導体板20の縁部と当接するように形成された上側リブ931や下側リブ911を備えていても良い。
なお、一般的に回路基板100には、ICチップ等の電子部品81、82や、コネクタ等の立体構造物が存在する。また、通常、プリント板とケースの間には、それらの立体構造物がケース90と干渉しないように空間が設けられる。そのため、ケース天板部93の内側面と対向導体板20との間には離隔が生じうる。当然、ケース天板部93の内側面と対向導体板20との離隔が大きくなるほど、ケース天板部93が上方遮断体60として機能しにくくなる。
本変形例5として開示の構成は上記の課題に着眼して成されたものであって、ケース90の内部がシリコン等のシール材110で充填される事により、アンテナ水平方向の指向性を向上させることができる。なお、シール材としては、上方遮断体60の説明にて言及している通り、比誘電率が高く、かつ、誘電正接が小さいものが好ましい。例えば比誘電率が2.0以上であって、かつ、誘電正接が0.03以下であるものが好ましい。
なお、ケース90は、図17の(A)に示すようにケース底部91が省略されていても良い。また、ケース90は、図17の(B)に示すように、ケース天板部93が省略されていても良い。ケース90の上側又は下側の何れか一方が省略される場合(つまり開口部となる場合)、シール材110はアンテナ装置1が使用される環境の温度として想定される範囲(以降、使用温度範囲)において固形を維持する樹脂を用いて実現されていることが好ましい。使用温度範囲は例えば−30℃〜100℃とすることができる。
1 アンテナ装置、10 地板、20 対向導体板、30 支持部、40 短絡部、50 給電線路、60 上方遮断体(電波遮断体)、61 遮断体底部、62 直立部、70 下方遮断体、81・82 電子部品、90 ケース、91 ケース天板部、92 ケース底部、93 上側リブ(縁部当接部)、911 下側リブ(下方支持部)、100 回路基板、110 シール材(封止材)

Claims (11)

  1. 平板状の導体部材である地板(10)と、
    前記地板と所定の間隔をおいて設置された平板状の導体部材であって、給電線と電気的に接続する給電点が設けられている対向導体板(20)と、
    前記対向導体板と前記地板とを電気的に接続する短絡部(40)と、を備え、
    前記短絡部が備えるインダクタンスと、前記地板と前記対向導体板とが形成する静電容量とを用いて、所定の対象周波数で並列共振するように構成されているアンテナであって、
    前記対向導体板の上側には、導体又は誘電体を用いて構成されている、電界の伝搬を遮断するための電波遮断体(60)が配置されているアンテナ装置。
  2. 請求項1に記載のアンテナ装置であって、
    前記電波遮断体は、前記対向導体板の縁部の上側であって、前記縁部との離隔が前記対象周波数の波長の25分の1以下となるように配置されているアンテナ装置。
  3. 請求項1又は2に記載のアンテナ装置であって、
    前記電波遮断体は、前記対向導体板の上側面の縁部と当接するように配置されているアンテナ装置。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載のアンテナ装置であって、
    前記電波遮断体は、前記対向導体板の縁部から上方に直立する直立部(62)を備えていることを特徴とするアンテナ装置。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載のアンテナ装置であって、
    前記地板及び前記対向導体板は、樹脂材料を用いてなる支持板(30)に形成されており、
    前記支持板を収容する樹脂製のケース(90)を備え、
    前記ケースは、前記対向導体板の上側に位置するケース天板部(93)を備え、
    前記支持板と前記ケース天板部との離隔は、前記ケース天板部が前記電波遮断体として機能するように、前記対象周波数の波長の25分の1以下に設定されていることを特徴とするアンテナ装置。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載のアンテナ装置であって、
    前記地板及び前記対向導体板は、樹脂材料を用いてなる支持板(30)に形成されており、
    前記支持板を収容する樹脂製のケース(90)を備え、
    前記ケースは、前記対向導体板の上側に位置するケース天板部(93)を備え、
    前記ケース天板部は、前記対向導体板の縁部と当接する縁部当接部(931)を備えることを特徴とするアンテナ装置。
  7. 請求項5又は6に記載のアンテナ装置であって、
    前記ケースは、前記地板と所定の離隔をおいて対向するケース底部(91)を備え、
    前記ケース底部は、前記地板の縁部と当接する下方支持部(911)を備えることを特徴とするアンテナ装置。
  8. 請求項5から7の何れか1項に記載のアンテナ装置であって、
    前記支持板と前記ケースとの間には、封止材(110)として2.0以上の比誘電率を有する樹脂材料が充填されていることを特徴とするアンテナ装置。
  9. 請求項1から8の何れか1項に記載のアンテナ装置であって、
    前記地板は、所定方向における幅が前記対象周波数の電波の1波長以下に設定されており、
    前記対向導体板の上側には前記電波遮断体としての上方遮断体が配置されているとともに、
    前記地板の下側には、導体又は誘電体を用いて構成されている、電界の伝搬を遮断するための下方遮断体(70)が配置されているアンテナ装置。
  10. 請求項9に記載のアンテナ装置であって、
    前記地板及び前記対向導体板は、樹脂材料を用いてなる支持板(30)に形成されており、
    前記支持板を収容する樹脂製のケース(90)を備え、
    前記ケースは、前記地板と所定の離隔をおいて対向するケース底部(91)を備え、
    前記支持板と前記ケース底部との離隔は、当該ケース底部が前記下方遮断体として機能するように、前記対象周波数の波長の25分の1以下に設定されていることを特徴とするアンテナ装置。
  11. 請求項10に記載のアンテナ装置であって、
    前記ケースは、前記ケース底部の縁部から上方に向かって立設されているケース側壁部(92)を備え、
    前記ケース側壁部は、前記支持板の上面よりも高く形成されており、
    前記ケース内には、前記支持板の上面を覆うように、封止材(110)として2.0以上の比誘電率を有する樹脂材料が充填されていることを特徴とするアンテナ装置。
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