JP2015122278A - 大気圧プラズマ発生装置、医療器具および大気圧プラズマ処理方法 - Google Patents

大気圧プラズマ発生装置、医療器具および大気圧プラズマ処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高電圧印加時の異常放電の発生を抑えることができるとともに、処理効果が高く、安定放電領域が広い大気圧プラズマ処理装置、医療器具および大気圧プラズマ処理方法を提供する。
【解決手段】大気圧プラズマ発生装置は、軸方向に延びる絶縁体1を備えている。絶縁体1の内部には、プラズマ発生空間としての第1の中空部5が軸方向に延びるようにして設けられている。絶縁体1の内部に軸方向に延びるようにして設けられた第2の中空部6に軸方向に延びるようにして単電極2が配置されている。また、単電極2に交流電圧を印加するための電源4をさらに備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、大気圧プラズマ発生装置、医療器具および大気圧プラズマ処理方法に関する。
従来より、生体や樹脂フィルム等の、熱ダメージに弱い被処理対象物の表面を改質する方法として、絶縁体管の内部でグロー放電により生成したプラズマをジェット状に噴出させる、あるいは、プラズマにより生成した活性種を噴出させる方法が用いられてきた(たとえば特許文献1〜3参照)。
図5に、従来のプラズマ発生装置の一例の構成を図解する模式的な側面図を示す。図5に示す装置は、絶縁体管101の外表面の一部を取り巻くようにして単電極102が設置された構成を有している。
図5に示す装置においては、絶縁体管101の内部にガス103を導入して、高周波電圧印加装置104から電極102に高周波電圧を印加することによってプラズマ105を発生させ、これを絶縁体管101の先端からジェット状に噴出させている。
図6に、従来のプラズマ発生装置の一例の構成を図解する模式的な側面図を示す。図6に示す装置は、絶縁体管101の外表面の一部を取り巻くようにして第1の電極102aと第2の電極102bとが互いに間隔を空けて設置された構成を有している。
図6に示す装置においては、絶縁体管101の内部にガス103を導入して、高周波電圧印加装置104から第2の電極102bに高周波電圧を印加することによってプラズマ105を発生させ、これを絶縁体管101の先端からジェット状に噴出させている。
図7に、従来のプラズマ発生装置のさらに他の一例の構成を図解する模式的な平面透視図を示す。図7に示す装置は、絶縁体管101の内部の中心に棒状の第1の電極102aが挿入されており、絶縁体管101の外表面の一部を取り巻くようにして第2の電極102bが設置された構成を有している。
図7に示す装置においては、絶縁体管101の内部にガス103を導入して、高周波電圧印加装置104から第1の電極102aに高周波電圧を印加することによってプラズマ105を発生させ、これを絶縁体管101の先端からジェット状に噴出させている。
国際公開2008/072390号 特開2001−6897号公報 特開2000−282243号公報
近年、大気圧プラズマを癌細胞に直接照射することにより、癌細胞のアポトーシス(細胞死)を誘導することが発見され、これまで困難であった癌細胞の播種の治療に有効な新しい癌治療法として注目されている。
上記の新しい癌治療法における大気圧プラズマの照射方法についての要望を満たすためには、実用の観点からは、微弱なプラズマから強力なプラズマまで広範囲なプラズマを安定して発生させること、つまり安定放電領域を広く有していることが必要である。
しかしながら、図5に示す装置は、絶縁体管101の外表面に設置された単一の単電極102を有しているが、単電極102の形態上、正弦波形の交流電圧を印加しても放電しない。また、パルス波形の交流電圧を印加した場合には放電するが、極めて高い電圧を印加する必要があるため、実用的とは言い難い。
また、図6に示す装置は、絶縁体管101の外表面の同軸上に設置された高電位電極(第2の電極102b)とアース電極(第1の電極102a)とを有しているが、電極の形態上、放電開始電圧が極めて不安定であり、また、安定放電領域が極めて狭いため、実用的とは言い難い。
また、図7に示す装置は、絶縁体管101の内部の中心の高電位電極(棒状の第1の電極102a)と、絶縁体管101の外表面のアース電極(第2の電極102b)とを有しているが、高電位電極の中心軸が絶縁体管101の内部の中心軸とずれていないことが重要である。また、絶縁体管101として硬質の材料を用いた場合には、固定用のジグ等を配置することによりこれらの中心軸のずれを解消することは可能と考えられるが、絶縁体管101として樹脂チューブ等の可撓性を有する材料を用いた場合には、これらの中心軸のずれを解消することは困難であり、現実的ではない。
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、高電圧印加時の異常放電の発生を抑えることができるとともに、処理効果が高く、安定放電領域が広い大気圧プラズマ処理装置、医療器具および大気圧プラズマ処理方法を提供することにある。
本発明の第1の実施態様によれば、軸方向に延びる絶縁体を備え、絶縁体の内部には、プラズマ発生空間としての第1の中空部が前記軸方向に延びるようにして設けられており、絶縁体の内部に軸方向に延びるようにして設けられた第2の中空部に軸方向に延びるようにして単電極が配置されており、単電極に交流電圧を印加するための電源をさらに備えた大気圧プラズマ発生装置を提供することができる。
本発明の第2の実施態様によれば、本発明の第1の実施態様の大気圧プラズマ発生装置を含む医療器具を提供することができる。
本発明の第3の実施態様によれば、上記のいずれかの大気圧プラズマ発生装置を用いた大気圧プラズマ処理方法であって、第1の中空部にヘリウムを主成分とするガスを導入する工程と、単電極に交流電圧を印加することによってガスのプラズマを大気圧近傍の圧力下で発生させる工程と、プラズマを処理対象物に接触させることによって処理対象物を処理する工程とを含む大気圧プラズマ処理方法を提供することができる。
本発明によれば、高電圧印加時の異常放電の発生を抑えることができるとともに、処理効果が高く、安定放電領域が広い大気圧プラズマ処理装置、医療器具および大気圧プラズマ処理方法を提供することができる。
実施の形態1の大気圧プラズマ発生装置の模式的な断面図である。 図1のII−IIに沿った模式的な断面図である。 実施の形態2の大気圧プラズマ発生装置の模式的な断面図である。 実施の形態3の大気圧プラズマ発生装置の模式的な断面図である。 従来のプラズマ発生装置の一例の構成を図解する模式的な側面図である。 従来のプラズマ発生装置の一例の構成を図解する模式的な側面図である。 従来のプラズマ発生装置のさらに他の一例の構成を図解する模式的な平面透視図である。
以下、本発明の一例である実施の形態について説明する。なお、実施の形態の説明に用いられる図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
<実施の形態1>
[大気圧プラズマ発生装置の構成]
図1に、実施の形態1の大気圧プラズマ発生装置の模式的な断面図を示す。実施の形態1の大気圧プラズマ発生装置は、軸方向に延びる絶縁体管1を備えている。絶縁体管1の内部には、プラズマ発生空間としての第1の中空部5が軸方向に延びるようにして設けられている。また、第1の中空部5とは別に、絶縁体管1の内部に軸方向に延びるようにして設けられた第2の中空部6に単電極2が配置されている。
単電極2は、絶縁体管1の軸方向に延びるようにして第2の中空部6に設けられており、第2の中空部6において、絶縁体管1と単電極2の外表面とが接している。また、単電極2には高周波電圧印加装置4が接続されており、高周波電圧印加装置4から高電圧を印加できる構成となっている。なお、本実施の形態においては、絶縁体管1に対してアース電極は、特別、設置されていない。
図2に、図1のII−IIに沿った模式的な断面図を示す。図2に示される絶縁体管1の断面は、内部に円形状の第1の中空部5を備えるドーナツ形状となっているため、絶縁体管1は全体として円筒形状を有している。また、図2に示される単電極2の断面は、円形状となっているため、単電極2は全体として円柱形状を有している。なお、本実施の形態においては、軸方向に延びる中空の絶縁体として絶縁体管1が円筒形状である場合について説明するが、軸方向に延びる中空の絶縁体は、軸方向に垂直な断面の形状が円形または楕円形である場合に限定されず、たとえば、軸方向に垂直な断面の形状が多角形等の形状であってもよい。
[絶縁体管]
絶縁体管1としては、絶縁性の材料であれば特に限定なく用いることができ、たとえば石英のほかアルミナなどのセラミック、またはポリイミド樹脂、フッ素系樹脂若しくはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂などの樹脂を用いることができる。
なかでも、絶縁体管1としては、樹脂などの可撓性を有する材料を用いることが好ましい。この場合には、実施の形態1の大気圧プラズマ発生装置自体に可撓性を持たせることができる。また、この場合には、実施の形態1の大気圧プラズマ発生装置を内視鏡またはカテーテルと組み合わせた医療器具として用いることによって、実施の形態1の大気圧プラズマ発生装置を人間の体内の湾曲した消化器官の内部に挿入して、胃や腸などの患部まで到達させることができる。そして、実施の形態1の大気圧プラズマ発生装置から大気圧プラズマを発生させて人間の体内の患部に照射することによって、当該患部の治療が可能となる。さらに、実施の形態1の大気圧プラズマ発生装置をたとえばカテーテルなどの医療器具の一部として用いることもできる。この場合にも、人間の体内に挿入して、人間の体内の患部まで実施の形態1の大気圧プラズマ発生装置を到達させ、大気圧プラズマを発生させて人間の体内の患部に照射することによって、当該患部の治療が可能となる。
[単電極]
単電極2は、導電性の材料であれば特に限定なく用いることができ、たとえば、ステンレス、銅、タングステン、アルミニウム、モリブデン、チタンおよび鉛からなる群から選択された少なくとも1種を含む金属、酸化インジウム・スズ、酸化亜鉛などの電気導電性酸化物、窒化チタン等の電気導電性窒化物、PEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン))などの電気導電性高分子またはカーボン系電気導電性材料などを用いることができる。
また、上記においては、単電極2が円柱形状である場合について説明したが、単電極2の形状はこれに限定されず、たとえば、スパイラル状、棒状、中空状、短冊状または網目状であってもよい。単電極2がスパイラル状である場合には、スパイラル状に巻かれる導電線の太さは特に限定されず、単電極2に可撓性を持たせる観点からは、導電線の太さは0.5mm以下であることが好ましく、0.04mm以下であることがより好ましい。
また、単電極2の軸方向の長さは、絶縁体管1の軸方向の長さと同一とは限らず、絶縁体管1の先端(ガス3の下流側の絶縁体管1の先端)からたとえば数mm〜数cm程度短くなっていてもよい。単電極2の軸方向の長さを変えることにより、大気圧プラズマの照射強度を調整することができる。
[高周波電圧印加装置]
高周波電圧印加装置4としては、たとえば、従来から公知の高周波電源などを用いることができる。なお、本実施の形態においては、単電極2に交流電圧を印加するための電源として高周波電圧印加装置4を用いる場合について説明したが、これに限定されず、単電極2に低周波電圧を印加する低周波電源を用いてもよい。なお、高周波は10kHz以上の周波数を意味しており、低周波は10kHz未満の周波数を意味している。
[大気圧プラズマ発生装置の製造方法]
実施の形態1の大気圧プラズマ発生装置は、たとえば以下のようにして製造することができる。まず、開口径の大きさが異なる2つの第1の中空部5と第2の中空部6とを内部に有する絶縁体からなる絶縁体管1と、一方向に延びる導電線からなる単電極2とを準備する。次に、絶縁体管1の開口径が小さい方の第2の中空部6に単電極2を挿入する。その後、たとえば絶縁体管1の後述するガスが流れる方向の上流側において、高周波電圧印加装置4を単電極2に接続する。これにより、実施の形態1の大気圧プラズマ発生装置を製造することができる。
[大気圧プラズマ処理方法]
以下、実施の形態1の大気圧プラズマ発生装置を用いた大気圧プラズマ処理方法の一例について説明する。まず、図1および図2に示す実施の形態1の大気圧プラズマ発生装置を準備する。次に、図1に示すように、実施の形態1の大気圧プラズマ発生装置の絶縁体管1の第1の中空部5内にガス3を導入する。
ここで、絶縁体管1の第1の中空部5内に導入されるガス3は、大気圧プラズマ処理に応じて適宜設定することができるが、異常放電の発生を抑制する観点からは、ヘリウムを主成分(ガス3全体の体積流量の60%以上を占める)とするガスを用いることが好ましい。ヘリウムを主成分とするガスとしては、ヘリウムのみからなるガスを用いてもよく、ヘリウムを主成分とし、ヘリウム以外のガス(たとえば、アルゴン、酸素および窒素からなる群から選択された少なくとも1種を含むガス)を副成分とするガスを用いてもよい。
次に、高周波電圧印加装置4から単電極2に高周波電圧を印加することによって、絶縁体管1の第1の中空部5内に導入されたガス3のプラズマを大気圧近傍の圧力下で発生させる。
絶縁体管1の第1の中空部5内で発生するプラズマは、大気圧近傍の圧力下で発生させられる大気圧プラズマである。なお、本明細書において、「大気圧近傍の圧力」は、絶縁体管1の第1の中空部5内の圧力が60000Pa以上210000Pa以下の範囲の圧力であることを意味する。
また、単電極2に高電圧を印加する場合の印加電圧は、大気圧プラズマ処理効果を高める観点からは、6.8kV以上であることが好ましく、7.5kV以上であることがより好ましく、9.8kV以上であることがさらに好ましい。また、異常放電の発生を抑える観点からは、単電極2に高電圧を印加する場合の印加電圧は、11.5kV以下であることが好ましい。
また、単電極2に高周波電圧が印加される場合の高周波電圧の周波数は、たとえば1kHz以上30MHz以下とすることができる。
次に、上述のようにして発生させた大気圧プラズマは、ガス3の下流側の絶縁体管1の先端から放出される。そして、絶縁体管1の先端から放出されたプラズマを処理対象物に照射して接触させることによって、実施の形態1の大気圧プラズマ発生装置を用いた大気圧プラズマ処理が行なわれる。なお、処理対象物は、特に限定されず、たとえばポリエステル(PET)フィルムなどの樹脂フィルムのような工業用部材であってもよく、がん細胞などの生体の患部であってもよい。
[作用効果]
実施の形態1の大気圧プラズマ発生装置においては、理由は不明であるが、高周波電圧印加装置4から単電極2に高電圧を印加した場合においても、従来と比べて異常放電の発生を抑えることができ、広い放電領域で安定放電を維持することができる。そのため、実施の形態1の大気圧プラズマ発生装置によれば、高電圧印加時の異常放電の発生を抑えることができるとともに、高電圧を印加することによってプラズマによる処理対象物への処理効果を高くすることができ、安定放電領域を広く有するものとすることができる。
また、実施の形態1の大気圧プラズマ発生装置は、絶縁体管1の外径を約1mm程度にまで細くすることが可能である。そのため、絶縁体管1の最小許容曲げ半径(使用可能な最小の曲げ半径で、絶縁体管1の中心軸までの距離)を5mm程度にすることができ、実施の形態1の大気圧プラズマ発生装置に非常に高い可撓性を持たせることが可能である。
単電極2がプラズマ発生空間に存在する場合には、プラズマが単電極2に接触することにより単電極2から生じるパーティクルによって処理対象物が汚染される懸念があるが、実施の形態1の大気圧プラズマ発生装置においては、単電極2の設置箇所と、プロセスガスであるガス3が導入される第1の中空部5の設置箇所とが、絶縁体管1を構成する絶縁体1によって分け隔てられていることから、処理対象物への汚染を懸念する必要がない。
<実施の形態2>
図3に、実施の形態2の大気圧プラズマ発生装置の模式的な断面図を示す。実施の形態2の大気圧プラズマ発生装置は、第2の中空部6において、絶縁体管1と単電極2の外表面とが接していないことを特徴としている。
実施の形態2の大気圧プラズマ発生装置においても、単電極2の設置箇所と、プロセスガスであるガス3が導入される第1の中空部5の設置箇所とが、絶縁体管1を構成する絶縁体1によって分け隔てられていることから、処理対象物への汚染を懸念する必要がない。
また、実施の形態2の大気圧プラズマ発生装置においては、単電極2の周囲に空間が存在しているため、単電極2の脱着が容易となるという効果も得られる。
実施の形態2における上記以外の説明は実施の形態1と同様であるため、ここではその説明については省略する。
<実施の形態3>
図4に、実施の形態3の大気圧プラズマ発生装置の模式的な断面図を示す。実施の形態3の大気圧プラズマ発生装置は、第1の中空部5および第2の中空部6に加えて、絶縁体管1の内部に絶縁体管1の軸方向に延在する第3の中空部7をさらに備えているとともに第2の中空部6に配置されている単電極2が中空であることを特徴としている。
実施の形態3の大気圧プラズマ発生装置においては、第1の中空部5をプラズマ発生空間とし、第2の中空部6を単電極2の設置部とし、第3の中空部7をたとえば各種センサ等の設置部とすることができる。なお、単電極2としては、実施の形態1および実施の形態2と同様の中空ではない単電極を用いてもよく、第2の中空部6において絶縁体管1と単電極2の外表面とは接していてもよく、接していなくてもよい。
実施の形態3における上記以外の説明は実施の形態1および実施の形態2と同様であるため、ここではその説明については省略する。
<実施例1>
まず、中央に開口径が2mmの中空部を有するとともに、その隣に開口径が0.5mmの中空部を有するラテックスチューブと、一方向に延びる金属線とを準備した。次に、図1および図2に示すように、ラテックスチューブからなる絶縁体管1の開口径が0.5mmの中空部に金属線を挿入し、これを単電極2とした。次に、絶縁体管1のガス3が流れる方向の上流側において、高周波電圧印加装置4を単電極2に接続した。これにより、実施例1の大気圧プラズマ発生装置を作製した。
そして、実施例1の大気圧プラズマ発生装置の絶縁体管1の第1の中空部5内にヘリウムのみからなるガス3を2L(リットル)/min(分)の流量で導入した。そして、高周波電圧印加装置4から単電極2に9kVの大きさの交流電圧を周波数40kHzで20秒間印加した。これにより、絶縁体管1の内部のガス3の流れる方向の下流側の先端付近に、大気圧近傍の圧力下で、ヘリウムガスからなるガス3の大気圧プラズマを発生させた。
次に、絶縁体管1の先端から噴出した大気圧プラズマを短冊状に切り取ったPETフィルムの表面に20秒間接触させることによって、PETフィルムの表面(未処理時の水接触角63.3°)の大気圧プラズマ処理を行なった。ここで、絶縁体管1の先端とPETフィルムの表面との間の距離は5mmとした。
そして、大気圧プラズマ処理後のPETフィルムの表面の水接触角を測定した。その結果を表1に示す。表1に示すように、実施例1の大気圧プラズマ発生装置を用いた大気圧プラズマ処理後のPETフィルムの表面(未処理時の水接触角63.3°)の水接触角は48.9°であった。
なお、実施例1の大気圧プラズマ発生装置においては、高周波電圧印加装置4から単電極2への電圧の大きさを大きくした場合にも異常放電を発生させずに安定的な放電が可能であった。なお、高周波電圧印加装置4から単電極2に印加される電圧を、10kV、11kVおよび12kVとしたときの大気圧プラズマ処理を行なった後のPETフィルムの表面の水接触角は、それぞれ、表1に示すように、45.9°、44.1°および42.7°であった。
Figure 2015122278
<比較例1>
中央に開口径が2mmの中空部を有するとともに、その隣に開口径が0.5mmの中空部を有するラテックスチューブからなる絶縁体管1の外表面にアルミニウムテープを巻き付けて、アルミニウムテープを単電極2としたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の大気圧プラズマ発生装置を作製した。
そして、比較例1の大気圧プラズマ発生装置の単電極2に交流電圧を印加して、実施例1と同一の条件でプラズマを発生させることを試みたが、放電しなかった。また、単電極2に印加される交流電圧の大きさを20kVまで上昇させても放電しなかった。
<比較例2>
中央に開口径が2mmの中空部を有するとともに、その隣に開口径が0.5mmの中空部を有するラテックスチューブからなる絶縁体管1の外表面の2箇所に互いに間隔を空けてアルミニウムテープを巻き付け、ガス3が流れる方向の上流側のアルミニウムテープをアース電極とし、下流側のアルミニウムテープを高電位電極としたこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の大気圧プラズマ発生装置を作製した。
そして、比較例2の大気圧プラズマ発生装置の単電極2に交流電圧を印加して、実施例1と同一の条件でプラズマを発生させることを試みたところ、放電開始電圧が10.5kV〜12.2kVと安定しなかった。また、単電極2に印加される交流電圧の大きさを12.5kVまで上昇したところ、異常放電が発生した。
<評価>
上記の実験結果から明らかなように、実施例1の大気圧プラズマ発生装置は、比較例1および比較例2の大気圧プラズマ発生装置と比べて、高電圧印加時の異常放電の発生を抑えることができるとともに、PETフィルムの表面処理効果を高くすることができ、安定放電領域を広くすることができることが確認された。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および各実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、大気圧プラズマ発生装置および大気圧プラズマ処理方法に利用することができ、特に大気圧プラズマ発生装置が可撓性を有している場合には、内視鏡またはカテーテルと組み合わせることによってプラズマ照射によるがん細胞のアポトーシスを誘因する誘起させる医療器具などに利用することができる可能性がある。さらに、本発明の大気圧プラズマ発生装置をたとえばカテーテルなどの医療器具の一部として用いることもできる。
1 絶縁体管、2 単電極、3 ガス、4 高周波電圧印加装置、5 第1の中空部、6 第2の中空部、7 第3の中空部、101 絶縁体管、102 単電極、102a 第1の電極、102b 第2の電極、103 ガス、104 高周波電圧印加装置、105 プラズマ(活性種)。

Claims (8)

  1. 軸方向に延びる絶縁体を備え、
    前記絶縁体の内部には、プラズマ発生空間としての第1の中空部が前記軸方向に延びるようにして設けられており、
    前記絶縁体の内部に前記軸方向に延びるようにして設けられた第2の中空部に前記軸方向に延びるようにして単電極が配置されており、
    前記単電極に交流電圧を印加するための電源をさらに備えた、大気圧プラズマ発生装置。
  2. 前記絶縁体と前記単電極の外表面とが接している、請求項1に記載の大気圧プラズマ発生装置。
  3. 前記単電極は、スパイラル状、棒状、中空状、短冊状または網目状である、請求項1または請求項2に記載の大気圧プラズマ発生装置。
  4. 前記絶縁体の内部に前記軸方向に延びるようにして第3の中空部がさらに設けられている、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の大気圧プラズマ発生装置。
  5. 前記第1の中空部にガスを導入するためのガス導入装置をさらに備えた、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の大気圧プラズマ発生装置。
  6. 前記絶縁体が可撓性を有する、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の大気圧プラズマ発生装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の大気圧プラズマ発生装置を含む、医療器具。
  8. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の大気圧プラズマ発生装置を用いた大気圧プラズマ処理方法であって、
    前記第1の中空部にヘリウムを主成分とするガスを導入する工程と、
    前記単電極に交流電圧を印加することによって前記ガスのプラズマを大気圧近傍の圧力下で発生させる工程と、
    前記プラズマを処理対象物に接触させることによって前記処理対象物を処理する工程と、を含む、大気圧プラズマ処理方法。
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