JP2015121246A - 管継手 - Google Patents

Abstract

【課題】 継手本体に、パイプＡを外挿する内筒部１４と、パイプ厚に対応する間隙を設けて前記内筒部の外周に配置した外筒部（外筒体２）とを備えると共に、前記内筒部の所定位置外周面に先奥二列に設けた装着溝内にリングパッキン３，３ｂを装着し、奥方端にＲ状鍔部４１を設けたガイド筒体４を内筒部１４に外挿し、内周に該抜止突片部を設けた抜止リング板５を、外筒部の端面箇所に、外筒部に装着する筒状キャップ体６で保持してなる管継手において、多少パイプＡを斜めに差し込んだとしてもガイド筒体４でリングパッキン３ａ，３ｂを傷つけないようにする。
【解決手段】 ガイド筒体４が先方リングパッキン３ａを覆うと共に、先端Ｒ状鍔部４１を奥方リングパッキン３ｂに乗り上げ、ガイド筒体４の先方端部が内筒部１４に設けた微小段差１４３に係合させてなる。
【選択図】図３

Description

本発明は、主として給水給湯配管に使用する管継手に関するものである。

給水給湯配管に合成樹脂管（架橋ポリエチレン管やポリブテン管）が採用され、配管作業の簡素化を図るために、合成樹脂管（以下「パイプ」という）を差し込むのみで接続連結する所謂ワンタッチ継手が知られている。

ワンタッチ継手の基本的構成の一つとして、継手本体にリングパッキンを外周面に付設してパイプを外挿する内筒部と、前記内筒部の外周側にパイプ厚間隙を保って配置した外筒部とを備え、パイプを内外筒部の間に挿入し、前記内筒部とパイプ間の水封をリングパッキンで確保してなり、またパイプ抜け止め機構も備えているものである。

特にパイプの先端部分は、刃物でパイプを切断しているために、そのままパイプを内管部に外装すると、パイプ先端でリングパッキンを傷つけてしまい水封を確保できない恐れがある。

このため従前ではパイプの挿入に伴ってリングパッキンを加圧するガイド部材が設けられている。ガイド部材の例としては、特許文献１に樹脂製テーパーリング体の採用が開示されており、特許文献２の図７には先端（装着時奥方側）に鍔部を設けたガイド筒体（スライド筒）が開示されている。

特開２００４−２３２６９２号公報。 特開２００５−１６３９７４号公報。

ガイド部材とした樹脂製リング体を採用した場合、内筒部に密外挿されないと抜け出たり或いはガタツキが生じてしまうので、リング体の背側端面にＶ溝を設けて直径方向に対する弾力性を付与しているためにその製造が煩瑣であり、且つコストアップの原因となる。

金属製ガイド筒体を採用する場合には、樹脂製リング体を採用するよりも製造コストの低廉化を実現することができるが、金属製ガイド筒体は、絞り加工による製造のため先端側（鍔部形成側）が僅かに径大のラッパ状であり、このため内筒部に装着されたガイド筒体には僅かにガタがある。またパイプの切断作業も手作業であるために、切断端が僅かな斜め切断となる場合が多い。

前記の形態が採用されている結果、パイプの外挿作業時に当該作業が手作業であり、パイプが継手の管軸方向に正確に挿入されず内外筒部間に僅かでも斜めに差し込まれると、パイプ先端が偏った状態でガイド筒体と接触して押し込むことになり、リングパッキンを損傷してしまうという問題が生ずる。特にパイプ挿入端が斜めになっていた場合には顕著に表れる問題である。

そこで本発明は、多少パイプを斜めに差し込んだとしても、ガイド筒体でリングパッキンを傷つけない新規な管継手を提案したものである。

本発明の請求項１記載に係る管継手は、継手本体にパイプを外挿する内筒部と、パイプ厚に対応する間隙を設けて前記内筒部の外周に配置した外筒部とを備えると共に、前記内筒部の所定位置外周面に先奥二列に設けた装着溝内にリングパッキンを装着し、奥方端にＲ状鍔部を設けたガイド筒体を内筒部に外挿し、内周に該抜止突片部を設けた抜止リング板を、外筒部の端面箇所に、外筒部に装着する筒状キャップ体で保持してなる管継手において、ガイド筒体が先方リングパッキンを覆うと共に、先端Ｒ状鍔部を奥方リングパッキンに乗り上げ、ガイド筒体の先方端部が内筒部に設けた微小段差に係合してなることを特徴とするものである。

而して前記管継手に対しパイプ（合成樹脂製給水給湯管）を筒状キャップ体の開口端から差し入れ内筒部に外挿するもので、前記外挿に際してパイプの先端でガイド筒体のＲ状鍔部を押し込み、ガイド筒体をリングパッキンの奥方に位置させて、内筒部とパイプ間をリングパッキンで水封し、且つ抜止リング板でパイプの引抜が阻止され、パイプのワンタッチでの挿入装着を実現しているものである。

特に本発明は、前記のパイプの挿入装着に際して、ガイド筒体が先方リングパッキンを覆って先方リングパッキンの反発力を受けており、更に奥方のＲ状鍔部が奥方リングパッキンに乗り上げることでも先方リングパッキンの反発力を受け、先方及び奥方の二か所での反発力と、ガイド筒体の先方端部の微小段差の係合で、ガイド筒体がガタツキ無く確りと内筒部に止着しているので、パイプ先端がガイド筒体に接触してもガイド筒体が傾くことなく、正常位置のまま押し込まれることになる。

また本発明の請求項２記載に係る管継手は、外筒部開口端から内筒部を突出させて、微小段差を外筒部開口端から奥方位置に形成し、前記内筒部の前記微小段差より前方にパイプ安定挿入に必要な長さのパイプ挿入部を設けると共に、パイプ挿入部の先方を径小に絞った開口端部を設けてなるものである。

前記の管継手においては、パイプの挿入装着に際して、パイプを管軸方向から僅かに傾斜して挿入したとしても、内筒部のパイプ挿入部を所定の長さに形成しているために、パイプ先端がガイド筒体に達する前に正確に管軸方向となり、ガイド筒体に対して傾斜方向の力が加わらずに、正常位置のまま押し込まれることになる。

また本発明の請求項３記載に係る管継手は、更にキャップ体の先部を外筒部内径と一致させると共に、内筒部のパイプ挿入部と対面する範囲をパイプ挿入受け部に形成し、開口端に面取り様のガイド部を設けてなるもので、パイプが斜め方向に差し込まれたとしても、パイプ挿入受け部に当接して管軸方向に自然に修正され、パイプ先端がガイド筒体に達する前に正確に管軸方向となる。

本発明の構成は上記のとおりで、ガイド筒体の組み込み位置を所定の奥方とすることでガイド筒体が安定し、パイプの挿入装着に際してガイド筒体の移動が正常状態でなされ、ガイド筒体でリングパッキンを傷つけることがなく、前記ガイド筒体より開口方向に所定のパイプ安定挿入長さを備えたパイプ挿入部を設けることで、ガイド筒体の正常移動を更に確実なものとしたものである。

本発明の全体斜視図。 同継手本体（外筒部を除く金属製本体）の正面図（一部断面図）。 同パイプ挿入装着の説明図（装着前）。 同図（装着途中）。 同図（装着後）。

次に本発明の実施形態について説明する。実施形態に示した管継手は、継手本体を構成する金属製本体１及び外筒体（外筒部）２と、２個のリングパッキン３ａ，３ｂと、ガイド筒体４と、抜止リング板５と、筒状キャップ体６の各部材で構成される。

金属製本体１は、金属製で中央にナット状頭部１１を設け、一方に外周にネジを刻設した接続部１２を設け、他方に外筒体装着部１３と、内筒部１４を連続して設けたものである。

外筒体装着部１３は、内筒部１４側に係止突出条１５を設けて、外筒体２の圧入で連結される構造としたものである。

内筒部１４は、後述するとおりパイプ（合成樹脂製給水給湯管）Ａとの連結に充分な長さを備え、且つパイプＡの内径に対応した外径に形成したもので、ガイド筒体４の全長以上に距離を備えた奥方部１４１と、先奥二列に設けたリングパッキン装着溝１４２と、装溝の先方に設けた微小段差１４３と、前記微小段差１４３から先方に設けたパイプ挿入部１４４と、パイプ挿入部１４４の先方を径小に絞った開口端部１４５とを設けたものである。

尚前記のパイプ挿入部１４４は、パイプＡを安定に挿入できるのに必要な長さ、即ち挿入装着に際してパイプＡが確実に管軸方向となるのに十分な長さで、具体的には、パイプＡの内径が１２．８ｍｍφで６．３ｍｍ程度、１６．２ｍｍφで７ｍｍ程度である。

外筒体２は、全体が透明樹脂或いは非透明樹脂で、基部２１に外筒体装着部１３へ圧入されて係止突出条１５に嵌め殺し状態で係合するための係止突部２２を設け、先部外周に筒状キャップ体６を嵌め殺し装着するための係合段差部２３を設け、基部２１を外筒体装着部１３に圧入係合して金属製本体１と一体化し、継手本体を構成するものである。そして外筒体装着部１３に装着して内筒部１４の基端側にパイプＡの厚さと対応した間隙を形成する。

尚金属製本体１に替えて樹脂製本体を採用することもでき、その場合は外筒体２を一体成型で形成することが可能であり、外筒体装着部１３及び係止突出条１５は不要となる。

リングパッキン３ａ，３ｂは所謂ＯリングやＤリングで、奥方及び先方に二列に設けたリングパッキン装着溝１４２に嵌合装着してなるものである。

ガイド筒体４は、金属筒体で奥方端にＲ状鍔部４１を設けたもので、筒状本体部４２は、内筒部１４に密外挿するものであるが、Ｒ状鍔部４１の塑性加工（プレス加工）で製出する関係上、僅かなラッパ状に形成されており、内筒部１４に圧入して装着するものである。特に前記の装着は筒状本体部４２で先方リングパッキン３ａを覆うと共に、先端Ｒ状鍔部４１を奥方リングパッキン３ｂに乗り上げ、同時にガイド筒体の先方端部（開口側）が内筒部１４に設けた微小段差１４３に係合する。

抜止リング板５は、所定の弾性を備えた薄金属板で形成したもので、外筒体２の先端面に対応するリング板部５１の内周箇所に、内方に傾斜突出した係止突片部５２を周設したものである。

筒状キャップ体６は、係合段差部２３に嵌め殺し装着するもので、前記装着に際して抜止リング板５を、外筒体２の端面箇所に抜け止めリング板５が自由に円周方向に回動できるように保持してなるもので、前記保持箇所より先方は、外筒体２の内径と一致させると共に、内筒部１４のパイプ挿入部１４４と対面するパイプ挿入受け部６１に形成し、且つ開口端をＲ状に形成して面取り様のガイド部６２を設けたものである。

尚内筒部１４の開口端部１４５と面取りガイド部６２を必ずしも一致させなくとも良く、面取りガイド部６２の端面位置が開口端部１４５の端面位置よりも１〜３ｍｍ程度突出させて、内筒部１４の先端を保護するようにする。また筒状キャップ体６の外筒部２への装着を前記の嵌め殺し装着に替えて、螺合装着を採用しても良い。

而して前記管継手は、パイプＡを筒状キャップ体の開口端（面取りガイド部６２）から差し入れて内筒部１４に外挿する。前記の外挿は、パイプＡの先端がガイド筒体４のＲ状鍔部４２に衝突し、これを更にガイド筒体４を内筒部１４の奥方部１４１まで押し込むもので、ガイド筒体４が前記奥方部１４１に位置すると、内筒部１４とパイプＡの間にリングパッキン３ａ，３ｂが介在して水封が実現し、抜止リング板５によってパイプＡの引抜が阻止され、結果的にパイプＡのワンタッチ装着がなされるものである。

特に前記のパイプＡの挿入装着作業が手作業であるために、パイプＡが管継手の管軸方向に正確に挿入されるとは限らないが、本発明においては、パイプＡが開口端部１４５とガイド部６２によって広く開口した箇所にパイプＡが差し入れられ、多少斜め方向に挿入されたとしても、パイプＡの外周面がパイプ挿入受け部６１と当接して傾斜挿入が矯正され、また内筒部１４のパイプ挿入部１４４への外挿入でも傾斜挿入が矯正され、パイプＡの先端がガイド筒体４に達する前にパイプＡは正確に管軸方向に矯正される。

またガイド筒体４の筒状本体部４２が先方リングパッキン３ａを覆い、且つＲ状鍔部４１が奥方リングパッキン３ｂに乗り上げてリングパッキン３ａ，３ｂの反発力を受けた状態で、ガタツキ無く止着しているので、仮にパイプＡの先端がガイド筒体４の位置に達した際に、ガイド筒体４に対して傾斜力を加えることがあったとしても、ガイド筒体４は傾斜することなく正常状態で押し込まれ、ガイド筒体４でリングパッキン３ａ，３ｂを傷つけることなく、確実な水封が行われるものである。

１ 金属製本体
１１ ナット状頭部
１２ 接続部
１３ 外筒体装着部
１４ 内筒部
１４１ 奥方部
１４２ リングパッキン装着溝
１４３ 微小段差
１４４ パイプ挿入部
１４５ 開口端部
１５ 係止突出条
２ 外筒体（外筒部）
２１ 基部
２２ 係止突部
２３ 係合段差部
３ａ 先方リングパッキン
３ｂ 奥方リングパッキン
４ ガイド筒体
４１ Ｒ状鍔部
４２ 筒状本体
５ 抜止リング板
５１ リング板部
５２ 係止突片部
６ 筒状キャップ体
６１ パイプ挿入受け部
６２ ガイド部

Claims (3)

1. 継手本体に、パイプを外挿する内筒部と、パイプ厚に対応する間隙を設けて前記内筒部の外周に配置した外筒部とを備えると共に、前記内筒部の所定位置外周面に先奥二列に設けた装着溝内にリングパッキンを装着し、奥方端にＲ状鍔部を設けたガイド筒体を内筒部に外挿し、内周に該抜止突片部を設けた抜止リング板を、外筒部の端面箇所に、外筒部に装着する筒状キャップ体で保持してなる管継手において、ガイド筒体が先方リングパッキンを覆うと共に、先端Ｒ状鍔部を奥方リングパッキンに乗り上げ、ガイド筒体の先方端部が内筒部に設けた微小段差に係合してなることを特徴とする管継手。
2. 外筒部開口端から内筒部を突出させて、微小段差を外筒部開口端から奥方位置に形成し、前記内筒部の前記微小段差より先方に、パイプ安定挿入に必要な長さのパイプ挿入部を設けると共に、パイプ挿入部の先方を径小に絞った開口端部を設けてなる請求項１記載の管継手。
3. 筒状キャップ体の先部を外筒部内径と一致させると共に、内筒部のパイプ挿入部と対面する範囲をパイプ挿入受け部に形成し、開口端に面取り様のガイド部を設けてなる請求項２記載の管継手。

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