JP2015120285A - インク供給機構及びインク供給方法、液滴吐出装置 - Google Patents

インク供給機構及びインク供給方法、液滴吐出装置 Download PDF

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【課題】インクを無駄なく安定的に液滴吐出ヘッドに供給可能なインク供給機構及びインク供給方法、液滴吐出装置を提供すること。【解決手段】インク供給機構80は、インクが貯留されるインクタンク81と、フィルター82と、液滴吐出ヘッド50に対するインクの水頭圧を制御可能な開放型の第1サブタンク85と、フィルター82と第1サブタンク85との間に設けられた第2サブタンク84と、フィルター82と第1サブタンク85との間において、フィルター82側に設けられた第1の開閉バルブ95と、第2サブタンク84側に設けられた第2の開閉バルブ97と、第1サブタンク85側に設けられた第3の開閉バルブ98と、インクタンク81に接続された第1圧力調整機構91と、第2サブタンク84に接続された第2圧力調整機構92と、を備え、第2サブタンク84の容量は、フィルター82の容量よりも大きいことを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、液滴吐出ヘッドへインクを供給するインク供給機構及びインク供給方法、液滴吐出装置に関する。
インクジェットプリンターなどの液滴吐出装置は、インクをノズルから液滴として吐出する液滴吐出ヘッドと、液滴吐出ヘッドにインクを供給するインク供給機構とを備えている。液滴吐出ヘッドのノズルからインクを安定的に吐出するために、インク中に含まれる異物や気泡などを除去するため例えばフィルターがインク供給機構に含まれている。フィルターは目詰まりの程度によって交換が必要となるが、フィルターの内部にはインクが含まれているので、フィルターの取り扱いが課題となることがある。
例えば、特許文献1には、インク保持容器と、インク保持容器中のインクをフィルターを介して記録ノズルに供給する供給手段とを備え、フィルターの1次側とインク保持容器の上部空気溜り部とを開閉手段を介して連通させ、フィルターの2次側と記録ノズルとの間のインク供給経路からインクを吸引して、インク保持容器に回収するインクジェット記録装置のインク循環ユニットが開示されている。
上記特許文献1のインク循環ユニットによれば、手や装置内部をインクで汚すことなく、フィルター内のインク廃棄、充填作業ができるので、保守性が向上するとしている。
特開平5−261936号公報
上記特許文献1に記載のインクジェット記録装置を工業的な用途で用いる場合、インクに含まれる微小な異物をフィルターを用いて除去しようとすると、インク供給時のフィルターによる圧損がフィルターの孔径を小さくするほど大きくなり、記録ノズルへのインクの供給が不安定になるという課題がある。フィルターの圧損を減らすには、フィルターの容量を大きくする方法が考えられるが、フィルター交換時にフィルター内から排除するインクの量が増えてしまう。したがって、フィルター内から排除したインクを有効に再利用できるようにすることが求められる。
上記特許文献1のインク循環ユニットでは、フィルターの2次側と記録ノズルとの間のインク供給経路から吸引して回収したインクをインク保持容器に戻しているので、一旦フィルターで濾過されたインクに再び微小な異物が混ざってしまうという課題もある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るインク供給機構は、液滴吐出ヘッドにインクを供給するためのインク供給機構であって、インクが貯留されるインクタンクと、前記インクタンクと前記液滴吐出ヘッドとの間に設けられたフィルターと、前記フィルターと前記液滴吐出ヘッドとの間に設けられ、前記液滴吐出ヘッドに対するインクの水頭圧を制御可能な開放型の第1サブタンクと、前記フィルターと前記第1サブタンクとの間に設けられた第2サブタンクと、前記フィルターと前記第1サブタンクとの間において前記フィルター側に設けられた第1の開閉バルブと、前記フィルターと前記第1サブタンクとの間において前記第2サブタンク側に設けられた第2の開閉バルブと、前記フィルターと前記第1サブタンクとの間において前記第1サブタンク側に設けられた第3の開閉バルブと、前記インクタンクに接続され、前記インクタンク内の圧力を制御可能な第1圧力調整機構と、前記第2サブタンクに接続され、前記第2サブタンク内の圧力を制御可能な第2圧力調整機構と、を備え、前記第2サブタンクの容量は、前記フィルターの容量よりも大きいことを特徴とする。
本適用例によれば、第2の開閉バルブを閉じて、第1の開閉バルブ及び第3の開閉バルブを開き、第1圧力調整機構によってインクタンク内の圧力を上昇させれば、インクタンク内の貯留されたインクをフィルターで濾過した後に、水頭圧の調整が可能な第1サブタンクを経由して液滴吐出ヘッドに安定的に供給できる。
そして、フィルターの交換が必要なときには、第3の開閉バルブを閉じて、第1の開閉バルブ及び第2の開閉バルブを開き、第2圧力調整機構により第2サブタンク内の圧力を減圧すれば、フィルター内に充填されたインクをすべて第2サブタンクに回収することができる。さらに、フィルターを交換中に、第1の開閉バルブを閉じて、第2の開閉バルブ及び第3の開閉バルブを開いて、第2サブタンクに回収されたインクを第1サブタンクを経由して液滴吐出ヘッドに供給することができる。
すなわち、フィルターの交換時において、フィルターに充填されたインクを廃棄することなく利用可能であると共にインクの供給を停止する時間が削減され、液滴吐出ヘッドにインクを安定して供給可能なインク供給機構を提供できる。
上記適用例に記載のインク供給機構において、前記第1サブタンクの容量は、前記インクタンクの容量よりも小さいことが好ましい。
この構成によれば、第1サブタンクにおける水頭圧の管理の精度を向上させることができる。すなわち、水頭圧の変動によって液滴吐出ヘッドから吐出されるインクの吐出量が変動することを抑制できる。
上記適用例に記載のインク供給機構において、前記第1サブタンクの容量は、前記インクタンクの容量よりも小さく、前記第2サブタンクの容量は、前記フィルターの容量に前記第1サブタンクの容量を加えた値よりも大きいとしてもよい。
この構成によれば、インク供給機構全体のメンテナンスが必要な例えばインクの種類を変えるときなどに、フィルターに充填されたインクだけでなく、第1サブタンクに充填されたインクも第2サブタンクに回収して有効に利用することができる。
上記適用例に記載のインク供給機構において、前記第2サブタンクの底面積は、前記第1サブタンクの底面積よりも大きいことが好ましい。
この構成によれば、第1サブタンクと第2サブタンクとにおけるインクの液位が例えば同じであっても、第2サブタンクにおける水頭圧を第1サブタンクにおける水頭圧より小さくすることができる。つまり、液滴吐出ヘッドへのインク供給に対する第2サブタンクにおける水頭圧の影響を小さくすることができる。
上記適用例に記載のインク供給機構において、前記第1サブタンクには、前記第1サブタンク内のインクの液位を検出する圧力センサーが取り付けられていることが好ましい。
この構成によれば、インクの液位を圧力センサーで検出するので、光学式センサーで液位を検出する場合に比べて、インクが光の影響を受け難い。言い換えれば、外光などによって変質したり劣化したりするインクも水頭圧を管理して供給することができる。
上記適用例に記載のインク供給機構において、前記第1サブタンクと前記液滴吐出ヘッドとの間に圧力調整弁を備えることが好ましい。
この構成によれば、圧力調整弁によりインクの水頭圧の管理を精度よく行えるので、液滴吐出ヘッドに対してインクを過不足なく安定して供給することができる。
上記適用例に記載のインク供給機構において、前記フィルターと前記第1サブタンクとを繋ぐ第1のインク供給経路は、前記第1サブタンクと前記第2サブタンクとを繋ぐ第2のインク供給経路の途中に着脱可能に接続されていることが好ましい。
この構成によれば、第2のインク供給経路に対して第1のインク供給経路を切り離しても、第2サブタンクから第1サブタンクにインクを供給することができる。つまり、インクタンクとフィルターとを同時に交換するメンテナンスを液滴吐出ヘッドへのインクの供給を停止せずに実施することができる。
上記適用例に記載のインク供給機構において、前記第1のインク供給経路の途中に気泡検出装置が設けられていることが好ましい。
この構成によれば、第1のインク供給経路から第1サブタンクを経由して液滴吐出ヘッドに送り込まれるインク中の気泡を監視することができる。気泡が所定の水準よりも多いときには、例えば第1圧力調整機構を用いてインクタンクを減圧したり、また第2圧力調整機構を用いて第2サブタンクを減圧することで、それぞれのタンクの中のインクに対して脱気処理を施すことができる。
[適用例]本適用例に係るインク供給方法は、液滴吐出ヘッドにインクを供給するためのインク供給方法であって、インクが貯留されるインクタンクと、前記インクタンクと前記液滴吐出ヘッドとの間に設けられたフィルターと、前記フィルターと前記液滴吐出ヘッドとの間に設けられ、前記液滴吐出ヘッドに対するインクの水頭圧を制御可能な開放型の第1サブタンクと、前記第1サブタンクと前記フィルターとの間に設けられた第2サブタンクと、を備え、前記第2サブタンクの容量が前記フィルターの容量よりも大きいインク供給機構を用い、前記インクタンクから前記第1サブタンクを経由して前記液滴吐出ヘッドにインクを供給し、前記フィルターを交換するときは、前記フィルター内のインクを前記第2サブタンクに回収し、前記フィルターを交換している期間は、前記第2サブタンクに回収されたインクを前記第1サブタンクを経由して前記液滴吐出ヘッドに供給することを特徴とする。
本適用例によれば、フィルターの交換時において、フィルターに充填されたインクを廃棄することなく利用可能であると共にインクの供給を停止する時間が削減され、液滴吐出ヘッドにインクを安定且つ効率的に供給可能なインク供給方法を提供できる。
上記適用例に記載のインク供給方法において、前記インクタンクのインクを前記フィルターで濾過して前記第2サブタンクへ充填するステップを有し、前記インクタンクを交換するときは、前記第2サブタンクへ充填されたインクを前記第1サブタンクを経由して前記液滴吐出ヘッドに供給することが好ましい。
この方法によれば、インクタンクの交換時において、インクの供給を停止する時間が削減され、液滴吐出ヘッドにフィルターで濾過したインクを効率的に供給可能なインク供給方法を提供できる。
[適用例]本適用例に係る液滴吐出装置は、液滴吐出ヘッドと、上記適用例に記載のインク供給機構と、を備えたことを特徴とする。
本適用例によれば、インクの無駄を省いて液滴吐出ヘッドに安定且つ効率的にインクが供給されるので、高い生産性を有する液滴吐出装置を実現できる。
上記適用例に記載の液滴吐出装置において、複数の前記液滴吐出ヘッドが搭載されたキャリッジを有し、前記キャリッジには、前記インク供給機構のうち前記第1サブタンクが配置されていることが好ましい。
この構成によれば、キャリッジを交換することで、液滴吐出ヘッドだけでなく第1サブタンクのメンテナンスをインクを無駄にすることなく同時に行うことができる液滴吐出装置を提供できる。
液滴吐出装置の構成を示す概略斜視図。 (a)は液滴吐出ヘッドの構成を示す概略斜視図、(b)は液滴吐出ヘッドにおける加圧部の構造を示す概略斜視図、(c)は液滴吐出ヘッドのノズルを含む構造を示す概略断面図。 ヘッドユニットにおける液滴吐出ヘッドの配置を示す概略平面図。 液滴吐出装置における制御系を示すブロック図。 インク供給機構の構成を示す概略図。 キャリッジにおける第1サブタンクと圧力調整弁の配置を示す概略斜視図。 第1サブタンクの詳細を示す断面図。 通常時における液滴吐出ヘッドへのインク供給方法を説明する図。 第2サブタンクにインクを充填するステップを説明する図。 インクタンクの交換時における液滴吐出ヘッドへのインク供給方法を説明する図。 フィルター交換時における液滴吐出ヘッドへのインク供給方法を説明する図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
<液滴吐出装置>
まず、本実施形態のインク供給機構を備えた液滴吐出装置について、図1〜図4を参照して説明する。図1は液滴吐出装置の構成を示す概略斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の液滴吐出装置10は、複数のノズルを有する液滴吐出ヘッド50(図2(a)参照)から機能性材料を含む液体(インク)を、被吐出物である例えば平板状のワークWに吐出する装置である。液滴吐出装置10は、ワークWを主走査方向(Y軸方向)に移動させるワーク移動機構20と、キャリッジ8を主走査方向に直交する副走査方向(X軸方向)に移動させるキャリッジ移動機構30とを備えている。液滴吐出ヘッド50はキャリッジ8のヘッドユニット9に搭載されている。
ワーク移動機構20は、一対のガイドレール21と、一対のガイドレール21に沿って移動する移動台22と、移動台22上に回転機構6を介して配設されたワークWを載置するステージ5とを備えている。
移動台22は、ガイドレール21の内部に設けられたエアスライダーとリニアモーター(図示省略)により主走査方向(Y軸方向)に移動する。移動台22には、タイミング信号生成部としてのエンコーダー12(図4参照)が設けられている。
エンコーダー12は、移動台22の主走査方向(Y軸方向)への相対移動に伴って、ガイドレール21に並設されたリニアスケール(図示省略)の目盛を読み取って、タイミング信号としてのエンコーダーパルスを生成する。なお、エンコーダー12の配設は、これに限らず、例えば、移動台22を回転軸に沿って主走査方向(Y軸方向)に相対移動するように構成し、回転軸を回転させる駆動部を設けた場合には、エンコーダー12を駆動部に設けてもよい。駆動部としては、サーボモーターなどが挙げられる。
ステージ5はワークWを吸着固定可能であると共に、回転機構6によってワークW内の基準軸を正確に主走査方向(Y軸方向)、副走査方向(X軸方向)に合わせることが可能となっている。
また、ワークW上において液体(インク)が吐出される吐出領域(膜形成領域とも呼ぶ)の配置に応じて、ワークWを例えば90度旋回させることも可能である。
キャリッジ移動機構30は、一対のガイドレール31と、一対のガイドレール31に沿って移動する移動台32とを備えている。移動台32には、回転機構7を介して吊設されたキャリッジ8が設けられている。
キャリッジ8には、複数の液滴吐出ヘッド50(図2参照)がヘッドプレート9aに搭載されたヘッドユニット9が取り付けられている。
また、キャリッジ8には、液滴吐出ヘッド50に液体(インク)を供給するためのインク供給機構80(図4参照)の一部と、複数の液滴吐出ヘッド50の電気的な駆動制御を行うためのヘッドドライバー72(図4参照)とが設けられている。
移動台32がキャリッジ8を副走査方向(X軸方向)に移動させてヘッドユニット9をワークWに対して対向配置する。
液滴吐出装置10は、上記構成の他にも、ヘッドユニット9に搭載された複数の液滴吐出ヘッド50のメンテナンスを行うメンテナンス機構を備えている。メンテナンス機構としては、ノズルの目詰まりを解消させる吸引装置110(図4参照)、ノズル面の異物や汚れの除去を行うワイピング装置(図示省略)が挙げられる。
また、液滴吐出装置10は、メンテナンス機構として、液滴吐出ヘッド50のノズルから吐出された液体(インク)を受けて、吐出された液体(インク)の重量を計測する重量測定装置(図示省略)や、吐出された液体(インク)の着弾状態を観察できる観察装置(図示省略)を備えていてもよい。そして、これらの構成を統括的に制御する制御部40を備えている。なお、図1では、上記メンテナンス機構を図示していない。
図2(a)は液滴吐出ヘッドの構成を示す概略斜視図、図2(b)は液滴吐出ヘッドにおける加圧部の構造を示す概略斜視図、図2(c)は液滴吐出ヘッドのノズルを含む構造を示す概略断面図である。
図2(a)に示すように、液滴吐出ヘッド50は、所謂2連のものであり、2連の接続針52を有する液体(インク)の導入部51と、導入部51に積層されたヘッド基板53と、ヘッド基板53上に配置され内部に液体(インク)のヘッド内流路が形成されたヘッド本体54とを備えている。接続針52は、前述したインク供給機構80に配管を経由して接続され、液体(インク)をヘッド内流路に供給する。ヘッド基板53には、フレキシブルフラットケーブル(図示省略)を介してヘッドドライバー72(図4参照)に接続される2連のコネクター57が設けられている。
ヘッド本体54は、駆動手段(アクチュエーター)としての圧電素子で構成された加圧室を有する加圧部55と、ノズル面58pに2つのノズル列58a,58bが相互に平行に形成されたノズルプレート56とを有している。
2つのノズル列58a,58bは、それぞれ複数(例えば180個)のノズル58がピッチP1でほぼ等間隔に並べられており、互いにピッチP1の半分のピッチP2ずれた状態でノズル面58pに配設されている。本実施形態において、ピッチP1は、例えばおよそ141μmである。よって、2つのノズル列58a,58bにより構成されるノズル列58cに直交する方向から見ると360個のノズル58がおよそ70.5μmのノズルピッチで配列した状態となっている。また、ノズル58の径は、およそ27μmである。
図2(b)に示すように、液滴吐出ヘッド50は、複数のノズル58が形成されたノズルプレート56と、振動板62と、ノズルプレート56と振動板62との間に挟まれたキャビティプレート61とを有している。
加圧部55を構成するキャビティプレート61には、複数のノズル58をそれぞれ仕切る隔壁部67と、液体(インク)が貯留されるキャビティ65とが形成されている。ノズルプレート56と振動板62との間で隔壁部67によってノズル58ごとに仕切られた空間が加圧室68となる。各隔壁部67には加圧室68とキャビティ65とを連通させるオリフィス(溝)66が形成されている。振動板62には、キャビティ65に通ずる液体供給口63が設けられている。液体供給口63は図2(a)に示した接続針52と繋がっており、液体(インク)をキャビティ65と各加圧室68とに充填することができる。また、振動板62には、各加圧室68に対応して圧電素子69が設けられている。このようなキャビティプレート61の構成は、2つのノズル列58a,58bのそれぞれに対応して形成されている。具体的には、2つのノズル列58a,58bに対応する各加圧室68が、キャビティ65を挟んで配列している。
図2(c)に示すように、液滴吐出ヘッド50は、ヘッドドライバー72から電気信号としての駆動信号が圧電素子69に印加されると振動板62が変形し、隔壁部67で仕切られた加圧室68の体積変動が起こる。加圧室68の体積変動によるポンプ作用で加圧室68に充填された液体(インク)が加圧され、ノズル58から液体(インク)を液滴Dとして吐出することができる。ノズルプレート56のノズル面58pには、ノズル面58pが傷つくことを保護すると共に液体(インク)がノズル面58pに付着することを防ぐ撥液処理が施された保護層56aが形成されている。
液滴吐出ヘッド50においてノズル58ごとに設けられる駆動手段(アクチュエーター)は、圧電素子69に限らない。アクチュエーターとしての振動板62を静電吸着により変位させる電気機械変換素子や、液体(インク)を加熱してノズル58から液滴Dとして吐出させる電気熱変換素子でもよい。
このような液滴吐出ヘッド50を用いて、ノズル58から液滴DをワークWの膜形成領域に着弾させて固化し、膜形成領域に液体(インク)に含まれる機能性材料からなる薄膜を形成する方法は、液滴吐出法(インクジェット法)と呼ばれている。液滴吐出法では、膜形成領域に所定量の液体(インク)を液滴Dとして安定的に塗布する必要がある。すなわち、1滴の吐出量が常に安定した状態で液滴Dが吐出されることが求められる。液滴Dの吐出量を安定させる要因の1つとして、ノズル58における液体(インク)のメニスカスの形成状態が安定していることが挙げられる。このメニスカスは、加圧室68に充填された液体(インク)に加わる圧力(水頭圧)の影響を受ける。詳しくは後述するが、本実施形態におけるインク供給機構80は、液滴吐出ヘッド50に対して適正な水頭圧で液体(インク)を供給可能な構成となっている。また、インク供給機構80は、液体(インク)が貯留されるインクタンク81や液体(インク)中の異物を濾過するフィルター82(図5参照)を備えており、インクタンク81やフィルター82の交換時にも液滴吐出ヘッド50に液体(インク)を供給可能であると共に、液体(インク)が無駄に消費されることを低減できる構成となっている。
図3はヘッドユニットにおける液滴吐出ヘッドの配置を示す概略平面図である。詳しくは、ワークWに対向する側から見た図である。
図3に示すように、ヘッドユニット9は、複数の液滴吐出ヘッド50が配設されるヘッドプレート9aを備えている。本実施形態では、ヘッドプレート9aに12個の液滴吐出ヘッド50が搭載されている。各液滴吐出ヘッド50は、ノズル列58cが副走査方向(X方向)に沿うように配置されている。また、主走査方向に等間隔で配置された6個の液滴吐出ヘッド50を1つのヘッド群として、2つのヘッド群が副走査方向(X方向)に並列して配置されている。各ヘッド群において、6個の液滴吐出ヘッド50は、互いに副走査方向(X方向)にずれた状態で配置されている。具体的には、2つのヘッド群に分けて配置された12個の液滴吐出ヘッド50に対して、図3に示すように、符号H1〜符号H12を与える。そうすると、主走査方向から見たときに、液滴吐出ヘッドH1のノズル列58c、液滴吐出ヘッドH7のノズル列58c、液滴吐出ヘッドH2のノズル列58c、液滴吐出ヘッドH8のノズル列58cが所定のノズルピッチで連続するようにヘッドプレート9aに配置されている。より具体的には、1つの液滴吐出ヘッド50によって描画可能な描画幅をL0とし、これをノズル列58cの有効長とすると、主走査方向(Y方向)において隣り合う液滴吐出ヘッド50は、該有効長の1/3の長さで副走査方向(X方向)にずれて配置されている。ノズル列58cは、前述したように、それぞれに180個のノズル58を有する2つのノズル列58a,58bからなる。したがって、有効長は360個のノズル58によって描画可能な描画幅L0である。なお、有効長は、360個のノズル58によるものに限定されず、ノズル列58cの両端側に位置するいくつかのノズル58を省いて描画可能な描画幅であるとしてもよい。他の4つの液滴吐出ヘッドH3,H4,H9,H10及び4つの液滴吐出ヘッドH5,H6,H11,H12の配置についても、主走査方向から見たときに、ノズル列58cのうち有効な部分が所定のノズルピッチで連続するようにヘッドプレート9aに配置されている。
このようなヘッドプレート9aにおける複数(12個)の液滴吐出ヘッド50の配置によれば、描画幅L0の4倍の長さの描画幅L1で、最大3種の異なる液体(インク)を吐出可能な構成となっている。
なお、液滴吐出ヘッド50に設けられるノズル列58cは、2連に限らず、1連でもよい。また、ヘッドユニット9における液滴吐出ヘッド50の配置は、これに限定されるものではない。
次に液滴吐出装置10の制御系について図4を参照して説明する。図4は液滴吐出装置における制御系を示すブロック図である。図4に示すように、液滴吐出装置10の制御系は、ワーク移動機構20、キャリッジ移動機構30、液滴吐出ヘッド50、インク供給機構80、吸引装置110などのメンテナンス機構を駆動する各種ドライバーを有する駆動部70と、駆動部70を含め液滴吐出装置10を統括的に制御する制御部40とを備えている。
駆動部70は、ワーク移動機構20及びキャリッジ移動機構30の各リニアモーターをそれぞれ駆動制御する移動用ドライバー71と、液滴吐出ヘッド50を駆動制御するヘッドドライバー72と、インク供給機構80を駆動制御するインク供給用ドライバー73と、メンテナンス機構を駆動制御するメンテナンス用ドライバー74とを備えている。
制御部40は、CPU41と、ROM42と、RAM43と、P−CON44とを備え、これらは互いにバス45を介して接続されている。P−CON44には、上位コンピューター11が接続されている。ROM42は、CPU41で処理する制御プログラムなどを記憶する制御プログラム領域と、描画動作や液滴吐出ヘッド50へのインク供給、液滴吐出ヘッド50のメンテナンス処理などを行うための制御データなどを記憶する制御データ領域とを有している。
RAM43は、ワークWに描画を行うための描画データを記憶する描画データ記憶部、ワークW及び液滴吐出ヘッド50(実際には、ノズル列58c)の位置データを記憶する位置データ記憶部などの各種記憶部を有し、制御処理のための各種作業領域として使用される。P−CON44には、駆動部70の各種ドライバーなどが接続されており、CPU41の機能を補うと共に、周辺回路とのインタフェース信号を取り扱うための論理回路が構成されて組み込まれている。このため、P−CON44は、上位コンピューター11からの各種指令などをそのままあるいは加工してバス45に取り込むと共に、CPU41と連動して、CPU41などからバス45に出力されたデータや制御信号を、そのままあるいは加工して駆動部70に出力する。
そして、CPU41は、ROM42内の制御プログラムに従って、P−CON44を介して各種検出信号、各種指令、各種データなどを入力し、RAM43内の各種データなどを処理した後、P−CON44を介して駆動部70などに各種の制御信号を出力することにより、液滴吐出装置10全体を制御している。例えば、CPU41は、液滴吐出ヘッド50、ワーク移動機構20及びキャリッジ移動機構30を制御して、キャリッジ8(ヘッドユニット9)とワークWとを対向配置させる。そして、キャリッジ8(ヘッドユニット9)とワークWとの相対移動に同期して、ヘッドユニット9に搭載された各液滴吐出ヘッド50の複数のノズル58からワークWに液体(インク)を液滴Dとして吐出するようにヘッドドライバー72に制御信号を送出する。本実施形態では、Y軸方向へのワークWの移動に同期して液体(インク)を吐出することを主走査と呼び、主走査に対してX軸方向にキャリッジ8を移動させることを副走査と呼ぶ。本実施形態の液滴吐出装置10は、主走査と副走査とを組み合わせて複数回繰り返すことにより液体(インク)をワークWに吐出することができる。主走査は、液滴吐出ヘッド50に対して一方向へのワークWの移動に限らず、ワークWを往復させて行うこともできる。
エンコーダー12は、ヘッドドライバー72に電気的に接続され、主走査に伴ってエンコーダーパルスを生成する。主走査では、所定の移動速度で移動台22を移動させるので、エンコーダーパルスが周期的に発生する。
例えば、主走査における移動台22の移動速度を200mm/sec、液滴吐出ヘッド50を駆動する駆動周波数(言い換えれば、連続して液滴Dを吐出する場合の吐出タイミング)を20kHzとすると、主走査方向における液滴Dの吐出分解能は、移動速度を駆動周波数で除することにより得られるので、10μmとなる。すなわち、10μmのピッチで液滴DをワークW上に配置することが可能である。実際の液滴Dの吐出タイミングは、周期的に発生するエンコーダーパルスをカウントして生成されるラッチ信号に基づいている。
上位コンピューター11は、制御プログラムや制御データなどの制御情報を液滴吐出装置10に送出する。また、ワークW上の膜形成領域ごとに所定量の液体(インク)を液滴Dとして配置する吐出制御データとしての配置情報を生成する配置情報生成部の機能を有している。配置情報は、膜形成領域における液滴Dの吐出位置(言い換えれば、ワークWとノズル58との相対位置)、液滴Dの配置数(言い換えれば、ノズル58ごとの吐出数)、主走査における複数のノズル58のON/OFFすなわちノズル58の選択/非選択、吐出タイミングなどの情報を、例えば、ビットマップとして表したものである。上位コンピューター11は、上記配置情報を生成するだけでなく、RAM43に一旦格納された上記配置情報を修正することも可能である。
また、上位コンピューター11は、ROM42に格納されたインク供給用プログラムに基づいて、インク供給機構80から液滴吐出ヘッド50に液体(インク)を供給する。詳しいインク供給方法については、後述する。
また、上位コンピューター11は、ROM42に格納されたメンテナンス用プログラムに基づいて、液滴吐出ヘッド50を吸引装置110に対向する位置に配置させ、吸引装置110を駆動して、液滴吐出ヘッド50の複数のノズル58から液滴吐出ヘッド50に充填された液体(インク)を吸引させる。これにより、複数のノズル58(ノズル列58c)の目詰まりを解消させることができる。以降、液滴吐出ヘッド50に供給される機能性材料を含む液体をインクとして呼ぶこととする。
<インク供給機構>
次に、本実施形態のインク供給機構について、図5〜図7を参照して説明する。図5はインク供給機構の構成を示す概略図である。なお、図5には、便宜上、液滴吐出ヘッド50と吸引装置110とを含めてインク供給機構80を表している。
図5に示すように、本実施形態のインク供給機構80は、インクが貯留されるインクタンク81と、インクタンク81と液滴吐出ヘッド50との間に設けられたフィルター82と、フィルター82と液滴吐出ヘッド50との間に設けられ、液滴吐出ヘッド50に対するインクの水頭圧を制御可能な開放型の第1サブタンク85と、フィルター82と第1サブタンク85との間に設けられた第2サブタンク84と、を備えている。
インク供給機構80を用いたインク供給方法の詳細については後述するが、基本的には、インクタンク81に貯留されたインクをフィルター82で濾過した後に、第1サブタンク85を経由して液滴吐出ヘッド50に供給するものである。
フィルター82と第1サブタンク85との間のインク供給経路88aには、フィルター82側に設けられた第1の開閉バルブ95と、気泡検出装置83とが設けられている。第1サブタンク85と第2サブタンク84との間のインク供給経路88bには、第2サブタンク84側に第2の開閉バルブ97と、第1サブタンク85側に第3の開閉バルブ98が設けられている。第1サブタンク85と液滴吐出ヘッド50との間のインク供給経路88cには、第1サブタンク85側に第4の開閉バルブ99と、液滴吐出ヘッド50側に圧力調整弁87とが設けられている。これらのインク供給経路88a,88b,88cを総称して説明する場合は、インク供給経路88とする。
なお、インク供給経路88aが本発明における第1のインク供給経路に相当し、インク供給経路88bが本発明における第2のインク供給経路に相当するものである。
フィルター82は、例えばメンブレン方式やカプセル方式のフィルターを採用することができ、インクタンク81と第1の開閉バルブ95との間で着脱可能となるように、接続部93,94を介して接続されている。また、フィルター82に接続部94を介して繋がれたインク供給経路88aは、インク供給経路88bの第2の開閉バルブ97と第3の開閉バルブ98との間において着脱可能となるように、接続部96を介して接続されている。これらの接続部93,94,96は、着脱時に外気がそれぞれのインク供給経路88a,88bに侵入しないように、例えば両路開閉型のカプラが用いられている。両路開閉型のカプラは、接続時には両路が連通し、切り離すと両路がそれぞれ閉じられる構成となっている。また、インク供給経路88aに気泡検出装置83を設けることにより、濾過後のインク中に気泡が含まれているか否かを検出したり、インク供給経路88aの着脱時に気泡が侵入したか否かも検出することができる。気泡検出装置83の方式は特に限定されるものではないが、本実施形態では、光によるインクの変質や劣化を考慮して、光学式の気泡検出ではなく、マイクロ波による気泡検出が採用されている。具体的には、インク供給経路88aにマイクロ波を照射し、その反射波を検出することで、インクに気泡が含まれいる場合と含まれていない場合とを判別可能となっている。
インクタンク81には、インクタンク81内の圧力を制御可能な第1圧力調整機構91が取り付けられている。第1圧力調整機構91は、例えばインクタンク81内に気体を送り込んで加圧するポンプである。インクタンク81と第1サブタンク85との間のインク供給経路88aにはフィルター82が設けられているので、インクをフィルター82で濾過するときの圧損を考慮してインクを供給できる第1圧力調整機構91の能力が求められる。なお、インクタンク81はステンレスなどのリジットな鋼材を用いて形成してもよいし、リジットなタンク内に可撓性のインクパックが収納されるカートリッジ形式としてもよい。
第2サブタンク84には、第2サブタンク84内の圧力を制御可能な第2圧力調整機構92が取り付けられている。第2圧力調整機構92は、例えば第2サブタンク84内に気体を送り込んで加圧したり、第2サブタンク84内の気体を吸引して減圧したりするポンプである。これにより、第2サブタンク84内を加圧して第2サブタンク84の中のインクをインク供給経路88bに送り出すことや、第2サブタンク84内を減圧してインク供給経路88bからインクを第2サブタンク84に充填することもできる構成となっている。
第2サブタンク84はステンレスなどの鋼材を用いて形成され、第2サブタンク84の容量は、少なくともフィルター82の容量よりも大きい。本実施形態では、第2サブタンク84の容量は、フィルター82の容量に第1サブタンク85の容量を加えた値よりも大きくなっている。
第1サブタンク85は、大気に連通した開放型であり、インク供給経路88bを経由して注入されたインクを一時的に貯留する。第1サブタンク85には、圧力センサー86が取り付けられており、第1サブタンク85内のインクの液位を液圧として圧力センサー86で検出することができる。第1サブタンク85内のインクの液位を検出することで、第1サブタンク85からインク供給経路88cを経由して液滴吐出ヘッド50に供給されるインクの水頭圧を制御することができる構成となっている。加えて、第1サブタンク85と液滴吐出ヘッド50との間に圧力調整弁87が設けられている。圧力調整弁87は、例えばダイヤフラム方式の自己封止バルブである。圧力調整弁87を設けることで、上記インクの水頭圧と、液滴吐出ヘッド50のキャビティ65の負圧状態とに応じて、過不足なく液滴吐出ヘッド50にインクを供給できる。第1サブタンク85の詳しい構成については後述するが、第1サブタンク85は長手方向が鉛直方向に沿うように配置される。また、第1サブタンク85の底面積は第2サブタンク84の底面積よりも小さい、言い換えれば、第2サブタンク84の底面積は第1サブタンク85の底面積よりも大きい。これにより、第1サブタンク85は第2サブタンク84におけるインクの水頭圧の影響を受け難くなっている。
ここで、図5を参照して、吸引装置110について説明する。
吸引装置110は、液滴吐出ヘッド50のノズル面58pを封止(キャッピング)して、ノズル58から液滴吐出ヘッド50内のインクや気泡を吸引することにより、ノズル58の目詰まりなどを回復させる装置である。吸引装置110は、ノズル面58pを封止するキャップ111と、吸引したインクを回収する回収タンク112と、回収タンク112内の圧力を負圧にすることができる負圧手段113とを備えている。負圧手段113は例えばロータリーポンプなどを採用することができる。キャップ111は、ゴムなどの弾性部材からなる当接部材がノズル面58pにおける複数のノズル58を周回するように配置された受け皿状になっている。キャップ111と回収タンク112との間に開閉バルブ114が設けられている。
このような吸引装置110は、ノズル面58pを封止して吸引する動作だけでなく、ノズル面58pを封止せずに液滴吐出ヘッド50の複数のノズル58から予備的に吐出されたインクを受ける動作も可能である。吸引装置110は、液滴吐出ヘッド50ごとに設けられていてもよいし、キャリッジ8に搭載された複数の液滴吐出ヘッド50に対応して設けられていてもよい。
次に、図6を参照してキャリッジ8とインク供給機構80との関係について説明する。図6は、キャリッジにおける第1サブタンクと圧力調整弁の配置を示す概略斜視図である。
図6に示すように、第1サブタンク85、圧力調整弁87はキャリッジ8に取り付けられている。第1サブタンク85に付随する圧力センサー86や第4の開閉バルブ99もまたキャリッジ8に取り付けられている。
第4の開閉バルブ99を介して第1サブタンク85と圧力調整弁87とを繋ぐインク供給経路88c、圧力調整弁87と液滴吐出ヘッド50とを繋ぐインク供給経路88dはいずれも可撓性の例えばポリエチレンテレフタレートなどのチューブが用いられている。また、本実施形態では、インクとして例えば有機エレクトロルミネッセンス材料を含むものや、紫外線硬化型のインクを用いた場合でも、インクが変質したり、劣化するなどの不具合が生じないように、遮光性を有するチューブが用いられている。
本実施形態では、1つの圧力調整弁87に対して4つの液滴吐出ヘッド50がインク供給経路88dを介して繋がれている。これは、前述したように、ヘッドユニット9のヘッドプレート9aには12個の液滴吐出ヘッド50が搭載されており、4つの液滴吐出ヘッド50を1組として描画幅L1でインクを吐出可能な構成となっているからである(図3参照)。言い換えれば、図6は、キャリッジ8に搭載された複数の液滴吐出ヘッド50に対してインクを種類ごとに供給できる構成を示している。したがって、図6には図示していないが、実際には、12個の液滴吐出ヘッド50に対してインクを供給するため、キャリッジ8には3つの第1サブタンク85と、3つの圧力調整弁87とが取り付けられている。
3つの第1サブタンク85のそれぞれに異なる種類のインクが注入されていてもよいし、同じ種類のインクが注入されていてもよい。また、3つの第1サブタンク85のうち1つの第1サブタンク85に他と異なるインクを注入することもできる。
次に、図7を参照して、第1サブタンク85の詳しい構成を説明する。図7は第1サブタンクの詳細を示す断面図である。
図7に示すように、第1サブタンク85は、耐食性に優れ且つ遮光性を有する例えばステンレスなどからなる管状の容器である。第1サブタンク85は、長手方向が鉛直方向に向くように、前述したキャリッジ8に取り付けられている。第1サブタンク85の一方の端(図中の上方端)に気体流入口85dが設けられ大気に開放されている。第1サブタンク85の一方の端側の側面にインク流入口85aが設けられている。
第1サブタンク85の他方の端(図中の下方端)には、インク排出口85bを有する取付金具85cが接続されている。取付金具85cの側面に圧力センサー86が取り付けられている。圧力センサー86は、受圧面が第1サブタンク85の長手方向に沿うように取付金具85cに取り付けられている。インク排出口85bにはインク供給経路88cと第4の開閉バルブ99とが接続されている。
圧力センサー86は、第1サブタンク85に注入されたインク1の液位に応じた液圧に対応する電気信号を出力する。とりわけ、ほぼ満杯に近い第1の液位LL1に対応する第1の信号と、第1の液位LL1よりも低い第2の液位LL2に対応する第2の信号とを制御部40によって検知可能となっている。つまり、第1の液位LL1と第2の液位LL2との間で、第1サブタンク85の液位すなわち水頭圧が管理される。
本実施形態では、第1サブタンク85の内径は例えば16mmであり、第1サブタンク85の長さは例えば250mmである。ゆえに、第1サブタンク85の容積は、およそ50cm3である。したがって、第1サブタンク85に例えば1cm3のインクが注入されると液位が5mm上昇することになる。本実施形態では、第1の液位LL1と第2の液位LL2との差ΔLLは、10mmである。つまり、2cm3に相当するインク量の範囲で水頭圧が管理されている。
本実施形態における第1サブタンク85の内側の底面積は2cm2である。前述したように、第2サブタンク84の容量は、フィルター82の容量に第1サブタンク85の容量(50cm3)を加えた値よりも大きい。且つ、第2サブタンク84の内側の底面積は、第1サブタンク85の上記底面積(2cm2)よりも大きく設定されている。
第1サブタンク85の容量は、1つの第1サブタンク85に繋がる液滴吐出ヘッド50の数と、主走査によって当該液滴吐出ヘッド50から吐出されるインク量を考慮して決められている。本実施形態では、1つのワークWに対して1種のインクを吐出する場合に4つの液滴吐出ヘッド50から吐出されるインク量が、第1サブタンク85の第1の液位LL1と第2の液位LL2との差ΔLLをわずかに上回るように設定されている。複数のワークWに対して1種のインクを吐出する場合のインク量に対応するように、差ΔLLを設定することも可能ではあるが、そうするとインクの水頭圧の差が大きくなり、前述したようにノズル58内のメニスカスの形状がばらついて、液滴Dにおける安定した吐出量を実現することが困難になるおそれがある。
第1サブタンク85の容量は、上述したように50cm3となっており、主走査時に液滴吐出ヘッド50への供給が必要なインク量と、水頭圧の管理水準とを考慮して設定されており、インク1が貯留されるインクタンク81の容量よりも相当に小さい。本実施形態におけるインクタンク81の容量はおよそ700cm3、第2サブタンク84の容量はおよそ1000cm3であり、フィルター82の容量はおよそ100cm3である。
可撓性のインク供給経路88cに繋がれた第4の開閉バルブ99は、鉛直方向において、第1サブタンク85のインク流入口85aとインク排出口85bとの間の高さで、第2の液位LL2よりも低い場所に位置するように、第1サブタンク85に対して配置される。これにより、第4の開閉バルブ99をインク排出口85bよりも下方に配置する場合に比べて、インク1中に気泡が含まれていたとしても、気泡が第4の開閉バルブ99を通過して液滴吐出ヘッド50に送られ難くなる。
第1サブタンク85に注入されたインク1の液位を正確に圧力センサー86によって検出するには、インク供給機構80を有する液滴吐出装置10が設置された地球上の場所に応じて、圧力センサー86のキャリブレーションが必要となる。液滴吐出装置10の設置場所を移動させた場合には、その都度キャリブレーションが必要と考えられる。また、第1サブタンク85に注入されるインク1の種類によってもキャリブレーションが必要と考えられる。
圧力センサー86のキャリブレーションの方法としては、例えば、第4の開閉バルブ99を閉じ、インク流入口85aから第1サブタンク85にインク1を注入して、インク1が気体流入口85dから溢れるまで満杯とする。このときの圧力センサー86の受圧面の中心から気体流入口85dまでの距離を実測し、そのときに圧力センサー86が感知した液圧に相当する電気信号をキャリブレーション用の信号とする。このキャリブレーション用の信号レベルに基づいて、前述した第1の液位LL1に相当する第1の信号と第2の液位LL2に相当する第2の信号のそれぞれのレベルを設定する方法が挙げられる。
このようなインク供給機構80は、前述したように、制御部40とインク供給用ドライバー73とにより電気的に制御されている。具体的には、インク供給機構80の圧力センサー86、第1圧力調整機構91、第2圧力調整機構92、各開閉バルブ95,97,98,99は電気的に制御部40に接続されている。これにより、制御部40は、インクタンク81に貯留されたインク1を安定的に液滴吐出ヘッド50に供給させると共に、インクタンク81の交換時やフィルター82の交換時に液滴吐出ヘッド50へのインク1の供給を停止させることがないように制御できる。また、これらの交換時を含むメンテナンス時にインク1が無駄に消費されないように制御することができる。以降、詳しいインク供給方法について説明する。
<インク供給方法>
本実施形態のインク供給機構80を用いたインク供給方法について、図8〜図11を参照して説明する。図8は通常時における液滴吐出ヘッドへのインク供給方法を説明する図、図9は第2サブタンクにインクを充填するステップを説明する図、図10はインクタンクの交換時における液滴吐出ヘッドへのインク供給方法を説明する図、図11はフィルター交換時における液滴吐出ヘッドへのインク供給方法を説明する図である。
通常時(液滴吐出装置10によりワークWに対して液滴吐出ヘッド50からインク1を吐出する主走査を行うとき)に制御部40は、第2の開閉バルブ97を閉じ、第1の開閉バルブ95、第3の開閉バルブ98、第4の開閉バルブ99を開ける。そして、第1圧力調整機構91によりインクタンク81を加圧して、図8に示すように、インクタンク81のインク1がフィルター82で濾過され、インク供給経路88a,88bを経由して第1サブタンク85に注入される。前述したように、第1サブタンク85におけるインク1の液位は圧力センサー86によって検出され、制御部40が第1の液位LL1に相当する第1の信号を検知すると、第1サブタンク85へのインク1の注入が停止される。また、制御部40が第2の液位LL2に相当する第2の信号を検知すると、第1サブタンク85へのインク1の注入が行われる。液滴吐出ヘッド50には、第1サブタンク85におけるインク1の液位(水頭圧)と、液滴吐出ヘッド50のキャビティ65の負圧状態とに応じて、圧力調整弁87を介してインク1が供給される。
また、ワークWに対してインク1を吐出する主走査が終了すると、制御部40は第4の開閉バルブ99を閉じ、圧力センサー86からの出力に応じて、第1サブタンク85における液位が第1の液位LL1となるようにインク1を補充する。
また、主走査が行われていないときに、制御部40は、第3の開閉バルブ98と第4の開閉バルブ99とを閉じ、第1圧力調整機構91によりインクタンク81を加圧して、図9に示すように、フィルター82で濾過したインク1を、インク供給経路88a,88bを経由して第2サブタンク84に充填する。第2サブタンク84へのインク1の充填量は、インクタンク81に所定の圧力を与えてインク1をフィルター82で濾過したときに、単位時間あたりに濾過されるインク1の量から、インクタンク81の加圧時間を管理すれば求められる。
制御部40は、圧力センサー86の出力を検知することにより、第1サブタンク85へのインク1の注入中に所定の時間が経過しても液位の変動が認められないと判定したときに、インクタンク81がほぼ空であると判定する。
制御部40は、インクタンク81がほぼ空であると判定すると、第1の開閉バルブ95を閉じ、第2の開閉バルブ97及び第3の開閉バルブ98を開ける。そして、図10に示すように、第2圧力調整機構92により第2サブタンク84を加圧して、第2サブタンク84に充填されたインク1をインク供給経路88bを経由して第1サブタンク85へ注入する。第1サブタンク85の液位は圧力センサー86で検出されているので、第2サブタンク84から第1サブタンク85へのインク1の注入・停止を制御部40が制御できる。
第2サブタンク84から第1サブタンク85へインク1を供給可能な期間に、接続部93を外せば、液滴吐出ヘッド50へのインク1の供給を止めることなく、インクタンク81を交換することができる。また、接続部96を外せば、フィルター82、気泡検出装置83を含むインク供給経路88aのメンテナンスをインク1の供給を止めることなく行える。
加えて、インクタンク81の交換後、インク供給経路88aを再びインク供給経路88bに接続してインクタンク81からインク1を供給したときに、もしもインク1中に気泡が含まれていると気泡検出装置83が検出した場合には、制御部40は、第3の開閉バルブ98を閉じて第2の開閉バルブ97を開け、気泡が含まれるインク1を第2サブタンク84へ充填することができる。第2サブタンク84には、前述したように第2圧力調整機構92が設けられているので、第2の開閉バルブ97を閉じて第2サブタンク84を減圧すれば、第2サブタンク84の中のインク1を脱気することも可能である。つまり、第2サブタンク84と第2圧力調整機構92とを含む構成が、インク1の脱気装置としても機能する。
また、制御部40は、圧力センサー86の出力を検知することにより、第1サブタンク85へのインク1の注入中に所定の時間が経過しても液位の変動がわずかであるとき、つまりインク1の注入速度が所定の値に達しないときに、フィルター82が目詰まりしてインク1の供給における圧損が増大したと判定する。そして、フィルター82の交換が必要であることを知らせる。
制御部40は、フィルター82の交換が必要であると判定すると、第3の開閉バルブ98を閉じ、第1の開閉バルブ95を開ける。フィルター82の上流側の接続部93は外され、外気を導入可能な状態とする。そして、図11に示すように、第2圧力調整機構92により第2サブタンク84を減圧し、フィルター82内のインク1を吸引して第2サブタンク84へ回収する。所定の時間の吸引を行ってフィルター82内のインク1の回収が終了したら、制御部40は、第1の開閉バルブ95を閉じて、第2圧力調整機構92により第2サブタンク84を加圧して、第2サブタンク84に回収されたインク1をインク供給経路88bを経由して第1サブタンク85へ注入する。第2サブタンク84から第1サブタンク85へインク1を供給可能な期間に、接続部93,94を外せば、液滴吐出ヘッド50へのインク供給を止めずに、フィルター82を交換することができる。
インク供給機構80においてどのようなインク1を使用するかは設計事項ではあるが、例えば、有機エレクトロルミネッセンス材料を含むインク1は、高価であると共に紫外線などの光によって変質や劣化が起こり易い。また、このようなインク1を用いて液滴吐出法により発光層などを形成する場合、発光層に例えばサブミクロンの微小異物が存在してもその部分から発光が得られないダークスポットが発生するおそれがある。それゆえに、サブミクロンの孔径を有するフィルター82が選定されるが、孔径が小さくなるほど、インク1の濾過時における圧損が大きくなる。濾過時の圧損を低減する方法としてフィルター82の濾過面積つまり容量を大きくすることが考えられるが、フィルター82の交換時に無駄にインク1を消費してしまう。また、孔径が小さいほどフィルター82の濾過寿命が短くなるので、フィルター82の交換頻度が上昇する。
本実施形態のインク供給機構80を用いたインク供給方法によれば、フィルター82の孔径をサブミクロンとしても、フィルター82の交換におけるインク1の無駄な消費を低減可能である。
上記実施形態の効果は、以下の通りである。
(1)インク供給機構80及びこれを用いたインク供給方法によれば、水頭圧を制御可能な第1サブタンク85と圧力調整弁87とを介して液滴吐出ヘッド50にインク1が供給されるので、液滴吐出ヘッド50に過不足なくインク1を安定的に供給することができる。
(2)インクタンク81の交換時、あるいはフィルター82の交換時には、第2サブタンク84に濾過して充填されたインク1を第1サブタンク85に供給することができるので、液滴吐出ヘッド50へのインク供給を止めることなく、インクタンク81及び/またはフィルター82を交換することができる。
(3)フィルター82内のインク1を第2サブタンク84に回収することができるので、フィルター82の交換に伴って廃棄されるインク1を削減することができる。
(4)インク供給機構80を備えた液滴吐出装置10は、インクタンク81の交換やフィルター82の交換に伴って、装置の稼動を止める時間を短くできるので、高い生産性でワークWにインク1を吐出することができる。
(5)インク供給機構80のうち第1サブタンク85、圧力調整弁87、第4の開閉バルブ99はキャリッジ8に取り付けられているので、液滴吐出ヘッド50の交換と同時に、第1サブタンク85、圧力調整弁87、第4の開閉バルブ99のメンテナンスあるいは交換を行うことができる。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うインク供給機構及びインク供給方法ならびに該インク供給機構を適用する液滴吐出装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)上記液滴吐出装置10の構成は、これに限定されない。例えば、キャリッジ8は1つではなく、ワークWの大きさに応じて複数備えていてもよい。また、キャリッジ8に搭載される液滴吐出ヘッド50の数や配置についてもこれに限定されない。
(変形例2)上記インク供給機構80の構成は、これに限定されない。例えば、インク供給経路88aに接続されるインクタンク81は1つに限らず、複数配置されていてもよい。また、インク供給経路88aに接続されるフィルター82も1つに限らず、例えば孔径が異なるフィルターが複数直列に配置されていてもよい。
8…キャリッジ、10…液滴吐出装置、40…制御部、50…液滴吐出ヘッド、80…インク供給機構、81…インクタンク、84…第2サブタンク、85…第1サブタンク、85a…インク流入口、85b…インク排出口、86…圧力センサー、87…圧力調整弁、88,88a,88b,88c,88d…インク供給経路、91…第1圧力調整機構、92…第2圧力調整機構、95…第1の開閉バルブ、97…第2の開閉バルブ、98…第3の開閉バルブ、99…第4の開閉バルブ、110…吸引装置。

Claims (12)

  1. 液滴吐出ヘッドにインクを供給するためのインク供給機構であって、
    インクが貯留されるインクタンクと、
    前記インクタンクと前記液滴吐出ヘッドとの間に設けられたフィルターと、
    前記フィルターと前記液滴吐出ヘッドとの間に設けられ、前記液滴吐出ヘッドに対するインクの水頭圧を制御可能な開放型の第1サブタンクと、
    前記フィルターと前記第1サブタンクとの間に設けられた第2サブタンクと、
    前記フィルターと前記第1サブタンクとの間において前記フィルター側に設けられた第1の開閉バルブと、
    前記フィルターと前記第1サブタンクとの間において前記第2サブタンク側に設けられた第2の開閉バルブと、
    前記フィルターと前記第1サブタンクとの間において前記第1サブタンク側に設けられた第3の開閉バルブと、
    前記インクタンクに接続され、前記インクタンク内の圧力を制御可能な第1圧力調整機構と、
    前記第2サブタンクに接続され、前記第2サブタンク内の圧力を制御可能な第2圧力調整機構と、を備え、
    前記第2サブタンクの容量は、前記フィルターの容量よりも大きいことを特徴とするインク供給機構。
  2. 前記第1サブタンクの容量は、前記インクタンクの容量よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のインク供給機構。
  3. 前記第1サブタンクの容量は、前記インクタンクの容量よりも小さく、
    前記第2サブタンクの容量は、前記フィルターの容量に前記第1サブタンクの容量を加えた値よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のインク供給機構。
  4. 前記第2サブタンクの底面積は、前記第1サブタンクの底面積よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のインク供給機構。
  5. 前記第1サブタンクには、前記第1サブタンク内のインクの液位を検出する圧力センサーが取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のインク供給機構。
  6. 前記第1サブタンクと前記液滴吐出ヘッドとの間に圧力調整弁を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のインク供給機構。
  7. 前記フィルターと前記第1サブタンクとを繋ぐ第1のインク供給経路は、前記第1サブタンクと前記第2サブタンクとを繋ぐ第2のインク供給経路の途中に着脱可能に接続されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインク供給機構。
  8. 前記第1のインク供給経路の途中に気泡検出装置が設けられていることを特徴とする請求項7に記載のインク供給機構。
  9. 液滴吐出ヘッドにインクを供給するためのインク供給方法であって、
    インクが貯留されるインクタンクと、
    前記インクタンクと前記液滴吐出ヘッドとの間に設けられたフィルターと、
    前記フィルターと前記液滴吐出ヘッドとの間に設けられ、前記液滴吐出ヘッドに対するインクの水頭圧を制御可能な開放型の第1サブタンクと、
    前記第1サブタンクと前記フィルターとの間に設けられた第2サブタンクと、を備え、前記第2サブタンクの容量が前記フィルターの容量よりも大きいインク供給機構を用い、
    前記インクタンクから前記第1サブタンクを経由して前記液滴吐出ヘッドにインクを供給し、
    前記フィルターを交換するときは、前記フィルター内のインクを前記第2サブタンクに回収し、前記フィルターを交換している期間は、前記第2サブタンクに回収されたインクを前記第1サブタンクを経由して前記液滴吐出ヘッドに供給することを特徴とするインク供給方法。
  10. 前記インクタンクのインクを前記フィルターで濾過して前記第2サブタンクへ充填するステップを有し、
    前記インクタンクを交換するときは、前記第2サブタンクへ充填されたインクを前記第1サブタンクを経由して前記液滴吐出ヘッドに供給することを特徴とする請求項9に記載のインク供給方法。
  11. 液滴吐出ヘッドと、
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載のインク供給機構と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  12. 複数の前記液滴吐出ヘッドが搭載されたキャリッジを有し、
    前記キャリッジには、前記インク供給機構のうち前記第1サブタンクが配置されていることを特徴とする請求項11に記載の液滴吐出装置。
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