JP2016019934A - 機能液供給システム、カートリッジの交換方法、液滴吐出装置 - Google Patents

機能液供給システム、カートリッジの交換方法、液滴吐出装置 Download PDF

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貞治 小森
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Abstract

【課題】カートリッジの交換で液滴吐出装置が一時的に停止されることに伴う稼働率の低下を改善可能な機能液供給システム、該機能液供給システムを用いたカートリッジの交換方法及び液滴吐出装置を提供すること。
【解決手段】ノズルから機能液を吐出可能な液滴吐出ヘッド20に機能液を供給する機能液供給システム100であって、機能液が貯留される第1の容量を有するカートリッジCと、カートリッジCと液滴吐出ヘッド20との間の機能液の供給経路に設けられ、第1の容量よりも少ない第2の容量を有する中間貯留部103と、液滴吐出ヘッド20に充填された機能液をノズルから吸引可能なキャップ機構110と、を備え、キャップ機構110は、第2の容量の範囲以内の吸引量で液滴吐出ヘッド20から機能液を吸引することを特徴とする。
【選択図】図9

Description

本発明は、機能液供給システム、機能液を収容可能なカートリッジの交換方法、機能液供給システムを備えた液滴吐出装置に関する。
インクジェット方式の液滴吐出ヘッドのノズルから機能性材料を含む機能液を、基板などの被吐出物に吐出して乾燥することにより、被吐出物上に機能性材料からなる機能層を形成可能な液滴吐出装置が開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。このような液滴吐出装置を用いて形成される機能層としては、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子の発光層や、カラーフィルターの着色層、半導体層、金属配線層などが挙げられる。
特許文献1及び特許文献2の液滴吐出装置によれば、機能液はメインタンク(1次タンク)に貯留され、サブタンク(2次タンク)を経由して液滴吐出ヘッドに供給されている。また、サブタンク(2次タンク)は、液滴吐出ヘッドを被吐出物に対して相対的に移動可能なキャリッジに搭載されている。メインタンク(1次タンク)は、キャリッジが設けられた液滴吐出装置の本体部分から離れた場所に配置されている。メインタンク(1次タンク)に貯留された機能液は、メインタンク(1次タンク)内を加圧することでサブタンク(2次タンク)に供給される。サブタンク(2次タンク)に供給された機能液は、サブタンク(2次タンク)における機能液の水頭圧により液滴吐出ヘッドに供給される形態が採用されている。
特開2010−162446号公報 特開2012−176375号公報
上記特許文献1あるいは上記特許文献2の液滴吐出装置において、サブタンクよりも容量が大きなメインタンクからサブタンクを経由して液滴吐出ヘッドに機能液を供給する手段(あるいは方法)は、機能液を長期に亘って供給可能である点で優れているものの、高価な機能液を用いる場合、初期的に高額な投資が必要となる。また、メインタンクにおいて長期間に亘り機能液を貯留する場合の機能液の劣化などが心配される。そこで、容量がメインタンクよりも小さいカートリッジに機能液を充填し、液滴吐出ヘッドの近傍にカートリッジを着脱可能に配置して機能液を供給する方法が考えられる。しかしながら、機能液の消費に対応して、カートリッジを頻繁に交換する必要が生ずると、カートリッジの交換のために液滴吐出装置を一時的に停止させることになり、液滴吐出装置の稼働率に影響を及ぼすおそれがあるという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例]本適用例に係る機能液供給システムは、ノズルから機能液を吐出可能な液滴吐出ヘッドに前記機能液を供給する機能液供給システムであって、前記機能液が貯留される第1の容量を有するカートリッジと、前記カートリッジと前記液滴吐出ヘッドとの間の前記機能液の供給経路に設けられ、前記第1の容量よりも少ない第2の容量を有する中間貯留部と、前記液滴吐出ヘッドに充填された前記機能液を前記ノズルから吸引可能なキャップ機構と、を備え、前記キャップ機構は、前記第2の容量の範囲以内の吸引量で前記液滴吐出ヘッドから前記機能液を吸引することを特徴とする。
本適用例によれば、中間貯留部が貯留可能な機能液の容量の範囲内で液滴吐出ヘッドから機能液が吸引されるので、キャップ機構による液滴吐出ヘッドの吸引動作中にカートリッジを交換することが可能となる。つまり、液滴吐出ヘッドのノズルの目詰まりなどを防止するメンテナンス中にカートリッジを交換することができる。ゆえに、カートリッジの交換のためだけに機能液供給システムを一時的に停止させることを避けることができるので、稼働率が改善された機能液供給システムを提供できる。
上記適用例に記載の機能液供給システムにおいて、前記キャップ機構は、前記液滴吐出ヘッドの前記ノズルが設けられたノズル面を封止可能なキャップ部と、負圧手段と、前記キャップ部と前記負圧手段との間に設けられた負圧調整経路を含む吸引経路と、を含み、前記負圧調整経路は、前記吸引量が前記第2の容量の範囲以内となるように前記負圧手段によって内部の圧力が調整されることを特徴とする。
この構成によれば、負圧手段による負圧水準や負圧時間を調整して吸引量を管理する場合に比べて、予め負圧調整経路をねらいの負圧状態としておけばよいので、吸引量を正確に管理することができる。吸引量を正確に管理することで、吸引の過不足を無くし、液滴吐出ヘッドの吸引動作の時間とカートリッジの交換に要する時間とを整合させて、相互の時間の無駄を省くことができる。
上記適用例に記載の機能液供給システムにおいて、前記キャップ機構は、複数の前記液滴吐出ヘッドから前記機能液を吸引するための複数の前記キャップ部を有することが好ましい。
この構成によれば、複数の液滴吐出ヘッドへ機能液を供給するカートリッジの交換を効率的に行うことができる。
上記適用例に記載の機能液供給システムにおいて、前記キャップ機構は、前記吸引経路と前記負圧手段との間に吸引タンクを有することが好ましい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッドから吸引された機能液は吸引タンクに回収されることになり、機能液が負圧手段に入り込んで負圧手段の性能が低下することを抑制できる。
上記適用例に記載の機能液供給システムにおいて、前記キャップ機構は、第1負圧手段及び第2負圧手段と、前記吸引経路と前記第1負圧手段との間に設けられた第1吸引タンクと、前記吸引経路と前記第2負圧手段との間に設けられた第2吸引タンクと、を有することが好ましい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッドのメンテナンス方法としてノズルから機能液を吸引する吸引動作だけでなく、負圧条件を異ならせた吸引が可能となる。例えば、液滴吐出ヘッドのノズルから捨て吐出させた機能液を回収することもできる。
上記適用例に記載の機能液供給システムにおいて、前記中間貯留部は、前記機能液の供給経路に接続される筒状の容器と、前記筒状の容器の一方の端に接続され、前記筒状の容器を大気開放可能な開放経路と、前記筒状の容器の他方の端に設けられ前記筒状の容器内における前記機能液の液位を検出する液位センサーと、を含むことを特徴とする。
この構成によれば、筒状の容器を大気開放した状態で、液位センサーにより筒状の容器内の液位を検出すれば、カートリッジから中間貯留部への機能液の供給量や中間貯留部から液滴吐出ヘッドへの機能液の供給量すなわち消費量を管理することができる。
上記適用例に記載の機能液供給システムにおいて、前記中間貯留部は、前記筒状の容器と前記開放経路の開放端との間に設けられ、気体を濾過するフィルターと、前記フィルターと前記筒状の容器との間に設けられた開閉バルブと、をさらに含むことが好ましい。
この構成によれば、開閉バルブを開けて中間貯留部を大気開放する際に、異物などが機能液に混入することを低減できる。また、中間貯留部に過剰に機能液が供給されたとしても開閉バルブを閉じることで中間貯留部から機能液が外部に漏れることを抑制できる。つまり、機能液の品質を保持して安定的に機能液を供給することができる。
上記適用例に記載の機能液供給システムにおいて、前記中間貯留部には、同種の前記機能液が貯留される少なくとも2つの前記カートリッジが接続され、前記少なくとも2つの前記カートリッジのそれぞれが、前記供給経路に対して着脱可能な状態で取り付けられていることが好ましい。
この構成によれば、中間貯留部に1つのカートリッジが接続されている場合に比べて、カートリッジの交換頻度を低減することが可能となる。
上記適用例に記載の機能液供給システムにおいて、前記カートリッジに貯留された前記機能液を加圧して前記カートリッジから前記中間貯留部に前記機能液を送り出す加圧手段を備え、前記カートリッジと前記中間貯留部との間に前記機能液を濾過するフィルターを有することが好ましい。
この構成によれば、カートリッジの交換において機能液の供給経路に異物などが侵入したとしてもフィルターで濾過することができ、機能液の品質を保持することができる。
[適用例]本適用例に係るカートリッジの交換方法は、上記適用例に記載の機能液供給システムを用い、前記キャップ機構により前記液滴吐出ヘッドのノズルから前記機能液を吸引している間に、前記カートリッジを交換することを特徴とする。
本適用例によれば、液滴吐出ヘッドのメンテナンス中にカートリッジを交換することができるので、カートリッジの交換に起因する機能液供給システムの稼働率の低下を抑制できる。
上記適用例に記載のカートリッジの交換方法において、前記中間貯留部には、同種の前記機能液が貯留される少なくとも2つの前記カートリッジが接続され、前記少なくとも2つの前記カートリッジのうちの1つのカートリッジを交換することを特徴とする。
この方法によれば、中間貯留部に1つのカートリッジが接続されている場合に比べて、カートリッジの交換頻度を低減できる。
上記適用例に記載のカートリッジの交換方法において、前記キャップ機構を用いて前記液滴吐出ヘッドから前記機能液を吸引する吸引動作は、定期的に実施され、次回及び次々回の吸引動作までに消費される前記機能液の消費量から前記カートリッジ中の前記機能液の残量を予測して、次回の吸引動作において前記カートリッジの交換が必要か否か判断する工程を含むことが好ましい。
この方法によれば、次回及び次々回までのカートリッジ中の機能液の残量を予測するので、次回におけるカートリッジの交換を適正に実施することができる。
上記適用例に記載のカートリッジの交換方法において、前記機能液供給システムは、複数の前記カートリッジを備え、次回及び次々回の前記カートリッジの交換本数が平均化されるように、前記次回に交換する前記カートリッジを決定する工程を含むことが好ましい。
この方法によれば、カートリッジの交換本数が平均化されるので、カートリッジの交換に要する時間が交換本数によって変動することを抑制することができる。つまり、効率的にカートリッジの交換を実施できる。
[適用例]本適用例に係る液滴吐出装置は、上記適用例に記載の機能液供給システムと、前記液滴吐出ヘッドが搭載されたキャリッジと、前記液滴吐出ヘッドと被吐出物とを対向配置して、相対的に移動させる移動手段と、を備え、前記キャリッジに前記カートリッジ及び前記中間貯留部が搭載されていることを特徴とする。
本適用例によれば、カートリッジの交換だけで液滴吐出装置が一時的に停止することを抑制できるので、稼働率が改善された液滴吐出装置を実現できる。また、カートリッジ及び中間貯留部が液滴吐出ヘッドの近傍に配置されているので、カートリッジ、中間貯留部、液滴吐出ヘッドを繋ぐ機能液の供給経路を比較的に短くすることができる。つまり、供給経路の長さに起因する機能液のロスを低減して安定的に機能液が供給される液滴吐出装置を実現できる。
上記適用例に記載の液滴吐出装置において、複数の前記キャリッジを備え、前記キャップ機構は、前記複数の前記キャリッジごとに設けられていることが好ましい。
この構成によれば、複数のキャリッジに搭載された液滴吐出ヘッドに対して同時にメンテナンスが可能となると共に、複数のキャリッジに搭載されたカートリッジの交換を効率的に行うことができる。
上記適用例に記載の液滴吐出装置において、前記複数の前記キャリッジのうち隣り合う2つの前記キャリッジを単位として前記吸引動作と前記カートリッジの交換動作とが行われることが好ましい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッドのメンテナンスとカートリッジの交換を1つのキャリッジを単位として実行する場合に比べて、液滴吐出ヘッドのメンテナンスとカートリッジの交換とを効率的に実施することができる。
上記適用例に記載の液滴吐出装置において、前記キャリッジに搭載された前記液滴吐出ヘッドの前記ノズルが設けられたノズル面を払拭するワイピング機構をさらに備えることが好ましい。
この構成によれば、液滴吐出ヘッドのノズルから機能液を吸引する際に、ノズル面に付着した機能液や異物などをワイピング機構でクリーニングでき、液滴吐出ヘッドから機能液を安定的に吐出可能な液滴吐出装置を提供することができる。また、ノズル面をワイピング機構で払拭する時間を含めたメンテナンス時間中にカートリッジの交換が可能となる。
液滴吐出装置の構成を示す概略斜視図。 液滴吐出装置の構成の配置を示す概略平面図。 (a)は液滴吐出ヘッドの構成を示す概略斜視図、(b)は液滴吐出ヘッドのノズル面を示す平面図。 ヘッドプレートにおける液滴吐出ヘッドの配置を示す概略平面図。 液滴吐出装置における制御系を示すブロック図。 カートリッジ供給機構の構成を示す側面図。 (a)及び(b)はカートリッジセット部廻りの構造図。 カートリッジ供給機構における移載部廻りの平面図。 機能液供給システムの構成を示すブロック図。 キャリッジユニットにおける液滴吐出ヘッドと中間貯留部及び圧力調整弁との関係を示す図。 中間貯留部の詳細を示す断面図。 (a)及び(b)はキャップ機構におけるキャップ部と負圧調整経路の構成を示す図。 定期メンテナンスにおける複数のキャリッジユニットと、キャップ機構及びワイピング機構との関係を示す概略図。 カートリッジの交換方法の一例を示すフローチャート。 2つのカートリッジにおける機能液の残量の予測を示すグラフ。 (a)〜(c)は機能液の1つの供給系におけるカートリッジの交換方法を示す図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
<液滴吐出装置>
本実施形態の液滴吐出装置について、図1〜図8を参照して説明する。本実施形態の液滴吐出装置は、例えばフラットパネルディスプレイの製造ラインに組み込まれ、液晶表示装置のカラーフィルターや有機EL装置の画素となる発光素子などを形成するために用いられる装置である。本実施形態では、有機EL装置の発光素子を形成するために用いられる液滴吐出装置を例に挙げて説明する。したがって、発光素子を構成する高価な発光材料などを含む機能液が液滴吐出ヘッドに供給される。
図1は液滴吐出装置の構成を示す概略斜視図、図2は液滴吐出装置の構成の配置を示す概略平面図である。
図1に示すように、本実施形態の液滴吐出装置1は、ワークW(基板:被吐出物)に機能液を吐出する装置本体2を備えている。
装置本体2にはインクジェット方式の液滴吐出ヘッド20が搭載されており、液滴吐出ヘッド20とワークWとを対向配置して、ワークWを第1の方向に移動させる主走査と、第1の方向に対して直交する第2の方向に移動させる副走査とを行う間に液滴吐出ヘッド20から機能液をワークWに向けて吐出する。本実施形態では、ワークWの所定の領域に機能液を吐出することを「描画」と呼ぶ。描画における主走査の上記第1の方向を主走査方向と呼び、第2の方向を副走査方向と呼ぶ。本実施形態では、主走査方向をX軸方向として表示し、副走査方向をY軸方向として表示する。また、X軸方向とY軸方向とに直交する方向をZ軸方向として表示する。
液滴吐出装置1は、液滴吐出ヘッド20に機能液を供給する機能液供給システム(詳しくは後述する)を備えている。機能液はカートリッジCに充填され、カートリッジCから液滴吐出ヘッド20に供給される。カートリッジCは装置本体2に脱着可能に配置され、液滴吐出装置1は、装置本体2に対してカートリッジCを供給するカートリッジ供給機構4を備えている。
液滴吐出装置1を構成する各種の装置あるいは機構は、描画が行われる描画エリア18と、液滴吐出ヘッド20のノズルの目詰まりなどの不具合を解消するメンテナンスを行うメンテナンスエリア19とに分かれて配置されている。
描画エリア18に配置された装置本体2は、X軸方向に延在し、石定盤で構成されたX軸支持ベース11と、X軸支持ベース11上に配設され、セットステージ(載置台)12をX軸方向(主走査方向)に移動させるX軸テーブル13と、X軸テーブル13とセットステージ12との間に介設され、セットステージ12をY軸方向(副走査方向)に移動させる改行軸テーブル14と、を有している。セットステージ12にはワークWが吸着されて載置される。また、Y軸方向において、X軸テーブル13を跨ぎ描画エリア18とメンテナンスエリア19とに架け渡されたフレーム構造のY軸支持ベース15と、Y軸支持ベース15上に配設され、Y軸方向に延在する一対のY軸テーブル16と、を有している。さらに、一対のY軸テーブル16により、描画エリア18とメンテナンスエリア19との間で移動可能に構成された複数(例えば10個)のキャリッジユニット17と、を有している。X軸テーブル13及び改行軸テーブル14がワーク移動機構を構成し、一対のY軸テーブル16がキャリッジ移動機構を構成するものである。これらの移動機構は、本発明の移動手段の一例である。また、キャリッジユニット17が本発明のキャリッジの一例である。なお、キャリッジユニット17の数は10個に限定されるものではない。
各キャリッジユニット17は、X軸方向において一対のY軸テーブル16に架け渡されたブリッジプレート34に吊設されており、ブリッジプレート34を介して、Y軸テーブル16に支持されている。各ブリッジプレート34は、一対のY軸テーブル16のY軸スライダーを兼ねており、複数のキャリッジユニット17は、一対のY軸テーブル16により、それぞれブリッジプレート34を介して、個別に或いは全体としてY軸方向に移動可能に構成されている。
また、各ブリッジプレート34には、カートリッジセット部35が設けられ、カートリッジセット部35には、複数のカートリッジCがセットされている。そして、各キャリッジユニット17には、複数の液滴吐出ヘッド20が搭載されており、これら液滴吐出ヘッド20には、対応するカートリッジセット部35にセットされた複数のカートリッジCから機能液が供給される。
また、液滴吐出装置1は、メンテナンスエリア19に配設されたワイピング機構5(交互運転のため2台)と、キャップ機構110とを備えている。また、X軸テーブル13に搭載されたフラッシングユニット8及び検査ユニット9を備えている。キャップ機構110は、液滴吐出ヘッド20から機能液を強制的に吸引して液滴吐出ヘッド20のノズルの目詰まりなどを解消させる。ワイピング機構5は、液滴吐出ヘッド20のノズル面を払拭してノズル面に付着した機能液や異物を取り除き、ノズル面に付着した機能液や異物によりノズルから吐出される液滴の飛行曲りなどを防止する。また、フラッシングユニット8は、液滴吐出ヘッド20のノズル内の機能液の乾燥を防ぎ安定した吐出性能(吐出量、吐出位置精度など)を得るために、液滴吐出ヘッド20から捨て吐出された機能液を受容するものである。検査ユニット9は、液滴吐出ヘッド20のノズルから機能液を液滴として検査用シートに吐出させ、検査用シートに着弾した液滴の形状や着弾位置を確認することで、液滴吐出ヘッド20の吐出性能を検査する際に用いられる。なお、メンテナンス系として機能するキャップ機構110は、本実施形態の機能液供給システムに組み込まれて運用されている。
X軸テーブル13は、例えばリニアモーターによるモーター駆動により、ワークWが載置されるセットステージ12をX軸方向に移動させ、液滴吐出ヘッド20の吐出駆動と併せて、ワークWに対し主走査を行う。同様に、改行軸テーブル14は、例えばリニアモーターによるモーター駆動により、セットステージ12をY軸方向に移動させ、ワークWに対し副走査を行う。この主走査と副走査とを行う間に、ワークWに機能液が吐出される。また、Y軸テーブル16は、例えばリニアモーターによるモーター駆動により、各キャリッジユニット17を描画エリア18に配置して、液滴吐出ヘッド20を所定の吐出開始位置に移動させる。また、Y軸テーブル16は、メンテナンス時に液滴吐出ヘッド20が搭載されたキャリッジユニット17をメンテナンスエリア19に移動させる。さらに、メンテナンス時に、メンテナンスエリア19においてキャリッジユニット17に搭載されたカートリッジCの交換が行われる。
各キャリッジユニット17は、ブリッジプレート34に支持された垂設部材31と、垂設部材31の下端に取り付けられたヘッドユニット32と、を備えている。ヘッドユニット32には、ヘッドプレート33によって支持された複数の液滴吐出ヘッド20が搭載されている。そして、複数の液滴吐出ヘッド20には、上記のカートリッジCから複数種の機能液が供給される。すなわち、各キャリッジユニット17には、複数種の機能液に対応する複数の液滴吐出ヘッド20が搭載されており、これに対応してカートリッジセット部35には、複数のカートリッジCがセットされている。カートリッジセット部35にセットされたカートリッジCの交換は、カートリッジ供給機構4を用いて行われる。新旧のカートリッジCはセットトレイTにセットされ、セットトレイTは台車Aによってカートリッジ供給機構4との間で受け渡しが行われる。
図2に示すように、液滴吐出装置1の装置本体2は、チャンバー装置3の中に配置されている。チャンバー装置3は、装置本体2を収容するプレハブ形式のクリーンブースで構成されたチャンバールーム6と、チャンバールーム6内の雰囲気のクリーン度や温度等を調整する清浄エアー供給ユニット7と、を有している。詳細は図示しないが、清浄エアー供給ユニット7は、冷却コイル、ヒーターおよび送風機を有すると共に、チャンバールーム6の天井全域のうち少なくとも描画エリア18とメンテナンスエリア19とに対応して組み込まれたHEPAフィルターを有している。
このチャンバー装置3では、清浄エアー供給ユニット7により、チャンバールーム6内へのエアーの送気と排気とが常時行われる(常時換気)。すなわち、送気されたエアーが、チャンバールーム6の天井側からダウンフローとなって流れ、チャンバールーム6内の雰囲気が、所定の温度および所定のクリーン度に維持される。なお、チャンバールーム6内の雰囲気は、チャンバールーム6の下部に設けた排気口から外部の排気設備(真空吸引)に排気される(いずれも図示省略)。
カートリッジ供給機構4は、チャンバールーム6内のメンテナンスエリア19において、チャンバールーム6の側壁に添わせて配置されている。カートリッジ供給機構4は、チャンバールーム6の外部から持ち込まれたカートリッジCを、一旦、カートリッジセット部35の近傍まで搬送し、この搬送位置からカートリッジセット部35に移載(カートリッジ交換)する。カートリッジセット部35において使い切った(使用済み)カートリッジCは、カートリッジ供給機構4によって外部から持ち込まれた新しいカートリッジCに交換される。カートリッジCの詳しい交換方法については、後述する。
次に、液滴吐出ヘッド20とヘッドプレート33における液滴吐出ヘッド20の配置について、図3及び図4を参照して説明する。図3(a)は液滴吐出ヘッドの構成を示す概略斜視図、図3(b)は液滴吐出ヘッドのノズル面を示す平面図、図4はヘッドプレートにおける液滴吐出ヘッドの配置を示す概略平面図である。
図3(a)に示すように、液滴吐出ヘッド20は、所謂2連のものであり、2連の接続針24を有する機能液の導入部23と、導入部23に積層されたヘッド基板25と、ヘッド基板25上に配置され内部に機能液のヘッド内流路が形成されたヘッド本体26とを備えている。接続針24は、後述する機能液供給機構101(図9参照)に配管を経由して接続され、機能液をヘッド内流路に供給する。ヘッド基板25には、フレキシブルフラットケーブル(図示省略)を介してヘッドドライバー132(図5参照)に接続される2連のコネクター28が設けられている。
ヘッド本体26は、駆動手段(アクチュエーター)としての圧電素子で構成されたキャビティを有する加圧部27と、ノズル面21aに2つのノズル列22a,22bが相互に平行に形成されたノズルプレート21とを有している。
図3(b)に示すように、2つのノズル列22a,22bは、それぞれ複数(180個)のノズル22がピッチP1でほぼ等間隔に並べられており、互いにピッチP1の半分のピッチP2ずれた状態でノズル面21aに配設されている。本実施形態において、ピッチP1は、例えばおよそ141μm(マイクロメーター)である。よって、2つのノズル列22a,22bによって構成されたノズル列22cに直交する方向から見ると360個のノズル22がおよそ70.5μmのノズルピッチで配列した状態となっている。また、ノズル22の径は、およそ27μmである。
液滴吐出ヘッド20は、ヘッドドライバー132(図5参照)から電気信号としての駆動信号が圧電素子に印加されると加圧部27のキャビティ(加圧室)の体積変動が起こり、これによるポンプ作用でキャビティに充填された機能液が加圧され、キャビティに連通するノズル22から機能液を液滴として吐出することができる。
液滴吐出ヘッド20においてノズル22ごとに設けられる駆動手段(アクチュエーター)は、圧電素子に限らない。アクチュエーターとして振動板を静電吸着により変位させる電気機械変換素子や、機能液を加熱してノズル22から液滴として吐出させる電気熱変換素子でもよい。なお、本実施形態において機能液は、前述したように発光材料などの特殊な材料を含んでいるため、機能液が熱の影響を受け難い圧電素子や電気機械変換素子をアクチュエーターとして用いることが好ましい。
図4に示すように、ヘッドユニット32は、複数の液滴吐出ヘッド20が配設されるヘッドプレート33を備えている。本実施形態では、ヘッドプレート33に12個の液滴吐出ヘッド20が搭載されている。各液滴吐出ヘッド20は、ノズル列22cが副走査方向(Y軸方向)に沿うように配置されている。また、主走査方向に等間隔で配置された6個の液滴吐出ヘッド20を1つのヘッド群として、2つのヘッド群が副走査方向(Y軸方向)に並列して配置されている。各ヘッド群において、6個の液滴吐出ヘッド20は、互いに副走査方向(Y軸方向)にずれた状態で配置されている。具体的には、2つのヘッド群に分けて配置された12個の液滴吐出ヘッド20に対して、図4に示すように、符号H1〜符号H12を与える。そうすると、主走査方向(X軸方向)から見たときに、液滴吐出ヘッドH1のノズル列22c、液滴吐出ヘッドH7のノズル列22c、液滴吐出ヘッドH2のノズル列22c、液滴吐出ヘッドH8のノズル列22cが所定のノズルピッチで連続するようにヘッドプレート33に配置されている。より具体的には、1つの液滴吐出ヘッド20によって描画可能な描画幅をL0とし、これをノズル列22cの有効長とすると、主走査方向(X軸方向)において隣り合う液滴吐出ヘッド20は、該有効長の1/3の長さで副走査方向(Y軸方向)にずれて配置されている。ノズル列22cは、前述したように、それぞれに180個のノズル22を有する2つのノズル列22a,22bからなる。したがって、有効長は360個のノズル22によって描画可能な描画幅L0である。なお、有効長は、360個のノズル22によるものに限定されず、ノズル列22cの両端側に位置するいくつかのノズル22を省いて描画可能な描画幅であるとしてもよい。他の4つの液滴吐出ヘッドH3,H4,H9,H10及び4つの液滴吐出ヘッドH5,H6,H11,H12の配置についても、主走査方向から見たときに、ノズル列22cのうち有効な部分が所定のノズルピッチで連続するようにヘッドプレート33に配置されている。
このようなヘッドプレート33における複数(12個)の液滴吐出ヘッド20の配置によれば、描画幅L0の4倍の長さの描画幅L1で、最大3種の異なる機能液を吐出可能な構成となっている。
なお、液滴吐出ヘッド20に設けられるノズル列22cは、2連に限らず、1連でもよい。また、ヘッドプレート33における液滴吐出ヘッド20の配置は、これに限定されるものではない。
次に液滴吐出装置1の制御系について図5を参照して説明する。図5は液滴吐出装置における制御系を示すブロック図である。図5に示すように、液滴吐出装置1の制御系は、ワーク移動機構(X軸テーブル13、改行軸テーブル14)、キャリッジ移動機構(Y軸テーブル16)、液滴吐出ヘッド20、機能液供給機構101、キャップ機構110、ワイピング機構5などを駆動する各種ドライバーを有する駆動部130と、駆動部130を含め液滴吐出装置1を統括的に制御する制御部120とを備えている。以降、ワーク移動機構に符号13,14を付してワーク移動機構13,14と呼び、キャリッジ移動機構に符号16を付してキャリッジ移動機構16と呼ぶこともある。
駆動部130は、ワーク移動機構13,14及びキャリッジ移動機構16の各リニアモーターをそれぞれ駆動制御する移動用ドライバー131と、液滴吐出ヘッド20を駆動制御するヘッドドライバー132と、を備えている。また、機能液供給機構101を駆動制御する機能液供給用ドライバー133と、キャップ機構110及びワイピング機構5を含むメンテナンス機構を駆動制御するメンテナンス用ドライバー134と、カートリッジ供給機構4を駆動制御するカートリッジ供給用ドライバー135と、を備えている。
制御部120は、CPU121と、ROM122と、RAM123と、P−CON124とを備え、これらは互いにバス125を介して接続されている。P−CON124には、上位コンピューター10が接続されている。ROM122は、CPU121で処理する制御プログラムなどを記憶する制御プログラム領域と、描画動作や液滴吐出ヘッド20への機能液供給、液滴吐出ヘッド20のメンテナンス処理、カートリッジCの交換などを行うための制御データなどを記憶する制御データ領域とを有している。
RAM123は、ワークWに描画を行うための描画データを記憶する描画データ記憶部、ワークW及び液滴吐出ヘッド20(実際には、ノズル列22c)の位置データを記憶する位置データ記憶部などの各種記憶部を有し、制御処理のための各種作業領域として使用される。P−CON124には、駆動部130の各種ドライバーなどが接続されており、CPU121の機能を補うと共に、周辺回路とのインタフェース信号を取り扱うための論理回路が構成されて組み込まれている。このため、P−CON124は、上位コンピューター10からの各種指令などをそのままあるいは加工してバス125に取り込むと共に、CPU121と連動して、CPU121などからバス125に出力されたデータや制御信号を、そのままあるいは加工して駆動部130に出力する。
そして、CPU121は、ROM122内の制御プログラムに従って、P−CON124を介して各種検出信号、各種指令、各種データなどを入力し、RAM123内の各種データなどを処理した後、P−CON124を介して駆動部130などに各種の制御信号を出力することにより、液滴吐出装置1の全体を制御している。例えば、CPU121は、液滴吐出ヘッド20、ワーク移動機構13,14及びキャリッジ移動機構16を制御して、キャリッジユニット17(ヘッドユニット32)とワークWとを対向配置させる。そして、キャリッジユニット17(ヘッドユニット32)とワークWとの相対移動に同期して、ヘッドユニット32に搭載された各液滴吐出ヘッド20の複数のノズル22からワークWに機能液を液滴として吐出するようにヘッドドライバー132に制御信号を送出する。本実施形態では、X軸方向へのワークWの移動に同期して機能液を吐出することを主走査と呼び、主走査に対してY軸方向にセットステージ12あるいは液滴吐出ヘッド20を移動させることを副走査と呼ぶ。本実施形態の液滴吐出装置1は、主走査と副走査とを組み合わせて複数回繰り返すことにより機能液をワークWに吐出することができる。主走査は、液滴吐出ヘッド20に対して一方向へのワークWの移動に限らず、ワークWを往復させて行うこともできる。
上位コンピューター10は、制御プログラムや制御データなどの制御情報を液滴吐出装置1に送出する。また、ワークW上の膜形成領域ごとに所定量の機能液を液滴として配置する吐出制御データとしての配置情報を生成する配置情報生成部の機能を有している。配置情報は、膜形成領域における液滴の吐出位置(言い換えれば、ワークWとノズル22との相対位置)、液滴の配置数(言い換えれば、ノズル22ごとの吐出数)、主走査における複数のノズル22のON/OFFすなわちノズル22の選択/非選択、吐出タイミングなどの情報を、例えば、ビットマップとして表したものである。上位コンピューター10は、上記配置情報を生成するだけでなく、RAM123に一旦格納された上記配置情報を修正することも可能である。
また、上位コンピューター10は、ROM122に格納された機能液供給用プログラムに基づいて、機能液供給機構101から液滴吐出ヘッド20に機能液を供給する。詳しい機能液供給方法については、後述する。
また、上位コンピューター10は、ROM122に格納されたメンテナンス用プログラムに基づいて、液滴吐出ヘッド20をキャップ機構110に対向する位置に配置させ、キャップ機構110を駆動して、液滴吐出ヘッド20の複数のノズル22から液滴吐出ヘッド20に充填された機能液を吸引させる。これにより、複数のノズル22(ノズル列22c)の目詰まりを解消させることができる。
また、上位コンピューター10は、ROM122に格納されたカートリッジ交換用プログラムに基づいて、カートリッジ供給機構4を駆動制御し、カートリッジセット部35において使用済みのカートリッジCを新しいカートリッジCと交換させる。
<カートリッジ供給機構>
次に、図6〜図8を参照して、カートリッジ供給機構4について説明する。図6はカートリッジ供給機構の構成を示す側面図、詳しくは描画エリア18側からメンテナンスエリア19に向かって見たときのカートリッジ供給機構4の側面図である。図7(a)及び(b)はカートリッジセット部廻りの構造図、図8はカートリッジ供給機構における移載部廻りの平面図である。カートリッジ供給機構4は、前述したように、チャンバールーム6のメンテナンスエリア19側に配置されている(図2参照)。
図6に示すように、カートリッジ供給機構4は、カートリッジCをチャンバールーム6内に受け入れるためのブース開口部41と、ブース開口部41を介して受け入れたカートリッジCを、受入れエリア43とカートリッジセット部35近傍の中継エリア44との間で上下方向に搬送する搬送部42と、カートリッジCを、中継エリア44とカートリッジセット部35との間で移載する移載部45と、を備えている。
すなわち、このカートリッジ供給機構4では、搬送部42による受入れエリア43と中継エリア44との間の搬送と、移載部45による中継エリア44とカートリッジセット部35との間の移載とにより、新旧のカートリッジCの交換が行われる。なお、カートリッジCのカートリッジセット部35への移載は、カートリッジCの位置決めセットおよび流路接続を含むものである。
搬送部42は、カートリッジCを上下方向(Z軸方向)に搬送する搬送機構部(図示省略)と、下部に受入れエリア43を且つ上部に中継エリア44をそれぞれ内包すると共に、搬送機構部を収容するハウジング部52と、を有している。また、ハウジング部52の下端部側面に設けられ、チャンバールーム6の外部に対し受入れエリア43を開閉する外部開閉部53と、ハウジング部52の上端部に設けられ、チャンバールーム6の内部に対し中継エリア44を開閉する内部開閉部54と、を有している。
加えて、搬送部42は、ハウジング部52内の雰囲気をチャンバールーム6の外部に排気する排気部55と、搬送機構部(図示省略)、外部開閉部53、内部開閉部54および排気部55を制御する搬送制御部56と、を有している。
ハウジング部52は、チャンバールーム6の床面からカートリッジセット部35の高さに達する位置まで延びる、矩形の箱状に形成されている。ハウジング部52の上端部には、カートリッジCを移載するための中継エリア44が構成され、またハウジング部52の上端には、この中継エリア44を開閉するシャッター形式の内部開閉部54が設けられている。
一方、ハウジング部52の下端部には、カートリッジCを搬入搬出するための受入れエリア43が構成され、またハウジング部52の下端部側面には、この受入れエリア43を開閉する開き戸形式の外部開閉部53が設けられている。外部開閉部53が設けられているハウジング部52の下端部側面は、上記のブース開口部41と近接し且つ連通している。そして、この部分からセットトレイTにセットされたカートリッジCが台車Aによって、受入れエリア43に運び込まれる、あるいは運び出される。なお、ブース開口部41と受入れエリア43とは、気密に連通している。
内部開閉部54は、チャンバールーム6の内部に対し中継エリア44を開閉するものであり、ハウジング部52の上端を開閉する内部シャッター61と、内部シャッター61を開閉動作させる内部エアーシリンダー62と、を有している。内部シャッター61は、基本的に通常は開放されているが、受入れエリア43において、台車AによってカートリッジCを搬入・搬出するときには閉塞される。
外部開閉部53は、チャンバールーム6の外部に対し受入れエリア43を開閉するものであり、ハウジング部52の下端部側面を、片開きの開き戸形式で開閉する外部開閉扉64と、外部開閉扉64によって受入れエリア43を閉塞状態にロック・アンロックする電磁ロック機構65と、を有している。外部開閉扉64は、基本的には閉塞ロックされているが、受入れエリア43において、カートリッジCを搬入・搬出するときには、ロック解除され手動で開放される。
排気部55は、ハウジング部52に連通する排気チャンバー74と、排気チャンバー74に設けた排気ファン75と、排気チャンバー74に接続した排気ダクト76と、を有している。排気チャンバー74は、ハウジング部52の下端部側面に連通しており、排気チャンバー74に設けた排気ファン75が駆動すると、ハウジング部52内の雰囲気は、上から下にダウンフローで流れ、排気ダクト76を介してチャンバールーム6の外部に排気される。この場合、ハウジング部52内の雰囲気の排気は、実質上、ハウジング部52内の雰囲気をチャンバールーム6内の雰囲気に置換することとなる(換気)。
搬送制御部56は、搬送機構部(図示省略)、外部開閉部53、内部開閉部54および排気部55を制御する。具体的には、搬送制御部56は、搬送機構部の搬送用モーター70を制御し、台車A上においてカートリッジCがセットされたセットトレイTを昇降させる。また、搬送制御部56は、外部開閉部53の電磁ロック機構65を介して外部開閉扉64により受入れエリア43を閉塞状態にロック・アンロックすると共に、内部開閉部54の内部エアーシリンダー62を介して内部シャッター61を開閉する。さらに、搬送制御部56は、排気部55の排気ファン75をON−OFFし、ハウジング部52内の排気運転/非排気運転を実施する。なお、搬送制御部56の操作パネル78は、ブース開口部41の脇に設けられており、オペレーターが外部から操作できるようになっている。
セットトレイTが上昇端位置に、内部シャッター61が「開」の位置に、外部開閉扉64が閉塞ロック、すなわち「閉」の位置にあり、且つ空の台車Aが受入れエリア43に有る状態から、搬送制御部56の制御シーケンスがスタートする。なお、上昇端位置にあるセットトレイTには、使い切った(使用済み)複数のカートリッジCが搭載されているものとする。
チャンバールーム6の外において、交換すべき複数の描画液カートリッジCを準備したオペレーターが、操作パネル78の呼出しボタンを押すことで、搬送部42の運転が開始される。呼出しボタンが押される(受入れ指令)と、先ず、内部シャッター61が閉塞し、続いてセットトレイTが下降して、使用済みの複数のカートリッジCを、セットトレイTと共に台車Aに受け渡す。続いて、電磁ロック機構65が外部開閉扉64をロック解除する。この状態で、搬送部42の制御動作は、いったん終了する。ここで、オペレーターは、外部開閉扉64を開放し、受入れエリア43から台車Aと共にカートリッジCを運び出す。続いて、台車Aと共に新しいカートリッジCを受入れエリア43に運び込む。
台車Aを受入れエリア43に運び込み外部開閉扉64を閉塞した後、オペレーターは、操作パネル78のセットボタンを押す(搬送指令)。これにより、搬送部42は再度運転を開始する。セットボタンが押されると、外部開閉扉64が閉塞ロックされ、続いて搬送機構部(図示省略)によりセットトレイTが台車A上から上昇端位置まで上昇して、新しい複数のカートリッジCが中継エリア44に搬送される。ここで、内部エアーシリンダー62により内部シャッター61を自動的に開放する。これにより、中継エリア44の複数のカートリッジCは、移載部45による移載待機状態となる。
一方、排気部55の排気ファン75は、基本的には常時ONであるが、外部開閉扉64が開放しているときは外気を吸引してしまうため、搬送制御部56は、外部開閉扉64を開放しているとき、すなわち電磁ロック機構65がアンロック状態のときのみ、排気ファン75をOFFする。オペレーターによる外部開閉扉64の開放により、ハウジング部52内には外気が侵入するが、内部シャッター61によりハウジング部52が閉塞されているため、外気はハウジング部52内に留まる。
そして、外部開閉扉64の閉塞直後(閉塞ロック状態)から排気ファン75が駆動を開始するため、侵入した外気は元より、台車AやカートリッジCなどに付着して持ち込まれた塵埃なども、ハウジング部52から排気される。これにより、内部シャッター61が開放され、カートリッジCが移載待機状態となったときには、ハウジング部52内は、チャンバールーム6内と同等のクリーン度に復帰する。なお、本実施形態では、外部開閉扉64を手動で開閉する構成としたが、これを自動で開閉する構成としてもよい。
上述のように、各キャリッジユニット17には、例えば色別などの複数種の機能液に対応する複数の液滴吐出ヘッド20が搭載され、これに対応してカートリッジセット部35には、複数のカートリッジCがセットされている。本実施形態では、カートリッジセット部35には、カートリッジCが機能液の種別毎に2本を1組としてセットされている。装置本体2において、2本のカートリッジCのうち一方のカートリッジCが使用済み(交換が必要)と判断されると、他方のカートリッジCに切り替えるようになっている。
したがって、移載部45は、中継エリア44に待機しているセットトレイTとカートリッジセット部35との間において、使用済みのカートリッジCを除材し、新しいカートリッジCを給材する(交換)。そして、カートリッジCの交換タイミングは、装置本体2側で管理されており、全てのカートリッジセット部35において、2本目のカートリッジCを使い切る前に、先に使用済みとなった1本目のカートリッジCの交換が実施される。
移載部45は、複数(複数種)のカートリッジCを1つずつ移載するロボット構成の移載機構部81と、移載機構部81に設けられ、被検出部を介して移載対象となるカートリッジCの種別を検出する種別検出部82と、種別検出部82の検出結果に基づいて、移載機構部81を制御する移載制御部83と、を有している。
移載機構部81は、いわゆるスカラーロボットで構成されており、ロボットベース85と、ロボットベース85の旋回自在に取り付けられた第1水平アーム86と、第1水平アーム86の先端部に旋回自在に取り付けられた第2水平アーム87と、第2水平アーム87の先端部に上下動自在に取り付けられた垂直アーム88と、垂直アーム88の先端に取り付けられた把持ヘッド89と、を備えている。
移載部45の種別検出部82は、カートリッジCの二次元コードを読み取るコードリーダーで構成されている。種別検出部82は、把持ヘッド89の近傍に位置するように、第2水平アーム87の先端に取り付けられている。この二次元コードでは、少なくともカートリッジCの種別がコード化されており、種別検出部82は、カートリッジCの種別を読み取る一方、移載制御部83は、この読取り結果に基づいて、移載機構部81を制御する。
図7(a)に示すように、把持ヘッド89は、断面「L」字状の一対の把持片89aを有しており、この一対の把持片89aにより、カートリッジCの上端部を対角方向に把持するようになっている。
一方、図7(b)に示すように、カートリッジCは、パック形式の容器Caを樹脂製の密閉ケースCbに収容して構成されている。パック形式の容器Caの容量(第1の容量)はおよそ100ml(ミリリットル)である。なお、容器Caの容量はこれに限定されるものではないが、後述する中間貯留部103(図9または図11参照)の容量(第2の容量)よりも大きい。
カートリッジCには、容器Caに連通する供給口Ccと、容器Caと密閉ケースCbとの間の空隙に連通するエアー導入口Cdとが設けられている。エアー導入口Cdから圧縮エアーを導入して容器Caを加圧することにより、供給口Ccから液滴吐出ヘッド20に機能液を供給する。また、密閉ケースCbには、位置決め用の一対の係合凹部Ceが設けられている。さらに、図示では省略したが、密閉ケースCbの天面には、上記の被検出部となる二次元コード(QRコード(登録商標))が貼着されている。
カートリッジセット部35の各個別装着セット部35aには、供給口Ccに対応して機能液導入口91が、またエアー導入口Cdに対応してエアー供給口92が設けられている。さらに、各個別装着セット部35aには、密閉ケースCbの一対の係合凹部Ceに対応する一対の係合凸部93が設けられている。移載機構部81は、把持ヘッド89に把持したカートリッジCを、個別装着セット部35aの直上まで水平移動させ、その後下降させて、個別装着セット部35aに装着(セット)する。これにより、係合凹部Ceが係合凸部93に係合されると共に、供給口Ccが機能液導入口91に、エアー導入口Cdがエアー供給口92にそれぞれ接合(流路接続)される。
図6に示すように、セットトレイTが上昇端位置にあるとき、中継エリア44において、各色10個ずつの新しいカートリッジCが、セットトレイTに搭載されて移載待機状態にある。また、任意の1のカートリッジセット部35には、各色1個ずつ(6個のうち3個)使用済みのカートリッジCが装着されているものとする。(なお、移載制御部83による制御開始は、搬送制御部56の制御終了をトリガーとしてもよいし、別途、オペレーターからの指令をトリガーとしてもよい。)
図8に示すように、移載部45がアクセスする各カートリッジセット部35には、整列配置した6個の個別装着セット部35aに、色別(種別)に各2個、計6個のカートリッジCが装着されている。また、セットトレイTには、色別(種別)に3列、各12個の個別セット部Taに、それぞれ色別(種別)に10個のカートリッジCがセットされている。したがって、セットトレイTには、カートリッジCがセットされていない、空の個別セット部Taが、各列2個ずつ存在することになる。
移載制御部83は、先ずセットトレイT上のカートリッジCが色別(種別)に並んでいるか否かを確認すると共に、セットトレイTの最も手前(カートリッジセット部35側)に位置する各色(各列)の個別セット部Taを空にする。すなわち、移載機構部81を駆動し、種別検出部82により、列ごとの複数のカートリッジCに対し読取り走査を行って、カートリッジCが正しくセットされているか否かを確認する。この各列のカートリッジCが、色別(種別)に正しくセットされていない場合には、空の個別セット部Taを利用して、カートリッジCの並べ替えを行う。
また同時に、最も手前に位置する各色(各列)の個別セット部Taを空にすべく、描画液カートリッジCの移動を行う。なお、先に、最も手前に位置する各色(各列)の個別セット部Taを空にしてから、列ごとに複数のカートリッジCを正しくセットする並べ替えを行ってもよい。
このようにして、セットトレイT側の準備が完了したら、移載機構部81をカートリッジセット部35に臨ませる。ここで、カートリッジセット部35から例えば1種の使用済みのカートリッジCを引き抜いて、セットトレイTの手前から1番目(最も手前)の空の個別セット部Taに移載する。続いて、セットトレイTの手前から2番目の個別セット部TaのカートリッジCを把持し、空となったカートリッジセット部35の個別装着セット部35aに移載し装着する。そして、このような動作(交換)を他の種類のカートリッジCについても同様に繰り返す。
以上の動作を、10個のキャリッジユニット17に対して、カートリッジセット部35とセットトレイTとの間で実施する。その際、セットトレイT上で空となる個別セット部Taの位置が、順に奥側に移動するようにカートリッジCの移載が行われる。すなわち、セットトレイTにおいて、手前側から各列のカートリッジCの交換が実施される。これにより、移載の際に古いカートリッジCから液だれが生じても、新しいカートリッジCが汚れることがない。なお、10個のキャリッジユニット17をY軸テーブル16により順送りし、作業対象のカートリッジセット部35が、常に中継エリア44の近傍の同じ位置に来るようにすることが好ましい。このように、10個のキャリッジユニット17に対してカートリッジセット部35におけるカートリッジCの交換が完了すると、移載機構部81はホーム位置に戻り、中継エリア44のセットトレイTは、搬出待機状態となる。
本実施形態の液滴吐出装置1では、上述したカートリッジCの交換は、機能液供給システム100における液滴吐出ヘッド20のメンテナンスに同期して行うことができるようになっている。以降、本実施形態の機能液供給システム100について説明する。
<機能液供給システム>
次に、図9〜図13を参照して本実施形態の機能液供給システム100について説明する。図9は機能液供給システムの構成を示すブロック図である。
図9に示すように、本実施形態の機能液供給システム100は、機能液供給機構101と、キャップ機構110とを含んで構成されている。
機能液供給機構101は、キャリッジユニット17に搭載された12個の液滴吐出ヘッド20のうち4つの液滴吐出ヘッド20を1つの供給単位として機能液を供給するものである。言い換えれば、液滴吐出装置1が10個のキャリッジユニット17を備えていることから、機能液供給機構101は、1つのキャリッジユニット17に対して3つの供給単位が含まれ、合計30の供給単位へ機能液を供給するものである。
1つの供給単位に対する機能液FL1の供給系は、機能液FL1が充填された2つのカートリッジCと、中間貯留部103(103a)と、2つのカートリッジCと中間貯留部103とを繋ぐ供給経路148と、中間貯留部103と液滴吐出ヘッド20とを繋ぐ供給経路149と、を有している。なお、2つのカートリッジCを区別するため、一方のカートリッジCに符号102aを付与し、他方のカートリッジCに符号102bを付与して説明することもある。また、中間貯留部103に接続されるカートリッジCの数は、2つに限定されず、例えば、1つでもよいし、3つであってもよい。
本実施形態において、カートリッジCに充填される機能液FL1は、前述したように有機EL素子の発光層を形成するために用いられるものであって、発光材料などが含まれている。異物や水分、あるいは気泡などが除去された機能液FL1がカートリッジCに充填される。
カートリッジCの内部を加圧して機能液FL1を送り出す加圧手段として圧空が用いられている。圧空は、異物や油分、水分などが予め除去されている。圧空の取り入れ口PaとカートリッジCとの間には、レギュレーター105が設けられている。カートリッジCの内部を加圧する圧空の圧力設定は、カートリッジCに充填される機能液FL1の物理的な特性(粘度など)を考慮して設定される。本実施形態では、レギュレーター105として、電気信号により圧空の圧力をほぼ無段階に調整可能な電空レギュレーターが採用されている。これにより、機能液FL1の種類が変化しても取り入れた圧空を機能液FL1に合わせて細かく調整することが可能な構成となっている。他にも電空レギュレーターが用いられているので、カートリッジC側のレギュレーター105には符号105aを付与してレギュレーター105aとする。なお、カートリッジCの内部を加圧する方法は、空気が圧縮された圧空を用いることに限らず、例えば窒素などの不活性ガスを圧縮して用いてもよい。カートリッジCに充填される機能液を考慮して加圧方法(加圧手段)を決める。
カートリッジ102aとレギュレーター105aとの間の圧空の供給経路には、開閉バルブ143が設けられ、カートリッジ102bとレギュレーター105aとの間の圧空の供給経路には、開閉バルブ144が設けられている。また、それぞれの圧空の供給経路の少なくとも一部は内部を視認可能とする透明部材で構成されており、該透明部材で構成された部分に液面検出センサー104が取り付けられている。それぞれの圧空の供給経路に機能液FL1が漏れた場合、これを液面検出センサー104で検出して、異常を報知したり、通常は開いている開閉バルブ143,144を閉じたりすることができるようになっている。
2つのカートリッジ102a,102bと中間貯留部103とを繋ぐ供給経路148には機能液FL1を濾過するフィルター106が設けられている。カートリッジ102aとフィルター106との間には開閉バルブ141が設けられ、カートリッジ102bとフィルター106との間には開閉バルブ142が設けられている。フィルター106と中間貯留部103との間にも開閉バルブ145が設けられている。2つのカートリッジ102a,102bのいずれかを交換した際に、異物などが供給経路148に侵入したとしてもフィルター106によって取り除くことができる構成となっている。
中間貯留部103は大気開放型の筒状の容器であって、筒状の容器の上方側の一方の端に中間貯留部103を大気開放可能な開放経路140が接続されている。開放経路140は、例えば透明なプラスチックチューブからなり、開放経路140の開放端には気体を濾過するフィルター107が設けられている。また、フィルター107の近傍に開閉バルブ146が設けられ、通常は開かれた状態となっている。フィルター107を通過する気体は濾過されるので、中間貯留部103に大気中の異物が混入することを防ぐことができる構成となっている。この場合、1つのキャリッジユニット17における3つの供給単位に対応する3つの中間貯留部103a,103b,103cのそれぞれに開放経路140が設けられ、それぞれの開放経路140は1つのフィルター107に接続されている。
開閉バルブ146と中間貯留部103との間の開放経路140には液面検出センサー104が取り付けられている。中間貯留部103が大気開放型であることから、機能液FL1が供給されてオーバーフローし開放経路140に漏れたときに液面検出センサー104により検出して、開閉バルブ146を閉じることができる構成となっている。液面検出センサー104は他にも用いられているので、符号104の末尾にa〜mのアルファベットを付与して区分しておく。
中間貯留部103が大気開放型であることから、中間貯留部103から液滴吐出ヘッド20への機能液FL1の供給は、中間貯留部103に貯留された機能液FL1の水頭圧の影響を受ける。本実施形態では、筒状の容器である中間貯留部103の下方側の他方の端に中間貯留部103に貯留された機能液FL1の液位を検出可能な液位センサー108が取り付けられている。また、1つの中間貯留部103から4つの液滴吐出ヘッド20へ機能液FL1を安定的に供給する観点から、中間貯留部103と4つの液滴吐出ヘッド20との間に圧力調整弁109が設けられている。圧力調整弁109は、例えばダイヤフラム方式の自己封止バルブであって、液滴吐出ヘッド20におけるキャビティの負圧状態に応じて機能液FL1を液滴吐出ヘッド20に送り込める構成となっている。圧力調整弁109を設けることにより、中間貯留部103における水頭圧の管理をより緩やかなものとすることができる。
ここで、キャリッジユニット17における機能液供給系について、図10を参照して説明する。図10はキャリッジユニットにおける液滴吐出ヘッドと中間貯留部及び圧力調整弁との関係を示す図である。図10に示すように、中間貯留部103、圧力調整弁109はキャリッジユニット17に取り付けられている。中間貯留部103に付随する液位センサー108もまたキャリッジユニット17に取り付けられていることになる。
中間貯留部103と開閉バルブ147とを繋ぐ供給経路149a、開閉バルブ147と圧力調整弁109とを繋ぐ供給経路149b、圧力調整弁109と液滴吐出ヘッド20とを繋ぐ供給経路149cはいずれも可撓性の例えばポリエチレンテレフタレートなどのチューブが用いられている。また、本実施形態では、機能液として例えば有機エレクトロルミネッセンス材料を含むものや、紫外線硬化型のインクを用いた場合でも、機能液が変質したり、劣化したりするなどの不具合が生じないように、遮光性を有するチューブが用いられている。
1つの圧力調整弁109に対して4つの液滴吐出ヘッド20が供給経路149cを介して繋がれている。これは、前述したように、ヘッドユニット32のヘッドプレート33には12個の液滴吐出ヘッド20が搭載されており、4つの液滴吐出ヘッド20を1組として描画幅L1で機能液を吐出可能な構成となっているからである(図4参照)。言い換えれば、図10は、キャリッジユニット17に搭載された複数の液滴吐出ヘッド20に対して機能液を種類ごとに供給できる構成を示している。したがって、図10には図示していないが、実際には、12個の液滴吐出ヘッド20に対して機能液を供給するため、キャリッジユニット17には3つの中間貯留部103(103a,103b,103c)と、3つの圧力調整弁109とが取り付けられている。
3つの中間貯留部103のそれぞれに異なる種類の機能液が供給されていてもよいし、同じ種類の機能液が供給されていてもよい。また、3つの中間貯留部103のうち1つの中間貯留部103に他と異なる機能液を供給することもできる。
次に、図11を参照して中間貯留部103の詳しい構成を説明する。図11は中間貯留部の詳細を示す断面図である。図11に示すように、中間貯留部103は、耐食性に優れ且つ遮光性を有する例えばステンレスなどからなる筒状の容器である。前述したように、中間貯留部103の上方側の一方の端には中間貯留部103を大気開放するための開放経路140が接続されている。中間貯留部103と開放経路140との接続部103eは、透明な例えばガラスやプラスチックなどからなる。中間貯留部103は通常は大気開放されている。中間貯留部103の一方の端側の側面に機能液流入口103dが設けられている。機能液流入口103dには機能液FL1の供給経路148が接続されている。
中間貯留部103の下方側の他方の端には、機能液排出口103gを有する取付金具103fが接続されている。取付金具103fの側面に液位センサー108が取り付けられている。液位センサー108は圧力センサーであって、受圧面が中間貯留部103の長さ方向に沿うように取付金具103fに取り付けられている。機能液排出口103gには供給経路149aを介して開閉バルブ147が接続され、開閉バルブ147には圧力調整弁109に繋がる供給経路149bが接続されている。
液位センサー108は、中間貯留部103に注入された機能液FL1の液位に応じた液圧に対応する電気信号を出力する。とりわけ、ほぼ満杯に近い第1の液位LL1に対応する第1の信号と、第1の液位LL1よりも低い第2の液位LL2に対応する第2の信号とを制御部120によって検知可能となっている。つまり、第1の液位LL1と第2の液位LL2との間で、中間貯留部103の液位すなわち水頭圧を管理可能となっている。
本実施形態では、中間貯留部103の内径は例えば16mmであり、中間貯留部103の長さは例えば250mmである。ゆえに、中間貯留部103の容量(第2の容量)は、およそ50cm3である。したがって、中間貯留部103に例えば1cm3の機能液FL1が注入されると液位が5mm上昇することになる。本実施形態では、第1の液位LL1と第2の液位LL2との差ΔLLは、10mmである。つまり、2cm3に相当する機能液FL1の消費量の範囲で水頭圧が管理されている。
中間貯留部103の容量は、1つの中間貯留部103に繋がる液滴吐出ヘッド20の数と、主走査によって当該液滴吐出ヘッド20から吐出される機能液FL1の消費量を考慮して決められている。本実施形態では、1つのワークWに対して1種の機能液FL1を吐出する場合に4つの液滴吐出ヘッド20から吐出される機能液FL1の消費量が、中間貯留部103の第1の液位LL1と第2の液位LL2との差ΔLLをわずかに上回るように設定されている。複数のワークWに対して1種の機能液FL1を吐出する場合の機能液FL1の消費量に対応するように、差ΔLLを設定することも可能ではあるが、そうすると機能液FL1の水頭圧の差が大きくなり、ノズル22内のメニスカスの形状がばらついて、液滴における安定した吐出量を実現することが困難になるおそれがある。
可撓性の供給経路149aに繋がれた開閉バルブ147は、鉛直方向において、中間貯留部103の機能液流入口103dと機能液排出口103gとの間の高さで、第2の液位LL2よりも低い場所に位置するように、中間貯留部103に対して配置される。これにより、開閉バルブ147を機能液排出口103gよりも下方に配置する場合に比べて、機能液FL1中に気泡が含まれていたとしても、気泡が開閉バルブ147を通過して液滴吐出ヘッド20に送られ難くなる。
中間貯留部103に供給された機能液FL1の液位を正確に液位センサー108によって検出するには、機能液供給機構101を有する液滴吐出装置1が設置された地球上の場所に応じて、液位センサー108のキャリブレーションが必要となる。液滴吐出装置1の設置場所を移動させた場合には、その都度キャリブレーションが必要と考えられる。また、中間貯留部103に注入される機能液FL1の種類によってもキャリブレーションが必要と考えられる。
本実施形態では、開閉バルブ147を閉じ、中間貯留部103を満杯とすると共に、液位が中間貯留部103の一方の端に取り付けられた接続部103eにおいて確認できるように機能液流入口103dから機能液FL1を供給する。液位センサー108の受圧面の中心から液位までの距離を実測し、そのときに液位センサー108が感知した液圧に相当する電気信号をキャリブレーション用の信号とする。このキャリブレーション用の信号レベルに基づいて、前述した第1の液位LL1に相当する第1の信号と第2の液位LL2に相当する第2の信号のそれぞれのレベルを設定する。
なお、接続部103eは、液位を視認できれば、接続部103e自体がすべて透明である必要はなく、長手方向の側面に延在する透明部を有していればよい。
本実施形態の機能液FL1の供給方法は、図9に示すように、前述した機能液供給機構101を用い、機能液FL1が貯留されたカートリッジCから大気開放型の中間貯留部103と圧力調整弁109とを経て液滴吐出ヘッド20に機能液FL1を供給する方法である。
具体的には、制御部120は、液滴吐出装置1のキャリッジユニット17をセットステージ12に載置されたワークWと対向する位置に配置して、液滴吐出ヘッド20から機能液FL1をワークWに吐出する主走査を行う(図1参照)。機能液FL1は、中間貯留部103及び液滴吐出ヘッド20と、これらを繋ぐ機能液FL1の供給経路148に予め充填されている。中間貯留部103において機能液FL1の液位が第1の液位LL1にあるときに開閉バルブ147が開かれると、中間貯留部103の水頭圧と、液滴吐出ヘッド20内の流路の負圧状態とに応じて、機能液FL1は圧力調整弁109を経由して液滴吐出ヘッド20に供給される。
本実施形態では、上記主走査によって1つのワークWに吐出される機能液FL1の吐出量が、中間貯留部103の第1の液位LL1と第2の液位LL2との差ΔLLをわずかに超える程度に設定されている。したがって、1つのワークWに対する主走査が終了すると、中間貯留部103中の機能液FL1の液位は第2の液位LL2を下回ることになるので、制御部120は液位センサー108から上記第2の信号を検知する。
制御部120(図5参照)は、液位センサー108から出力される、中間貯留部103中の機能液FL1の第1の液位LL1に対応する第1の信号と、第1の液位LL1よりも低い第2の液位LL2に対応する第2の信号とを検知し、第2の信号を検知したときに、中間貯留部103への機能液FL1の注入を開始し、第1の信号を検知したときに、中間貯留部103への機能液FL1の注入を停止する。つまり、中間貯留部103において機能液FL1は、第1の液位LL1と第2の液位LL2との間で液位が管理される。なお、第2の液位LL2は、固定されるものではなく、適宜設定することができる。
液滴吐出装置1の稼動時における中間貯留部103への機能液FL1の注入は、ワークWへの機能液FL1の吐出が終了して、開閉バルブ147が閉じられた後に、次のワークWがセットステージ12にセットされるまでの間に実施される。言い換えれば、ワークWへの機能液FL1の吐出中(主走査中)に中間貯留部103には機能液FL1が供給されない。つまり、主走査中における中間貯留部103の水頭圧の変動が抑えられている。
また、制御部120は、液位センサー108が出力する信号を検知して、第1の液位LL1から第2の液位LL2への液位の変化、あるいは第2の液位LL2から第1の液位LL1への液位の変化を監視して、液位を制御することができる。例えば、上述したワークWの切り替え時間は、必ずしも一定ではないので、機能液FL1を中間貯留部103に供給可能な時間に応じて、中間貯留部103への単位時間あたりの機能液FL1の供給量(つまり機能液FL1の供給速度)を制御できる。より具体的には、カートリッジCから中間貯留部103への機能液FL1の移送を前述した加圧手段によって行う場合、制御部120は当該加圧手段によるカートリッジCの加圧の程度を制御することによってカートリッジCから中間貯留部103への機能液FL1の供給速度を制御可能である。
また、制御部120は、中間貯留部103へ機能液FL1が何回供給されたかを例えばRAM123に記憶させる。また、供給回数に基づいて消費された機能液FL1の消費量をCPU121によって算出する。したがって、例えば、2つのカートリッジ102a,102bのうちカートリッジ102aから使用し始めたとき、カートリッジ102aにおける機能液FL1の残量を予測して、カートリッジ102aの交換時期を知らせることができる。また、制御部120は、中間貯留部103への機能液FL1の供給において、液位センサー108から出力される信号レベルの変動が認められないとき、つまり、所定の時間が経過しても液位センサー108から出力される信号が第2の信号から第1の信号に変化しないとき、カートリッジ102aがほぼ空であると判定する。これによって、機能液FL1の供給をカートリッジ102aからカートリッジ102bへ切り替えることができる。
図9に戻って、キャップ機構110について説明する。キャップ機構110は、キャリッジユニット17に搭載された複数(12個)の液滴吐出ヘッド20に対して、4つの液滴吐出ヘッド20ごとに充填された機能液を吸引可能な構成となっている。
具体的には、複数(12個)の液滴吐出ヘッド20のノズル面を封止可能な複数(12個)のキャップ部111と、第1吸引タンク114と、第2吸引タンク115と、第1吸引タンク114及び第2吸引タンク115のそれぞれに接続された負圧手段としての複数の真空エジェクター116と、を備えている。図9には図示していないが、キャップ機構110における上記の構成は、複数(10個)のキャリッジユニット17に対応して複数組(10組)設けられている。
1つのキャリッジユニット17を吸引単位とする複数(12個)のキャップ部111には、吸引経路160が接続されている。吸引経路160は、4つのキャップ部111ごとに設けられた、2つの開閉バルブ151,152と、2つの開閉バルブ151,152間に挟まれた負圧調整経路113とを含んでいる。言い換えれば、1つの吸引経路160には、4つのキャップ部111と、2つの開閉バルブ151,152と、負圧調整経路113とを含む吸引経路が3つ接続されている。1つのキャリッジユニット17に搭載された12個の液滴吐出ヘッド20から吸引される機能液は1つの吸引経路160に集約される。図9には図示していないが、10個のキャリッジユニット17に対応して10本の吸引経路160が設けられている。
キャップ部111と第1吸引タンク114及び第2吸引タンク115との間には、キャップ部111が受けた機能液を第1吸引タンク114または第2吸引タンク115に振り分けることが可能な分岐経路が設けられている。分岐経路は、2つの開閉バルブ153,154と、これらの開閉バルブ間を繋ぐ配管163とを有している。吸引経路160の他方の端が上記の配管163に接続されている。分岐経路は、10本の吸引経路160に対応した、2つの開閉バルブ153,154と配管163とからなる組み合わせを10系統含んでいる。開閉バルブ153と第1吸引タンク114とを繋ぐ吸引経路161が設けられ、開閉バルブ154と第2吸引タンク115とを繋ぐ吸引経路162が設けられている。
第1吸引タンク114には、第1負圧手段としての複数(3つ)の真空エジェクター116が接続されている。同様に、第2吸引タンク115には、第2負圧手段としての複数(3つ)の真空エジェクター116が接続されている。真空エジェクター116は、圧空を利用して真空(負圧)を発生させるものであり、レギュレーター105を介して圧空の取り入れ口Pbに接続されている。負圧手段としてロータリーポンプや拡散ポンプなどのポンプ類を用いる場合に比べて、1つの真空エジェクター116では高い真空度(大きな負圧)が得られないものの、開閉バルブ155を介して複数の真空エジェクター116を第1吸引タンク114や第2吸引タンク115に接続することによって、異なる負圧状態を容易に実現することができる。第1吸引タンク114及び第2吸引タンク115のそれぞれには、タンク内の負圧状態を計測する圧力センサー117が取り付けられている。なお、第1吸引タンク114や第2吸引タンク115に接続される真空エジェクター116の数は、3つに限定されるものではなく、第1吸引タンク114や第2吸引タンク115において実現しようとする負圧水準に応じて決められる。
本実施形態では、第1吸引タンク114の負圧水準と、第2吸引タンク115の負圧水準を異ならせて運用している。具体的には、液滴吐出ヘッド20から強制的に機能液を吸引してノズルの目詰まりを解消する吸引動作を行うときには、第2吸引タンク115よりも第1吸引タンク114における負圧水準を大きくし、分岐経路の開閉バルブ154を閉じ、開閉バルブ153を開けてキャップ部111及び吸引経路160,161を介して吸引された機能液を第1吸引タンク114に回収している。また、液滴吐出ヘッド20からの捨て吐出された機能液をキャップ部111で受けるフラッシング(捨て吐出動作)を行うときには、第1吸引タンク114よりも第2吸引タンク115における負圧水準を小さくし、分岐経路の開閉バルブ153を閉じ、開閉バルブ154を開けてキャップ部111及び吸引経路160,162を介して吸引された機能液を第2吸引タンク115に回収している。なお、図9には図示していないが、X軸テーブル13に取り付けられたフラッシングユニット8(図1参照)が受けた機能液も第2吸引タンク115に回収されるように廃棄経路が設けられている。
第1吸引タンク114及び第2吸引タンク115のそれぞれには、タンク内に回収された機能液の重量を計測する重量計測装置118が取り付けられている。また、第1吸引タンク114及び第2吸引タンク115を大気に開放可能な開閉バルブ156,157が取り付けられている。第1吸引タンク114及び第2吸引タンク115の底部には、廃棄ポンプ119に接続された廃棄経路164が開閉バルブ158,159を介して接続されている。制御部120は廃棄ポンプ119を駆動し、開閉バルブ156と開閉バルブ158を開けることで、第1吸引タンク114内の機能液を排出することができる。同様に、開閉バルブ157と開閉バルブ159を開けることで、第2吸引タンク115内の機能液を排出することができる。
複数の真空エジェクター116と第1吸引タンク114とを結ぶ吸引経路、複数の真空エジェクター116と第2吸引タンク115とを結ぶ吸引経路のそれぞれと、開閉バルブ157に接続された開放経路のそれぞれとには、液面検出センサー104(104f〜104m)が取り付けられている。仮に、第1吸引タンク114及び第2吸引タンク115が回収された機能液で満たされ、これらの吸引経路や開放経路に漏れ出しても液面検出センサー104で検出して異常を知らせることができる。特に、真空エジェクター116に機能液が侵入すると、真空エジェクター116の性能が低下するおそれがあるので、圧力センサー117によって第1吸引タンク114及び第2吸引タンク115の負圧状態をモニターしておくことは、適正に吸引動作やフラッシングを行わせる点で重要である。
なお、図9に示した機能液供給システム100において用いられる開閉バルブは、例えばエアオペレーションバルブが用いられている。例えば電磁バルブを用いるよりも、エアオペレーションバルブを用いた方が、電気的に開閉制御を可能としつつシステム全体の消費電力を低減可能である。
次に、図12及び図13を参照して、キャップ機構110やワイピング機構5を用いた液滴吐出ヘッド20のメンテナンスについて説明すると共に、メンテナンスとカートリッジCの交換との関係について説明する。図12(a)及び(b)はキャップ機構におけるキャップ部と負圧調整経路の構成を示す図、図13は定期メンテナンスにおける複数のキャリッジユニットと、キャップ機構及びワイピング機構との関係を示す概略図である。
図12(a)に示すように、キャップ機構110は、液滴吐出ヘッド20のノズル面21aを封止可能なキャップ部111と、キャップ部111に接続された吸引経路160とを有している。吸引経路160は2つの開閉バルブ151,152に挟まれた負圧調整経路113を含むものである。吸引経路160の一端は、キャップ部111を貫通する孔111aに接続されている。キャップ部111の一方の面には、弾性部材からなる当接部112が設けられている。図12(b)に示すように、当接部112は、孔111aを中心にしてトラック状に配置されている。当接部112によってノズル面21aを封止したり、ノズル面21aとキャップ部111とを所定の間隔をおいて配置したりするように、Z軸方向において液滴吐出ヘッド20またはキャップ部111を相対的に昇降させる。
本実施形態において、負圧調整経路113は、キャップ機構110を用いた吸引動作における吸引量を精度よく実現するために設けられている。具体的には、開閉バルブ151を閉じて開閉バルブ152を開け、吸引経路160から吸引を行った後に開閉バルブ152を閉じることによって、負圧調整経路113の容積に応じた負圧状態が実現される。言い換えれば、負圧調整経路113の容積と負圧水準とを設定することによって所望の負圧状態を精度よく実現できる。負圧調整経路113における負圧状態に比例してノズル22から吸引される機能液の吸引量が決まる。
負圧調整経路113の負圧を利用した吸引動作における吸引量Vは、負圧調整経路113の容積V0と負圧水準Vpとの積で与えられる。例えば、負圧調整経路113の容積V0を1cm3(cc)とし、大気圧を0kPaとしたときの負圧水準Vpを−60kPaとすれば、吸引量Vは0.6cm3(cc)となる。負圧水準Vpにおける−60kPaはゲージ圧である。絶対真空を0kPaとすると、1気圧は、およそ100kPaであることから、負圧水準Vpを例えば−60kPaとすることで負圧調整経路113の容積V0の60%を吸引可能となる。
言い換えれば、開閉バルブ151と開閉バルブ152との間の負圧調整経路113の容積V0は一定であるため、負圧調整経路113の負圧水準Vp(ゲージ圧)を調整することで、吸引量Vを正確に設定可能である。負圧水準Vpを振って吸引量Vを変化させれば、吸引量Vによってどの程度の量の機能液を液滴吐出ヘッド20から吸引できるかが分かる。また、吸引量Vとノズル22の目詰まりの解消度合いを調べれば、ノズル22の目詰まりを解消可能な最小限の吸引量Vを導くことが可能である。なお、負圧調整経路113は、4つのキャップ部111を単位とする吸引経路に1つ設けることに限定されず、直列または並列に複数設けてもよい。これにより、吸引動作における吸引量Vを多段階に構成可能となる。また、負圧調整経路113の容積V0を可変可能な構成としてもよい。
一方で、このような負圧調整経路113が無い状態で、ノズル面21aをキャップ部111によって封止し、負圧手段により吸引動作を行うと、負圧手段の負圧水準(負圧性能)と吸引時間とにより負圧状態が決まるものの、精度よく負圧状態を管理することが難しい。
これに対して、予め負圧調整経路113を所望の負圧状態としてからノズル面21aをキャップ部111で封止し、開閉バルブ151を開けることで、封止された複数のノズル22から液滴吐出ヘッド20のキャビティに充填された機能液を、上記所望の負圧状態に応じた吸引量Vで吸引することができる。
また、液滴吐出ヘッド20の複数のノズル22から機能液を吸引するメンテナンスを行うときに、制御部120は、中間貯留部103の液位センサー108から出力される信号を検知して、吸引によって消費される単位時間あたりの機能液の消費量を算出することができる。これによって、吸引を行うメンテナンス時に必要な機能液の流量(吸引量)を精度よく求めることができる。言い換えれば、ノズル22の目詰まりを解消可能な吸引量Vを求めて、負圧調整経路113の容積V0と負圧水準Vpとを決定すれば、無駄に機能液を吸引することなく、ノズル22の目詰まりを解消することが可能となる。
なお、本実施形態では、負圧調整経路113を負圧とする負圧手段として、前述したように複数の真空エジェクター116が用いられている。複数の真空エジェクター116により第1吸引タンク114を負圧とすることで、負圧調整経路113を含む吸引経路160が負圧状態となる。第1吸引タンク114内に回収された機能液が溜まっている状態では、第1吸引タンク114の容積が不安定となるため、負圧調整経路113を負圧状態とする前に、吸引経路160及び第1吸引タンク114中の機能液を排出して、第1吸引タンク114を空にしている。これにより、負圧調整経路113において安定した負圧水準Vpを実現できる。つまり、精度よく吸引量Vを実現できる。
本実施形態では、ノズル22の目詰まりを解消することが可能な吸引量Vが中間貯留部103の容量の範囲内で済むように、中間貯留部103の容量つまり、筒状の容器の仕様を決めている。なお、本実施形態では、1つの中間貯留部103に4つの液滴吐出ヘッド20が接続されていることを考慮して、筒状の容器の仕様が決められている。
より具体的には、中間貯留部103において第1の液位LL1と第2の液位LL2との間に機能液の液位がある状態でキャップ機構110による吸引動作を開始したときに、4つの液滴吐出ヘッド20のノズル22の目詰まりが解消可能であると共に、吸引動作中に中間貯留部103に機能液を供給しなくてもよい状態が実現されるように、筒状の容器の仕様を決める。つまり、吸引動作中にカートリッジCから中間貯留部103への機能液の供給を中止して、カートリッジCを交換可能な状態が実現される。
本実施形態における液滴吐出ヘッド20のメンテナンスは、図13に示すように、隣り合う2つのキャリッジユニット17を単位として行われる。液滴吐出装置1のメンテナンスエリア19では、10個のキャリッジユニット17(符号CR1〜CR10を付して区別する)と、10台のキャップ機構110(符号CP1〜CP10を付して区別する)とが対峙可能となっている。
図13では、例えば、メンテナンスが終了したキャリッジユニットCR1,CR2がワイピング機構5と対峙する位置に進んで、順次、キャリッジユニットCR1,CR2ごとのワイピング(ノズル面の払拭)が進んでいる様子を示している。一方、キャリッジユニットCR2に隣り合うキャリッジユニットCR3とキャリッジユニットCR4は、キャップ機構CP1,CP2と対峙する位置に移動して、搭載された液滴吐出ヘッド20の吸引動作が行われる。他のキャリッジユニットCR5〜CR10は、キャップ機構CP3〜CP8と対峙する位置に移動して、搭載された液滴吐出ヘッド20からキャップ機構110に向けて機能液のフラッシング(捨て吐出動作)が行われる。フラッシングは、キャリッジユニットCR1,CR2のワイピングに要する時間と、キャリッジユニットCR3,CR4の吸引動作に要する時間とのうち、長い方の時間に同期して行われる。また、この長い方の時間に同期して、キャリッジユニットCR3,CR4に搭載されたカートリッジCのうち交換が必要と判断されたカートリッジCの交換をカートリッジ供給機構4の移載部45によって行う。このような液滴吐出ヘッド20のメンテナンス及びカートリッジCの交換は、隣り合う2つのキャリッジユニット17を単位として10個のキャリッジユニット17に亘って実施される。なお、キャップ機構CP1,CP2で吸引された機能液は第1吸引タンク114に回収され、キャップ機構CP3〜CP8で受けた機能液は第2吸引タンク115に回収される。
<カートリッジの交換方法>
次に、カートリッジの交換方法について、図14〜図16を参照して説明する。図14はカートリッジの交換方法の一例を示すフローチャート、図15は2つのカートリッジにおける機能液の残量の予測を示すグラフ、図16(a)〜(c)は機能液の1つの供給系におけるカートリッジの交換方法を示す図である。
図14に示すように、本実施形態のカートリッジの交換方法は、まず、液滴吐出ヘッド20のメンテナンスが必要か否か判断する(ステップS1)。メンテナンスは、定期的に行われるケースと、液滴吐出装置1による描画状態や検査ユニット9による吐出性能検査結果によって非定期に行われるケースとが考えられる。メンテナンスの必要がないと判断された場合(NO)、液滴吐出装置1は継続稼働される。メンテナンスが必要と判断された場合(YES)、制御部120は、キャリッジ移動機構16を駆動して10個のキャリッジユニット17をメンテナンスエリア19へ移動させる(ステップS2)。
次に、カートリッジCの交換が必要か否か判断する(ステップS3)。カートリッジCの交換が必要ないと判断された場合(NO)、前述したように、隣り合う2つのキャリッジユニット17を単位として、キャップ機構110による液滴吐出ヘッド20の吸引動作(ステップS8)と、ワイピング機構5によるワイピング(ステップS9)とが行われる。そして、10個のキャリッジユニット17のメンテナンスが終了したか否か判断され(ステップS10)、終了していない場合(NO)には、ステップS8に戻って吸引動作と、ワイピングが繰り返される。
一方で、ステップS3でカートリッジCの交換が必要と判断された場合(YES)、キャップ機構110による吸引動作(ステップS4)及びワイピング機構5によるワイピング(ステップS5)が実施され、この間に並行してカートリッジCの交換(ステップS6)が行われる。そして、10個のキャリッジユニット17のメンテナンス及びカートリッジCの交換が終了したか否か判断され(ステップS7)、終了していない場合(NO)には、ステップS4に戻って吸引動作と、ワイピングが繰り返される。ステップS7またはステップS10でYESならば、これらの一連のステップが終了する。そして、制御部120は、10個のキャリッジユニット17を再び描画エリア18に移動させて、次の描画指示が出されるまで液滴吐出装置1を待機状態とする。
本実施形態におけるカートリッジCの交換の必要性の判断(ステップS3)は、同種の機能液が貯留される2本のカートリッジCを1組として、2本のカートリッジCにおける機能液の残量を予測することにより判断される。
具体的には、定期のメンテナンスのタイミングが1つの判断要因となる。液滴吐出装置1を用いてワークWに機能液を吐出して描画する作業は繰り返し行われる。したがって、1つのワークWを描画するために液滴吐出ヘッド20から吐出される機能液の消費量は、機能液供給機構101の中間貯留部103における機能液の液位を液位センサー108で検出して管理することで正確に求めることができる。
これにより、図15に示すように、次回及び次々回の定期メンテナンスまでに消費される機能液の消費量から2つのカートリッジCの機能液の残量を予測することができる。なお、液滴吐出装置1の稼働中における機能液の消費量は一定とし、メンテナンス期間中には前述したように吸引動作とフラッシングとが行われるので、消費量を多く見積もっている。
例えば、図15の例1に示すように、次々回の定期メンテナンスまでの2つのカートリッジCの機能液の残量が、50%以上、つまり1本のカートリッジCがまだ未使用と判断される場合は、次回の定期メンテナンス時にカートリッジCの交換は行わない。また、例2に示すように、次々回の定期メンテナンスを行ったとしても2つのカートリッジCに残量があると判断される場合も、次回の定期メンテナンス時にカートリッジCの交換を行わない。
一方で、例3に示すように次々回の定期メンテナンス中に残量が無くなったり、例4に示すように次回の定期メンテナンスは問題なく実行できるが、次々回の定期メンテナンスまで残量が持たなかったりする場合は、次回の定期メンテナンス時にカートリッジCを交換すると判断する。
また、このようなカートリッジCの交換の判断は、複数(10個)のキャリッジユニット17に搭載されたすべてのカートリッジCを対象として行われる。本実施形態では、定期メンテナンス時に行われるカートリッジCの交換本数が、次回と次々回とにおいて平均化されるように交換を行う対象のカートリッジCを決める。これにより、定期メンテナンス中にカートリッジCの交換を確実に終了させる。あるいは、定期メンテナンスが終了しても、カートリッジCの交換が完了するまで、メンテナンスエリア19に複数のキャリッジユニット17を待機させておく時間を抑制する。カートリッジCの交換本数の平均化とは、例えば、本実施形態では、1つのカートリッジセット部35に最大で3種のカートリッジCを合計6本セット可能であることから、複数のカートリッジセット部35ごとの交換本数について3本を基準として±1本の範囲で平均化することが挙げられる。言い換えれば、交換本数の平均化とは、複数のカートリッジセット部35に亘って交換本数を所定の数にするだけでなく、ある範囲の数とすることを含むものである。
なお、機能液供給機構101の中間貯留部103における機能液の液位を液位センサー108で検出して管理することによって、次回の定期メンテナンス時まで2つのカートリッジCの機能液の残量が持たないと予測された場合、つまり異常な事態が生じた場合には、警告を発してカートリッジCの交換を促すことも可能である。
2つのカートリッジ102a,102bの交換は、例えば、図16(a)に示すように、カートリッジ102aが使用済みと判断され交換対象となると、図16(b)に示すように、キャップ機構110によって液滴吐出ヘッド20の吸引動作が行われるメンテナンスの間に、開閉バルブ141を閉じて、交換対象のカートリッジ102aは新しいカートリッジ102nと交換される。吸引動作では、もう一方のカートリッジ102bに繋がる開閉バルブ142を閉じておいても、大気開放型の中間貯留部103に貯留された機能液の容量の範囲内の吸引量Vで吸引が行われるので、ノズルから機能液を吸引して目詰まりを問題なく解消することができる。
図16(c)に示すように、新しいカートリッジ102nがセットされたら、開閉バルブ142を開けて、キャップ機構110により液滴吐出ヘッド20のノズル面を封止した状態で再び吸引動作を行う。これにより、今度は、カートリッジ102bから機能液が中間貯留部103に供給され、さらに液滴吐出ヘッド20へと供給される。このような吸引動作が終了すると、ノズル面を払拭するワイピングが行われて、液滴吐出ヘッド20のメンテナンスが終了する。
本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)機能液供給システム100によれば、液滴吐出ヘッド20のノズル22からキャップ機構110を用いて機能液を吸引する際に、予め所望の負圧状態とした負圧調整経路113の負圧を利用して、必要十分な吸引量で機能液が吸引される。該吸引量は中間貯留部103の容量の範囲内で決められているので、吸引のためにカートリッジCから中間貯留部103に機能液を供給する必要がない。ゆえに、キャップ機構110の吸引動作中にカートリッジCの交換が可能となる。すなわち、カートリッジCの交換のためだけに機能液供給システム100を一時的に停止させることを避けることが可能となる。
(2)機能液供給システム100を用いたカートリッジCの交換方法によれば、キャップ機構110の吸引動作を行うメンテナンス時に、同種の機能液が貯留される2つのカートリッジCのうちの1つを交換するので、カートリッジCの交換頻度を低減できる。つまり、機能液供給システム100の稼働率をより改善できる。
(3)カートリッジCの交換は、定期メンテナンスにおける次回、次々回までの2つのカートリッジCの機能液の残量を予測して交換対象のカートリッジCを決定し、且つ、次回、次々回におけるカートリッジCの交換本数が平均化されるように交換対象のカートリッジCを決めるので、カートリッジCの交換を含む定期メンテナンスを効率的に進めることができる。
(4)機能液供給システム100を備えた液滴吐出装置1によれば、液滴吐出ヘッド20のメンテナンス時にカートリッジCの交換を行うことができ、カートリッジCの交換のためだけに装置を一時的に停止することが抑制されるので、高い稼働率を実現可能な液滴吐出装置1を提供することができる。
(5)液滴吐出装置1によれば、台車Aによってチャンバールーム6内に運び込まれたカートリッジCをカートリッジ供給機構4によって使用済みのカートリッジCと交換できる。カートリッジCの交換によってチャンバールーム6のクリーン度が低下することがないので、液滴吐出装置1による描画品質の低下を防ぐことができる。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う機能液供給システムおよび該機能液供給システムを用いたカートリッジの交換方法ならびに該機能液供給システムを適用する液滴吐出装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)液滴吐出装置1において、セットステージ12をY軸方向に移動させる改行軸テーブル14は必須ではない。Y軸テーブル16によってキャリッジユニット17をY軸方向に移動させることにより、ワークWに対して液滴吐出ヘッド20を副走査してもよい。
(変形例2)液滴吐出装置1の装置本体2は、セットステージ12をZ軸方向に沿った軸周りに回転させる回転機構を備えていてもよい。これにより、セットステージ12に載置されるワークWと液滴吐出ヘッド20のノズル列22cとの相対的な位置関係をX軸方向及びY軸方向に限らず調整することができる。
(変形例3)液滴吐出装置1は、セットステージ12にワークWをセットリセットするワーク供給装置を備えていてもよい。
1…液滴吐出装置、5…ワイピング機構、13…移動手段としてのX軸テーブル、14…移動手段としての改行軸テーブル、16…移動手段としてのY軸テーブル、17…キャリッジとしてのキャリッジユニット、20…液滴吐出ヘッド、21a…ノズル面、22…ノズル、100…機能液供給システム、102a,102b…カートリッジ、103…中間貯留部、106…機能液を濾過するフィルター、107…気体を濾過するフィルター、108…液位センサー、110…キャップ機構、111…キャップ部、113…負圧調整経路、114…第1吸引タンク、115…第2吸引タンク、116…負圧手段としての真空エジェクター、140…開放経路、146…開閉バルブ、160…吸引経路、C…カートリッジ。

Claims (17)

  1. ノズルから機能液を吐出可能な液滴吐出ヘッドに前記機能液を供給する機能液供給システムであって、
    前記機能液が貯留される第1の容量を有するカートリッジと、
    前記カートリッジと前記液滴吐出ヘッドとの間の前記機能液の供給経路に設けられ、前記第1の容量よりも少ない第2の容量を有する中間貯留部と、
    前記液滴吐出ヘッドに充填された前記機能液を前記ノズルから吸引可能なキャップ機構と、を備え、
    前記キャップ機構は、前記第2の容量の範囲以内の吸引量で前記液滴吐出ヘッドから前記機能液を吸引することを特徴とする機能液供給システム。
  2. 前記キャップ機構は、
    前記液滴吐出ヘッドの前記ノズルが設けられたノズル面を封止可能なキャップ部と、
    負圧手段と、
    前記キャップ部と前記負圧手段との間に設けられた負圧調整経路を含む吸引経路と、を含み、
    前記負圧調整経路は、前記吸引量が前記第2の容量の範囲以内となるように前記負圧手段によって内部の圧力が調整されることを特徴とする請求項1に記載の機能液供給システム。
  3. 前記キャップ機構は、複数の前記液滴吐出ヘッドから前記機能液を吸引するための複数の前記キャップ部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の機能液供給システム。
  4. 前記キャップ機構は、前記吸引経路と前記負圧手段との間に吸引タンクを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の機能液供給システム。
  5. 前記キャップ機構は、
    第1負圧手段及び第2負圧手段と、
    前記吸引経路と前記第1負圧手段との間に設けられた第1吸引タンクと、
    前記吸引経路と前記第2負圧手段との間に設けられた第2吸引タンクと、を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の機能液供給システム。
  6. 前記中間貯留部は、
    前記機能液の供給経路に接続される筒状の容器と、
    前記筒状の容器の一方の端に接続され、前記筒状の容器を大気開放可能な開放経路と、
    前記筒状の容器の他方の端に設けられ前記筒状の容器内における前記機能液の液位を検出する液位センサーと、を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の機能液供給システム。
  7. 前記中間貯留部は、
    前記筒状の容器と前記開放経路の開放端との間に設けられた気体を濾過するフィルターと、
    前記フィルターと前記筒状の容器との間に設けられた開閉バルブと、をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の機能液供給システム。
  8. 前記中間貯留部には、同種の前記機能液が貯留される少なくとも2つの前記カートリッジが接続され、前記少なくとも2つの前記カートリッジのそれぞれが、前記供給経路に対して着脱可能な状態で取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の機能液供給システム。
  9. 前記カートリッジに貯留された前記機能液を加圧して前記カートリッジから前記中間貯留部に前記機能液を送り出す加圧手段を備え、
    前記カートリッジと前記中間貯留部との間に前記機能液を濾過するフィルターを有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の機能液供給システム。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の機能液供給システムを用い、
    前記キャップ機構により前記液滴吐出ヘッドのノズルから前記機能液を吸引している間に、前記カートリッジを交換することを特徴とするカートリッジの交換方法。
  11. 前記中間貯留部には、同種の前記機能液が貯留される少なくとも2つの前記カートリッジが接続され、前記少なくとも2つの前記カートリッジのうちの1つのカートリッジを交換することを特徴とする請求項10に記載のカートリッジの交換方法。
  12. 前記キャップ機構を用いて前記液滴吐出ヘッドから前記機能液を吸引する吸引動作は、定期的に実施され、
    次回及び次々回の吸引動作までに消費される前記機能液の消費量から前記カートリッジ中の前記機能液の残量を予測して、次回の吸引動作において前記カートリッジの交換が必要か否か判断する工程を含むことを特徴とする請求項10または11に記載のカートリッジの交換方法。
  13. 前記機能液供給システムは、複数の前記カートリッジを備え、
    次回及び次々回の前記カートリッジの交換本数が平均化されるように、前記次回に交換する前記カートリッジを決定する工程を含むことを特徴とする請求項10乃至12のいずれか一項に記載のカートリッジの交換方法。
  14. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の機能液供給システムと、
    液滴吐出ヘッドが搭載されたキャリッジと、
    前記液滴吐出ヘッドと被吐出物とを対向配置して、相対的に移動させる移動手段と、を備え、
    前記キャリッジに前記カートリッジ及び前記中間貯留部が搭載されていることを特徴とする液滴吐出装置。
  15. 複数の前記キャリッジを備え、
    前記キャップ機構は、前記複数の前記キャリッジごとに設けられていることを特徴とする請求項14に記載の液滴吐出装置。
  16. 前記複数の前記キャリッジのうち隣り合う2つの前記キャリッジを単位として前記吸引動作と前記カートリッジの交換動作とが行われることを特徴とする請求項14または15に記載の液滴吐出装置。
  17. 前記キャリッジに搭載された前記液滴吐出ヘッドの前記ノズルが設けられたノズル面を払拭するワイピング機構をさらに備えることを特徴とする請求項14乃至16のいずれか一項に記載の液滴吐出装置。
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