JP2015120189A - プレス機械のダイナミックバランス装置及びプレス機械 - Google Patents

プレス機械のダイナミックバランス装置及びプレス機械 Download PDF

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Abstract

【課題】 比較的簡単かつ低コストな構成でありながら、スライドに取り付ける上型の質量の変化に関わらず、スライド側との慣性力と良好に吊り合わせることができるプレス機械のダイナミックバランス装置及び該装置を備えたプレス機械を提供する。【解決手段】 本発明に係るプレス機械1のダイナミックバランス装置100は、プレス機械1のスライド4と連動してスライド側の運動体の慣性力と反対方向に作用する第1の慣性力を発生する第1の慣性力発生機構(対向ウェイト130)と、スライド4と連動して第2の慣性力を発生する第2の慣性力発生機構(サブウェイト140)と、第2の慣性力の発生特性を変更する調節機構(ウォームギヤ141、ウォームシャフト150、位置変更用モータ160)と、を有し、第1の慣性力と第2の慣性力とを合成した慣性力を発生することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、プレス機械のスライド側の運動体の慣性力と吊り合わせることができるダイナミックバランス装置に関する。
プレス機械で仕事をすると、上型を取り付けたスライド(スライド側)の往復運動に起因する慣性力により、プレス機械全体が振動し、それが地盤に伝わるなどして、作業環境、周辺環境が損なわれたり、プレス機械自体に損傷等の悪影響を及ぼすおそれがある。
このようなプレス機械自体の振動を軽減するものとして、ダイナミックバランス装置がある。
ダイナミックバランス装置は、上型を取り付けたスライドの往復運動に起因する慣性力と反対方向の慣性力を発生させて、スライドの慣性力を打ち消すものである。しかし、生産する製品が異なれば異なった金型を使用するので、上型質量がその都度変化するため、スライド側の慣性力も変化する。すなわち、プレスSPM(Strokes/Minute)が同一でも、金型の質量によりスライド側の慣性力は変化する。
従って、スライドに対向して往復運動するダイナミックバランス装置のウェイト重量が固定されていると、上型重量の変化に対応できずに両者の慣性力の不吊り合いが生じ、機械全体の振動の増大をもたらすことになる。
このようなことから、例えば、特許文献1には、スライドと相反する方向に移動してスライドの慣性力を打ち消すためのケースを備え、当該ケースをこれに収容される流動体を注入排出可能な可変容量型にすることにより重量調節可能とし、スライドに取り付けられる金型の変更に伴うスライド側重量の変化に対応してケースの重量を調節するプレス機械の可変重量式ダイナミックバランサが記載されている。すなわち、特許文献1に記載されているダイナミックバランサは、重量調節可能なケースの慣性力を、金型を含むスライド側の慣性力と等しくさせ、プレス機械の振動を抑制するものである。
また、特許文献2には、スライド(符号30)の往復運動に起因する不平衡力が、スライドに組み付けられる金型(符号26)の交換等に起因して変化したときは、平衡重り(符号34)のストローク長さをストローク調整機構(符号76)で変更することにより、不平衡力を平衡させることができるようにした技術が記載されている。
より詳細には、特許文献2のものは、コネクション(符号70)の上端部の上下運動により揺動する一対の第1のレバー(符号72)の揺動支点となるスライダ(符号92)が組み付けられたスライダ(符号90)をストローク調整機構(符号76)により左右方向へ移動する。この揺動支点の移動により、一対の第1のレバー(符号72)の揺動角度が変更され、第2のレバー(符号74)を介して第1のレバー(符号72)の揺動部(揺動支点と他端の間)に連結された平衡重り(符号34)のストローク長さを変更するといった構成によって、不平衡力を平衡させることができるようにしている。
特開2008−200742号公報 特開2003−80398号公報
ここで、特許文献1、特許文献2に記載されているダイナミックバランス装置は、共に慣性力は固定されておらず、それぞれ、ケースの重量、平衡重りのストローク長さを調節することで、それらの慣性力を金型重量に対応するように変化させることができる。
しかしながら、特許文献1に記載のダイナミックバランス装置は、流動体として油を使用すればその比重が小さいためにケースが大型化し、比重が大きい金属紛体等を使用すれば出し入れするポンプ手段と可変容量ケースの密封手段のコストを抑えることが難しくなるといった実情がある。
また、特許文献2に記載のダイナミックバランス装置は、平衡重りを往復動させる駆動部は、6個のレバーと5個の連結軸で構成されており、構成が複雑であると共に、コストを抑えることが難しくなるといった実情がある。
本発明は、かかる実情に鑑みなされたもので、比較的簡単かつ低コストな構成でありながら、スライドに取り付ける上型の質量の変化に関わらず、スライド側との慣性力と良好に吊り合わせることができるプレス機械のダイナミックバランス装置及び該装置を備えたプレス機械を提供することを目的とする。
このため、本発明に係るプレス機械のダイナミックバランス装置は、
プレス機械のスライドと連動(或いは同期)してスライド側の運動体の慣性力と反対方向に作用する第1の慣性力を発生する第1の慣性力発生機構と、
スライドと連動(或いは同期)して第2の慣性力を発生する第2の慣性力発生機構と、
第2の慣性力の発生特性を変更する調節機構と、
を有し、
第1の慣性力と第2の慣性力とを合成した慣性力を発生することを特徴とする。
本発明において、
前記第1の慣性力発生機構は、クランクシャフトの回転により往復直線運動するスライド側の運動体と反対方向に運動する対向ウェイトを含んで構成され、
前記第2の慣性力発生機構は、前記対向ウェイトの往復直線運動に連動して揺動運動するサブウェイトを含んで構成され、
前記調節機構は、前記サブウェイトの揺動運動の揺動中心位置を変更可能に構成したことを特徴とすることができる。
本発明において、
前記第2の慣性力発生機構におけるサブウェイトの揺動運動は、
該サブウェイトを前記対向ウェイトに揺動自在に支持させると共に、
前記サブウェイトの揺動軸廻りに形成されたウォームギヤ或いはピニオンギヤと、プレス機械のフレーム側に配設されるウォームシャフト或いはラックと、を噛合させ、
前記対向ウェイトの往復直線運動を駆動源として、前記ウォームギヤ或いはピニオンギヤを、前記ウォームシャフト或いはラックに沿って回動させることによりなされる一方、
前記調節機構は、前記ウォームシャフト或いはラックと、前記ウォームギヤ或いはピニオンギヤと、の噛合する相対位置を変更することで、前記サブウェイトの揺動運動の揺動中心位置を変更することを特徴とすることができる。
本発明において、
前記第2の慣性力発生機構におけるサブウェイトの揺動運動は、
前記サブウェイトをプレス機械のフレーム側に揺動自在に支持させると共に、
前記対向ウェイトと、前記サブウェイトと、を連結手段により連結することで、前記対向ウェイトの往復直線運動を駆動源として、前記サブウェイトを揺動させることによりなされる一方、
前記調節機構は、前記連結手段による前記対向ウェイトと前記サブウェイトとの間の連結位置を変更することで、前記サブウェイトの揺動運動の揺動中心位置を変更することを特徴とすることができる。
本発明において、
前記連結手段が、
一端が前記対向ウェイトに回動自在に連結され、他端が前記サブウェイトに回動自在に連結されたサブウェイト揺動レバーを含んで構成され、
前記調節機構が、前記サブウェイト揺動レバーの一端の回動中心を前記対向ウェイトの往復運動方向に沿って移動可能な構成とすることで、前記連結手段による前記対向ウェイトと前記サブウェイトとの間の連結位置の変更を許容し、前記サブウェイトの揺動運動の揺動中心位置を変更することを特徴とすることができる。
本発明において、
前記連結手段が、
プレス機械のフレーム側に回動自在に配設された一対の環状要素と、
該一対の環状要素に巻き掛けられる無端環状連続体と、
を含んで構成され、
前記一対の環状要素の一方が前記サブウェイトに略一体的に取り付けられると共に、
該無端環状連続体と、前記対向ウェイトと、を連結することで、前記対向ウェイトの往復直線運動を駆動源として前記サブウェイトを揺動させる一方、
前記調節機構が、前記無端環状連続体と前記対向ウェイトとの間の連結位置を変更することで、前記サブウェイトの揺動運動の揺動中心位置を変更することを特徴とすることができる。
また、本発明に係るプレス機械は、上述したプレス機械のダイナミックバランス装置を備えることを特徴とする。
本発明によれば、比較的簡単かつ低コストな構成でありながら、スライドに取り付ける上型の質量の変化に関わらず、スライド側との慣性力と良好に吊り合わせることができるプレス機械のダイナミックバランス装置及び該装置を備えたプレス機械を提供することができる。
(A)は、本発明の一実施の形態に係る実施例1の慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置付きプレス機械の全体構成を概略的に示す正面図であり、(B)は(A)の左側面図である。 (A)は実施例1に係る慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置の一構成例を示す断面図(側面図:クランク軸方向から見た図)を示し、(B)は、(A)のA−A断面図である。 実施例1に係る慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置のサブウェイトの回転方向中心位置(揺動中心位置)と慣性力の関係を説明するための図である。 実施例1に係る慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置におけるサブウェイトの加振力を求めるための計算式を説明する図である。 (A)は金型(上型)の質量が最大である場合(1300kgとした場合)におけるサブウェイトの有無による加振力(プレス機械に対する加振力)の大きさを比較した図(サブウェイトの初期回転角度位置190度)であり、(B)は金型(上型)の質量が中間である場合(650kg)におけるサブウェイトの有無による加振力の大きさを比較した図(サブウェイトの初期回転角度位置132度)であり、(C)は金型(上型)を取り外した場合(質量0kg)におけるサブウェイトの有無による加振力の大きさを比較した図(サブウェイトの初期回転角度位置78度)である。 サブウェイトの初期回転角度位置(振分け位置角度;位相)を変更してその都度演算を行って得られた加振力を比較して示した図(上型なしの場合)であり、(A)は対向ウェイトの座標軸上におけるサブウェイトの加振力を示した図で、(B)はプレス機械(フレーム)の座標軸上における対向ウェイト及びサブウェイトの合計の加振力を示した図である。 図5、図6で用いた計算条件を示す図である。 (A)は実施例2に係る慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置の一構成例を示す断面図(側面図:クランク軸方向から見た図)を示し、(B)は、(A)のB−B断面図であり、(C)は(A)をプレス機械の正面(図8(A)平面と直交する)方向から見た断面の一部を示す断面図である。 (A)は実施例3に係る慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置の一構成例を示す断面図(側面図:クランク軸方向から見た図)を示し、(B)は(A)をプレス機械の正面(図9(A)平面と直交する)方向から見た断面の一部を示す断面図である。
以下に、本発明の一実施の形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
図1、図2、図3に、本発明の一実施の形態に係わる実施例1の慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置100が適用されたプレス機械1の一例を示す。
図1(A)、(B)は実施例1に係るプレス機械の全体の構成図を示し、図2(A)、(B)は実施例1に係る慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置の一構成例を示す断面図を示し、図3(A)〜(C)は実施例1に係る慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置のサブウェイトの回転方向中心位置と慣性力の関係を説明するための図である。
図1(A)、図1(B)に示すように、実施例1に係るプレス機械1は、フレーム2(クラウン2A,ベッド2B、コラム2C)のベッド2Bにボルスタ3が取り付けられ、当該ボルスタ3に対向してスライド4が昇降自在に配設されている。
スライド4は、コンロッド5に自在継手等を介して連結されていると共に、コンロッド5の他端側はクランク軸6に回転自在に連結されている。また、クランク軸6は、フレーム2のクラウン2Aに対してベアリング等を介して回転自在に支持されている。
クランク軸6は、偏心軸を利用した回転−直線往復運動変換機構(クランク機構)の構成要素であり、電動モータ7により回転駆動されるフライホイール20の回転力がクラッチ機構10を介して伝達されるように構成され、クランク軸6の回転は、該クランク機構により、コンロッド5を介してスライド4の昇降運動(往復運動)に変換されて、スライド4の下面に取り付けられている金型によりプレス加工が行われるようになっている。
ここで、本実施の形態に係るプレス機械1には、慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置100が備えられている。
本実施の形態に係る慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置100は、対向ウェイト130を備えて構成されていて、かかる対向ウェイト130は、クラウン2Aに固定されたガイドロッド110に上下方向(スライド4の移動方向に沿った方向)に移動自在に案内されている。
そして、対向ウェイト130は、偏心軸であるクランク軸6に連結されるバランサ側コンロッド120にピン121を介して揺動自在に連結され、金型を含むスライド4側の慣性モーメントを打ち消す方向(金型を含むスライド4側の運動体とは逆方向)に、ガイドロッド110に沿って往復運動されるように構成されている。
このように、対向ウェイト130を、金型を含むスライド4側の運動体の運動に伴い発生する慣性力を打ち消すように運動させることで、プレス機械1の振動を抑制することができるが、上述したように、スライド4に取り付ける金型を交換して質量が変化した場合には、スライド4側の運動体の慣性力とのバランスが崩れて、プレス機械1の振動を抑制することができなくなる。
このようなことから、本実施の形態に係る慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置100では、スライド4に取り付ける金型(上型)の質量の変化に関わらず、金型を含むスライド4側の運動体の慣性力と良好に吊り合わせることができ、プレス機械1の振動を効果的に抑制することができるように構成されている。
具体的には、本実施の形態に係る慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置100において、図2(A)、(B)に示すように対向ウェイト130の正面及び裏面のそれぞれに、サブウェイト140が、水平軸(図2(A)平面に略垂直な揺動軸142)廻りに揺動自在に取り付けられている。
サブウェイト140は、揺動軸142廻りに揺動するウェイトであって、図2(A)平面において扇形状に形成されている。
これらサブウェイト140には、その揺動軸142の揺動方向(周方向)に沿って外周側に歯車が形成されたウォームギヤ(ウォームホイール)141が、略一体的に設けられている。
また、かかるウォームギヤ141と噛合されるねじが外周に螺旋状に形成されているウォームシャフト150が、プレス方向(図2(A)上下方向)に沿って前記ウォームギヤ141に対応して延在されていると共に、該ウォームシャフト150は、クラウン2Aに対して、上下移動が規制されつつ長軸廻りに回転自在に取り付けられている。
ここで、ウォームシャフト150と、ウォームギヤ141と、は噛合しているので、クランク軸6の回転によりバランサ側コンロッド120を介して対向ウェイト130がガイドロッド110に沿って上下動(往復運動)されると、この動きに連動して、ウォームギヤ141延いてはサブウェイト140が、図2(A)の揺動軸142廻りに揺動(回動)されることになる(この状態においては、ウォームシャフト150の長軸廻りの回転は規制(固定)された状態とされている)。
対向ウェイト130の上下動(往復運動)に伴なうサブウェイト140の揺動運動は、対向ウェイト130の往復運動により生じる慣性力に影響を与えることになる。
すなわち、プレス運転中の対向ウェイト130とサブウェイト140の合成慣性力が、金型を含むスライド4側の運動体の慣性力に対応した大きさとなるように調整することで、金型を含むスライド4側の運動体の慣性力と良好に吊り合わせることができ、プレス機械1の振動を効果的に抑制することができる。
ここで、スライド4の往復直線運動に連動させて対向ウェイト130を運動させる機構が本発明に係る第1の慣性力発生機構の一例に相当し、サブウェイト140を運動させる機構が本発明に係る第2の慣性力発生機構の一例に相当する。
そして、以下に説明する、サブウェイト140の振子運動の回転方向中心位置(揺動軸142廻りの初期回転角度位置)(クランク軸6の回転角度位置に対する位相)を変更する機構が、本発明に係る第2の慣性力の発生特性を変更する調節機構の一例に相当する。
本実施の形態では、金型(上型)を重量の異なるものに変更するときは、プレス運転中の対向ウェイト130とサブウェイト140の合成慣性力が、変更された金型重量により発生するスライド4側の運動体の慣性力に対応した大きさとなるように、位置変更用モータ(位相変更用モータ)160の駆動によりウォームシャフト150をその長軸廻りに回転させることができるように構成されている。
詳細には、実施例1においては、金型(上型)を重量の異なるものに変更した場合には、図2(A)に示すように、位置変更用モータ160を回転駆動して、ギヤ機構等の動力伝達機構を介してウォームシャフト150を回転させることで、サブウェイト140の振子運動の回転方向中心位置(揺動軸142廻りの初期回転角度位置)(クランク軸6の回転角度位置に対する位相。以下、位相と称する)を変更することができる。
図3(A)、(B)、(C)に、対向ウェイト130に生じる慣性力の方向(往復運動方向)とその大きさと、サブウェイト140に生じる慣性力の方向(揺動方向)とその大きさを示す。
図3(A)、(B)、(C)は、サブウェイト140の初期回転角度位置(位相)を異ならせた場合のダイナミックバランサ慣性力の変化を示しており、順番に、ダイナミックバランサ慣性力が最大となる場合(対向ウェイト130の慣性力と、サブウェイト140の慣性力とが、相乗し合う場合)、中間となる場合、最小となる場合(対向ウェイト130の慣性力と、サブウェイト140の慣性力とが、打ち消し合う場合)を示している。
このような特性を利用して、本実施の形態においては、変更後の金型重量に対応した慣性力を生じさせることができるサブウェイト140の振子運動の初期回転位置(初期回転角度位置;位相)となるように、位置確認用エンコーダ161で検出したウォームシャフト150の回転角度に基づき、サブウェイト140の回転方向及び回転位置(回転角度位置;位相)を調節する。
このとき、サブウェイト140の回転方向及び回転位置は、スライド4を駆動するクランク部(コンロッド5が連結されている偏心部)、またはダイナミックバランス装置100の対向ウェイト130を駆動するためのクランク部(バランサ側コンロッド120が連結されている偏心部)の位相角度に対応させて設定される。
図4に示すような計算式により、サブウェイト140の加振力を、サブウェイトの初期回転角度位置や質量などに応じて、クランク軸6の回転角度(クランク角度)毎に求めることができる。
図5(A)は金型(上型)の質量が最大である場合(1300kgとした場合)におけるサブウェイトの有無による加振力(プレス機械に対する加振力)の大きさを比較した図(サブウェイトの初期回転角度位置190度)であり、図5(B)は金型(上型)の質量が中間である場合(650kg)におけるサブウェイトの有無による加振力の大きさを比較した図(サブウェイトの初期回転角度位置132度)であり、図5(C)は金型(上型)を取り外した場合(質量0kg)におけるサブウェイトの有無による加振力の大きさを比較した図(サブウェイトの初期回転角度位置78度)である。
なお、図5(A)〜(C)は、サブウェイトの初期回転角度位置(位相)を変更してその都度演算を行い、効果的にプレス機械に対する加振力を抑えることができる初期回転角度位置(位相)を求め、その結果を示している。
図7は、このときの計算条件を示している。
既述したように、実際の装置においては、サブウェイトの初期回転角度位置(位相)の変更は、図2(A)に示した位置変更用モータ160を回転駆動し、ギヤ機構等の動力伝達機構を介してウォームシャフト150を回転させることで、サブウェイト140の振子運動の回転位置(揺動軸142廻りの回転角度位置)を変更することで行うことができる。
図5(A)〜(C)から、スライド4側の運動体の運動に伴い発生する慣性力を打ち消すことができるように、スライド4側の運動体の重量変更(金型(上型)などの重量変更)に応じてサブウェイト140の初期回転角度位置を変更してサブウェイト140を揺動運動させることで、プレス機械1の振動を効果的に抑制することができることが確認できる。
図6(A)、(B)は、サブウェイトの初期回転角度位置(振分け位置角度;位相)を変更してその都度演算を行って得られた加振力を比較して示した図(上型なしの場合)である。図6(A)、(B)における計算条件は、図7に示した条件(上型なしの場合)と同じである。
なお、図6(A)は対向ウェイト130の座標軸上におけるサブウェイト140の加振力を示し、図6(B)はプレス機械1(フレーム2)の座標軸上における対向ウェイト130及びサブウェイト140の合計の加振力を示している。
図6(A)から、サブウェイト140の初期回転角度位置(振分け位置角度;位相)を変更することで、加振力の発生特性(発生周期、位相、加振力の大きさなど)を変更することができることを確認できる。
また、図6(B)から、サブウェイト140の初期回転角度位置(振分け位置角度;位相)を変更することで、対向ウェイト130及びサブウェイト140の合計の加振力の発生特性(合成波形、加振力の大きさなど)を変更することができることを確認できる。
以上のように、実施例1に係る慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置100によれば、対向ウェイト130に、該対向ウェイト130の往復直線運動(すなわち、プレス機械1のスライド4の往復直線運動、延いてはクランク軸4の回転)に連動して揺動するようにサブウェイト140を設けると共に、該サブウェイト140の揺動動作の対向ウェイト130の往復直線運動に対する位相を変更することができるように構成したので、金型を含むスライド4側の運動体の運動に伴い発生する慣性力を打ち消すようにサブウェイト140を運動させることができ、以ってプレス機械1の振動を抑制することができる。
すなわち、実施例1に係る慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置100では、スライド4に取り付ける金型(上型)の質量の変化に関わらず、金型を含むスライド4側の運動体の慣性力と良好に吊り合わせることができ、プレス機械1の振動を効果的に抑制することができる。
以上で説明したように、実施例1によれば、比較的簡単かつ低コストな構成でありながら、スライドに取り付ける上型の質量の変化に関わらず、スライド側との慣性力と良好に吊り合わせることができる慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置及び該装置を備えたプレス機械を提供することができる。
なお、実施例1では、慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置100のサブウェイト140の初期回転角度位置(位相)を変更するための位相変更機構(本発明の調節機構の一例に相当)として、ウォームシャフト150と、これと噛合するウォームギヤ141と、ウォームシャフト150を長軸廻りに回転させるための位置変更用モータ160と、を備え、位置変更用モータ160を回転駆動して、ウォームシャフト150を回転させ、これと噛合するウォームギヤ141延いてはウォームギヤ141と略一体のサブウェイト140を所定の初期回転角度位置まで揺動軸142廻りに揺動(回動)させるようにした機構を採用したが、以下のような構成を採用することによっても、上述と同様の作用効果を奏することができる。
すなわち、実施例1のウォームギヤとウォームシャフトを利用したサブウェイトの初期回転角度位置(位相)を変更する位相変更機構に代えて、ラック&ピニオンを利用した機構を採用することができる。
具体的には、ウォームシャフト150をラックギヤに置き換え、ウォームギヤ141を前記ラックギヤと噛合するピニオンギヤに置き換えた構成とすることができる。
そして、対向ウェイト130に回転自在に取り付けられたサブウェイト140と略一体のピニオンと噛合するラックを、ウォームシャフト150と同じ配設方向(対向ウェイト130の往復直線運動方向)に沿ってクラウン2Aに取り付けた構成とする。
プレス作業中は、クランク軸6の回転によりバランサ側コンロッド120を介して対向ウェイト130がガイドロッド110に沿って上下動(往復運動)されると、この動きに連動して、フレーム2(クラウン2A)に取り付けられているラックと噛合するピニオンギヤ延いてはサブウェイト140が、図2(A)の揺動軸142廻りに揺動(回動)されることになる。このとき、ラックは、フレーム2(クラウン2A)に対して位置固定されている。
そして、金型(上型)を重量の異なるものに変更するときは、位置変更用モータ160の回転駆動によりラックをクラウン2Aに対し上下方向に相対移動させることで、サブウェイト140の振子運動の回転方向中心位置(初期回転角度位置)を変更することが可能である。
サブウェイト140の振子運動の回転方向中心位置(初期回転角度位置)に対応しているラックの位置は、例えばリニアスケールなどを利用することで検出可能で、かかる検出結果に基づいて、サブウェイト140の振子運動の回転方向中心位置(初期回転角度位置)を所望の値に調整することができる。
続いて、実施例2について説明する。
実施例1では、慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置100のサブウェイト140の初期回転角度位置(位相)を変更するための位相変更機構として、ウォームシャフト150(或いはラック)と、これと噛合するウォームギヤ141(或いはピニオンギヤ)と、ウォームシャフト150(或いはラック)を長軸廻りに回転させるための位置変更用モータ160と、を備え、位置変更用モータ160を回転駆動して、ウォームシャフト150を回転(或いはラックを上下動)させ、これと噛合するウォームギヤ141(或いはピニオンギヤ)延いてはウォームギヤ141と略一体のサブウェイト140を所定の初期回転角度位置まで揺動軸142廻りに揺動(回動)させるようにした機構を採用したが、以下のような構成を採用することによっても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
すなわち、実施例2では、図8(A)、(B)、(C)に示すように、クランク軸6の対向ウェイト230を駆動するクランク部にバランサ側コンロッド220を介して連結されガイドロッド110に沿って上下動(往復運動)される対向ウェイト230に、サブウェイト揺動レバー210の一端が、揺動軸211廻りに揺動自在に取り付けられている。
サブウェイト揺動レバー210の他端は、揺動軸212を介してサブウェイト240の扇状部241に回転可能に連結されている。
ここで、サブウェイト揺動レバー210が、本発明に係る連結手段の一例に相当する。
サブウェイト240は、フレーム2(クラウン2A)に固定されている支持アーム250に、扇状部241からオフセットして設けられている揺動軸242を介して揺動可能に支持されている。
更に、図8(A)、(B)に示すように、サブウェイト240には、サブウェイト240と略一体的に揺動軸242廻りに回転可能なプーリ243が取り付けられている。
プーリ243の反対側には、フレーム2(クラウン2A)に固定される位置変更用モータ270の出力プーリ271が配設され、プーリ243の周囲と出力プーリ271の周囲には、ベルト260が巻き掛けられている。
このような構成によれば、プレス運転中において、クランク軸6の回転によりバランサ側コンロッド220を介して対向ウェイト230がガイドロッド110に沿って上下動(往復運動)されると、この動きに連動して、サブウェイト揺動レバー210を介して、支持アーム250に揺動自在に連結されているサブウェイト240を、図8(A)の揺動軸242廻りに揺動(回動)することになる。
かかる対向ウェイト230の上下動(往復運動)に伴なうサブウェイト240の揺動運動は、対向ウェイト230の往復運動により生じる慣性力に影響を与えることになる。
すなわち、実施例2においても、実施例1と同様に、プレス運転中の対向ウェイト230とサブウェイト240の合成慣性力が、金型を含むスライド4側の運動体の慣性力に対応した大きさとなるように調整することで、金型を含むスライド4側の運動体の慣性力と良好に吊り合わせることができ、プレス機械1の振動を効果的に抑制することができる。
実施例2において金型(上型)を重量の異なるものに変更するときは、サブウェイト240の揺動の位相を変更して慣性力の発生特性を変えるが、対向ウェイト230と、サブウェイト揺動レバー210と、の連結を、4つの固定ボルト231を緩めることで一時的に解放し、揺動軸211と略一体の固定ブロック210Aを溝210Bに沿って対向ウェイト230の往復移動方向に対して移動自在な状態とする。
そして、この連結の解かれたフリーな状態で、プレス運転中の対向ウェイト230とサブウェイト240の合成慣性力が、変更された金型重量により発生するスライド4側の運動体の慣性力に対応した大きさとなるように、位置変更用モータ270の駆動により出力プーリ271、ベルト260を介して、サブウェイト240と略一体のプーリ243を回動させることで、サブウェイト240の振子運動の回転方向中心位置(揺動軸242廻りの初期回転角度位置)(位相)を変更する。なお、この変更に伴って、揺動軸211と略一体の固定ブロック210Aは、対向ウェイト230に対して図8(A)の上下方向において溝210B内を相対移動されることになる。
次に、溝210B内を図8(A)の上下方向に移動された固定ブロック210Aを、その位置で再び固定ボルト231を締結することで、対向ウェイト230に固定し、対向ウェイト230と、サブウェイト揺動レバー210と、を再び連結する。これにより、サブウェイト240の揺動の位相を変更して慣性力の発生特性を変えることができ、金型(上型)の重量変更に対応することができることになる。
なお、実施例2においても、変更後の金型重量に対応した慣性力を生じさせることができるサブウェイト240の振子運動の回転方向中心位置(回転角度位置;位相)となるように、位置確認用エンコーダ272で検出した出力プーリ271の回転角度等に基づき、サブウェイト240の回転方向及び回転位置(回転角度位置;位相)を調節することができる。
以上のように、実施例2においては、対向ウェイト230の往復直線運動(すなわち、プレス機械1のスライド4の往復直線運動、延いてはクランク軸4の回転)に連動して揺動するようにサブウェイト240を設けると共に、該サブウェイト240の揺動動作の対向ウェイト230の往復直線運動に対する位相を変更することができるように構成したので、金型を含むスライド4側の運動体の運動に伴い発生する慣性力を打ち消すようにサブウェイト240を運動させることができ、以ってプレス機械1の振動を抑制することができる。
すなわち、実施例2に係る慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置200は、スライド4に取り付ける金型(上型)の質量の変化に関わらず、金型を含むスライド4側の運動体の慣性力と良好に吊り合わせることができ、プレス機械1の振動を効果的に抑制することができる。
以上で説明したように、実施例2によれば、比較的簡単かつ低コストな構成でありながら、スライドに取り付ける上型の質量の変化に関わらず、スライド側との慣性力と良好に吊り合わせることができる慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置及び該装置を備えたプレス機械を提供することができる。
ここで、実施例2において、スライド4の往復直線運動に連動させて対向ウェイト230を運動させる機構が本発明に係る第1の慣性力発生機構の一例に相当し、サブウェイト240を運動させる機構が本発明に係る第2の慣性力発生機構の一例に相当する。
そして、上述したサブウェイト240の振子運動の回転方向中心位置(揺動軸242廻りの初期回転角度位置)(クランク軸6の回転角度位置に対する位相)を変更する機構が、本発明に係る調節機構の一例に相当する。
次に、実施例3について説明する。
実施例2では、サブウェイト揺動レバー210によりサブウェイト240を揺動させる構成としたが、実施例3では、図9(A)、(B)に示すように、サブウェイト揺動レバー210に代えて、タイミングベルト(或いはチェーン)等の無端環状連続体310を採用した場合の構成例である。
実施例3の慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置300では、バランサ側コンロッド320に連結されている対向ウェイト330には、無端環状連続体(ベルト、タイミングベルト、チェーン等)310を把持する把持機構350が取り付けられている。
無端環状連続体310は、対向ウェイト330の往復運動方向に沿ってフレーム2に回転自在にブラケット362、363を介して固定された一対のプーリ360、361に巻き掛けられている。なお、ベルトの代りにチェーンを用いる場合には、プーリ360、361の代りに、スプロケットを利用することができる。
ここで、プーリ360、361、スプロケットなどが本発明に係る環状要素の一例に相当し、無端環状連続体310、把持機構350が本発明に係る連結手段の一例に相当する。
プーリ361にはサブウェイト340が略一体的に設けられ、従ってサブウェイト340は、プーリ361の回転中心軸廻りに揺動可能に支持されている。
そして、実施例3では、把持機構350の把持要素351、352の間に、無端環状連続体310を挿通し、把持要素351、352を締結などの方法により相互に接近させることで、無端環状連続体310を把持して、対向ウェイト330と、無端環状連続体310と、プーリ361延いてはサブウェイト340と、を連結することが可能となっている。
なお、符号370は、無端環状連続体310に所定のテンションを付与するためのテンショナーである。
このような構成によれば、プレス運転中において、クランク軸6の回転によりバランサ側コンロッド320を介して対向ウェイト330がガイドロッド110に沿って上下動(往復運動)されると、この動きに連動して、対向ウェイト330と略一体の把持機構350に把持されている無端環状連続体310が上下方向に往復運動され、一対のプーリ360、361を揺動(回動)することになる。そして、このプーリ361には略一体的にサブウェイト340が設けられているので、該サブウェイト340を、図9(A)のプーリ361の回転中心軸廻りに揺動(回動)することになる。
かかる対向ウェイト330の上下動(往復運動)に伴なうサブウェイト340の揺動運動は、対向ウェイト330の往復運動により生じる慣性力に影響を与えることになる。
すなわち、実施例3においても、実施例1、2と同様に、プレス運転中の対向ウェイト330とサブウェイト340の合成慣性力が、金型を含むスライド4側の運動体の慣性力に対応した大きさとなるように調整することで、金型を含むスライド4側の運動体の慣性力と良好に吊り合わせることができ、プレス機械1の振動を効果的に抑制することができる。
実施例3において金型(上型)を重量の異なるものに変更するときは、サブウェイト340の揺動の位相を変更して慣性力の発生特性を変えるが、対向ウェイト330と略一体の把持機構350と、無端環状連続体310と、の係合を、把持機構350の把持要素351、352の締結を緩めることで一時的に解放し、無端環状連続体310を、把持機構350の把持要素351、352の位置に対して相対移動可能な解放状態とする。
そして、この連結の解かれたフリーな状態で、プレス運転中の対向ウェイト330とサブウェイト340の合成慣性力が、変更された金型重量により発生するスライド4側の運動体の慣性力に対応した大きさとなるように、位値変更用モータ270の駆動により出力プーリ271、ベルト260を介して、サブウェイト340と略一体のプーリ364を回動させることで、サブウェイト340の振子運動の回転方向中心位置(プーリ364の回転中心軸廻りの初期回転角度位置)(位相)を変更する。
このようにして、サブウェイト340の振子運動の回転方向中心位置(プーリ361の回転中心軸廻りの初期回転角度位置)(位相)を目標の位置へ変更したら、把持機構350の把持要素351、352を相互に接近させる方向に締結して、対向ウェイト330と略一体の把持機構350と、無端環状連続体310と、を連結(係合)する。これにより、サブウェイト340の揺動の位相を変更して慣性力の発生特性を変えることができ、金型(上型)の重量変更に対応することができることになる。
なお、実施例3においても、変更後の金型重量に対応した慣性力を生じさせることができるサブウェイト340の振子運動の回転方向中心位置(初期回転角度位置;位相)となるように、位置確認用エンコーダ272で検出した出力プーリ271の回転角度等に基づき、サブウェイト240の回転方向及び回転位置(回転角度位置;位相)を調節することができる。
以上のように、実施例3においては、対向ウェイト330の往復直線運動(すなわち、プレス機械1のスライド4の往復直線運動、延いてはクランク軸6の回転)に連動して揺動するようにサブウェイト340を設けると共に、該サブウェイト340の揺動動作の対向ウェイト330の往復直線運動に対する位相を変更することができるように構成したので、金型を含むスライド4側の運動体の運動に伴い発生する慣性力を打ち消すようにサブウェイト340を運動させることができ、以ってプレス機械1の振動を抑制することができる。
すなわち、実施例3に係る慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置300は、スライド4に取り付ける金型(上型)の質量の変化に関わらず、金型を含むスライド4側の運動体の慣性力と良好に吊り合わせることができ、プレス機械1の振動を効果的に抑制することができる。
以上で説明したように、実施例3によれば、比較的簡単かつ低コストな構成でありながら、スライドに取り付ける上型の質量の変化に関わらず、スライド側との慣性力と良好に吊り合わせることができる慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置及び該装置を備えたプレス機械を提供することができる。
ここで、実施例3において、スライド4の往復直線運動に連動させて対向ウェイト330を運動させる機構が本発明に係る第1の慣性力発生機構の一例に相当し、サブウェイト340を運動させる機構が本発明に係る第2の慣性力発生機構の一例に相当する。
そして、上述したサブウェイト340の振子運動の回転方向中心位置(揺動軸361廻りの初期回転角度位置)(クランク軸6の回転角度位置に対する位相)を変更する機構が、本発明に係る調節機構の一例に相当する。
なお、上述した実施例1、実施例2、実施例3では、サブウェイト140、240、340の回転方向及び回転位置(回転角度位置;位相)を変更する際に、位値変更用モータ160、270を用いているが、これに限定されるものではなく、手動により、サブウェイト140、240、340を回転させて振り子運動の回転方向中心位置を変更することも可能である。
ところで、上述した実施例1、実施例2、実施例3においては、スライド4と上型(金型)が運動することにより発生するスライド側の運動体の慣性力の一部は、対向ウェイト(130、230、330)の慣性力で相殺されるため、サブウェイト(140、240、340)の重量延いてはサイズを小さくすることができる。そして、このことと、クランク軸6に連結されるサブウェイト駆動用コンロッドを設けてサブウェイトを揺動させる方式に比べ、上述した実施例1、実施例2、実施例3では、このようなクランク軸6に連結されるサブウェイト駆動用コンロッドを必要としない構成であるので、サブウェイトの揺動機構を小型化することが可能である。
なお、サブウェイト140(240、340)は、一の対向ウェイト130(230、330)について一つずつ設ける構成とすることもできるが、図2(B)等に例示したように、対向ウェイト130(230、330)の往復直線運動方向から見て、対向ウェイト130(230、330)の中心Xに関して、サブウェイト140(240、340)を対角に偶数個(図2(B)では2個)取り付け、対角位置にあるサブウェイト140(240、340)間で反対方向に振り子運動させることで、上下方向以外のサブウェイトの慣性力を互いに打ち消すことが可能であり、従って、一層、振動等の少ない慣性力変更機能付ダイナミックバランス装置を提供することができる。
なお、実施例1〜3において、上型質量等の運転条件を手動入力または自動入力すれば、対向ウェイトとサブウェイトの合成慣性力が、上型を取り付けたスライドの慣性力と最も吊りあう慣性力となるように、自動的にサブウェイトの振り子運動の回転方向中心位置(位相)を変更する制御を行うことも可能である。
ここで、前記手動入力とは、金型質量とSPM等の運転条件を操作パネルに、操作者等がマニュアル操作(手動)で入力することである。
前記自動入力とは、上型質量においては変位センサにて防振装置のたわみを測定し求めた値を、SPMにおいては設定SPMを自動で入力することである。また、前記自動入力には、あらかじめデータバンクに金型情報として入力してある情報(重量など)を金型番号選択にて、自動的に引き出すことを含む概念とすることができる。
以上で説明した実施の形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは勿論である。
1 プレス機械
2A クラウン
4 スライド
5 コンロッド(コネクティングロッド)
6 クランク軸
100、200、300 ダイナミックバランス装置
110 ガイドロッド
120、220、320 バランサ側コンロッド
130、230、330 対向ウェイト
140、240、340 サブウェイト
141 ウォームギヤ(ウォームホイール)
142、242、361 揺動軸
150 ウォームシャフト
160 位置変更用モータ(位相変更用モータ)
210 サブウェイト揺動レバー
260 ベルト
270 位置変更用モータ
310 タイミングベルト(或いはチェーン)等の無端環状連続体
350 把持機構
360、361 プーリ(或いはスプロケット)

Claims (7)

  1. プレス機械のスライドと連動してスライド側の運動体の慣性力と反対方向に作用する第1の慣性力を発生する第1の慣性力発生機構と、
    スライドと連動して第2の慣性力を発生する第2の慣性力発生機構と、
    第2の慣性力の発生特性を変更する調節機構と、
    を有し、
    第1の慣性力と第2の慣性力とを合成した慣性力を発生することを特徴とするプレス機械のダイナミックバランス装置。
  2. 前記第1の慣性力発生機構は、クランクシャフトの回転により往復直線運動するスライド側の運動体と反対方向に運動する対向ウェイトを含んで構成され、
    前記第2の慣性力発生機構は、前記対向ウェイトの往復直線運動に連動して揺動運動するサブウェイトを含んで構成され、
    前記調節機構は、前記サブウェイトの揺動運動の揺動中心位置を変更可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載のプレス機械のダイナミックバランス装置。
  3. 前記第2の慣性力発生機構におけるサブウェイトの揺動運動は、
    該サブウェイトを前記対向ウェイトに揺動自在に支持させると共に、
    前記サブウェイトの揺動軸廻りに形成されたウォームギヤ或いはピニオンギヤと、プレス機械のフレーム側に配設されるウォームシャフト或いはラックと、を噛合させ、
    前記対向ウェイトの往復直線運動を駆動源として、前記ウォームギヤ或いはピニオンギヤを、前記ウォームシャフト或いはラックに沿って回動させることによりなされる一方、
    前記調節機構は、前記ウォームシャフト或いはラックと、前記ウォームギヤ或いはピニオンギヤと、の噛合する相対位置を変更することで、前記サブウェイトの揺動運動の揺動中心位置を変更することを特徴とする請求項2に記載のプレス機械のダイナミックバランス装置。
  4. 前記第2の慣性力発生機構におけるサブウェイトの揺動運動は、
    前記サブウェイトをプレス機械のフレーム側に揺動自在に支持させると共に、
    前記対向ウェイトと、前記サブウェイトと、を連結手段により連結することで、前記対向ウェイトの往復直線運動を駆動源として、前記サブウェイトを揺動させることによりなされる一方、
    前記調節機構は、前記連結手段による前記対向ウェイトと前記サブウェイトとの間の連結位置を変更することで、前記サブウェイトの揺動運動の揺動中心位置を変更することを特徴とする請求項2に記載のプレス機械のダイナミックバランス装置。
  5. 前記連結手段が、
    一端が前記対向ウェイトに回動自在に連結され、他端が前記サブウェイトに回動自在に連結されたサブウェイト揺動レバーを含んで構成され、
    前記調節機構が、前記サブウェイト揺動レバーの一端の回動中心を前記対向ウェイトの往復運動方向に沿って移動可能な構成とすることで、前記連結手段による前記対向ウェイトと前記サブウェイトとの間の連結位置の変更を許容し、前記サブウェイトの揺動運動の揺動中心位置を変更することを特徴とする請求項4に記載のプレス機械のダイナミックバランス装置。
  6. 前記連結手段が、
    プレス機械のフレーム側に回動自在に配設された一対の環状要素と、
    該一対の環状要素に巻き掛けられる無端環状連続体と、
    を含んで構成され、
    前記一対の環状要素の一方が前記サブウェイトに略一体的に取り付けられると共に、
    該無端環状連続体と、前記対向ウェイトと、を連結することで、前記対向ウェイトの往復直線運動を駆動源として前記サブウェイトを揺動させる一方、
    前記調節機構が、前記無端環状連続体と前記対向ウェイトとの間の連結位置を変更することで、前記サブウェイトの揺動運動の揺動中心位置を変更することを特徴とする請求項4に記載のプレス機械のダイナミックバランス装置。
  7. 請求項1〜請求項6の何れか一つに記載のプレス機械のダイナミックバランス装置を備えたプレス機械。
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