以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図10は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1において、遊技機本体1は、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に左右一側、例えば左側のヒンジ3により開閉自在に枢着された前枠4とを備えている。前枠4の前側には、遊技盤5等が上部側に、遊技盤5の前側の遊技領域16に向けて遊技球を発射する発射手段6等が下部側にそれぞれ配置され、また遊技盤5等の前側に対応してガラス扉7が、発射手段6等の前側に対応して前面板8がそれぞれヒンジ3と同じ側のヒンジ9により開閉自在に枢支されている。もちろん、ガラス扉7と前面板8とを一つの扉体で構成してもよい。
前面板8の前側には、払い出し手段(図示省略)から払い出された遊技球を貯留して発射手段6に供給する上皿10が上部側に配置され、またその上皿10の下側には、例えば上皿10が満杯のときにその余剰球を貯留する下皿11が左端側に、発射手段6を作動させるための発射ハンドル12が右端側に夫々設けられている。更に、例えば上皿10等を前側から覆う上皿カバー13上には演出用操作ボタン14等が設けられている。
遊技盤5の前面側には、発射手段6により発射された遊技球を案内するガイドレール15が環状に装着されると共に、そのガイドレール15の内側の遊技領域16に、センターケース17、普通図柄始動手段18、特別図柄始動手段19、大入賞手段20、普通入賞手段21等の各種遊技部品が配置されている。
センターケース17は、例えば遊技領域16の略中央に配置されており、液晶式等の画像表示手段22に対応する略矩形状の表示窓23を備え、その表示窓23を取り囲む装飾枠24上に、例えば普通図柄表示手段25、特別図柄表示手段26、普通保留個数表示手段27等の各種表示手段の他、ステージ28等が設けられている。
ステージ28は、画像表示手段22の下部前側に左右方向に配置されており、センターケース17の側部、例えば左側に設けられたワープ入口29に流入した遊技球を自由に転動させた後、例えば左右方向中央の中央落下部又はその左右両側の側部落下部から前側に落下させるようになっている。
普通図柄始動手段(通過ゲート,特定通過部)18は、普通図柄表示手段25による図柄変動を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲートにより構成されており、例えばセンターケース17の左側に配置されている。普通図柄始動手段18は、近接スイッチ等よりなる遊技球検出手段18aを備えており、遊技球が普通図柄始動手段18を通過する際に遊技球検出手段18aがその遊技球を検出するようになっている。
普通図柄表示手段25は、普通図柄を変動表示するためのもので、例えば「○」「×」の2種類の普通図柄に対応する2個の発光体(例えばLED)により構成されており、遊技球が通過ゲートよりなる普通図柄始動手段18を通過し、遊技球検出手段18aがその遊技球を検出することを条件にそれら2つの発光体が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段18による遊技球検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致する場合には当たり態様に対応する「○」側の発光体が発光した状態で、それ以外の場合には外れ態様に対応する「×」側の発光体が発光した状態で、点滅が終了するようになっている。
また、普通図柄表示手段25の変動表示中、又は後述する普通利益状態中に普通図柄始動手段18の遊技球検出手段18aが遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された当たり判定乱数値が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として記憶されると共に、例えば上限保留個数と同数の発光体よりなる普通保留個数表示手段27がその発光個数により当たり判定乱数値の記憶個数(以下、普通保留個数という)を表示して、その時点での普通保留個数を遊技者に報知するようになっている。
特別図柄始動手段19は、特別図柄表示手段26による図柄変動を開始させるためのもので、上下2つの始動入賞手段30,31を備え、例えばセンターケース17の下側に配置されている。上始動入賞手段30は、開閉手段等を有しない非開閉式入賞手段である。下始動入賞手段(開閉式入球手段)31は、開閉手段32により遊技球が入賞(入球)不可能な閉状態と入賞可能な開状態とに切り換え可能な開閉式入賞手段で、普通図柄表示手段25の変動後の停止図柄が当たり態様(所定態様)となって普通利益状態が発生したときに、開閉手段32が所定時間閉状態から開状態に変化するように構成されている。始動入賞手段30,31は、夫々入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段(図柄始動検出手段)30a,31aを備えている。なお、下始動入賞手段31は、遊技球が入賞(入球)困難な閉状態と入賞容易な開状態とに切り換え可能としてもよい。
特別図柄表示手段(図柄表示手段)26は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄(図柄)を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段19が遊技球を検出すること、即ち上下2つの始動入賞手段30,31の何れかに遊技球が入賞し、遊技球検出手段(図柄始動検出手段)30a,31aの何れかがその遊技球を検出することに基づいて特別図柄を所定時間変動表示して、始動入賞手段30,31に遊技球が入賞したとき(遊技球検出手段30a,31aが遊技球を検出したとき)に取得された大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致する場合には所定の大当たり態様(特定態様)で、それ以外の場合には外れ態様で停止するようになっている。特別図柄には、例えば大当たり態様及び外れ態様が夫々1又は複数種類ずつ設けられている。なお、それら各態様には夫々数字図柄等を割り当ててもよいし、遊技者がその特別図柄の種類を容易に区別できないように、任意の線や点の組み合わせのようなそれ自体としては特別な意味を持たない図柄を割り当ててもよい。
また、特別図柄の変動表示中、又は後述する特別利益状態中に始動入賞手段30,31の遊技球検出手段30a,31aが遊技球を検出した場合には、その検出時に取得された大当たり判定乱数値等が夫々所定の上限保留個数、例えば各4個を限度として記憶されると共に、例えば画像表示手段22上に大当たり判定乱数値の記憶個数(以下、特別保留個数という)を表示して、その時点での特別保留個数を遊技者に報知するようになっている。
大入賞手段20は、遊技球が入賞不可能な閉状態と入賞可能な開状態とに切り換え可能な開閉式入賞手段で、特別図柄表示手段26の特別図柄が変動後に大当たり態様(特定態様)で停止した場合に発生する特別利益状態(利益状態)中に、開閉板33が所定の開放パターンに従って前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。なお、大入賞手段20は、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段20aを備えている。
また、画像表示手段22には、例えば特別図柄表示手段26による特別図柄の変動表示と並行して演出図柄34が変動表示される他、特別保留個数を示す保留表示画像35、後述するラウンド数設定操作に関する報知を行うラウンド数設定操作報知画像36(図10)等の各種画像が表示されるようになっている。
ここで、演出図柄34は、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の数字図柄等で構成されており、特別図柄始動手段19が遊技球を検出すること、即ち上下2つの始動入賞手段30,31の何れかに遊技球が入賞し、遊技球検出手段30a,31aの何れかがその遊技球を検出することに基づいて特別図柄の変動開始と同時に所定の変動パターンに従って変動を開始すると共に、特別図柄の変動停止と同時に最終停止するように、左、右、中等の所定の順序で停止するようになっている。なお、演出図柄34では、例えば3つの図柄が全て同じ図柄で揃ったものが大当たり態様、少なくとも1つの図柄が異なるものが外れ態様となっており、例えば特別図柄が大当たり態様となる場合には演出図柄34も大当たり態様となり、特別図柄が外れ態様となる場合には演出図柄34も外れ態様となる。
図2は本パチンコ機の制御系のブロック図である。図2において、38は主制御基板、39は演出制御基板で、これら各制御基板38,39は、遊技盤5に装着されたセンターケース17、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠4及び遊技盤5を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに夫々収納されている。
主制御基板38は、遊技動作を統括的に制御するもので、CPU,ROM,RAM等により構成される普通乱数作成処理手段41、普通始動口チェック処理手段42、普通乱数記憶手段43、普通図柄処理手段44、普通図柄表示制御手段45、普通利益状態発生手段46、特別乱数作成処理手段51、特別始動口チェック処理手段52、特別乱数記憶手段53、特別図柄処理手段54、特別図柄表示制御手段55、特別利益状態発生手段56、特別遊技状態発生手段57、制御コマンド送信手段58等を備えている。
普通乱数作成処理手段41は、変動後の普通図柄を当たり態様とするか否かの判定に用いる当たり判定乱数等を所定時間毎に繰り返し発生するように構成されている。普通始動口チェック処理手段42は、普通図柄始動手段18による遊技球の検出に基づく処理を行うもので、普通図柄始動手段18の遊技球検出手段18aが遊技球を検出することに基づいて、普通乱数作成処理手段41で作成された当たり判定乱数値を1個取得し、その当たり判定乱数値を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の普通乱数記憶手段43に記憶させるように構成されている。
普通図柄処理手段44は、普通図柄の変動表示に関する処理を行うもので、普通図柄表示手段25が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数記憶手段43に記憶されている当たり判定乱数値の待ち行列からその先頭の当たり判定乱数値を取り出し、その当たり判定乱数値が予め定められた当たり判定値と一致するか否かに応じて当たり/外れの判定を行う当たり判定機能、当たり/外れの判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄の種類を選択する普通停止図柄選択機能、普通図柄の変動時間を選択する変動時間選択機能等を備えている。
普通図柄表示制御手段45は、普通図柄処理手段44による普通図柄処理に基づいて普通図柄表示手段25の表示制御を行うもので、普通図柄表示手段25が変動表示可能な状態となり且つ普通乱数記憶手段43に1個以上の当たり判定乱数値が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に普通図柄表示手段25による普通図柄の変動を開始させ、普通図柄処理手段44で選択された変動時間が経過することに基づいて、同じく普通図柄処理手段44で選択された停止図柄で普通図柄の変動を停止させるようになっている。
普通利益状態発生手段46は、下始動入賞手段(開閉式入球手段)31が所定の開閉パターンに従って開状態に変化する普通利益状態を発生させるもので、普通図柄表示手段25の変動後の停止図柄が当たり態様(所定態様)となった場合に普通利益状態を発生させるようになっている。
特別乱数作成処理手段51は、変動後の特別図柄を大当たり態様、外れ態様の何れにするかについての判定に用いる大当たり判定乱数(特定判定乱数)の他、変動後の特別図柄が大当たり態様となる場合の停止図柄の選択に用いる大当たり図柄乱数、変動後の特別図柄が外れ態様となる場合の停止図柄の選択に用いる外れ図柄選択乱数、演出図柄の変動パターンの選択に用いる変動パターン選択乱数、特別利益状態の選択に用いる特別利益状態選択乱数(利益状態選択乱数)、その他の所定の乱数を繰り返し発生する特別乱数作成処理を行うように構成されている。
特別始動口チェック処理手段52は、特別図柄始動手段19への遊技球の入賞に基づく処理を行うもので、特別図柄始動手段19が遊技球を検出すること、即ち上下2つの始動入賞手段30,31の何れかに遊技球が入賞し、遊技球検出手段30a,31aの何れかがその遊技球を検出することに基づいて、特別乱数作成処理手段51で作成された大当たり判定乱数値、大当たり図柄乱数値等を1個ずつ取得し、それら当たり判定乱数値、当たり図柄乱数値等を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の特別乱数記憶手段53に記憶させるように構成されている。
なお本実施形態では、変動パターン選択乱数、外れ図柄選択乱数及び特別利益状態選択乱数は始動入賞手段30,31への遊技球の入賞時点では取得せず、変動パターン選択乱数及び外れ図柄選択乱数については特別図柄の変動開始時に、特別利益状態選択乱数については後述するラウンド数設定期間(特定期間)の開始後に遊技球が普通図柄始動手段(特定通過部)18を通過した時点でそれぞれ取得することとするが、それら変動パターン選択乱数、外れ図柄選択乱数、特別利益状態選択乱数等についても例えば大当たり判定乱数値等と同様に始動入賞手段30,31への遊技球の入賞時に取得し、特別乱数記憶手段53に記憶させるように構成してもよい。
特別図柄処理手段54は、特別図柄の変動表示に関する処理を行うもので、特別図柄表示手段26が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段53に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に、特別乱数記憶手段53に記憶されている大当たり判定乱数値の待ち行列からその先頭の大当たり判定乱数値を取り出し、その大当たり判定乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致するか否かに応じて大当たり/外れの判定を行う大当たり判定機能、大当たり/外れの判定結果と、特別乱数記憶手段53に大当たり判定乱数値と共に記憶されている大当たり図柄乱数値又は新たに取得された外れ図柄選択乱数値とに基づいて、特別図柄の変動後の停止図柄、即ち大当たり態様/外れ態様の種類を選択する特別停止図柄選択機能、大当たり/外れの判定結果と、新たに取得された変動パターン選択乱数値とに基づいて演出図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択機能等を備えている。なお本実施形態では、図3に示すように、特別図柄の大当たり態様として0〜3の4種類が設けられているものとする。
特別図柄表示制御手段55は、特別図柄処理手段54による特別図柄処理に基づいて特別図柄表示手段26の表示制御を行うもので、特別図柄表示手段26が変動表示可能な状態となり且つ特別乱数記憶手段53に1個以上の大当たり判定乱数値が記憶されていること(特別保留個数が1以上であること)を条件に特別図柄表示手段26による特別図柄の変動を開始させ、特別図柄処理手段54で選択された演出図柄の変動パターンに対応する変動時間が経過することに基づいて、同じく特別図柄処理手段54で選択された停止図柄で特別図柄の変動を停止させるようになっている。
特別利益状態発生手段(利益状態発生手段)56は、大入賞手段20を所定の開放パターンに従って開放する特別利益状態(利益状態)を発生させるためのもので、特別図柄表示手段26による特別図柄の変動後の停止図柄が大当たり態様(特定態様)となった場合に特別利益状態を発生させるようになっている。
本実施形態では、図3に示すように、特別利益状態(即ち大入賞手段20の開放パターン)として、短時間(例えば0.2秒間)の開放を2ラウンド繰り返す2R開放パターン、開放してから所定時間(例えば30秒)経過するかそれまでに所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞することを条件に閉鎖する動作(以下、通常開放動作という)を15ラウンド繰り返す15R開放パターン、通常開放動作を4ラウンド繰り返す4R開放パターン、通常開放動作を12ラウンド繰り返す12R開放パターンの4種類が設けられており(複数種類の利益状態の一例)、大当たり態様の種類に基づいてそれら4種類の開放パターンの何れかが選択されるようになっている。
図3の例では、大当たり態様0に対しては2R開放パターンが、大当たり態様1及び大当たり態様2に対しては15R開放パターンがそれぞれ選択され、大当たり態様3に対しては4R開放パターンとそれよりも遊技者に有利な12R開放パターンとの何れかが抽選により選択されるようになっている。なお本実施形態では、特別図柄が大当たり態様で停止した後、遊技球が普通図柄始動手段(特定通過部)18を通過した時点で、大当たり態様の種類に応じて特別利益状態の種類が設定されると共にその特別利益状態が開始されるようになっている。従って、大当たり態様3の場合の4R/12R開放パターンの抽選も、特別図柄が大当たり態様3で停止した後、遊技球が普通図柄始動手段18を通過した時点で行われる。なお、特別図柄が大当たり態様で停止した後、遊技球が普通図柄始動手段18を通過するまでの期間をラウンド数設定期間(特定期間)とする。
また特別利益状態発生手段56では、特別図柄表示手段26による特別図柄の変動後の停止図柄大当たり態様となった場合に、特別利益状態における大入賞手段20の開放動作を制御すべく、00H〜05Hの6種類の大当たり動作ステータス(図4)に応じた処理を実行するようになっている。即ち、特別利益状態発生手段56は、図2に示すように大当たり開始手段61、ラウンド数設定手段(利益状態設定手段)62、ラウンド開始手段63、ラウンド中手段64、ラウンド継続判定手段65、大当たり終了手段66等を備えており、図4に示すように、大当たり動作ステータスが00Hである場合には大当たり開始手段61による「大当たり開始処理」が、01Hである場合にはラウンド数設定手段62による「ラウンド数設定処理」が、02Hである場合にはラウンド開始手段63による「ラウンド開始処理」が、03Hである場合にはラウンド中手段64による「ラウンド中処理」が、04Hである場合にはラウンド継続判定手段65による「ラウンド継続判定処理」が、05Hである場合には大当たり終了手段66による「大当たり終了処理」が、それぞれ実行される。
従って、特別図柄が大当たり態様で停止した場合には、図5に示すように大当たり動作ステータスは00H(大当たり開始処理)→01H(ラウンド数設定処理)へと移行し、更に02H(ラウンド開始処理)→03H(ラウンド中処理)→04H(ラウンド継続判定処理)をラウンド数分(例えば15R開放パターンであれば15回)繰り返した後、05H(大当たり終了処理)へと移行する。
以下、大当たり動作ステータスが00Hである場合に大当たり開始手段61によって実行される大当たり開始処理と、大当たり動作ステータスが01Hである場合にラウンド数設定手段62によって実行されるラウンド数設定処理とについて、フローチャートに従ってその内容を具体的に説明する。
大当たり動作ステータスが00Hである場合に大当たり開始手段61によって所定時間間隔で実行される大当たり開始処理では、図6に示すように、演出制御基板39に対して大当たり開始インターバルコマンドを送信する(S1)と共に、大当たり動作ステータスに「ラウンド数設定処理」に対応する01Hをセットする(S2)。これによってラウンド数設定期間(特定期間)が開始される。
また、大当たり動作ステータスが01Hである場合にラウンド数設定手段62によって所定時間間隔で実行されるラウンド数設定処理では、図7に示すように、まず遊技球検出手段18aがONになったか否か、即ち遊技球が普通図柄始動手段(特定通過部)18を通過したか否かを判定し、遊技球検出手段18aがONになっていない場合には(S11:No)、その時点でラウンド数設定処理を終了する。
S11で遊技球検出手段18aがONになったと判定した場合(S11:Yes)、即ち遊技球が普通図柄始動手段(特定通過部)18を通過した場合には、大当たり態様の種類に応じて、例えば大当たり態様0〜2の何れかの場合にはS13以降の第1利益状態設定処理を、大当たり態様3の場合にはS17以降の第2利益状態設定処理(特定利益状態設定処理)を夫々実行する。
大当たり態様0〜2の何れかの場合(S12:No)に実行する第1利益状態設定処理では、役物連続作動装置作動フラグに5AH(役物連続作動装置作動中)を、ラウンド数カウンタに初期値である01Hを夫々セットする(S13)と共に、大当たり態様の種類に応じて、最大ラウンド数(2R/15R)、ラウンド数表示データ、大当たり開始インターバル時間、ラウンド数設定表示コマンド等の各種データを設定する(S14:利益状態設定処理)。そして、演出制御基板39に対してラウンド数設定表示コマンドを送信する(S15)と共に、大当たり動作ステータスに「ラウンド開始処理」に対応する02Hをセットする(S16)。これによってラウンド数設定処理は終了し、ラウンド数設定期間が終了すると共に、選択された開放パターンに従って特別利益状態、即ち大入賞手段20の開放動作が開始される(図9(a))。
一方、大当たり態様3の場合(S12:Yes)に実行する第2利益状態設定処理(特定利益状態設定処理)では、役物連続作動装置作動フラグに5AH(役物連続作動装置作動中)を、ラウンド数カウンタに初期値である01Hを夫々セットする(S17)と共に、4R開放パターンと12R開放パターンとの何れかを決定するためのラウンド数抽選処理(S18)を実行する。このラウンド数抽選処理(S18)では、例えば特別乱数作成処理手段51で作成された特別利益状態選択乱数を1個取得し、その特別利益状態選択乱数値(利益状態選択乱数値)を用いて、4R開放パターンと12R開放パターンとが所定の選択率(例えば同一の選択率)となるように抽選する。
ラウンド数抽選処理(S18)が終了すると、そのラウンド数抽選の結果に応じて、即ち4R開放パターンと12R開放パターンとの何れが選択されたかに応じて、最大ラウンド数(4R/12R)、ラウンド数表示データ、大当たり開始インターバル時間、ラウンド数設定表示コマンド等の各種データを設定する(S19)。そして、第1利益状態設定処理の場合と同様、演出制御基板39に対してラウンド数設定表示コマンドを送信する(S15)と共に、大当たり動作ステータスに「ラウンド開始処理」に対応する02Hをセットする(S16)。これによってラウンド数設定処理は終了し、ラウンド数設定期間が終了すると共に、選択された開放パターンに従って特別利益状態、即ち大入賞手段20の開放動作が開始される(図9(b))。
このように、特別図柄が大当たり態様で停止した場合には、その大当たり態様の種類に拘わらず、即ちラウンド数を抽選により決定するか否かに拘わらず、その後に遊技球が普通図柄始動手段(特定通過部)18を通過した時点で特別利益状態の種類(開放パターンの種類)を設定し、それまでは特別利益状態を開始させないようになっている。従って、特別図柄が大当たり態様で停止した後、遊技球が普通図柄始動手段(特定通過部)18を通過するまでのラウンド数設定期間(特定期間)中は、実質的に遊技の進行が停止した状態となる。
特別遊技状態発生手段57は、特別利益状態発生後の所定期間に遊技者に有利な特別遊技状態を発生させるためのもので、例えば特別乱数記憶手段53に記憶された大当たり判定乱数値が大当たり判定値と一致した場合の大当たり図柄乱数値に基づいて、その大当たり図柄乱数値が所定の確変判定値と一致しない場合には時短状態を、一致する場合には確変状態を夫々発生させるように構成されている。本実施形態では、図3に示すように、大当たり態様0,2,3の場合に確変状態が、大当たり態様1の場合に時短状態が発生するように設定されているものとする。もちろんこれは一例であって、例えば大当たり態様3の場合に、ラウンド数抽選の結果に応じて特別遊技状態の種類を異ならせてもよい。
時短状態中は、特別図柄に関して特別図柄表示手段26の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率(例えば1/10)から高確率(例えば1/1.3)へ、変動時間が通常変動時間(例えば27秒)から短縮変動時間(例えば2.7秒)へ、下始動入賞手段31の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は例えば特別利益状態の終了後に開始し、その後に特別図柄が所定回数(例えば50回)変動するか、それまでに次の特別利益状態が発生した時点で終了する。
確変状態中は、それ以外の通常確率状態中よりも大当たり判定値の数が例えば1個から10個へ増加されることにより、特別図柄が大当たり態様となる確率が通常確率(例えば1/350)よりも高い高確率(例えば1/35)に切り換えられると共に、例えば時短状態と同様の処理も併せて行われるようになっている。なお、確変状態は例えば特別利益状態の終了後に開始し、次の特別利益状態が発生した時点で終了するが、次の特別利益状態が発生するまでに所定の終了条件が成立(特別図柄が所定回数変動、転落抽選に当選等)した場合にはその時点で終了するようにしてもよい。
制御コマンド送信手段58は、所定の制御コマンドを一方向通信により演出制御基板39等のサブ制御基板側に送信して制御指令を与えるためのもので、特別図柄処理手段54による特別図柄処理に基づいて、特別図柄の変動開始時に、特別保留個数の減少を指定する保留減少コマンド、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、特別図柄の停止図柄の種類を指定する停止図柄コマンドをこの順序で演出制御基板39側に送信し、特別図柄の変動終了時に演出図柄の変動停止を指示する変動停止コマンドを演出制御基板39側に送信する機能、始動入賞手段30,31による遊技球検出時に、増加後の特別保留個数等を指定する保留増加コマンドを演出制御基板39側に送信する機能、特別利益状態発生手段56による特別利益状態に関して、例えばその開始時に大当たり開始インターバルコマンド、ラウンド数設定表示コマンド等を演出制御基板39側に送信する機能、特別図柄表示手段26が変動中でないことを含む所定条件が満たされた場合に客待ち演出コマンドを演出制御基板39側に送信する機能等を備えている。
演出制御基板39は、画像表示手段22、音声出力手段71、電飾手段72等の各種演出手段を制御するためのもので、図柄変動演出制御手段73、特別保留個数表示制御手段74、報知制御手段75、客待ち演出制御手段76等を備えている。
図柄変動演出制御手段73は、演出図柄34の変動表示制御及びそれに伴う音声出力手段71、電飾手段72等の制御を行うもので、主制御基板38から変動パターン指定コマンドを受信し、その後所定時間内に停止図柄コマンドを受信することを条件に、演出図柄34の変動後の停止図柄を抽選により決定すると共に変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに基づいて画像表示手段22上で所定の演出画像と共に演出図柄34の変動を開始させ、変動停止指定コマンドを受信したときに、抽選により決定された停止図柄で演出図柄34の変動を停止させ、またその演出図柄34の変動表示に合わせて音声出力手段71から所定の効果音を出力し、電飾手段72を所定のパターンで発光させるようになっている。
特別保留個数表示制御手段74は、画像表示手段22への特別保留個数の表示制御を行うもので、始動入賞手段30,31の何れかに新たに遊技球が入賞し、主制御基板38から保留増加コマンドを受信したときに、その保留増加コマンドが第何番目の保留記憶に対応するものであるかに基づいて、画像表示手段22上に保留表示画像35を1個追加的に表示し、また特別図柄の変動開始時に主制御基板38から保留減少コマンドを受信したときに、第1番目の保留に対応する保留表示画像35を消去すると共に第2番目以降の保留に対応する保留表示画像35を前側にシフトさせるようになっている。
報知制御手段75は、画像表示手段22、音声出力手段71、電飾手段72等を用いた遊技者等への各種情報の報知に関する制御を行うもので、ラウンド数設定報知制御手段75a等を備えている。ラウンド数設定報知制御手段75aは、ラウンド数設定期間(特定期間)に関する情報の報知を制御するもので、例えば図8に示すラウンド数設定報知処理を所定時間間隔で実行するように構成されている。
ラウンド数設定報知制御手段75aによるラウンド数設定報知処理(図8)では、まずラウンド数設定期間中フラグが5AH(ラウンド数設定期間中)であるか否かを判定する(S21)。そして、ラウンド数設定期間中フラグが5AH(ラウンド数設定期間中)でない場合には(S21:No)、大当たり開始インターバルコマンドを受信したか否かを判定し(S22)、大当たり開始インターバルコマンドを受信していない場合(S22:No)にはここでラウンド数設定報知処理を終了する。
大当たり開始インターバルコマンドを受信した場合には(S22:Yes)、ラウンド数設定期間中フラグにラウンド数設定期間中であることを示す5AHをセットする(S23)と共に、ラウンド数設定報知演出を開始し(S24)、ラウンド数設定報知処理を終了する。ラウンド数設定報知演出では、例えば画像表示手段22にラウンド数設定操作報知画像36を表示すると共に、音声出力手段71により所定の音声を出力し、また電飾手段72を所定の発光パターンで発光させるようになっている。
ここで、ラウンド数設定操作報知画像36には、ラウンド数設定期間中に遊技者が行うべき操作内容、その操作が成功した場合に起こりうる変化内容等の情報(特定期間に関する所定情報の一例)が盛り込まれている。例えば、大当たり態様0〜2の場合にラウンド数設定操作報知画像36により表示する情報としては、図10(a)に示すような「←ゲートを通せば15R大当たり開始!」(大当たり態様1,2の場合)等の文字情報が考えられる。また、大当たり態様3の場合にラウンド数設定操作報知画像36により表示する情報としては、図10(b)に示すような「←ゲートを通せば4R/12R抽選」等の文字情報が考えられる。
一方、S21でラウンド数設定期間中フラグが5AH(ラウンド数設定期間中)である場合には(S21:Yes)、ラウンド数設定表示コマンドを受信したか否かを判定し(S25)、ラウンド数設定表示コマンドを受信していない場合(S25:No)には、ラウンド数設定報知演出をそのまま継続し(S26)、ラウンド数設定報知処理を終了する。
また、S25でラウンド数設定表示コマンドを受信したと判定した場合には(S25:Yes)、ラウンド数設定期間中フラグにラウンド数設定期間中でないことを示す00Hをセットする(S27)と共に、ラウンド数設定報知演出を終了し(S28)、ラウンド数設定報知処理を終了する。
このように、ラウンド数設定報知制御手段75aは、主制御基板38からのコマンドに基づいてラウンド数設定期間を管理し、ラウンド数設定期間中は画像表示手段22へのラウンド数設定操作報知画像36の表示等のラウンド数設定報知演出を行うようになっている。これにより、ラウンド数設定期間中に行うべき操作内容等を遊技者に確実に理解させることができ、例えばラウンド数設定期間が開始されたにも拘わらず、遊技仕様を理解していない遊技者が、特別利益状態の発生を待っていつまでも発射操作を行わないという事態を効果的に防止できる。
客待ち演出制御手段76は、客待ち演出を制御するもので、例えば主制御基板38から客待ち演出コマンドを受信した場合(特別図柄表示手段26が変動中でないことを含む所定条件が満たされた場合)に、例えば画像表示手段22への客待ちデモ画像の表示を含む客待ち演出を開始させるように構成されている。なお、客待ち演出制御手段76は、主制御基板38から客待ち演出コマンドを受信した場合であっても、ラウンド数設定期間中フラグの値が5AHである場合、即ちラウンド数設定期間(利益状態設定期間)中である場合には客待ち演出を開始させないように構成されている。
このように、客待ち演出制御手段76は、特別図柄表示手段26による変動後の停止図柄が大当たり態様(特定態様)となった後、ラウンド数設定手段(利益状態設定手段)62が特別利益状態の種類を設定するまでのラウンド数設定期間(特定期間)中は客待ち演出を行わないように構成されているため、遊技者の操作待ちによるラウンド数設定期間中に遊技者が遊技の進行状況を容易に把握でき、スムーズに遊技を進行させることが可能である。
図11及び図12は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、普通図柄始動手段18とは別に特定通過部を設けた例を示している。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図11に示すように、本実施形態のパチンコ機では、例えばセンターケース17上に、入球口81から入球した遊技球を排出口82から再び遊技領域16に排出するように配置された遊技球通路83が設けられており、この遊技球通路83が特定通路部を構成している。入球口81は、例えばセンターケース17の上部側で略上向きに開口しており、排出口82は、例えばセンターケース17の左側の例えば普通図柄始動手段18よりも上流側に配置されている。また、遊技球が遊技球通路(特定通過部)83を通過する際にその遊技球を検出する遊技球検出手段84が設けられている。
また、本実施形態のラウンド数設定処理(図12)では、まず遊技球検出手段84がONになったか否か、即ち遊技球が遊技球通路(特定通過部)83を通過したか否かを判定する(S11a)と共に、遊技球検出手段84がONになっていない場合には(S11a:No)、その時点でラウンド数設定処理を終了し、遊技球検出手段84がONになった場合には(S11a:Yes)、第1の実施形態のラウンド数設定処理(図7)と同様の処理(S12〜S19)を実行するようになっている。
これにより、本実施形態では特別図柄が大当たり態様で停止した後、遊技球が遊技球通路(特定通過部)83を通過した時点で、大当たり態様0〜2の場合には予め定められた開放パターンに設定され、また大当たり態様3の場合には4R/12R開放パターンの何れかが抽選により選択、設定されると共に、その設定された開放パターンによる特別利益状態が開始される。
このように、特定通過部は普通図柄始動手段18等の始動手段とは別に設けてもよい。
図13〜図16は本発明の第3の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、複数の特定通過部と、所定の入球口に入球した遊技球をそれら複数の特定通過部に振り分ける振り分け手段とを設けた例を示している。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明し、第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図13に示すように、本実施形態のパチンコ機では、例えばセンターケース17上に、遊技球が入球可能な入球口81と、この入球口81に入球した遊技球を排出口82a,82bから再び遊技領域16に排出する例えば2つの第1,第2通路(特定通過部)83a,83bと、入球口81に入球した遊技球を、振り分け可動体85aによって第1,第2通路83a,83bに振り分ける振り分け手段85と、この振り分け手段85によって第1通路83a側に案内された遊技球を検出する第1遊技球検出手段84aと、振り分け手段85によって第2通路83b側に案内された遊技球を検出する第2遊技球検出手段84bとが設けられている。
入球口81は、例えばセンターケース17の上部側で略上向きに開口しており、入球した遊技球を下流側の振り分け手段85に案内するようになっている。また、この入球口81は、入球した遊技球を、振り分け手段85による振り分け処理に供されるまでその手前で例えば1個停留させることが可能に構成されている。なお、振り分け手段85の振り分け可動体85aは振り分け室86内に収容されており、入球口81はその下流側が振り分け室86の上部側に連通している。
第1,第2通路83a,83bは、上流側端部が振り分け室86の例えば左右の側面にそれぞれ連通し、下流側端部の排出口82a,82bが例えばセンターケース17の左右の側面にそれぞれ開口しており、振り分け可動体85aによって上流側端部に流入した遊技球を自重により流下させ、排出口82a,82bから遊技領域16に排出させるようになっている。また、第1,第2遊技球検出手段84a,84bは、それぞれ第1,第2通路83a,83b上の所定位置、例えば上流側端部近傍に配置されている。
振り分け手段85は、振り分け可動体85aと、この振り分け可動体85aを回転駆動する振り分け駆動手段85bとを備えている。振り分け可動体85aは、例えば正面視略円形に形成され、その外周面が振り分け室86の内周面と近接した状態で振り分け室86内に配置されており、振り分け駆動手段85bの駆動により前後方向の中心軸廻りに回転可能となっている。振り分け可動体85aの外周上には、入球口81に入球した遊技球を1個受入可能な凹入状の球保持部87が例えば1つ設けられており、この球保持部87が上側の入球口81と一致したとき(以下、受入位置という)に、入球口81内で停留している遊技球が球保持部87に流入し(図14(a))、球保持部87が左側の第1通路83aと一致したとき(以下、第1排出位置という)に、球保持部87内に保持されている遊技球が第1通路83aに排出され(図14(b))、球保持部87が右側の第2通路83bと一致したとき(以下、第2排出位置という)に、球保持部87内に保持されている遊技球が第2通路83bに排出される(図14(c))ようになっている。
振り分け駆動手段85bはステッピングモータ等により構成され、例えばセンターケース17の裏側に装着されており、振り分け可動体85aを、受入位置(図14(a))を挟んでその左側の第1排出位置(図14(b))と第2排出位置(図14(c))との間で例えば連続的に揺動駆動することにより、振り分け可動体85aによる振り分け状態を切り替えるようになっている。これにより、振り分け可動体85aが受入位置を第1排出位置側に向けて通過してから次に受入位置に到達するまでの期間中に入球口81に入球した遊技球は第2通路83b側に案内され(以下、この期間を第2通路振り分け期間という)、振り分け可動体85aが受入位置を第2排出位置側に向けて通過してから次に受入位置に到達するまでの期間中に入球口81に入球した遊技球は第1通路83a側に案内される(以下、この期間を第1通路振り分け期間という)ようになっている。
また、振り分け可動体85aは、遊技者が入球口81を狙って発射ハンドル12の操作を行う際に、入球口81への入球のタイミングを第1通路振り分け期間中とするか第2通路振り分け期間中とするかを容易にコントロール可能な程度の速度(例えば10秒周期)で駆動されるものとする。なお、ラウンド数設定期間中以外は、ラウンド数設定期間中に比べて振り分け可動体85aを高速で駆動してもよい。
また、振り分け手段85は、入球口81に入球した遊技球が振り分け可動体85aによって第1通路83aと第2通路83bとに振り分けられる様子が遊技機本体1の前側から視認可能なように、少なくともその一部が透明に形成されている。
また本実施形態では、特別利益状態(即ち大入賞手段20の開放パターン)として、第1の実施形態と同様の2R,4R,12R,15R開放パターンに加えて、通常開放動作を8ラウンド繰り返す8R開放パターンの計5種類が設けられている(図15)。図15の例では、大当たり態様0に対しては2R開放パターンが、大当たり態様1及び大当たり態様2に対しては15R開放パターンがそれぞれ選択され、大当たり態様3に対しては、8R開放パターンが必ず選択される固定選択制と、その固定選択制の場合に比べて遊技者に不利な4R開放パターンと遊技者に有利な12R開放パターンとの何れかが抽選により選択される変動選択制との何れを採用するかが遊技者の選択操作に基づいて決定されるようになっている。
ここで、固定選択制と変動選択制との何れが採用されるかは、特別図柄が大当たり態様となってラウンド数設定期間が開始された後に遊技球が入球口81に入球した場合の振り分け手段85による振り分け結果に基づいて決定されるようになっており、本実施形態では、入球口81に入球した遊技球が第1通路83a側に案内されて第1遊技球検出手段84aがその遊技球を検出した場合には固定選択制が採用され、逆に第2通路83b側に案内されて第2遊技球検出手段84bがその遊技球を検出した場合には変動選択制が採用されるようになっている。即ち遊技者は、ラウンド数設定期間が開始された後に入球口81に向けて遊技球を発射するタイミングを調整することで、実質的に固定選択制と変動選択制とを任意に選択可能である。
また、本実施形態のラウンド数設定処理では、図16に示すように、まず大当たり態様の種類を判定し(S31)、大当たり態様0〜2の何れかである場合には(S31:No)、第1遊技球検出手段84aと第2遊技球検出手段84bとの何れかがONになったか否かを判定する(S32,S33)。そして、第1遊技球検出手段84aと第2遊技球検出手段84bとの何れもONになっていない場合には(S32:No→S33:No)、その時点でラウンド数設定処理を終了するが、第1遊技球検出手段84aと第2遊技球検出手段84bとの何れかがONになった場合には(S32:Yes又はS33:Yes)、S34以降の第1利益状態設定処理を実行する。
即ち、役物連続作動装置作動フラグに5AH(役物連続作動装置作動中)を、ラウンド数カウンタに初期値である01Hを夫々セットする(S34)と共に、大当たり態様の種類に応じて、最大ラウンド数(2R/15R)、ラウンド数表示データ、大当たり開始インターバル時間、ラウンド数設定表示コマンド等の各種データを設定する(S35:利益状態設定処理)。そして、演出制御基板39に対してラウンド数設定表示コマンドを送信する(S37)と共に、大当たり動作ステータスに「ラウンド開始処理」に対応する02Hをセットする(S38)。これによってラウンド数設定処理は終了し、ラウンド数設定期間が終了すると共に、選択された開放パターンに従って特別利益状態、即ち大入賞手段20の開放動作が開始される。
一方、大当たり態様3の場合についても(S31:Yes)、第1遊技球検出手段84aと第2遊技球検出手段84bとの何れかがONになったか否かが判定される(S38,S39)。第1遊技球検出手段84aと第2遊技球検出手段84bとの何れもONになっていない場合には(S38:No→S39:No)、その時点でラウンド数選択処理を終了するが、第1遊技球検出手段84aがONになった場合には(S38:Yes)、S40以降の第2利益状態設定処理を実行し、第2遊技球検出手段84bがONになった場合には(S38:No→S39:Yes)、S42以降の第3利益状態設定処理(特定利益状態設定処理)を実行する。
第1遊技球検出手段84aがONになった場合(S38:Yes)に実行する第2利益状態設定処理では、役物連続作動装置作動フラグに5AH(役物連続作動装置作動中)を、ラウンド数カウンタに初期値である01Hを夫々セットする(S40)と共に、固定選択制の採用により8R開放パターンを選択し、その8R開放パターンに対応して、最大ラウンド数(8R)、ラウンド数表示データ、大当たり開始インターバル時間、ラウンド数設定表示コマンド等の各種データを設定する(S41)。そして、第1利益状態設定処理の場合と同様、演出制御基板39に対してラウンド数設定表示コマンドを送信する(S36)と共に、大当たり動作ステータスに「ラウンド開始処理」に対応する02Hをセットする(S37)。これによってラウンド数設定処理は終了し、ラウンド数設定期間が終了すると共に、選択された8R開放パターンに従って特別利益状態、即ち大入賞手段20の開放動作が開始される。
また、第2遊技球検出手段84bがONになった場合(S38:No→S39:Yes)に実行する第3利益状態設定処理では、役物連続作動装置作動フラグに5AH(役物連続作動装置作動中)を、ラウンド数カウンタに初期値である01Hを夫々セットする(S42)と共に、4R開放パターンと12R開放パターンとの何れかを決定するためのラウンド数抽選処理(S43)を実行する。このラウンド数抽選処理(S43)では、例えば特別乱数作成処理手段51で作成された特別利益状態選択乱数を1個取得し、その特別利益状態選択乱数値(利益状態選択乱数値)を用いて、4R開放パターンと12R開放パターンとが所定の選択率(例えば同一の選択率)となるように抽選する。
ラウンド数抽選処理(S43)が終了すると、そのラウンド数抽選の結果に応じて、即ち4R開放パターンと12R開放パターンとの何れが選択されたかに応じて、最大ラウンド数(4R/12R)、ラウンド数表示データ、大当たり開始インターバル時間、ラウンド数設定表示コマンド等の各種データを設定する(S44)。そして、第1,第2利益状態設定処理の場合と同様、演出制御基板39に対してラウンド数設定表示コマンドを送信する(S36)と共に、大当たり動作ステータスに「ラウンド開始処理」に対応する02Hをセットする(S37)。これによってラウンド数設定処理は終了し、ラウンド数設定期間が終了すると共に、選択された開放パターンに従って特別利益状態、即ち大入賞手段20の開放動作が開始される。
このように本実施形態では、特別図柄が大当たり態様で停止した後、遊技球が第1,第2通路(特定通過部)83a,83bの何れかを通過した時点で、大当たり態様の種類に応じて特別利益状態の種類が設定されると共にその特別利益状態が開始されるようになっている。また、特別図柄が大当たり態様3で停止した場合には、振り分け手段85による振り分け結果に応じて、遊技球が第1通路83a側に振り分けられた場合には8R開放パターンが選択されるのに対し、遊技球が第2通路83b側に振り分けられた場合には、8R開放パターンに比べて遊技者に不利な4R開放パターンと遊技者に有利な12R開放パターンとの何れかを抽選により選択するようになっている。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、第3の実施形態では遊技球を振り分け手段85によって複数の特定通過部に振り分けるように構成したが、互いに独立した特定通過部を複数設けてもよい。
複数の特定通過部を設ける場合、遊技球がそれら各特定通過部を通過したときに実行される利益状態設定処理は、全て特定利益状態設定処理(抽選により利益状態の種類を選択する処理)であってもよいし、特定利益状態設定処理を含まなくてもよい。
画像表示手段22への画像表示に関し、例えばラウンド数設定報知制御手段75aによるラウンド数設定操作報知画像36の表示と、エラー報知制御手段によるエラー報知画像の表示とが競合した場合には、予め定めた優先順序に従って何れかを優先させるようにしてもよい。例えばエラー報知画像が、扉開放エラー、不正入賞エラー等、不正行為に関連する不正関連エラーに関するものである場合には、その不正関連エラーに関するエラー報知画像をラウンド数設定操作報知画像36に優先して画像表示手段22に表示させ、エラー報知画像が、皿満杯エラー、補給切れエラー、払い出しエラー等、不正行為に関連しない一般エラーに関するものである場合には、その一般エラーに関するエラー報知画像よりもラウンド数設定操作報知画像36を優先して画像表示手段22に表示させてもよい。
利益状態は任意であり、ラウンド数設定期間中に遊技球が特定通過部を通過することに基づいて例えば特別遊技状態の種類(確変/時短の別、確変又は時短の継続期間等)を設定するように構成してもよい。
また本発明は、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種弾球遊技機の他、スロットマシン等の弾球遊技機以外の遊技機においても同様に実施することが可能である。