JP2015115184A - 密閉型電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】電池容器と封口部材の接続部分の変形を抑制する技術を提供する。【解決手段】本明細書で開示する密閉型電池では、電池ケースは、蓋部外面5aにおいて注液口6の外周に形成されて封口栓7が嵌入する環状段差部5bと、蓋部内面5cにおいて環状段差部5bよりも外側に形成されて注液口6を囲む環状溝部5dを備える。環状段差部5bの段差高をh、ケース蓋部5の板厚方向に環状段差部5b及び環状溝部5dが離隔する距離をd1、ケース蓋部5の拡がり方向に環状段差部5b及び環状溝部5dが離隔する距離をd2、としたとき、これらの距離が、d1≰h/2、かつ、d2≰h/4の関係を満たす。これにより、距離d1が環状段差部5bの段差高hよりも短くなり、段差高hの1/2以下になり、また距離d2が環状段差部5bの段差高hの1/4以下になるため、電池ケースの内圧が上昇すると、封口栓7よりも先に環状溝部5dを境界にケース蓋部5が変形する。【選択図】図2
Description
本明細書が開示する技術は、電解液が注入される注液口とこれを封口する封口部材とを備える密閉型電池に関する。
密閉型電池に関する技術として、例えば、下記特許文献1に開示されるものがある。この技術では、注液口に大径部を設けて段差部を形成し、段差部(注液口の周囲に設けた窪み)に封口部材を装着することによって注液口を封口する。封口部材は、電池容器との接触部においてレーザの照射熱により溶接される。
ところで、密閉型電池は、その内圧が規定圧を超えるとガス排出弁を開弁してガス抜きをするように設計されている。そのため、電池容器は、内圧がこの規定圧範囲内にあるときには変形することなくその形状を保つように構成されている。しかし、上記技術では、注液口の段差部は、電池容器の板厚内で形成されることから、この段差部内に装着される封口部材は、その板厚が電池容器の板厚よりも薄くならざるを得ない。そのため、電池容器の内圧が上昇すると、板厚の薄い封口部材が電池容器よりも先に変形して、電池容器との溶接部分にも変形を招く虞がある。本明細書は、電池容器と封口部材の接続部分の容器内圧上昇による変形を抑制する技術を提供する。
本明細書が開示する密閉型電池では、電池容器は、容器壁の外面において注液口の外周に形成されて封口部材が嵌入する環状段差部と、容器壁の内面において環状段差部よりも外側に形成されて注液口を囲む環状溝部と、を備えている。環状段差部の段差高をh、容器壁の厚さ方向に環状段差部及び環状溝部が離隔する距離をd1、容器壁の拡がり方向に環状段差部及び環状溝部が離隔する距離をd2、としたとき、これらは、d1≦h/2、かつ、d2≦h/4の関係を満たす。これにより、容器壁の厚さ方向の環状段差部と環状溝部の距離d1が、環状段差部の段差高hよりも短く(小さく)、段差高hの1/2以下になり、また容器壁の拡がり方向の環状段差部と環状溝部の距離d2が、環状段差部の段差高hの1/4以下になる。そのため、電池容器の内圧が上昇すると、封口部材よりも先に環状溝部を境界に電池容器が変形する。したがって、封口部材の変形が抑えられて電池容器と封口部材の接続部分の変形を抑制する。また、距離d2が環状段差部の段差高hの1/4以下になるため、例えば、環状段差部に嵌入した封口部材を溶接する場合においては、溶接部位の熱マス(熱容量)が小さくなる。これにより、溶接部位の溶け込み深さが大きくなって溶接強度が向上する。したがって、電池容器と封口部材の接続部分(溶接部分)の変形をさらに抑制する。
本明細書が開示する技術によれば、電池本体を収容する電池容器と封口部材の接続部分の容器内圧上昇による変形を抑制することができる。本明細書が開示する技術の詳細、及び、さらなる改良は、発明の実施の形態で説明する。
図面を参照して実施例の密閉型電池を説明する。まず、図1を参照して密閉型電池1の構成概要を説明する。図1に、密閉型電池1の外観を表した斜視図を示す。密閉型電池1は、主に、電池ケース2、電極体3(電池本体)、注液口6、封口栓7、正極端子8及び負極端子9等から構成されている。なお、符号Nは、後述する溶接痕を示す。
電池ケース2は、底の深い長細薄箱形状をなす金属製の電池容器であり、電極体3を収容するとともに電極体3を浸す電解液が注入されている。電池ケース2は、ケース本体部4及びケース蓋部5により構成される。ケース蓋部5は、ケース本体部4の開口を密閉している。本実施例では、密閉型電池1は、例えば、角形密閉式のリチウムイオン二次電池である。電極体3は、図示していないが、セパレータを介在させた正極シートと負極シートの積層体を扁平形状に巻回した積層巻回体である。電極体3には、正極端子8及び負極端子9が電気的に接続されており、これらが絶縁ホルダ等を介してケース蓋部5から突出する。
ケース蓋部5には、電池ケース2内に電解液を注入するための注液口6が形成されている。本実施例では、注液口6は、ケース蓋部5の長手方向のほぼ中央に円形状に形成される。密閉型電池1は、その製造工程において注液口6を介して電解液が注入された後、封口栓7により注液口6が封口されて密閉される。そのため、電池ケース2の内圧が上昇して所定圧を超えた場合には、開弁して内圧を低下させる安全弁(ガス排出弁)10がケース蓋部5に設けられている。
ここで、ケース蓋部5に形成される注液口6と、それを封口する封口栓7の構成を図2を参照して説明する。図2(A)に密閉型電池1の内部構成の例を表した断面図を示す。また、図2(B)に、(A)に表す一点鎖線内を拡大した模式図を示す。なお、これらの図は、図1に表す座標系において、封口栓7を通りYZ平面に平行な平面で密閉型電池1を切断した断面をX方向から見たものである。また、これらの図には、ケース蓋部5の構成を明確にするため、電池ケース2内に収容される電極体3や溶接痕N等は図示されていないことに留意されたい。
図2(A)に示すように、注液口6は、密閉型電池1の短手方向(Y軸方向)においてもケース蓋部5のほぼ中央に形成されている。注液口6は、蓋部内面5cの開口径よりも蓋部外面5aの開口径の方が大径になるように構成される。即ち、蓋部外面5a側に開口する注液口6の外周には、径方向外側に拡がる段差部が外周に沿って円環状に形成されて環状段差部5bを成している。図2(B)に示すように、環状段差部5bの段差高hは、後述する封口栓7のフランジ部7bの板厚相当に設定されている。
また、環状段差部5bの裏側、つまり蓋部内面5cには、環状段差部5bよりも所定距離だけ離れて径方向外側に位置する環状溝部5dが形成されている。環状溝部5dは、後述するように、ケース蓋部5の蓋部外面5aに環状段差部5bを形成する際に、ほぼ同時に蓋部内面5cに形成される。注液口6、環状段差部5b及び環状溝部5dは、いずれも同心円上に形成されており、内側から、注液口6、環状段差部5b、環状溝部5dの順番に位置している。
封口栓7は、注液口6を閉塞する蓋体であり、本実施例では、注液口6の形状に合わせて軸方向断面形状が凸形状であって、ケース5の内側に向けて窪みを有する形状に形成されている。即ち、封口栓7は、有底のカップ部7aとその外周に形成されるフランジ部7bとにより構成されている。前述のケース蓋部5の環状段差部5b内に封口栓7のフランジ部7bが収まり得るように、フランジ部7bの外径が環状段差部5bの外径よりも僅かに小径又は環状段差部5bの外径とほぼ同径に設定されている。環状段差部5bの深さ(段差高h)は、フランジ部7bの板厚相当に設定されている。そのため、環状段差部5bに嵌入して装着されたフランジ部7bと環状段差部5bの周囲の蓋部外面5aとは、面一になる。
このように構成される封口栓7は、ケース蓋部5の環状段差部5bに嵌め込まれた後、フランジ部7bの周囲を全周に亘って溶接される。即ち、環状段差部5bに嵌入されたフランジ部7bの外周とその周囲に位置する蓋部外面5aとがレーザ溶接や電子ビーム溶接等により溶接される。フランジ部7bの外周と蓋部外面5aは、フランジ部7bの外周全周にわたって溶接される。これにより、両者間の隙間が封止されてフランジ部7bとケース蓋部5が密着、つまり注液口6が封口される。
ところで、[発明が解決しようとする課題]の欄で説明したように、注液口6の環状段差部5bは、ケース蓋部5の板厚内で形成されることから、環状段差部5b内に装着される封口栓7のフランジ部7bは、その板厚がケース蓋部5の板厚よりも薄くならざるを得ない。そのため、電池ケース2の内圧が上昇した場合には、安全弁10が作動する前に、封口栓7が変形し、さらにフランジ部7bの周囲の溶接部分も変形する虞がある。
例えば、図3(B)に示す比較例を参照するとわかり易い。図3に、比較例との差異を表した説明図を示す。図3(B)の矢印左側に示すように、比較例の構成では、ケース蓋部105の板厚方向(図2(A)に示す座標系においてZ軸方向)において、環状段差部105bと環状溝部105dの離隔距離d4が、封口栓107の板厚相当に設定されている。また、ケース蓋部105の拡がり方向(図2(A)に示す座標系においてY軸方向であり、別言すれば、ケース蓋部105の表面に平行な方向)においても、環状段差部105bと環状溝部105dの離隔距離d5は、封口栓107の板厚の半分相当に設定されている。
即ち、封口栓107が溶接されるケース蓋部105は、環状段差部105bが形成される部位においてもその板厚は封口栓107の板厚よりも厚く、環状溝部105dが形成される部位の板厚は封口栓107の板厚の2倍を超える。したがって、図3(B)の矢印右側に示すように、電池ケースの内圧が上昇した場合にその荷重がケース蓋部105及び封口栓107に加わると、板厚の薄い封口栓107がケース蓋部105よりも先に変形する(破線矢印)。そのため、封口栓107は、溶接部分(接痕M)を境界にめくれ上がるように変形する虞がある。
これに対して、図2(B)や図3(A)の矢印左側に示すように、本実施例の構成では、ケース蓋部5の板厚方向(図2(A)に示す座標系においてZ軸方向)において、環状段差部5bと環状溝部5d(その底面)との離隔距離d1を、封口栓7の板厚よりも薄く、例えば、封口栓7の板厚の1/2以下に設定した。また、ケース蓋部5の拡がり方向(図2(A)に示す座標系においてY軸方向)においても、環状段差部5bと環状溝部5dの離隔距離d2を、封口栓7の板厚の1/4以下に設定した。
即ち、封口栓7が溶接されるケース蓋部5は、環状段差部5bや環状溝部5dの形成される部位の板厚がいずれも封口栓7の板厚よりも厚いが、環状段差部5bと環状溝部5dの離隔距離を、ケース蓋部5の板厚方向においては封口栓7の板厚の1/2以下、またケース蓋部5の拡がり方向においては封口栓7の板厚の1/4以下に設定している(d1≦h/2、かつ、d2≦h/4)。これにより、図3(A)の矢印右側に示すように、電池ケース2の内圧が上昇した場合にその荷重がケース蓋部5及び封口栓7に加わると、ケース蓋部5が封口栓7よりも先に変形することから(破線矢印)、環状溝部5dを境界にケース蓋部5が曲がるように変形する。そのため、封口栓7の溶接部分(溶接痕N)に加わる応力が緩和される。
このように本実施例では、図2(B)に示すように、ケース蓋部5に形成される環状段差部5bと環状溝部5dの位置関係を次の(1)〜(4)のように設定することにより、それぞれ特徴的な効果が得られる。
(1)ケース蓋部5の板厚方向に環状段差部5bと環状溝部5dが離隔する距離d1を環状段差部5bの段差高h(封口栓7の板厚)の1/2以下に設定する(d1≦h/2)。これにより、板厚方向の環状段差部5bと環状溝部5dの距離d1が、環状段差部5bの段差高h(封口栓7の板厚)よりも短く(小さく)なる。そのため、電池ケース2の内圧が上昇すると、封口栓7よりも先に、環状溝部5dを境界に環状溝部5dが拡がる方向にケース蓋部5が変形する。
(2)環状溝部5dの溝深さp(図2(B)参照)を、環状段差部5bの段差高h(封口栓7の板厚)の1/3以上1/2以下に設定する(h/3≦p≦h/2)。これにより、後述するように、環状段差部5bの成型時において、パンチ25によるダレの発生を抑制する。ダレとは、プレス成形時にパンチとワークの境界面において塑性変形したワークの角部が丸みを帯びたその部分のことをいう。
(3)ケース蓋部5の拡がり方向に環状段差部5bと環状溝部5dが離隔する距離d2を、環状段差部5bの段差高h(封口栓7の板厚)の1/4以下に設定する(d2≦h/4)。これにより、溶接部位の熱マス(熱容量)が小さくなるので、溶接部位の溶け込み深さが大きくなる。例えば、図3(A)に示す溶接痕Nの溶け込み深さd3は、図3(B)に示す溶接痕Mの溶け込み深さd6よりも大きいため溶接強度が向上する。なお、好ましくは、距離d2を段差高hの1/6以上1/4以下に設定する(h/6≦d2≦h/4)。これにより、後述するように、環状段差部5b及び環状溝部5dの成型時において、距離d2が狭小過ぎることによる金型(パンチ25、26)に対する負担を軽減する。
(4)環状溝部5dの溝幅q(図2(B)参照)は、電池ケース2の内圧が上昇した場合に安全弁10の開弁圧以下で、環状溝部5dから破断しない値に設定する。例えば、図4(A)に示すケース蓋部5の形状例に基づく強度計算から次のような値が得られる。図4に、ケース蓋部5の強度計算に用いた形状例を表した説明図を示す。
即ち、ケース蓋部5を国際アルミニウム合金名1000番系のアルミニウムで製造し、環状段差部5bや環状溝部5dの形状寸法を図4(A)に示す数値(単位mm)に設定した場合において、電池ケース2内にガスが発生して内圧が上昇したときに、図4(B)に示す矢印の部分にせん断応力が加わると仮定する。上記、1000番系のアルミニウムのせん断強さは64N/mm2であることから、ケース蓋部5が環状溝部5dから破断しない応力、つまり許容応力は、次式(1)で求められる(Nはニュートンである)。
64[N/mm2]×(0.5×10.7×π[mm2])=1076[N] ・・・〔1〕
64[N/mm2]×(0.5×10.7×π[mm2])=1076[N] ・・・〔1〕
一方、安全弁10の開弁圧を1.0MPaに設定した場合には、1.0MPaの内圧を環状溝部5dで受けたときの応力は、環状溝部5dの面積から次式(2)で求められる。(MPaはメガパスカルであり、1.0[MPa]=1.0[N/mm2]である。)
((10.6/2)2×π−(10.1/2)2×π)[mm2]×1.0[MPa]
=8.13[N] ・・・〔2〕
((10.6/2)2×π−(10.1/2)2×π)[mm2]×1.0[MPa]
=8.13[N] ・・・〔2〕
上記の式〔1〕、〔2〕による計算結果から、図4(A)に示すケース蓋部5の形状寸法例を採ることによって、ケース蓋部5の許容応力の値(1076[N])は、安全弁10の開弁直前に環状溝部5dが受ける応力(8.13[N])を十分に超えており、高い強度が確保できていることがわかる。なお、安全弁10に設定される開弁圧の値に基づいて、環状溝部5dの溝幅qとして最低限必要な値を逆算することが可能であることがわかる。
次に、ケース蓋部5の製造工程の例を図5を参照して説明する。図5に、ケース蓋部5の製造工程の例を表した説明図を示す。なお、図5には、成型機20及びワークWの径方向左側半分が図示されており、これらの径方向右側半分は径方向左側半分と同様に構成されるため、図示を省略していることに留意されたい。
成型機20は、主に、上型21、下型23、パンチ25、26と、これらを上下動させる不図示の加圧装置により構成されている。ワークWは、矩形の板でありその中央には前工程により円形に打ち抜かれた円形穴が形成されている。なお、図5(A)に示す符号Woは、円形穴の開口部の左半分を示している。上型21は、ワークWとほぼ同形状の矩形板状に形成されており、その中央にはパンチ25の貫通を許容する円形穴が形成されている。また、下型23も、ワークWとほぼ同形状の矩形板状に形成されており、その中央にはパンチ26の貫通を許容する円環穴が形成されている。
パンチ25は、ケース蓋部5に環状段差部5bを形成するための円柱体である。そのため、パンチ25の外径は、環状段差部5bの内径とほぼ同径に設定されている。パンチ26は、ケース蓋部5に環状溝部5dを形成するための円筒体である。そのため、パンチ26の内外径は、環状溝部5dの内外径とほぼ同径に設定されている(パンチ26の周壁の肉厚は、溝幅qとほぼ同値に設定されている)。
このように構成される成型機20により、上型21及び下型23により挟持したワークWに対して(図5(A)参照)、ほぼ同時期にパンチ25を降下させるとともに、パンチ26を上昇させる(図5(B)参照)。ワークWの開口部Wo側がパンチ25により径方向内側に押し出されるものの、パンチ26によりワークWがパンチ25の外周側方に押し上げられる。そのため、ワークWがパンチ25の外周側方に充填されることから、ダレの発生を抑制してダレのない環状溝部5dを形成する。パンチ25により成形される凸部Waがケース蓋部5に形成される環状段差部5bと注液口6になり、またパンチ26により成形される凹部Wbがケース蓋部5に形成される環状溝部5dになる。
なお、前掲の特徴(2)で説明したように、環状溝部5dの溝深さpを、環状段差部5bの段差高h(封口栓7の板厚)の1/3以上1/2以下になるように、パンチ26の上昇量を制御する(h/3≦p≦h/2)。これにより、環状段差部5bの成型時において、パンチ25によるダレの発生を抑制する。また、前掲の(3)の尚書きで説明したように、ケース蓋部5の拡がり方向に環状段差部5bと環状溝部5dが離隔する距離d2を、環状段差部5bの段差高hの1/6以上1/4以下に設定する(h/6≦d2≦h/4)。これにより、両パンチ25、26の間で塑性変形するワークWによりパンチ25、26にかかる荷重(負担)を軽減する。
以上説明したように本実施例の密閉型電池1では、電池ケース2は、蓋部外面5aにおいて注液口6の外周に形成されて封口栓7が嵌入する環状段差部5bと、蓋部内面5cにおいて環状段差部5bよりも外側に形成されて注液口6を囲む環状溝部5dと、を備える。そして、環状段差部5bの段差高をh、ケース蓋部5の板厚方向に環状段差部5b及び環状溝部5dが離隔する距離をd1、ケース蓋部5の拡がり方向に環状段差部5b及び環状溝部5dが離隔する距離をd2、としたとき、これらは、d1≦h/2、かつ、d2≦h/4の関係を満たす。これにより、ケース蓋部5の板厚方向の環状段差部5bと環状溝部5dの距離d1が、環状段差部5bの段差高hよりも短く(小さく)なり、段差高hの1/2以下になり、またケース蓋部5の拡がり方向の環状段差部5bと環状溝部5dの距離d2が、環状段差部5bの段差高hの1/4以下になる。そのため、電池ケース2の内圧が上昇すると、封口栓7よりも先に環状溝部5dを境界にケース蓋部5が変形する。したがって、封口栓7の変形が抑えられてケース蓋部5と封口栓7の接続部分(溶接痕N)の変形を抑制する。また、距離d2が環状段差部5bの段差高hの1/4以下になる。これにより、例えば、環状段差部5bに嵌入した封口栓7を溶接する場合においては、溶接部位の熱マス(熱容量)が小さくなるので、溶接部位の溶け込み深さが大きくなって溶接強度が向上する。したがって、ケース蓋部5と封口栓7の接続部分(溶接痕N)の変形をさらに抑制する。
なお、上述した実施例では、ケース蓋部5の板厚方向に環状段差部5b及び環状溝部5dが離隔する距離d1を環状段差部5bの段差高hの1/2に設定し、またケース蓋部5の拡がり方向に環状段差部5b及び環状溝部5dが離隔する距離d2を環状段差部5bの段差高hの1/4に設定したが、これらは、環状段差部5b及び環状溝部5dが接近し過ぎて機械的強度が低下しない範囲で、また前傾の(3)の尚書きを満たす範囲で、最小限(最短距離)に設定することが望ましい。
また、上述した実施例では、封口栓7をケース蓋部5の環状段差部5bに嵌め込んだ後、フランジ部7bの周囲を全周に亘って溶接したが、溶接をすることなく、両者間の隙間を封止することができる場合には溶接は要しない。封口栓7をケース蓋部5に溶接しない場合においても、上述したような寸法関係に距離d1、d2を設定することによって、電池ケース2の内圧が上昇すると、封口栓7よりも先に環状溝部5dを境界にケース蓋部5が変形するため、封口栓7の変形が抑えられてケース蓋部5と封口栓7の接続部分の変形を抑制する。
実施例技術に関する留意点を述べる。電池ケース2(ケース本体部4、ケース蓋部5)が電池容器の一例に相当する。電極体3が発電要素の一例に相当する。蓋部外面5aが容器壁の外面の一例に相当する。蓋部内面5cが容器壁の内面の一例に相当する。封口栓7が封口部材の一例に相当する。溶接痕Nが「電池容器と封口部材の接続部分」の一例に相当する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1:密閉型電池
2:電池ケース
3:電極体
4:ケース本体部
5:ケース蓋部
5a:蓋部外面
5b:環状段差部
5c:蓋部内面
5d:環状溝部
6:注液口
7:封口栓
7a:カップ部
7b:フランジ部
8:正極端子
9:負極端子
10:安全弁
h:段差高
d1、d2:距離
p:溝深さ
q:溝幅
N、M:溶接痕
2:電池ケース
3:電極体
4:ケース本体部
5:ケース蓋部
5a:蓋部外面
5b:環状段差部
5c:蓋部内面
5d:環状溝部
6:注液口
7:封口栓
7a:カップ部
7b:フランジ部
8:正極端子
9:負極端子
10:安全弁
h:段差高
d1、d2:距離
p:溝深さ
q:溝幅
N、M:溶接痕
Claims (1)
- 電池本体を収容し電解液が注入される注液口を有する電池容器と、注液口を封口する封口部材と、を備える密閉型電池であり、
前記電池容器は、容器壁の外面において前記注液口の外周に形成されて前記封口部材が嵌入する環状段差部と、前記容器壁の内面において前記環状段差部よりも外側に形成されて前記注液口を囲む環状溝部と、を備えており、
前記環状段差部の段差高をh、前記容器壁の厚さ方向に前記環状段差部及び前記環状溝部が離隔する距離をd1、前記容器壁の拡がり方向に前記環状段差部及び前記環状溝部が離隔する距離をd2、としたとき、これらが、d1≦h/2、かつ、d2≦h/4の関係を満たすことを特徴とする密閉型電池。
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JP2013256232A Pending JP2015115184A (ja) | 2013-12-11 | 2013-12-11 | 密閉型電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2015115184A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015130248A (ja) * | 2014-01-06 | 2015-07-16 | トヨタ自動車株式会社 | 密閉型電池 |
WO2023124651A1 (zh) * | 2021-12-30 | 2023-07-06 | 珠海冠宇电池股份有限公司 | 电池 |
CN118763330A (zh) * | 2024-09-05 | 2024-10-11 | 蜂巢能源科技股份有限公司 | 电芯及电池包 |
-
2013
- 2013-12-11 JP JP2013256232A patent/JP2015115184A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015130248A (ja) * | 2014-01-06 | 2015-07-16 | トヨタ自動車株式会社 | 密閉型電池 |
WO2023124651A1 (zh) * | 2021-12-30 | 2023-07-06 | 珠海冠宇电池股份有限公司 | 电池 |
CN118763330A (zh) * | 2024-09-05 | 2024-10-11 | 蜂巢能源科技股份有限公司 | 电芯及电池包 |
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