JP2015114054A - 固定構造及び給湯装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】カバーが本体から落下することのない固定構造及び給湯装置を提供する。
【解決手段】 梁21cに設けられた係止片21e0,21e1,21e2をカバー22(下面22c)に設けられたスリット22e0,22e1,22e2に挿入し、カバー22の上部を着脱可能にケーシング(本体)に固定することで、カバー22がケーシング(本体)に固定される。ここで、係止片21e0がスリット22e0の第1穴部21e01内に位置することでそのX軸方向への移動が制限され、その状態において係止片21e1(21e2)の先端の+X端(−X端)がスリット22e1(22e2)の+X端(−X端)より+X側(−X側)に位置して下面22c、すなわちカバー22を係止する。従って、カバー22の上端の固定が外れてもカバー22が本体21から落下することがなく、安全に使用することが可能となる。
【選択図】図5

Description

本発明は、固定構造及び給湯装置に係り、更に詳しくは、被固定物を固定対象に固定する固定構造及び該固定構造によりカバーが給湯装置本体から延設される配管を覆う箱体に固定される給湯装置に関する。
給湯装置本体の下端から延設される複数の配管類を隠すために、本体の下方に化粧カバー(箱体)が設けられる(例えば特許文献1参照)。化粧カバーは、例えば、化粧カバーの両側面とこれらを固定する複数の梁とから構成されるケーシングと、ケーシングの前面を覆うカバーと、から構成される。給湯装置が特に屋外に設置される場合、風等による振動を継続的に受けることでカバーがケーシングから外れ、落下する危険がある。特に、簡単な構成の抜け留め構造では、比較的容易に外れることが確認されている。
そこで、例えば特許文献1に開示される固定構造では、ケーシングの上部に架設された梁(に固設されたブラケット)に上向きに突片が設けられ、その突片をカバーの上部に設けられたスリットに差し入れることでカバーをケーシングに掛止する。また、ケーシングの下部に架設された梁(に固設されたブラケット)にはネジ穴が設けられている。そこで、さらに、そのネジ穴にカバーの下部に設けられた開口を介してネジを螺入することで、カバーがケーシングに固定される。しかし、上述の構成の固定構造では、給湯装置の配管カバーを固定する場合、梁に上向きに設けられた突片が給湯装置全体の意匠的美観を害してしまう。
また、例えば特許文献2に開示される固定構造は、カバーに固定構造を設けずに取付具を用いるものであり、取付具の一端を固定対象に掛止し他端をネジによって係止するものである。しかし、上述の構成の固定構造では、掛止部分を安定させるための構造を有さず、風等による振動の小さな取付具に使用される構造であって風等による振動の大きなカバーに使用できるものではない。
以上の事情により、カバーの固定方法として、従来は、カバー下面に略長方形のスリットを設け、ケーシング下部に設けられた係止部材を前記スリットに差し込むことで係止し、カバー下部の位置決めを行っていた。そして、ケーシング上部に設けられたネジ穴にカバー上部に設けられた開口を介してネジを螺入することで、カバーがケーシングに固定されるものであった。ネジは、ケーシング内に収納されるガスバルブや水バルブの緊急停止、或いは給湯装置本体の修理作業のために、カバーを容易に外す必要があることから、工具を用いないで手で外すことが可能となる飾りビスを用いることが多かった。
しかし、給湯装置が特に屋外に設置される場合、飾りビスによる手締めのトルク値に限界があることから、カバーをネジによって係止しても、ネジが緩んでしまい、強風等の振動によるカバーの振幅がネジ螺入長を超える場合があった。この場合には、ネジが落下し、カバーがケーシングから外れてしまう。
特開2006−300279号公報 特開平08−042754号公報
本発明は、カバー(被固定物)が化粧カバー(固定対象)から落下することがない固定構造及びこの固定構造を利用して安全に使用することのできる給湯装置を提供することを課題とする。
本発明は、
被固定物を固定対象に固定する固定構造であって、
前記固定対象には、第1係止部材と、該第1係止部材の第1方向の一側に基端より前記一側に幅広の先端を有する第2係止部材と、前記第1係止部材の前記第1方向の他側に基端より前記他側に幅広の先端を有する第3係止部材と、が前記第1方向に直交する第2方向に向けて突設され、
前記被固定物の第1部分には、前記第1、第2、及び第3係止部材がそれぞれ挿入される第1穴部を有する第1スリット、該第1穴部の前記第1方向の前記一側に第2スリット、及び前記第1穴部の前記第1方向の前記他側に第3スリットと、が設けられ、
前記第1部分から前記第2方向に離間する前記被固定物の第2部分は、該第2部分に対向する前記固定対象の対向部に着脱可能に固定され、
前記第1係止部材が前記第1穴部内に位置している場合に、前記第1方向に関して、前記第2係止部材の基端は前記第2スリット内に位置し、前記第2係止部材の先端の前記一側の端は前記第2スリット外に位置することを特徴とする。
これによれば、第1、第2、及び第3係止部材をそれぞれ第1、第2、及び第3スリットに挿入し、被固定物の第2部分を固定対象の対向部に着脱可能に固定することで被固定物が固定対象に固定される。ここで、第1係止部材が第1穴部内に位置することでその第1方向への移動が制限され、その状態において第2係止部材の先端の一側の端が第2スリットの一側の端より一側に位置することから第2係止部材が固定対象を係止する。
本発明の固定構造は、
前記第1係止部材が前記第1穴部内に位置している場合に、さらに、前記第3係止部材の基端は前記第3スリット内に位置し、前記第3係止部材の先端の前記他側の端は前記第3スリット外に位置することを特徴とする。
これによれば、第1係止部材が第1穴部内に位置することでその第1方向への移動が制限されている状態において第3係止部材の先端の他側の端が第3スリットの他側の端より他側に位置することから第3係止部材が固定対象を係止する。
本発明の固定構造は、
前記第2係止部材の基端が前記第2スリット内の前記一側に位置している場合に、前記第3係止部材の先端は前記第3スリット内に位置することを特徴とする。
これによれば、第2係止部材を第2スリットに挿入し、第2係止部材の基端の一側を第2スリットの一側に位置した状態で、第3係止部材を第3スリットに挿入することができ、また第3スリットから抜くことができる。
本発明の固定構造は、
前記被固定物は、前記第1及び第2方向に直交する第3方向に弾性変形可能であり、
前記第1スリットは、前記第1穴部から前記第3方向に連なる前記第1穴部より幅広の第2穴部をさらに有し、
前記第2係止部材の基端が前記第2スリット内に位置し、前記第3係止部材の先端が前記第3スリット内に位置する際に、前記第1係止部の前記一側の端は前記第1方向に関して前記第1穴部外に位置するとともに、前記第2穴部内に位置することを特徴とする。
これによれば、被固定物を第3方向に弾性変形することで、第2及び第3係止部材がそれぞれ第2及び第3スリットに挿入された状態で第1係止部材を第2穴部に挿入することができ、また被固定部材を第1方向に移動することで第1係止部材を第2穴部から第1穴部に移動することができる。
本発明の固定構造は、
前記第2及び第3係止部材は、前記基端より幅広であり、前記先端より幅の狭い係止部を前記基端と前記先端の間の前記一側及び前記他側にそれぞれ有し、
前記第2係止部材の前記係止部の前記一側の端から前記第3係止部材の前記係止部の前記他側の端までの距離は、前記第2スリットの前記一側の端から前記第3スリットの前記他側の端までの距離にほぼ等しいことを特徴とする。
これによれば、被固定部材に応力が加わり第1係止部材が第1穴部から第2穴部に移動しても第2及び第3係止部材の係止部がそれぞれ第2及び第3スリットの端と干渉することで被固定部材の第1方向への移動が制限される。
本発明の固定構造は、
前記第2及び第3係止部材の厚みd及び前記第2及び第3スリットの深さDを用いて与えられる関係W2cosθ−Dsinθ=dを満たす角度θが、前記被固定物の前記第2方向の長さL2と前記第1及び第2方向に直交する方向の長さL3を用いて与えられる関係L2sinθ0=L3を満たす角度θ0より大きいことを特徴とする。
これによれば、被固定物を固定対象に対して角度θ0以上傾けた状態で、固定対象の第2方向の一側の端がさらに一側の構造物と干渉することなく、前記第1、第2、及び第3係止部材をそれぞれ前記第1、第2、及び第3スリットに挿入することができる。
本発明の固定構造は、
前記被固定物の第2部分の前記第1方向の両端に前記第3方向の前記固定対象の側に突出する2つのフランジを備え、前記2つのフランジの下端が前記第3方向に対し傾斜して形成され、前記被固定物が前記固定対象に対して前記第1方向を軸として所定範囲角度の傾斜で配された時に前記フランジが前記固定対象と干渉して前記被固定物の前記第1方向の移動を制限する第1の移動制限手段と、
前記第1係止部が前記第1スリットの前記第2穴部から前記第1穴部に位置して前記被固定物の前記第1方向の移動を制限する第2の移動制限手段とを備え、
前記第1の移動制限手段は前記被固定物の第2部分の前記被固定物の第1部分と反対の側が前記固定対象から離間することによって移動制限が解除され、
前記第2の移動制限手段は前記被固定物の第2部分の前記被固定物の第1部分の側が前記固定対象から離間することによって移動制限が解除され、
前記被固定物を前記固定対象に固定した場合において、前記第1及び第2の移動制限手段の双方の移動制限が解除される場合にのみ前記被固定物が前記固定対象から離脱可能であることを特徴とする。
これによれば、風力等によって被固定物が移動して偶然に離脱してしまうことを防止できる。
本発明の固定構造は、
前記第2係止部材の先端の前記一端の側が前記第2スリット外に位置すること及び前記第3係止部材の先端の前記他端の側が前記第3スリット外に位置することの少なくとも一方によって前記被固定物の前記第3方向の移動を制限する第3の移動制限手段を備え、
前記第3の移動制限手段は、(1)前記第2係止部材の先端の前記一端の側が前記第2スリット内に位置する場合に前記被固定物が前記第3スリットを中心とする回転運動によって前記第2係止部材が前記第2スリットから離脱すること、(2)前記第3係止部材の先端の前記他端の側が前記第3スリット内に位置する場合に前記被固定物が前記第2スリットを中心とする回転運動によって前記第3係止部材が前記第3スリットから離脱すること、のいずれか一方によって移動制限が解除され、
前記被固定物を前記固定対象に固定した場合において、前記第1、第2及び第3の移動制限手段の全ての移動制限が解除される場合にのみ前記被固定物が前記固定対象から離脱可能であることを特徴とする。
これによれば、風力等によって被固定物が移動して偶然に離脱してしまうことを、更に強く防止できる。
本発明の固定構造は、
前記被固定物の第2部分は、該第2部分に設けられた開口を介して前記対向部にネジを螺入することで固定されることを特徴とする。
これによれば、被固定物の第2部分を固定対象の対向部に着脱可能に固定することができる。
本発明は、
給湯装置本体と、
前記固定対象であり、前記給湯装置本体から延設される配管を覆う箱体と、
前記被固定物であり、前記箱体の少なくとも一部に設けられた開口をふさぐカバーと、を備え、
本発明の固定構造により、前記カバーが前記箱体に固定されることを特徴とする給湯装置である。
これによれば、カバーが箱体から落下することがなく、安全に使用することができる。
本発明の固定構造によると、被固定物の第2部分の固定が外れても被固定物が固定対象から落下することがなく、安全に使用することが可能となる。
また、本発明の給湯装置によると、本発明の固定構造を利用することで安全に使用することが可能となる。
図1(A)及び(B)は、それぞれ、一実施形態に係る給湯装置の全体構成を示す正面図及び側面図である。 図2は、化粧カバーを構成するケーシング(本体)とカバーの概略構成を示す分解斜視図である。 図3(A)及び(B)は、それぞれ、固定構造を構成する係止片が設けられた梁の構成を示す正面図及び平面図である。 図4(A)及び(B)は、それぞれ、カバー(下面)に設けられたスリットの構成を示す正面図及び平面図である。 図5(A)及び(B)は、カバーをケーシング(本体)に固定する固定構造を構成する係止片が設けられた梁及びスリットが形成されたカバー(下面)を示す斜視図である。 図6は、係止片をスリットに挿入する手順を説明するための図(その1)である。 図7は、係止片をスリットに挿入する手順を説明するための図(その2)である。 図8は、係止片をスリットに挿入する手順を説明するための図(その3)である。 図9は、係止片をスリットに挿入する手順を説明するための図(その4)である。 図10は、係止片をスリットに挿入する手順を説明するための図(その5)である。 図11は、係止片をスリットに挿入する手順を説明するための図(その6)である。 図12は、係止片をスリットに挿入する手順を説明するための図(その7)である。 図13は、係止片に設けられた係止部によりカバーのX軸方向の移動が制限される原理を説明するための図である。 図14は、ケーシング(梁)に対してカバー(係止片)が傾く原理を説明するための図である。 図15は、係止片に設けられた係止部の形状を示す図である。 図16は、ケーシング(梁)に対してカバー(フランジ)が干渉する状態を説明するための図である。 図17は、係止片をスリットに挿入する手順を説明するための図(その8)である。 図18は、係止片をスリットに挿入する手順を説明するための図(その9)である。 図19は、係止片をスリットに挿入する手順を説明するための図(その10)である。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図19を用いて説明する。
図1に、本実施形態に係る給湯装置1を示す。給湯装置1は、給湯装置本体10と、化粧カバー20と、を備える。
給湯装置本体10は、例えば、家屋外の地面F上に脚部23を介して配置され、その筐体11の上面がL字状の固定具13を用いて家屋等の壁面Wに固定される。ここで、給湯装置本体10の下端から湯水等を屋内に供給するための配管類15(図1において点線を用いて示す)が、壁面Wを介して屋内に延設されている。
図2に、化粧カバー20の分解斜視図を与える。化粧カバー20は、ケーシング(本体)21と、カバー22(例えば鋼板の板厚0.8mm)と、から構成される。図中、ケーシング(本体)21とカバー22は、基準軸Lについて分解して示されている。
本体21は、平板状の2つの側面21dと、両端に取付片が設けられた3つの梁21a,21c,21gと、から構成される。ここで、梁21aには、2つのネジ穴21fが形成されている。また、梁21cには、その−Y端に3つの係止片21e0,21e1,21e2(例えば鋼板の板厚1.5〜2.0mm)が並設されている。なお、3つの係止片21e0,21e1,21e2は梁21cの−Y端を+Z方向に屈曲することで梁21cと一体的に形成してもよいし、別部材を梁21cに溶接等により固定することで形成してもよい。詳細は後述する。
2つの側面21dはX軸方向の一側と他側にそれぞれの内面を対向して配置され、それらの前部上側(−Y,+Z側)の端部が梁21aにより、それらの前部下側(−Y,−Z側)の端部が梁21cにより、それらの後部下側(+Y,−Z側)の端部が梁21gにより、連結されている。梁21a,21c,21gは、一面をそれぞれ前方(−Y方向)、下方(−Z方向)、及び後方(+Y方向)に向け、取付片を側面21dの内面に当接して、ネジ、ビス等の固定具を用いて或いは溶接により側面21dに固定されている。なお、梁の数、形状、材質等及び側面21dへの取付方法は、側面21dを支持するのに十分な強度が得られるよう適当に定めることとする。
本体21は、図1に示すように、給湯装置本体10の下(−Z側)に、2つの側面21dの外面が給湯装置本体10の筐体11の側面と略面一に、配置される。これにより、給湯装置本体10の下端から延びる配管類15が、2つの側面21dの間を上下(Z軸方向)及び前後(Y軸方向)に通って、屋内に向かって配設されることとなる。
カバー22は、前面22aと、上面22b及び下面22cと、フランジ22dと、を含んで形成されている。前面22aは、−Y方向に凸状に形成されている。前面22aの上端(+Z端)近傍には、後述するように固定具(ネジ31)を通すための2つの孔22fが設けられている。上面22b及び下面22cは、等脚台形状の平板であり、それぞれ前面22aの上端及び下端に固設されている。下面22cには、3つのスリット22e0,22e1,22e2がその長手方向(X軸方向)に並設されている。詳細は後述する。フランジ22dは、前面22aの±X端部を+Y方向に屈曲して形成されている。その下端は、カバー22を本体21に固定する際に側面21dと干渉しないように、例えば斜めに形成されている。
カバー22を本体21に固定して本体21(側面21b)の前面の開口を塞いで化粧カバー20を形成することで、給湯装置本体10の下端から延びる配管類15が隠される。
カバー22を本体21に固定する際に側面21dと干渉しないように、例えば斜めに形成されている点について説明する。
フランジ22dは、前面22aの±X端部を+Y方向に屈曲して形成されている。その下端(−Z端)は、カバー22を本体21に固定する際に梁21c及び側面21dと干渉しないように、図16(B)に示すように、角度θ’だけ傾斜して形成されている。これにより、図16(B)に示すように側面21d(本体21)に対してカバー22を角度θ(θ>θ’)傾けることで(干渉回避角度とすることで)、後述するようにカバー22を本体21に固定する際(係止片21e1をスリット22e1内に挿入後、係止片21e2をスリット22e2内に挿入するために−X軸方向に移動する際)、カバー22を本体21に対して−X軸方向にスライドすることができる。
もし傾きが浅いと(図16(B)に点線で示す。)図16(B)のハッチング部分が示すように、フランジ22dと側面21dとが干渉し、−X軸方向にスライドすることができない。図16(A)の一点鎖線S、図16(F)の○印(穴が空いているわけではない)と二点鎖線S’は、後述するカバー22が本体21に取付け終わっている場合(図12)の回転軸と、取付けの途中であって、−X軸方向にスライドする前のカバー22が傾いている状態(図7、図8)の回転軸を示す。またカバー22の傾きは、所定の角度以上であれば−X軸方向にスライドすることが出来るが、この角度を角度αとする(前記所定の角度の最小値が角度α)。
回転軸となる部材は存在しない。図7(A)、図7(B)、図16(A)、図16(B)で示すとおり、カバー22が略角度αで傾いている時に、回転軸を中心にカバー22を例えば角度θ傾斜させて、フランジ22dと側面21dとが干渉しない干渉回避角度(図中に示す干渉回避角度)とすることで、係止片21e1をスリット22e1内に挿入後、係止片21e2をスリット22e2内に挿入するために−X軸方向に移動する際に干渉しないように移動することができるようになる。
また、フランジ22dの下端(−Z端)がカバー22を角度θ傾けた際に側面21dと干渉しないように、図16(A)に示すように、フランジ22dの下端は角度θ’傾斜して形成されているが、カバー22を−X軸方向にスライドさせる時の、例えば下面22cと梁21cが成す角度の最小値であるXZ面の角度α時に、フランジ22dをYZ面の角度θ傾斜させた時に形成される、フランジ22dの傾斜がフランジ22dの端面に至る点B’と側面21dとの最小隙間Bと、フランジ22dの傾斜下端と回転軸間の距離Aと、フランジ22dの端面と回転軸間の距離Cとの関係は、A+B<Cとならなければ、フランジ22dを干渉部材として使用できない。
なお、図16(A)のZ軸水平方向断面を図16(C)に示す。カバー22は、XY面において角度β’だけ傾斜している。
なお、カバー22が本体21と干渉しないように、例えば図16(D)に示すように、本体21の側面21dの一部にフランジ22dの下端が通る切り欠き21d0を形成してもよい。切り欠き21d0の形状は、フランジ22dの下端が通ればいかなる形状を採用してよい。
また、フランジ22dの下端を角度θ’傾斜して形成するとともに、側面21dに切り欠き21d0を設けることとしてもよい。
カバー22を本体21に固定するための固定構造30について説明する。
固定構造30は、3つの係止片21e0,21e1,21e2が設けられた梁21cと3つのスリット22e0,22e1,22e2が設けられたカバー22の下面22cとから構成される。
図3に、梁21cの詳細構成を示す。梁21cの−Y端のX軸方向の中央に係止片21e0が、その+X側及び−X側にそれぞれ係止片21e1,21e2が+Z方向に突設されている。係止片21e0は、X軸方向の幅h0の矩形状の平板である。そのZ軸方向の先端は、係止片21e1(21e2)の基端から係止片21e2(21e1)の先端を結ぶ直線より+Z側に位置する。係止片21e1(21e2)は、+X方向(−X方向)に屈曲し、幅h1の基端に対して+X方向(−X方向)に幅広(h2>h1)の先端を有する鉤状の平板である。係止片21e1(21e2)には、その基端と先端の間の+X側(−X側)に、基端より幅広であり、先端より幅の狭い係止部21e10(21e20)が設けられている。
なお、係止片21e1,21e2の厚みd、係止片21e0の+X端(−X端)から係止片21e1(21e2)の基端の+X端(−X端)までの距離l10a、係止片21e0の中心から係止部21e10(21e20)の+X端(−X端)までの距離l20c、係止片21e0の中心から係止片21e1(21e2)の先端の+X端(−X端)までの距離l20a、係止片21e1の基端の+X端から係止片21e2の基端の−X端からまでの距離l11である。
図4に、カバー22の下面22cに設けられた3つのスリット22e0,22e1,22e2の詳細構成を示す。ここで、下面22cの短手方向(Y軸方向)のほぼ中央に長手方向(X軸方向)に延びる軸を基準軸Lとする。下面22cのX軸方向の中央にスリット22e0が、その+X側及び−X側にスリット22e1,22e2が形成されている。
スリット22e0は、基準軸L上に位置する第1穴部22e01と第1穴部22e01から−Y方向に連なる第2穴部22e02とを有する。第1穴部22e01は、X軸方向の幅H0及びY軸方向の幅W0の矩形状を有する。ここで、第1穴部22e01の幅H0は係止片21e0の幅h0より若干大きい(H0>h0)。それにより、第1穴部22e01に係止片21e0が挿入されることで下面22(カバー22)のX軸方向の移動が制限される。第2穴部22e02は、X軸方向の幅H1及びY軸方向の幅W1の矩形状を有する。幅H1は幅h0,H0より十分に大きく(H1≫h0,H0)、幅W1は係止片21e0の厚みよりも若干大きい。それにより、係止片21e0は第2穴部22e02から抜け難く、その内側でX軸方向に移動することができる。
スリット22e1,22e2は、基準軸L上に位置する。いずれもX軸方向の幅H2及びY軸方向W2の矩形状を有する。ここで、幅H2は係止片21e1,21e2の基端の幅h1より十分大きく(H2≫h1)、先端の幅h2より若干大きい(H2>h2)。それにより、係止片21e1,21e2をそれぞれスリット22e1,22e2に挿入することができ、それらの基端をそれぞれスリット22e1,22e2内でX軸方向に移動することができる。
なお、スリット22e1,22e2の深さ(前面22cの厚み)D、スリット22e1(22e2)の+X端(−X端)から第2穴部22e02の+X端(−X端)までの距離L12a、第1穴部22e01の+X端(−X端)までの距離L02a、第1穴部22e01の中心までの距離L02、スリット22e2(22e1)の中心までの距離L22である。ここで、距離L12aは距離l10aより若干長く、距離L02aは距離l10aより長く、距離L02は距離l20aより短く、距離l20cにほぼ等しく(正確には若干長く)、距離L22は距離l11にほぼ等しい。
カバー22をケーシング(本体)21に固定する第一の方法の手順を説明する。係止片21e0,21e1,21e2をそれぞれスリット22e0,22e1,22e2に挿入し、ネジ31を用いてカバー22の上端を梁21aに留める。
最初に、図5(A)に示すように、本体21(図2参照)の前面側(−Y側)でカバー22の±X端を両手で保持して、カバー22の上端を前面側(−Y側)に傾けた状態で下面22cの3つのスリット22e0,22e1,22e2をそれぞれ梁21cの係止片21e0,21e1,21e2上に配置する。この時、+X端側フランジ22dの内側(−X側)に+X端側の側面21dがあり、−X端側フランジ22dの外側(−X側)に−X端側の側面21dが位置する。
次に、図6に黒塗り矢印を用いて示すように、下面22cの+X端を下方(−Z方向)に下げて、係止片21e1をその基端までスリット22e1内に挿入する。ただし、この状態では、係止片21e2の先端がスリット22e2の−X側の下面22cと干渉するため、係止片21e2をスリット22e2内に挿入することはできない。この干渉して挿入できなかった場合と、挿入完了時では、下面22cに所定の角度差(角度α)が残る。
そこで所定の角度差(角度α)を解消するために、図7に黒塗り矢印を用いて示すように、下面22c(カバー22)を梁21c(本体21)に対して−X方向にスライドする。この時、係止片21e1の基端はスリット22e1内を+X方向にスライドする。なお、フランジ22dの下端が斜めに形成されているため(図2参照)、カバー22の上端を前面側(−Y側)に傾けることで、図16(B)に示されるようにフランジ22dが側面21dと干渉することなく下面22c(カバー22)をスライドすることができる。換言すれば、+X端側フランジ22dの内側(−X側)に+X端側の側面21dがあり、−X端側フランジ22dの外側(−X側)に−X端側の側面21dが位置する状態からの下面22c(カバー22)を梁21c(本体21)に対して−X方向にスライドにあたっては、−X端側フランジ22dと−X端側の側面21dが干渉するので、カバー22の上端を前面側(−Y側)に傾けないと下面22(カバー22)のX軸方向の移動が制限される(第1のX軸方向移動制限手段)。
図8に示すように、基端の+X端がスリット22e1の+X端近傍に到達すると、係止片21e1の先端の+X端はスリット22e1の+X端のさらに+X側まで移動する。それにより、係止片21e1が下面22c(カバー22)を係止する。この時、距離L22は距離l11にほぼ等しいため、スリット22e2は係止片21e2のほぼ直上に位置決めされる。しかし、距離L02aは距離l10aより長いため、係止片21e0の直上には第1穴部22e01の+X側の下面22cが位置する。そのため、下面22cの−X端を下方(−Z方向)に下げても係止片21e0が下面22cと干渉し、係止片21e2をその基端までスリット22e2内に挿入することができない。そこで、図中に黒塗り矢印を用いて示すようにカバー22の下部(−Z端)略中央部を強く押す(+Y方向)と部分的に弾性変形して、下面22cの中央が+Y側に曲がる(第2のX軸方向移動制限手段の解除)。ここで、距離L12aは距離l10aより若干長いため、図9(B)に示すように第2穴部22e02を係止片21e0の直上に位置決めすることができる。この状態で下面22cの−X端を下方(−Z方向)に下げると、係止片21e0の先端のみが第2穴部22e02内に、係止片21e2の先端のみがスリット22e2内に挿入される。この状態で、カバー22の下部(−Z端)略中央部を強く押すのをやめても、係止片21e0、係止片21e2、係止片21e1の先端が少し撓むことで弾性変形が少し戻るものの(図14(A)参照)、ほぼ弾性変形は維持される。
次に、図9に黒塗り矢印を用いて示すように、下面22cの−X端を下方(−Z方向)に下げて、係止片21e2をその基端までスリット22e2内に挿入する。それにより、同時に、係止片21e0が第2穴部22e02内に挿入される。
次に、図10に黒塗り矢印を用いて示すように、下面22cを梁21cに対して+X方向にスライドする。この時、係止片21e0は第2穴部22e02内を、係止片21e1,21e2の基端はそれぞれスリット22e1,22e2内を、−X方向にスライドする。
係止片21e0の中心を第2穴部22e02の中心まで移動し、図11に黒塗り矢印を用いて示すようにカバー22の弾性変形を戻す。それにより、図12に示すように、係止片21e0がスリット22e0内を第2穴部22e02から第1穴部22e01にスライドする。ここで、係止片21e0の幅h0は第1穴部22e01の幅H0にほぼ等しいため、下面22(カバー22)のX軸方向の移動がほぼ制限される(第2のX軸方向移動制限手段)。
カバー22をケーシング(本体)21に固定する第二の方法の手順を説明する。第一の方法では、図8、図9、図10、図11、図12を分けて説明したが、前記の事がらは次にようにすることができる。すなわち、まず図5(A)に示すように、カバー22の上端を前面側(−Y側)に傾けておいてから(第1のX軸方向移動制限手段の解除をしておいてから)、図6、図7で説明した工程を経て、図8の工程の代わりに係止片21e0、係止片21e2の先端のみを各対応する穴部に入れる。本来は、係止片21e0、係止片21e2の先端のみを各対応する穴部に入れることができないのであるが、図14(A)に示すように各係止片の上端は撓む(弾性変形し、φとして示した角度範囲内で移動する)ので、カバー22の上端を+X端のみを前面側(−Y側)に傾けたり−X端のみを前面側(−Y側)に傾けたりすると、残る各係止片先端のみだが各対応する穴部に入れることができる。その後、下面22cの−X端を下方(−Z方向)に下げると、各係止片の根元部分に各対応する穴部が入り込むにつれて撓みが無くなる代わりに(図14(A)参照)、カバー22の下部の弾性変形が少しずつ進み、押し込むのに、徐々に力が必要となる。そして挿入完了と共に、下面22c(カバー22)は梁21c(本体21)に対して+X方向にスライドすると共に弾性変形の戻りが同時に発生し、下面22(カバー22)のX軸方向の移動がほぼ制限される状態となる。この第二の方法の特徴は第2のX軸方向移動制限手段の解除を、押し込む力を弾性変形に変えて解除を行う手法を用いている点にあり、この手法でもカバー22をケーシング(本体)21に固定することができる。なお、外す場合には第1と第2のX軸方向移動制限手段の解除が必要となる。
カバー22をケーシング(本体)21に固定する第三の方法の手順を説明する。第三の方法では図5(A)に示すような、カバー22の上端を前面側(−Y側)に傾けた(YZ面の角度θに傾けた)状態とはせずに、図16(C)に示すXY面の角度β’以上(前記「以上」がどの程度なのかは後述)に傾けた状態で、図17に黒塗り矢印を用いて示すように、下面22cの+X端を下方(−Z方向)に下げて、係止片21e1をその基端までスリット22e1内に挿入する(カバー22はXZ面の角度がαとなる)。
次に、図18に黒塗り矢印を用いて示すように、カバー22をXZ面の角度α以上、XY面の角度β以上に傾けた状態で下面22c(カバー22)を梁21c(本体21)に対して−X方向にスライドする。この時、係止片21e1の基端はスリット22e1内を+X方向にスライドする。なお、カバー22が角度β以上に傾けた状態とされているため、カバー22の上端を前面側(−Y側)に傾けなくてもフランジ22dが側面21dと干渉することなく(第1のX軸方向移動制限手段を解除することなく)下面22c(カバー22)をスライドすることができる。
角度β以上の「以上」との表現について詳細に説明する。カバー22を角度β以上に傾けると、角度βが大きければ大きいほどカバー22の−X端のみが前面側(−Y側)に出て来る。この時の側面21dとフランジ22dの−X端での関係を図16(B)に示されるA、B、Cの関係を示すと、角度βが大きければ大きいほどカバー22の−X端のみが前面側(−Y側)に出て来るのでBが(A+Bが)大きくなる。すなわち一定以上角度βが大きくなると、フランジ22dを干渉部材として使用できるA+B<Cの関係が崩れ、−X軸方向にスライドさせる時にフランジ22dを干渉部材として使用できない(カバー22が自由にスライドする)状態となる。この関係が崩れるポイント(A+B=Cとなる角度をβ”とする)と前記角度β’のどちらか大きい方(Cとの関係から決まるβ’と、A+Bとの関係から決まるβ”を両方を満たすためにはβ’とβ”のどちらか大きい方)を角度βとすると、角度β以上ならばβ’もβ”もどちらも満たし、フランジ22dを干渉部材として使用できない状態となる。
次に、図19に黒塗り矢印を用いて示すように、カバー22の角度βを0とする。このようにしてから、図8以下のような作業(第一の方法)を行なうと、この手法でもカバー22をケーシング(本体)21に固定することができる。なお、外す場合には第1のX軸方向移動制限手段の解除が必要となる。なお、図8以下を第二の方法の手順を用いてもカバー22をケーシング(本体)21に固定することができる。なお、外す場合には第1のX軸方向移動制限手段の解除、第1と第2のX軸方向移動制限手段の解除が必要となる。
この状態において、さらに、距離l20aは距離L02より長いため、係止片21e1(21e2)の基端はスリット22e1(22e2)内に位置し、且つ係止片21e1(21e2)の先端の+X端(−X端)はスリット22e1(22e2)の+X端(−X端)よりさらに+X側(−X側)に位置する。それにより、図5(B)に示すように、下面22c(カバー22)は係止片21e1(21e2)により係止され、Z軸方向への移動が制限される。
また、距離l20cは距離L02にほぼ等しい(正確には若干短い)、すなわち係止片21e1の係止部21e10の+X端から係止片21e2の係止部21e20の−X端までの距離はスリット22e1の+X端からスリット22e2の−X端までの距離にほぼ等しい(正確には若干短い)ため、カバー22に応力が加わり係止片21e0が第1穴部21e01から第2穴部21e02に移動しても、図13に示すように、係止片21e1,21e2の係止部21e10,21e20がそれぞれスリット22e1,22e2の端と干渉することで下面22c(カバー22)のX軸方向への移動が制限される。
また、図14(B)に示すように、係止片21e1,21e2の厚みd及びスリット22e1,22e2の深さDより、下面22c(カバー22)を梁21c(本体21)に対して、関係W2cosθ−Dsinθ=dを満たす角度θまで傾けることができる。傾斜角θは15〜45度の範囲内とし、30度が好適である。なぜならば、化粧カバー20内の配管類15等の観察或いはガス栓の開閉操作、止水栓の開閉操作等簡単な整備を要する場合、カバー22を本体21から取り外さず、ネジ31を外してカバー22の上部の固定のみを外し、カバー22を手前(−Y側)に倒してその上方のみを開けて処理することができるからである。この角度θがカバー22のZ軸方向の幅(高さ)L2とY軸方向の幅L3を用いて与えられる関係L2sinθ0=L3を満たす角度θ0より大きくなるように、カバー22の高さL2及び幅L3に対して係止片21e1,21e2の厚みd、スリット22e1,22e2の幅W2及び深さDを定めることとする。それにより、図14(C)に示すように、カバー22を本体21に対して角度θ0以上傾けることでカバー22の上端が給湯装置本体10の下端と干渉することなく、上述の手順により係止片21e0,21e1,21e2をそれぞれスリット22e0,22e2,22e2に挿入することができる。図16(A)に示すように、角度θを超えて傾けることは可能であるが(例えば風速30m位の風にあおられて80度等にまで傾くが)、下面22cの弾性変形を伴う。また、飾りビス等のネジ31が外れた場合には、カバー22の自重で角度θを超えた干渉角度にまで倒れるような設計(材質、板厚、スリットの巾等)であると、第1のX軸方向移動制限手段の解除の可能性が極めて低くなるので、より好ましい。
図14によって、給湯装置を設置した現場において作業を行う場合について説明した。これに対し、製造時には、角度θ0まで傾けることをせずにカバー22を取り付けることができる。給湯装置本体10を設置する前にカバー22を取り付けることも可能であるためである。
なお、カバー22を例えば角度θとなるように両手で保持しながら、カバー22の下部(−Z端)略中央部を強く押す(+Y方向)と部分的に弾性変形する。この状態でカバー22を回動すると、係止片21e0,21e1,21e2をスリット22e0,22e1,22e2から抜くことができる。つまり、カバー22をケーシング(本体)21に固定する第一、第二、第三の方法のいずれを行なっても、第一の方法の上述の手順をほぼ逆に進めることにより、係止片21e0,21e1,21e2をスリット22e0,22e1,22e2から抜くことができる。
係止片21e0が第1穴部22e01内にスライドし、下面22(カバー22)のX軸方向の移動がほぼ制限(カバー22が本体21に対してX軸方向に位置決め)された後、カバー22を本体21の前面に対して平行に立てる。それにより、カバー22の前面22aの上端(+Z端)近傍に設けられた2つの孔22fが梁21aに設けられた2つのネジ孔21fにY軸方向に連通する。
最後に、カバー22の2つの孔22fをそれぞれ介して梁21aの2つのネジ孔21fにそれぞれネジ31を螺入する。それにより、カバー22(上部)が本体21(梁21a)に着脱可能に固定される。
なお、カバー22を本体21から取り外す場合、逆の手順を追うことで容易に取り外すことができる。
以上詳細に説明したように、本発明に係る固定構造30を利用して、梁21cに設けられた係止片21e0,21e1,21e2をカバー22(下面22c)に設けられたスリット22e0,22e1,22e2に挿入し、カバー22の上部を着脱可能に梁21aに固定することで、カバー22がケーシング(本体)21に固定される。ここで、係止片21e0がスリット22e0の第1穴部21e01内に位置することでそのX軸方向への移動が制限され、その状態において係止片21e1(21e2)の先端の+X端(−X端)がスリット22e1(22e2)の+X端(−X端)より+X側(−X側)に位置して下面22c、すなわちカバー22を係止する。従って、ネジ31によるカバー22の上端の固定が外れてもカバー22が本体21から落下することがなく、安全に使用することが可能となる。
カバー22が本体21から落下することがない点について、詳細に説明する。落下するためにはカバー22の上部が角度θ0以上傾いて給湯装置本体10の下端から離脱するだけの力(カバー22を−Y方向に押す力)が必要である。一方、カバー22の下部については、第1係止部材を第1穴部22e01から第2穴部22e02に移動させるだけの力(カバー22を+Y方向に押す力)が必要である。このように、カバー22の上部と下部とに逆方向の力がかかった状態においてカバー22の下端には第2係止部材又は第3係止部材を移動させるための力(カバー22をX方向又は−X方向に押す力)が加わり、更に、第3係止部材又は第2係止部材からカバー22を離脱させるような回転力が加わることがない限り、カバー22が本体21から落下しない。以上の4つの異方向の力が風等の自然現象によって同時に発生することはありえない。
また、本発明に係る固定構造30によると、カバー22のY軸方向への弾性変形とその変形の方向に直交するX軸方向へのカバー22(下面22c)の移動を組み合わせて、梁21cに設けられた係止片21e0,21e1,21e2をカバー22(下面22c)に設けられたスリット22e0,22e1,22e2に挿入することで、カバー22を確実に係止することができる。
また、本発明の給湯装置1によると、本発明に係る固定構造30を利用することでカバーが落下することなく安全に使用することが可能となる。
また、本実施形態の化粧カバー20では、係止片21e1,21e2の厚みd、スリット22e1,22e2の深さD等より、スリット22e1,22e2内に挿入された係止片21e1,21e2を軸に、カバー22を本体21に対して傾けることができる。そこで、化粧カバー20内の配管類15等の観察或いは簡単な整備を要する場合、カバー22を本体21から取り外さず、ネジ31を外してカバー22の上部の固定のみを外し、カバー22を手前(−Y側)に倒してその上方のみを開けて処理することもできる。
なお、本実施形態の給湯装置1の化粧カバー20では、スリット22e0を基準軸L上に位置する第1穴部22e01の−Y側に第2穴部22e02を連ねて形成したが、第1穴部22e01の+Y側に第2穴部22e02を連ねて形成してもよい。係る場合、図8に示す状態においてカバー22全体を弾性変形して下面22cの中央を+Y側に曲げることに代えて、−Y側に曲げることで、第2穴部22e02を係止片21e0の直上に位置決めする。
また、本実施形態の給湯装置1の化粧カバー20では、係止片21e1,21e2に係止部21e10,21e20を設けたが、それぞれスリット22e1,22e2の端と干渉することで下面22c(カバー22)のX軸方向への移動を制限することができれば、楔状に限らず、例えば円弧状、図15に示すような直線状に形成してもよい。
なお、本実施形態の給湯装置1の化粧カバー20では、ネジ31を用いて、カバー22(の上部)を本体21(梁21a)に着脱可能に固定したが、これに限らず、着脱可能に固定することができるものであれば適当な固定具(留め具)を使用してよい。
また、本実施形態の給湯装置1の化粧カバー20では、固定構造30を構成する係止片21e0とこれが挿入されるスリット22e0を1組備えることとしたが、これに限らず、2以上備えることとしてもよい。これにより、カバー22をケーシング(本体)21により安定に固定することが可能となる。
また、本実施形態の給湯装置1の化粧カバー20は、本体21の前面すべてが開いて構成され、この前面を同形状のカバー22を用いて覆う構成を採用したが、これに限らず、本体21に前面を設け、その一部に設けられた開口をその開口と同形状又はそれより大きい形状のカバーを用いて覆う構成を採用しても良い。また、前面ではなく側面、後面、或いは下面が開いて構成され、その一面をカバー22を用いて覆う構成を採用してもよい。
また、本実施形態の給湯装置1では、給湯装置本体10の下端から延設される配管類15を隠すために、給湯装置本体10の下に化粧カバー20を配置した。ただし、配管類15の延設方向に応じて化粧カバー20を配置することとする。例えば、給湯装置本体10の上に化粧カバー20を配置してもよい。また、係止片21e0,21e1,21e2を例えば梁21aに設け、これに対応してスリット22e0,22e1,22e2が形成された面をカバー22の上端近傍に設け、カバー22の下部をケーシング(本体)21下部の梁21cに着脱可能に固定してもよい。これにより、カバー22を、その上端を軸に傾斜可能に本体21に取り付けることができ、それによりカバー22の下方を開くことができる。
また、本実施形態の固定構造30は、給湯装置1の化粧カバー20においてのみ利用可能なものではなく、被固定物を固定対象に固定するあらゆるものに利用することができる。
本発明の固定構造は、被固定物を固定対象に固定するのに好適である。また、本発明の給湯装置は、給湯装置本体から延設される配管を隠す化粧カバーが落下することなく、且つ容易に取り外すことができ、安全に使用する上で好適である。
1…給湯装置
10…給湯装置本体
11…筐体
13…固定具
15…配管類
20…化粧カバー
21…ケーシング(本体)
21a,21c,21g…梁
21b,21d…側面
21e0,21e1,21e2…係止片
21f…ネジ穴
22(22a,22b,22c,22d,22d)…カバー(前面、上面、下面、側面、フランジ)
22f…孔
23…脚部
30…固定構造
31…ネジ

Claims (10)

  1. 被固定物(カバー)を固定対象(本体)に固定する固定構造であって、
    前記固定対象には、第1係止部材と、該第1係止部材の第1方向(X)の一側に基端より前記一側に幅広の先端を有する第2係止部材と、前記第1係止部材の前記第1方向の他側に基端より前記他側に幅広の先端を有する第3係止部材と、が前記第1方向に直交する第2方向(Z)に向けて突設され、
    前記被固定物の第1部分には、前記第1、第2、及び第3係止部材がそれぞれ挿入される第1穴部を有する第1スリット、該第1穴部の前記第1方向の前記一側に第2スリット、及び前記第1穴部の前記第1方向の前記他側に第3スリットと、が設けられ、
    前記第1部分から前記第2方向に離間する前記被固定物の第2部分は、該第2部分に対向する前記固定対象の対向部に着脱可能に固定され、
    前記第1係止部材が前記第1穴部内に位置している場合に、前記第1方向に関して、前記第2係止部材の基端は前記第2スリット内に位置し、前記第2係止部材の先端の前記一側の端は前記第2スリット外に位置すること(l20a>L02)を特徴とする固定構造。
  2. 前記第1係止部材が前記第1穴部内に位置している場合に、さらに、前記第3係止部材の基端は前記第3スリット内に位置し、前記第3係止部材の先端の前記他側の端は前記第3スリット外に位置することを特徴とする、請求項1に記載の固定構造。
  3. 前記第2係止部材の基端が前記第2スリット内の前記一側に位置している場合に、前記第3係止部材の先端は前記第3スリット内に位置することを特徴とする、請求項1又は2に記載の固定構造。
  4. 前記被固定物は、前記第1及び第2方向に直交する第3方向(Y)に弾性変形可能であり、
    前記第1スリットは、前記第1穴部から前記第3方向に連なる前記第1穴部より幅広の第2穴部をさらに有し、
    前記第2係止部材の基端が前記第2スリット内に位置し、前記第3係止部材の先端が前記第3スリット内に位置する際に、前記第1係止部の前記一側の端は前記第1方向に関して前記第1穴部外に位置するとともに(l10a<L02a)、前記第2穴部内に位置すること(l10a>L12a)を特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の固定構造。
  5. 前記第2及び第3係止部材は、前記基端より幅広であり、前記先端より幅の狭い係止部を前記基端と前記先端の間の前記一側及び前記他側にそれぞれ有し、
    前記第2係止部材の前記係止部の前記一側の端から前記第3係止部材の前記係止部の前記他側の端までの距離は、前記第2スリットの前記一側の端から前記第3スリットの前記他側の端までの距離にほぼ等しいことを特徴とする、請求項4に記載の固定構造。
  6. 前記第2及び第3係止部材の厚みd及び前記第2及び第3スリットの深さDを用いて与えられる関係W2cosθ−Dsinθ=dを満たす角度θが、前記被固定物の前記第2方向の長さL2と前記第1及び第2方向に直交する方向の長さL3を用いて与えられる関係L2sinθ0=L3を満たす角度θ0より大きいことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の固定構造。
  7. 前記被固定物の第2部分の前記第1方向の両端に前記第3方向の前記固定対象の側に突出する2つのフランジを備え、前記2つのフランジの下端が前記第3方向に対し傾斜して形成され、前記被固定物が前記固定対象に対して前記第1方向を軸として所定範囲角度の傾斜で配された時に前記フランジが前記固定対象と干渉して前記被固定物の前記第1方向の移動を制限する第1の移動制限手段と、
    前記第1係止部が前記第1スリットの前記第2穴部から前記第1穴部に位置して前記被固定物の前記第1方向の移動を制限する第2の移動制限手段とを備え、
    前記第1の移動制限手段は前記被固定物の第2部分の前記被固定物の第1部分と反対の側が前記固定対象から離間することによって移動制限が解除され、
    前記第2の移動制限手段は前記被固定物の第2部分の前記被固定物の第1部分の側が前記固定対象から離間することによって移動制限が解除され、
    前記被固定物を前記固定対象に固定した場合において、前記第1及び第2の移動制限手段の双方の移動制限が解除される場合にのみ前記被固定物が前記固定対象から離脱可能であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の固定構造。
  8. 前記第2係止部材の先端の前記一端の側が前記第2スリット外に位置すること及び前記第3係止部材の先端の前記他端の側が前記第3スリット外に位置することの少なくとも一方によって前記被固定物の前記第3方向の移動を制限する第3の移動制限手段を備え、
    前記第3の移動制限手段は、(1)前記第2係止部材の先端の前記一端の側が前記第2スリット内に位置する場合に前記被固定物が前記第3スリットを中心とする回転運動によって前記第2係止部材が前記第2スリットから離脱すること、(2)前記第3係止部材の先端の前記他端の側が前記第3スリット内に位置する場合に前記被固定物が前記第2スリットを中心とする回転運動によって前記第3係止部材が前記第3スリットから離脱すること、のいずれか一方によって移動制限が解除され、
    前記被固定物を前記固定対象に固定した場合において、前記第1、第2及び第3の移動制限手段の全ての移動制限が解除される場合にのみ前記被固定物が前記固定対象から離脱可能であることを特徴とする、請求項7に記載の固定構造。
  9. 前記被固定物の第2部分は、該第2部分に設けられた開口を介して前記対向部にネジを螺入することで固定されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の固定構造。
  10. 給湯装置本体と、
    前記固定対象であり、前記給湯装置本体から延設される配管を覆う箱体と、
    前記被固定物であり、前記箱体の少なくとも一部に設けられた開口をふさぐカバーと、
    を備え、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の固定構造により、前記カバーが前記箱体に固定されることを特徴とする給湯装置。
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