JP2015113859A - 継手 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】流体が流れる管路Rと、該管路R内に折り畳まれて収容された閉塞部材20と、該閉塞部材20の内側に設けられる熱膨張材30とを備え、熱膨張材30が膨張することによって、閉塞部材20が、折り畳まれた状態から不可逆的に展開して、閉塞部材20が管路Rを閉塞する。
【選択図】図2
Description
特許文献1に記載される管路遮断部材は、ゴムと膨張黒鉛とを主成分とする熱膨張部材、及び熱膨張部材の膨張力によって変形する保持部材を備える。当該管路遮断部材は、火災発生により熱膨張した熱膨張部材が、管路の少なくとも一部を閉塞しつつ、さらに保持部材の働きによって、ガス圧を受けても管路に留まれるように構成されている。
特許文献2に記載されるガス遮断用感熱ヒューズは、ゴムと膨張黒鉛とを主成分とする熱膨張材、及び遮断弁を備える。当該ガス遮断用感熱ヒューズは、火災発生により熱膨張材が膨張すると、その膨張力で遮断弁を押し上げて弁部に密着させることによって管路を閉塞するように構成されている。
また、特許文献2に記載されるガス遮断用感熱ヒューズにおいては、遮断弁が、管路内をガスが流れる方向に沿う方向に移動するように設けてあるため、熱膨張材が長時間高温に晒されて熱分解を起こすことによりその膨張力が弱められてしまうと、遮断弁がガスの圧力に負けて下降することになる。その結果、閉塞状態が維持できなくなりガス漏れが発生する虞がある。
本構成によれば、熱膨張材が膨張することによって、閉塞部材が折り畳まれた状態から不可逆的に展開するため、閉塞部材が管路を閉塞した後、たとえ熱膨張材の膨張力が弱められたとしても、閉塞部材の形状がそのまま保持されることとなり閉塞状態が維持される。
本構成によれば、閉塞部材が収容部の流入口及び流出口の少なくともいずれか一方を閉塞するため、より確実に管路を閉塞することができる。
本構成によれば、閉塞部材が展開して、傾斜面に形成された流入口又は流出口を閉塞するため、流入口又は流出口が、流体の流れる方向に対して垂直な面に形成されている場合と比べて、閉塞部材の展開程度が少なくて済み、より迅速に管路を閉塞することができる。
本構成によれば、閉塞部材を収容する収容部が、流体の流れる方向に沿って複数並設されているため、継手における流体の流れる方向に沿う比較的広い範囲で、火災による熱を検知することができ、より確実に管路を閉塞することができる。
本構成によれば、シール材によって、流入口及び流出口の少なくともいずれか一方の周縁部と、閉塞部材との間がシールされるため、流入口及び流出口の少なくともいずれか一方の周縁部と展開後の閉塞部材との間に隙間が生じ難くなり、さらにより確実に管路を閉塞することができる。
本構成によれば、シール材によって、傾斜面に形成した流入口又は流出口の周縁部と、閉塞部材との間がシールされるため、流入口又は流出口の周縁部と展開後の閉塞部材との間に隙間が生じ難くなり、さらにより確実に管路を閉塞することができる。
〔第1実施形態〕
図1及び図3に示すように、本実施形態の継手1は、継手本体2と、閉塞部材20と、熱膨張材30と、蓋部材31とを備えて構成される。
継手本体2は、金属製(好ましくは、アルミニウム製)の部材であり、直方体状の箱部3と、円筒状で同形の第1円筒部8及び第2円筒部9とを備えて構成される。
第1収容部6は、流体の流入口としての第1円形開口10aと、流体の流出口としての仕切り壁4の貫通孔5と、仕切り壁4における第1傾斜面4aと、上方に形成される長方形状の第1開口部6aとを備える。
図4に示すように、閉塞部材20は、金属製(好ましくはアルミニウム製)の長方形状の薄板を折り曲げて形成した部材である。
閉塞部材20は、第1支持部21、第1折り曲げ部22、第1押し圧部23、第2折り曲げ部24、第2押し圧部25、第3折り曲げ部26、及び第2支持部27を備えて構成されている。第1支持部21には、継手本体2の第1円形開口10a及び第2円形開口11aよりも大きな面積を有するトンネル状の切欠き部21aが形成されている。また第1押し圧部23の一部から第2折り曲げ部24の一部に亘る部分には、長方形状の切欠き部23aが形成されている。また第2押し圧部25の幅方向の両端には、第2押し圧部25の面に対して略直角に折り返された折り返し部25aが長手方向に沿って形成されている。
熱膨張材30は、上述のように折り畳まれた閉塞部材20に収容される平板状の部材であって、主成分としてゴム材料と耐火発泡材とを含む。好適なゴム材料としては、耐熱性、自己消化性などに優れたクロロプレンゴム(CR)、耐油性、耐水性、及び耐ガス透過性などに優れたニトリルゴム(NBR)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。また好適な耐火発泡材としては、熱膨張性能の高い熱膨張黒鉛が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、熱膨張材30は、180℃〜200℃で熱膨張するものが望ましい。
図1に示すように、蓋部材31は、金属製(好ましくはアルミニウム製)の長方形状の平板であり、上記継手本体2の箱部3の第1開口部6a及び第2開口部7aのそれぞれを覆って密閉するものである。また蓋部材31には、厚み方向に貫通する複数のボルト挿通孔32が、継手本体2の箱部3に装着した際にその各ボルト穴14と一致する位置に設けられている。
本実施形態の継手1の組み立て作業について説明する。
先ず、内側に熱膨張材30を備えてL字状に折り畳まれた閉塞部材20を、継手本体2の第1収容部6に収容する(図1参照)。このとき、閉塞部材20の第1支持部21が第1円形開口10aの周縁部分に当接し、且つ第1支持部21の先端及び第2折り曲げ部24のそれぞれが、仕切り壁4の第1傾斜面4aの長手方向両端に配置されるような姿勢で、閉塞部材20を第1収容部6に嵌め込む(図2(a)参照)。そして、継手本体2の第1開口部6aの周縁の周溝12にOリング13を装着した後、蓋部材31を被せる。
図2(b)に示すように、火災が発生して継手1が高温に晒されると、継手1の中の2つの熱膨張材30が熱膨張する。尚、本実施形態においては、長方形状の切欠き部23aによって熱膨張材30の一部が露出された状態となっているため、熱膨張材30に対して熱が伝わり易く構成されている。そして閉塞部材20の第1押し圧部23、第2押し圧部25、及び第2支持部27のそれぞれが、熱膨張材30からの膨張力を受けることにより、閉塞部材20が展開する。
以下、本発明に係る継手の第2の実施形態について、図面に基づいて説明するが、重複説明を避けるため、先の第1実施形態で説明した構成と同じ作用を奏する構成については、同じ符号を付すことにより説明を省略し、主として異なる構成についてのみ説明する。
第1及び第2接続部材34a,34bは、いずれも金属製(好ましくはアルミニウム製)の中空部材であって、外周面に配管接続用の雄ネジ部が形成されている円筒部35と、閉塞部材20を収容するための略二等辺三角柱状の受部36と、第1及び第2接続部材34a,34bを互いに連結するための長方形状のフランジ部37とを備える。尚、第1及び第2接続部材34a,34bは、同一形状の部材であるが、説明の便宜のため本明細書中では、流体の流れる方向(図6の白抜きの矢印)の上流側に配置されるものを第1接続部材34aとし、下流側に配置されるものを第2接続部材34bと称する。
受部36の内側には、略二等辺三角柱状の空間が形成されている。本実施形態において、第1接続部材34aの受部36内の空間を第1収容部6とし、第2接続部材34bの受部36内の空間を第2収容部7と称する。
仕切り部材40は、金属製(好ましくはアルミニウム製)の長方形リング板41と、耐熱性ゴム板42とを備え、長方形リング板41の両面全体が耐熱性ゴム板42で被覆されている。これにより仕切り部材40の略中央部は、厚み方向に貫通する長方形状の貫通孔5となる。
本実施形態の継手1の組み立て作業について説明する。
先ず、内側に熱膨張材30を備えてV字状に折り畳まれた閉塞部材20を、第1接続部材34aの第1収容部6に収容する(図6(a)参照)。このとき、閉塞部材20の第1支持部21が第1円形開口10aの周縁部分に当接し、且つ第1押し圧部23が、受部36の2等辺のうちのフランジ部37の側とは別のもう一辺側の内壁に当接するような姿勢で、閉塞部材20を第1収容部6に嵌め込む(図6(a)参照)。
第1収容部6は、流体の流入口としての第1円形開口10aと、流体の流出口としての仕切り部材40の貫通孔5と、仕切り部材40における第1傾斜面4aとを備える。
図6(b)に示すように、火災が発生して継手1が高温に晒されると、継手1の中の2つの熱膨張材30が熱膨張する。尚、本実施形態においては、長方形状の切欠き部23aによって熱膨張材30の一部が露出された状態となっているため、熱膨張材30に対して熱が伝わり易く構成されている。そして閉塞部材20の第1押し圧部23、第2押し圧部25、及び第2支持部27のそれぞれが、熱膨張材30からの膨張力を受けることにより、閉塞部材20が展開する。
1.上述の第1実施形態において、閉塞部材20を収容する第1収容部6及び第2収容部7を、流体の流れる方向に沿って並設する構成を例示したが、この構成に限定されるものではなく、必要に応じてさらにより多くの数の収容部を並設する構成としても良い。またこのように複数の収容部を設ける構成に限らず、収容部を一つだけ設ける構成としても良い。
2 継手本体
3 箱部
4 仕切り壁
4a 第1傾斜面
4b 第2傾斜面
5 貫通孔
6 第1収容部
6a 第1開口部
7 第2収容部
7a 第2開口部
8 第1円筒部
8a 雄ネジ部
9 第2円筒部
9a 雄ネジ部
10 第1円筒空間
10a 第1円形開口
11 第2円筒空間
11a 第2円形開口
12 周溝
13 Oリング
14 ボルト穴
20 閉塞部材
21 第1支持部
21a 切欠き部
22 第1折り曲げ部
23 第1押し圧部
23a 長方形状の切欠き部
24 第2折り曲げ部
25 第2押し圧部
25a 折り返し部
26 第3折り曲げ部
27 第2支持部
30 熱膨張材
31 蓋部材
32 ボルト挿通孔
33 雄ネジ部
34a,34b 第1及び第2接続部材
35 円筒部
36 受部
37 フランジ部
38 ボルト穴
39 段部
40 仕切り部材
41 長方形リング板
42 耐熱性ゴム板(シール材)
R 管路
B ボルト
N ナット
Claims (6)
- 流体が流れる管路と、該管路内に折り畳まれて収容された閉塞部材と、該閉塞部材の内側に設けられる熱膨張材とを備え、
前記熱膨張材が膨張することによって、前記閉塞部材が、折り畳まれた状態から不可逆的に展開して、該閉塞部材が前記管路を閉塞する継手。 - 前記管路内に、前記閉塞部材が収容されると共に、流体の流入口及び流出口を有する収容部が形成されており、前記閉塞部材が、前記収容部の流入口及び流出口の少なくともいずれか一方を閉塞する請求項1に記載の継手。
- 前記収容部が、流体の流れる方向に対して傾斜する傾斜面を備え、該傾斜面に、前記流入口又は前記流出口が形成されており、
前記閉塞部材が展開して前記管路と前記傾斜面とを押し圧することにより、前記傾斜面に形成した前記流入口又は前記流出口を閉塞する請求項2に記載の継手。 - 前記閉塞部材を収容する収容部が、流体の流れる方向に沿って複数並設されている請求項2又は3に記載の継手。
- 前記閉塞部材が、前記流入口及び前記流出口の少なくともいずれか一方の周縁部と、該閉塞部材との間をシールするシール材を備える請求項2〜4のいずれか1項に記載の継手。
- 前記傾斜面に形成した前記流入口又は前記流出口の周縁部に、前記閉塞部材との間をシールするシール材を設けてある請求項3に記載の継手。
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