JP2014052071A - 継手 - Google Patents

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Hiroshi Higuchi
裕思 樋口
Kazuhisa Igawa
一久 井川
Hiroshi Yamaguchi
浩 山口
Takashi Ida
剛史 井田
Takahiro Miura
孝博 三浦
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Osaka Gas Co Ltd
Togawa Rubber Co Ltd
Nishiyama Corp
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

【課題】たとえ熱膨張材が熱分解したとしても管路を確実に閉塞することができる継手を提供すること。
【解決手段】流体が流れる管路Rと、管路Rを閉塞する閉塞部分17を備える閉塞部材15と、熱膨張材20とを備え、熱膨張材20が膨張することによって、閉塞部材15の少なくとも閉塞部分17が移動して管路Rを閉塞する継手1において、閉塞部材15の少なくとも閉塞部分17が、管路Rの外側から内側に向かう方向に移動可能とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、火災発生時の熱で熱膨張材を膨張させることによって、ガス等の流体が流れる管路を閉塞して、管路からの流体漏れを防止する継手に関する。
火災発生時の流体漏れを防止する従来の継手としては、例えば、特許文献1及び2に示す構成を備えるものが知られている。
特許文献1に記載される管路遮断部材は、ゴムと膨張黒鉛とを主成分とする熱膨張部材、及び熱膨張部材の膨張力によって変形する保持部材を備える。当該管路遮断部材は、火災発生により熱膨張した熱膨張部材が、管路の少なくとも一部を閉塞しつつ、さらに保持部材の働きによって、ガス圧を受けても管路に留まれるように構成されている。
特許文献2に記載されるガス遮断用感熱ヒューズは、ゴムと膨張黒鉛とを主成分とする熱膨張材、及び遮断弁を備える。当該ガス遮断用感熱ヒューズは、火災発生により熱膨張材が膨張すると、その膨張力で遮断弁を押し上げて弁部に密着させることによって管路を閉塞するように構成されている。
特許第4474637号公報(図5(a)) 特開2006−57875号公報(図5(A)〜(D))
特許文献1に記載される管路遮断部材によれば、熱膨張部材の膨張によって管路が一旦は閉塞されるが、長時間高温に晒されると、熱膨張部材のゴム成分が熱分解を起こして崩壊してしまい、閉塞状態が維持できなくなりガス漏れが発生する虞がある。
また、特許文献2に記載されるガス遮断用感熱ヒューズにおいては、遮断弁が、管路内をガスが流れる方向に沿う方向に移動するように設けてあるため、熱膨張材が長時間高温に晒されて熱分解を起こすことによりその膨張力が弱められてしまうと、遮断弁がガスの圧力に負けて下降することになる。その結果、閉塞状態が維持できなくなりガス漏れが発生する虞がある。
本発明の目的は、たとえ熱膨張材が熱分解したとしても管路を確実に閉塞することができる継手を提供することにある。
本発明の継手に係る第1特徴構成は、流体が流れる管路と、前記管路を閉塞する閉塞部分を備える閉塞部材と、熱膨張材とを備え、前記熱膨張材が膨張することによって、前記閉塞部材の少なくとも閉塞部分が移動して前記管路を閉塞する継手において、
前記閉塞部材の少なくとも閉塞部分が、前記管路の外側から内側に向かう方向に移動可能である点にある。
〔作用及び効果〕
本構成によれば、閉塞部材の少なくとも閉塞部分が、管路の外側から内側に向かう方向に移動して管路を一度閉塞してしまうと、当該閉塞部分に対しては、流体の流れる方向に沿って押圧する力は作用するが、管路の内側から外側に向かう方向に移動させる力は作用しない。
従って、たとえ熱膨張材が熱分解してその膨張力が弱められて、さらに閉塞部材の上流

側の流体の圧力が高められたとしても、閉塞部分が管路の内側から外側に移動することはなく、閉塞状態が維持される。
第2特徴構成は、前記熱膨張材が膨張すると、前記閉塞部材が回転して、前記閉塞部材の閉塞部分が、前記管路の外側から内側に向かう方向に移動して前記管路を閉塞する点にある。
〔作用及び効果〕
本構成によれば、閉塞部材が回転して、その閉塞部分が管路の外側から内側に向かう方向に移動して管路を一度閉塞してしまうと、閉塞部材の閉塞部分に対しては、流体の流れる方向に沿って押圧する力は作用するが、管路の内側から外側に移動させる力(即ち、閉塞部材を回転させる力)は作用しない。
従って、たとえ熱膨張材が熱分解してその膨張力が弱められて、さらに閉塞部材の上流側の流体の圧力が高められたとしても、閉塞部材が回転することはなく、閉塞状態が維持される。
第3特徴構成は、前記熱膨張材が膨張すると、前記閉塞部材が前記管路の外側から内側に向かう方向に移動して、前記閉塞部材の閉塞部分が前記管路を閉塞する点にある。
〔作用及び効果〕
本構成によれば、閉塞部材が、管路の外側から内側に向かう方向に移動して、その閉塞部分が管路を一度閉塞してしまうと、閉塞部材の閉塞部分に対しては、流体の流れる方向に沿って押圧する力は作用するが、管路の内側から外側に移動させる力は作用しない。
従って、たとえ熱膨張材が熱分解してその膨張力が弱められて、さらに閉塞部材の上流側に位置する第1管路における流体の圧力が高められたとしても、閉塞部材が移動することはなく、閉塞状態が維持される。
本発明に係る継手(第1実施形態)の分解斜視図である。 本発明に係る継手(第1実施形態)の側面図である。 本発明に係る継手(第1実施形態)の縦断面図である。 本発明に係る継手(第1実施形態)の通常時の横断面図である。 本発明に係る継手(第1実施形態)の火災発生時の横断面図である。 本発明に係る継手(第2実施形態)の分解斜視図である。 本発明に係る継手(第2実施形態)の通常時の横断面図である。 本発明に係る継手(第2実施形態)の火災発生時の横断面図である。 本発明に係る継手(第3実施形態)の分解斜視図である。 本発明に係る継手(第3実施形態)の横断面図である。 本発明に係る継手(第3実施形態)の通常時の縦断面図である。 本発明に係る継手(第3実施形態)の火災発生時の縦断面図である。 本発明に係る継手(第4実施形態)の通常時の縦断面図である。 本発明に係る継手(第4実施形態)の火災発生時の縦断面図である。 本発明に係る継手(第5実施形態)の通常時の縦断面図である。 本発明に係る継手(第5実施形態)の火災発生時の縦断面図である。 本発明に係る継手(第6実施形態)の通常時の縦断面斜視図である。 本発明に係る継手(第6実施形態)の通常時の縦断面図である。 本発明に係る継手(第6実施形態)の火災発生時の縦断面斜視図である。 本発明に係る継手(第6実施形態)の火災発生時の縦断面図である。 本発明に係る継手の閉塞性を評価する試験装置の概略構成図である。 本発明に係る継手(第2実施形態)の閉塞性試験結果を示す図である。 本発明に係る継手(第2実施形態)の閉塞性試験結果(常温時)を示す図である。
以下、本発明に係る継手の第1〜第3実施形態について、図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1に示すように、本実施形態の継手1は、2つの接続部材2a,2bと、閉塞部材15と、熱膨張材20とを備えて構成される。
(接続部材)
接続部材2a,2bは、その内側においてガス等の流体が流通する円筒部3と、後述する閉塞部材15を収容するための受部6と、接続部材2同士を連結するためのフランジ部9とを備える金属製(好ましくはアルミニウム製)の中空部材である。
円筒部3の内壁面によって、流路4が形成されている(図4参照)。また、円筒部3の外周面には、配管接続用の雄ネジ部5が形成されている(図2参照)。
受部6は、円筒部3の端部に連設されており、円筒部3から離れるほど大径となるお椀状の壁を備える。受部6の内側には、そのお椀状の壁の内壁面によってお椀状の空間8が形成されており、このお椀状の空間8と円筒部3の流路4とが連通する。
フランジ部9は、受部6の先端部分の外周に設けられている。フランジ部9には、ボルトBを挿通させるための挿通孔Hが複数形成されている。
フランジ部9から円筒部3側に向かって延びる第1溝11及び第2溝12が、受部6のお椀状の壁の内壁面に形成されている。図3に示すように、第1溝11及び第2溝12は、受部6のお椀状の壁の内壁面において互いに対向する位置に設けられている。
(閉塞部材)
閉塞部材15は、金属製(好ましくはアルミニウム製)の略球状の部材である。
図1に示すように、閉塞部材15には、円形の貫通孔16が形成されている。この貫通孔16の内径と、接続部材2a,2bの円筒部3の内径とは、略同じ大きさに設定されている(図4参照)。
閉塞部材15の球状の外周面17は、管路Rを閉塞する閉塞部分として構成されている。また、第1突起部18及び第2突起部19が、閉塞部材15の球状の外周面17における互いに相対する位置に設けられている。尚、第1突起部18は、貫通孔16の第1開口部16a付近に設けられており、第2突起部19は、貫通孔16の第2開口部16b付近に設けられている(図4参照)。
(熱膨張材)
熱膨張材20は、主成分としてゴム材料と耐火発泡材とを含む、接続部材2a,2bの第1溝11及び第2溝12に収容可能な直方体状の部材である。適用するゴム材料としては、耐油性、耐水性、及び耐ガス透過性などに優れたニトリルゴム(NBR)が好適であるが、これに限定されるものではない。適用する耐火発泡材としては、熱膨張性能の高い熱膨張黒鉛が好適であるが、これに限定されるものではない。また、熱膨張材は、180℃〜200℃で熱膨張するものが望ましい。
(組み立て)
本実施形態の継手の組み立て作業について説明する。
先ず、一方の接続部材2aの第1溝11における円筒部3側の端部に、熱膨張材20を嵌め込む(図1参照)。
次いで、閉塞部材15の片側半分を一方の接続部材2aの受部6の中に収容する。このとき閉塞部材15の第1突起部18を、一方の接続部材2aの第1溝11内に入り込ませて熱膨張材20に当接させる。
また、他方の接続部材2bについても同様に、その第1溝11における円筒部3側の端部に、熱膨張材20を嵌め込む。
次いで、閉塞部材15の第2突起部19が、他方の接続部材2bの第1溝11内に入り込むように、閉塞部材15のもう片側半分を他方の接続部材2bの受部6の中に収容しつつ、2つの接続部材2a,2bのフランジ部9同士を当接させる。これにより、閉塞部材15が、2つの受部6によってその内側に形成された略球状の収容空間21の中に収容されることとなり、閉塞部材15の第1突起部18が、一方の接続部材2aの第1溝11内の熱膨張材20に当接し、且つ閉塞部材15の第2突起部19が、他方の接続部材2bの第1溝11内の熱膨張材20に当接する状態となる(図4参照)。またこのとき、2つの接続部材2a,2bのフランジ部9のそれぞれにおける複数の挿通孔Hが互いに一致する。
最後に、2つの接続部材2a,2bのそれぞれのフランジ部9に亘るようにボルトBを各挿通孔Hに挿通させて、ナットNによって締結して固定する(図2参照)。
このようにして組み立てた継手1は、図4に示すように、一方の接続部材2aの円筒部3、閉塞部材15の貫通孔16、及び他方の接続部材2bの円筒部3のそれぞれの軸心が一致してこれらが互いに連通する。即ち、閉塞部材15の貫通孔16の第1開口部16aが一方の接続部材2aの流路4側に開口し、閉塞部材15の貫通孔16の第2開口部16bが他方の接続部材2bの流路4側に開口する。その結果、継手1の内部に、流体が流通可能な管路Rが形成される。
また図4に示すように、一方の接続部材2aの第1溝11と他方の接続部材2bの第2溝12とが連通する。これにより、閉塞部材15の第1突起部18及び第2突起部19のそれぞれが移動可能な、円弧状の第1ガイド溝22及び第2ガイド溝23が形成される。
継手1における2つの接続部材2a,2bの円筒部3の雄ネジ部5のそれぞれに、上流側配管P1の雌ネジ部A1及び下流側配管P2の雌ネジ部A2を螺合させることによって、上流側配管P1と下流側配管P2とが継手1を介して接続される。これにより、上流側配管P1の中を流れてきた流体が、継手1の管路Rを通過して、下流側配管P2に流れる。尚、図4中の矢印は、流体の流れる方向を示す。
(火災発生時の閉塞部材の動作)
火災が発生して継手1が高温に晒されると、継手の中の2つの熱膨張材20が熱膨張する。
そして、図5に示すように、閉塞部材15の第1突起部18及び第2突起部19のそれぞれが、熱膨張材20の膨張力を受けることによって、第1突起部18が、第1ガイド溝22に沿って、一方の接続部材2aの第1溝11から他方の接続部材2bの第2溝12に移動すると同時に、第2突起部19が、第2ガイド溝23に沿って、他方の接続部材2bの第1溝11から一方の接続部材2aの第2溝12に移動する。
その結果、閉塞部材15が回転し(図5の紙面上において反時計回りに回転)、貫通孔16の第1開口部16a及び第2開口部16bのそれぞれが、第1ガイド溝22側及び第2ガイド溝23側に移動すると同時に、閉塞部材15の球状の外周面17が、管路Rの外側から内側に向かうように管路R側に移動する。
そして、閉塞部材15の第1突起部18及び第2突起部19のそれぞれが、他方の接続部材2bの第2溝12の端部、及び一方の接続部材2aの第2溝12の端部に当接することによって、閉塞部材15の回転が停止して、閉塞部材15の球状の外周面17が、一方の接続部材2aの流路4及び他方の接続部材2bの流路4の両方に面するように配置され、管路Rを閉塞する。
この状態において、熱膨張材20がこのまま長時間高温に晒されてしまうと、熱分解を起こしてその膨張力が弱められてしまうことがある。
しかしながら、本構成によれば、閉塞部材15の外周面が、管路Rを一度閉塞してしまうと、閉塞部材15の外周面(他方の接続部材2bの流路4に面する側の外周面)に対しては、流体の流れる方向(図4中の矢印が示す方向)に沿って押圧する力は作用するが、管路Rの内側から外側に移動させる力、即ち、閉塞部材15を回転させる力は作用しない。従って、たとえ熱膨張材20が熱分解してその膨張力が弱められて、さらに上流側に位置する他方の接続部材2bの流路4における流体の圧力が高められたとしても、閉塞部材15が逆回転(図5の紙面上において時計回りに回転)することはなく、閉塞状態が維持される。
〔第2実施形態〕
図6に示すように、本実施形態の継手1は、第1及び第2接続部材30a,30bと、閉塞部材50と、熱膨張材60とを備えて構成される。
(第1及び第2接続部材)
第1及び第2接続部材30a,30bは、その内側においてガス等の流体が流通する円筒部31と、後述する閉塞部材50を収容するための受部34と、接続部材30a,30b同士を連結するためのフランジ部37とを備える金属製(好ましくはアルミニウム製)の中空部材である。
円筒部31の内壁面によって、流路32が形成されている。また、円筒部31の外周面には、配管接続用の雄ネジ部33が形成されている。
受部34は、円筒部31の端部に連設されており、円筒部31から離れるほど大径となるお椀状の壁を備える。受部34の内側には、そのお椀状の壁の内壁面によってお椀状の空間36が形成されており、このお椀状の空間と円筒部31の流路32とが連通する。また、第1接続部材30aの受部34の内径は、第2接続部材30bの受部34の内径より大きく設定されている。即ち、第1接続部材30aのお椀状の空間は、第2接続部材30bのお椀状の空間よりも大きい(図7参照)。
フランジ部37は、受部34の先端部分の外周に設けられている。フランジ部37には、ボルトBを挿通させるための挿通孔Hが複数形成されている。
(閉塞部材)
閉塞部材50は、金属製(好ましくはアルミニウム製)の2つの半球状部材51a,51bから構成される。
半球状部材51a,51bは、大径部52と、大径部52に連設する小径部54とを備え、大径部52と小径部54との間に段部56が形成されている。大径部52の外周面57は、管路Rを閉塞する閉塞部分として構成されている。
また、半円筒状の流通部58が、大径部52と小径部54とに亘るように形成されている。そして、大径部52の内側には、流通部58の軸心方向から外側に向かって斜めに傾斜する円弧状の傾斜端面53が形成されている。小径部54の内側には、流通部58の軸心方向に沿う2つの平行端面55が流通部58を挟むように形成されている。
(熱膨張材)
熱膨張材60は、主成分として上記第1実施形態と同様のゴム材料と耐火発泡材とを含む、円環状の部材である。上述の閉塞部材50において、2つの半球状部材51a,51bのそれぞれの平行端面55を互いに接合させると、段部56がつながって環状となる。熱膨張材60は、閉塞部材50における環状の段部56の全体に亘って設置可能に設定される。
(組み立て)
本実施形態の継手の組み立て作業について説明する。
図6に示すように、先ず、閉塞部材50の2つの半球状部材51a,51bのそれぞれの平行端面55を互いに接合させる。そして、小径部54側から熱膨張材60を嵌め込んで、環状の段部56の全体に亘って当接させる。このとき、図7に示すように、接合した2つの半球状部材51a,51bによって、内側に円形の貫通孔59が形成される。この貫通孔59の内径と、第1及び第2接続部材30a,30bの円筒部31の内径とは、略同じ大きさに設定されている。
次いで、接合した2つの半球状部材51a,51bの大径部52の側を第1接続部材30aの受部34の中に収容し、小径部54の側を第2接続部材30bの受部34の中に収容する。このとき、膨張部材は、第1接続部材30aの受部34の内壁面、第2接続部材30bのフランジ部37、及び2つの半球状部材51a,51bの段部56によって形成された容積変動空間61の中に収容される。またこのとき、2つの接続部材のフランジ部37のそれぞれにおける複数の挿通孔Hが互いに一致する。
最後に、第1及び第2接続部材30a,30bのそれぞれのフランジ部37に亘るようにボルトBを各挿通孔Hに挿通させて、ナットNによって締結して固定する。
このようにして組み立てた継手は、図7に示すように、第1接続部材30aの円筒部31、閉塞部材50の貫通孔59、及び第2接続部材30bの円筒部31のそれぞれの軸心が一致してこれらが互いに連通する。その結果、継手の内部に、流体が流通可能な管路Rが形成される。
継手における第1接続部材30aの円筒部31の雄ネジ部33に、上流側配管P1の雌ネジ部A1を螺合させ、第2接続部材30bの円筒部31の雄ネジ部33に、下流側配管P2の雌ネジ部A2を螺合させることによって、上流側配管P1と下流側配管P2とが継手を介して接続される。これにより、上流側配管P1の中を流れてきた流体が、継手1の管路Rを通過して、下流側配管P2に流れる。尚、図7中の矢印は、流体の流れる方向を示す。
本実施形態によれば、閉塞部材50を2つの半球状部材51a,51bに分割し、且つ2つの半球状部材51a,51bが互いに逆方向に回転するように設定されているため、上記第1実施形態における閉塞部材と比べて、回転角が半分となり、且つ自重で回転し難くい。
(火災発生時の閉塞部材の動作)
火災が発生して継手が高温に晒されると、継手の中の熱膨張材60が熱膨張する。
そして、図8に示すように、閉塞部材50の2つの半球状部材51a,51bのそれぞれの段部56が、熱膨張材60の膨張力を受けることによって、第1接続部材30aの受部34の内壁面に沿って移動すると共に、容積変動空間61が大きくなる。
その結果、2つの半球状部材51a,51bのそれぞれが、管路Rの内側に向かって回転する。即ち、図8紙面上において、上側の半球状部材51aが時計回りに回転し、下側の半球状部材51bが反時計回りに回転する。これにより、2つの半球状部材51a,51bのそれぞれの大径部52の外周面57が、管路Rの外側から内側に向かうように管路R側に移動する。
そして、2つの半球状部材51a,51bのそれぞれの傾斜端面53が互いに当接することによって、2つの半球状部材51a,51bの回転が停止して、2つの半球状部材51a,51bの大径部52の外周面57が、第1接続部材30aの流路32に面するように配置され、管路Rを閉塞する。
この状態において、熱膨張材60がこのまま長時間高温に晒されてしまうと、熱分解を起こしてその膨張力が弱められてしまうことがある。
しかしながら、本構成によれば、2つの半球状部材51a,51bの大径部52の外周面57が、管路Rを一度閉塞してしまうと、2つの半球状部材51a,51bの大径部52の外周面57に対しては、流体の流れる方向(図7中の矢印が示す方向)に沿って押圧する力は作用するが、管路Rの内側から外側に移動させる力、即ち、2つの半球状部材51a,51bを回転させる力は作用しない。
従って、たとえ熱膨張材60が熱分解してその膨張力が弱められて、さらに上流側に位置する他方の接続部材の流路32における流体の圧力が高められたとしても、2つの半球状部材51a,51bのそれぞれが逆回転(即ち、図8紙面上において、上側の半球状部材51aが反時計回りに回転し、下側の半球状部材51bが時計回りに回転すること)することはなく、閉塞状態が維持される。
〔第3実施形態〕
図9に示すように、本実施形態の継手1は、継手本体70と、閉塞部材84と、熱膨張材90と、フィルム部材93(図11参照)と、キャップ部材94(図11参照)とを備えて構成される。
(継手本体)
図9及び図11に示すように、継手本体70は、ガス等の流体が流れる管路Rを有する円筒部71と、閉塞部材84及び熱膨張材90を収容する円筒状の収容部75とを備える金属製の部材である。
円筒部71の内壁面によって、管路Rが形成されている(図11参照)。また、円筒部71の両端の外周面には、配管接続用の雄ネジ部82が形成されており、さらに円筒部71の長手方向の中央部分の外周面には立方体部83が形成されている。
収容部75は、立方体部83の上面に設けられており、収容部75の内壁面及び底面79によって収容空間81が形成されている(図11参照)。
収容部75の外周面には、後述するキャップ部材94を取り付けるための雄ネジ部76が形成されている。
収容部75の内壁面には、収容部75の上部開口から底面79側に向かって延びる第1ガイド溝77及び第2ガイド溝78が形成されている。図10に示すように、第1ガイド溝77及び第2ガイド溝78は、収容部75の内壁面において互いに対向する位置に設けられている。
また図10に示すように、収容部75の底面79には、収容部75の内壁面に形成された第1ガイド溝77及び第2ガイド溝78を結ぶ直線上に、円筒部71の管路Rに通じる長方形のスリット80が形成されている。
図11に示すように、管路Rは、上流側に配置される第1管路72と、下流側に配置される第2管路73とを備える。第1管路72の内径は、第2管路73の内径より少し大きく設定され、これにより、第1管路72と第2管路73の境界に段部74が形成される。尚、スリット80は、第1管路72の段部74側の端における上側内壁面に開口しており、スリット80の長さは、第1管路72の内径と略同じ長さに設定されている。
(閉塞部材)
図9及び図11に示すように、閉塞部材84は、円盤状の係止部85と、係止部85の下面から下方に延びる平板部88とを備え、T字状の縦断面を有する金属製の部材であって、収容部75の収容空間81に収容される。尚、閉塞部材84の係止部85の平面形状は、収容部75の内壁面の横断面と略同じ形状に設計されている。また閉塞部材84の平板部88は、管路Rを閉塞する閉塞部分として構成されている。
図9に示すように、第1凸部86及び第2凸部87が、係止部85の外側面において互いに相対する位置に設けられている。平板部88は、係止部85の第1凸部86及び第2凸部87を結ぶ直線上に位置するように設けられており、また平板部88の下端は、第1管路72の内壁面に沿うように円弧状に成形されている。尚、平板部88の下端以外の部分の幅は、スリット80の長さと略同じ大きさに設定されており、平板部88の厚みは、スリット80の幅と略同じ大きさに設定されている。
(熱膨張材)
熱膨張材90は、主成分として上記第1実施形態と同様のゴム材料と耐火発泡材とを含む、収容部75の収容空間81に収容可能な円盤状の部材である。第1凸部91及び第2凸部92が、熱膨張材90の外側面において互いに相対する位置に設けられている。尚、熱膨張材90の平面形状は、収容部75の内壁面の横断面と略同じ形状に設計されている。
(フィルム部材)
図11に示すように、フィルム部材93は、スリット80を一時的に塞ぐための部材である。フィルム部材93は、通常時においては、閉塞部材84の平板部88のスリット80への入り込みと、管路Rを流れる流体の収容部75内への流出とを防ぐことができ、火災発生時においては、火災の熱で確実に溶けてスリット80を開放し、塞部材の平板部88がスリット80に入り込むことが可能となるような素材で構成する必要がある。そのようなフィルム部材93としては、例えば樹脂フィルムが挙げられ、特に120℃くらいの熱で溶け出すポリエチレンフィルムなどが望ましい。
(キャップ部材)
キャップ部材94は、有底円筒状の金属製(好ましくはアルミニウム製)の部材である。キャップ部材94の内壁面には、継手本体70の収容部75の雄ネジ部76に螺合可能な雌ネジ部95が形成されている。
(組み立て)
本実施形態の継手の組み立て作業について説明する。
先ず、フィルム部材93を継手本体70の収容部75の中に入れて、収容部75の底面79に配置させスリット80を塞ぐ。
次いで、図9に示すように、閉塞部材84を、その平板部88を下にした姿勢で収容部75の中に入れ、係止部85の第1凸部86及び第2凸部87のそれぞれを、収容部75の第1ガイド溝77及び第2ガイド溝78の位置に合わせて、係止部85を収容部75の中に嵌め込む。
そして、閉塞部材84の平板部88の下端がフィルム部材93に当接するまで、係止部85を上から押して閉塞部材84を下に移動させる。
このとき、係止部85の第1凸部86及び第2凸部87のそれぞれが、収容部75の第1ガイド溝77及び第2ガイド溝78の中に配置されることによって、係止部85の円周方向の回り止めとなる。そのため、図11に示すように、平板部88がスリット80に対する位置ずれを起こすことなく、平板部88の全体が、フィルム部材93を隔てた状態で、スリット80の真上に配置される。
さらに、熱膨張材90の第1凸部91及び第2凸部92のそれぞれを、収容部75の第1ガイド溝77及び第2ガイド溝78の位置に合わせて、熱膨張材90を収容部75の中に嵌め込む。
以上の操作で、フィルム部材93、閉塞部材84、及び熱膨張材90が、収容部75の収容空間81に収容される。
最後に、キャップ部材94を、継手本体70の収容部75の雄ネジ部76に螺合して、収容部75を密封する。
このようにして組み立てた継手を、第1管路72が上流側になるように配置して、継手本体70の円筒部71における両端の雄ネジ部82のそれぞれに、上流側配管P1の雌ネジ部A1及び下流側配管P2の雌ネジ部A2を螺合させることによって、上流側配管P1と下流側配管P2とが継手1を介して接続される。これにより、上流側配管P1の中を流れてきた流体が、継手1の管路R(第1管路72及び第2管路73)を通過して、下流側配管P2に流れる。尚、図11中の矢印は、流体の流れる方向を示す。
(火災発生時の閉塞部材の動作)
火災が発生して継手1が高温に晒されると、継手の中のフィルム部材93が溶けてスリット80が開放されると共に、熱膨張材90が熱膨張する。
そして、図12に示すように、閉塞部材84の係止部85が、熱膨張材90の膨張力を受けることによって、閉塞部材84全体が下に押下げられ、閉塞部材84の平板部88(閉塞部分)が、スリット80に入り込み、管路R側に移動する。
そして、閉塞部材84の係止部85が収容部75の底面79に到達すると共に、閉塞部材84の平板部88の下端が、管路Rの段部74に到達することによって、閉塞部材84の下方への移動が停止して、閉塞部材84の平板部88(閉塞部分)が管路Rを閉塞する。
この状態において、熱膨張材90がこのまま長時間高温に晒されてしまうと、熱分解を起こしてその膨張力が弱められてしまうことがある。
しかしながら、本構成によれば、閉塞部材84が下に移動して、平板部88が管路Rを一度閉塞してしまうと、閉塞部材84の平板部88に対しては、流体の流れる方向(図11中の矢印が示す方向)に沿って押圧する力は作用するが、上に押し上げる力は作用しない。
従って、たとえ熱膨張材90が熱分解してその膨張力が弱められて、さらに閉塞部材84の上流側に位置する第1管路72における流体の圧力が高められたとしても、閉塞部材84が上に移動することはなく、閉塞状態が維持される。
さらに、本構成によれば、閉塞状態にあるときの閉塞部材84の平板部88の縁の略全体が、段部74に係止される状態となるため、平板部88が第1管路72における流体の高い圧力を受けても、平板部88が、その根元付近から第2管路73側に折れ曲がるなどして変形するということもなく、変形による隙間が生じて閉塞状態が維持できなくなるということも防止される。
〔第4実施形態〕
本実施形態の継手1は、上記第3実施形態と共通する構成を備えており、重複説明を避けるため、第3実施形態で説明した構成部分と同じ作用を有する構成部分については、同じ符号を付すことにより説明を省略し、主として異なる構成についてのみ説明する。
図13に示すように、本実施形態の継手1は、継手本体70(図9参照)と、閉塞部材84と、熱膨張材90と、キャップ部材94とを備えて構成される。
本実施形態においては、閉塞部材84の係止部85の外周側面にOリングシール材89を設けてある。
本実施形態の継手を組み立てる際は、図13に示すように、先ず、閉塞部材84を、その平板部88を下にした姿勢で、且つ平板部88の全体がスリット80の真上に配置されるように収容部75の中に入れる。このとき、閉塞部材84のOリングシール材89が、収容部75の内壁面に密着し、その摩擦力によって、閉塞部材84が収容部75の収容空間81に保持される。
即ち、上記第3実施形態におけるフィルム部材93(図11参照)を使用しなくとも、通常時において、閉塞部材84が収容部75の収容空間81に保持されるため、閉塞部材84の平板部88がスリット80に落ち込むことはない。さらに、Oリングシール材89によって、収容部75の内壁面と閉塞部材84の係止部85との隙間がシールされるため、管路Rを流れる流体が収容部75から外側に流出するのをより確実に防ぐことができる。
次いで、熱膨張材90を収容部75の中に入れ、閉塞部材84の係止部85の上に配置する。最後に、キャップ部材94を、継手本体70の収容部75の雄ネジ部76に螺合させる。
火災が発生して継手1が高温に晒されると、図14に示すように、熱膨張材90が熱膨張する。そして、閉塞部材84の係止部85が、熱膨張材90の膨張力を受けることによって、閉塞部材84全体が下に押下げられ、閉塞部材84の平板部88(閉塞部分)が、スリット80に入り込み、管路R側に移動する。
そして、上記第3実施形態の場合と同様に、閉塞部材84の係止部85が収容部75の底面79に到達すると共に、閉塞部材84の平板部88の下端が、管路Rの段部74に到達することによって、閉塞部材84の下方への移動が停止して、閉塞部材84の平板部88(閉塞部分)が管路Rを閉塞する。
〔第5実施形態〕
本実施形態の継手1は、上記第3実施形態と共通する構成を備えており、重複説明を避けるため、第3実施形態で説明した構成部分と同じ作用を有する構成部分については、同じ符号を付すことにより説明を省略し、主として異なる構成についてのみ説明する。
図15に示すように、本実施形態の継手1は、継手本体70(図9参照)と、閉塞部材84と、熱膨張材90と、キャップ部材94とを備えて構成される。
本実施形態における熱膨張材90は、大径部90aと小径部90bとを備えて構成されている。熱膨張材90の小径部90bの下端面と、閉塞部材84の係止部85の上面とが、接着剤で接着されることによって、熱膨張材90と閉塞部材84とが一体化されている。熱膨張材90の大径部90a及び小径部90bのそれぞれの直径は、収容部75の外径及び内径と略同じ大きさに設定されている。
本実施形態の継手を組み立てる際は、図15に示すように、先ず、熱膨張材90と閉塞部材84とを、閉塞部材84の平板部88を下にした姿勢で収容部75の中に入れ、係止部85の第1凸部86(図9参照)及び第2凸部87(図9参照)のそれぞれを、収容部75の第1ガイド溝77(図9参照)及び第2ガイド溝78(図9参照)の位置に合わせて、係止部85を収容部75の中に嵌め込む。
そして、熱膨張材90の大径部90aが、収容部75の上端面に当接するまで、熱膨張材90と閉塞部材84とを収容部75の収容空間81に押し込む。
このとき、上記第3実施形態と同様に、係止部85の第1凸部86(図9参照)及び第2凸部87(図9参照)のそれぞれが、収容部75の第1ガイド溝77(図9参照)及び第2ガイド溝78(図9参照)の中に配置されることによって、係止部85の円周方向の回り止めとなる。そのため、図15に示すように、平板部88がスリット80に対する位置ずれを起こすことなく、平板部88の全体が、スリット80の真上に配置される。
最後に、キャップ部材94を、継手本体70の収容部75の雄ネジ部76に螺合させる。このとき、膨張部材90の大径部90aが、収容部75の上端面とキャップ部材94によって上下から挟み込まれて挟持されるため、上記第3実施形態と異なり、フィルム部材93(図11参照)を使用しなくとも、通常時において、熱膨張材90と閉塞部材84とが収容部75の収容空間81に保持され、閉塞部材84の平板部88がスリット80に落ち込むことはない。また、膨張部材90の大径部90aによって、継手本体70の収容部75とキャップ部材94との隙間がシールされるため、管路Rを流れる流体が収容部75から外側に流出するのをより確実に防ぐことができる。
火災が発生して継手1が高温に晒されると、図16に示すように、熱膨張材90が熱膨張する。そして、閉塞部材84の係止部85が、熱膨張材90の膨張力を受けることによって、閉塞部材84全体が下に押下げられ、閉塞部材84の平板部88(閉塞部分)が、スリット80に入り込み、管路R側に移動する。
そして、上記第3実施形態の場合と同様に、閉塞部材84の係止部85が収容部75の底面79に到達すると共に、閉塞部材84の平板部88の下端が、管路Rの段部74に到達することによって、閉塞部材84の下方への移動が停止して、閉塞部材84の平板部88(閉塞部分)が管路Rを閉塞する。
〔第6実施形態〕
図17及び図18に示すように、本実施形態の継手1は、継手本体100、補強部材110と弾性部材112とを有する閉塞部材、熱膨張材116、及びキャップ部材117を備えて構成される。
(継手本体)
継手本体100は、金属製(好ましくは、アルミニウム製)の部材であり、ガス等の流体が内側を流れる円筒状の円筒部101と、円筒部101の長手方向中央部の側面に設けられた円筒状の収容部105とを備える。
円筒部101の内壁面によって、流路102が形成されている。流路102の長手方向中央部に、流路102と連通する円柱状の円柱空間103が設けられている。円柱空間103の高さは、流路102の直径よりも長く、円柱空間103の軸心と流路102の軸心とは直角に交差する。即ち、流路102は、円柱空間103の側面を貫くようにして円柱空間103と通じている。流路102及び円柱空間103によって、流体が流通可能な管路Rが形成されている。
収容部105には、その内壁面によって、閉塞部材を収容可能な収容空間106が形成されている。収容空間106の大きさは、弾性部材112と略同じか、弾性部材112よりもわずかに大きくに設計される。尚、収容空間106の下端部分は、管路R側ほど小径となるテーパー状の内壁面119(以下、テーパー面119と称する)によって形成されている。テーパー面119の最小径は、弾性部材112の直径よりもわずかに小さく設計されている。
収容空間106は円柱空間103に連通する。円柱空間103が収容空間106の下に連設され、円柱空間103の軸心と収容空間106の軸心とが互いに一致する。円柱空間103は、補強部材110と弾性部材112とを収容可能な空間であり、円柱空間103の直径は、テーパー面119の最小径と同じ大きさであって、且つ弾性部材112の直径よりもわずかに小さく設計されている。
円筒部101の両端の外周面には、配管接続用の雄ネジ部104が形成されている。また、収容部105の外周面には、後述するキャップ部材117を取り付けるための雄ネジ部107が形成されている。
(閉塞部材)
本実施形態における閉塞部材は、弾性部材112及び補強部材110を備えて構成されている。
弾性部材112は、有底円筒状の部材であって、弾性部材112の側面が管路Rを閉塞する閉塞部分として機能する。弾性部材112は、継手本体100よりも柔らかい素材で構成されている。弾性部材112の構成素材としては、例えば、フッ素ゴム等のゴム系の素材を挙げることができる。
補強部材110は、金属製(好ましくはアルミニウム製、又はステンレス製等)の有底円筒状の部材であって、後述する熱膨張材116を中に収容しつつ、弾性部材112の形状を保持するために使用される。即ち、弾性部材112の内側空間の形状は、補強部材110の外形と略同じ形状に設計されており、補強部材110を弾性部材112の中に嵌め込むことによって、弾性部材112が内側から支持され、弾性部材112に対して機械的な強度が付与される。
(熱膨張材)
熱膨張材116は、主成分として、熱膨張配合剤と、上記第1実施形態と同様のゴム材料とを含む。熱膨張配合剤としては、例えば、熱膨張黒鉛などが挙げられる。
熱膨張材116は、補強部材110の内側空間に収容される。尚、本実施形態における熱膨張材116は円柱状であって、補強部材110の内側空間の形状と略同じか、それよりもわずかに小さく設計されている。
(キャップ部材)
キャップ部材117は、六角キャップ状の金属製(好ましくはアルミニウム製)の部材である。キャップ部材117の内壁面には、収容部105の雄ネジ部107に螺合可能な雌ネジ部118が形成されている。
(組み立て)
本実施形態の継手1の組み立て作業について説明する。
先ず、熱膨張材116を補強部材110の中に押し込むようにして入れる。これにより、熱膨張材116が補強部材110の内側空間の略全体を占めるように嵌め込まれる。次いで、補強部材110の下面111が弾性部材112の底面113に達するまで、補強部材110を弾性部材112の中に押し込むようにして入れる。
次いで、熱膨張材116と補強部材110とを嵌め込んだ弾性部材112を、弾性部材112の下面114を下にした姿勢で収容部105の収容空間106に入れ、弾性部材112の下面114側の角部115が、テーパー面119に当接する位置まで下に移動させる。
これにより、弾性部材112がテーパー面119において掛止されるため、熱膨張材116と補強部材110と弾性部材112とが収容部105の収容空間106に保持される。最後に、キャップ部材117を、収容部105の雄ネジ部107に螺合して、収容部105を密封する。
このようにして組み立てた継手1を使用する場合、円筒部101の両端の雄ネジ部104のそれぞれに、上流側配管P1の雌ネジ部A1及び下流側配管P2の雌ネジ部A2を螺合させる。これにより、上流側配管P1と下流側配管P2とが継手1を介して接続されるため、上流側配管P1の中を流れてきた流体が、継手1の管路Rを通過して、下流側配管P2に流れる。尚、図17及び図18中の矢印は、流体の流れる方向を示す。
(火災発生時の閉塞部材の動作)
火災が発生して継手1が高温に晒されると、補強部材110の中の熱膨張材116が熱膨張する。そして、図19及び図20に示すように、補強部材110が熱膨張材116の膨張力を受けることにより、補強部材110と弾性部材112とが下に押下げられて円柱空間103側に移動する。このとき、弾性部材112がわずかな縮径を伴う変形をする。
そして、弾性部材112の下面114が円柱空間103の底面に到達することによって補強部材110と弾性部材112の下方への移動が停止し、補強部材110と弾性部材112とが円柱空間103に嵌め込まれ、弾性部材112の側面(閉塞部分)が管路Rを閉塞する。このとき、弾性部材112には、補強部材110による機械的強度が付与されているため、たとえ弾性部材112の側面に対して流体の圧力を受けたとしても弾性部材112は変形し難く、閉塞状態は維持される。
この状態において、熱膨張材116がこのまま長時間高温に晒されてしまうと、熱分解を起こしてその膨張力が弱められてしまうことがある。
しかしながら、本構成によれば、補強部材110と弾性部材112とが下に移動して、弾性部材112の側面が管路Rを一度閉塞してしまうと、弾性部材112の側面に対しては、流体の流れる方向(図中の矢印が示す方向)に沿って押圧する力は作用するが、上に押し上げる力は作用しない。
従って、たとえ熱膨張材116が熱分解してその膨張力が弱められて、さらに弾性部材112の上流側の流体圧力が高められたとしても、弾性部材112が上に移動することはなく、閉塞状態が維持される。
さらに、本構成によれば、閉塞状態にあるときの弾性部材112の側面における管路Rに面する部分が、弾性部材112の弾性復元力によって横側方に少しはみ出る状態となる。これにより、閉塞状態の気密性がさらに高められるだけでなく、継手本体100における流路102Rから円柱空間103の上端部分に面する角部108に対して弾性部材112の引っ掛かりが生じるため、弾性部材112は、収容部105の収容空間106の側に移動し難くなり、閉塞状態が確実に維持される。
〔その他の実施形態〕
1.上述の第1実施形態において、2つの接続部材2a,2bのうち、いずれか一方の第1溝11にのみ熱膨張材20を設ける構成としても良い。
2.上述の第3〜第5実施形態において、継手1の収容部75を立方体部83の横側面に設け(あるいは、継手1の収容部75を横方向に向けた姿勢で配管に組み付け)、閉塞部材84が、管路Rの横外側から内側に向かう方向に移動して平板部88が管路Rを閉塞する構成としても良い。
3.上述の第6実施形態において、継手1の収容部105を円筒部101の横側方に設け(あるいは、継手1の収容部105を横方向に向けた姿勢で配管に組み付け)、補強部材110と弾性部材112とが、管路Rの横外側から内側に向かう方向に移動して管路Rを閉塞する構成としても良い。
4.また上述の第6実施形態において、補強部材110と弾性部材112とを接着剤等を使用して一体化するようにしても良い。このような構成を採用することにより、収容部105を、円筒部101の上側、下側、横側方側、即ち、円筒部101の任意の部位に設けること(あるいは、継手1の収容部105を、円筒部101の軸心周りの任意の方向に向けて継手1を組み付けること)が可能となる。例えば、収容部105を円筒部101の下側に設けた場合、熱膨張材116が長時間高温に晒されて膨張力が弱められたとしても、上述のように、継手本体100における流路から円柱空間103の上端部分に面する角部108に対して弾性部材112の引っ掛かりが生じるため、弾性部材112が円柱空間103から収容空間106に落ち込むことはなく、さらに補強部材110と弾性部材112とを一体に設けてあるため、補強部材110が弾性部材112から抜け落ちることもない。
5.上述の第1〜第6実施形態において、本発明に係る継手1が、直線状の管路Rを備える構成について記載されているが、この構成に限定されるものではなく、例えば、本発明に係る継手1が、L字状の管路Rを備えるものであっても良い(即ち、本発明に係る継手構造を、L字配管に適用しても良い)。
図21に示す試験装置を使用して、上述の第2実施形態に係る継手1の閉塞性評価試験を実施した。試験装置は、流体として窒素ガスを供給するガスボンベ120、窒素ガスの流量を調節する第1及び第2流量調整弁121、122、配管内の窒素ガスの圧力を測定する第1及び第2圧力センサー123、124、継手1の温度を測定する温度センサー125(熱電対)、継手1を加熱するためのガスバーナー126を備えて構成され、これらが第2実施形態に係る継手1と共に、図21に示すように配管接続される。
尚、第1流量調整弁121と第1圧力センサー123は、継手1の上流側の配管に接続され、第2流量調整弁122と第2圧力センサー124は、継手1の下流側の配管に接続される。継手1の上流側の配管内の圧力は、第1圧力センサー123によって測定され、継手1の下流側の配管内の圧力は、第2圧力センサー124によって測定された。
先ず第2流量調整弁122を閉じた状態で、窒素ガスを圧力2kPaに調整した。次に、ガスバーナー126を用いて継手1を横方向から10分間加熱した後、配管内の窒素ガスの圧力変化、及び継手1の温度変化のそれぞれを10秒間隔で10分間測定した。また、加熱作業を終了してからおよそ100秒後(試験開始からおよそ700秒後)、一時的に第2流量調整弁122を解放して窒素ガスを逃がし、再び第2流量調整弁122を閉じる操作を行い、その際の圧力変化によって、継手1の閉塞状態を確認した。そのときの測定結果を図22に示した。
図22に示すように、第2流量調整弁122を解放した直後において、継手1の下流側の配管内の圧力が略大気圧に近い圧力にまで急激に低下したのに対し、継手1の上流側の配管内の圧力は徐々に低下しており、急激な低下は認められなかった。
また、別の試験として、継手1を10分間加熱した後、常温になるまで放置した。そして、常温になってからおよそ50秒後、一時的に第2流量調整弁122を解放して窒素ガスを逃がし、再び第2流量調整弁122を閉じる操作を行い、その際の圧力変化によって、継手1の閉塞状態を確認した。このときの測定結果を図23に示した。
図23に示すように、第2流量調整弁122の解放後における継手1の上流側の配管内の圧力は、解放前の圧力と比べて約0.2kPa程度の差しかなく、圧力変化がほとんど生じなかった。
以上より、図22及び図23に示す結果から、本発明の第2実施形態に係る継手1は、高温時にも常温時にも高い閉塞状態を発揮することが確認された。
本発明に係る継手は、プロパンガスや都市ガス等のガス配管だけでなく、ガソリンや軽油などの各種液体燃料配管などに対しても適用することができる。
1 継手
15 閉塞部材
17 球状の外周面(閉塞部分)
20 熱膨張材
R 管路

Claims (3)

  1. 流体が流れる管路と、前記管路を閉塞する閉塞部分を備える閉塞部材と、熱膨張材とを備え、前記熱膨張材が膨張することによって、前記閉塞部材の少なくとも閉塞部分が移動して前記管路を閉塞する継手において、
    前記閉塞部材の少なくとも閉塞部分が、前記管路の外側から内側に向かう方向に移動可能である継手。
  2. 前記熱膨張材が膨張すると、前記閉塞部材が回転して、前記閉塞部材の閉塞部分が、前記管路の外側から内側に向かう方向に移動して前記管路を閉塞する請求項1に記載の継手。
  3. 前記熱膨張材が膨張すると、前記閉塞部材が前記管路の外側から内側に向かう方向に移動して、前記閉塞部材の閉塞部分が前記管路を閉塞する請求項1に記載の継手。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61181171U (ja) * 1985-05-01 1986-11-12
JP2003236006A (ja) * 2002-02-20 2003-08-26 Yoko Engineering Sha:Kk 感熱ヒューズアダプタ
JP2003294160A (ja) * 2002-03-29 2003-10-15 Yoko Engineering Sha:Kk 緊急遮断機能付ガス栓

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