JP2015113677A - 尿及び便器洗浄水の飛散防止方法及び水洗式便器 - Google Patents

尿及び便器洗浄水の飛散防止方法及び水洗式便器 Download PDF

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Abstract

【課題】立小便時等の尿及び便器洗浄水の周囲への飛散を防止する。
【解決手段】水洗式便器1への排尿又は排便の前に、使用者は、便所内に設けられている容器5を用いて、水洗式便器1に於ける便器洗浄水の溜水面3Sの全面上に亘って所定の厚みの泡の層4を形成する。これにより、排尿又は排便の直前時に於いて、水洗式便器1の溜水3は泡により全面的に被覆され、排出された尿の跳ね返り及び便器洗浄水の溜水3の跳ね返りが、泡の層4により吸収されて遮断される。泡の層4の形成は、センサを用いて人の使用を検知することで自動的に泡が便器内に送出されることにより実現されても良い。
【選択図】図1

Description

本発明は、便器に排尿・排便を行う際に便器内洗浄水及び/又は尿が飛散するのを防止する技術に関する。
男性が立った姿勢で洋式又は和式の水洗式便器に対して排尿する場合には、尿が便器洗浄水の溜水の表面より当該溜水内に侵入する際に、尿及び便器洗浄水の各々の一部が便器内外の周囲に飛散する。
又、男性又は女性が、腰かけた又は座り込んだ姿勢にて洋式又は和式の水洗式便器に対して排便を行う場合にも、便が便器洗浄水の溜水の表面に衝突する際に、便器洗浄水の一部が同じく飛散する。
これらの飛散した尿・便器洗浄水をそのままに放置しておくと、周囲に飛散した尿・便器洗浄水が固まり且つ変色して便器又は床等の汚れが発生し、便所の衛星及び便器の見栄えが悪くなる。或いは、飛散した尿・便器洗浄水が菌で分解され又は乾燥して、不快な臭が便所内で発生し得る。更には、飛散した尿・便器洗浄水に起因して有害な細菌が便所内で繁殖して、便器の不衛生状態が増大する。この様な問題点は、特許文献1及び非特許文献1に於いても、指摘されている。
そのため、人は、飛散した便器洗浄水等をその都度又は定期的に拭き取って便所を清潔に保つ必要性がある。
特開2011−12410号公報
LION発表資料〜トイレで気になる不快なニオイを抑制する新技術を確立〜(www.lion.co.jp/press/2005038.htm)
しかし、飛散した尿及び/又は便器洗浄水を拭き取る作業は面倒なことであり、放置時間が長いと変色した尿等を完全に拭き取れなくなる場合も生じ得る。
男性が便器の便座に腰かけて排尿をするならば、排尿時の上記問題点の発生は抑止されることになるが、その様な排尿の仕方を全ての男性に要求することも非現実である。
本発明は、以上の問題点を解決するべく成されたものであり、男性の立小便時等に於いて生じる尿及び便器洗浄水の周囲への飛散を効果的に抑止することを、その主目的としている。
本発明の主題に係る尿及び便器洗浄水の飛散防止方法は、水洗式便器への排尿又は排便の前に、前記水洗式便器に於ける便器洗浄水の溜水面の全面上に泡の層を形成することを特徴とする。ここで、泡の層自体は必ずしも洗浄作用を奏する必要性はない。
本発明の主題によれば、水洗式便器への排尿又は排便の前に溜水面の全面に亘って形成された、前記溜水面上に浮いている泡の層が、排尿又は排便時に生ずる尿及び便器洗浄水の飛散又は便器洗浄水の飛散の発生を確実に防止することが出来る。
従って、本発明の主題により、水洗式便器及びその周辺部への尿の飛散及び便器洗浄水の飛散が原因となる、1)水洗式便器等の汚れの発生、2)水洗式便器等からの不快な臭い乃至は細菌の発生、並びに、3)排尿・排便時の音の発生を、防止・抑止することが出来る。
以下、本発明の様々な具体化を、添付図面を基に、その効果・利点と共に、詳述する。
本発明の実施の形態1に係る水洗式便器の構成を模式的に示す縦断面図である。 本発明の実施の形態2に係る水洗式便器の電気系統を模式的に示すブロック図である。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る洋式の水洗式便器1の構成を模式的に示す縦断面図である。尚、図1に於いては、図示の便宜上、水洗式便器1の便座は描かれていない。
図1に於いて、水洗式便器1の給水口1ENより、当該便器1内の排泄物を洗浄するための便器洗浄水2が供給され、又、排水部1EXより便器洗浄水2は下水道へ排出される。ここで、便器洗浄水2は、上水道の水又は工業用水等である。
男性の立小便の排尿前又は人(男性又は女性)の便座に腰かけた状態での排便前に、水洗式便器1の内で排水部1EXに繋がった凹部又は窪み部1Rには、便器洗浄水2が溜水3として溜められている。そして、溜水面3Sの全面に亘って、所定の厚み(例:1cm〜2cm程。)の泡の層4が浮遊状態にて形成されている。
泡の層4の形成に関しては、排尿又は排便の前に、立小便又は排便を行う使用者が、予め便所内に配設されている、原液(例えば、真水、石鹸水又は洗浄液。)より泡4Sを吹き出すポンプ式又はスプレー式の泡送出容器5を用いて、溜水面3Sの全面に亘って泡4Sを吹き付ける。斯かる作業を継続的に行うことで、使用者は、溜水面3Sの全面に亘って浮遊している所定の厚みの泡の層4を形成する。その結果、溜水面3Sの全面は、所定の厚みの泡の層4によって被覆された状態となる。この泡の層4が、男性の立小便により排出された尿自体の周囲への飛散及びそれに伴う溜水3の周囲への飛散を効果的に防止する。或いは、当該泡の層4は、人が便座に座って排出した便の侵入に伴う溜水3の周囲の飛散をも効果的に防止する。
ここで、本願発明者は、(A)ボール状容器内に水を入れた上で、水面全体に亘って厚みが1cm〜2cm程度の泡の層を浮遊状態にて形成し、その後に、泡の層の面上、約60cmの高さから水を落下させる場合と、(B)上記泡の層を全く形成していないボール状容器内の水面に対して同じ高さから同様に水を落下させる実験を行った。その結果、(A)の場合には、ボール状容器の内外の周辺部に飛散する水は発生しなかったが、(B)の場合には飛散水が顕著に発生した。
斯かる実験結果を踏まえれば、図1の水洗式便器1の状態に於いて、立小便により男性が尿を排出した場合又は便座に座って排便を行った場合には、同様の結果が得られることになる。即ち、重力の負荷により比較的に大きな運動エネルギーを以って尿が泡の層4内に突入した場合に、尿の運動エネルギーは泡の層4によって部分的に奪われて、尿は泡の層4内で失速する。そのため、排出された尿の内で、溜水面3Sで跳ね返り乃至は反射する尿の運動エネルギーは、泡の層4への突入時と比較して格段に小さくなり、跳ね返った尿が泡の層4より飛び出すことなく泡の層4により吸収されてしまう。しかも、泡の層4により減速された尿の溜水面3Sへの突入により生じる溜水3の跳ね返り乃至は反射分の運動エネルギーも比較的に小さく、そのため、溜水3内の跳ね返った便器洗浄水も泡の層4により吸収されてしまう。その結果、泡の層4は、溜水面3Sで跳ね返る尿及び溜水3の内の跳ね返った便器洗浄水の何れをも同層4内に閉じ込めてしまい、排出された尿及び溜水3の周囲への飛散が格段に抑制されて生じなくなる。又、便器の便座に座って人が排便をする場合の便の溜水面3Sへの突入により生じ得る溜水3の跳ね返り乃至は反射分の飛散も、泡の層4によって、同様に遮蔽・抑制されて生じない。
その結果、泡の層4を全面に亘って浮遊状態で設けることにより、立小便時等に於ける尿及び便器洗浄水の周囲への飛散は無くなり、既述した便器の汚れに伴う不衛生状態或いは細菌による腐臭の発生は防止され、且つ、排尿時・排便時に於ける音の発生は確実に軽減される。
尚、泡の層4の「所定の厚み」とは、使用する水洗式便器1等の寸法等の種々の条件に応じて適宜に設定される値である。
(実施の形態2)
本実施の形態は、実施の形態1に於ける所定厚みの泡の層4を電気的制御により機械的・自動的に形成する点に、その特徴を備える。
ここで、図2は、本実施の形態に係る水洗式便器1の電気系統の一部を模式的に示すブロック図である。尚、本実施の形態に於いても、図1に記載の水洗式便器の機械的構成が援用される。
図2に於いて、センサ11は、赤外線等を用いて、人が排尿又は排便のために水洗式便器1を使用する場合に、その状態を当該使用前に検知して、検知したことを与える信号を、水洗式便器1の各電気系統の制御部を成すCPU(コントローラの機能を成す。)10へ出力する。CPU10は、センサ11より当該検知信号を受信すると、泡を便器内の溜水面3Sの全面に亘って送出する様に指令する制御信号を、泡送出部12へ送信する。その制御信号の指令に応じて、自動的に泡4Sを形成・送出する機能を備える泡送出部12は、所定の厚みの泡の層4が溜水面3Sの全面に亘って浮遊状態にて形成される様に、泡を便器内の上記凹部1Rに向けて送出する。この場合、泡の排出ないしは送出は、その先端より泡を吹き出す、前後に移動自在な専用のノズルにより実現されても良いし、又は、便器内の凹部1R側の専用の送出口により実現されても良く、その実現方法は多岐である。
本実施の形態に於いても、実施の形態1と同様の作用・効果が得られることは勿論である。しかも、上記の作用・効果は、自動制御により達成される。
(変形例)
実施の形態1,2に於いては、洋式の水洗式便器に関して記載したが、本発明の主題は和式の水洗式便器の便器洗浄水にも適用可能であり、この場合に於いても、尿又は便器洗浄水の飛散が有効に防止される。
(付記)
以上、本発明の実施の形態を詳細に開示し記述したが、以上の記述は本発明の適用可能な局面を例示したものであって、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、記述した局面に対する様々な修正及び/又は変形例を、この発明の範囲から逸脱することの無い範囲内で考えることが可能である。
本発明は、洋式又は和式の水洗式便器に適用して好適である。
1 水洗式便器
2 便器洗浄水
3 溜水
3S 溜水面
4 泡の層
4S 泡
11 センサ
12 泡送出部

Claims (3)

  1. 水洗式便器への排尿又は排便の前に、前記水洗式便器に於ける便器洗浄水の溜水面の全面上に泡の層を形成する
    ことを特徴とする、尿及び便器洗浄水の飛散防止方法。
  2. 便器洗浄水の溜水面上に全面に亘って浮いている泡の層を
    備えることを特徴とする、水洗式便器。
  3. 排尿又は排便のために人が水洗式便器を使用することを当該使用前に検知するセンサと、
    前記センサによる前記水洗式便器の使用検出に応じて、前記排尿又は前記排便の前に、便器洗浄水の溜水面上に泡を排出して、前記溜水面の全面を被覆する泡の層を形成する泡排出部と
    を備えることを特徴とする、水洗式便器。

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017179776A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 パナソニックIpマネジメント株式会社 衛生洗浄装置
CN107460928A (zh) * 2016-06-03 2017-12-12 王建明 防溅水马桶
CN110063679A (zh) * 2019-04-19 2019-07-30 山东大学 一种幼儿大便残余擦净机器人
JP7492892B2 (ja) 2020-09-30 2024-05-30 株式会社Lixil 便器装置

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