JP2015112660A - 被覆材及びロボット把持部の被覆構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】把持時に物体をすべって落としたり、破損したりすることがなく把持の安定性に優れ、清潔性を長期間保持することができる被覆材及びロボット把持部の被覆構造を提供すること。【解決手段】物体を把持する機能を有する基材102の表面に、内層101を備え、内層101の表面に物体に接触して把持する外層100を備え、内層101および外層100は、共に弾性体によって構成され、内層101の弾性体は、外層100の弾性体よりも、軟質である弾性体によって構成され、外層100の弾性体は、内層101の弾性体よりも、架橋密度が大きく、硬質である弾性体によって構成され、内層101と外層100の両方または内層101のみに、抗菌性を付与する抗菌剤200を配合してなることを特徴とする被覆材1によって解決される。【選択図】図1
Description
本発明は被覆材及びロボット把持部の被覆構造に関し、詳しくは、把持時に物体をすべって落としたり、破損したりすることがなく把持の安定性に優れ、且つ把持物体への抗菌剤成分の拡散を低減し、清潔性を長期間保持することができる被覆材及びロボット把持部の被覆構造に関する。
従来、工場の生産ラインに産業用ロボットが導入され、生産効率の向上に寄与している。産業用ロボットは、一つのラインを流れてくる部品や物品などの物体を、把持して、別のラインへ、何回でも正確に移送する機能に優れている。
上記物体を把持するために、産業用ロボットの把持部には、エアチェックや多指型ロボットハンドが用いられる。
把持部に金属を用いる場合、硬質で摩擦係数が低いため、把持した物体が滑って脱落したり、あるいは物体を破損させる恐れがある。
そこで、従来、金属の把持部を適度な摩擦係数の素材で被覆することで、すべりを抑制している。
例えば、把持部に軟質な弾性体を被覆することで、把持の際に、物体にかかる力を低減でき、物体の破損を抑制することができる。また、把持の際に物体の形状に沿って弾性体が変形し、接触面積が増加するため、把持の安定性が向上できる(特許文献1)。
把持部を被覆する弾性材としては、天然ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、スポンジなどの材質が挙げられる(特許文献2、3)。
一方で、工場の生産ラインの中でも、食品を扱う工場の生産ラインでは、産業ロボット自体はもちろんのこと、物体をつかむロボットハンド(把持部)にも、雑菌などが繁殖しないよう、清潔性が要求される。
また、近年、医療・福祉分野において、医療用ロボットや介護ロボットなどの活躍が期待されている。このような、医療用ロボットや介護ロボットにおいても、衛生面の要求が厳しい。
衛生面の要求を満たすため、把持部にゴム手袋やビニール手袋のようなカバーを設ける方法が考えられるが、短期的な交換が必要であり、工数増加、さらには廃棄物の増加につながる問題がある。
それに対し、把持部にカバーを装着させずに、清潔性を保持する一つの手段として、把持部被覆材に抗菌性を有する材料を用いる手法が考えられる。
特許文献4には、食品製造ラインで用いられる吸着用パッド(把持部)において、抗菌性を有する材料から形成する手法が提案されている。
しかし、上記の吸着用パッド(把持部)は、シリコーンゴムに抗菌成剤分として銀等を混入して形成されており、抗菌剤成分が把持物体(例えば、食品)へ拡散してしまうおそれがある。
抗菌剤成分が把持物体へ拡散してしまうと、把持部の抗菌剤成分濃度が時間の経過に伴い次第に減少していき、清潔性を長期間保持することができない。
そこで、本発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、軟質な弾性体としてゴムやゲルなどの材料を用いた場合に、把持時に物体をすべって落としたり、破損したりすることがなく把持の安定性に優れ、架橋密度の大小が抗菌剤成分濃度の減少速度に大きく影響することに着目し、被覆材の層構成を少なくとも2層構成にして、清潔性の長期間保持を図るべく鋭意検討し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、把持時に物体をすべって落としたり、破損したりすることがなく把持の安定性に優れ、清潔性を長期間保持することができる被覆材及びロボット把持部の被覆構造を提供することを課題とする。
また本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は以下の各発明によって解決される。
1.物体を把持する機能を有する基材の表面に、内層を備え、該内層の表面に前記物体に接触して把持する外層を備え、
該内層および外層は、共に弾性体によって構成され、
前記内層の弾性体は、前記外層の弾性体よりも、軟質である弾性体によって構成され、
前記外層の弾性体は、前記内層の弾性体よりも、架橋密度が大きく、硬質である弾性体によって構成され、
前記内層と前記外層の両方または前記内層のみに、抗菌性を付与する抗菌剤を配合してなることを特徴とする被覆材。
該内層および外層は、共に弾性体によって構成され、
前記内層の弾性体は、前記外層の弾性体よりも、軟質である弾性体によって構成され、
前記外層の弾性体は、前記内層の弾性体よりも、架橋密度が大きく、硬質である弾性体によって構成され、
前記内層と前記外層の両方または前記内層のみに、抗菌性を付与する抗菌剤を配合してなることを特徴とする被覆材。
2.抗菌性を付与する抗菌剤を前記内層に配合し、該外層へ拡散移動させて抗菌機能を発揮する構成を有する前記1記載の被覆材。
3.前記内層の弾性体の硬度は、ショアA硬度0〜10度であり、前記外層の硬度は、ショアA硬度40〜90度である前記1又は2記載の被覆材。
4.前記外層に用いる弾性体が、シリコーンゴムまたはウレタンゴムであり、前記内層に用いる弾性体が、シリコーンゲルまたはウレタンゲルである前記1、2又は3記載の被覆材。
5.物体を把持する機能を有するロボット把持部の表面に、内層を備え、該内層の表面に前記物体に接触して把持する外層を備え、
該内層および外層は、共に弾性体によって構成され、
前記内層の弾性体は、前記外層の弾性体よりも、軟質である弾性体によって構成され、
前記外層の弾性体は、前記内層の弾性体よりも、架橋密度が大きく、硬質である弾性体によって構成され、
前記内層と前記外層の両方または前記内層のみに、抗菌性を付与する抗菌剤を配合してなることを特徴とするロボット把持部の被覆構造。
該内層および外層は、共に弾性体によって構成され、
前記内層の弾性体は、前記外層の弾性体よりも、軟質である弾性体によって構成され、
前記外層の弾性体は、前記内層の弾性体よりも、架橋密度が大きく、硬質である弾性体によって構成され、
前記内層と前記外層の両方または前記内層のみに、抗菌性を付与する抗菌剤を配合してなることを特徴とするロボット把持部の被覆構造。
6.抗菌性を付与する抗菌剤を前記内層に配合し、該外層へ拡散移動させて抗菌機能を発揮する構成を有する前記5記載のロボット把持部の被覆構造。
7.前記内層の弾性体の硬度は、ショアA硬度0〜10度であり、前記外層の硬度は、ショアA硬度40〜90度である前記5又は6記載のロボット把持部の被覆構造。
8.前記外層に用いる弾性体が、シリコーンゴムまたはウレタンゴムであり、前記内層に用いる弾性体が、シリコーンゲルまたはウレタンゲルである前記5、6又は7記載のロボット把持部の被覆構造。
本発明によれば、把持時に物体をすべって落としたり、破損したりすることがなく把持の安定性に優れ、清潔性を長期間保持することができる被覆材及びロボット把持部の被覆構造を提供することができる。また、本発明によれば、手袋等のカバーが不要なため、工数増加、廃棄物増加の心配がない。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の被覆材は、本発明の課題を共通する各種の被覆材に適用可能であるが、中でもロボット把持部の被覆構造(エアチャック把持部の被覆構造を含む)に適用することが好ましい。
図1は、ロボット把持部の被覆構造の一例を示す断面図であり、同図において、ロボット把持部の被覆材1は、把持側から、外層100、内層101と、基材(ロボット把持部)102とを備える。
基材(ロボット把持部)102は、図示しないロボット駆動機構により所望の把持機能を発揮する。
内層101は、弾性体によって構成される。また外層100は、弾性体によって構成され、物体を把持する際に、該物体に直接接触する部位である。
内層101と外層100は共に弾性体によって構成されるが、本発明においては、内層の弾性体は、外層の弾性体よりも、軟質である弾性体によって構成される。そして、外層の弾性体は、内層の弾性体よりも、架橋密度の大きい弾性体によって構成される。つまり、外層の弾性体は、内層の弾性体よりも、硬質である。
本発明において、内層101と外層100の両方に抗菌剤200を配合してもよいし、内層101のみに抗菌剤を配合してもよい。
本発明において、抗菌剤は、滅菌、殺菌、消毒、除菌、制菌、静菌、防腐、防カビ、防菌などの何れか1種または2種以上の組み合わせによって、微生物の発生・増殖の抑制から死滅に至るまでの広い範囲の微生物制御機能を発揮するものをいう。
抗菌性を付与する抗菌剤は、無機系、有機系、天然系のいずれのものであってもよい。
たとえば、無機系の抗菌剤としては、人体や動物には有害でなく、微生物に対して殺菌機能や増殖抑制機能を持つ金属として、銀、銅、亜鉛などが用いられる。
無機系抗菌剤の中でも、抗菌性金属としては、安全性や機能性の観点から、銀系が好ましく用いられ、それらの銀系抗菌剤は、単体として用いることもできるが、ゼオライト(結晶性アルミノケイ酸塩)、シリカゲル、粘土鉱物などのケイ酸塩系担体、リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウムなどのリン酸塩系担体、溶解性ガラス、活性炭などの担持体に担持されて用いることもできる。これらの担持体は、粒状であっても粉体であってもよい。
抗菌性金属を担持体に担持させる方法として、たとえばゼオライトを抗菌性金属イオンの水溶液に、所定のpH条件で、所定温度、所定時間浸漬してゼオライト中のイオン交換可能なイオンの一部または全部を抗菌性金属イオンで置換させ、イオン交換終了後、水洗し、加熱乾燥して得る方法などがある。
金属系の抗菌剤を内層や外層に配合させる手法は特に限定されないが、たとえば練りこみ手法を好ましく例示できる。
銀系抗菌剤の抗菌活性に関しては、表面酸化や溶液中に溶け出した金属イオンに起因すると考えられ、その抗菌メカニズムについては、(1)銀イオン(Ag+)が細菌内に取り込まれ、細胞内の酵素の阻害を引き起こすか、(2)イオンの触媒作用によって、空中の酸素あるいは水に溶けた酸素を活性酸素に変え、できた活性酸素が抗菌性を発揮するものと、考えている。
有機系の抗菌剤としては、ベンゾイミダゾール系の有機系抗菌剤などが挙げられる。また天然系の抗菌剤としては、ワサビやショウガ、竹の葉やヒノキの葉のような植物、ヒノキチオールやヒバ油のような植物抽出物が用いられる。
抗菌剤の配合量は、被覆材の使用目的により、適宜変更することができるが、内層に配合して外層へ拡散移動させる場合には、内層に層形成上可能な範囲でできる限り多く配合させることが好ましい。
また内層から外層への拡散移動を遅らせるために、内層以外に、あらかじめ外層に抗菌剤を配合することもできる。
<各層の材質>
内層101、外層100に用いられる弾性体材料は、格別限定されるものではないが、例えばゴム、シリコン、ウレタン、ゲルなどが挙げられる。中でも、外層にシリコーンゴムやウレタンゴム、内層にシリコーンゲルやウレタンゲルを用いることが好ましい。
内層101、外層100に用いられる弾性体材料は、格別限定されるものではないが、例えばゴム、シリコン、ウレタン、ゲルなどが挙げられる。中でも、外層にシリコーンゴムやウレタンゴム、内層にシリコーンゲルやウレタンゲルを用いることが好ましい。
内層101と外層100とは、同じ系統の材質であってもよいし、それぞれ異なる系統の材質であってもよい。しかし、層間に高い接着性を付与できるため、内層と外層とは同じ系統の材質であることが好ましい。
本態様において、外層100は、内層101よりも架橋密度が大きく、硬質な弾性体によって構成される。
本態様によれば、把持部被覆材を二層構造にし、把持物体に触れる側(外層)を架橋密度の大きい、硬質な弾性体にすることで、物体を把持することができる程度の弾性を持つことができる。
つまり、外層(把持側)に硬質な弾性体を用いることで、適度な摩擦係数が得られ、すべりを抑制でき、内層(ハンド側)に軟質な弾性体を用いることで、把持の際に物体にかかる力を低減できるため、物体の破損が抑制され、さらに、把持の際に物体の形状に沿って弾性体が変形することで、把持の安定性が向上する。
そして、ゴムやゲルなどの材料は、軟質な弾性体ほど架橋密度が小さいので、把持部を被覆する被覆材が軟質な弾性体の場合には、抗菌剤成分の移動の自由度は高いが(濃度の減少速度が速くなる)、内層から外層に向かって抗菌剤成分が拡散しても、抗菌剤成分が拡散しにくい外層が把持側に構成されることで、内層に配合されている抗菌剤成分の把持側(把持物体)への拡散を低減することができる。これらの架橋密度の異なる2層構成の層形成により、清潔性を長期間保持できる。
内層101の具体的な硬度は、好ましくはショアA硬度0〜30度、より好ましくは0〜10度の軟質な材質を用いる。外層100の具体的な硬度は内層よりも高い硬度、好ましくはショアA硬度40〜90度の材質を用いる。各層の硬度は、樹脂材料の変更や主剤と硬化剤の混合比を変更することによって調整することができる。
各層の厚みについて、外層の厚み(T2)は内層の厚み(T1)より十分に小さく設定することが、物体に内層の弾性を影響させやすくするので好ましい。
外層の厚み(T2)は内層の厚み(T2)の1/4倍以下に設定することがより好ましい。相対的に低硬度で柔軟性の高い内層弾性体の方が外層弾性体よりも厚くなるため、物体に内層の弾性をさらに影響させやすくすることができるからである。
被覆材1全体の厚みは、一般に2〜20mm、好ましくは4〜10mmとされる。各層11、12のそれぞれの厚みはこの範囲内で適宜設定されるが、外層の厚み(T2)は0.1〜2.0mm、好ましくは0.3〜1.0mmの範囲で設定する。内層の厚み(T1)は0.5〜20.0mm、好ましくは2.0〜20.0mmの範囲で設定する。
また、被覆材は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。
<被覆材の製造方法>
弾性体を製造する方法は、ゲルシートを製造する適宜公知の方法を採用することができ、例えば注型成形、射出成形、圧縮成形、遠心成形等を採用することができる。成形温度は一般に室温〜100℃とされる。
弾性体を製造する方法は、ゲルシートを製造する適宜公知の方法を採用することができ、例えば注型成形、射出成形、圧縮成形、遠心成形等を採用することができる。成形温度は一般に室温〜100℃とされる。
内層と外層は、それぞれ別工程で製造した後に両者を積層してもよいし、例えば内層弾性体の一方の面に外層弾性体となる樹脂材料を塗布等することによって積層してもよい。一体成形を行なう場合の成形順序は内層、外層どちらを先にしてもよい。層間の接着は、ゲルシートの材質同士の密着性によってなされる。
上記のように作製した被覆材を、ロボット把持部102に接合する。接合手法は格別限定されない。
次に、図2に基づいて、エアチャック把持部に本発明を適用した一例を説明する。
図2において、2はエアチャックであり、3は第1把持部、4は第2把持部である。第1把持部3と第2把持部4の周囲には、本発明の被覆材1が設けられている。
被覆材1は、外層100と内層101からなる。外層100と内層101の構成は、図1の態様で説明した構成と同一であるので、その説明を省略する。
以下に、本発明の実施例について説明するが、かかる実施例によって本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
シリコンゲル原料と市販の銀系抗菌剤適量を遠心成形機に投入して、温度100℃、回転数1000rpmの条件でゲル化させて、内層シートを形成した。
次いで、シリコンゴム原料に、市販の銀系抗菌剤適量を投入して同様の条件で硬化させ、前記内層片面に外層を積層して2層構成の被覆材1を得た。
シリコンゲル原料と市販の銀系抗菌剤適量を遠心成形機に投入して、温度100℃、回転数1000rpmの条件でゲル化させて、内層シートを形成した。
次いで、シリコンゴム原料に、市販の銀系抗菌剤適量を投入して同様の条件で硬化させ、前記内層片面に外層を積層して2層構成の被覆材1を得た。
得られた被覆材全体の厚みは3.5mmであり、そのうち内層の厚みは3.0mm、外層の厚みは0.5mmであった。
また、各層の硬度を、JIS K6253(1997)に準拠し、デュロメータA硬度を測定した。その結果、内層のショアA硬度は0度であり、外層のショアA硬度は60度であった。
(実施例2)
外層を形成する際に、銀系抗菌剤を含まない以外は、実施例1と同一の方法により被覆材2を製造した。
外層を形成する際に、銀系抗菌剤を含まない以外は、実施例1と同一の方法により被覆材2を製造した。
<被覆材の評価試験>
得られた被覆材1、2から、厚み3.5mm、縦5cm、横5cmの試験片1、2を得て、各試験片に対して以下の評価試験を実施した。
得られた被覆材1、2から、厚み3.5mm、縦5cm、横5cmの試験片1、2を得て、各試験片に対して以下の評価試験を実施した。
・抗菌性評価
JIS Z2801に準じて、黄色ブドウ球菌、大腸菌に対する抗菌性試験を行った。
JIS Z2801に準じて、黄色ブドウ球菌、大腸菌に対する抗菌性試験を行った。
<結果>
本発明の被覆材からなる試験片1、2において、抗菌効果が確認できた。
また、試験片1、2について、大気中に1ヵ月放置した後、同様の実験を行なったところ、同様に抗菌効果が確認できた。
またさらに、試験片1、2について、大気中に2ヶ月放置した後、同様の実験を行なったところ、試験片1に対して抗菌効果が確認できた。一方、試験片2については、試験片作成直後の抗菌効果と比べ若干抗菌効果が落ちていることが確認できた。
本発明の被覆材からなる試験片1、2において、抗菌効果が確認できた。
また、試験片1、2について、大気中に1ヵ月放置した後、同様の実験を行なったところ、同様に抗菌効果が確認できた。
またさらに、試験片1、2について、大気中に2ヶ月放置した後、同様の実験を行なったところ、試験片1に対して抗菌効果が確認できた。一方、試験片2については、試験片作成直後の抗菌効果と比べ若干抗菌効果が落ちていることが確認できた。
以上の結果より、被覆材を二層構造にし、内層の弾性体を外層の弾性体よりも軟質である弾性体によって構成し、外層の弾性体を内層の弾性体よりも架橋密度が大きく、硬質である弾性体によって構成することで、内層と外層に含まれる抗菌作用が長期間保持されることが証明された。
また、外層に抗菌剤を含まず、内層にのみ抗菌剤を含む被覆材であっても、抗菌作用は一定期間保持されることが証明された。
よって、本発明によれば、把持時に物体をすべって落としたり、破損したりすることがなく把持の安定性に優れ、且つ把持物体への抗菌剤成分の拡散を低減し、清潔性を長期間保持することができる被覆材、ロボット把持部の被覆構造(エアチャック把持部の被覆構造を含む)を提供することができることが立証された。
また、本発明によれば、把持部の清潔性を保つために手袋等のカバーが不要なため、工数増加、廃棄物増加の心配がない。
1:被覆材
100:外層
101:内層
102:基材、ロボット把持部
100:外層
101:内層
102:基材、ロボット把持部
<各層の材質>
内層101、外層100に用いられる弾性体材料は、格別限定されるものではないが、例えばゴム、シリコーン、ウレタン、ゲルなどが挙げられる。中でも、外層にシリコーンゴムやウレタンゴム、内層にシリコーンゲルやウレタンゲルを用いることが好ましい。
内層101、外層100に用いられる弾性体材料は、格別限定されるものではないが、例えばゴム、シリコーン、ウレタン、ゲルなどが挙げられる。中でも、外層にシリコーンゴムやウレタンゴム、内層にシリコーンゲルやウレタンゲルを用いることが好ましい。
(実施例1)
シリコーンゲル原料と市販の銀系抗菌剤適量を遠心成形機に投入して、温度100℃、回転数1000rpmの条件でゲル化させて、内層シートを形成した。
次いで、シリコーンゴム原料に、市販の銀系抗菌剤適量を投入して同様の条件で硬化させ、前記内層片面に外層を積層して2層構成の被覆材1を得た。
シリコーンゲル原料と市販の銀系抗菌剤適量を遠心成形機に投入して、温度100℃、回転数1000rpmの条件でゲル化させて、内層シートを形成した。
次いで、シリコーンゴム原料に、市販の銀系抗菌剤適量を投入して同様の条件で硬化させ、前記内層片面に外層を積層して2層構成の被覆材1を得た。
Claims (8)
- 物体を把持する機能を有する基材の表面に、内層を備え、該内層の表面に前記物体に接触して把持する外層を備え、
該内層および外層は、共に弾性体によって構成され、
前記内層の弾性体は、前記外層の弾性体よりも、軟質である弾性体によって構成され、
前記外層の弾性体は、前記内層の弾性体よりも、架橋密度が大きく、硬質である弾性体によって構成され、
前記内層と前記外層の両方または前記内層のみに、抗菌性を付与する抗菌剤を配合してなることを特徴とする被覆材。 - 抗菌性を付与する抗菌剤を前記内層に配合し、該外層へ拡散移動させて抗菌機能を発揮する構成を有する請求項1記載の被覆材。
- 前記内層の弾性体の硬度は、ショアA硬度0〜10度であり、前記外層の硬度は、ショアA硬度40〜90度である請求項1又は2記載の被覆材。
- 前記外層に用いる弾性体が、シリコーンゴムまたはウレタンゴムであり、前記内層に用いる弾性体が、シリコーンゲルまたはウレタンゲルである請求項1、2又は3記載の被覆材。
- 物体を把持する機能を有するロボット把持部の表面に、内層を備え、該内層の表面に前記物体に接触して把持する外層を備え、
該内層および外層は、共に弾性体によって構成され、
前記内層の弾性体は、前記外層の弾性体よりも、軟質である弾性体によって構成され、
前記外層の弾性体は、前記内層の弾性体よりも、架橋密度が大きく、硬質である弾性体によって構成され、
前記内層と前記外層の両方または前記内層のみに、抗菌性を付与する抗菌剤を配合してなることを特徴とするロボット把持部の被覆構造。 - 抗菌性を付与する抗菌剤を前記内層に配合し、該外層へ拡散移動させて抗菌機能を発揮する構成を有する請求項5記載のロボット把持部の被覆構造。
- 前記内層の弾性体の硬度は、ショアA硬度0〜10度であり、前記外層の硬度は、ショアA硬度40〜90度である請求項5又は6記載のロボット把持部の被覆構造。
- 前記外層に用いる弾性体が、シリコーンゴムまたはウレタンゴムであり、前記内層に用いる弾性体が、シリコーンゲルまたはウレタンゲルである請求項5、6又は7記載のロボット把持部の被覆構造。
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- 2013-12-10 JP JP2013255068A patent/JP2015112660A/ja active Pending
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