JP2015112560A - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸素貯蔵材料を使用した排ガス浄化用触媒の性能向上に寄与する技術を提供する。【解決手段】本発明の排ガス浄化用触媒は、基材と、前記基材上に設けられた最表面層としての触媒層であって、耐熱性担体と、400℃での酸素放出速度定数が0.06sec-1以上である酸素貯蔵材料と、貴金属とを含んだ触媒層とを具備する。【選択図】なし

Description

本発明は、排ガス浄化用触媒に関する。
従来から、自動車の排ガスを処理する排ガス浄化用触媒としては、アルミナ等の無機酸化物に白金等の貴金属を担持させてなる三元触媒が広く使用されている。この三元触媒では、貴金属は、窒素酸化物の還元反応並びに一酸化炭素及び炭化水素の酸化反応を促進する役割を担っている。また、無機酸化物は、貴金属の比表面積を増大させると共に、反応による発熱を消散させて貴金属のシンタリングを抑制する役割を担っている。
三元触媒は、例えば特許文献1に記載されているように、酸素貯蔵材料と共に使用されることがある。酸素貯蔵材料は、排ガス中の酸素濃度の変動を抑制して、三元触媒が常に優れた性能を発揮することを可能にする。
特開昭63−116741号公報
しかしながら、酸素貯蔵材料を使用した排ガス浄化用触媒には、排ガス浄化性能に関して改善の余地がある。
そこで、本発明は、酸素貯蔵材料を使用した排ガス浄化用触媒の性能向上に寄与する技術を提供することを目的とする。
本発明の一側面によると、基材と、前記基材上に設けられた最表面層としての触媒層であって、耐熱性担体と、400℃での酸素放出速度定数が0.06sec-1以上である酸素貯蔵材料と、貴金属とを含んだ触媒層とを具備した排ガス浄化用触媒が提供される。
本発明によると、酸素貯蔵材料を使用した排ガス浄化用触媒の性能向上に寄与する技術が提供される。
本発明の一態様に係る排ガス浄化用触媒を概略的に示す斜視図。 図1に示す排ガス浄化用触媒の一部を拡大して示す断面図。 本発明の他の態様に係る排ガス浄化用触媒の一部を示す断面図。 酸素放出速度定数の測定において行う昇温還元における温度制御を示すグラフ。 酸素貯蔵材料の酸素放出速度定数とNOx排出量との関係を示すグラフ。
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には全ての図面を通じて同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一態様に係る排ガス浄化用触媒を概略的に示す斜視図である。図2は、図1に示す排ガス浄化用触媒の一部を拡大して示す断面図である。
図1及び図2に示す排ガス浄化用触媒1は、モノリス触媒である。この排ガス浄化用触媒1は、モノリスハニカム基材などの基材2を含んでいる。基材2は、典型的には、コージェライトなどのセラミックス製である。
基材2の隔壁上には、最表面層として触媒層3aが形成されている。触媒層3aは、耐熱性担体と酸素貯蔵材料と貴金属とを含んでいる。
耐熱性担体は、酸素貯蔵材料と比較して熱安定性に優れている。耐熱性担体は、例えば、粒子の形態で存在している。耐熱性担体は、貴金属の比表面積を増大させると共に、反応による発熱を消散させて貴金属のシンタリングを抑制する役割を担っている。
耐熱性担体としては、例えば、アルミナなどの無機酸化物を使用することができる。触媒層3aに占める耐熱性担体の割合は、例えば、5乃至95質量%の範囲内にあり、典型的には20乃至80質量%の範囲内にある。
酸素貯蔵材料は、酸素過剰条件下で酸素を吸蔵し、酸素希薄条件下で酸素を放出して、炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)の酸化反応並びに窒素酸化物(NOx)の還元反応を最適化する。酸素貯蔵材料は、例えば粒子の形態にある。
酸素貯蔵材料は、例えば、酸化セリウム、酸化プラセオジム、酸化セリウムと酸化プラセオジムとの複合酸化物、酸化セリウム及び酸化プラセオジムの少なくとも一方とセリウム及びプラセオジム以外の金属の酸化物との複合酸化物、又は、それらの2以上である。複合酸化物が含むセリウム及びプラセオジム以外の金属元素は、例えば、ジルコニウム、ランタン、イットリウム、ネオジム、及びそれらの2以上である。
排ガス浄化用触媒1の容積に対する酸素貯蔵材料の質量の比は、例えば、5乃至200g/Lの範囲内にあり、典型的には10乃至150g/Lの範囲内にある。この酸素貯蔵材料については、後で更に詳しく説明する。
貴金属は、触媒金属であって、例えば、白金、パラジウム及びロジウムなどの白金族元素からなる粒子である。典型的には、貴金属は、耐熱性担体及び酸素貯蔵材料よりも小さな粒径を有しており、耐熱性担体に又は耐熱性担体と酸素貯蔵材料とに担持されている。排ガス浄化用触媒1の容積に対する貴金属の質量の比は、例えば、0.01乃至10g/Lの範囲内にあり、典型的には0.1乃至5g/Lの範囲内にある。
排ガス浄化用触媒1は、触媒層3aと基材2との間に1以上の触媒層を更に含んでいてもよい。
図3は、本発明の他の態様に係る排ガス浄化用触媒の一部を示す断面図である。図3に示す排ガス浄化用触媒1は、第1触媒層としての触媒層3aと基材2との間に、第2触媒層3bを更に含んでいること以外は、図1及び図2を参照しながら説明した排ガス浄化用触媒1と同様である。
触媒層3bは、耐熱性担体と酸素貯蔵材料と貴金属とを含んでいる。触媒層3bは、触媒層3aとは組成が異なっている。これら耐熱性担体、酸素貯蔵材料及び貴金属としては、例えば、触媒層3aの耐熱性担体、酸素貯蔵材料及び貴金属について例示したものを使用することができる。
なお、典型的には、触媒層3bの酸素貯蔵材料は、後述する酸素放出速度定数が、触媒層3aの酸素貯蔵材料と同等であるか又はそれよりも小さい。後者の場合、触媒層3bの酸素貯蔵材料は、触媒層3aについて後述する酸素放出速度定数の要件を満たしていてもよく、満たしていなくてもよい。また、触媒層3bにおいて、酸素貯蔵材料は省略してもよい。
図3には、触媒層3aと基材2との間に触媒層3bを介在させた構造を描いているが、触媒層3aと基材2との間には、2以上の触媒層を介在させてもよい。この場合、触媒層3aと基材2との間に介在させる各触媒層は、例えば、触媒層3bについて上述したのと同様に構成することができる。
図1乃至図3を参照しながら説明した排ガス浄化用触媒1では、触媒層3aが含んでいる酸素貯蔵材料は、酸素放出速度定数が以下に説明する要件を満たしている。先ず、酸素放出速度定数の測定方法について、図4を参照しながら説明する。
図4は、酸素放出速度定数の測定において行う昇温還元(temperature-programmed reduction: TPR)における温度制御を示すグラフである。図中、横軸は時間を表し、縦軸は温度を表している。
この昇温還元には、例えば、日本ベル株式会社製BELCATを使用する。後述する測定には、熱伝導検出器を使用する。ここでは、一例として、試料の量は0.1mgとする。
先ず、昇温還元に先立ち、試料を調製する。具体的には、酸素貯蔵材料を乳鉢で10分間に亘って粉砕する。この粉砕した酸素貯蔵材料は、大気雰囲気中、120℃で12時間に亘って乾燥させる。その後、これを0.1mg秤量し、試料管(日本ベル株式会社製CAT−TPD−150−Q)に入れ、以下の昇温還元を行う。
昇温還元では、先ず、前処理を行う。前処理では、酸素貯蔵材料に酸素を貯蔵させる。具体的には、試料管(反応室)に入れた0.1mgの酸素貯蔵材料を一定の昇温速度で室温、例えば25℃から500℃まで50分かけて昇温させる。次いで、温度を500℃に10分間に亘って保ち、その後、酸素貯蔵材料を温度が50℃に降下するまで自然冷却する。なお、反応室には、酸素貯蔵材料の昇温を開始してからその温度が50℃に降下するまでの期間に亘り、純酸素ガスを30cc/分の流量で供給し続ける。続いて、純酸素ガスの供給を停止し、温度を50℃に保ったまま、反応室へ純アルゴンガスを30cc/分の流量で60分間に亘って供給する。これにより、前処理を終了する。
前処理に続いて、測定を行う。具体的には、反応室へ5体積%の水素ガスと95体積%のアルゴンガスとの混合ガスを30cc/分の流量で供給しながら、昇温速度βを2℃/分に設定して、酸素貯蔵材料を50℃から900℃まで昇温させる。そして、この昇温の間、熱伝導度検出器により雰囲気の熱伝導度の測定を行う。
なお、酸素貯蔵材料が放出した酸素は水素と反応して水を生成する。熱伝導度の変化には、主にこの水が寄与している。
次に、測定時の昇温速度βを10℃/分とすること以外は、上述したのと同様の前処理及び測定を行う。更に、測定時の昇温速度βを30℃/分とすること以外は、上述したのと同様の前処理及び測定を行う。
その後、このようにして得られた3つの熱伝導度曲線の各々から、熱伝導度が最大となる温度Tmを求める。そして、デカルト座標に点(1/Tm,2lnTm−lnβ)をプロットし、最小二乗法により直線を得る。
この直線の傾きE/Rと気体定数Rとから、活性化エネルギーEを算出する。また、この直線のy軸切片ln[E/(A・R・P)]と、活性化エネルギーEと、気体定数Rと、混合ガスにおける水素ガスの体積分率P(=0.05)とから、頻度因子Aを算出する。これら活性化エネルギーE、頻度因子A及び気体定数Rと、後述するアレニウスの式(10)とから、温度Tが400℃(=673.16K)である場合の速度定数kを求める。この速度定数kを、酸素放出速度定数とする。
ここで、先の直線の意味について説明する。
酸素の水素との反応の速度定数kは、温度Tを高めると大きくなる。他方、雰囲気中の酸素ガスの体積分率θは、或る温度までは温度Tの上昇に伴って大きくなるが、或る温度を超えると温度上昇に伴って小さくなる。その結果、雰囲気中の水の濃度Cは、極大値を有することとなる。この濃度Cが最大となる温度は、雰囲気の熱伝導度が最大となる温度Tmと等しい。従って、上記の測定により、温度Tmを調べている。
測定時の或る時点において、反応室内の雰囲気における酸素ガス及び水素ガスの体積分率がそれぞれθ及びPであり、酸素の水素との反応の速度定数がkであるとする。この場合、微小時間dtに対する酸素ガスの体積分率θの変化−dθは、以下の式(1)で表すことができる。
−dθ/dt=k・θ・P …(1)
また、昇温速度βは、以下の式(2)のように、微小時間dtに対する温度変化dTの比として表すことができる。
β=dT/dt …(2)
これら式(1)及び(2)から、以下の式(3)を導くことができる。
−β・dθ/dT=k・θ・P …(3)
また、測定時に反応室へ供給するガスの流量をFとし、酸素と水素との反応により生じた水の雰囲気中における濃度をCとし、固体中の単位体積当たりの活性サイトの数をVsνmとすると、流量Fと濃度Cとの積は、以下の式(4)で表すことができる。
F・C=k・Vsνm・θ・P …(4)
この式(4)は、以下の式(5)のように変形することができる。
C=k・Vsνm・θ・P/F …(5)
流量F、体積分率P及び活性サイトの数Vsνmは、温度Tに依存しない。従って、式(5)を温度Tで微分すると、以下の式(6)が得られる。
dC/dT=Vsνm・P/F・d(k・θ)/dT …(6)
熱伝導度が最大となる温度Tmでは、微小な温度変化dTに対する濃度Cの変化はゼロであると見做すことができる。従って、温度Tmでは、式(6)は、以下の式(7)に示すように簡略化することができる。
d(k・θ)/dT=0 …(7)
また、熱伝導度が最大となる温度Tmでは、式(7)の左辺は、以下の式(8)のように近似することができる。
d(k・θ)/dT≒dk/dT・θ+k・dθ/dT …(8)
式(7)に示すように、式(8)の左辺はゼロである。従って、式(8)から、以下の式(9)を導くことができる。
dk/dT・θ+k・dθ/dT=0 …(9)
また、以下のアレニウスの式(10)を微分すると、以下の式(11)が得られる。
k=A・e-E/(R・T) …(10)
dk/dT=k・E/(R・T2) …(11)
従って、式(9)と式(3)及び(11)とから、以下の式(12)を導くことができる。
E/(R・T2)・θ−k・θ・P/β=0 …(12)
式(12)を変形すると、以下の式(I)が得られる。
2lnTm−lnβ=E/(R・Tm)+ln[E/(A・R・P)] …(I)
なお、式(I)の導出方法については、R.J.Cvetanovic及びY.Amenomiya著「Application of a Temperature−Programmed Desorption Technique to Catalyst Studies」、Advances in Catalysis、1967年、第17巻、第103乃至第149頁も参照されたい。
図1乃至図3を参照しながら説明した排ガス浄化用触媒1では、触媒層3aが含んでいる酸素貯蔵材料は、温度Tが400℃である場合の酸素放出速度定数kが、0.06sec-1以上、好ましくは0.4sec-1以上、より好ましくは1.3sec-1以上である。
このような酸素貯蔵材料を使用すると、排ガスの組成変動が排ガス浄化性能に及ぼす影響を小さくすることができる。即ち、優れた性能を達成することが可能となる。
なお、触媒層3aが含んでいる酸素貯蔵材料の酸素放出速度定数kに上限を設定する必要はないが、温度Tが400℃である場合の酸素放出速度定数kは、例えば10sec-1以下、典型的には8sec-1以下である。
上述した酸素貯蔵材料は、例えば、以下の方法により製造することができる。
先ず、酸素貯蔵材料が含んでいる金属の塩を水に溶解させてなる混合溶液を調製する。典型的には、この混合溶液には、例えば、ポリビニルピロリドンを更に含有させる。
次に、この混合溶液において共沈を生じさせる。例えば、この混合溶液のpH値を高めることにより、共沈を生じさせる。このpHの調整には、例えば、尿素を使用する。典型的には、この共沈は、混合溶液を加熱した状態で生じさせる。例えば、混合溶液を90乃至95℃に加熱した状態で共沈を生じさせる。
次いで、この共沈物を含んだ溶液に、ヒドラジンとL−グルタミン酸水素ナトリウム一水和物とを添加する。そして、この液を、例えば90乃至95℃の温度に加熱しながら、十分に長い時間に亘って撹拌する。
その後、この溶液の濾過、並びに、濾過ケークの洗浄、乾燥及び焼成を行う。以上のようにして、酸素貯蔵材料を得る。
以下に、本発明の例を記載する。
<触媒Aの製造>
排ガス浄化用触媒を、以下の方法により製造した。
先ず、セリウムを酸化セリウム(CeO2)換算で20質量%の濃度で含んだ200gの硝酸セリウム溶液と、ジルコニウムを酸化ジルコニウム(ZrO2)換算で10質量%の濃度で含んだ550gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液と、ランタンを酸化ランタン(La23)換算で10質量%の濃度で含んだ20gの硝酸ランタン溶液と、イットリウムを酸化イットリウム(Y23)換算で10質量%の濃度で含んだ30gの硝酸イットリウム溶液と、0.1gのポリビニルピロリドンK−30とを、1300mLのイオン交換水に添加し、これを撹拌することにより、混合溶液を調製した。
次に、この混合溶液を90乃至95℃に加熱した。その後、この混合溶液に、尿素をpH値が11になるまで添加した。これにより、共沈物を得た。
その後、この共沈物を含んだ溶液に、26gのヒドラジンと、12gのL−グルタミン酸水素ナトリウム一水和物とを添加し、この液を90乃至95℃の温度で24時間に亘って撹拌した。
次いで、この溶液を濾過し、濾過ケークを純水で洗浄した。続いて、これを110℃で乾燥させ、更に、大気雰囲気中、800℃で5時間に亘って焼成した。以上のようにして、セリウム−ジルコニウム−ランタン−イットリウム酸化物からなる100gの酸素貯蔵材料を粉末の形態で得た。以下、この酸素貯蔵材料をOSC材aという。
このOSC材aについて、図4を参照しながら説明した方法により、温度Tが400℃である場合の酸素放出速度定数kを求めた。なお、ここでは、日本ベル株式会社製のBELCAT及びCAT−TPD−150−Qを使用した。その結果、この酸素放出速度定数kは、2.412sec-1であった。
次に、50gのOSC材aと、50gのアルミナ粉末と、2gのパラジウムを含んだ硝酸パラジウム水溶液とを混合して、スラリーを調製した。
次いで、全長が100mmであり、容積が1.0Lであり、1平方インチ当り900個のセルが設けられたモノリスハニカム基材を準備した。このモノリスハニカム基材に、先のスラリーの全量をコートした。これを、250℃で1時間に亘って乾燥させ、次いで、500℃で1時間に亘って焼成した。
以上のようにして、排ガス浄化用触媒を得た。以下、この排ガス浄化用触媒を、触媒Aという。
<触媒Bの製造>
共沈物を含んだ溶液へのヒドラジン及びL−グルタミン酸水素ナトリウム一水和物の添加直後に行う撹拌の時間を、24時間から14時間へと変更したこと以外は、OSC材aについて上述したのと同様の方法により酸素貯蔵材料を得た。以下、この酸素貯蔵材料をOSC材bという。
このOSC材bについて、OSC材aに対して行ったのと同様の方法により、温度Tが400℃である場合の酸素放出速度定数kを求めた。その結果、この酸素放出速度定数kは、2.172sec-1であった。
次に、OSC材aの代わりにOSC材bを用いたこと以外は、触媒Aについて上述したのと同様の方法により排ガス浄化用触媒を得た。以下、この排ガス浄化用触媒を、触媒Bという。
<触媒Cの製造>
共沈物を含んだ溶液へのヒドラジン及びL−グルタミン酸水素ナトリウム一水和物の添加直後に行う撹拌の時間を、24時間から6時間へと変更したこと以外は、OSC材aについて上述したのと同様の方法により酸素貯蔵材料を得た。以下、この酸素貯蔵材料をOSC材cという。
このOSC材cについて、OSC材aに対して行ったのと同様の方法により、温度Tが400℃である場合の酸素放出速度定数kを求めた。その結果、この酸素放出速度定数kは、1.376sec-1であった。
次に、OSC材aの代わりにOSC材cを用いたこと以外は、触媒Aについて上述したのと同様の方法により排ガス浄化用触媒を得た。以下、この排ガス浄化用触媒を、触媒Cという。
<触媒Dの製造>
共沈物を含んだ溶液へのヒドラジン及びL−グルタミン酸水素ナトリウム一水和物の添加直後に行う撹拌の時間を、24時間から0.25時間へと変更したこと以外は、OSC材aについて上述したのと同様の方法により酸素貯蔵材料を得た。以下、この酸素貯蔵材料をOSC材dという。
このOSC材dについて、OSC材aに対して行ったのと同様の方法により、温度Tが400℃である場合の酸素放出速度定数kを求めた。その結果、この酸素放出速度定数kは、0.471sec-1であった。
次に、OSC材aの代わりにOSC材dを用いたこと以外は、触媒Aについて上述したのと同様の方法により排ガス浄化用触媒を得た。以下、この排ガス浄化用触媒を、触媒Dという。
<触媒Eの製造>
共沈物を含んだ溶液へのL−グルタミン酸水素ナトリウム一水和物の添加を省略し、共沈物を含んだ溶液へのヒドラジンの添加直後に行う撹拌の時間を24時間から0.25時間へと変更したこと以外は、OSC材aについて上述したのと同様の方法により酸素貯蔵材料を得た。以下、この酸素貯蔵材料をOSC材eという。
このOSC材eについて、OSC材aに対して行ったのと同様の方法により、温度Tが400℃である場合の酸素放出速度定数kを求めた。その結果、この酸素放出速度定数kは、0.067sec-1であった。
次に、OSC材aの代わりにOSC材eを用いたこと以外は、触媒Aについて上述したのと同様の方法により排ガス浄化用触媒を得た。以下、この排ガス浄化用触媒を、触媒Eという。
<触媒Fの製造>
排ガス浄化用触媒を、以下の方法により製造した。
先ず、セリウムを酸化セリウム(CeO2)換算で20質量%の濃度で含んだ200gの硝酸セリウム溶液と、ジルコニウムを酸化ジルコニウム(ZrO2)換算で10質量%の濃度で含んだ550gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液と、ランタンを酸化ランタン(La23)換算で10質量%の濃度で含んだ20gの硝酸ランタン溶液と、イットリウムを酸化イットリウム(Y23)換算で10質量%の濃度で含んだ30gの硝酸イットリウム溶液とを、1300mLのイオン交換水に添加し、これを撹拌することにより、混合溶液を調製した。
次に、この混合溶液に、室温のもと、25質量%の濃度でアンモニアを含んだアンモニア水溶液をpH値が12になるまで添加した。これにより、共沈物を得た。
この共沈物を含んだ溶液を、80乃至90℃で120分間に亘って撹拌した。次いで、この溶液を濾過し、濾過ケークを純水で洗浄した。続いて、これを110℃で乾燥させ、更に、大気雰囲気中、800℃で5時間に亘って焼成した。以上のようにして、セリウム−ジルコニウム−ランタン−イットリウム酸化物からなる100gの酸素貯蔵材料を粉末の形態で得た。以下、この酸素貯蔵材料をOSC材fという。
このOSC材fについて、OSC材aに対して行ったのと同様の方法により、温度Tが400℃である場合の酸素放出速度定数kを求めた。その結果、この酸素放出速度定数kは、0.014sec-1であった。
次に、OSC材aの代わりにOSC材fを用いたこと以外は、触媒Aについて上述したのと同様の方法により排ガス浄化用触媒を得た。以下、この排ガス浄化用触媒を、触媒Fという。
<触媒Gの製造>
排ガス浄化用触媒を、以下の方法により製造した。
先ず、アンモニア水溶液の添加直後の撹拌を、80乃至90℃で120分間に亘って行う代わりに、室温で60分間に亘って行ったこと以外は、OSC材fについて上述したのと同様の方法により酸素貯蔵材料を得た。以下、この酸素貯蔵材料をOSC材gという。
このOSC材gについて、OSC材aに対して行ったのと同様の方法により、温度Tが400℃である場合の酸素放出速度定数kを求めた。その結果、この酸素放出速度定数kは、0.011sec-1であった。
次に、25gのOSC材gと、25gのアルミナ粉末と、1gのパラジウムを含んだ硝酸パラジウム水溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを、スラリーgと呼ぶ。
次いで、このスラリーgの全量を、触媒Aの製造において使用したのと同様のモノリスハニカム基材にコートした。これを、250℃で1時間に亘って乾燥させ、次いで、500℃で1時間に亘って焼成した。
次に、25gのOSC材aと、25gのアルミナ粉末と、1gのパラジウムを含んだ硝酸パラジウム水溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを、スラリーaと呼ぶ。
その後、このスラリーaの全量を、スラリーgをコートしたモノリスハニカム基材にコートした。これを、250℃で1時間に亘って乾燥させ、次いで、500℃で1時間に亘って焼成した。
以上のようにして、排ガス浄化用触媒を得た。以下、この排ガス浄化用触媒を、触媒Gという。
<触媒Hの製造>
排ガス浄化用触媒を、以下の方法により製造した。
先ず、スラリーgの全量を、触媒Aの製造において使用したのと同様のモノリスハニカム基材にコートした。これを、250℃で1時間に亘って乾燥させ、次いで、500℃で1時間に亘って焼成した。
次に、25gのOSC材cと、25gのアルミナ粉末と、1gのパラジウムを含んだ硝酸パラジウム水溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを、スラリーcと呼ぶ。
その後、このスラリーcの全量を、スラリーgをコートしたモノリスハニカム基材にコートした。これを、250℃で1時間に亘って乾燥させ、次いで、500℃で1時間に亘って焼成した。
以上のようにして、排ガス浄化用触媒を得た。以下、この排ガス浄化用触媒を、触媒Hという。
<触媒Iの製造>
排ガス浄化用触媒を、以下の方法により製造した。
先ず、スラリーgの全量を、触媒Aの製造において使用したのと同様のモノリスハニカム基材にコートした。これを、250℃で1時間に亘って乾燥させ、次いで、500℃で1時間に亘って焼成した。
次に、25gのOSC材fと、25gのアルミナ粉末と、1gのパラジウムを含んだ硝酸パラジウム水溶液とを混合して、スラリーを調製した。以下、このスラリーを、スラリーfと呼ぶ。
その後、このスラリーfの全量を、スラリーgをコートしたモノリスハニカム基材にコートした。これを、250℃で1時間に亘って乾燥させ、次いで、500℃で1時間に亘って焼成した。
以上のようにして、排ガス浄化用触媒を得た。以下、この排ガス浄化用触媒を、触媒Iという。
<評価>
触媒A乃至Iの性能を以下の方法により調べた。
先ず、触媒A乃至Iの各々を、排気量が1.0Lのガソリンエンジンを有している自動車に搭載した。そして、各自動車をJC08モードに従って走行させ、非メタン炭化水素(NMHC)、CO及びNOxの各々について走行距離1km当たりの排出量を測定した。その結果を、以下の表1及び図5に纏める。なお、表1に示す各排出量は、ホットスタート時に得られた測定値とコールドスタート時に得られた測定値とのコンバイン値である。
図5は、酸素貯蔵材料の酸素放出速度定数とNOx排出量との関係を示すグラフである。横軸は酸素貯蔵材料の400℃における酸素放出速度定数kを表し、縦軸はNOx排出量を表している。
表1及び図5に示す触媒A乃至Fのデータから明らかなように、400℃における酸素放出速度定数kが0.06sec-1以上である場合、NMHC、CO及びNOxの各々の排出量を低減することができた。
また、表1の触媒G乃至Iのデータから明らかなように、複数の触媒層を積層した場合、最表面層としての触媒層において、酸素放出速度定数kが大きな酸素貯蔵材料を使用すれば、他の触媒層において酸素放出速度定数kが小さな酸素貯蔵材料を使用したとしても、NMHC、CO及びNOxの各々の排出量を十分に低減することができた。
1…排ガス浄化用触媒、2…基材、3a…触媒層、3b…触媒層。

Claims (6)

  1. 基材と、
    前記基材上に設けられた最表面層としての第1触媒層であって、第1耐熱性担体と、400℃での酸素放出速度定数が0.06sec-1以上である第1酸素貯蔵材料と、第1貴金属とを含んだ第1触媒層と
    を具備した排ガス浄化用触媒。
  2. 前記第1酸素貯蔵材料は前記酸素放出速度定数が0.4sec-1以上である請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 前記第1酸素貯蔵材料は、セリウム及びプラセオジムの少なくとも一方を含んだ請求項1又は2に記載の排ガス浄化用触媒。
  4. 前記第1酸素貯蔵材料は、ジルコニウム、ランタン、イットリウム及びネオジムからなる群より選ばれる少なくとも1つを更に含んだ請求項3に記載の排ガス浄化用触媒。
  5. 前記第1酸素貯蔵材料を容積1L当り5乃至200gの量で含んだ請求項1乃至4の何れか1項に記載の排ガス浄化用触媒。
  6. 前記基材と前記第1触媒層との間に介在し、第2耐熱性担体と、第2酸素貯蔵材料と、第2貴金属とを含んだ第2触媒層を更に具備した請求項1乃至5の何れか1項に記載の排ガス浄化用触媒。
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