JP2015112514A - ニッケルおよびホウ素を含む触媒及びその製造方法 - Google Patents

ニッケルおよびホウ素を含む触媒及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐硫黄性の高いニッケル触媒及びその製造方法の提供。【解決手段】ニッケル触媒に、ニッケルの含有量に対し一定量のホウ素を添加すること。【選択図】なし

Description

本発明はニッケル及びホウ素を含む触媒及びその製造方法に関する。
活性成分としてニッケルを含む触媒(以下、ニッケル触媒)は、1897年頃に気相水素化反応に使用し、その有効性が認められて以来、各種の固体触媒中最も広く使用され、その研究も盛んに行われてきた。ニッケル触媒は、合成化学上重要な触媒であり、主に水素化反応、脱水素反応に使用されている。また、これ以外にも還元脱硫、還元アルキル化、還元アミノ化、レドックス反応にも使用されている。更に、触媒用途以外でも硫黄や酸素の吸着剤として優れた特性を示すことが知られている。
ニッケル触媒の活性成分は、金属状態のニッケルである。しかし、金属状態のニッケルは、前述の通り、硫黄や酸素を吸着しやすい。これらの物質が、金属状態のニッケルに吸着すると、ニッケルが金属状態でなくなるため触媒活性を失う。酸素が吸着する場合は、水素で触媒を再度還元することで触媒活性を回復することができる。しかし、硫黄が吸着した場合、触媒活性を回復することは困難である。したがって、硫黄はニッケル触媒の被毒成分として広く知られている。
一般的に、原油/ナフサ等の熱分解工程から誘導される各種オレフィン系炭化水素類、特に芳香族類やオレフィン系高分子類(石油樹脂類)を高付加価値の化合物にするための水素化反応では、前述のニッケル触媒が使用されている。しかし、原料に微量の硫黄化合物(チオール、スルフィド、チオフェン、ジベンゾチオフェンなど)が含まれている場合、触媒の不活性化をもたらす。このことから、硫黄の影響を受けにくいニッケル触媒が研究されている。
例えば、特許文献1には、ニッケル触媒にモリブデン、ランタン、バリウム、カルシウム、銅、カリウムを含有させることで、硫黄による触媒活性の低下を抑制することができることが記載されている。また、これらの化合物の中で、特にモリブデンが好ましいと記載されており、その所望量は0.2〜14%と請求項に記載されている。
さらに、特許文献2には、ニッケル触媒に銅及びクロム酸化物を4〜20重量%含有させることで、硫黄による触媒活性の低下を抑制する触媒の製造方法が記載されている。
これらに使用される元素又は化合物は、一般的に遷移金属化合物を使用する場合が多く、高価であったり、環境負荷が大きいことが多い。また、その含有量に対して触媒活性の低下を抑制する機能(以下、耐硫黄性)が必ずしも満足できるものではなかった。
特公昭62−41781号公報 特開2002−173506号公報
本発明は、耐硫黄性の高いニッケル触媒及びその製造方法を提供するものである。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意努力を重ねた結果、ニッケル触媒に、ニッケルの含有量に対し一定量のホウ素を添加することで、触媒反応中においてニッケル触媒の耐硫黄性が向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下に示すような触媒を提供するものである。
(1)ニッケルとホウ素と担体を含む触媒であって、ニッケル含有量が5〜50質量%の範囲にあり、ホウ素が0.05質量%以上5質量%未満であり、次に示すニッケルとホウ素の比率Aが0.010以上0.1未満であるニッケル触媒。
比率A=ホウ素含有量[質量%]/ニッケル含有量[質量%]
(2)X線光電子分光法(XPS)測定によるB1s殻結合エネルギースペクトルのピークが191.0〜191.7eVの範囲にある上記(1)に記載のニッケル触媒。
(3)助触媒としてマグネシウムを0.1〜5質量%含む上記(1)または(2)に記載のニッケル触媒。
(4)以下(a)〜(h)の工程を含むニッケル触媒の製造方法。
(a)担体を含む担体スラリーを調製する工程
(b)ニッケルを含み、pHが1〜7である注加液Aを調製する工程
(c)沈殿剤を含み、沈殿剤のモル量と注加液Aに使用するニッケル原料のモル量の比(沈殿剤のモル量/ニッケル原料のモル量)が1.0〜3.0の範囲となるように注加液Bを調製する工程。
(d)担体スラリーに、注加液A及び注加液Bを注加して沈殿物を得る工程
(e)沈殿物を焼成し、焼成体を得る工程
(f)ホウ素を含む含浸液を調製する工程
(g)ホウ素を含む含浸液を焼成体に吸水担持することによりホウ素担持焼成体を得る工程
(h)ホウ素担持焼成体を焼成し、ニッケル触媒を得る工程
(5)ホウ素担持焼成体を350〜450℃で焼成する上記(4)に記載のニッケル触媒の製造方法。
本発明によれば、耐硫黄性の高いニッケル触媒及びその製造方法が提供される。
[触媒]
本発明における触媒(以下、本触媒)は、触媒を構成する成分として、ニッケル、ホウ素及び担体を含むものである。本触媒は、担体表面にニッケルが担持された構造を有している。本触媒においてホウ素がどのような形態で存在しているかは不明であるが、ニッケルの一部を覆うような形で存在していると考えられる。本触媒は、ニッケルとホウ素の比率A(ホウ素含有量[質量%]/ニッケル含有量[質量%])が0.010以上0.1未満のものである。尚、ニッケルおよびホウ素の含有量は、後述するICP発光分光分析装置の測定値(元素換算)である。この比率Aは0.010〜0.075の範囲にあることが好ましい。比率Aが大きすぎる場合は、触媒活性が低下する可能性がある。また、比率Aが低すぎる場合は、耐硫黄性が十分でない。
本触媒におけるニッケルは、ニッケルの酸化物、金属ニッケル又はその両方が混合したものを含む状態で存在する。本触媒におけるニッケルの含有量は、5〜50質量%であり、特に、10〜25質量%であることが好ましい。ニッケルの含有率が5質量%未満である場合は、十分な触媒活性を得ることができない。また、ニッケルの含有率が50質量%より大きい場合は、活性に大きな影響がないが、ニッケルの含有量が増加するにしたがってコストが増加するため好ましくない。なお、ニッケルの含有量は、ICP発光分光分析によって測定するものとする。具体的には、アルカリ熔融法により試料を溶解した溶液を調製し、ICP発光分光分析装置(例えば、VARIAN社製、ICP730−ES)を用いてニッケルの含有量を算出し、触媒1g当たりに換算して求める。
本触媒におけるホウ素含有量は、ニッケル含有量によって、ニッケルとホウ素の比率Aが0.010以上0.1未満となるように調整される。したがって、ホウ素含有量は、0.05質量%以上5質量%未満であり、特に、0.05〜3.75質量%であることが好ましく、0.1〜1.875質量%であることがより好ましい。なお、ホウ素の含有量は、ニッケルと同様にICP発光分光分析装置によって測定するものとする。ICP発光分光分析装置によってホウ素の含有量を算出し、触媒1g当たりに換算して求める。
本触媒は、X線光電子分光法(XPS)測定におけるB1s殻結合エネルギーのスペクトルのピーク位置が191〜191.7eVの領域にあるものである。これらの範囲にピークが存在すると、触媒の耐硫黄性が向上する。
ここで、ピーク位置とは、XPSにより測定されるスペクトルにおいて、ホウ素(B)の1s軌道から励起される光電子のエネルギーに相当する領域で観測される結合エネルギー(eV)のうち、強度が最大となる結合エネルギー(eV)の位置を意味する。また、B1s殻結合エネルギーは、炭素(C)の1s殻の結合エネルギー(284.5eV)を基準とし、補正されたピーク位置である。
本触媒における担体は、珪藻土、シリカ、水酸化アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニアなど公知の無機化合物を使用することができる。本触媒において、特に水酸化アルミニウム、アルミン酸ナトリウムを使用することが好ましい。これらを担体として使用することで、ニッケルの分散性を良好に保つことができる。
本触媒は、必要によって0.1〜5質量%程度の助触媒を含んでいてもよい。助触媒は、Mg、Zr、Wなどがある。本触媒においては、Mgを含むことが好ましい。助触媒の含有量は、ニッケルと同様にICP発光分光分析装置によって測定するものとする。ICP発光分光分析装置によって助触媒元素の含有量を算出し、触媒1g当たりに換算して求める。
本触媒の比表面積は、240m2/g以上であることが好ましい。比表面積が小さすぎると、触媒活性が低下するため好ましくない。なお、本触媒の比表面積は、窒素吸着法(BET法)により測定するものとする。具体的には、比表面積測定装置(例えば、mountech製、Macsorb1220)を用いて、以下の操作を行って測定する。
(i)試料を約0.2g測定セルに入れる。
(ii)測定セルを窒素ガス気流中、250℃で40分間脱ガス処理を行う。
(iii)測定セルを液体窒素温度に保ち、窒素30容積%とヘリウム70容積%の混合ガスを流通する。
(iv)上記混合ガスを流しながら試料の温度を徐々に室温まで上昇させる
(v)脱離した窒素量を測定し、測定後の試料重量で割り、比表面積を算出する。
本触媒の形態は特に制限はなく、例えば、球状、リング状、円筒状などのタブレットとして成形してもよく、粉末状であってもよい。
本触媒をタブレットとする場合は、最直径が1〜10mmであることが好ましく、3〜5mmであることがより好ましい。
また、本触媒を粉末状とする場合は、粒径が10〜1000μmに整粒されることが好ましく、10〜100μmに整粒されることがより好ましい。この粒径は、レーザー式粒度分布測定装置を用いて測定した粒度分布のメジアン径を指すものとする。
[ニッケル触媒の製造方法]
上記のようなニッケル触媒は、以下の工程を含む製造方法により製造することができる。
[沈殿工程]
沈殿工程は、担体の表面にニッケル化合物(例えば、水酸化ニッケルや炭酸ニッケル等)を沈着させる工程である。本工程では、担体スラリーに注加液Aと注加液Bを同時に注加することにより、担体の表面にニッケル化合物が沈着した沈殿物スラリーを得ることができる(工程(a)〜(d))。尚、本工程は、担体スラリーを調製する工程(a)、注加液Aを調製する工程(b)、注加液Bを調製する工程(c)、担体スラリーに注加液A及び注加液Bを注加して沈殿物を得る工程(d)を含む。
前述の担体スラリーは、担体を水に分散させることにより得られる(工程(a))。また、担体スラリー中に含まれる担体は、水に溶解した状態であってもよい。
前述の注加液Aは、ニッケルを含み、pHが1〜7の範囲にある(工程(b))。注加液Aは、溶解性のニッケル化合物を水に溶解することにより得られる。溶解性のニッケル化合物は、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸ニッケルが好ましい。また、ニッケル金属や難溶性のニッケル化合物を酸で溶解することで、注加液Aを得ることもできる。
前述の注加液Bは、沈殿剤を含み、pHが7〜14の範囲にあることが好ましい。注加液Bは、沈殿剤を水に溶解することにより得られる。沈殿剤は、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、アンモニアが好ましい。また、沈殿剤の添加量は、注加液Aに含まれるニッケルのモル量に対して、1.0〜3.0のモル比で添加する(工程(c))。前述のモル比が1.0より小さい場合、ニッケル化合物が十分に沈殿せず、触媒活性が低下するため好ましくない。また、前述のモル比が3.0より大きい場合、沈殿物の表面に沈殿剤が残留しやすくなり、沈殿剤を除去するために洗浄回数が増加するため、工業的に好ましくない。
[濾過工程]
前述の沈殿工程により得られた沈殿物スラリーは、濾過により沈殿物とろ液に分離される(濾過工程)。濾過の方法は従来公知の方法を使用することができる。例えば、自然ろ過、減圧濾過、加圧濾過、遠心濾過などの方法により濾過をすることができる。特に、工業的にはオリバー型濾過機やフィルタープレスなどの方法により行うことが好ましい。また沈殿物は、必要によって冷水や温水で洗浄する洗浄工程を含むことがある。特に、沈殿物の表面に沈殿剤が残留すると、触媒反応に悪影響を与える可能性があるため、洗浄工程により一定の水準まで除去される。本工程においては、ろ液の電気伝導度が5mS/cm以下となるまで洗浄することが好ましい。
前述の濾過工程により得られた沈殿物は、水分を含んだケーキ状の状態で得られるため、乾燥工程によって更に水分を除去する。乾燥の方法は、従来公知の方法を使用することができる。例えば、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、真空乾燥などの方法により乾燥をすることができる。特に、工業的には加熱乾燥により乾燥することが好ましい。この場合、乾燥温度は、40〜130℃で1〜24時間乾燥することが好ましい。また、乾燥工程により得られた乾燥沈殿物がブロック状で得られる場合は、必要によって粉砕・篩分けすることによって、顆粒状や粉末状に整粒される。
[焼成工程]
前述の乾燥工程により得られた乾燥沈殿物は、焼成工程によってニッケル化合物が分解され、酸化ニッケルと担体を含む焼成体となる(工程(e))。焼成の方法は、従来公知の装置を使用することができる。例えば、マッフル炉、ロータリーキルン、ガス炉などの装置により焼成体を得ることができる。焼成工程において、得られた沈殿物の状態によって最適な条件は異なるが、350〜450℃にて1〜24時間焼成することが好ましい。焼成温度が低すぎると沈殿物の塩が残留する可能性があり好ましくない。また焼成温度が高すぎても、ニッケル酸化物がシンタリング(焼結)を起こし、触媒活性の低下を招く可能性があるため好ましくない。更に、焼成時間が短すぎても同様に沈殿物の塩が残留する可能性があり好ましくない。焼成時間が長すぎても、ニッケル酸化物がシンタリング(焼結)を起こし、触媒活性の低下を招く可能性があるため好ましくない。
[ホウ素担持工程]
前述の焼成工程により得られた焼成体は、ホウ素担持工程によって焼成体の表面にホウ素が担持されたホウ素担持焼成体となる。ホウ素担持の方法は、従来公知の方法を使用することができる。例えば、ホウ素を含む含浸液を調製し(工程(f))、その含浸液を用いて、吸水含浸法により担持することが好ましい。吸水含浸法として、ポアフィリング法、蒸発乾固法、スプレー担持法などがある。これらの方法によりホウ素担持工程を行うことにより、ホウ素担持焼成体を得ることができる(工程(g))。また、焼成体を含浸液に懸濁させ、噴霧乾燥を行うことによってもホウ素担持焼成体を得ることができる。
[再焼成工程]
前述のホウ素担持工程により得られたホウ素担持焼成体は、再焼成工程によってニッケル触媒となる(工程(h))。再焼成の方法は、焼成工程と同様の従来公知の方法を使用することができる。再焼成工程において、ホウ素担持焼成体を、350〜450℃にて1〜24時間再焼成することが好ましい。
前述の再焼成工程にて得られたニッケル触媒は、必要によって還元・安定化処理が施される。通常ニッケル触媒を使用する際は、反応装置内で水素還元処理を行うことで触媒活性が発現する。還元・安定化処理を行わないニッケル触媒では、反応装置内で350〜450℃程度の温度にて水素還元処理を行う必要がある。還元・安定化処理を行ったニッケル触媒では、150〜250℃程度の温度で水素還元処理を行うことができる。反応装置の温度条件に制約がある場合、このような還元・安定化処理を施したニッケル触媒が使用される。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例における触媒活性試験の方法を以下に示す。
[触媒活性試験]
ニッケル触媒0.1gを反応器に充填し、水素気流中450℃で30分還元処理を行った。次に反応温度を170℃に設定した後に、反応器にベンゼンを1μl導入し、ベンゼンの転化率Aを測定した。次に硫黄化合物として硫化ジエチルを3μl反応器に導入し、さらにベンゼンを1μl導入して、ベンゼンの転化率Bを測定した。得られた転化率A及びBの値を用いて、次式から硫黄化合物の被毒による触媒の水素化活性の減少率を求めた。
減少率=(転化率A−転化率B)/転化率A×100
<実施例1>
[沈殿工程]
硫酸ニッケル6水和物、炭酸ナトリウム、水酸化アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、酸化マグネシウムおよび水を用意した。
次に、硫酸ニッケル6水和物987.0gと、水2930gとを混合して注加液Aを調製した。そして、得られた注加液Aを撹拌しながら、80℃に保持した。
次に、炭酸ナトリウム785.0gと、水2643gとを混合して注加液Bを調製した。そして、得られた注加液Bを撹拌しながら、80℃に保持した。
次に、水酸化アルミニウム1077g、アルミン酸ナトリウム178.2gおよび水7460gを混合して担体スラリーを調製した。そして、得られた担体スラリーを撹拌しながら、80℃に保持した。
ポンプを用いて、注加液Aおよび注加液Bを、同時に、担体スラリーへ注加した。注加時間は30分とした。注加終了後も、80℃で1時間攪拌を継続した。その後、得られた沈殿スラリーを、ヌッチェを用いて減圧濾過し、ケーク状の沈殿物を得た。
[濾過工程]
得られた沈殿物の全量を、40℃に調整した14000gの温水に投入した後、懸濁洗浄した。上記操作を、濾液の電気伝導度が5mS/cm以下となるまで繰り返し行った。濾液の電気伝導度が5mS/cm以下となった時点で、酸化マグネシウム22.47gを加え、酸化マグネシウムを含む沈殿物を得た。沈殿物を、電気乾燥機を用いて、120℃で16時間乾燥し、乾燥沈殿物を得た。
[焼成工程]
乾燥沈殿物を、焼成炉にて400℃で5時間焼成して焼成体を得た。
[ホウ素担持工程]
焼成体、ホウ酸、水を用意した。次に、水41.3gに、ホウ酸1.4327gを溶解させ、含浸液を調製した。次に、焼成体50gに含浸液を噴霧し、全量吸水含浸させた。電気乾燥機を用いて、120℃で16時間乾燥することで、ホウ素担持焼成体を得た。ホウ素担持焼成体を、焼成炉にて400℃で5時間焼成して、ニッケル触媒を得た。得られたニッケル触媒について、物性及び触媒活性を測定した結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1にて調製した焼成体、ホウ酸、水を用意した。まず、水41.3gにホウ酸2.8654gを溶解させ、含浸液を調製した。次に焼成体50gに含浸液を噴霧し、全量吸水含浸させた。電気乾燥機を用いて、120℃で16時間乾燥することで、ホウ素担持焼成体を得た。ホウ素担持焼成体を、焼成炉にて400℃で5時間焼成して、ニッケル触媒を得た。得られたニッケル触媒について、物性及び触媒活性を測定した結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例1にて調製した焼成体、ホウ酸、水を用意した。まず、水41.3gにホウ酸2.8654gを溶解させ、含浸液を調製した。次に焼成体50gに含浸液を噴霧し、全量吸水含浸させた。電気乾燥機を用いて、120℃で16時間乾燥することで、ホウ素担持焼成体を得た。次に、水41.3gにホウ酸1.4327gを溶解させ、含浸液を調製した。前工程で得られたホウ素担持焼成体全量に含浸液を噴霧し、全量吸水含浸させた。
電気乾燥機を用いて、120℃で16時間乾燥し、焼成炉にて400℃で5時間焼成してニッケル触媒を得た。得られたニッケル触媒について、物性及び触媒活性を測定した結果を表1に示す。
<比較例1>
実施例1にて得られた焼成体について、物性及び触媒活性を測定した結果を表1に示す。
<比較例2>
実施例1にて調製した焼成体、ホウ酸、水を用意した。まず、水41.3gにホウ酸2.8654gを溶解させ、含浸液を調製した。次に焼成体50gに含浸液を噴霧し、全量吸水含浸させた。電気乾燥機を用いて、120℃で16時間乾燥することで、ホウ素担持焼成体を得た。次に、水41.3gにホウ酸2.8654gを溶解させ、含浸液を調製した。前工程で得られたホウ素担持焼成体全量に含浸液を噴霧し、全量吸水含浸させた。
電気乾燥機を用いて、120℃で16時間乾燥し、焼成炉にて400℃で5時間焼成してニッケル触媒を得た。得られたニッケル触媒について、物性及び触媒活性を測定した結果を表1に示す。
Figure 2015112514

Claims (5)

  1. ニッケルとホウ素と担体を含む触媒であって、ニッケル含有量が5〜50質量%の範囲にあり、ホウ素が0.05質量%以上5質量%未満であり、次に示すニッケルとホウ素の比率Aが0.010以上0.1未満であるニッケル触媒。
    比率A=ホウ素含有量[質量%]/ニッケル含有量[質量%]
  2. X線光電子分光法(XPS)測定によるB1s殻結合エネルギースペクトルのピークが191.0〜191.7eVの範囲にある請求項1に記載のニッケル触媒
  3. 助触媒としてマグネシウムを0.1〜5質量%含む請求項1または2に記載のニッケル触媒。
  4. 以下(a)〜(h)の工程を含むニッケル触媒の製造方法。
    (a)担体を含む担体スラリーを調製する工程
    (b)ニッケルを含み、pHが1〜7である注加液Aを調製する工程
    (c)沈殿剤を含み、沈殿剤のモル量と注加液Aに使用するニッケル原料のモル量の比(沈殿剤のモル量/ニッケル原料のモル量)が1.0〜3.0の範囲となるように注加液Bを調製する工程。
    (d)担体スラリーに、注加液A及び注加液Bを注加して沈殿物を得る工程
    (e)沈殿物を焼成し、焼成体を得る工程
    (f)ホウ素を含む含浸液を調製する工程
    (g)ホウ素を含む含浸液を焼成体に吸水担持することによりホウ素担持焼成体を得る工程
    (h)ホウ素担持焼成体を焼成し、ニッケル触媒を得る工程
  5. ホウ素担持焼成体を350〜450℃で焼成する請求項4に記載のニッケル触媒の製造方法。
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