JP2015112083A - 植物の健康状態の評価方法および評価装置ならびに植物の栽培方法 - Google Patents

植物の健康状態の評価方法および評価装置ならびに植物の栽培方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015112083A
JP2015112083A JP2013258011A JP2013258011A JP2015112083A JP 2015112083 A JP2015112083 A JP 2015112083A JP 2013258011 A JP2013258011 A JP 2013258011A JP 2013258011 A JP2013258011 A JP 2013258011A JP 2015112083 A JP2015112083 A JP 2015112083A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plant
vibration
vibration waveform
health condition
information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013258011A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6426341B2 (ja
Inventor
恒美 杉本
Tsunemi Sugimoto
恒美 杉本
元昭 佐野
Motoaki Sano
元昭 佐野
裕 中川
Yutaka Nakagawa
裕 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toin Gakuen
Original Assignee
Toin Gakuen
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toin Gakuen filed Critical Toin Gakuen
Priority to JP2013258011A priority Critical patent/JP6426341B2/ja
Publication of JP2015112083A publication Critical patent/JP2015112083A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6426341B2 publication Critical patent/JP6426341B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

【課題】断続的または継続的に植物を振動させることで、その振動情報から植物の健康状態を把握する方法の提供。
【解決手段】振動発信源を用いて植物を振動させる振動工程と、前記植物の位置を計測して、振動した植物の位置情報を得る計測工程と、前記位置情報から前記植物の振動波形を求め、その振動波形から解析情報を得て、その解析情報の推移を把握し、その変化から植物の健康状態の変化を把握する評価工程と、を備える植物の健康状態の評価方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、植物の健康状態の評価方法および評価装置ならびに植物の栽培方法に関する。
将来の水問題を考える上で、農業用水の節約は重要であり、その一つの有効な手段として最適潅水制御がある。しかしそれを実現するためには、いまその作物がどのくらいの水を必要としているのか(作物給水ニーズ)を非侵襲かつ実時間で把握する必要がある。植物は一般に水が不足すると(すなわち水ストレスを受けると)いろいろな変化が現れるが、最も顕著な変化は葉のしおれである。篤農家は、成長点等のしおれを観察することにより給水時期を判断していると言われている。しかしながら、超節水型植物工場などで潅水制御を行う場合、このしおれを工学的に評価する必要がある。しおれると、植物は枝や葉が垂れ下がるなどの形状変化が現れる。しかし、植物は多種多様な形状を有するので、その形状解析は、現在の画像処理技術ではほとんど行うことができない。また、植物の形状(枝の角度等)は、一日の内でも予想外に大きく変化しており、その形状の変化から植物の水ストレスを判断することは難しい。
そこで本発明者は、植物の水ストレスを、植物の形状からではなく、その張り(弾力)によって評価できないか検討しており、すでにいくつかの提案を行っている(例えば非特許文献1)。
杉本恒美、他5名、「葉の振動計測による植物給水ニーズ推定に関する基礎検討」、一般社団法人日本音響学会、2013年春季研究発表会予稿集、pp.1367−1368、2013年3月
本発明者は、従来、葉を指などではじくという方法で瞬時的な振動情報を得て、これを解析していた。
これに対して、本発明は、植物に断続的または継続的に植物を振動させ、これを解析して完成した発明である。
本発明は、振動発信源を用いて断続的または継続的に植物を振動させ、その振動情報から植物の健康状態を把握する方法およびそれを可能にする装置を提供することを目的とする。また、その方法に基づく植物の栽培方法を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意検討し、上記課題を解決する方法を見出し、本発明を完成させた。
本発明は次の(1)〜(9)である。
(1)振動発生源を用いて植物を振動させる振動工程と、
前記植物の位置を計測して、振動した植物の位置情報を得る計測工程と、
前記位置情報から前記植物の振動波形を求め、その振動波形から解析情報を得て、その解析情報の推移を把握し、その変化から植物の健康状態の変化を把握する評価工程と、
を備える植物の健康状態の評価方法。
(2)前記振動工程が、
前記振動発生源として音波発信源を用い、この音波発信源から前記植物の表面へ音波を照射する工程である、上記(1)に記載の健康状態の評価方法。
(3)前記評価工程が、
前記位置情報から前記植物の振動波形を求め、その振動波形から前記植物の共振周波数を前記解析情報として得て、その共振周波数の推移を把握し、その変化から植物の健康状態の変化を把握する工程である、上記(1)または(2)に記載の植物の健康状態の評価方法。
(4)前記評価工程が、
前記位置情報から前記植物の振動波形を求め、その振動波形における変位の最大値と最小値との合計値を前記解析情報として得て、その合計値の推移を把握し、その変化から植物の健康状態の変化を把握する工程である、上記(1)または(2)に記載の植物の健康状態の評価方法。
(5)植物の表面を振動させ得る振動発信源と、
前記植物の位置を計測して、振動した植物の位置情報を得る計測部と、
前記位置情報から前記植物の振動波形を求め、その振動波形から解析情報を得て、その解析情報を継続的または断続的に出力する解析部と、
を有し、前記解析部から出力される情報の推移の変化から植物の健康状態の評価を行うことができる、植物の健康状態の評価装置。
(6)前記振動発信源が、植物の表面を振動させ得る音波を発生させる音波発信源である、上記(5)に記載の植物の健康状態の評価装置。
(7)前記解析部が、
前記位置情報から前記植物の振動波形を求め、その振動波形から前記植物の共振周波数を前記解析情報として得て、継続的または断続的にその共振周波数の解析情報を出力する、上記(5)または(6)に記載の植物の健康状態の評価装置。
(8)前記解析部が、
前記位置情報から前記植物の振動波形を求め、その振動波形における変位の最大値と最小値との合計値を前記解析情報として得て、継続的または断続的にその合計値の解析情報を出力する、上記(5)または(6)に記載の植物の健康状態の評価装置。
(9)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の評価方法によって植物の健康状態を把握し、前記解析情報が所定値となったときに前記植物へ水を供給する供給工程を備える、植物の栽培方法。
本発明によれば、振動発信源を用いて断続的または継続的に植物を振動させ、その振動情報から植物の健康状態を把握する方法およびそれを可能にする装置を提供することができる。また、その方法に基づく植物の栽培方法を提供することができる。
本発明の評価装置の好適態様を示す概略図である。 振動波形(減衰曲線)の例を示す図である。 実施例において用いた本発明の評価装置を示す概略図である。 実施例において得られた葉の振動波形の例を示す図である。 図4の振動波形を高速フーリエ変換して得られる周波数解析結果を示す図である。 実施例における、実験開始からの日数と、共振周波数の1日のうちの正午頃の値との関係を示す図である。 給水前における葉および茎の共振周波数の時間変化を示す図である。 給水後における葉および茎の共振周波数の時間変化を示す図である。 実験2において得られた、変位の最大値と最小値との合計の推移を示す図である。 実験1において得られた、葉および茎の共振周波数の変化の例を示す図である。 実験1および実験2において得られた、音波による加振前の葉の初期位置の変動例を示す図である。
本発明について説明する。
本発明は、振動発生源を用いて植物を振動させる振動工程と、前記植物の位置を計測して、振動した植物の位置情報を得る計測工程と、前記位置情報から前記植物の振動波形を求め、その振動波形から解析情報を得て、その解析情報の推移を把握し、その変化から植物の健康状態の変化を把握する評価工程と、を備える植物の健康状態の評価方法である。
このような植物の健康状態の評価方法を、以下では「本発明の評価方法」ともいう。
また、本発明は、本発明の評価方法によって植物の健康状態を把握し、前記解析情報が所定値となったときに前記植物へ水を供給する供給工程を備える、植物の栽培方法である。
このような植物の栽培方法を、以下では「本発明の栽培方法」ともいう。
さらに、本発明は、植物の表面を振動させ得る振動発信源と、前記植物の位置を計測して、振動した植物の位置情報を得る計測部と、前記位置情報から前記植物の振動波形を求め、その振動波形から解析情報を得て、その解析情報を継続的または断続的に出力する解析部と、を有し、前記解析部から出力される情報の推移の変化から植物の健康状態の評価方法を行うことができる、植物の健康状態の評価装置である。
このような植物の健康状態の評価装置を、以下では「本発明の評価装置」ともいう。
本発明の評価装置を用いて、本発明の評価方法を実施することができる。
本発明の評価装置について図を用いて説明する。
図1は本発明の評価装置の好適態様を示す図であり、植物1の表面を振動させ得る音波111を発生させる音波発信源11と、植物1の位置を計測して、音波111を照射されて振動した植物1の位置情報を得る計測部13と、前記位置情報から植物1の振動波形を求め、その振動波形から解析情報を得て、その解析情報を継続的または断続的に出力する解析部151を含むコンピュータ15とを有する装置10を示す概略図である。
図1に示す装置10は、さらに、任意波形発生装置17およびアンプ19を有しており、加えて、コンピュータ15は制御部152および表示部153を含んでいる。そして、制御部152によって任意波形発生装置17を制御して、所望の周波数の音波111を音響発信源11から発生することができる。また、解析部151は計測部13によって得られた植物1の位置情報から振動波形を求め、その振動波形を解析して解析情報を算出し、それを出力する役割を果たす。そして、出力された解析情報は、推移データとして、表示部153に表わすことができる。表示部153はディスプレイ画面等であってよい。
音響発信源11は強力超音波音源(パラメトリックスピーカ、例えば日本セラミック株式会社製のパラメトリックスピーカキット)であることが好ましい。
なお、本発明の評価装置では、振動発信源として、上記のような音響発信源を好ましく用いることができるが、その他にエアガンや衝撃波もしくは扇風機等を用いることもできる。
図1では、音響発信源11を植物1の下方へ配置し、下方から植物1へ音波111が照射されるように配置しているが、本発明において音響発信源11の植物1に対する位置は特に限定されない。また、音響発信源11の数も限定されない。
音響発信源11から植物1へ照射される音波111は特に限定されない。パルス状の音響放射圧を植物1へ加えられる音波111が好ましい。なかでも周波数が葉や茎の共振周波数に近い2〜10Hz程度(小松菜の場合)のsin状のパルス波であれば、弱い加振力であっても大きな振幅を得ることができるのでより好ましい。しかしながら、本発明の評価装置では、必ずしも共振周波数を用いなくても音響放射圧や風等により葉と茎を少しでも動かせれば計測は可能であり、周波数は限定されないといってよい。例えば強力超音波音源(パラメトリックスピーカ)の場合にはその搬送周波数だけでも音響放射圧が発生するので、まったく無変調でも計測は可能である。同様にパルス波の長さにも特に最適な長さがあるわけではないが、あえていうならば、葉や茎に振動が起こせる程度の長さ、周波数にもよるが数波程度でも十分である。
また、健康状態を評価しようとする植物の共振周波数が不明な場合であっても、葉や茎に振動が起こせさえすれば、植物1の共振周波数帯を見出すことができる。
計測器13は植物1の位置を非接触で計測できるものであれば特に限定されず、レーザ変位計であることが好ましい。レーザ変位計からレーザ131を植物1に照射して、その表面の位置を計測することができる。得られた位置情報は解析部151へ出力される。解析部151へ入力された位置情報から植物1の振動波形を求めることができる。
任意波形発生装置17は、制御部152の指令によって所望の周波数の音波111を音響発信源11から発生させることができる装置である。例えば、ノイズ波やバースト波を発生可能な市販のファンクションジェネレータ等を用いることができる。音波111の波形は通常この任意波形発生装置により制御することができる。通常は簡単のために手動で制御するが、制御部152から制御するようにシステムを構成することも可能である。
アンプ19は、音源が強力超音波音源の場合には、搬送周波数として超音波を発生できる専用アンプを必要とする。
解析部151は、計測部13において得られた植物1の位置情報から、植物1の振動波形を求め、その振動波形から解析情報を得て、その解析情報を継続的または断続的に出力する。
計測部13によって測定して得られた植物1の位置情報から求められる振動波形は、例えば図2に示すような、減衰曲線に近似した態様となり得る。
また、この減衰曲線は、縦軸をy、横軸をtとおくと、特性角振動数をωとして、ほぼy=Ae-γtsin(ωt+α)のように近似できると考えられる。ここでγは、質量mの質点の減衰振動の運動方程式において速度vに比例した抵抗力を−2mγvとおいたときの減衰係数である。
解析部151は、上記のようにして求められた振動波形から解析情報を得る。
解析情報について説明する。
例えば、解析部151では、上記のような植物1の共振周波数を解析情報として求める。
共振周波数は、図2に示したような振動波形(減衰曲線)をフーリエ変換することで求めることができる。フーリエ変換することで、例えば後述する図5に示すような、横軸(X軸)を周波数、縦軸(Y軸)をパワースペクトル(振動エネルギーに対応した値)とする図が得られ、共振周波数を把握することができる。例えば図5では3〜4Hzに共振周波数が存在することがわかる。
また、例えば、解析部151では、上記のような植物1の振動波形における変位の最大値と最小値との合計値を解析情報として求める。
振動波形における変位の最大値は、図2において「a」で示しており、変位の最小値は「b」で示しており、それらの合計値は「c」で示している。このような合計値(c)が解析情報に相当する。この解析情報(c)については、後に詳細に説明する。
解析部151は、上記のようにして振動波形から解析情報(共振周波数、最大値と最小値との合計値など)を得て、それを継続的または断続的に出力する。図1に示した本発明の評価装置の好適態様の場合、出力された解析情報は、表示部153に推移データとして表すことができる。そして、この推移データの変化から植物の健康状態の評価を行うことができる。
推移データは、解析情報の種類によっても異なるが、例えば解析情報が共振周波数である場合や、振動波形における変位の最大値と最小値との合計値である場合、植物の健康状態が悪くなると低下する傾向がある。この傾向によって、植物の健康状態を評価することができる。
また、上記のように解析情報(共振周波数や、振動波形における変位の最大値と最小値との合計値等)が低下して所定値となったときに植物へ水を供給すれば、植物へ適切な量の水を供給することになり、植物を適切に栽培することができるので好ましい。
葉の振動特性変化により植物の健康状態を調べる手法は、従来には無かった新しい検査手法になる可能性を秘めているもののその駆動源に関しては問題があった。すなわち通常のラウドスピーカでは低い周波数で葉に振動を起こすことは困難であること、眼圧計測に用いられるようなエアガンではコンプレッサ等が必要になり装置が大型化する上に周波数の制御は出来なくなることなどの問題があり、長時間自動的に計測するシステムを構築することができなかった。しかしながら、今回、提案する小型の強力超音波音源を用いれば共振周波数を用いることにより極めて効率的に葉を揺らすことができ、かつ周波数制御も自在である。この事実は非接触で植物健康状態を検査できることを意味しており、将来的には植物工場等で応用できる可能性を秘めていると思われる。
<実験セットアップ>
図3に示すような実験装置をセットした。図3(a)は実験装置20および計測対象物である植物(小松菜の葉25)を示す概略側面図であり、図3(b)はその写真である。
図3に示すように、レーザ変位計21と音波発生源23とによって、上下から、葉25を挟むように配置した。ここでレーザ変位計21は、上から葉25へレーザ光を照射して、その位置を計測できるように構成されている。また、音波発生源23は、パラメトリックスピーカであり、水平に配置された台の上に配置されていて、音波発生源23から発生した音波が下から葉25へ照射されるように構成されている。また、葉25は、レーザ変位計21および音波発生源23までの距離がほぼ同じ(150mm程度)になるように配置されている。また、CCDカメラを設置し(図示しない)、小松菜の状態を連続して観測した。
なお、実験装置20は、一部のみ図示しており、全体の構成は図1に示した装置10と同様である。すなわち、図1の装置10における計測器13および音波発生源11が、図3ではレーザ変位計21および音波発生源23に相当する。
<実験1>
1.初期実験結果
初めに、音波発生源23から葉25へ、周波数を変化させながら音波を照射してみたところ、3〜4Hz程度で、葉25および茎が共振することが判明した。小松菜への給水をカットして水ストレス状態とした後、周波数特性を調べるため、50Hzのsin波形バースト波の1波を、5分間の間隔にて、音波発生源23から葉25へ照射し、その際の葉25の位置をレーザ変位計21にて計測した。
レーザ変位計21による葉25の振動計測結果の例を図4に挙げる。また、その振動計測結果を高速フーリエ変換した周波数解析結果を図5に示す。
図5に示す周波数解析結果より3〜4Hz付近に共振ピークが観測されることがわかる。
2.数日間の計測結果例
図5に示したような共振ピークが現れる周波数(以下「共振周波数」ともいう)が、時間の経過とともにどのように変化するのかを観測した。なお、植物には実験開始後からは給水を一切与えていない状態で実験を行った。結果を図6〜8に示す。なお、図6は横軸(X軸)を実験開始からの日数、縦軸(Y軸)は、共振周波数の正午頃の値を示している。また、図7および図8は、横軸(X軸)が時間、縦軸(Y軸)が5分ごとに計測した、共振周波数の値を示している。
実験開始後から5日間程度は共振周波数の変化は0.2Hz程度しかなかった。しかしながら、6日目の朝から植物の葉および茎が急速に倒れはじめる現象がCCDカメラにより観測された。ちょうどレーザ変位計21の計測レンジからも外れる限界に来ていたので、給水を実施して変化を観察することとした。
給水後は非常に短時間(10分程度)で、葉及び茎の状態が元の位置に戻る現象を確認した。この給水前後における葉および茎の共振周波数の時間変化を示すものが図7および図8である。
図7および図8より、給水前の朝方より、急速に共振周波数の下降が始まっていることが確認できる。また、給水後は急速に共振周波数が元の値に戻っていることも確認できる。
このような計測結果より、共振周波数の変化を継続的に計測することで、植物の水ストレスの状態を把握できることがわかった。
3.まとめ
強力超音波音源が葉および茎の振動源として非常に有効に使用できることが判明した。このことにより小型で安価な装置で、植物地上部の健康状態を長期間計測が可能となることが明らかになった。初期の簡易実験結果からは水ストレスに対する反応が共振周波数の変化として明確に捉えられることを示していると思われる。将来的には植物全体の健康状態評価にも応用可能と思われる。
<実験2>
実験1の場合と同様に、図3に示した実験装置をセットした。
そして、小松菜への給水をカットして水ストレス状態とした後、50Hzのsin波形バースト波の1波を、5分間の間隔にて、音波発生源23から葉25へ照射し、その際の葉25の位置をレーザ変位計21にて計測した。
そして、レーザ変位計21によって計測された葉25の振動波形を求め、その振動波形における、変位の最大値と最小値との合計を算出した。
レーザ変位計21によって計測された葉25の振動波形の結果の例を図2に示す。また、変位の最大値と最小値との合計値(図2において「c」で示される)の推移を、図9に示す。
図2および図9に示すように、図6に示したような共振周波数の変化に比べると加振時の葉の変位幅は変化が大きい。ミリオーダの変化がレーザ変位計により直接的に計測されている。水ストレスが加わるにつれて、その変位幅は小さくなっていくために、健康な状態のときの音波による変位量と比べて、現在の変位量の割合がある閾値以下に下がったときを潅水タイミングとする制御をかけることが可能と思われる。
<葉および茎の共振周波数について>
実験開始時から水の給水をカットして水ストレスを小松菜に与えた。5月23日〜24日の間にいったん茎が倒れたため、給水し復活させた。しかしながら、茎の位置はもどったものの葉の状況はもう元には戻らなかった。
葉および茎の共振周波数の変化を図10に示す。
図10に示すように、葉および茎の共振周波数は徐々に変化していくが、通常その変化幅は小さいため、誤差の影響を受けやすい。最終的に茎が倒れる直前にのみ大きな変化を示すが、このタイミングを潅水制御の指標として用いた場合には、植物にはある程度のダメージが残ってしまうことが予測される。
<加振前の葉の位置の変動>
音波による加振前の葉の初期位置(図2のXで示す位置)の変動を図11に示す。
水ストレスを与え始めた(給水をカットした)初期は葉の初期位置に周期的な変動がみられており、植物の葉や茎が1日のうちで活発に活動していることが観測されている。しかし、給水カットによる水ストレスが加わると、徐々にこの変動はなくなっていき、生体としての動きが不活発となることがわかる。
この葉の初期位置の変動は固定的に常時計測していないとその動きの有り無しの判定ができないが、加振時の変位幅に関しては、健康時の葉の振動変位が既知であれば、特に常時観測の必要はなく、日にちをおいた計測であっても評価可能な点が特徴であると思われる。したがって、超音波加振により葉の振動変位から水ストレスを推定し、閾値等を用いて潅水制御をかける方法により、節水をしつつ植物の健康も維持することができると思われる。また、この方法であれば、特に共振周波数を調べる必要はないので、単純にレーザ変位計の出力する出力値をモニタリングするだけでも計測可能な点が大きな特徴である。
1 植物
10 本発明の評価装置
11 音響発信源
13 計測部
131 レーザ
15 コンピュータ
151 解析部
152 制御部
153 表示部
17 任意波形発生装置
19 アンプ

Claims (9)

  1. 振動発生源を用いて植物を振動させる振動工程と、
    前記植物の位置を計測して、振動した植物の位置情報を得る計測工程と、
    前記位置情報から前記植物の振動波形を求め、その振動波形から解析情報を得て、その解析情報の推移を把握し、その変化から植物の健康状態の変化を把握する評価工程と、
    を備える植物の健康状態の評価方法。
  2. 前記振動工程が、
    前記振動発生源として音波発信源を用い、この音波発信源から前記植物の表面へ音波を照射する工程である、請求項1に記載の健康状態の評価方法。
  3. 前記評価工程が、
    前記位置情報から前記植物の振動波形を求め、その振動波形から前記植物の共振周波数を前記解析情報として得て、その共振周波数の推移を把握し、その変化から植物の健康状態の変化を把握する工程である、請求項1または2に記載の植物の健康状態の評価方法。
  4. 前記評価工程が、
    前記位置情報から前記植物の振動波形を求め、その振動波形における変位の最大値と最小値との合計値を前記解析情報として得て、その合計値の推移を把握し、その変化から植物の健康状態の変化を把握する工程である、請求項1または2に記載の植物の健康状態の評価方法。
  5. 植物の表面を振動させ得る振動発信源と、
    前記植物の位置を計測して、振動した植物の位置情報を得る計測部と、
    前記位置情報から前記植物の振動波形を求め、その振動波形から解析情報を得て、その解析情報を継続的または断続的に出力する解析部と、
    を有し、前記解析部から出力される情報の推移の変化から植物の健康状態の評価を行うことができる、植物の健康状態の評価装置。
  6. 前記振動発信源が、植物の表面を振動させ得る音波を発生させる音波発信源である、請求項5に記載の植物の健康状態の評価装置。
  7. 前記解析部が、
    前記位置情報から前記植物の振動波形を求め、その振動波形から前記植物の共振周波数を前記解析情報として得て、継続的または断続的にその共振周波数の解析情報を出力する、請求項5または6に記載の植物の健康状態の評価装置。
  8. 前記解析部が、
    前記位置情報から前記植物の振動波形を求め、その振動波形における変位の最大値と最小値との合計値を前記解析情報として得て、継続的または断続的にその合計値の解析情報を出力する、請求項5または6に記載の植物の健康状態の評価装置。
  9. 請求項1〜4のいずれかに記載の評価方法によって植物の健康状態を把握し、前記解析情報が所定値となったときに前記植物へ水を供給する供給工程を備える、植物の栽培方法。
JP2013258011A 2013-12-13 2013-12-13 植物の健康状態の評価方法および評価装置ならびに植物の栽培方法 Active JP6426341B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013258011A JP6426341B2 (ja) 2013-12-13 2013-12-13 植物の健康状態の評価方法および評価装置ならびに植物の栽培方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013258011A JP6426341B2 (ja) 2013-12-13 2013-12-13 植物の健康状態の評価方法および評価装置ならびに植物の栽培方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015112083A true JP2015112083A (ja) 2015-06-22
JP6426341B2 JP6426341B2 (ja) 2018-11-21

Family

ID=53526479

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013258011A Active JP6426341B2 (ja) 2013-12-13 2013-12-13 植物の健康状態の評価方法および評価装置ならびに植物の栽培方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6426341B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019041637A (ja) * 2017-08-31 2019-03-22 井関農機株式会社 栽培設備
WO2019176882A1 (ja) * 2018-03-16 2019-09-19 ミツミ電機株式会社 センシングシステム、センシング方法、および非一時的コンピューター可読媒体
KR20200013338A (ko) * 2018-07-30 2020-02-07 건국대학교 산학협력단 외부 환경의 변화에 따른 식물의 상태를 전자기적/전기화학적 방법으로 분석하는 방법 및 장치
EP3708994A1 (en) 2019-03-14 2020-09-16 Nec Corporation Plant monitoring apparatus, plant monitoring method, and program
EP3707991A1 (en) 2019-03-14 2020-09-16 Nec Corporation Plant monitoring apparatus, plant monitoring method, and program therefor
US11255822B2 (en) * 2017-08-10 2022-02-22 Yanmar Power Technology Co., Ltd. Fruit growth monitoring system and fruit growth monitoring method
JP7350243B2 (ja) 2020-02-12 2023-09-26 学校法人桐蔭学園 非接触検査システム、非接触検査装置及び非接触検査方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5040329A (en) * 1989-12-26 1991-08-20 Michaloski Alfred J Method and apparatus for ultraviolet treatment of plants
US5056260A (en) * 1989-11-22 1991-10-15 Sutton David K Apparatus for accelerating the growth rate of agronomic and horticulture plant varieties
JPH11183443A (ja) * 1997-12-22 1999-07-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd 果実の熟度測定方法
JP2001136834A (ja) * 1999-11-15 2001-05-22 Toshiba Tungaloy Co Ltd 植物体情報の測定センサ及び判定装置
JP2002165522A (ja) * 2000-11-30 2002-06-11 Katsuzo Okada 植物の成長促進法
JP2002345339A (ja) * 2001-05-28 2002-12-03 Shin Nippon Air Technol Co Ltd 樹木の健全性診断方法
JP2010223925A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Toshiba Corp 紙葉類の弾性率計測装置及び紙葉類処理装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5056260A (en) * 1989-11-22 1991-10-15 Sutton David K Apparatus for accelerating the growth rate of agronomic and horticulture plant varieties
US5040329A (en) * 1989-12-26 1991-08-20 Michaloski Alfred J Method and apparatus for ultraviolet treatment of plants
JPH11183443A (ja) * 1997-12-22 1999-07-09 Matsushita Electric Ind Co Ltd 果実の熟度測定方法
JP2001136834A (ja) * 1999-11-15 2001-05-22 Toshiba Tungaloy Co Ltd 植物体情報の測定センサ及び判定装置
JP2002165522A (ja) * 2000-11-30 2002-06-11 Katsuzo Okada 植物の成長促進法
JP2002345339A (ja) * 2001-05-28 2002-12-03 Shin Nippon Air Technol Co Ltd 樹木の健全性診断方法
JP2010223925A (ja) * 2009-03-25 2010-10-07 Toshiba Corp 紙葉類の弾性率計測装置及び紙葉類処理装置

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
中井堅・宮川秀則・山添直也・本田陽子・榊原淳一・田中真人: "音響波を用いた樹木内部診断機の開発", 樹木医学研究, vol. 第11巻4号, JPN6018008522, 2007, JP, pages 206 - 207, ISSN: 0003754607 *

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11255822B2 (en) * 2017-08-10 2022-02-22 Yanmar Power Technology Co., Ltd. Fruit growth monitoring system and fruit growth monitoring method
JP2019041637A (ja) * 2017-08-31 2019-03-22 井関農機株式会社 栽培設備
WO2019176882A1 (ja) * 2018-03-16 2019-09-19 ミツミ電機株式会社 センシングシステム、センシング方法、および非一時的コンピューター可読媒体
JP2019154398A (ja) * 2018-03-16 2019-09-19 ミツミ電機株式会社 センシングシステム、センシング方法、および非一時的コンピューター可読媒体
US11543389B2 (en) 2018-03-16 2023-01-03 Mitsumi Electric Co., Ltd. Vibrational sensing system, vibrational sensing method, and non-transitory computer readable medium for sensing growth degree of fruit crop
JP7152100B2 (ja) 2018-03-16 2022-10-12 ミツミ電機株式会社 センシングシステム、センシング方法、および非一時的コンピューター可読媒体
KR20200013338A (ko) * 2018-07-30 2020-02-07 건국대학교 산학협력단 외부 환경의 변화에 따른 식물의 상태를 전자기적/전기화학적 방법으로 분석하는 방법 및 장치
KR102134963B1 (ko) * 2018-07-30 2020-07-16 건국대학교 산학협력단 외부 환경의 변화에 따른 식물의 상태를 전자기적/전기화학적 방법으로 분석하는 방법 및 장치
JP2020145981A (ja) * 2019-03-14 2020-09-17 日本電気株式会社 植物監視装置、植物監視方法、及びプログラム
JP2020145980A (ja) * 2019-03-14 2020-09-17 日本電気株式会社 植物監視装置、植物監視方法、及びプログラム
EP3707991A1 (en) 2019-03-14 2020-09-16 Nec Corporation Plant monitoring apparatus, plant monitoring method, and program therefor
US11435320B2 (en) 2019-03-14 2022-09-06 Nec Corporation Plant monitoring apparatus, plant monitoring method, and computer-readable recording medium
US11448631B2 (en) 2019-03-14 2022-09-20 Nec Corporation Plant monitoring apparatus, plant monitoring method, and computer-readable recording medium
EP3708994A1 (en) 2019-03-14 2020-09-16 Nec Corporation Plant monitoring apparatus, plant monitoring method, and program
JP7350243B2 (ja) 2020-02-12 2023-09-26 学校法人桐蔭学園 非接触検査システム、非接触検査装置及び非接触検査方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6426341B2 (ja) 2018-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6426341B2 (ja) 植物の健康状態の評価方法および評価装置ならびに植物の栽培方法
US20060000281A1 (en) Method and apparatus for assessing or predicting characteristics of wood or other wooden materials
KR102181339B1 (ko) 탄성 검출 방법 및 기기
RU2009103162A (ru) Способ определения консистенции пищевого продукта и устройство для реализации способа
US11529121B2 (en) Multipulse elastography method
Sano et al. Estimation of water stress of plant by vibration measurement of leaf using acoustic radiation force
CN105959892A (zh) 用于测试扬声器的方法及系统
CN108024823B (zh) 用于控制超声工具的系统和方法
Caicedo-Lopez et al. Effects of hydric stress on vibrational frequency patterns of Capsicum annuum plants
CN105078412B (zh) 基于光声谱分析的组织弹性分析方法与装置
US20230363327A1 (en) Method for determining physical parameters of vascular tissue of a plant
JP4830102B2 (ja) 樹木の特性測定方法、および樹木の特性測定装置
JP4899049B2 (ja) 青果物の粘性測定方法、およびその装置
US20160076019A1 (en) System and method for sonic radiation for influencing cellular structures
Hughes The fundamentals of sound and its measurement
JP2009276063A (ja) 振動を用いた樹木の特性測定装置並びに特性測定方法
JP6684074B2 (ja) 音波を用いた強度推定方法および強度推定システム
Rahman Design and Manufacturing Audio Bioharmonic Technology with Manipulate Peak Frequencies for Crop Field
JP2013055919A (ja) 音波検出センサ
Zaki et al. Detection of Infrasonic Frequency Loudspeaker Using Microwave Motion Sensor Module
Rusinek et al. Middle ear reconstruction estimated by recurrence plot technique
RU2007118592A (ru) Резонансный способ ультразвуковой толщиметрии
JP2017049196A (ja) レオロジー特性を非接触で評価する方法およびシステム
Song Instantaneous Detection of the Occurrence of Mechanical Resonances
RU2013127042A (ru) Способ диагностики поверхности изделий из металла

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161205

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20161205

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170922

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180313

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180508

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180925

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181025

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6426341

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250