JP7350243B2 - 非接触検査システム、非接触検査装置及び非接触検査方法 - Google Patents
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Description
内容物の品質検査を行うにあたり、容器を開けて内容物を取り出すとすると、検査にかかる時間や負荷が大きくなる。特に製品の出荷前の検査では、容器を開けることによって検査に使用された製品を出荷することができなくなるので検査対象の数が制限されていた。
さらに、特許文献1に記載の非破壊検査方法は、物品に照射した超音波の透過若しくは容器対面で反射した超音波を、容器に接触させた探触面で捕えている。このため、この非破壊検査方法は、容器に探蝕面を接触させることによって容器表面に傷をつける可能性がある。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、粘性が変化して、かつ気泡の状態が変化し難い腐敗の現象を非接触で検出できる非接触検査システム、非接触検査装置及び非接触検査方法に関する。
また、本発明は、内容物の混濁により異常を検出する方法が透明の軟性容器でなければ行えないことに比べ、光を通さない軟性容器に対して実施することができる。
非接触で測定対象物に振動を加える本実施形態は、上記の方法よりも検査が簡易に行えて、しかも軟性容器表面に影響を与えることがない。このような本実施形態は、例えば、果物等の表面が損傷を受け易いものを対象にして粘度を測定することにも好適である。
図1は、本実施形態の非接触検査システムを説明するための図である。図2は、図1に示す軟性容器10の正面図、図3は、図1に示すスピーカー20によって照射される音波を説明するための図である。
図1に示すように、本実施形態の非接触検査システム1は、内容物5(図2)が充填された軟性容器10に対して音波S1を照射する音響発信源であるスピーカー20と、音波S1によって加振された軟性容器10の表面の測定点Pm(図2)に測定光P1を照射して、この測定光P1の反射光P2により測定点Pmの振動速度を計測する計測部30と、計測部30によって計測された振動速度を解析して内容物の粘性を判定する非接触検査装置である解析装置40と、を備えている。
また、解析装置40は、解析された振動速度のうち、軟性容器10に音波が照射されている強制加振期間以降の自由振動期間における振動速度に基づいて、内容物の粘性を判定する。なお、強制加振期間、自由振動期間については後に詳述する。
音波S1は、図3に示すように、振動の群Sb1、Sb2・・・が離散的に発生するバースト波である。図3の横軸は時間(msec)、縦軸は振動強度を表している。各群Sb1、Sb2のパルス幅(一つの群の振動時間)Pwは20msec、群間のインターバル時間Tiは200msecである。
すなわち、解析装置40は、予め振動速度の値を測定し、測定された振動速度や変化の状態、さらには振動速度に基づく情報を取得したデータを保存する機能を有している。また、非接触検査の対象となる内容物5について測定された振動速度を取得し、この振動速度に基づく振動パラメータを作成する。そして、作成された振動パラメータを保存されている粘性判定データと比較する。
検査の対象となる内容物5の振動速度は、計測部30からリアルタイムで取得されるものであってもよいし、計測部30の測定完了まで保存し、完了後に取得するものであってもよい。
このような解析装置40は、専用の測定装置としても構成することができる。また、解析装置40は、汎用のパーソナルコンピュータ(Personal Computer:PC)を用いて構成することができる。
反射波群weは、高粘性サンプルの振動速度の測定で観測できなかった反射波である。このことから、反射波群weは、内容物の粘性の判定において有用な因子であると考えられる。
本実施形態では、振動の開始から終了までの後も充分な時間t2をおいて振動速度を計測し、測定された振動速度に含まれるノイズについても考慮することが可能になる。
また、強制加振領域Rv1が終了した後、低粘性サンプルは、高粘性サンプルよりも高速度で振動することが分かる。なお、振動停止のタイミングは、低粘性サンプル、高粘性サンプルのいずれにあっても凡そ同時である。
なお、強制加振領域Rv1、自由加振領域Rv2の合計時間は、図3に示すインターバル時間Tiよりも充分短く設定されていて、連続して発生する群が測定に影響を与えることを回避している。
また、振動パラメータは、自由振動期間において計測された振動速度に基づく変位量であってもよい。振動パラメータを変位量とする場合、本実施形態は、振動パラメータを、自由加振領域Rv2における変位の総和量DC_resとした。変位の総和量DC_resは、以下の式(2)によって算出される。
以上のことから、本実施形態の非接触検査システム1は、内容物5の気泡の状態によらず粘性の変化を非接触で検出することができるが分かる。このような本実施形態は、食品飲料が充填された軟性容器に適用することによって内容物腐敗による粘度変化を軟性容器の表面振動特性から検出することできる。
(1)内容物が充填された軟性容器に対して音波を照射する音響発信源と、前記音波によって加振された前記軟性容器の表面の測定点に測定光を照射して、当該測定光の反射光により前記測定点の振動速度を計測する計測部と、前記計測部によって計測された前記振動速度を解析して前記内容物の粘性を判定する解析装置と、を備え、前記解析装置は、解析された前記振動速度のうち、前記軟性容器に前記音波が照射されている強制加振期間以降の自由振動期間における前記振動速度に基づいて、前記内容物の粘性を判定する、非接触検査システム。
(2)前記解析装置は、予め作成されている前記振動速度と前記内容物の粘性との関係を示す粘性判定データを、前記計測部によって計測された振動速度に基づく振動パラメータに対照して前記内容物の粘性を判定する、(1)の非接触検査システム。
(3)前記振動パラメータは、前記自由振動期間において計測された前記振動速度に基づく振動エネルギーである、(2)の非接触検査システム。
(4)前記振動パラメータは、前記自由振動期間において計測された前記振動速度に基づく変位量である、(2)の非接触検査システム。
(5)前記解析装置は、前記粘性判定データを作成する、(2)から(4)のいずれか一つの非接触検査システム。
(6)内容物が充填された軟性容器を音波で加振させ、振動を光学的に計測した場合の振動速度を入力する入力部と、前記振動速度を解析して前記内容物の粘性を判定する解析部と、を備え、前記解析部は、解析された前記振動速度のうち、前記軟性容器に前記音波が照射されている強制加振期間以降の自由振動期間における前記振動速度に基づいて、前記内容物の粘性を判定する、非接触検査装置。
(7)内容物が充填された軟性容器に対して音波を照射する音響発信工程と、前記音波によって加振された前記軟性容器の表面の測定点に測定光を照射して、当該測定光の反射光により前記測定点の振動速度を計測する計測工程と、前記計測工程において計測された前記振動速度を解析して前記内容物の粘性を判定する解析工程と、を含み、前記解析工程においては、解析された前記振動速度のうち、前記軟性容器に前記音波が照射されている強制加振期間以降の自由振動期間における前記振動速度に基づいて、前記内容物の粘性を判定する、非接触検査方法。
5・・・内容物
10・・・軟性容器
11・・・蓋部
12a・・・側面
12c・・・開口部
12d・・・底面
20・・・スピーカー
30・・・計測部
40・・・解析装置
41・・・入力部
42・・・解析部
Claims (7)
- 内容物が充填された軟性容器に対して音波を照射する音響発信源と、
前記音波によって加振された前記軟性容器の表面の測定点に測定光を照射して、当該測定光の反射光により前記測定点の振動速度を計測する計測部と、
前記計測部によって計測された前記振動速度を解析して前記内容物の粘性を判定する解析装置と、を備え、
前記解析装置は、解析された前記振動速度のうち、前記軟性容器に前記音波が照射されている強制加振期間以降の自由振動期間における前記振動速度に基づいて、前記内容物の粘性を判定する、非接触検査システム。 - 前記解析装置は、予め作成されている前記振動速度と前記内容物の粘性との関係を示す粘性判定データを、前記計測部によって計測された振動速度に基づく振動パラメータに対照して前記内容物の粘性を判定する、請求項1に記載の非接触検査システム。
- 前記振動パラメータは、前記自由振動期間において計測された前記振動速度に基づく振動エネルギーである、請求項2に記載の非接触検査システム。
- 前記振動パラメータは、前記自由振動期間において計測された前記振動速度に基づく変位量である、請求項2に記載の非接触検査システム。
- 前記解析装置は、前記粘性判定データを作成する、請求項2から4のいずれか一項に記載の非接触検査システム。
- 内容物が充填された軟性容器を音波で加振させ、振動を光学的に計測した場合の振動速度を入力する入力部と、
前記振動速度を解析して前記内容物の粘性を判定する解析部と、を備え、
前記解析部は、解析された前記振動速度のうち、前記軟性容器に前記音波が照射されている強制加振期間以降の自由振動期間における前記振動速度に基づいて、前記内容物の粘性を判定する、非接触検査装置。 - 内容物が充填された軟性容器に対して音波を照射する音響発信工程と、
前記音波によって加振された前記軟性容器の表面の測定点に測定光を照射して、当該測定光の反射光により前記測定点の振動速度を計測する計測工程と、
前記計測工程において計測された前記振動速度を解析して前記内容物の粘性を判定する解析工程と、を含み、
前記解析工程においては、解析された前記振動速度のうち、前記軟性容器に前記音波が照射されている強制加振期間以降の自由振動期間における前記振動速度に基づいて、前記内容物の粘性を判定する、非接触検査方法。
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JP2020021473A JP7350243B2 (ja) | 2020-02-12 | 2020-02-12 | 非接触検査システム、非接触検査装置及び非接触検査方法 |
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