JP2009276063A - 振動を用いた樹木の特性測定装置並びに特性測定方法 - Google Patents

振動を用いた樹木の特性測定装置並びに特性測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】測定対象の樹木の幹に穴を開けるといった測定対象の樹木を破壊することなく、かつ、測定対象の樹木から精度の高い測定を行うために必要な特性データを得ることができる樹木の特性測定装置並びに樹木の特性測定方法を提供する。
【解決手段】測定対象の樹木の一部に振動付与手段4によって所定時間継続して振動が与えられ、樹木を伝わった振動は振動検出手段3によって検出される。検出された振動の信号が特性データ算出手段8に送られ、特性データ算出手段8は検出した振動から得られる振動伝達特性に基づいて樹木の内部情報に関する特性データを算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、振動を用いて樹木の幹内部の特性を測定する技術に関する。
従来から、樹木の幹内部の特性、例えば幹内部の腐朽の程度や節の有無等を測定するための方法としては、測定対象の樹木を打撃する方法やレジストグラフ法等が用いられている。
樹木を打撃する方法は、測定対象の樹木の幹を打撃によって振動させ、その振動を検出する。そして、検出した振動の信号に対してフーリエ解析を行うことによって振動スペクトル等を得て幹内部の腐朽の程度や節の有無を測定するものである。一方、レジストグラフ法は、測定対象の樹木の幹に穴を開けて幹内部の腐朽の程度や節の有無等を測定するものである。
なお、本発明者らの1人によって測定対象の樹木の幹に振動を与えることにより、樹木の含水率を測定する方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2007−71828号公報
しかしながら、樹木を打撃する方法は、打撃によって励起される振動がわずか50ミリ秒程度しか持続しない。そのため、測定対象の樹木から十分な振動スペクトル等の特性データを得ることができず精度の高い測定ができない恐れがある。一方、レジストグラフ法では、樹木の幹に直径5ミリの穴を開けるためその穴が原因で測定した樹木が病原菌等に感染する恐れがある。
しかるに、特許文献1に記載の技術は、樹木の含水率を測定するものであり、幹内部の腐朽の程度や幹内部の節の有無等の測定を行うには、依然として、樹木の幹に打撃を与える方法やレジストグラフ法を用いるしかない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、測定対象の樹木の幹に穴を開けるといった測定対象の樹木を破壊することなく、かつ、測定対象の樹木から精度の高い測定を行うために必要な特性データを得ることができる樹木の特性測定装置並びに樹木の特性測定方法を提供することを課題とする。
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)測定対象の樹木の一部に所定の時間継続して振動を与える振動付与手段と、樹木の他の一部に伝わる振動を検出する振動検出手段と、検出した振動から得られる振動伝達特性に基づいて樹木の内部情報に関する特性データを算出する特性データ算出手段と、を備えたことを特徴する樹木の特性測定装置。
(2)振動を与える所定の時間は、1秒以上10秒以下の範囲である前項(1)に記載の樹木の特性測定装置。
(3)測定対象の樹木の一部に与える振動は、エネルギーがほぼ一定で、かつ、周波数が100Hzから10KHzまでの範囲でスイープする低周波信号、若しくは、ホワイトノイズ信号、もしくは、ピンクノイズ信号の何れか1つの信号に基づいた振動であることを特徴とする前項(1)または(2)のいずれかに記載の樹木の特性測定装置。
(4)振動付与手段により振動を与える部位と振動検出手段により振動を検出する部位とが、樹木の平断面の中心点に対してほぼ対象の位置に設定されることを特徴とする前項(1)から(3)のいずれかに記載の樹木の特性測定装置。
(5)データ算出手段が算出する特性データとは、第2共鳴周波数及び第3共鳴周波数である前項(1)から(4)のいずれかに記載の樹木の特性測定装置。
(6)データ算出手段は、さらに、第2共鳴周波数及び第3共鳴周波数のそれぞれから振動が測定対象の樹木を伝わる速さである振動速度を特性データとして算出する前項(5)に記載の樹木の特性測定装置。
(7)データ算出手段は、さらに、第2共鳴周波数及び第3共鳴周波数から第2共鳴周波数に対する第3共鳴周波数の比を特性データとして算出する前項(5)に記載の樹木の特性測定装置。
(8)振動付与手段が付与する振動をモニターする振動モニター手段を備え、データ算出手段は、モニターされた振動の信号と検出された振動の信号との位相の差を特性データとして算出する前項(1)から(4)のいずれかに記載の樹木の特性測定装置。
(9)測定対象の樹木の一部に所定の時間継続して振動を与え、該振動が樹木の他の一部に伝わる振動を検出し、検出した振動から得られる振動伝達特性に基づいて樹木の内部情報に関する特性データを算出することを特徴とする樹木の特性測定方法。
(10)振動を与える所定の時間は、1秒以上10秒以下の範囲である前項(9)に記載の樹木の特性測定方法。
(11)測定対象の樹木の一部に与える振動は、エネルギーがほぼ一定で、かつ、周波数が100Hzから10KHzまでの範囲でスイープする低周波信号、若しくは、ホワイトノイズ信号、もしくは、ピンクノイズ信号の何れか1つの信号に基づいた振動であることを特徴とする前項(9)または(10)の何れかに記載の樹木の特性測定方法。
(12)測定対象の樹木に振動を与える部位と該振動を検出する部位とが、樹木の平断面の中心点に対してほぼ対象の位置に設定されることを特徴とする前項(9)から(11)のいずれかに記載の樹木の特性測定方法。
(13)算出される特性データが、第2共鳴周波数及び第3共鳴周波数である前項(9)から(12)のいずれかに記載の樹木の特性測定方法。
(14)算出された第2共鳴周波数及び第3共鳴周波数から振動が測定対象の樹木を伝わる速さである振動速度を算出する前項(13)に記載の樹木の特性測定方法。
(15)算出された第2共鳴周波数及び第3共鳴周波数から第2共鳴周波数に対する第3共鳴周波数の比を算出する前項(13)に記載の樹木の特性測定方法。
(16)測定対象の樹木に与えられる振動をモニターし、検出された振動の信号とモニターされた振動の信号との位相の差を算出する前項(9)から(12)のいずれかに記載の樹木の特性測定方法。
前項(1)に記載の発明によれば、振動付与手段によって所定の時間継続して測定対象の樹木に振動が与えられ、測定対象の樹木を伝わった振動が振動検出手段によって検出される。そして、検出された振動から得られた振動伝達特性に基づいて樹木の内部情報に関する特性データが算出される。
これにより、測定対象の樹木から精度の高い測定を行うために必要な特性データを得るのに必要な時間継続して振動を与えることが可能となるので、精度の高い測定が可能となる。また、測定対象の樹木に振動を与えて測定を行うため樹木の幹に穴を開ける必要はないので、穴を開けたことが原因で起こる樹木の病原菌への感染を防止することができる。
前項(2)に記載の発明によれば、測定対象の樹木に対して1秒以上10秒以下の範囲内の所定の時間継続して振動を与えることができる。
前項(3)に記載の発明によれば、測定対象の樹木の一部にエネルギーがほぼ一定で、かつ、周波数が100Hzから10KHzまでの範囲でスイープする低周波信号、ホワイトノイズ信号、ピンクノイズ信号の何れかの信号に基づいた振動を与えることができる。また、測定対象の樹木に与えるスイープする低周波信号の周波数の上限を10KHzとすることで、該周波数を超えると振動の振幅が小さくなり振動を検出できなくなる恐れを未然に防ぐことができ、その結果エネルギー効率等の高い測定が可能となる。
前項(4)に記載の発明によれば、振動付与手段によって振動を与える部位と振動検出手段によって振動を検出する部位とが樹木の平断面の中心点に対してほぼ対称に位置に設定されるので、付与された振動によって励起される円周モードの振動を効率よく得ることができる。
前項(5)に記載の発明によれば、第2共鳴周波数と第3共鳴周波数を特性データとして算出することができる。
前項(6)に記載の発明によれば、振動速度を算出することができる。
前項(7)に記載の発明によれば、第2共鳴周波数と第3共鳴周波数の比を算出することができる。
前項(8)に記載の発明によれば、モニターされた信号と検出された振動の信号との位相の差を得ることができる。
前項(9)に記載の発明によれば、測定対象の樹木から精度の高い測定を行うために必要な特性データを得るのに必要な時間継続して振動を与えることが可能となるので、精度の高い測定が可能となる。また測定対象の樹木の幹に穴を開ける必要がないので、穴を開けたことが原因による該樹木が病原菌等に感染することを防ぐことができる。
前項(10)に記載の発明によれば、測定対象の樹木に対して1秒以上10秒以下の範囲の所定の時間継続して振動を与えることができる。
前項(11)に記載の発明によれば、測定対象の樹木の一部にエネルギーがほぼ一定で、かつ、周波数が100Hzから10KHzまでの範囲でスイープする低周波信号、ホワイトノイズ信号、ピンクノイズ信号の何れかの信号に基づいた振動を与えることができる。
前項(12)に記載の発明によれば、振動付与手段によって振動を与える部位と振動検出手段によって振動を検出する部位とが樹木の平断面の中心点に対してほぼ対称に位置に設定されるので、付与された振動によって励起される円周モードの振動を効率よく得ることができる。
前項(13)に記載の発明によれば、第2共鳴周波数と第3共鳴周波数を算出することができる。
前項(14)に記載の発明によれば、振動速度の算出が可能となる。
前項(15)に記載の発明によれば、第2共鳴周波数と第3共鳴周波数の比を算出することができる。
前項(16)に記載の発明によれば、モニターされた信号と検出された振動の信号との位相の差を得ることができる。
以下、本願請求項に係る発明(以下では、単に「本発明」という)を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
(全体構成)
図1は、本発明に係る樹木の特性測定装置1の概略構成、及び樹木の特性測定装置1をイヌエンジュ樹木Tに設置した状態の一例を示した図である。
図1に示すように、樹木の特性測定装置1は、振動発信部2、第一アンプ3、振動付与部4,振動モニター5、振動検出部6、第二アンプ7、特性データ算出部8、データ保存部9及び表示部10を備えている。振動発信部2は第一アンプ3と、第一アンプ3は振動付与部4と、振動付与部4は振動モニター5と、振動モニター5は特性データ算出部8とそれぞれ接続されている。
また、振動検出部6は第二アンプ7と、第二アンプ7は特性データ算出部8と、特性データ算出部8はデータ保存部9と表示部10にそれぞれ接続されている。なお、振動発信部2と振動付与部4とで振動付与手段が構成されている。
振動発信部2は、100Hzから10kHzまでスイープするサイン波信号を1秒以上10秒以下の範囲内で予め定められた時間継続して発信させ、第一アンプ3に供給する。
第一アンプ3は増幅器であり、振動発信部2から供給された信号を増幅して振動付与部4へ供給する。
振動付与部4は、供給された信号に基づいて振動を発生させ、イヌエンジュ樹木Tに振動を与える。
振動モニター5は、振動付与部4によってイヌエンジュ樹木Tに付与された振動をモニターし、モニターした振動の信号(以下では、モニター信号という)を特性データ算出部8に送る。
振動検出部6は、イヌエンジュ樹木Tに与えられ、該樹木を伝達してきた振動を検出し、検出された振動の信号(以下では、振動信号という)を第二アンプ7に送る。
第二アンプ7は増幅器であり、振動検出部6からの振動信号を増幅して特性データ算出部8に送る。
特性データ算出部8は、送られてきた振動信号に対してフーリエ解析等の処理を行うことによって振動伝達特性を得て該振動伝達特性に基づいて樹木の内部情報(この実施形態では、幹内部の腐朽の程度や節の有無等についての情報)に関する特性データを算出する。
本実施形態では、特性データとして、振動スペクトル、第2共鳴周波数、第3共鳴周波数、第2共鳴周波数に対する第3共鳴周波数の比、及び振動信号とモニター信号との位相差等を算出するが、詳しくは後述する。
データ保存部9は、ユーザ(測定実施者)によって測定されたイヌエンジュ樹木Tの直径データ(または、円周データ)や正常なイヌエンジュ樹木の振動速度等を保存する。これら保存データは、必要に応じて特性データ算出部8に送られ、特性データを算出する際等に用いられる。
表示部10は、特性データ算出部8によって算出された特性データ等を表示する。
次に、樹木の特性測定装置1のイヌエンジュ樹木Tへの設置方法を説明する。
図1に示すように、地面から上方約1メートルの地点にある幹の表面の一部に振動付与部4を設置する。また、振動検出部6を幹の表面の他の一部(振動付与部4から180度離れた同心円上の位置)に設置する。なお、以下では振動付与部4が振動を与える部位を加振点といい、また振動検出部6が振動を検出する部位を検出点という。
また、振動検出部6を振動付与部4から180度離れた同心円上の位置に設置するのは以下の理由からである。
イヌエンジュ樹木Tは振動付与部4によって振動が与えられると、垂直モード振動(樹木の軸に沿った伸び縮み振動)、曲げモード振動、ねじれモード振動、円周モード振動(赤道面での収縮膨張)の4つの振動モードが励起されるが、本発明では、このうち円周モード振動に着目する。ここで、円周モードとは樹木あるいは枝の側面の一点を振動させたとき、図2において実線で示したような振動モードのことである。この円周モードの振動強度は、加振点Aから90度おきの点B、点C、点Dの各点で最も大きくなる。従って、A点を振動させた場合には、点B、点C、点Dで振動を検出すると、樹木の測定箇所の上下の幹の状態や枝や果実の状態に影響を受けない振動信号を得ることができる。
次に、樹木の特性測定装置1を用いて樹木の幹内部の特性を測定する手順を、図3に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、ユーザは測定対象のイヌエンジュ樹木Tの直径(または、円周)を測定する。
ユーザによって測定された直径データ等は、入力部(図示せず)を介してデータ保存部9に保存される(ステップS1)。
振動発信部2は、スイープサイン波信号を所定の時間継続して発信させ、該信号は第一アンプ3によって増幅された後、振動付与部4に供給され、イヌエンジュ樹木Tに振動が付与される(ステップS2)。なお、この際、付与された振動が振動モニター5によってモニターされ、モニター信号が特性データ算出部8に送られる。
次に、イヌエンジュ樹木Tの内部を伝達してきた振動は、振動検出部6によって検出され(ステップS3)、第二アンプ7で増幅された後、特性データ算出部8に送られる。
特性データ算出部8は、送られてきた振動信号等に対してフーリエ解析等の所定の処理を行うことにより振動伝達特性を得て、該振動伝達特性に基づいて特性データを算出する(ステップ4)。
最後に、表示部10に特性データを表示し(ステップS5)、処理を終了する。
次に、樹木の特性測定装置1を用いて、正常な(幹内部に腐朽や節が存在しない)イヌエンジュ樹木Tに対して測定を行うことにより、正常なイヌエンジュ樹木の特性データを示す。なお、これらの特性データ等は、正常なイヌエンジュ樹木Tの特性データとしてデータ保存部9に保存され、以下の実施例で利用される。
図4の上図は、直径15cmのイヌエンジュ樹木Tに振動を与え、振動信号に対してフーリエ解析を行うことにより算出した振動スペクトルのグラフである。また図4の下図は振動信号とモニター信号との位相差を示すグラフ(横軸は周波数、縦軸は位相差)である。 なお、位相差の符号が“−”の場合は振動信号の位相がモニター信号の位相よりも遅れていることを表し、また位相差の符号が“+”の場合は、振動信号の位相がモニター信号の位相よりも進んでいることを表す。
図4に示すように、第2共鳴ピークは位相差が−90度の地点21で出現し、周波数は約3400Hzである。また、第3共鳴ピークはそれよりもさらに180度位相が進んだところに出現し、グラフ上では+90度の地点22である。さらに、第4共鳴ピークは、さらに180度進んだところに出現し、グラフ上では、−90度の地点23のところである。なお、前記した共鳴ピークと位相差との関係は、測定対象の樹木の直径に関わらず成り立つ。例えば、直径が30cmのイヌエンジュ樹木では、直径15cmの場合と同様に第2共鳴ピークは位相差が−90度の地点に出現し、その時の周波数は約1700Hzである。
次に、各共鳴周波数から振動速度の算出方法を示す。
直径20センチのイヌエンジュ樹木Tの第2共鳴周波数が約2500Hzである場合、第2共鳴周波数は円周上の2波長入ることが分かっているので、
V2=(0.628/2)×2500=785m/s
として振動速度V2が計算できる。
また、第3共鳴周波数が約3800Hzの場合には、第3共鳴周波数は円周上に3波長分入ることから、
V3=(0.628/3)×3800=795m/s
として振動速度V3が計算できる。
一般的に、第n共鳴周波数がRHzの場合には、振動速度(Vn)は、円周をLとすると、
として求めることができる。
図5は、様々な直径のイヌエンジュ樹木Tに対して測定を行い振動速度V2、V3及びV4それぞれの回帰直線式を求めてグラフ上に表した図である。また、図6は上記回帰直線の直線式及び相関係数を表した図である。
直線30は、第2共鳴周波数から算出した振動速度V2の回帰直線を表しており、図6に示すように該回帰直線の式は、
y=156.951+32.559x
であり、また相関係数は
である。
直線31は、3共鳴周波数から算出した振動速度V3の回帰直線を表しており、図6に示すように該回帰直線の式は、
y=170.31+32.588x
であり、また相関係数は
である。
直線32は、第4共鳴周波数から算出した振動速度(V3)の回帰直線を表しており、図6に示すように該回帰直線の式は、
y=188.05+30.098x
であり、また相関係数は
である。
以上示したように、振動速度V2、V3及びV4の回帰直線のいずれもが高い相関率を示している。従って、直径の異なる、換言すれば樹齢の異なるイヌエンジュ樹木Tの振動速度V2、V3及びV4をこれら回帰直線から求めることができる。
さらに、以上の事実から、イヌエンジュ樹木Tに関して以下の(i)〜(iii)のことが推察される。
(i)もし、様々な直径をもつ樹木、即ち大きさや樹齢の異なる樹木の振動速度が一定であると仮定するならば、横軸に直径を縦軸に振動速度をとったグラフは、X軸に平行になるはずである。ところが、様々な直径をもつイヌエンジュ樹木Tに対して測定を行い、データを取ると、図5に示したグラフのように右上がりのグラフとなる。即ち、円周が大きくなると振動速度が上昇している。これは、直径の小さな樹木、換言すれば樹齢の若い樹木ほど振動速度が低いことを表している。
一般的に、振動速度とヤング率との間には次のような関係がある。
(ただし、V:振動速度 E:ヤング率 ρ:密度)
これから、密度が同じなら若い樹木のほうが樹齢の高いものよりヤング率が低いことがわかる。
(ii)一般的に、第2共鳴周波数は樹木内部の中心付近の情報を、第3共鳴周波数はそれよりも樹皮に近い周辺部分の情報を反映することが知られている。
図5において、第2、第3及び第4共鳴周波数の値から計算した振動速度がそれぞれほぼ同じであるということは、イヌエンジュでは中心部に存在する心材と周辺に存在する辺材の性質が同じであることを意味している。
(iii)第2共鳴周波数、第3共鳴周波数及び第4共鳴周波数それぞれから算出した振動速度がよく一致しているということは、f3/f2が1.5に近く、f4/f2が2.0に近いことを同時に意味している。これから、f3/f2が1.5に近いとき、ポアソン比は0.5なので、イヌエンジュの内部のポアソン比は約0.5であることが推定できる。
以上のように、正常な(腐朽や節のない)イヌエンジュ樹木Tの第2共鳴周波数、第3周波数及び第4共鳴周波数に基づいて振動速度等の特性データを算出し、これと測定対象のイヌエンジュ樹木Tの特性データとを比較することにより測定対象のイヌエンジュ樹木Tの内部の特性を知ることができる。
(実施例1)
第1実施例として、第2、第3及び第4共鳴周波数それぞれから振動速度V2、V3及びV4を算出することにより、イヌエンジュ樹木Tの内部の腐朽の程度を測定する方法を説明する。なお、データ保存部9には、測定対象のイヌエンジュ樹木Tと同じ直径を有する正常なイヌエンジュ樹木Tの振動速度が保存されている。
測定対象のイヌエンジュ樹木Tに樹木の特性測定装置1を設置し、振動付与部4と振動検出部6、換言すれば加振点と受振点とを同方向に30度ずつずらして計12回測定を行い、赤道面上の平面的な樹木の特性データを12点から得る。
図7及び図8は、12点での特性データを示した図あり、また右端の写真は測定したイヌエンジュ樹木Tの赤道面の断面である。
図7及び図8に示す左の3つの円グラフは、データ保存部9に保存されている正常なイヌエンジュ樹木Tの振動速度V2、V3及びV4と比べて、測定対象のイヌエンジュ樹木Tの振動速度がどれだけ低いかをΔV2、ΔV3及びΔV4として表したものである。例えば、円グラフの一番外側の円周は、測定対象のイヌエンジュ樹木の振動速度が正常なイヌエンジュの振動速度と比較して400m/s低いことを示す。従って、測定対象のイヌエンジュ樹木Tが正常であるなら、円グラフは中心付近でまとまる。
樹木A及びBは、正常なイヌエンジュ樹木Tであり、図7に示すように樹木A及びBの円グラフは中心付近でまとまっていることがわかる。
一方、樹木Cは、樹木内部に腐朽がわずかに存在するものであり、樹木A及びBの円グラフと比べてわずかながら円グラフが拡大する方向にあることが見て取れる。即ち、振動速度V2、V3及びV4の値は、正常なイヌエンジュ樹木Tのそれよりも小さくなっている。
図8に示す樹木D、E及びFは、内部に大きな腐朽を持つイヌエンジュ樹木Tであり、これらの円グラフのいずれもが樹木Cと比べてもさらに円グラフが広がっていることが見て取れる。即ち、振動速度V2、V3及びV4の値は、樹木Cのそれよりもさらに小さくなる。
以上から、幹内部の腐敗の程度が進むにつれて、円グラフが広がっていく、即ち振動速度が次第に小さくなることがわかる。
これより、正常なイヌエンジュ樹木Tと測定対象のイヌエンジュ樹木Tとの振動速度V2、V3及びV4を比較することにより、換言すれば円グラフの広がり具合から測定対象のイヌエンジュ樹木Tの腐朽の程度を知ることができる。
(実施例2)
次に、第2実施例として第2共鳴周波数に対する第3共鳴周波数の比(f3/f2)、及び第2共鳴周波数に対する第4共鳴周波数の比(f4/f2)を特性データとして算出し、該特性データから測定対象のイヌエンジュ樹木Tの内部の腐朽の有無を測定する方法を説明する。
実施例1と同様に、測定対象のイヌエンジュ樹木Tに対して加振点と受振点を同方向に30度ずつずらして12回測定を行い、赤道面上の平面的な樹木の特性データを12点から得る。
図9及び図10は、赤道面上の平面的な情報を12点で測定した結果を示した図である。また、右端の写真は、測定したイヌエンジュ樹木Tの赤道面の断面である。
樹木A及びBは、正常な(腐朽のない)イヌエンジュ樹木Tであり、樹木A及びBの円グラフから読み取れるように、f3/f2の値が約1.5であり、またf4/f2の値は約2.0である。
一方、樹木Cは、樹木内部の上方の一部に不朽と下部に節が存在するイヌエンジュ樹木Tである。円グラフに示されるように、f3/f2の値が1.5から、またf4/f2の値は2.0から外れる方向にあることがわかる。
さらに、樹木D、E及びFは、いずれも樹木内部に大きな腐朽が存在するイヌエンジュ樹木Tである。いずれの樹木の円グラフもf3/f2の値が1.5から、またf4/f2の値が2.0から著しくはずれている。
以上より、正常なイヌエンジュ樹木Tのf3/f2の値は1.5程度、またf4/f2の値は2.0程度となる。一方、内部に腐朽のあるイヌエンジュ樹木Tのf3/f2の値は1.5から著しくはずれ、またf4/f2の値も2.0から著しくはずれることがわかる。
このことを用いることにより、第2共鳴周波数に対する第2共鳴周波数の比(f3/f2)、第2共鳴周波数に対する第4共鳴周波数の比(f4/f2)から内部の腐朽の程度を知ることができる。
(実施例3)
次に、第3実施例として測定対象のイヌエンジュ樹木Tの幹の内部に節があるか否かの測定をする方法を説明する。
本実施例においても、実施例1及び実施例2と同様にして測定対象のイヌエンジュ樹木Tに樹木の特性測定装置1を設置し、加振点と受振点とを同方向に30度ずつずらして12回測定を行い、赤道面上の平面的な樹木の特性データ(本実施例では、振動速度)を12点から得る。
図11に示す左の3つの円グラフは、正常なイヌエンジュ樹木Tの振動速度V2、V3及びV4と比べて、測定対象のイヌエンジュ樹木Tの振動速度がどれだけ低いかをΔV2、ΔV3、ΔV4として表したものである。
樹木A及びBは内部に節のない正常なイヌエンジュ樹木Tである。
図11に示すように、樹木A及びBの円グラフは中心にまとまっている。換言すれば、測定対象のイヌエンジュ樹木Tの振動速度は、正常なイヌエンジュ樹木Tのそれとほぼ同じである。
一方、内部に節のあるイヌエンジュ樹木C及びDでは、ΔV2の値が大きくなっている。換言すれば、内部に節のあるイヌエンジュ樹木Tの振動速度V2は、正常なイヌエンジュ樹木Tのそれと比べて遅くなっている。
以上のことから、測定対象のイヌエンジュ樹木Tの振動速度V2と正常なイヌエンジュ樹木Tの振動速度V2とを比較することで、測定対象のイヌエンジュ樹木Tの内部に節があるか否かの測定が可能となる。
(実施例4)
次に、第4実施例としてf3/f2の値とf4/f2の値とから測定対象のイヌエンジュ樹木Tの幹の内部に節があるか否かの測定をする方法を説明する。
測定対象のイヌエンジュ樹木Tに樹木の特性測定装置1を設置し、実施例1,2及び3と同様にして加振点と受振点とを同方向に30度ずつずらして12回測定を行い、赤道面上の平面的な樹木の特性データ(本実施例では、f3/f2の値及びf4/f2の値)を12点から得る。
樹木A及びBは、幹内部に節のない正常なイヌエンジュ樹木Tであり、これらのf3/f2の値はいずれも1.5程度であり、またf4/f2の値も2.0程度である。
一方、幹内部に節のある樹木C及びDでは、いずれもf3/f2の値が1.5よりも大きく下回り、まf4/f2の値も2.0から大きく下回っている。
以上より、測定対象のイヌエンジュ樹木Tの幹内部に節がなければf3/f2の値は約1.5となり、また4/f2の値は約2.0となる一方、幹内部に節が存在するイヌエンジュ樹木Tでは、f3/f2の値が1.5よりも著しく外れ、またf4/f2の値も2.0を著しく外れることがわかる。
このことを用いることで、共鳴周波数の比を用いて測定対象のイヌエンジュ樹木Tの幹内部に節があるか否かの測定が可能となる。
(実施例5)
次に、本発明に係る第5実施例を、図面を参照しながら説明する。
本実施例は、振動信号の位相とモニター信号の位相との差から幹の内部の腐朽の程度を測定するものである。なお、本実施例では直径が約12cmのイヌエンジュ樹木Tに対して測定を行う。
図13は、正常なイヌエンジュ樹木Tと内部に欠陥のあるイヌエンジュ樹木Tとに対して測定を行い、振動スペクトル及び振動信号とモニター信号との位相差を求めた図であり、左に測定対象のイヌエンジュ樹木Tの赤道断面図が、右上に振動信号の振動スペクトルが、また右下に振動信号とモニター信号との位相の差を示すフラフが示されている。なお、前述したように、第2共鳴ピークは位相差が−90度の地点に、第3共鳴ピークは位相差が+90度の地点に、また第4共鳴ピークは次の位相差が−90度地点にそれぞれ出現する。
樹木Aは正常なイヌエンジュ樹木Tであり、図13からわかるように、第2共鳴ピークは周波数3000Hz付近に、第3共鳴ピークは周波数4500Hzの付近に、また第4共鳴ピークは周波数6000Hz付近にそれぞれ出現している。
中心部に腐朽がある樹木Bでは、樹木Aと比較して位相差の変化が大きくなる。即ち、第2共鳴ピークは周波数2000Hzの付近に、第3共鳴ピークは周波数4000Hzの付近に、また第4共鳴ピークは周波数4900Hzの付近にそれぞれ出現している。
中心部に大きな空洞のある樹木Cでは、さらに位相差の変化が大きくなり、第2共鳴ピークは周波数が1500Hz付近に、第3共鳴ピークは周波数が1800Hz付近に、また第4共鳴ピークは2000Hz付近にそれぞれ出現している。
以上から、幹内部の腐朽が存在すると周波数に対する位相差の変化が大きくなり、また腐朽の程度が進むほど、位相差の変化が大きくなることがわかる。
このことを用いることにより、振動信号とモニター信号との位相差の変化に基づいて測定対象のイヌエンジュ樹木Tの幹内部の腐朽の程度の測定が可能となる。
以上のように、本発明は以下のような効果を奏する。
一般的に、測定対象の樹木に与える振動の周波数の範囲が広ければ広いほどより詳細なデータが得られることが知られている。
ところが、実際には、振動検出機器の性能等から測定対象の樹木に与える振動の周波数が10KHzを超えると、振動の振幅が小さくなり与えた振動を検出できない恐れがある。そのため、周波数10KHz以上の周波数の振動を与えることはエネルギー効率の観点等からみて問題がある場合が多い。
このことから、本実施例においては、スイープサイン波を測定対象の樹木に与える際に、周波数の上限を10KHzとすることによって測定時間の節約やエネルギー効率の高い測定が可能となる。
なお、樹木の幹が細くなればなるほど、共鳴周波数が高くなることが知られている。即ち、幹の直径が小さい樹木を測定するには高い周波数を与える必要があり、例えば直径6cmの樹木対しては周波数20KHzとする必要がある。
また、測定対象の樹木に対して1秒から10秒以下の所定の時間継続して振動を与えるため、振動をわずか50ミリ秒しか与えることができない従来の打撃による方法に比べて、単純に収録できる情報量が20倍から200倍となる。これにより、打撃による方法と比較して精度が20から200倍以上に上がるので、正確な共鳴周波数等の算出が可能となる。
また、測定対象の樹木に対して振動を加えて測定を行うので、測定対象の樹木を非破壊で、幹内部の特性を測定することが可能となる。
また、本実施例では、円周モードに基づいて測定するため、直径(円周)の情報があれば、正確に樹木内部の情報を伝達する振動速度を計算することができる。
また、振動付与部によって付与された振動をモニターすることにより、振動信号とモニター信号との位相の差を算出する。これにより、振動信号とモニター信号との位相差の変化に基づいて樹木内部の腐朽の程度の測定が可能となる。
なお、本実施形態では、スイープするサイン波信号を用いたが、これに限定されず、例えばホワイトノイズ信号やピンクノイズ信号を用いてもよい。
また、本実施形態では測定対象の樹木としてイヌエンジュを用いたが、これ以外の樹木に対しても本発明が適用可能であることはいうまでもない。
また、実施例1,2,3及び4では、加振点と検出点とを30度ずつずらして樹木の12点から特性データを得るものとしたが、これには限定されないことは言うまでもない。例えば、加振点と検出点とを15度ずつずらして樹木の24点から特性データを得ることで、測定対象の樹木のより詳細な内部情報を得ることができる。
森林等の樹木の内部品質の判断の用途に広く用いることができる。
例えば、用途の一例としては、以下のようなものが挙げられる。
1960年代に日本の各地の山林で始まった大規模な国有林の植林事業は、50年を経た2010年には、材として切り出される予定である。
一般的に、材を購入する際、買い手は樹木1本1本に対して値段を付けるのではなく山林全体に対して値段を付ける。
材の買い手は購入対象となる山林全体の評価を行うため、購入対象の山林に属する樹木の中から1本から数本切り出し、切り出した樹木の内部の特性によって山林全体を評価する。そのため、1本でも病中害や腐朽など欠陥のある樹木を見つけると、他の切り出されていない材がいくらすぐれていてもその山林全体の評価が低く見積もられ、国有財産の正当な評価がなされない恐れがある。
本発明を用いれば山林の材に対し伐採することなく山林の樹木1本1本に対して幹内部の腐朽等の欠陥を測定することができるので、国有財産の正当な評価が可能となる。
また、木々の間伐を行う際にも本発明は有用である。即ち、立ち木の中には、心材と辺材の比率が変動したり、心材が中心から外れているものがある。心材の比率が高く、中心に位置する立ち木は有用である。本発明を用いれば、建築材として有用な立木を残して、それ以外を間伐することが可能となり、最終的には材の品質を高めることができる。
樹木の特性測定装置、及び樹木の特性測定装置が樹木に設置された状態を示した図である。 円周モードを説明するための図である。 測定の手順を示したフローチャートである。 周波数、共鳴ピーク及び位相差の関係を示した図である。 樹木の直径と振動速度の回帰直線との関係を表した図である。 回帰直線の式と相関係数とを表した図である。 振動速度の差とイヌエンジュ幹の腐朽の関係を示した図である。 図7の続きの図である。 共鳴周波数比とイヌエンジュ幹の腐朽との関係を示した図である。 図9の続きの図である。 振動速度の差とイヌエンジュ幹の節の有無との関係を示した図である。 共鳴周波数比とイヌエンジュ幹の節の有無との関係を示した図である。 位相差の変化率とイヌエンジュの腐朽との関係を示した図である。
符号の説明
1・・・樹木の特性測定装置
2・・・振動発信部
3・・・第一アンプ
4・・・振動付与部
5・・・振動モニター
6・・・振動検出部
7・・・第二アンプ
8・・・特性データ算出部
9・・・データ保存部
10・・・表示部

Claims (16)

  1. 測定対象の樹木の一部に所定の時間継続して振動を与える振動付与手段と、
    樹木の他の一部に伝わる振動を検出する振動検出手段と、
    検出した振動から得られる振動伝達特性に基づいて樹木の内部情報に関する特性データを算出する特性データ算出手段と、
    を備えたことを特徴する樹木の特性測定装置。
  2. 振動を与える所定の時間は、1秒以上10秒以下の範囲である請求項1に記載の樹木の特性測定装置。
  3. 測定対象の樹木の一部に与える振動は、エネルギーがほぼ一定で、かつ、周波数が100Hzから10KHzまでの範囲でスイープする低周波信号、もしくは、ホワイトノイズ信号、もしくは、ピンクノイズ信号の何れか1つの信号に基づいた振動であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の樹木の特性測定装置。
  4. 振動付与手段により振動を与える部位と振動検出手段により振動を検出する部位とが、樹木の平断面の中心点に対してほぼ対称の位置に設定されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の樹木の特性測定装置。
  5. データ算出手段が算出する特性データとは、第2共鳴周波数及び第3共鳴周波数である請求項1から4のいずれかに記載の樹木の特性測定装置。
  6. データ算出手段は、さらに、第2共鳴周波数及び第3共鳴周波数のそれぞれから振動が測定対象の樹木を伝わる速さである振動速度を特性データとして算出する請求項5に記載の樹木の特性測定装置。
  7. データ算出手段は、さらに、第2共鳴周波数及び第3共鳴周波数から第2共鳴周波数に対する第3共鳴周波数の比を特性データとして算出する請求項5に記載の樹木の特性測定装置。
  8. 振動付与手段が付与する振動をモニターする振動モニター手段を備え、
    データ算出手段は、モニターされた振動の信号と検出された振動の信号との位相の差を特性データとして算出する請求項1から4のいずれかに記載の樹木の特性測定装置。
  9. 測定対象の樹木の一部に所定の時間継続して振動を与え、該振動が樹木の他の一部に伝わる振動を検出し、検出した振動から得られる振動伝達特性に基づいて樹木の内部情報に関する特性データを算出することを特徴とする樹木の特性測定方法。
  10. 振動を与える所定の時間は、1秒以上10秒以下の範囲である請求項9に記載の樹木の特性測定方法。
  11. 測定対象の樹木の一部に与える振動は、エネルギーがほぼ一定で、かつ、周波数が100Hzから10KHzまでの範囲でスイープする低周波信号、若しくは、ホワイトノイズ信号、もしくは、ピンクノイズ信号の何れか1つの信号に基づいた振動であることを特徴とする請求項9または10の何れかに記載の樹木の特性測定方法。
  12. 測定対象の樹木に振動を与える部位と該振動を検出する部位とが、樹木の平断面の中心点に対してほぼ対象の位置に設定されることを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載の樹木の特性測定方法。
  13. 算出される特性データが、第2共鳴周波数及び第3共鳴周波数である請求項9から12のいずれかに記載の樹木の特性測定方法。
  14. 算出された第2共鳴周波数及び第3共鳴周波数から振動が測定対象の樹木を伝わる速さである振動速度を算出する請求項13に記載の樹木の特性測定方法。
  15. 算出された第2共鳴周波数及び第3共鳴周波数から第2共鳴周波数に対する第3共鳴周波数の比を算出する請求項13に記載の樹木の特性測定方法。
  16. 測定対象の樹木に与えられる振動をモニターし、検出された振動の信号とモニターされた振動の信号との位相の差を算出する請求項9から12のいずれかに記載の樹木の特性測定方法。
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