JP2015111619A - 熱伝導シート、物品及び電子部材 - Google Patents

熱伝導シート、物品及び電子部材 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、120℃程度の温度下で使用された場合であっても、経時的に硬く、かつ、脆くなることなく、被着体の表面凹凸に追従可能なレベルの優れた柔軟性を維持可能で、かつ、熱伝導性に優れた熱伝導シートを提供することにある。【解決手段】本発明は、炭素原子数10個〜20個のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有する単量体成分を重合して得られた酸価4以下のアクリル重合体(A)と充填剤(B)とを含有する熱伝導層を有する熱伝導シートに関するものである。【選択図】なし

Description

本発明は、発熱部材を備えた電子機器等の製造に使用可能な熱伝導シートに関する。
近年、電子機器や半導体の小型化、高密度化、高出力化に伴って、それを構成する部材の高集積化が進んでいる。高集積化された機器の内部は、限られたスペースに様々な部材が隙間なく配置されているため、前記部材から発せられた熱が十分に放散されず、その結果、比較的高温となる場合がある。特に、中央演算処理装置等の半導体素子、LEDのバックライト、バッテリー等は、およそ100℃以上の温度を発する場合が多く、その内部に熱が蓄積されやすい傾向にあるため、その熱に起因した誤作動を引き起こす場合があった。また、前記電子機器等の高性能化に伴い、前記発熱温度も120℃前後に及ぶ場合があった。
前記電子機器の内部から熱を放散させる方法としては、放熱板やヒートシンク部材を使用する方法が挙げられる。その際、前記半導体素子やそれが積層された電気回路等の発熱部材で生じた熱を、ヒートシンク材等の受熱部材へ効率的に伝えることを目的として、両部材間に熱伝導シートが積層される場合が多い。
前記熱伝導シートとしては、例えばアクリル系ポリマーと、水酸化アルミニウムや酸化アルミニウム等のフィラーとを含有する熱伝導性感圧接着剤を用いて得られるシートが知られている(例えば特許文献1参照。)。
前記熱伝導性感圧接着剤を用いて得られるシートは、前記フィラーを比較的多く含有するため良好な熱伝導性を有するものである。
しかし、前記フィラーを多量に含む熱伝導層を備えた熱伝導シートは、柔軟性の点で十分でないため、例えば発熱部材を備えた電気回路やヒートシンク材等の表面凹凸に追従できず、その界面に空隙を形成し、その結果、熱伝導性の低下を引き起こす場合があった。
また、前記フィラーの含有量等を調整する等して得た良好な柔軟性を備えた熱伝導シートであっても、120℃程度の高い温度下で使用されることで、経時的に硬く、脆くなる場合があった。前記硬く、かつ、脆くなった熱伝導シートは、発熱部材と受熱部材との界面に経時的に空隙を形成しやすく、その結果、熱伝導性の低下を引き起こす場合があった。
また、電子機器や半導体の小型化、高密度化、高出力化に伴い、それを構成する部材の高集積化がさらに進みつつある。このような技術開発動向のなかで、前記部材から発せられる熱の影響により、その内部の温度が150℃にも及ぶ可能性があった。前記内部の温度が150℃にも及ぶと、前記熱伝導シートは、やはり経時的に硬く、脆くなる場合があった。
特開2002−294192号公報
本発明が解決しようとする課題は、120℃程度の温度下で使用された場合であっても、経時的に硬く、かつ、脆くなることなく、被着体の表面凹凸に追従可能なレベルの優れた柔軟性を維持可能で、かつ、熱伝導性に優れた熱伝導シートを提供することにある。
また、本発明が解決ようとする第二の課題は、150℃程度の非常に高い温度下で使用された場合であっても、経時的に硬く、かつ、脆くなることなく、被着体の表面凹凸に追従可能なレベルの優れた柔軟性を維持可能で、かつ、熱伝導性に優れた熱伝導シートを提供することにある。
本発明者等は、特定のアクリル重合体(A)と充填剤(B)とを組み合わせることによって、前記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、炭素原子数10個〜20個のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有する単量体成分を重合して得られた酸価4以下のアクリル重合体(A)と充填剤(B)とを含有する熱伝導層を有する熱伝導シートに関するものである。
本発明の熱伝導シートは、非常に高い温度下で使用された場合であっても、経時的に硬く、かつ、脆くなることなく、被着体の表面凹凸に追従可能なレベルの優れた柔軟性を維持可能で、かつ、熱伝導性に優れることから、例えば前記半導体素子やそれが積層された電気回路等の発熱部材と、ヒートシンク材等の受熱部材との間の空隙を埋める用途に使用することができる。
本発明の熱伝導シートは、炭素原子数10個〜20個のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有する単量体成分を重合して得られた酸価4以下のアクリル重合体(A)と充填剤(B)とを含有する熱伝導層を有することを特徴とするものである。
前記熱伝導層は、炭素原子数10個〜20個のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有する単量体成分を重合して得られた酸価4以下のアクリル重合体(A)と充填剤(B)とを含有する層である。
前記熱伝導層は、被着体に対し適度な粘着性または接着性を備え、120℃程度の非常に高い温度下で使用した場合であっても、経時的に硬く、かつ、脆くなることなく、被着体の表面凹凸に追従可能なレベルの優れた柔軟性を維持することができる。前記粘着性または接着性は、貼付後に剥離可能なレベルの接着強度であることが好ましい。
前記熱伝導層は、前記アクリル重合体(A)及び充填剤(B)等を含有する組成物(C)を用いることによって形成することができる。
前記アクリル重合体(A)としては、炭素原子数10個〜20個のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有する単量体成分を重合して得られるアクリル重合体のうち、酸価が4以下であるアクリル重合体を含有する。かかるアクリル重合体(A)を含有する熱伝導層は、被着体に対し適度な粘着性または接着性を備え、120℃程度の非常に高い温度下で使用した場合であっても、経時的に硬く、かつ、脆くなることなく、被着体の表面凹凸に追従可能なレベルの優れた柔軟性を維持することができる。
前記アクリル重合体(A)の酸価は、0.5以下であることが好ましく、0.05以下であることが好ましく、0であることが、経時的に硬く、かつ、脆くなることなく、被着体の表面凹凸に追従可能なレベルの優れた柔軟性を維持するうえでさらに好ましい。
前記炭素原子数10個〜20個のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素原子数10個〜15個のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを使用することが好ましく、具体的はトリデシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート等を使用することができる。なかでも、炭素原子数10個〜20個のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、トリデシル(メタ)アクリレートを使用することが、被着体の表面凹凸に追従可能なレベルのより一層優れた柔軟性を備えた熱伝導シートを得るうえで好ましい。
前記炭素原子数10個〜20個のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、前記単量体成分の合計に対して50質量%〜100質量%含まれることが好ましく、70質量%〜100質量%以上含まれることが好ましく、95質量%〜100質量%以上含まれることがさらに好ましく、99質量%〜100質量%含まれることが、120℃程度の非常に高い温度下で使用した場合であっても、経時的に硬く、かつ、脆くなることなく、被着体の表面凹凸に追従可能なレベルの優れた柔軟性を維持可能な熱伝導シートを得るうえでより好ましい。
前記アクリル重合体(A)の製造に使用可能な単量体成分としては、本発明の効果を損なわない範囲で、前記炭素原子数10個〜20個のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の、その他のビニル単量体を使用することができる。
前記その他のビニル単量体としては、例えば酸基を有するビニル単量体が挙げられる。前記酸基を有するビニル単量体は、前記アクリル重合体(A)の酸価が4以下となる範囲内で使用できるが、120℃程度の非常に高い温度下で使用した場合であっても、経時的に硬く、かつ、脆くなることなく、被着体の表面凹凸に追従可能なレベルの優れた柔軟性を維持可能な熱伝導シートを得るうえで、できるだけ使用しないことが好ましい。
前記酸基を有するビニル単量体としては、例えばカルボキシル基を有するビニル単量体が挙げられ、具体的にはβ−カルボキシアルキル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(EO)変性コハク酸(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド(PO)変性コハク酸(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸2量体、クロトン酸、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート等が挙げられる。
前記酸基を有するビニル単量体を使用する場合には、前記アクリル重合体(A)の製造に使用する単量体成分の合計質量に対して0質量%〜50質量%の範囲であることが好ましく、0質量%〜30質量%の範囲であることがより好ましく、0質量%〜1質量%の範囲であることがさらに好ましく、0質量%であることが特に好ましい。
前記アクリル重合体(A)の製造に使用可能なその他のビニル単量体としては、前記したもののほかに、例えば炭素原子数1個〜9個のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
前記炭素原子数1個〜9個のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等を1種または2種以上組み合わせ使用することができる。
前記アクリル重合体(A)の製造に使用可能なその他のビニル単量体としては、前記したもののほかに、必要に応じて高極性ビニル単量体を使用することができる。
前記高極性ビニル単量体としては、水酸基を有するビニル単量体、アミド基を有するビニル単量体等を1種または2種以上組み合わせ使用することができる。
前記高極性ビニル単量体に使用可能な前記水酸基を有するビニル単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等を使用できる。
アミド基を有するビニル単量体としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等を使用することができる。
前記高極性ビニル単量体としては、前記したもののほかに酢酸ビニル、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等のスルホン酸基含有モノマー、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の末端アルコキシ変性(メタ)アクリレート等のその他の高極性ビニル単量体を使用することができる。
前記アクリル重合体(A)は、前記した単量体成分を、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の方法で重合させることによって製造することができる。なかでも溶液重合法を採用することが、アクリル重合体(A)の生産効率を向上するうえで好ましい。
前記溶液重合法としては、例えば前記単量体成分と重合開始剤と、有機溶剤とを、好ましくは40℃〜90℃の温度下で混合、攪拌し、ラジカル重合させる方法が挙げられる。
前記重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイルや過酸化ラウリロイルなどの過酸化物、アゾビスイソブチルニトリルなどのアゾ系の熱重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンジルケタール系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキシド系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系の光重合開始剤等を使用することができる。
前記方法で得たアクリル重合体(A)は、例えば溶液重合法で製造した場合であれば、有機溶剤に溶解または分散した状態であってもよい。
前記方法で得たアクリル重合体(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィのポリスチレン換算による重量平均分子量は、30万〜80万であることが、被着体の表面凹凸に追従可能なレベルのより一層優れた柔軟性と、適度な粘接着性とを備えた熱伝導シートを得るうえで好ましい。
(架橋剤)
前記熱伝導層は、架橋剤を使用することによって架橋構造が形成されたものであってもよい。特に、前記熱伝導層の凝集力をより一層向上させるとともに、熱伝導シートを剥離紙等から剥離する際に、前記熱伝導シートの千切れ等を防止することが求められる場合に、好適に使用することができる。一方、被着体の表面凹凸に追従可能なレベルの柔軟性をより一層向上させる場合には、前記架橋剤を使用しないことが好ましい。
前記架橋剤としては、例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤等を、前記アクリル重合体(A)が有する官能基に応じて適宜選択し使用することができる。
前記架橋剤を使用する場合には、前記熱伝導層のゲル分率が25質量%〜60質量%となる範囲で使用することができる。なお、ゲル分率は、本願明細書の実施例に記載した方法により算出した値を指し、前記充填剤(B)の使用量を差し引いたものの不溶分率を指す。
[充填剤(B)]
前記熱伝導層は、優れた熱伝導性を奏するうえで充填剤(B)を含有する。
前記充填剤(B)としては、本発明の熱伝導シートに優れた熱伝導性を付与するうえで、熱伝導率が5W/m・K以上であるものを使用することが好ましく、10W/m・K以上のものを使用することがより好ましく、20W/m・K以上のものを使用することが特に好ましい。前記充填剤(B)としては、無機充填剤(b)を使用することが、熱伝導シートの熱伝導率を調整しやすいため好ましい。
前記無機充填剤(b)としては、例えば水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、タルク、窒化ホウ素等の電気絶縁性の無機充填剤;金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、カーボン、グラファイト等の導電性の無機充填剤を、単独または2種以上組み合わせ使用することができる。
前記無機充填剤(b)としては、前記アクリル重合体(A)を含む熱伝導層中での分散性を高めるうえで、シランカップリング処理、ステアリン酸処理などの表面処理が施されたものを使用してもよい。
なかでも、前記無機充填剤(b)としては、電気絶縁性の無機充填剤を使用することが、例えば電子機器の内部に使用した場合における熱放散の促進と、部品間のショート防止とを両立するうえで好ましく、具体的には、例えば、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、酸化ベリリウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛等を使用することがより好ましく、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素を使用することがさらに好ましい。
前記無機充填剤(b)としては、前記したとおり各種表面処理の施されたものを使用できるが、前記熱伝導層の電気絶縁性を向上する上で前記無機充填剤の表面にNaOをできるだけ有さないものを使用することが好ましい。
具体的には、前記無機充填剤(b)としては、炎光光度計を用いて測定される可溶性NaOの含有量が0.01質量%未満であるものを使用することが好ましく、0.008質量%以下であることがより好ましい。かかる無機充填剤を使用することによって、貼付前の熱伝導シートの電気絶縁性を向上することができる。
なお、前記可溶性NaOの含有量は、JIS H1901−1977に準拠する炎光光度計にて測定される値である。具体的には、予め質量(X0)を測定した無機充填剤を10質量%含む水分散液を調製する。次に、前記水分散液を80℃の温度で2時間湯せんして得た水分散液に溶解したNaOの含有量(X1)を、炎光光度計を用いて測定する。
前記可溶性NaOの含有量は、[X1/X0]×100によって求めた値である。
前記充填剤(B)の配合量は、前記熱伝導シートを構成する熱伝導層の体積に対して、40体積%〜90体積%であることが好ましく、50体積%〜90体積%であることがより好ましく、60体積%〜85体積%であることがさらに好ましく、65体積%〜80体積%であることが、シート状への成形のしやすさと優れた熱伝導性とを両立した熱接着シートを得ることができるため特に好ましい。
前記充填剤(B)としては、アスペクト比が1以上2未満で定義される充填剤を使用することが好ましい。なお、アスペクト比とは、充填剤粒子の長軸と短軸の比率を表す。
前記充填剤(B)としては、規則的な形状または不規則な形状のいずれのものを使用することができ、なかでも前記アスペクト比が1以上2未満の範囲のものを使用することが好ましい。
前記形状としては、例えば多角形状、立方体状、楕円状、球状、針状、平板状、鱗片状が挙げられ、球状のものを使用することが、充填剤(B)を、前記熱伝導層へ高密度に充填でき、その結果、より一層優れた熱伝導性を付与できるため好ましい。
また、前記充填剤(B)としては、より一層優れた熱伝導性を付与することを目的として、2種以上を併用することができる。前記充填剤(B)としては、前記球状の無機充填剤と、平板状または鱗片状の無機充填剤、又は前記球状の無機充填剤の粒径が異なるものとを組み合わせ併用することが、熱伝導層に前記充填剤(B)を高最密に充填することができ、その結果、より一層優れた熱伝導性を付与できるため好ましい。
前記充填剤(B)としては、熱伝導シートを構成する熱伝導層の厚さや、熱伝導シートを追従させたい被着体の、表面凹凸の高低差に応じた平均粒子径を有するものを適時選択し使用することができる。
前記充填剤(B)の平均粒子径としては、例えば粒子状の無機充填剤であれば、0.5μm〜100μmの範囲であることが好ましく、1μm〜80μmの範囲であることがより好ましく、2μm〜50μmの範囲であることがさらに好ましく、5μm〜30μmであることが特に好ましい。前記充填剤(B)は、前記熱伝導層の厚さよりも小さいことが、発熱部材や受熱部材との接着性を向上するうえで好ましい。
なお、前記平均粒子径は、島津製作所製「レーザー回折式粒度分布測定装置SALD−200」を用いて測定を行った値を指し、センサで検出した粒子による回折/散乱光の光強度分布のデータから粒度分布を計算し、測定される粒子径の値に相対粒子量(差分%)を掛けて、相対粒子量の合計(100%)で割って求めた値を指す。なお、平均粒子径は粒子の平均直径である。
前記熱伝導層を形成する組成物(C)としては、前記アクリル重合体(A)及び充填剤(B)の他に、必要に応じてその他の成分を含有するものを使用することができる。
前記その他の成分としては、熱伝導層の発熱部材や受熱部材に対する接着性を向上することを目的として、粘着付与樹脂を使用することができる。
前記粘着付与樹脂としては、公知の脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂などの石油樹脂、ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、不均化ロジン樹脂、重合ロジン樹脂、重合ロジンエステル樹脂、ロジンフェノール等のロジン系樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等を、単独または2種以上併用して使用することができる。
一方、本発明の熱伝導シートにUL94V−0やVTM−0等の優れた難燃性が求められる場合には、前記粘着付与樹脂の使用量を低減させることが好ましい。
前記熱伝導層の形成に使用する組成物(C)としては、本発明の効果を損なわない範囲で、前記した成分の他に、酸化防止剤、老化防止剤、着色剤、分散剤等の添加剤を適宜使用することができる。
なかでも、前記組成物(C)は、150℃程度の非常に高い温度下で使用した場合であっても、経時的に脆く等ならず、比較的良好な柔軟性を維持するうえで、酸化防止剤を含有するものを使用することが好ましい。
前記酸化防止剤としては、例えばフェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤(HALS)、リン系酸化防止剤、ヒドロキシアミン系酸化防止剤等を使用することができ、なかでもフェノール系酸化防止剤やリン系酸化防止剤を使用することが好ましく、芳香族環式構造を有する酸化防止剤を使用することがより好ましい。
前記酸化防止剤は、前記アクリル系重合体(A)の全量に対して、0.1質量%〜10質量%の範囲で使用することが好ましく、1質量%〜10質量%の範囲で使用することがより好ましい。
前記組成物(C)を用いて形成された熱伝導層の、損失正接のピークを示す温度は、−40℃以上、−10℃以下であることが好ましい。当該範囲とすることで、充填剤(B)を多く配合しても熱伝導層の良好な流動性と凝集性とを両立しやすい。なお、損失正接のピーク温度は、0.1mm厚の熱伝導層を、5mm厚にまで重ねたものを試験片とし、レオメトリックス社製粘弾性試験機アレス2kSTDに直径7.9mmのパラレルプレートを装着し、前記試験片を挟み込み周波数1Hz、温度分散法で測定した値である。
前記熱伝導層を形成可能な組成物(C)は、前記方法で得たアクリル重合体(A)またはその溶媒との混合物と、前記充填剤(B)と、必要に応じてその他の成分とを混合することによって製造することができる。前記溶媒としては、組成物(C)の塗工作業性等を向上することを目的として、酢酸エチル、ヘキサン、メチルエチルケトン等を使用してもよい。
前記組成物(C)は、具体的には、アクリル重合体(A)またはその溶媒溶液を製造した後、必要に応じて粘着付与樹脂や有機溶剤を供給し、次に、前記充填剤(B)やその他の成分を供給し混合することによって製造することができる。
前記混合には、必要に応じてディゾルバー、バタフライミキサー、BDM2軸ミキサー、プラネタリーミキサー等を使用することができ、ディゾルバー、バタフライミキサーを使用することが好ましい。
前記方法等で得られた前記組成物(C)としては、30質量%〜90質量%の固形分のものを使用することが、組成物(C)の良好な塗工作業性を維持するうえで好ましい。
本発明の熱伝導シートとしては、熱伝導層のみからなる、いわゆる基材レスの熱伝導シート、基材の片面または両面に熱伝導層を有する熱伝導シートが挙げられ、基材レスの熱伝導シートを使用することが、前記柔軟性、耐熱性及び熱伝導性をより一層向上するうえで好ましい。
前記基材レスの熱伝導シートは、例えば予め剥離ライナーの表面にロールコーターやダイコーター等を用い前記組成物(C)を塗布、乾燥した後、前記離型ライナーを除去することによって製造することができる。
また、基材を有する熱伝導シートは、例えば各種基材の片面または両面に、ロールコーターやダイコーター等を用い、前記組成物(C)を塗布、乾燥した後、前記離型ライナーを除去することによって製造することができる。また、前記基材を有する熱伝導シートは、離型ライナーの表面に前記組成物(C)を塗布し乾燥することによって熱伝導層を形成し、かかる熱伝導層を、各種基材の片面または両面に転写し、前記離型ライナーを除去することによって製造することもできる。
前記熱伝導シートを構成する熱伝導層が粘着または接着性を有する場合には、前記離型ライナーが積層された状態、または、それをロール状に巻き取りした状態で保管等されてもよい。
前記組成物(C)として前記架橋剤を含有するものを使用した場合には、前記熱伝導シートを製造した後、15℃〜50℃程度の温度で48時間〜168時間程度養生することが好ましい。前記架橋剤を使用しない場合には、前記養生工程を経る必要はない。
前記剥離ライナーとしては、例えばクラフト紙、グラシン紙、上質紙等の紙;ポリエチレン、ポリプロピレン(OPP、CPP)、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルム;前記紙と樹脂フィルムとを積層したラミネート紙、前記紙にクレーやポリビニルアルコールなどで目止め処理を施したものの片面もしくは両面に、シリコーン系樹脂等の剥離処理を施したもの等を用いることができる。
前記基材を有する熱伝導シートを構成する基材としては、熱伝導性や柔軟性を損なわないものを使用することができ、例えば樹脂フィルム、不織布をはじめ、金属不織布、金属箔等の金属基材等を使用することができ、金属不織布を使用することが好ましい。
また、前記基材としては、前記金属基材やグラファイトシート等のヒートシンク材を使用することもできる。
前記基材としては、3μm〜50μmの厚さのものを使用することが好ましく、6μm〜25μmの厚さのものを使用することが、優れた熱伝導性及び柔軟性を維持するうえでより好ましい。
前記方法で得られた熱伝導シートの総厚さは、被着体の表面の凹凸の高低差に応じて適宜選択することができるが、概ね500μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましく、250μm以下であることがさらに好ましい。前記総厚さの下限としては、20μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましい。なお、前記熱伝導シートの総厚さは、前記剥離ライナーを含まない厚さを指す。
また、前記熱伝導シートを構成する熱伝導層の厚さは、被着体の表面の凹凸の高低差に応じて適宜選択することができるが、概ね500μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましく、250μm以下であることがさらに好ましく、150μm以下であることが特に好ましい。前記厚さの下限としては、10μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましい。なお、前記粘着剤層の厚さを概ね150μm以上とする場合には、例えば基材または離型ライナーの表面に、前記組成物(C)を1回塗布し乾燥した後、その熱伝導層の表面に、再度、前記組成物(C)を塗布し乾燥する方法を採用することが好適である。
前記方法で得られた本発明の熱伝導シートは、各種発熱部材の放熱に使用することができる。なかでも、中央演算処理装置等の半導体素子、LEDのバックライト、バッテリー等や、それらを備えた電気回路等の発熱部材と、金属基材やグラファイトシート等のヒートシンク材である受熱部材とが積層した物品を製造する際に使用することができる。
前記物品としては、例えば前記発熱部材と、前記受熱部材とが、前記熱伝導シートを介して積層されたものが挙げられ、具体的には前記半導体素子等が搭載された電気回路の片面または両面に、前記金属基材やグラファイトシート等の受熱部材とが、前記熱伝導シートを介して積層された電子部材が挙げられる。
前記受熱部材としては、例えば金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、錫、これらの合金等からなる基材を使用することができる。
前記銅からなる基材としては、例えば圧延銅からなる基材、電解銅からなる基材が挙げられる。
また、前記受熱部材としては、従来知られるグラファイトシートを使用することができる。前記受熱部材としては、1μm〜300μmの範囲の厚さを有するものを使用することが好ましい。
以下に実施例及び比較例について具体的に説明をする。
[実施例1]
[熱伝導層形成用の組成物(C−1)の調製]
冷却管、撹拌機、温度計、滴下漏斗を備え、窒素置換した反応容器に、トリデシルアクリレート100質量部を仕込み、撹拌下、窒素を吹き込みながら75℃まで昇温した。その後、前記反応容器に、予め酢酸エチルに溶解して得た2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液1質量部(固形分5質量%)を添加した。
次に、前記反応容器内を攪拌した状態で75℃にて8時間ホールドした後、内容物を冷却し200メッシュ金網にて濾過することによって、固形分50質量%、重量平均分子量55万であるアクリル重合体溶液(a1)を得た。
プラネタリーミキサーの容器に、DAW−20(電気化学工業株式会社、酸化アルミニウム、平均粒子径20μm、熱伝導率36W/m・K、NaOの含有量0.008%質量%、アスペクト比1)740質量部とIRGANOX 1010(フェノール系酸化防止剤)3質量部とを加えた。
次に、前記反応容器に前記アクリル重合体溶液(a1)200質量部を加え、30分間撹拌し混合した。
次に、前記反応容器に酢酸エチルを加え、内容物の固形分を80質量%に調整することによって、粘度4000mPa・sの熱伝導層形成用の組成物(C−1)を得た。
[熱伝導シートの作製]
次に、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面がシリコーン化合物で剥離処理された離型フィルムの表面に、前記組成物(C−1)を、棒状の金属アプリケータを用いて、乾燥後の厚さが100μmになるように塗工した。
次に、前記塗工物を85℃の乾燥機に5分間投入し乾燥した後、その塗工面に、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面がシリコーン化合物で剥離処理された離型フィルムを貼付することによって、厚さ100μmの熱伝導層が形成された熱伝導シートを得た。前記熱伝導層に含まれる充填剤は65体積%であった。
[実施例2]
IRGANOX 1010(フェノール系酸化防止剤)の代わりに、TINUVIN 765(ヒンダードアミン系光安定剤(HALS))3質量部を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で組成物(C−2)を得た。また、前記組成物(C−1)の代わりに前記組成物(C−2)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で熱伝導シートを得た。前記熱伝導層に含まれる充填剤は65体積%であった。
[実施例3]
DAW−20(電気化学工業株式会社、酸化アルミニウム)の使用量を740質量部から900質量部に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で組成物(C−3)を得た。また、前記組成物(C−1)の代わりに前記組成物(C−3)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で熱伝導シートを得た。前記熱伝導層に含まれる充填剤は70体積%であった。
[実施例4]
DAW−20(電気化学工業株式会社、酸化アルミニウム)の使用量を740質量部から1600質量部に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で組成物(C−4)を得た。また、前記組成物(C−1)の代わりに前記組成物(C−4)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で熱伝導シートを得た。前記熱伝導層に含まれる充填剤は80体積%であった。
[実施例5]
DAW−20(電気化学工業株式会社、酸化アルミニウム)の使用量を740質量部から600質量部に変更すること以外は、実施例1と同様の方法で組成物(C−5)を得た。また、前記組成物(C−1)の代わりに前記組成物(C−5)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で熱伝導シートを得た。前記熱伝導層に含まれる充填剤は60体積%であった。
[実施例6]
DAW−20(電気化学工業株式会社、酸化アルミニウム)の代わりに、ハイジライトH32I(昭和電工株式会社、水酸化アルミニウム、平均粒子径8μm、熱伝導率8W/m・K、NaOの含有量質量0.003%、アスペクト比2)を450質量部使用すること以外は、実施例1と同様の方法で組成物(C−6)を得た。また、前記組成物(C−5)の代わりに前記組成物(C−6)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で熱伝導シートを得た。前記熱伝導層に含まれる充填剤は65体積%であった。
[実施例7]
DAW−20(電気化学工業株式会社、酸化アルミニウム)の使用量を740質量部から420質量部に変更し、さらにSP−3(電気化学工業株式会社、窒化ホウ素、平均粒子径4μm、熱伝導率50W/m・K、アスペクト比10)を33質量部加えること以外は、実施例1と同様の方法で組成物(C−7)を得た。また、前記組成物(C−7)の代わりに前記組成物(C−6)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で熱伝導シートを得た。前記熱伝導層に含まれる充填剤は65体積%であった。
[実施例8]
IRGANOX 1010(フェノール系酸化防止剤)加えないこと以外は、実施例1と同様の方法で組成物(C−8)を得た。また、前記組成物(C−1)の代わりに前記組成物(C−8)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で熱伝導シートを得た。前記熱伝導層に含まれる充填剤は65体積%であった。
[実施例9]
冷却管、撹拌機、温度計、滴下漏斗を備え、窒素置換した反応容器に、トリデシルアクリレート100質量部を仕込み、撹拌下、窒素を吹き込みながら75℃まで昇温した。その後、前記反応容器に、予め酢酸エチルに溶解して得た2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)溶液1質量部(固形分5質量%)を添加した。
次に、前記反応容器内を攪拌した状態で75℃にて8時間ホールドした後、内容物を冷却し200メッシュ金網にて濾過することによって、固形分50質量%、重量平均分子量40万であるアクリル重合体溶液(a2)を得た。
前記アクリル重合体溶液(a1)の代わりに、前記アクリル重合体溶液(a2)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で組成物(C−9)を得た。また、前記組成物(C−7)の代わりに前記組成物(C−9)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で熱伝導シートを得た。前記熱伝導層に含まれる充填剤は65体積%であった。
[比較例1]
[比較例用熱伝導層形成用組成物(C’−1)の調製]
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、2−エチルヘキシルアクリレート96.4質量部と、β−カルボキシエチルアクリレート2.4質量部と、アクリル酸1.2質量部と、酢酸エチル98質量部とを仕込み、攪拌下、窒素を吹き込みながら75℃まで昇温した。その後、前記反応容器に、予め酢酸エチルにて溶解したアゾビスイソブチロニトリル溶液2質量部(固形分5質量%)を添加した。
次に、前記反応容器内を攪拌した状態で75℃にて8時間ホールドした後、内容物を冷却し200メッシュ金網にて濾過することによって、固形分50質量%、重量平均分子量50万であるアクリル重合体溶液(a’1)を得た。
プラネタリーミキサーの容器に、DAW−20(電気化学工業株式会社、酸化アルミニウム)740質量部を加えた。次に、前記反応容器に前記アクリル重合体溶液(a’1)200質量部を加え、30分間撹拌し混合した。
次に、前記反応容器に酢酸エチルを加え、内容物の固形分を80質量%に調整することによって、粘度4300mPa・sの熱伝導層形成用の組成物(C’−1)を得た。
前記組成物(C−1)の代わりに前記組成物(C’−1)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で熱伝導シートを得た。前記熱伝導層に含まれる充填剤は65体積%であった。
[比較例2]
DAW−20(電気化学工業株式会社、酸化アルミニウム)の使用量を740質量部から900質量部に変更すること以外は、比較例1と同様の方法で組成物(C’−2)を得た。前記組成物(C−1)の代わりに前記組成物(C’−2)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で熱伝導シートを得た。前記熱伝導層に含まれる充填剤は70体積%であった。
[比較例3]
DAW−20(電気化学工業株式会社、酸化アルミニウム)の使用量を740質量部から1600質量部に変更すること以外は、比較例1と同様の方法で組成物(C’−3)を得た。前記組成物(C−1)の代わりに前記組成物(C’−3)を使用すること以外は、実施例1と同様の方法で熱伝導シートを得た。前記熱伝導層に含まれる充填剤は80体積%であった。
[熱伝導シートの総厚さの測定方法]
熱伝導シートの総厚さは、テスター産業株式会社製厚さ計「TH−102」を用いて測定した。
[熱伝導シートの熱伝導率(幅方向)の測定方法]
上記実施例及び比較例にて得られた熱伝導シートを空気を巻き込まないように合計の厚さが500μmになるまで貼り重ね、その最外面に、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを貼合し、縦5cm及び横(幅)15cmの長方形に裁断したものを試験片とした。
前記試験片の熱伝導率を、京都電子工業株式会社製の熱伝導率測定機QTM−500と、薄膜法測定用ソフトQTM−5Wを使用し測定した。
[23℃環境下に放置した熱伝導シートの柔軟性の評価方法(熱伝導シートの圧縮強度の測定方法)]
上記実施例、及び比較例で得られた熱伝導シートを25mm角に切断し、厚さ約0.55mmになるまで重ね合わせたものを試験サンプルとした。
前記試験サンプルを、23℃の温度環境下に1週間放置した。前記1週間放置後の試験サンプルをそれより大きな面積のステンレス板の上に載せ、測定装置であるテンシロンRTG−1210(A&D社製)に取り付けた直径7mmφの円柱を、23℃下において10mm/分の速度で、前記試験サンプルの表面から2.5mm(もとの厚さの50%分)圧縮した時の強度を測定した。
[125℃環境下に放置した熱伝導シートの柔軟性の評価方法]
上記実施例、及び比較例で得られた熱伝導シートを25mm角に切断し、厚さ約0.55mmになるまで重ね合わせたものを試験サンプルとした。
前記試験サンプルを、125℃の温度環境下に1週間放置した。前記1週間放置後の試験サンプルをそれより大きな面積のステンレス板の上に載せ、測定装置であるテンシロンRTG−1210(A&D社製)に取り付けた直径7mmφの円柱を、23℃下において10mm/分の速度で、前記試験サンプルの表面から2.5mm(もとの厚さの50%分)圧縮した時の強度を測定した。
上記評価方法で得た125℃環境下に放置した後の圧縮強度の値を、23℃の環境下に放置した後の圧縮強度の値で除した比率に基づいて、上記柔軟性を評価した。
◎:125℃環境下に1週間放置した後に測定した試験サンプルの圧縮強度の値が、23℃環境下で測定した試験サンプルの圧縮強度の値の1倍以上2倍未満であった。
○:125℃環境下に1週間放置した後に測定した試験サンプルの圧縮強度の値が、23℃環境下で測定した試験サンプルの圧縮強度の値の2倍以上3倍未満であった。
△:125℃環境下に1週間放置した後に測定した試験サンプルの圧縮強度の値が、23℃環境下で測定した試験サンプルの圧縮強度の値の3倍以上5倍未満であった。
×:125℃環境下に1週間放置した後に測定した試験サンプルの圧縮強度の値が、23℃環境下で測定した試験サンプルの圧縮強度の値の5倍以上であった。
[150℃環境下に放置した熱伝導シートの柔軟性の評価方法]
上記実施例、及び比較例で得られた熱伝導シートを25mm角に切断し、厚さ約0.55mmになるまで重ね合わせたものを試験サンプルとした。
前記試験サンプルを、150℃の温度環境下に1週間放置した。前記1週間放置後の試験サンプルをそれより大きな面積のステンレス板の上に載せ、測定装置であるテンシロンRTG−1210(A&D社製)に取り付けた直径7mmφの円柱を、23℃下において10mm/分の速度で、前記試験サンプルの表面から2.5mm(もとの厚さの50%分)圧縮した時の強度を測定した。
上記評価方法で得た150℃環境下に放置した後の圧縮強度の値を、23℃の環境下に放置した後の圧縮強度の値で除した比率に基づいて、上記柔軟性を評価した。
◎:150℃環境下に1週間放置した後に測定した試験サンプルの圧縮強度の値が、23℃環境下で測定した試験サンプルの圧縮強度の値の1倍以上2倍未満であった。
○:150℃環境下に1週間放置した後に測定した試験サンプルの圧縮強度の値が、23℃環境下で測定した試験サンプルの圧縮強度の値の2倍以上3倍未満であった。
△:150℃環境下に1週間放置した後に測定した試験サンプルの圧縮強度の値が、23℃環境下で測定した試験サンプルの圧縮強度の値の3倍以上5倍未満であった。
×:150℃環境下に1週間放置した後に測定した試験サンプルの圧縮強度の値が、23℃環境下で測定した試験サンプルの圧縮強度の値の5倍以上であった。
Figure 2015111619
Figure 2015111619
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Claims (10)

  1. 炭素原子数10個〜20個のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有する単量体成分を重合して得られた酸価4以下のアクリル重合体(A)と充填剤(B)とを含有する熱伝導層を有することを特徴とする熱伝導シート。
  2. 炭素原子数10個〜20個のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルがトリデシル(メタ)アクリレートである請求項1に記載の熱伝導シート。
  3. 前記炭素原子数10個〜20個のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが、前記単量体成分の全量に対して50質量%以上含まれる請求項1または2に記載の熱伝導シート。
  4. 前記充填剤(B)が、前記熱伝導層の全体に対して40体積%〜90体積%含まれる請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱伝導シート。
  5. 前記充填剤(B)が、アスペクト比1以上2未満である充填剤を含有するものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱伝導シート。
  6. さらに酸化防止剤を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱伝導シート。
  7. 発熱部材と、受熱部材とが、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱伝導シートを介して固定されたものであることを特徴とする物品。
  8. 前記受熱部材が金属基材またはグラファイトシートである請求項7に記載の物品。
  9. 前記金属基材またはグラファイトシートが、1μm〜300μmの範囲の厚さを有するものである請求項7または8に記載の物品。
  10. 電気回路の片面または両面と、金属基材またはグラファイトシートとが、請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱伝導シートを介して固定されたものであることを特徴とする電子部材。
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