JP2015110550A - 拭き取りシート - Google Patents

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慶晃 川口
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Abstract

【課題】 皮脂を除去する効果に優れた拭き取りシートを提供すること。【解決手段】 (A)HLBが11〜15の非イオン界面活性剤を0.01〜5重量%、及び(B)エタノールを15〜30重量%の割合で含有する水性組成物を調製し、該水性組成物をレーヨン含有率が80重量%以上である不織布に含浸させることにより、拭き取りシートを製造する。このようにして製造される本発明の拭き取りシートは、体表面から皮脂を拭き取るために好適に用いられる。【選択図】なし

Description

本発明は、拭き取りシートに関する。より詳細には、皮脂を除去する効果に優れた拭き取りシートに関する。
外出先等で汗や皮脂の汚れを拭き取って肌を清潔にすることを意図した、フェイシャルシートやボディーシート等の拭き取りタイプのシート剤が数多く市販されている。そしてこれらの製品は、暑い季節を中心として、特に汗や皮脂を分泌し易い若年層の男性に使用されている。また近年では清潔志向の高まりから、若年層の男性のみならず、中高年層の男性による使用も増加しつつある。
これまでにも、このようなシート剤の使用感等を改善する試みとして、外用液が含浸しているシートに超微粒子粉末を付加させることで、粉末のざらざらした使用感が改善されると共に、シートで拭き取り乾燥した後の皮膚の上で粉末の色が目立たない外用液含浸シートを提供できることが提案されている(特許文献1)。また、特定サイズの多孔質の球状シリカと鱗片状シリカとを特定比率で含有する水溶性組成物をシート状基材に含浸させることで、拭き取り直後のサラサラ感に優れると共に、汚れ除去効果にも優れる皮膚洗浄用シート化粧料を提供できることも提案されている(特許文献2)。しかしこれらはいずれも、具体的に皮脂を除去する効果の程度については言及していない。
特開2001−278736号公報 特許5006656号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、皮脂を除去する効果に優れた拭き取りシートを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の界面活性剤及びエタノールをそれぞれ特定の含有量で含む水性組成物を、特定素材の不織布に含浸させて拭き取りシートを製造することにより、皮脂除去効果に特に優れた拭き取りシートを提供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
従って、本発明は以下に掲げる拭き取りシートを提供する。
[項1] (A)HLBが11〜15の非イオン界面活性剤0.01〜5重量%及び(B)エタノール15〜30重量%を含有する水性組成物を、レーヨン含有率が80重量%以上である不織布に含浸させてなる、拭き取りシート。
[項2] 体表面から皮脂を拭き取るために用いられる、項1に記載の拭き取りシート。
[項3] (A)成分が、エーテル系非イオン界面活性剤である、項1又は2に記載の拭き取りシート。
[項4] (A)成分が、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油からなる群より選択される少なくとも1種である、項1〜3のいずれかに記載の拭き取りシート。
[項5] 不織布が、ポリオレフィン樹脂から構成されるバインダーを更に含む、項1〜4のいずれかに記載の拭き取りシート。
[項6] 不織布が、ポリエチレン及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の樹脂から構成されるバインダーを更に含む、項1〜5のいずれかに記載の拭き取りシート。
[項7] 不織布の目付が10〜60g/mである、項1〜6のいずれかに記載の拭き取りシート。
[項8] 不織布1gあたり、0.1〜10gの前記水性組成物を含浸させてなる、項1〜7のいずれかに記載の拭き取りシート。
本発明は更に、以下に掲げる皮脂を除去する美容方法をも提供する。
[項9] レーヨン含有率が80重量%以上である不織布に、(A)HLBが11〜15である非イオン界面活性剤0.01〜5重量%及び(B)エタノール15〜30重量%を含有する水性組成物を含浸させた拭き取りシートを用いて、皮脂が分泌された体表面を拭き取ることを特徴とする、皮脂を除去する美容方法。
本発明により、皮脂を除去する効果に優れた拭き取りシートを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本明細書中で使用される用語は、特に他を言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられている点が理解されるべきである。
(1.拭き取りシート)
本発明の拭き取りシートは、(A)HLBが11〜15の非イオン界面活性剤を0.01〜5重量%、及び(B)エタノールを15〜30重量%含有する水性組成物を調製し、該水性組成物をレーヨン含有率が80重量%以上である不織布に含浸させて得られる拭き取りシートである。
〔(A)成分〕
本発明に用いられる(A)成分は、HLB値が11〜15である非イオン界面活性剤である。
界面活性剤は一般に、水になじみやすい親水性部分と油になじみやすい疎水性部分とを有し、そのうちの親水性部分の性質に応じて、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又は非イオン界面活性剤に大きく分類される。本発明では、これらの界面活性剤のうち、非イオン性界面活性剤が用いられる。
具体的に、本発明で(A)成分として用いられ得る非イオン界面活性剤としては、薬学的又は生理学的に許容され得るものであれば特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレン多価アルコールエーテル、ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル等のエーテル系非イオン界面活性剤;グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等のエステル系非イオン界面活性剤;等を挙げることができる。より確実に高い効果が得られるという観点から、好ましくは、エーテル系の非イオン界面活性剤を用いるのがよく、より好ましくは、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及び/又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を用いるのがよく、更に好ましくはポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル及び/又はポリオキシエチレンアルキルエーテルを用いるのがよく、とりわけポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルを用いるのが好適である。
また、本発明で(A)成分として用いられる非イオン界面活性剤の疎水性部分は如何なるものであってもよく、例えば、炭化水素基、脂肪酸残基等の任意の疎水性を示す基で構成されたものであり得る。好ましくは、疎水性部分は炭化水素基である。また、疎水性部分が炭化水素基又は脂肪酸残基である場合、これらの基は、飽和型であっても不飽和型であってもよいが、好ましくは飽和型である。更に、疎水性部分が炭化水素基又は脂肪酸残基である場合、それらの炭素数も、本発明の効果を奏し得る限りにおいて特に限定されないが、一例として炭素数6以上、好ましくは炭素数6〜32、より好ましくは8〜30、更に好ましくは10〜28、特に好ましくは12〜26程度のものが用いられる。具体的に、炭化水素基又は脂肪酸残基としては、例えば、デシルテトラデシル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基等の飽和炭化水素基;オレイル基、リノイル基、リノレイル基、リシノレイル基等の不飽和炭化水素基;カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の飽和脂肪酸残基;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノレン酸等の不飽和脂肪酸残基を挙げることができるが、これらに限定されない。また、脂肪酸残基としては、脂肪酸残基を複数含む天然由来の混合脂肪酸残基であってもよく、このような混合脂肪酸残基の例としては、ヤシ油脂肪酸残基、パーム油脂肪酸残基、パーム核油脂肪酸残基、オリーブ油脂肪酸残基等を挙げることができるが、これらに限定されない。
また、本発明で(A)成分として用いられる非イオン界面活性剤は、HLB値が11〜15のものである。HLB値がこの範囲を外れる非イオン界面活性剤の場合には、後述の試験例の結果に示されるように、本発明の効果は得られ難くなるので好ましくない。HLB値とは、界面活性剤の性質を評価するために当該分野で一般に用いられている値であり、親水性−親油性バランス(Hydrophile-Lipophile Balance)とも呼ばれる。HLB値は一般に分子全体に占める親水性部分の強さの割合として求められ、HLB値が小さいものは親油性が高く、HLB値が高いものは親水性が高くなる傾向がある。具体的に本発明では、HLB値は、「ハンドブック−化粧品・製剤原料−」、日光ケミカルズ株式会社(昭和52年2月1日改訂版発行)に記載されている、乳化法による実測値を指す。詳細には、以下の手順で、乳化法によるHLBの実測値は求められる。先ず、界面活性剤の標準物質としてモノステアリン酸ソルビタン(NIKKOL SS-10)及びモノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(NIKKOL TS-10)を組み合わせて使用し、被乳化物には流動パラフィンを用いる。流動パラフィンを前述の2種類の界面活性剤で乳化して最適な界面活性剤の割合を算出し、次の式Aに従い流動パラフィンの所要HLB値を求める。
[式A]流動パラフィンのHLB値={(TS-10のHLB値(14.9)×使用%)+(SS-10のHLB値(4.7)×使用%)}/100
通常、流動パラフィンの所要HLB値は約10.1〜10.3程度である。次いで、未知の界面活性剤の測定は、HLB値を求めた流動パラフィンを使って測定する。未知の界面活性剤が親水性であればSS-10と組み合わせ、親油性であればTS-10と組み合わせて、流動パラフィンを乳化し、安定性のあるところの最適割合を求めて、未知の界面活性剤のHLB値をxとして前記式Aに当てはめて算出する。ここで乳化処方は、全体に対して、流動パラフィンが40%、使用する界面活性剤(使用する二つの界面活性剤の全量)が4%、及び水が56%で行う。界面活性剤の全量は一定にしておき、割合のみ変えて乳化できるところまで乳化する。界面活性剤の割合は0.1%ずつ変えて行う。できたエマルションは水が蒸発しないように蓋をして、全ての乳化作業が終了後に、得られたエマルションを各々1%に希釈し、共栓付試験管にほぼ同量を採取して一昼夜放置し、クリーミング量、白濁度、下層の水分離等から判定して、最も安定性の良いものを最適割合とする。
本発明では予想外のことに、親水性が強くなるHLB値が比較的高めの非イオン界面活性剤を用いるにもかかわらず、高い皮脂除去効果を発揮することができる。本発明で(A)成分として用いられる界面活性剤のHLB値は11〜15の範囲内であれば特に限定されないが、より確実に高い効果を発揮できるという観点から、好ましくはHLB11〜14、より好ましくはHLB11〜13.5、更に好ましくはHLB11〜13である。
具体的に、本発明で(A)成分として用いられる、HLBが11〜15の非イオン界面活性剤としては、薬学的又は生理学的に使用され得るものであれば特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(7)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(7)アルキル(12〜14)エーテル、ポリオキシエチレン(9)アルキル(12〜14)エーテル、ポリオキシエチレン(12)アルキル(12〜14)エーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油30等のエーテル系非イオン界面活性剤;ラウリン酸ポリグリセリル−6、ミリスチン酸ポリグリセリル−6、ラウリン酸ポリグリセリル−10、ミリスチン酸ポリグリセリル−10、ステアリン酸ポリグリセリル−10、イソステアリン酸ポリグリセリル−10、オレイン酸ポリグリセリル−10、リノール酸ポリグリセリル−10、パルミチン酸ポリグリセリル−10、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(15)グリセリル、ポリオキシエチレン(15)オレイン酸グリセリル、ポリオキシエチレン(20)ヤシ油脂肪酸ソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、ラウリンソルベス−6、テトラステアリン酸ソルベス−60、テトラオレイン酸ソルベス−30、テトラオレイン酸ソルベス−40、テトラオレイン酸ソルベス−60、ラウリン酸PEG−10、ステアリン酸PEG−10、ステアリン酸PEG−25、オレイン酸PEG−10等のエステル系非イオン界面活性剤;等を挙げることができる。
上記で列挙したようなHLB11〜15の非イオン界面活性剤のなかでも、より一層高い効果が期待できるという観点から、好ましくは、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(7)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(7)アルキル(12〜14)エーテル、ポリオキシエチレン(9)アルキル(12〜14)エーテル、ポリオキシエチレン(12)アルキル(12〜14)エーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油30、であり;より好ましくは、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(7)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(7)アルキル(12〜14)エーテル、ポリオキシエチレン(9)アルキル(12〜14)エーテル、ポリオキシエチレン(12)アルキル(12〜14)エーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(7)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(7)アルキル(12〜14)エーテル、ポリオキシエチレン(9)アルキル(12〜14)エーテル、ポリオキシエチレン(12)アルキル(12〜14)エーテルであり;更に好ましくは、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテルであり;更により好ましくは、ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(30)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテルである。
本発明では、上記のような(A)成分を1種単独で用いてもよく、また2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いる水性組成物中において、上記(A)成分の含有量は、0.01〜5重量%とする。このように少量の界面活性剤しか配合しなくても、本発明によれば高い皮脂除去効果を発揮することができる。(A)成分の含有量は、0.01〜5重量%である限り、特に限定されないが、高い効果を発揮させながら肌への使用感をより良好なものにするという観点から、好ましくは0.05〜3.5重量%、より好ましくは0.1〜2重量%である。
〔(B)成分〕
本発明の拭き取りシートに含浸させる水性組成物は更に、15〜30重量%のエタノールを含有する。
エタノールは、エチルアルコールとも呼ばれるアルコールの一種であり、皮膚に用いる外用組成物においてもこれまでに汎用されている成分である。
本発明では、エタノールを15〜30重量%と比較的多量に含有する水性組成物を用いることを特徴とする。後述の試験例の結果に示されるように、不織布に含浸させる水性組成物中におけるエタノールの含有量が15重量%未満であると、皮脂を除去する効果が得られ難くなるので好ましくない。また、水性組成物中におけるエタノール含有量が30%を超えると、皮膚に対して適用した場合に刺激感を与える場合があると共に本発明の効果も低下する傾向があるので好ましくない。本発明に用いる水性組成物中におけるエタノールの含有量は、15〜30重量%の範囲内である限り、特に限定はされないが、高い効果を発揮しつつ刺激感を抑えた拭き取りシートとするために、好ましくは15〜25重量%、より好ましくは17〜23重量%程度とするのがよい。
本発明で用いる水性組成物中における(A)成分と(B)成分の配合比率は、本発明の効果を発揮し得る限り、特に限定されない。一例としては、(A)成分の総量1重量部あたり、(B)成分を1〜3000重量部とする範囲が例示される。より確実に高い効果を発揮し得るという観点からは、好ましくは、(A)成分の総量1重量部あたり、(B)成分を5〜2000重量部、より好ましくは10〜1000重量部、更に好ましくは15〜600重量部とするのがよい。
本発明に用いる水性組成物は、更に前述した各成分に加えて、他の有用な作用を付加するため、保湿成分、収斂成分、抗炎症成分、皮脂吸着成分、紫外線散乱成分、紫外線吸収成分、DNA損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分、美白成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、抗酸化成分、老化防止成分、角質柔軟成分、ビタミン類等の各種成分を1種または2種以上組み合わせて配合してもよい。これらの各成分としては、医薬品、医薬部外品、化粧品分野などにおいて使用され得るものであれば特に制限されず、任意のものを適宜選択し使用することができる。
保湿成分としては、ハマメリスエキス、チャエキス、エイジツエキス、シャクヤクエキス、ダイズエキス、オウゴンエキス、ルイボスエキス、クロレラエキス、ブナエキス、ヨクイニンエキス、ショウガエキス、カミツレエキス、ヨモギエキス、カラスムギエキス、テンチャエキス、グァバエキス、サクラ葉エキス、カシューナッツエキス、バラエキス、カキョクエキス、クジンエキス、カンキツエキス、グレープフルーツエキス、アロエエキス、オトギリソウエキス、カキ葉エキス、サンシャエキス、ウコギエキス等の植物エキス;大豆蛋白分解物、小麦蛋白分解物、カゼイン蛋白分解物、シルク蛋白分解物、ケラチン蛋白分解物、コラーゲン加水分解物等の動植物由来タンパク質の分解物;アラニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニンなどのアミノ酸及びその誘導体;ヘパリン、コンドロイチン、ヒアルロン酸又はその塩(例えば、ヒアルロン酸ナトリウム等)、アセチル化ヒアルロン酸又はその塩(例えば、アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム等)等のムコ多糖;グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール;ソルビトールなどの糖アルコール;レシチン、水素添加レシチン等のリン脂質;乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、尿素などのNMF由来成分等が挙げられる。保湿成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、水性組成物の全体に対して例えば約0.001〜10重量%、好ましくは約0.01〜5重量%である。
収斂成分としては、例えば、セージエキス、海藻エキス(アルゲエキス)等の収斂作用が公知の植物エキス;ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム等の金属塩;タンニン酸、クエン酸、乳酸、コハク酸などの有機酸;を挙げることができる。収斂成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、水性組成物の全体に対して例えば約0.001〜10重量%、好ましくは約0.01〜5重量%である。
抗炎症成分としては、例えば、サリチル酸又はその誘導体、アラントイン、カラミン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、酸化亜鉛、グアイアズレン、酢酸トコフェロール、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレピン油、インドメタシン等が挙げられる。好ましくはグリチルリチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、グリチルリチン酸ジカリウムなど)、グリチルレチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩、または酸化亜鉛である。抗炎症成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、水性組成物の全体に対して例えば約0.0003〜10重量%、好ましくは約0.01〜5重量%である。
皮脂吸着成分としては、例えば、タルク、マイカ、ヒドロキシアパタイト、酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。なかでも、好ましくは、マイカ、ヒドロキシアパタイト、及び酸化亜鉛であり、特に好ましくはマイカである。皮脂吸着成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、水性組成物の全体に対して例えば約0.001〜35重量%、好ましくは約0.01〜25重量%である。
紫外線散乱成分としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸チタン、ケイ酸亜鉛、無水ケイ酸、ケイ酸セリウム、含水ケイ酸等の無機化合物や、それらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカやタルク等の無機粉体で被覆したり、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂粉体に複合化したもの、さらにシリコン油や脂肪酸アルミニウム塩等で処理したものなどが挙げられる。中でも、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄等の無機化合物や、これらの無機化合物を水酸化アルミニウム、含水ケイ酸、マイカやタルク等の無機粉体やシリコン油で被覆したものが好ましい。紫外線散乱成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、水性組成物の全体に対して例えば約0.001〜35重量%、好ましくは約0.01〜25重量%である。
紫外線吸収成分としては、例えば、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、2,4,6−トリス[4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、ジメトキシベンジリデンオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。紫外線吸収成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、水性組成物の全体に対して例えば約0.01〜20重量%、好ましくは約0.1〜15重量%である。
DNAの損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分としては、例えば、動物(例えば、アルテミア)に由来する成分;植物(例えば、キャッツクロー)に由来する成分;DNA、DNA塩、RNA、RNA塩等の核酸成分が挙げられる。DNAの損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分の配合量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、水性組成物の全体に対して、例えば約0.001〜3重量%、好ましくは約0.01〜1重量%である。
美白成分としては、例えば、プラセンタ;アルブチン;コウジ酸;エラグ酸;フィチン酸;ルシノール;カモミラET;ビタミンA又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体等のビタミン類等が挙げられる。更に、美白作用を有する植物成分を美白成分として用いてもよく、かかる植物成分としては、イリス(アイリス)、アーモンド、アロエ、イチョウ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、クロレラ、ゴバイシ、コムギ、コメ、コメハイガ、オリザノール、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、ダイズ、納豆、茶、トウキ、トウキンセンカ、ニンニク、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、トウキ、アメジスト、アセンヤク、アセビワラビ、イヌマキ、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、キササゲ、クロマメ、ゲンチアナ、ゲンジン、サルサ、サヤインゲン、ショクマ、ジュウロウ、セージ、ゼンコ、ダイコン、ツツジ、ツクシハギ、トシン、ニガキ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、マルバハギ、チョウジ、カンゾウ等の植物に由来する成分が挙げられる。美白成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、水性組成物の全体に対して例えば約0.0001〜20重量%、好ましくは約0.001〜10重量%である。
抗菌成分としては、例えば、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2−ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン等が挙げられる。抗菌成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、水性組成物の全体に対して例えば約0.0003〜10重量%、好ましくは約0.01〜5重量%である。
細胞賦活化成分としては、例えば、γ−アミノ酪酸、ε−アミノカプロン酸などのアミノ酸類:レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類などのビタミン類:グリコール酸、乳酸などのα−ヒドロキシ酸類:タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、感光素301号などが挙げられる。細胞賦活化成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、水性組成物の全体に対して例えば約0.0003〜10重量%、好ましくは約0.01〜5重量%である。
抗酸化成分としては、例えば、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスムターゼ、チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリンなどが挙げられる。抗酸化成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、水性組成物の全体に対して例えば約0.00001〜10重量%、好ましくは約0.0001〜5重量%、より好ましくは0.001〜5重量%である。
老化防止成分としては、例えば、レチノイド(レチノール、レチノイン酸、レチナール等)、パンガミン酸、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N−メチル−L−セリン、メバロノラクトン等が挙げられる。老化防止成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、水性組成物の全体に対して例えば約0.0003〜10重量%、好ましくは約0.01〜5重量%である。
角質柔軟成分としては、例えば、ラノリン、尿素、フィチン酸、乳酸、乳酸塩、グリコール酸、サリチル酸、リンゴ酸、クエン酸などが挙げられる。角質柔軟成分を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、水性組成物の全体に対して、例えば0.0001〜50重量%、好ましくは約0.001〜50重量%、より好ましくは約0.01〜25重量%である。
ビタミン類としては、例えば、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のレチノール誘導体、レチナール、レチノイン酸、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノール、d−δ−トコフェリルレチノエート、α−トコフェリルレチノエート、β−トコフェリルレチノエート等のビタミンA類;β−カロチン、α−カロチン、γ−カロチン、δ−カロチン、リコピン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、エキネノン等のプロビタミンA類;δ−トコフェロール、α−トコフェロール、β−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、δ−トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール等のビタミンE類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類;ニコチン酸メチル、ニコチン酸、ニコチン酸アミドなどのニコチン酸類;ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸L−アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル)、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸グルコシドなどのビタミンC類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなどのビタミンD類;フィロキノン、ファルノキノン等のビタミンK類;ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、チアミントリリン酸エステルモノリン酸塩等のビタミンB1類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’−リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;葉酸、プテロイルグルタミン酸等の葉酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテテイン、D−パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類;ビオチン、ビオシチン等のビオチン類;そのほか、カルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、オロット酸、γ−オリザノール等のビタミン様作用因子などが挙げられる。ビタミン類を配合する場合、その使用量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、水性組成物の全体に対して、例えば約0.001〜30重量%、好ましくは約0.1〜25重量%、より好ましくは約0.5〜20重量%である。
上記のような各種成分は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
また本発明に用いられる水性組成物は、上記各成分に加えて用途あるいは剤形に応じて、医薬品、医薬部外品、又は化粧品などの分野に通常使用される成分を適宜配合して調製され得る。配合できる成分としては、特に制限されないが、例えば、基剤又は担体、(A)成分以外の界面活性剤、酸化防止剤、保存剤、pH調整剤、キレート剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、分散剤、香料等の添加剤を配合することができる。なお、これらの成分は1種単独で、または2種以上を任意に組み合わせて配合することができる。
本発明に用いられる水性組成物は、必須の基剤として、水などの水系基剤を含有する。本発明に用いる水性組成物中における水などの水系基剤(特に、水)の配合量は、皮膚への使用感や効果の程度等を考慮して適宜選択できるが、一例として約30〜84.9重量%、好ましくは50〜84重量%、より好ましくは60〜83重量%である。また、本発明に用いる水性組成物は、水系基剤以外の基材又は担体を含むものであってもよく、このような基剤又は担体としては、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、軽質流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコン、フェニル変性シリコーン、シリコーンレジンのようなシリコーン油;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールのような高級アルコール;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、ホホバ油のようなエステル類;デキストリン、マルトデキストリンのような多糖類;イソプロパノールのような低級アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルのようなグリコールエーテル;ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、ジグリセリン、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール;等が挙げられるが、これらに限定されない。
(A)成分以外の界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、又は両性界面活性剤等の合成界面活性剤;レシチン、水素添加レシチン、サポニン、サーファクチンナトリウム、コレステロール、胆汁酸などの天然由来の界面活性剤;等を例示することができる。
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、トコフェロール、トコフェロール誘導体、エリソルビン酸、L−システイン塩酸塩などが挙げられる。
防腐剤又は保存剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、クロロブタノール、ソルビン酸およびその塩、グルコン酸クロルヘキシジン、アルカンジオールなどが挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、無機酸(塩酸、硫酸など)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウムなど)、無機塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなど)などが挙げられる。
キレート剤としては、例えば、キレート剤としては、エチレンジアミン4酢酸(エデト酸)、エチレンジアミン4酢酸塩(ナトリウム塩(エデト酸ナトリウム:日本薬局方、EDTA−2Naなど)、カリウム塩など)、フィチン酸、グルコン酸、ポリリン酸、メタリン酸などが挙げられる。中でも、エデト酸ナトリウムが好ましい。
安定化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ビチルヒドロキシアニソールなどが挙げられる。
刺激低減剤としては、例えば、甘草エキス、アルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
上記のような添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明に用いられる水性組成物は、常法に従い、水などの水系基剤に上記(A)成分及び(B)成分をそれぞれ定められた含有量となるように配合し、更に必要に応じて他の成分を適宜配合して、均一に溶解又は分散させることにより容易に調製され得る。水系基剤に各成分を入れる順番等は特に限定されず、当業者により適宜選択され得る。不織布に均質に含浸させ易いという観点から、限定はされないが、本発明に用いる水性組成物は、可溶化系の水性組成物であることが好ましい。ここで可溶化系とは、水と油とが相分離せずに均一で透明の外観を呈し、熱力学的にも安定な一相系の状態を指す。すなわち可溶化系とは、いわゆる乳化系を除く状態である。
また、本発明に用いる水性組成物は、通常pH2.0〜9.0の液性を備えていればよいが、皮膚に対する低刺激性及び使用感の良さという観点から、好ましくはpH3.0〜8.5、より好ましくはpH3.5〜7.5、特に好ましくはpH4.0〜7.0程度であることが望ましい。
〔不織布素材〕
本発明の拭き取りシートは、前述のようにして調製される水性組成物を、レーヨン含有率が80重量%以上である不織布に含浸させることにより製造される。
レーヨンとは、パルプ等に含まれるセルロースを原料としてビスコース法により製造される再生線維として当業者に周知の線維素材である。本発明では、拭き取りシートの不織布素材として、このようなレーヨンを80重量%以上含有する不織布を選択して用いることを大きな特徴とする。後述の試験例の結果に示されるように、このような拭き取りシートの製造で従来汎用されていたコットン100重量%等のレーヨンを全く含まない不織布素材、或いはレーヨンを含んでいてもその含有率が80重量%未満である不織布素材を用いた場合には、本発明の効果は得られ難くなるので好ましくない。本発明に用いる不織布素材のレーヨン含有率は、不織布素材全体に対して80重量%以上であれば特に限定されず、レーヨン含有率は80〜100重量%の任意の含有率のものが用いられ得る。高い本発明の効果を得ると共に加工性や取扱い性にも優れたものとするために、好ましくはレーヨン含有率が80〜97重量%、より好ましくはレーヨン含有率が80〜95重量%、更に好ましくはレーヨン含有率が80〜90重量%である不織布を用いるのがよい。
また、本発明の拭き取りシートに用いる不織布素材は、熱可塑性のバインダーを含むことが好ましい。このように熱可塑性のバインダーを含むことによって、線維同士の熱接着力が高まることにより線維が解けにくく、安定で、加工性に優れた不織布とすることができる。本発明に用いる不織布では、任意の熱可塑性バインダーを含むことができ、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系;ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル系;ナイロン等のポリアミド系;ポリアクリロニトリル系;等の各種樹脂から構成される熱可塑性のバインダーを挙げることができるが、これらに限定されない。また、不織布に含まれる熱可塑性のバインダーは、上記のなかから1種を単独で含んでいてもよく、2種以上を任意に組み合わせて含んでいてもよい。より一層高い効果が得られ易いという観点から、好ましくは、本発明の拭き取りシートに用いられる不織布は、ポリオレフィン系の樹脂から構成されるバインダーを含み、より好ましくは、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンから構成されるバインダーを含み、更に好ましくは、ポリエチレン及びポリプロピレンの両方から構成されるバインダーを含む。また、特に限定される訳ではないが、本発明に用いられる不織布は、ポリエステル系の樹脂から構成されるバインダーを含まない方がより高い効果を得られ易い。
本発明の拭き取りシートの製造に用いる不織布における、上記のような熱可塑性のバインダーの含有率は、20重量%以下である限り特に限定されないが、本発明の高い効果を獲得しつつ加工性や取扱い性等にも優れた不織布素材とするために、好ましくは不織布素材における熱可塑性バインダーの含有率は不織布素材全体に対して5〜20重量%、より好ましくは10〜20重量%、更に好ましくは15〜20重量%程度であるのがよい。
本発明の拭き取りシートは、上記のようなレーヨン線維、及び必要に応じて添加されるバインダーに加えて、更に他の成分を含むものであってもよい。このような他の成分としては、コットン、パルプ、セルロース、テンセル、リヨセル、キチン、キトサン、コラーゲン、アルギン酸等の線維素材を挙げることができるが、これらに限定されない。本発明の拭き取りシートがこのような他の成分を含む場合、その含有率は特に限定されないが、一例として不織布素材全体に対して0.001〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%程度である。
本発明の拭き取りシートに用いる不織布の目付は、本発明の効果を奏し得る限り特に限定されず、任意のサイズのものが用いられ得る。ここで目付とは、単位面積当たりの線維重量(g/m)として不織布のサイズを示す値として当業者に周知のパラメーターである。本発明の拭き取りシートを使用する際にしっかりと体表面を拭き取りやすいという取扱い性と使用感の良さを考慮しつつ、皮脂除去効果に優れた拭き取りシートとするために、不織布の目付は、好ましくは10〜60g/m、より好ましくは20〜50g/m、更に好ましくは30〜40g/m、特に好ましくは36〜40g/m程度であるのがよい。
本発明の拭き取りシートに用いる不織布の厚さもまた、本発明の効果を奏し得る限り特に限定されず、任意の厚さのものであり得る。一例として、不織布の厚さは0.01〜20mm、好ましくは0.05〜10mm、より好ましくは0.1〜5mm程度であるが、特に限定されない。不織布は、凹凸形状の立体模様が何もついていないプレーンタイプの不織布であってもよいし、或いは円形、多角形、波形、渦巻き形状、星型形状、四葉型形状、花型形状、ハート型形状、格子形状、直線状、又はこれらを組み合わせた形状等の任意の形状が規則的又は不規則的に表面及び裏面の少なくとも一方面に凹凸形状で表される立体模様を有するものであってもよい。好ましくは、凹凸形状を有する不織布が用いられる。このような凹凸形状は、当業者に公知の任意の方法で加工することができ、例えば、メッシュ加工、エンボス加工、ドット加工又はこれらの加工法の組み合わせ等の任意の方法により加工することができる。好ましくは、メッシュ加工を含む方法(例えば、メッシュ加工のみを施す方法、メッシュ加工とエンボス加工とを組み合わせた方法、メッシュ加工とドット加工を組み合わせた方法等)により加工して得られた凹凸形状を有する不織布である。なお、不織布が凹凸形状を有する場合、不織布シート全体の平均厚さ(mm)が、上記のような不織布の厚さの範囲内にあることが好ましい。
不織布は、当業者に公知の任意の方法により製造され、例えば、水流絡合法(スパンレース法)、ニードルパンチ法、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ステッチボンド法、スチームジェット法、フリース形成法(乾式法、湿式法)、スパンボンド法、メルトブロー法、エアレイド法、又はこれらを任意に組み合わせた方法等により製造され得る。また、不織布は市販品を用いてもよく、例えば、ダイワボウポリテック株式会社、ユニチカ株式会社、カナエテクノス株式会社、三昭紙業株式会社等から種々の不織布が市販されており、利用可能である。
本発明の拭き取りシートは、前述のような(A)及び(B)成分を特定の量で含有する水性組成物を、上記のようなレーヨン含有率が80重量%以上である不織布に対して、滴下法、浸漬法、噴霧法、ディッピング加工法等の当業者に公知の任意の方法により含浸させて製造される。不織布に対して含浸させる水性組成物の量は特に限定されず、各不織布素材の目付量や含浸率に従い、十分な量が不織布素材に含まれるように当業者により適宜調整して含浸され得る。一例として、レーヨン含有率が80重量%以上の不織布1gあたり、0.1〜10g程度の前記水性組成物を含浸させて製造する態様を挙げることができる。取扱い性や使用感等を考慮しつつ、より高い本発明の効果が期待できるという観点から、好ましくは、レーヨン含有率が80重量%以上の不織布1gあたり、前記水性組成物を1〜7g、より好ましくは2〜5g程度含浸させればよい。前記不織布1gあたりに含浸させる水性組成物の量を、上記のようなより好ましい量とすることで、より確実に高度な皮脂除去効果を発揮できる傾向が確認されている。
本発明の拭き取りシートは、任意の形態で提供され、例えば、皮脂を除去するために用いるフェイシャルシート、ボディーシート、ボディータオル等の任意の形態で提供され得る。皮脂が気になるときに手軽に使用し易いという観点から、好ましくは、本発明の拭き取りシートは、フェイシャルシート又はボディーシートとして用いられるのがよい。
本発明の拭き取りシートは、任意の容器で包装して提供され得る。好ましくは、水性組成物の蒸発や水性組成物中に含まれる成分(特に(B)成分)の揮発を防ぎ、長期間にわたり安定して皮脂除去効果を発揮できる拭き取りシートとするために、密閉性の高い容器で包装して提供されることが望ましい。本発明の拭き取りシートは、一回使い切りのタイプとして個包装されてもよいし、又は複数回にわたり使用できるように、使用回数分の拭き取りシートを纏めて一緒に包装してもよい。複数回使用タイプとして包装する場合には、使用の度に蓋を開閉できるようにして、使用しないときには開口部を閉じた状態にできるような構造を備えた容器であることが好ましい。ここで、開口部を開閉可能な状態にする蓋部材は、容器と一体成形された蓋部材であってもよいし、容器に連結された蓋部材であってもよいし、又は容器から取り外し可能な状態の蓋部材であってもよい。容器から取り外し可能な状態の蓋部材としては、例えば、粘着層を備えたシール状の部材であって、使用の度に開口部を粘着層でシールできるもの等であってもよい。また、シール状部材を用いる場合、粘着層は必ずしも蓋部材側の表面に存在する必要はなく、容器側の表面(例えば、開口部の周囲等)に存在してもよい。容器及び蓋部材の材質としては、当該分野で周知の任意の気密性に優れた材質のものを用いることができ、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;アルミニウム等の金属;アルミ箔をラミネートしたラミネートフィルム;等を挙げることができるが、これらに限定されない。外出時等に持ち運びし易く、取扱いが容易であるという観点から、好ましくはアルミ箔をラミネートしたラミネートフィルムで構成される袋状の容器であって、シール状の蓋部材で開口部を使用の度に開閉可能な状態にした容器で包装されることが好ましい。
本発明の拭き取りシートは、任意の場面で使用され得る。例えば、外出先等で皮脂を除去するために好適に用いられ得る。使用方法は特に限定されず、皮脂の気になる体表面の部分(例えば、顔面、首、耳、手足、胸元、背中等の上半身の部分)を本発明の拭き取りシートで拭き取ることにより、簡便に皮脂を除去できる。とりわけ、顔面の皮脂を除去するために用いられることが好ましい。特に限定はされないが、拭き取る動作により、メーキャップした化粧料(ファンデーション、口紅、頬紅、眉墨、マスカラ、アイシャドウ等)を落としてしまう懸念があるため、本発明の拭き取りシートは、メーキャップ化粧品を使用していない状態(即ち、ノーメイクの状態)にある体表面(例えば、洗顔後若しくはクレンジング後の素肌、又は化粧水や乳液、美容液、パック等の基礎化粧品で肌を整えただけの状態の肌)に対して用いられることが好ましい。本発明の拭き取りシートは、皮脂を高度に除去することができるので、ベタベタした皮脂汚れをスッキリと除去して、さっぱり、サラサラとした爽快な使用感を与えることができる。また、皮脂は皮脂臭と呼ばれる皮脂が酸化した不快な臭いを発生させて体臭の一因となり得るが、本発明によれば、皮脂を効果的に除去できるので、こうした皮脂臭も抑制することが期待できる。
本発明の拭き取りシートは、あらゆる人に対して用いられ得る。一般には、男性の方が女性よりも皮脂の分泌量が多いことが知られているが、本発明はそうした皮脂分泌量が多い男性が用いた場合であっても高度に皮脂を除去することができるので非常に有益である。かかる観点に鑑みれば、本発明の拭き取りシートは男性に用いられることが好ましく、なかでも皮脂分泌量の多い若年層の男性に用いられることが好ましい。また、皮脂は体表面上で酸化されて皮脂臭と呼ばれる体臭を発生させ、更には過剰に分泌された皮脂が体表面上で酸化的に分解されることで加齢臭の一因ともされているノネナールをも発生させることが知られている。本発明によれば、そのような体臭・加齢臭の原因物質を発生させ得る皮脂を効果的に除去できるので、体臭や加齢臭も抑制することが期待できる。このような観点に鑑みれば、本発明の拭き取りシートは、体臭や加齢臭が気になり始める30代以降、特に40代以降の男性にも好適に用いられ得る。
(2.皮脂を除去する美容方法)
前述したように、レーヨン含有率が80重量%以上である不織布に、上記(A)成分及び上記(B)成分を特定の量で含有する水性組成物を含浸させて得られる拭き取りシートを用いることにより、皮脂を高度に除去できることが確認されている。
従って、本発明は更に別の観点から、レーヨン含有率が80重量%以上である不織布に、(A)HLBが11〜15である非イオン界面活性剤0.01〜5重量%及び(B)エタノール15〜30重量%を含有する水性組成物を含浸させた拭き取りシートを用いて、皮脂が分泌された体表面を拭き取ることを特徴とする、皮脂を除去する美容方法をも提供する。
上記方法における(A)成分及び(B)成分の種類やその配合割合、その他に配合され得る成分の種類やその配合割合、不織布の素材や目付、製造方法、使用方法等は、上記「(1.拭き取りシート)」で記載されたものと同様である。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
<試験例1:皮脂除去力の評価>
以下の表1に示す各水性組成物(被験溶液1〜6)、及び以下の表2に示す各不織布(被験不織布A〜E)を任意に組み合わせて使用し、拭き取り動作後に各シート剤が皮脂を除去した量について評価を行った。
Figure 2015110550
Figure 2015110550
先ず、表1に示す各水性組成物を常法により調製した。また、表2に示す各不織布A〜Eを、1cm×9cmの大きさに切り分けた。次いで、2cm×5cmの印を付けた人工皮革を、静・動摩擦試験機TL201Sa(トリニティーラボ社製)の移動台に置き、この人工皮革に、赤色に着色した人工皮脂(組成:ダイズ油47.5重量%、オレイン酸13重量%、ミリスチン酸12重量%、スクワレン12重量%、パラフィンワックス10重量%、オレイン酸モノグリセライド3重量%、コレステロール2重量%、及び着色色素(ズダンIII)0.5重量%)を約10mg塗布した。前記のように切り分けた不織布Aのシート(約0.0342g)に十分な量が含浸するように、約0.1197gの各被験溶液1〜6をそれぞれ含浸させて、これを静・動摩擦試験機の面接触子(接触面積1cm×1cm)に取り付けた。面接触子を人工皮脂塗布面から1cm手前に置き、荷重100g、移動スピード2mm/秒、及び移動距離6cmの条件下で30秒間移動させて拭き取り処理を行わせた。拭き取り処理後、面接触子からシートを取り外し、エタノール4mlを予め入れていた共栓試験管に入れ、振とう後、遠心分離にかけた(2500rpm、10分間)。その後、上清を採取し、U-3300形分光光度計(日立ハイテクフィールディング製)を用いて511nmの吸光度を測定した。別途、前記の着色した人工皮脂約10mgをエタノール8mlに溶解した液についても511nmの吸光度を測定し、これをコントロールとした。
更に、不織布素材を変えて評価するために、被験溶液1を不織布B〜Eに同様に含浸させて調製したシート剤を用意し、これらについても前述と同様に、静・動摩擦試験機を用いて拭き取り処理を行い、処理後のシートに付着した人工皮脂の量を511nmの吸光度で測定した。また、不織布Eについては、被験溶液1だけでなく、被験溶液2又は3に含浸させたシート剤も用意し、これらについても同様の処理を行って、拭き取り処理後のシートに付着した人工皮脂量の測定を行った。
各シート剤について測定された拭き取り処理後のシートに付着した人工皮脂量(mg)に基づいて、下式(I)に従って、拭き取り動作試験の際に各シート剤が接触し得た人工皮脂量(5mg)で除算することにより、皮脂除去率(%)を算出した。
・皮脂除去率(%)={拭き取り処理後の各シート剤に付着した人工皮脂量(mg)/5mg}×100・・・式(I)
この結果を、下記の表3に示す。
Figure 2015110550
上記結果に示されるように、被験溶液の種類と不織布の素材との組み合わせにより、拭き取り処理による各シート剤の皮脂除去力が大きく変動することが分かる。具体的には、レーヨンを80重量%含む不織布素材Aを用いて比較した場合、HLB値が8.5〜10.5程度と低めの非イオン界面活性剤を含む被験溶液3又は6を含浸させたシート剤としたときの皮脂除去率は十分とは言えない。また、HLB値が11〜14程度の非イオン界面活性剤を含有する被験溶液であっても、共存するエタノールの含有量が10%程度と少量である場合もまた、皮脂を除去する効果はやや劣ることが分かった。また、HLB値が11〜14程度の非イオン界面活性剤を含み、且つエタノール含量も20重量%程度含む被験溶液1〜2を用いた場合であっても、レーヨン含有率が80重量%を下回るか又はレーヨンを全く含まない不織布素材に含浸させて用いた場合(不織布B〜E)には、皮脂除去率は十分とは言えないレベルであった。一方、全く予想外のことに、レーヨン含有率が80重量%以上の不織布に対して、HLB値が11〜14程度の非イオン界面活性剤と共にエタノールを20重量%程度含む被験溶液を含浸させた場合(不織布A:被験溶液1、2)には、著しく高い皮脂除去効果が発揮されることが明らかとなった。とりわけ、界面活性剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル系の非イオン界面活性剤を含む場合に高い皮脂除去力を発揮することが認められた。本試験で用いた各被験溶液に含まれる非イオン界面活性剤の量は1重量%と少量であるが、これ程までに高い皮脂除去率を達成できたのは予想外のことであった。以上の結果から、本発明により、格別に高い皮脂除去効果を発揮し得る拭き取りシートを提供できることが明らかとなった。
<試験例2:皮脂除去力の評価>
以下の表4に示す水性組成物(被験溶液7)と、レーヨン含有率が80重量%以上である不織布とを組み合わせた場合の皮脂除去力について、上記試験例1と同様の手順で更に評価を行った。本参考試験例では、レーヨン含有率が80重量%以上の不織布として、上記試験例1で用いた不織布A(SS-38)を使用した。
Figure 2015110550
皮脂除去率(%)は、上記試験例1の式(I)に従い算出した。この結果を上記表4の最下欄に示す。上記結果に示されるように、水性組成物のエタノールの含有量が30重量%を超えてしまうと、本発明で規定する特定の界面活性剤と共に、レーヨン含有率80重量%以上の不織布を用いたとしても、皮脂除去率はかえって低下する傾向が認められた。
また、本試験と並行して、被験溶液7の無水エタノール含有量40重量%を30重量%へと変更した被験溶液8(ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル(HLB:11)1重量%、無水エタノール30重量%、及び水残余の処方)についても不織布A(SS-38)に含浸させて同様に評価したところ、皮脂除去率は83%であり、上記試験例1と同様に高い皮脂除去効果を発揮できることが確認された。
以下に、本発明の製剤処方例を示す。これらの拭き取りシートは、常法に従い製造され、皮脂を除去するために好適に用いられる。
Figure 2015110550

Claims (9)

  1. (A)HLBが11〜15の非イオン界面活性剤0.01〜5重量%及び(B)エタノール15〜30重量%を含有する水性組成物を、レーヨン含有率が80重量%以上である不織布に含浸させてなる、拭き取りシート。
  2. 体表面から皮脂を拭き取るために用いられる、請求項1に記載の拭き取りシート。
  3. (A)成分が、エーテル系非イオン界面活性剤である、請求項1又は2に記載の拭き取りシート。
  4. (A)成分が、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の拭き取りシート。
  5. 不織布が、ポリオレフィン樹脂から構成されるバインダーを更に含む、請求項1〜4のいずれかに記載の拭き取りシート。
  6. 不織布が、ポリエチレン及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の樹脂から構成されるバインダーを更に含む、請求項1〜5のいずれかに記載の拭き取りシート。
  7. 不織布の目付が10〜60g/mである、請求項1〜6のいずれかに記載の拭き取りシート。
  8. 不織布1gあたり、0.1〜10gの前記水性組成物を含浸させてなる、請求項1〜7のいずれかに記載の拭き取りシート。
  9. レーヨン含有率が80重量%以上である不織布に、(A)HLBが11〜15である非イオン界面活性剤0.01〜5重量%及び(B)エタノール15〜30重量%を含有する水性組成物を含浸させた拭き取りシートを用いて、皮脂が分泌された体表面を拭き取ることを特徴とする、皮脂を除去する美容方法。
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