JP2004182635A - 皮膚外用剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】水溶性の高いアスコルビン酸または水溶性アスコルビン酸誘導体を水性媒体中で安定に保持し、かつ皮膚に対する作用効果に優れ使用感の良好な皮膚外用剤の提供。
【解決手段】皮膚外用剤の基材として水とグリコールエーテル類、特定の多価アルコールを使用する。すなわち、本発明は、アスコルビン酸、その誘導体及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種、ii)水、及びiii)グリコールエーテル類と特定の多価アルコールを含有する皮膚外用剤である。
【選択図】なし
【解決手段】皮膚外用剤の基材として水とグリコールエーテル類、特定の多価アルコールを使用する。すなわち、本発明は、アスコルビン酸、その誘導体及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種、ii)水、及びiii)グリコールエーテル類と特定の多価アルコールを含有する皮膚外用剤である。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アスコルビン酸、水溶性アスコルビン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種(以下、本明細書においてこれらを総称して「水溶性アスコルビン酸類」ともいう。)を含有する皮膚外用剤に関する。より詳細には、本発明は水溶性アスコルビン酸類の安定に可溶化され、皮膚浸透性に優れる使用感の良い皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
水溶性アスコルビン酸類は、抗炎症効果、ニキビ改善効果、美白効果、老化防止効果、抗酸化効果、コラーゲン等の生体成分の合成促進による細胞賦活効果、表皮角化細胞の紫外線による細胞障害やDNA損傷を抑制する効果といった各種の効果を発揮することが知られており、これらの効果を期待して皮膚外用剤として広く用いられている。
【0003】
しかし、水溶性アスコルビン酸類は錠剤などの固形剤と比較すると水溶液中ではかなり不安定で容易に分解してしまうため、皮膚外用剤中に水溶性アスコルビン酸類を配合する場合には、必要量の水溶性アスコルビン酸類を十分に可溶化する量の水を配合できないという問題があった。このため、水溶性アスコルビン酸類を皮膚外用剤において安定に可溶化するためのいくつかの方法が検討されている。
【0004】
例えば、15%以下のL−アスコルビン酸、10〜15%の水、47〜55%のエトキシジグリコール、22〜29%のプロピレングリコール及び香料からなる溶液中にL−アスコルビン酸が安定に可溶化されることが知られている(特許文献1)。また、L−アスコルビン酸をプロピレングリコールとブチレングリコールからなるグリコールキャリアーとエトキシジグリコール等の安定化剤を含む非水性媒体中にL−アスコルビン酸が安定に可溶化されることが知られている(特許文献2)。しかしながら、水溶性アスコルビン酸がある程度可溶化されるものの、皮膚への浸透性、べたつきや肌なじみといった使用感の点ではいまだ十分とはいえなかった。
【0005】
ところで、皮膚外用剤の製剤設計においては、安定性のみならず有効性及び使用感を良好にすることが求められることはいうまでもない。皮膚の表面は外界物質を体内に入り込ませないために角質層で覆われているので、多くの皮膚外用剤では角質層が強固な障壁となって、配合した有効成分の効果が十分に得られていないのが実情である。このため、従来より、皮膚浸透の律速段階となっている角質層への有効成分の皮膚浸透性を向上させることによって、皮膚外用剤に配合する有効成分の作用を最大限発揮させるための製剤設計が求められている。
水溶性アスコルビン酸類においては、水溶性であるため疎水性の角質層への浸透性が悪く、作用を最大限に発揮することができない。さらに、水溶性アスコルビン酸誘導体では、アルコルビン酸に比較して分子量がより大きくなるため皮膚への浸透性が更に低下する。
【0006】
【先行技術の開示】
【特許文献1】
WO02/19972
【特許文献2】
WO00/76547
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、このようにアスコルビン酸類を含有する皮膚外用剤においても、水溶性アスコルビン酸類を安定に可溶化するとともに、皮膚へのアスコルビン酸類の浸透性が高く効果が十分に発揮され、かつ満足な使用感の製剤を得ることが重要な課題である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、水溶性アスコルビン酸類を含有する皮膚外用剤において、アスコルビン酸類を安定に可溶化するとともに、アスコルビン酸類の浸透性が高くかつ使用感の良好な皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行なった結果、水溶性アスコルビン酸類を皮膚製剤中に用いる場合に、特定の割合でジエチレングリコールエーテル類及び水を配合するとともに、さらに、特定の重量割合となるようにプロピレングリコールとブチレングリコールを含有することによって、水溶性アスコルビン酸類が安定に可溶化され、水溶性アスコルビン酸類の皮膚への浸透性が高まりひいては効果が向上することを見いだした。さらに本発明者らは、本発明により使用感に優れた皮膚外用剤が調製できることを確認した。本発明はかかる知見に基づいて開発されたものである。
【0009】
すなわち本発明は、下記(1)〜(6)に掲げる皮膚外用剤である:
皮膚外用剤全体に対する割合として、
i)アスコルビン酸、水溶性アスコルビン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を5〜20重量%、
ii) 5〜20重量%の水、
iii) 12〜60重量%のジエチレングリコールエーテル類、
iv)ブチレングリコール及び
v)プロピレングリコールを含有し、
ブチレングリコールとプロピレングリコールの重量比が1:0.1〜1:6の範囲で含有する皮膚外用剤、
(2)ブチレングリコール:プロピレングリコールが重量比で1:0.1〜1:2である(1)に記載の皮膚外用剤、
(3)ブチレングリコール及びプロピレングリコールの合計重量がジエチレングリコールエーテル類の0.3倍〜6倍である(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤、
(4)ジエチレングリコールエーテル類がエトキシジグリコールである(1)乃至(3)に記載の皮膚外用剤、
(5)水溶性アスコルビン酸誘導体が、アスコルビン酸リン酸エステル誘体、アスコルビン酸グルコシドである(1)乃至(4)に記載の皮膚外用剤、
(6)さらに美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、老化防止成分及び保湿成分からなる群から選択される少なくとも1種を含有する(1)乃至(5)のいずれかに記載の皮膚外用剤。
【0010】
【発明の実施の形態】
水溶性アスコルビン酸類
本発明で用いられるアスコルビン酸は、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において皮膚外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されない。通常、ビタミンCの慣用名で知られるL−アスコルビン酸をあげることができる。水溶性アスコルビン酸誘導体としては、アスコルビン酸と同様、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において皮膚外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されず、エステル誘導体またはエーテル誘導体を挙げることができる。具体的には、アスコルビン酸のエステル誘導体としてはL−アスコルビン酸モノリン酸エステル,L−アスコルビン酸ジリン酸エステルまたはL−アスコルビン酸トリリン酸エステル等のL−アスコルビン酸のリン酸エステル誘導体;L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル等が例示できる。また、アスコルビン酸のエーテル誘導体としてはL−アスコルビン酸−2−グルコシド等が例示できる。なかでも、好ましくはL−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸のリン酸エステル誘導体、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル、L−アスコルビン酸−2−グルコシドまたはそれらの塩であり、皮膚や粘膜に対する安全性の高さと作用効果の高さから、特に好ましくは、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−グルコシドまたはそれらの塩である。なお、本発明の皮膚外用剤には、水溶性アスコルビン酸類を1種単独で使用しても、また2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0011】
本発明で用いられる水溶性アスコルビン酸誘導体の塩としては、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム,カルシウム及びバリウム等のアルカリ土類金属塩、並びにアルミニウム等の多価金属塩などの各種の金属塩:アンモニウムやトリシクロヘキシルアンモニウム等のアンモニウム塩、モノエタノールアミン,ジエタノールアミン,トリエタノールアミン,モノイソプロパノールアミン,ジイソプロパノールアミン,及びトリイソプロパノールアミン等の各種のアルカノールアミン塩を挙げることができる。
【0012】
本発明の皮膚外用剤中に配合する上記の水溶性アスコルビン酸類の割合は皮膚外用剤全体に対して5〜20重量%である。かかる範囲内において所望する水溶性アスコルビン酸類の各種作用(例えば、抗炎症作用、ニキビ改善作用、美白作用、老化防止作用、コラーゲン等の生体成分合成促進作用、紫外線による細胞障害やDNA損傷抑制作用など)や皮膚外用剤の用途に応じて適宜選択することができるが、安定性の点からより好ましくは5 〜15重量%、特に好ましくは5〜13重量%の範囲である。
【0013】
水
本発明の皮膚外用剤中に配合される水の割合は、皮膚外用剤全体に対して5〜20重量%である。かかる範囲内において適宜選択して用いることができるが、水溶性アスコルビン酸類の安定性の観点から好ましくは5〜15重量%、特に好ましくは8〜13重量%の範囲である。
【0014】
ジエチレングリコールエーテル類
本発明において用いられるジエチレングリコールエーテル類は、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において皮膚外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されないが、水100gに対して10g以上溶解するものであればよい。具体的には、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル等が例示できる。
好ましくは、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、特に好ましくは、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルである。
【0015】
本発明の皮膚外用剤に配合するジエチレングリコールエーテル類の割合は皮膚外用剤全体に対して12〜60重量%である。かかる範囲内において適宜選択して用いることができるが、使用感や浸透性の観点から好ましくは15〜50重量%、より好ましくは20〜40重量%、さらに好ましくは30〜45重量%の範囲である。
【0016】
また、皮膚外用剤中のジエチレングリコールエーテル類と水との配合重量比は、通常ジエチレングリコールエーテル類1重量部に対して水が0.08〜1.6重量部の範囲で適宜調整することができ、水溶性アスコルビン酸類の安定な可溶性の観点から好ましくはジエチレングリコールエーテル類1重量部に対して水0.1〜0.7重量部、より好ましくは0.2〜0.5重量部の範囲である。
【0017】
また、皮膚外用剤中のジエチレングリコールエーテル類と水溶性アスコルビン酸類との配合重量比は、通常ジエチレングリコールエーテル類1重量部に対して水溶性アスコルビン酸類が0.08〜1.6重量部の範囲で適宜調整することができ、水溶性アスコルビン酸類の安定性の観点から好ましくはジエチレングリコールエーテル類1重量部に対して水溶性アスコルビン酸類が0.1〜1.0重量部、より好ましくは0.3〜0.5重量部の範囲である。
【0018】
ブチレングリコール及びプロピレングリコール
本発明に用いられるブチレングリコールには、1,3−ブチレングリコール等があり、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において皮膚外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されない。また、本発明に用いられるプロピレングリコールには、1,3−プロピレングリコール等があり、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において皮膚外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されない。
本発明の皮膚外用剤中に配合されるブチレングリコール及びプロピレングリコールは、特定の重量比で本発明の皮膚外用剤に配合する。本発明におけるブチレングリコール及びプロピレングリコールの重量比は、ブチレングリコール1重量部に対して、プロピレングリコールが0.1〜6重量部、より好ましくは0.1〜2重量部の範囲である。かかる特定の重量比のブチレングリコール及びプロピレングリコールを配合する皮膚外用剤は、安定性が高く使用感及び浸透性にも優れる。
【0019】
かかる重量比の範囲でブチレングリコール及びプロピレングリコールを配合する限り、各々の配合量は制限されないが、ブチレングリコール及びプロピレングリコールの合計重量としては、5〜75重量%の範囲から適宜選択して使用することができ、好適には、皮膚使用感及び有効性の観点から、好ましくは15〜70重量%、より好ましくは25〜65重量%、さらに好ましくは35〜65重量%の範囲を挙げることができる。
皮膚外用剤中のプロピレングリコール及びブチレングリコールの合計重量は、ジエチレングリコールエーテル類に対して、ジエチレングリコールエーテル類1重量部に対してプロピレングリコール及びブチレングリコールの合計重量が0.3〜6重量部の割合となるような範囲で適宜選択調整することができる。より好適には0.3〜5重量部、さらに好ましくは0.3〜3重量部、特に好ましくは0.5〜2重量部の範囲を挙げることができる。
【0020】
本発明の皮膚外用剤には、前述する水溶性アスコルビン酸類に加えて、水溶性アスコルビン酸類が有する各種の作用を増強または補足する目的で、また皮膚外用剤に他の有用な作用を付加するため美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、ニキビ改善成分、老化防止成分、コラーゲン等の生体成分合成促進成分、血行促進成分、保湿成分、老化防止成分等の各種成分を1種または2種以上組み合わせて配合することができる。好ましくは美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、老化防止成分または保湿成分の1種または2種以上の成分である。これらの成分の組み合わせとして特に好ましいものとしては、水溶性アスコルビン酸類と美白成分との組み合わせ、水溶性アスコルビン酸類と美白成分と抗酸化成分との組み合わせ、水溶性アスコルビン酸類と抗酸化成分との各組み合わせ、水溶性アスコルビン酸類と老化防止成分との組み合わせ、水溶性アスコルビン酸類と美白成分と老化防止成分との各組み合わせを挙げることができる。これらの各成分としては、医薬品、医薬部外品、または化粧品分野において皮膚外用剤の成分として従来より使用され、また将来使用されるものであれば特に制限されず、任意のものを適宜選択し使用することができる。
【0021】
例えば、美白成分としては、プラセンタ;アルブチン;コウジ酸;エラグ酸;フィチン酸;ルシノール;カモミラET;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体等のビタミン類等が挙げられる。このうち、好ましいものとしては、パントテン酸又はその誘導体、エラグ酸、フィチン酸、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体を挙げることができる。これらの美白成分は1種または2種以上を用いてもよい。
【0022】
美白作用を有する植物成分を美白成分として用いてもよく、かかる植物成分としては、イリス(アイリス)、アーモンド、アロエ、イチョウ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、クロレラ、ゴバイシ、コムギ、コメ、コメハイガ、オリザノール、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、ダイズ、納豆、茶、トウキ、トウキンセンカ、ニンニク、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、トウキ、アメジスト、アセンヤク、アセビワラビ、イヌマキ、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、キササゲ、クロマメ、ゲンチアナ、ゲンジン、サルサ、サヤインゲン、ショクマ、ジュウロウ、セージ、ゼンコ、ダイコン、ツツジ、ツクシハギ、トシン、ニガキ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、マルバハギ、チョウジ、カンゾウ等の植物に由来する成分が挙げられる。好ましくは、イリス(アイリス)、アロエ、イチョウ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、ゴバイシ、コムギ、コメ、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、アメジスト、アセンヤク、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、キササゲ、クロマメ、ゲンチアナ、サルサ、サヤインゲン、ジュウロウ、セージ、ゼンコ、ダイコン、ツツジ、ツクシハギ、トシン、ニガキ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、チョウジ、カンゾウ及びトウキの植物由来成分であり、より好ましくは、イリス(アイリス)、アロエ、イチョウ、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、クチナシ、クジン、コメ、コメヌカ、サイシン、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、アメジスト、アセンヤク、エノキ、カキ(Diospyroskaki)、セージ、ダイコン、ツツジ、パセリ、ホップ、カンゾウ及びヨクイニンの植物由来成分である。
これらの植物成分を本発明の皮膚外用剤に用いる場合、植物成分の形態は特に制限されないが、通常は植物エキス(植物抽出物)や精油などの態様で使用することができる。なお、上記植物成分中に記載の( )内は、その植物の種類、別名または生薬名である。
【0023】
上記美白成分を用いる場合、皮膚外用剤に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、美白成分は皮膚外用剤中に含まれる水溶性アスコルビン酸類100重量部に対して0.001 〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
美白成分として美白作用のある植物成分を用いる場合は、目的に応じて1種もしくは2種以上を任意に組み合わせて使用することができる。上記植物成分を美白成分として用いる場合、皮膚外用剤への配合割合は、エキスや精油などの抽出物換算で、通常0.00001〜20重量%、好ましくは0.0001〜15重量%、より好ましくは0.001〜10重量%である。また、植物成分は水溶性アスコルビン酸類100重量部に対して0.0001〜100重量部、好ましくは0.001〜50重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0024】
抗炎症成分としては、アラントイン、カラミン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、酸化亜鉛、グアイアズレン、酢酸トコフェロール、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレピン油、インドメタシン、サリチル酸又はその誘導体等が挙げられる。好ましくはアラントイン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、グアイアズレン、メントールである。
【0025】
上記抗炎症成分を用いる場合、皮膚外用剤に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、抗炎症成分は皮膚外用剤中に含まれる水溶性アスコルビン酸類100重量部に対して0.001 〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0026】
抗菌成分としては、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン等が挙げられる。好ましくは、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸及びその誘導体、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン等が挙げられる。さらに好ましくは、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸及びその誘導体、塩化ベンゼトニウム、イソプロピルメチルフェノールである。
【0027】
上記抗菌成分を用いる場合、皮膚外用剤に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、抗菌成分は皮膚外用剤中に含まれる水溶性アスコルビン酸類100重量部に対して0.001 〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0028】
細胞賦活化成分としては、γ-アミノ酪酸、ε-アミノプロン酸などのアミノ酸類:レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類などのビタミン類:グリコール酸、乳酸などのα-ヒドロキシ酸類:タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、感光素301号などが挙げられる。好ましくは、γ-アミノ酪酸、ε-アミノプロン酸などのアミノ酸類:レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類などのビタミン類である。
【0029】
上記細胞賦活化成分を用いる場合、皮膚外用剤に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、細胞賦活成分は皮膚外用剤中に含まれる水溶性アスコルビン酸類100重量部に対して0.001 〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0030】
収斂成分としては、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム等の金属塩;タンニン酸、クエン酸、乳酸、コハク酸などの有機酸を挙げることができる。好ましくは、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸アルミニウムカリウム、タンニン酸である。
【0031】
収斂成分を用いる場合、その皮膚外用剤に配合する割合は、通常0.0003〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、収斂成分は皮膚外用剤中に含まれる水溶性アスコルビン酸類100重量部に対して0.001 〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0032】
抗酸化成分としては、トコフェロール及びその誘導体、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスムターゼ、チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリンなどが挙げられる。好ましくは、トコフェロール及びその誘導体、チオタウリン、ヒポタウリン、チオレドキシン、フラボノイドである。
【0033】
抗酸化成分を用いる場合、皮膚外用剤に配合する割合は、通常0.00001〜10重量%、好ましくは0.0001〜5重量%、より好ましくは0.001〜5重量%である。また皮膚外用剤中に含まれる水溶性アスコルビン酸類100重量部に対して0.001 〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0034】
老化防止成分としては、レチノイド(レチノール、レチノイン酸、レチナール等)、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N−メチル−L−セリン、メバロノラクトン等が挙げられる。好ましくは、レチノイド(レチノール、レチノイン酸、レチナール等)、カイネチンである。
【0035】
上記老化防止成分を用いる場合、皮膚外用剤に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、老化防止成分は皮膚外用剤中に含まれる水溶性アスコルビン酸類100重量部に対して0.001 〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0036】
保湿成分としては、アラニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニンなどのアミノ酸及びその誘導体;コラーゲン、コラーゲンペプチド、ゼラチン等のペプチド;グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール;ソルビトールなどの糖アルコール;レシチン、水素添加レシチン等のリン脂質;ヒアルロン酸プロピレングリコール、ヘパリン、コンドロイチン等のムコ多糖;乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、尿素などのNMF由来成分などがあげられる。好ましいものは、アラニン、セリン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニン、コラーゲン、コラーゲンペプチド、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、水素添加レシチン、ヒアルロン酸プロピレングリコール、ヘパリン、コンドロイチン、乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウである。
【0037】
保湿成分を用いる場合、皮膚外用剤に配合する割合としては、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、より好ましくは0.5〜5重量%を挙げることができる。
【0038】
本発明の皮膚外用剤は、上記各成分に加えて、さらに界面活性剤、可溶化成分、油脂類または経皮吸収促進成分を配合することもできる。特に界面活性剤、可溶化成分または油脂類を配合することによって、水性溶媒中における水溶性アスコルビン酸類の安定性、有効性、使用感をより向上させることができる。
【0039】
ここで用いられる界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという)−オクチルドデシルアルコールやPOE−2−デシルテトラデシルアルコール等のPOE−分岐アルキルエーテル;POE −オレイルアルコールエーテルやPOE−セチルアルコールエーテル等のPOE−アルキルエーテル;ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート及びソルビタンモノラウレート等のソルビタンエステル;POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノイソステアレート、及びPOE−ソルビタンモノラウレート等のPOE−ソルビタンエステル;グリセリンモノオレエート、グリセリンモノステアレート、及びグリセリンモノミリステート等のグリセリン脂肪酸エステル;POE−グリセリンモノオレエート、POE−グリセリンモノステアレート、及びPOE−グリセリンモノミリステート等のPOE−グリセリン脂肪酸エステル;POE−ジヒドロコレステロールエステル、POE−硬化ヒマシ油、及びPOE−硬化ヒマシ油イソステアレート等のPOE−硬化ヒマシ油脂肪酸エステル;POE−オクチルフェニルエーテル等のPOE−アルキルアリールエーテル;モノイソステアリルグリセリルエーテルやモノミリスチルグリセリルエーテル等のグリセリンアルキルエーテル;POE−モノステアリルグリセリルエーテル、POE−モノミリスチルグリセリルエーテル等のPOE−グリセリンアルキルエーテル;ジグリセリルモノステアレート、デカグリセリルデカステアレート、デカグリセリルデカイソステアレート、及びジグリセリルジイソステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル、等の各種非イオン界面活性剤::あるいはレシチン、水素添加レシチン、サポニン、サーファクチンナトリウム、コレステロール、胆汁酸などの天然由来の界面活性剤等を例示することができる。これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもまた2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0040】
界面活性剤を使用する場合、皮膚外用剤への配合割合としては、皮膚や粘膜に影響を与えず且つ本発明の効果を妨げないことを限度として特に制限されず、皮膚外用剤中に0.01〜30重量%の割合で含まれるような範囲で適宜選択して使用することができる。皮膚外用剤中の有効成分の安定性や皮膚使用感等の観点からは、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量%の範囲を挙げることができる。また皮膚外用剤に含まれるジエチレングリコールエーテル類100重量部に対する界面活性剤の配合割合としては、0.01 〜100重量部、好ましくは0.01〜50重量部、より好ましくは0.1〜25重量部の範囲を例示することができる。さらに、皮膚外用剤中の水溶性アスコルビン酸類の安定性向上の観点から、水溶性アスコルビン酸類100重量部に対する界面活性剤の配合割合として0.1 〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.1〜2重量部の範囲を例示することができる。
【0041】
可溶化成分としては、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されない。例えば、エタノール等の低級アルコール、グリセリン,エチレングリコール等の多価アルコール、水素添加大豆リン脂質、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等を挙げることができる。好ましくは、エタノール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、水素添加大豆リン脂質、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルであり、より好ましくは、エタノール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、水素添加大豆リン脂質である。これらの可溶化成分は、1種単独で使用しても、または2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
【0042】
これらの可溶化成分を使用する場合、皮膚外用剤への配合割合としては、皮膚や粘膜に影響を与えず且つ本発明の効果を妨げないことを限度として特に制限されず、皮膚外用剤中に0.01〜70重量%の割合で含まれるような範囲で適宜選択して使用することができるが、皮膚外用剤中の有効成分の安定性や皮膚使用感等の観点からは、好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは0.1〜30重量%の範囲を挙げることができる。また皮膚外用剤に含まれるジエチレングリコールエーテル類100重量部に対する可溶化成分の配合割合としては、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.01〜3重量部の範囲を例示することができる。さらに、水溶性アスコルビン酸類の安定性向上の観点から、水溶性アスコルビン酸類100重量部に対する可溶化成分の配合割合として0.01 〜1000重量部、好ましくは0.05〜1000重量部、より好ましくは0.05〜100重量部の範囲を例示することができる。
【0043】
油脂類としては、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されない。例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の合成油脂;大豆油、米油、菜種油、綿実油、ゴマ油、サフラワー油、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、椿油、ヒマワリ油、パーム油、アマ油、シソ油、シア油、サル油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシード油、及びアボガド油等の植物油脂;ミンク油、卵黄油、牛脂、乳脂、及び豚脂等の動物油脂;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類;ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然及び合成脂肪酸;セタノール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルデカノール、ラウリルアルコール等の天然及び合成高級アルコール;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレート等のエステルやエーテル類;シリコーン油等が挙げられる。これらの油脂類は、1種単独で使用しても、または2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
【0044】
これらの油脂類を使用する場合、皮膚外用剤への配合割合としては、皮膚や粘膜に影響を与えず且つ本発明の効果を妨げないことを限度として特に制限されず、皮膚外用剤中に0.01〜70重量%の割合で含まれるような範囲で適宜選択して使用することができるが、皮膚外用剤中の有効成分の安定性や皮膚使用感等の観点から、好ましくは0.1〜60重量%、より好ましくは0.1〜50重量%の範囲を挙げることができる。また皮膚外用剤に含まれるジエチレングリコールエーテル類100重量部に対する油脂類の配合割合としては、0.01〜1000重量部、好ましくは0.01〜800重量部、より好ましくは0.05〜500重量部の範囲を例示することができる。さらに、水溶性アスコルビン酸類の安定性向上の観点から、水溶性アスコルビン酸類100重量部に対する油脂類の配合割合として0.1〜1000重量部、好ましくは0.1〜500重量部、より好ましくは0.1〜100重量部の範囲を例示することができる。
【0045】
本発明の皮膚外用剤には、外観安定性や粘度等の品質を損なわず、また本発明の効果を損なわない量的及び質的範囲内で、必要に応じて医薬品、医薬部外品または化粧品分野において外用剤の成分として一般的に用いられる各種の成分、例えば、アミノ酸、刺激軽減剤、増粘剤、防腐剤、紫外線防御剤、着色剤、分散剤、pH調整剤、香料等を配合することができる。なお、これらの成分は1種単独で、または2種以上を任意に配合することができる。
【0046】
本発明の皮膚外用剤は、上記水溶性アスコルビン酸類、水及びジエチレングリコールエーテル類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール並びに必要に応じて上記各任意成分を配合混合し、さらに必要に応じてその他の溶媒や通常使用される外用剤の基剤等を配合することによって、ペースト状、ムース状、ジェル状、液状、乳液状、クリーム状、シート状(基材担持)、エアゾール状、スプレー状などの各種所望の形態に調製することができる。これらは当業界の通常の方法にて製造することができる。
【0047】
本発明の皮膚外用剤は、通常pH1〜8の液性を備えていればよいが、水溶性アスコルビン酸類の安定性、皮膚や粘膜に対する低刺激性、及び皮膚使用感のよさという観点から、好ましくはpH2〜7、より好ましくはpH2〜6の酸性領域であることが望ましい。
【0048】
本発明の皮膚外用剤は、例えば、ファンデーション、口紅、マスカラ、アイシャドウ、アイライナー、眉墨及び美爪料等のメーキャップ化粧料;乳液、クリーム、ローション、オイル及びパックなどの基礎化粧料;洗顔料やクレンジング、ボディ洗浄料などの洗浄料;腋臭防止剤、水虫治療剤、鎮痒剤、創傷治癒剤、清拭剤、清浄剤、消炎鎮痛剤、にきび治療剤、痔疾用剤、殺菌消毒剤、美白剤、紫外線防御剤などの、化粧品、外用医薬品または外用医薬部外品の分野に属する各種の外用組成物とすることができる。皮膚への作用効果から、本発明は皮膚外用剤(外皮用の製剤)等の外皮に適用される製品に使用されることが好ましい。
【0049】
【実施例】
以下に本発明を実施例及び試験例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例等に限定されるものではない。なお、下記の各処方において%とは、特に言及しない限り、重量(W/W)%を意味するものとする。
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
試験例1 皮膚外用剤の調製
表1に示す実施例11〜13と比較例1〜3を調整した。具体的には、表に示す重量%となるように水、エトキシジグリコール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、ブチレングリコール、プロピレングリコール、アセロラエキス、香料の混合溶液を調整し、各混合溶液にL−アスコルビン酸又はアスコルビン酸リン酸エステルナトリウムを添加して混合した。
【0061】
試験例2 可溶化試験、美白効果及び使用感試験
表1に示す実施例11〜13と比較例1〜3の皮膚外用剤を室温で1ヶ月放置した後に各試験液を目視観察して析出の有無を判定した。
表1に示す実施例11〜13と比較例3の皮膚外用剤を顔面に色素沈着部位を有する被験者(30〜50歳代女性3名)に1日2回、朝晩洗顔直後に色素沈着部位に塗布してもらい、1ケ月間継続して使用してもらった。1ケ月経過後に色素沈着部位の淡色化効果(美白効果)、使用感(しっとり感、べたつき、肌なじみ、刺激感)を後述する基準に従って判定した。判定の結果は表1に、3名被験者の平均値として示す。
【0062】
判定の基準
<美白効果>
3 :色素沈着がなくなった。
2 :色素沈着が薄くなった。
1 :色素沈着がわずかに薄くなった。
0 :色素沈着に変化がなかった。
<使用感> しっとり感
3 :非常にしっとりしたと感じる。
2 :しっとりしたと感じる。
1 :僅かにしっとりしたと感じない。
0 :全くしっとりしたと感じない。
<使用感> べたつき
3 :非常にべたつくと感じる。
2 :べたつくと感じる。
1 :僅かにべたつくと感じる。
0 :全くべたつくきを感じない。
<使用感> 肌なじみ
3 :非常に肌になじむと感じる。
2 :肌になじむと感じる。
1 :僅かに肌になじむと感じる。
0 :全く肌になじむと感じない。
<使用感> 刺激感
3 :非常に強い刺激を感じる。
2 :刺激を感じる。
1 :僅かに刺激を感じる。
0 :全く刺激を感じない。
【0063】
【表1】
【0064】
表1の結果からわかるように、本発明の実施例では水溶性アスコルビン酸類を安定に可溶化できることが確認された。また、水とエトキシジグリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールとともに水溶性アスコルビン酸を配合した本発明の実施例では、美白効果が顕著に発揮されていることから、水溶性アスコルビン酸類の皮膚への浸透性に優れていることが示された。さらに本発明の実施例は使用感に優れ、べたつくことなく肌へなじみ、肌がしっとりした感じになり、刺激も無いことが確認された。
【0065】
【発明の効果】
本発明の皮膚外用剤は、水溶性アスコルビン酸類と水、ジエチレングリコールエーテル類、ブチレングリコール、プロピレングリコールを含有し、アスコルビン酸が安定に維持されるうえ、アスコルビン酸の皮膚における浸透性が改善、向上されるという効果を有する。ゆえに、本発明の皮膚外用剤によれば、アスコルビン酸類が本来有する各種の作用(美白作用、抗炎症作用、ニキビ改善作用、老化防止作用、コラーゲンなどの合成促進作用、細胞賦活作用、紫外線による細胞損傷防止作用など)をその配合量に応じて安定して有効に発揮することができる。さらに、本発明の皮膚外用剤は皮膚に適用した後のべたつき感がなく、しっとり感があり肌へのなじみがよく刺激もない。
【発明の属する技術分野】
本発明は、アスコルビン酸、水溶性アスコルビン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種(以下、本明細書においてこれらを総称して「水溶性アスコルビン酸類」ともいう。)を含有する皮膚外用剤に関する。より詳細には、本発明は水溶性アスコルビン酸類の安定に可溶化され、皮膚浸透性に優れる使用感の良い皮膚外用剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
水溶性アスコルビン酸類は、抗炎症効果、ニキビ改善効果、美白効果、老化防止効果、抗酸化効果、コラーゲン等の生体成分の合成促進による細胞賦活効果、表皮角化細胞の紫外線による細胞障害やDNA損傷を抑制する効果といった各種の効果を発揮することが知られており、これらの効果を期待して皮膚外用剤として広く用いられている。
【0003】
しかし、水溶性アスコルビン酸類は錠剤などの固形剤と比較すると水溶液中ではかなり不安定で容易に分解してしまうため、皮膚外用剤中に水溶性アスコルビン酸類を配合する場合には、必要量の水溶性アスコルビン酸類を十分に可溶化する量の水を配合できないという問題があった。このため、水溶性アスコルビン酸類を皮膚外用剤において安定に可溶化するためのいくつかの方法が検討されている。
【0004】
例えば、15%以下のL−アスコルビン酸、10〜15%の水、47〜55%のエトキシジグリコール、22〜29%のプロピレングリコール及び香料からなる溶液中にL−アスコルビン酸が安定に可溶化されることが知られている(特許文献1)。また、L−アスコルビン酸をプロピレングリコールとブチレングリコールからなるグリコールキャリアーとエトキシジグリコール等の安定化剤を含む非水性媒体中にL−アスコルビン酸が安定に可溶化されることが知られている(特許文献2)。しかしながら、水溶性アスコルビン酸がある程度可溶化されるものの、皮膚への浸透性、べたつきや肌なじみといった使用感の点ではいまだ十分とはいえなかった。
【0005】
ところで、皮膚外用剤の製剤設計においては、安定性のみならず有効性及び使用感を良好にすることが求められることはいうまでもない。皮膚の表面は外界物質を体内に入り込ませないために角質層で覆われているので、多くの皮膚外用剤では角質層が強固な障壁となって、配合した有効成分の効果が十分に得られていないのが実情である。このため、従来より、皮膚浸透の律速段階となっている角質層への有効成分の皮膚浸透性を向上させることによって、皮膚外用剤に配合する有効成分の作用を最大限発揮させるための製剤設計が求められている。
水溶性アスコルビン酸類においては、水溶性であるため疎水性の角質層への浸透性が悪く、作用を最大限に発揮することができない。さらに、水溶性アスコルビン酸誘導体では、アルコルビン酸に比較して分子量がより大きくなるため皮膚への浸透性が更に低下する。
【0006】
【先行技術の開示】
【特許文献1】
WO02/19972
【特許文献2】
WO00/76547
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、このようにアスコルビン酸類を含有する皮膚外用剤においても、水溶性アスコルビン酸類を安定に可溶化するとともに、皮膚へのアスコルビン酸類の浸透性が高く効果が十分に発揮され、かつ満足な使用感の製剤を得ることが重要な課題である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、水溶性アスコルビン酸類を含有する皮膚外用剤において、アスコルビン酸類を安定に可溶化するとともに、アスコルビン酸類の浸透性が高くかつ使用感の良好な皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行なった結果、水溶性アスコルビン酸類を皮膚製剤中に用いる場合に、特定の割合でジエチレングリコールエーテル類及び水を配合するとともに、さらに、特定の重量割合となるようにプロピレングリコールとブチレングリコールを含有することによって、水溶性アスコルビン酸類が安定に可溶化され、水溶性アスコルビン酸類の皮膚への浸透性が高まりひいては効果が向上することを見いだした。さらに本発明者らは、本発明により使用感に優れた皮膚外用剤が調製できることを確認した。本発明はかかる知見に基づいて開発されたものである。
【0009】
すなわち本発明は、下記(1)〜(6)に掲げる皮膚外用剤である:
皮膚外用剤全体に対する割合として、
i)アスコルビン酸、水溶性アスコルビン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を5〜20重量%、
ii) 5〜20重量%の水、
iii) 12〜60重量%のジエチレングリコールエーテル類、
iv)ブチレングリコール及び
v)プロピレングリコールを含有し、
ブチレングリコールとプロピレングリコールの重量比が1:0.1〜1:6の範囲で含有する皮膚外用剤、
(2)ブチレングリコール:プロピレングリコールが重量比で1:0.1〜1:2である(1)に記載の皮膚外用剤、
(3)ブチレングリコール及びプロピレングリコールの合計重量がジエチレングリコールエーテル類の0.3倍〜6倍である(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤、
(4)ジエチレングリコールエーテル類がエトキシジグリコールである(1)乃至(3)に記載の皮膚外用剤、
(5)水溶性アスコルビン酸誘導体が、アスコルビン酸リン酸エステル誘体、アスコルビン酸グルコシドである(1)乃至(4)に記載の皮膚外用剤、
(6)さらに美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、老化防止成分及び保湿成分からなる群から選択される少なくとも1種を含有する(1)乃至(5)のいずれかに記載の皮膚外用剤。
【0010】
【発明の実施の形態】
水溶性アスコルビン酸類
本発明で用いられるアスコルビン酸は、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において皮膚外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されない。通常、ビタミンCの慣用名で知られるL−アスコルビン酸をあげることができる。水溶性アスコルビン酸誘導体としては、アスコルビン酸と同様、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において皮膚外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されず、エステル誘導体またはエーテル誘導体を挙げることができる。具体的には、アスコルビン酸のエステル誘導体としてはL−アスコルビン酸モノリン酸エステル,L−アスコルビン酸ジリン酸エステルまたはL−アスコルビン酸トリリン酸エステル等のL−アスコルビン酸のリン酸エステル誘導体;L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル等が例示できる。また、アスコルビン酸のエーテル誘導体としてはL−アスコルビン酸−2−グルコシド等が例示できる。なかでも、好ましくはL−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸のリン酸エステル誘導体、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル、L−アスコルビン酸−2−グルコシドまたはそれらの塩であり、皮膚や粘膜に対する安全性の高さと作用効果の高さから、特に好ましくは、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−グルコシドまたはそれらの塩である。なお、本発明の皮膚外用剤には、水溶性アスコルビン酸類を1種単独で使用しても、また2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0011】
本発明で用いられる水溶性アスコルビン酸誘導体の塩としては、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム,カルシウム及びバリウム等のアルカリ土類金属塩、並びにアルミニウム等の多価金属塩などの各種の金属塩:アンモニウムやトリシクロヘキシルアンモニウム等のアンモニウム塩、モノエタノールアミン,ジエタノールアミン,トリエタノールアミン,モノイソプロパノールアミン,ジイソプロパノールアミン,及びトリイソプロパノールアミン等の各種のアルカノールアミン塩を挙げることができる。
【0012】
本発明の皮膚外用剤中に配合する上記の水溶性アスコルビン酸類の割合は皮膚外用剤全体に対して5〜20重量%である。かかる範囲内において所望する水溶性アスコルビン酸類の各種作用(例えば、抗炎症作用、ニキビ改善作用、美白作用、老化防止作用、コラーゲン等の生体成分合成促進作用、紫外線による細胞障害やDNA損傷抑制作用など)や皮膚外用剤の用途に応じて適宜選択することができるが、安定性の点からより好ましくは5 〜15重量%、特に好ましくは5〜13重量%の範囲である。
【0013】
水
本発明の皮膚外用剤中に配合される水の割合は、皮膚外用剤全体に対して5〜20重量%である。かかる範囲内において適宜選択して用いることができるが、水溶性アスコルビン酸類の安定性の観点から好ましくは5〜15重量%、特に好ましくは8〜13重量%の範囲である。
【0014】
ジエチレングリコールエーテル類
本発明において用いられるジエチレングリコールエーテル類は、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において皮膚外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されないが、水100gに対して10g以上溶解するものであればよい。具体的には、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル等が例示できる。
好ましくは、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、特に好ましくは、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルである。
【0015】
本発明の皮膚外用剤に配合するジエチレングリコールエーテル類の割合は皮膚外用剤全体に対して12〜60重量%である。かかる範囲内において適宜選択して用いることができるが、使用感や浸透性の観点から好ましくは15〜50重量%、より好ましくは20〜40重量%、さらに好ましくは30〜45重量%の範囲である。
【0016】
また、皮膚外用剤中のジエチレングリコールエーテル類と水との配合重量比は、通常ジエチレングリコールエーテル類1重量部に対して水が0.08〜1.6重量部の範囲で適宜調整することができ、水溶性アスコルビン酸類の安定な可溶性の観点から好ましくはジエチレングリコールエーテル類1重量部に対して水0.1〜0.7重量部、より好ましくは0.2〜0.5重量部の範囲である。
【0017】
また、皮膚外用剤中のジエチレングリコールエーテル類と水溶性アスコルビン酸類との配合重量比は、通常ジエチレングリコールエーテル類1重量部に対して水溶性アスコルビン酸類が0.08〜1.6重量部の範囲で適宜調整することができ、水溶性アスコルビン酸類の安定性の観点から好ましくはジエチレングリコールエーテル類1重量部に対して水溶性アスコルビン酸類が0.1〜1.0重量部、より好ましくは0.3〜0.5重量部の範囲である。
【0018】
ブチレングリコール及びプロピレングリコール
本発明に用いられるブチレングリコールには、1,3−ブチレングリコール等があり、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において皮膚外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されない。また、本発明に用いられるプロピレングリコールには、1,3−プロピレングリコール等があり、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において皮膚外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されない。
本発明の皮膚外用剤中に配合されるブチレングリコール及びプロピレングリコールは、特定の重量比で本発明の皮膚外用剤に配合する。本発明におけるブチレングリコール及びプロピレングリコールの重量比は、ブチレングリコール1重量部に対して、プロピレングリコールが0.1〜6重量部、より好ましくは0.1〜2重量部の範囲である。かかる特定の重量比のブチレングリコール及びプロピレングリコールを配合する皮膚外用剤は、安定性が高く使用感及び浸透性にも優れる。
【0019】
かかる重量比の範囲でブチレングリコール及びプロピレングリコールを配合する限り、各々の配合量は制限されないが、ブチレングリコール及びプロピレングリコールの合計重量としては、5〜75重量%の範囲から適宜選択して使用することができ、好適には、皮膚使用感及び有効性の観点から、好ましくは15〜70重量%、より好ましくは25〜65重量%、さらに好ましくは35〜65重量%の範囲を挙げることができる。
皮膚外用剤中のプロピレングリコール及びブチレングリコールの合計重量は、ジエチレングリコールエーテル類に対して、ジエチレングリコールエーテル類1重量部に対してプロピレングリコール及びブチレングリコールの合計重量が0.3〜6重量部の割合となるような範囲で適宜選択調整することができる。より好適には0.3〜5重量部、さらに好ましくは0.3〜3重量部、特に好ましくは0.5〜2重量部の範囲を挙げることができる。
【0020】
本発明の皮膚外用剤には、前述する水溶性アスコルビン酸類に加えて、水溶性アスコルビン酸類が有する各種の作用を増強または補足する目的で、また皮膚外用剤に他の有用な作用を付加するため美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、ニキビ改善成分、老化防止成分、コラーゲン等の生体成分合成促進成分、血行促進成分、保湿成分、老化防止成分等の各種成分を1種または2種以上組み合わせて配合することができる。好ましくは美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、老化防止成分または保湿成分の1種または2種以上の成分である。これらの成分の組み合わせとして特に好ましいものとしては、水溶性アスコルビン酸類と美白成分との組み合わせ、水溶性アスコルビン酸類と美白成分と抗酸化成分との組み合わせ、水溶性アスコルビン酸類と抗酸化成分との各組み合わせ、水溶性アスコルビン酸類と老化防止成分との組み合わせ、水溶性アスコルビン酸類と美白成分と老化防止成分との各組み合わせを挙げることができる。これらの各成分としては、医薬品、医薬部外品、または化粧品分野において皮膚外用剤の成分として従来より使用され、また将来使用されるものであれば特に制限されず、任意のものを適宜選択し使用することができる。
【0021】
例えば、美白成分としては、プラセンタ;アルブチン;コウジ酸;エラグ酸;フィチン酸;ルシノール;カモミラET;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体等のビタミン類等が挙げられる。このうち、好ましいものとしては、パントテン酸又はその誘導体、エラグ酸、フィチン酸、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンE又はその誘導体を挙げることができる。これらの美白成分は1種または2種以上を用いてもよい。
【0022】
美白作用を有する植物成分を美白成分として用いてもよく、かかる植物成分としては、イリス(アイリス)、アーモンド、アロエ、イチョウ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、クロレラ、ゴバイシ、コムギ、コメ、コメハイガ、オリザノール、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、ダイズ、納豆、茶、トウキ、トウキンセンカ、ニンニク、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、トウキ、アメジスト、アセンヤク、アセビワラビ、イヌマキ、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、キササゲ、クロマメ、ゲンチアナ、ゲンジン、サルサ、サヤインゲン、ショクマ、ジュウロウ、セージ、ゼンコ、ダイコン、ツツジ、ツクシハギ、トシン、ニガキ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、マルバハギ、チョウジ、カンゾウ等の植物に由来する成分が挙げられる。好ましくは、イリス(アイリス)、アロエ、イチョウ、ウーロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、ゴバイシ、コムギ、コメ、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、アメジスト、アセンヤク、エノキ、カキ(Diospyros kaki)、キササゲ、クロマメ、ゲンチアナ、サルサ、サヤインゲン、ジュウロウ、セージ、ゼンコ、ダイコン、ツツジ、ツクシハギ、トシン、ニガキ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、チョウジ、カンゾウ及びトウキの植物由来成分であり、より好ましくは、イリス(アイリス)、アロエ、イチョウ、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、クチナシ、クジン、コメ、コメヌカ、サイシン、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、アメジスト、アセンヤク、エノキ、カキ(Diospyroskaki)、セージ、ダイコン、ツツジ、パセリ、ホップ、カンゾウ及びヨクイニンの植物由来成分である。
これらの植物成分を本発明の皮膚外用剤に用いる場合、植物成分の形態は特に制限されないが、通常は植物エキス(植物抽出物)や精油などの態様で使用することができる。なお、上記植物成分中に記載の( )内は、その植物の種類、別名または生薬名である。
【0023】
上記美白成分を用いる場合、皮膚外用剤に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、美白成分は皮膚外用剤中に含まれる水溶性アスコルビン酸類100重量部に対して0.001 〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
美白成分として美白作用のある植物成分を用いる場合は、目的に応じて1種もしくは2種以上を任意に組み合わせて使用することができる。上記植物成分を美白成分として用いる場合、皮膚外用剤への配合割合は、エキスや精油などの抽出物換算で、通常0.00001〜20重量%、好ましくは0.0001〜15重量%、より好ましくは0.001〜10重量%である。また、植物成分は水溶性アスコルビン酸類100重量部に対して0.0001〜100重量部、好ましくは0.001〜50重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0024】
抗炎症成分としては、アラントイン、カラミン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、酸化亜鉛、グアイアズレン、酢酸トコフェロール、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレピン油、インドメタシン、サリチル酸又はその誘導体等が挙げられる。好ましくはアラントイン、グリチルリチン酸又はその誘導体、グリチルレチン酸又はその誘導体、グアイアズレン、メントールである。
【0025】
上記抗炎症成分を用いる場合、皮膚外用剤に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、抗炎症成分は皮膚外用剤中に含まれる水溶性アスコルビン酸類100重量部に対して0.001 〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0026】
抗菌成分としては、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン等が挙げられる。好ましくは、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸及びその誘導体、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン等が挙げられる。さらに好ましくは、塩化ベンザルコニウム、グルコン酸及びその誘導体、塩化ベンゼトニウム、イソプロピルメチルフェノールである。
【0027】
上記抗菌成分を用いる場合、皮膚外用剤に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、抗菌成分は皮膚外用剤中に含まれる水溶性アスコルビン酸類100重量部に対して0.001 〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0028】
細胞賦活化成分としては、γ-アミノ酪酸、ε-アミノプロン酸などのアミノ酸類:レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類などのビタミン類:グリコール酸、乳酸などのα-ヒドロキシ酸類:タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、感光素301号などが挙げられる。好ましくは、γ-アミノ酪酸、ε-アミノプロン酸などのアミノ酸類:レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類などのビタミン類である。
【0029】
上記細胞賦活化成分を用いる場合、皮膚外用剤に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、細胞賦活成分は皮膚外用剤中に含まれる水溶性アスコルビン酸類100重量部に対して0.001 〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0030】
収斂成分としては、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム等の金属塩;タンニン酸、クエン酸、乳酸、コハク酸などの有機酸を挙げることができる。好ましくは、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、硫酸アルミニウムカリウム、タンニン酸である。
【0031】
収斂成分を用いる場合、その皮膚外用剤に配合する割合は、通常0.0003〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、収斂成分は皮膚外用剤中に含まれる水溶性アスコルビン酸類100重量部に対して0.001 〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0032】
抗酸化成分としては、トコフェロール及びその誘導体、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ、カタラーゼ、スーパーオキサイドジスムターゼ、チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリンなどが挙げられる。好ましくは、トコフェロール及びその誘導体、チオタウリン、ヒポタウリン、チオレドキシン、フラボノイドである。
【0033】
抗酸化成分を用いる場合、皮膚外用剤に配合する割合は、通常0.00001〜10重量%、好ましくは0.0001〜5重量%、より好ましくは0.001〜5重量%である。また皮膚外用剤中に含まれる水溶性アスコルビン酸類100重量部に対して0.001 〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0034】
老化防止成分としては、レチノイド(レチノール、レチノイン酸、レチナール等)、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N−メチル−L−セリン、メバロノラクトン等が挙げられる。好ましくは、レチノイド(レチノール、レチノイン酸、レチナール等)、カイネチンである。
【0035】
上記老化防止成分を用いる場合、皮膚外用剤に配合する割合は、好ましくは0.0003〜10重量%であり、より好ましくは0.01〜5重量%である。また、老化防止成分は皮膚外用剤中に含まれる水溶性アスコルビン酸類100重量部に対して0.001 〜1000重量部、好ましくは0.005〜500重量部、より好ましくは0.01〜100重量部の割合になるように配合することが望ましい。
【0036】
保湿成分としては、アラニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニンなどのアミノ酸及びその誘導体;コラーゲン、コラーゲンペプチド、ゼラチン等のペプチド;グリセリン、1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール;ソルビトールなどの糖アルコール;レシチン、水素添加レシチン等のリン脂質;ヒアルロン酸プロピレングリコール、ヘパリン、コンドロイチン等のムコ多糖;乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、尿素などのNMF由来成分などがあげられる。好ましいものは、アラニン、セリン、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニン、コラーゲン、コラーゲンペプチド、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、水素添加レシチン、ヒアルロン酸プロピレングリコール、ヘパリン、コンドロイチン、乳酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウである。
【0037】
保湿成分を用いる場合、皮膚外用剤に配合する割合としては、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%、より好ましくは0.5〜5重量%を挙げることができる。
【0038】
本発明の皮膚外用剤は、上記各成分に加えて、さらに界面活性剤、可溶化成分、油脂類または経皮吸収促進成分を配合することもできる。特に界面活性剤、可溶化成分または油脂類を配合することによって、水性溶媒中における水溶性アスコルビン酸類の安定性、有効性、使用感をより向上させることができる。
【0039】
ここで用いられる界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという)−オクチルドデシルアルコールやPOE−2−デシルテトラデシルアルコール等のPOE−分岐アルキルエーテル;POE −オレイルアルコールエーテルやPOE−セチルアルコールエーテル等のPOE−アルキルエーテル;ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート及びソルビタンモノラウレート等のソルビタンエステル;POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノイソステアレート、及びPOE−ソルビタンモノラウレート等のPOE−ソルビタンエステル;グリセリンモノオレエート、グリセリンモノステアレート、及びグリセリンモノミリステート等のグリセリン脂肪酸エステル;POE−グリセリンモノオレエート、POE−グリセリンモノステアレート、及びPOE−グリセリンモノミリステート等のPOE−グリセリン脂肪酸エステル;POE−ジヒドロコレステロールエステル、POE−硬化ヒマシ油、及びPOE−硬化ヒマシ油イソステアレート等のPOE−硬化ヒマシ油脂肪酸エステル;POE−オクチルフェニルエーテル等のPOE−アルキルアリールエーテル;モノイソステアリルグリセリルエーテルやモノミリスチルグリセリルエーテル等のグリセリンアルキルエーテル;POE−モノステアリルグリセリルエーテル、POE−モノミリスチルグリセリルエーテル等のPOE−グリセリンアルキルエーテル;ジグリセリルモノステアレート、デカグリセリルデカステアレート、デカグリセリルデカイソステアレート、及びジグリセリルジイソステアレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル、等の各種非イオン界面活性剤::あるいはレシチン、水素添加レシチン、サポニン、サーファクチンナトリウム、コレステロール、胆汁酸などの天然由来の界面活性剤等を例示することができる。これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもまた2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0040】
界面活性剤を使用する場合、皮膚外用剤への配合割合としては、皮膚や粘膜に影響を与えず且つ本発明の効果を妨げないことを限度として特に制限されず、皮膚外用剤中に0.01〜30重量%の割合で含まれるような範囲で適宜選択して使用することができる。皮膚外用剤中の有効成分の安定性や皮膚使用感等の観点からは、好ましくは0.1〜20重量%、より好ましくは0.5〜10重量%の範囲を挙げることができる。また皮膚外用剤に含まれるジエチレングリコールエーテル類100重量部に対する界面活性剤の配合割合としては、0.01 〜100重量部、好ましくは0.01〜50重量部、より好ましくは0.1〜25重量部の範囲を例示することができる。さらに、皮膚外用剤中の水溶性アスコルビン酸類の安定性向上の観点から、水溶性アスコルビン酸類100重量部に対する界面活性剤の配合割合として0.1 〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.1〜2重量部の範囲を例示することができる。
【0041】
可溶化成分としては、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されない。例えば、エタノール等の低級アルコール、グリセリン,エチレングリコール等の多価アルコール、水素添加大豆リン脂質、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等を挙げることができる。好ましくは、エタノール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、水素添加大豆リン脂質、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテルであり、より好ましくは、エタノール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、水素添加大豆リン脂質である。これらの可溶化成分は、1種単独で使用しても、または2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
【0042】
これらの可溶化成分を使用する場合、皮膚外用剤への配合割合としては、皮膚や粘膜に影響を与えず且つ本発明の効果を妨げないことを限度として特に制限されず、皮膚外用剤中に0.01〜70重量%の割合で含まれるような範囲で適宜選択して使用することができるが、皮膚外用剤中の有効成分の安定性や皮膚使用感等の観点からは、好ましくは0.1〜50重量%、より好ましくは0.1〜30重量%の範囲を挙げることができる。また皮膚外用剤に含まれるジエチレングリコールエーテル類100重量部に対する可溶化成分の配合割合としては、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.01〜3重量部の範囲を例示することができる。さらに、水溶性アスコルビン酸類の安定性向上の観点から、水溶性アスコルビン酸類100重量部に対する可溶化成分の配合割合として0.01 〜1000重量部、好ましくは0.05〜1000重量部、より好ましくは0.05〜100重量部の範囲を例示することができる。
【0043】
油脂類としては、医薬品、医薬部外品または化粧品分野において外用剤の成分として用いられるものであれば特に限定されない。例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の合成油脂;大豆油、米油、菜種油、綿実油、ゴマ油、サフラワー油、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、椿油、ヒマワリ油、パーム油、アマ油、シソ油、シア油、サル油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシード油、及びアボガド油等の植物油脂;ミンク油、卵黄油、牛脂、乳脂、及び豚脂等の動物油脂;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;流動パラフィン、スクワレン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類;ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然及び合成脂肪酸;セタノール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルデカノール、ラウリルアルコール等の天然及び合成高級アルコール;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレート等のエステルやエーテル類;シリコーン油等が挙げられる。これらの油脂類は、1種単独で使用しても、または2種以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
【0044】
これらの油脂類を使用する場合、皮膚外用剤への配合割合としては、皮膚や粘膜に影響を与えず且つ本発明の効果を妨げないことを限度として特に制限されず、皮膚外用剤中に0.01〜70重量%の割合で含まれるような範囲で適宜選択して使用することができるが、皮膚外用剤中の有効成分の安定性や皮膚使用感等の観点から、好ましくは0.1〜60重量%、より好ましくは0.1〜50重量%の範囲を挙げることができる。また皮膚外用剤に含まれるジエチレングリコールエーテル類100重量部に対する油脂類の配合割合としては、0.01〜1000重量部、好ましくは0.01〜800重量部、より好ましくは0.05〜500重量部の範囲を例示することができる。さらに、水溶性アスコルビン酸類の安定性向上の観点から、水溶性アスコルビン酸類100重量部に対する油脂類の配合割合として0.1〜1000重量部、好ましくは0.1〜500重量部、より好ましくは0.1〜100重量部の範囲を例示することができる。
【0045】
本発明の皮膚外用剤には、外観安定性や粘度等の品質を損なわず、また本発明の効果を損なわない量的及び質的範囲内で、必要に応じて医薬品、医薬部外品または化粧品分野において外用剤の成分として一般的に用いられる各種の成分、例えば、アミノ酸、刺激軽減剤、増粘剤、防腐剤、紫外線防御剤、着色剤、分散剤、pH調整剤、香料等を配合することができる。なお、これらの成分は1種単独で、または2種以上を任意に配合することができる。
【0046】
本発明の皮膚外用剤は、上記水溶性アスコルビン酸類、水及びジエチレングリコールエーテル類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール並びに必要に応じて上記各任意成分を配合混合し、さらに必要に応じてその他の溶媒や通常使用される外用剤の基剤等を配合することによって、ペースト状、ムース状、ジェル状、液状、乳液状、クリーム状、シート状(基材担持)、エアゾール状、スプレー状などの各種所望の形態に調製することができる。これらは当業界の通常の方法にて製造することができる。
【0047】
本発明の皮膚外用剤は、通常pH1〜8の液性を備えていればよいが、水溶性アスコルビン酸類の安定性、皮膚や粘膜に対する低刺激性、及び皮膚使用感のよさという観点から、好ましくはpH2〜7、より好ましくはpH2〜6の酸性領域であることが望ましい。
【0048】
本発明の皮膚外用剤は、例えば、ファンデーション、口紅、マスカラ、アイシャドウ、アイライナー、眉墨及び美爪料等のメーキャップ化粧料;乳液、クリーム、ローション、オイル及びパックなどの基礎化粧料;洗顔料やクレンジング、ボディ洗浄料などの洗浄料;腋臭防止剤、水虫治療剤、鎮痒剤、創傷治癒剤、清拭剤、清浄剤、消炎鎮痛剤、にきび治療剤、痔疾用剤、殺菌消毒剤、美白剤、紫外線防御剤などの、化粧品、外用医薬品または外用医薬部外品の分野に属する各種の外用組成物とすることができる。皮膚への作用効果から、本発明は皮膚外用剤(外皮用の製剤)等の外皮に適用される製品に使用されることが好ましい。
【0049】
【実施例】
以下に本発明を実施例及び試験例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例等に限定されるものではない。なお、下記の各処方において%とは、特に言及しない限り、重量(W/W)%を意味するものとする。
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
試験例1 皮膚外用剤の調製
表1に示す実施例11〜13と比較例1〜3を調整した。具体的には、表に示す重量%となるように水、エトキシジグリコール(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)、ブチレングリコール、プロピレングリコール、アセロラエキス、香料の混合溶液を調整し、各混合溶液にL−アスコルビン酸又はアスコルビン酸リン酸エステルナトリウムを添加して混合した。
【0061】
試験例2 可溶化試験、美白効果及び使用感試験
表1に示す実施例11〜13と比較例1〜3の皮膚外用剤を室温で1ヶ月放置した後に各試験液を目視観察して析出の有無を判定した。
表1に示す実施例11〜13と比較例3の皮膚外用剤を顔面に色素沈着部位を有する被験者(30〜50歳代女性3名)に1日2回、朝晩洗顔直後に色素沈着部位に塗布してもらい、1ケ月間継続して使用してもらった。1ケ月経過後に色素沈着部位の淡色化効果(美白効果)、使用感(しっとり感、べたつき、肌なじみ、刺激感)を後述する基準に従って判定した。判定の結果は表1に、3名被験者の平均値として示す。
【0062】
判定の基準
<美白効果>
3 :色素沈着がなくなった。
2 :色素沈着が薄くなった。
1 :色素沈着がわずかに薄くなった。
0 :色素沈着に変化がなかった。
<使用感> しっとり感
3 :非常にしっとりしたと感じる。
2 :しっとりしたと感じる。
1 :僅かにしっとりしたと感じない。
0 :全くしっとりしたと感じない。
<使用感> べたつき
3 :非常にべたつくと感じる。
2 :べたつくと感じる。
1 :僅かにべたつくと感じる。
0 :全くべたつくきを感じない。
<使用感> 肌なじみ
3 :非常に肌になじむと感じる。
2 :肌になじむと感じる。
1 :僅かに肌になじむと感じる。
0 :全く肌になじむと感じない。
<使用感> 刺激感
3 :非常に強い刺激を感じる。
2 :刺激を感じる。
1 :僅かに刺激を感じる。
0 :全く刺激を感じない。
【0063】
【表1】
【0064】
表1の結果からわかるように、本発明の実施例では水溶性アスコルビン酸類を安定に可溶化できることが確認された。また、水とエトキシジグリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールとともに水溶性アスコルビン酸を配合した本発明の実施例では、美白効果が顕著に発揮されていることから、水溶性アスコルビン酸類の皮膚への浸透性に優れていることが示された。さらに本発明の実施例は使用感に優れ、べたつくことなく肌へなじみ、肌がしっとりした感じになり、刺激も無いことが確認された。
【0065】
【発明の効果】
本発明の皮膚外用剤は、水溶性アスコルビン酸類と水、ジエチレングリコールエーテル類、ブチレングリコール、プロピレングリコールを含有し、アスコルビン酸が安定に維持されるうえ、アスコルビン酸の皮膚における浸透性が改善、向上されるという効果を有する。ゆえに、本発明の皮膚外用剤によれば、アスコルビン酸類が本来有する各種の作用(美白作用、抗炎症作用、ニキビ改善作用、老化防止作用、コラーゲンなどの合成促進作用、細胞賦活作用、紫外線による細胞損傷防止作用など)をその配合量に応じて安定して有効に発揮することができる。さらに、本発明の皮膚外用剤は皮膚に適用した後のべたつき感がなく、しっとり感があり肌へのなじみがよく刺激もない。
Claims (6)
- 皮膚外用剤全体に対する割合として、
a)アスコルビン酸、水溶性アスコルビン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種を5〜20重量%、
b) 5〜20重量%の水、
c) 12〜60重量%のジエチレングリコールエーテル類、
d)ブチレングリコール及び
e)プロピレングリコールを含有し、
ブチレングリコールとプロピレングリコールの重量比が1:0.1〜1:6の範囲で含有する皮膚外用剤。 - ブチレングリコール:プロピレングリコールが重量比で1:0.1〜1:2である請求項1記載の皮膚外用剤。
- ブチレングリコール及びプロピレングリコールの合計重量がジエチレングリコールエーテル類の0.3倍〜6倍である請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
- ジエチレングリコールエーテル類がエトキシジグリコールである請求項1乃至3に記載の皮膚外用剤。
- 水溶性アスコルビン酸誘導体が、アスコルビン酸リン酸エステル誘導体又はアスコルビン酸グルコシドである請求項1乃至4に記載の皮膚外用剤。
- さらに美白成分、抗炎症成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、老化防止成分及び保湿成分からなる群から選択される少なくとも1種を含有する請求項1乃至5のいずれかに記載の皮膚外用剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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