JP2015109743A - 誘導電動機の回転子 - Google Patents

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健 池見
Takeshi Ikemi
健 池見
岡田 圭司
Keiji Okada
圭司 岡田
浩 北川
Hiroshi Kitagawa
浩 北川
友彰 貝森
Tomoaki Kaimori
友彰 貝森
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Abstract

【課題】外周に高周波銅損を低減するためのスリットを有する誘導電動機の回転子において、電磁加振力を小さくする。【解決手段】誘導電動機の回転子1は円柱形状のロータコア3はと、各導体バー4の外周側に第1のスリット8を形成した第1のロータコア6と、第1のロータコア6と軸方向に接するとともに、各導体バー4の外周側に第2のスリット9を形成した第2のロータコア7とを備える。各導体バー4に関して、第1のスリット8の周囲に形成される磁気経路と、第2のスリット9の周囲に形成される磁気経路とが、軸方向から眺めた状態で異なるように、第1のスリット8と第2のスリット9とを異なる仕様に設定する。【選択図】図1

Description

この発明は、誘導電動機の回転子において導体バーを収装するスロットの構造に関する。
かご型誘導電動機の回転子は、例えば積層された鋼板で構成されるロータコアと、ロータコアに収装される導体バーとを備えている。ロータコアにはロータコアを縦貫するスロットが等しい角度間隔で形成され、導体バーは各スロットに収装される。
特許文献1は、こうした回転子を有する電動機の運転時の高周波銅損を低減するために、固定子に臨む各スロットの外周部にスリットを形成することを提案している。
特開平9−224358号公報
特許文献1の従来技術によれば、各スロットの外周部にスリットを形成しない場合と比べて、高周波銅損を低減することができる。高周波銅損の低減は、電動機の効率の向上やベアリングの寿命を長くするうえで好ましい効果もたらす。
一方、かご型誘導電動機のロータコアの外周部にスリットを形成することは次のデメリットをもたらす。
すなわち、かご型誘導電動機において、固定子のスロット数と回転子のスロット数の最小公倍数をKiとすると、回転子が1回転するごとに電動機を振動させる電磁加振力がKi回発生する。この電磁加振力は、回転子が回転することで固定子と回転子のティースとの相対位置が変化し、電磁力が変動するために発生する。この電磁力の周期的な変動を加振力と称する。
スロットの外側に開口部を有さないクローズドスロット構造の回転子には、回転子の外周面に凹凸がないために回転Ki次の電磁加振力は小さい。これに対して、引用文献1の回転子のように、回転子の外周にスリットを形成すると、スリットがもたらす凹凸により回転Ki次の電磁加振力が大きくなることは避けられない。
この発明の目的は、外周に高周波銅損を低減するためのスリットを有する誘導電動機の回転子において、電磁加振力を小さく抑えることである。
以上の目的を達成するために、この発明は、円柱形状のロータコアと、ロータコアに等しい角度間隔で軸方向に形成された複数のスロットと、各スロットに収装された導体バーと、を有する誘導電動機の回転子に適用される。ロータコアは、各導体バーの外周側に第1のスリットを形成した第1のロータコアと、第1のロータコアと軸方向に接するとともに各導体バーの外周側に第2のスリットを形成した第2のロータコアと、を備える。この発明はさらに、各導体バーに関して、第1のスリット周辺に形成される磁気経路と、第2のスリット周辺に形成される磁気経路とが、軸方向から眺めた状態で異なるように、第1のスリットと第2のスリットを異なる仕様に設定している。
第1のスリットの周囲に形成される磁気経路と、第2のスリットの周囲に形成される磁気経路とが、軸方向から眺めた状態で異なるようにすることで、第1のロータコアに作用する電磁加振力と、第2のロータコアに作用する電磁加振力とが打ち消し合うような設定が可能となる。その結果、電動機全体での電磁加振力を小さく抑えられる。
この発明の第1の実施形態による回転子要部の斜視図である。 この発明の第1の実施形態による第1のロータコアのスリットの形成位置を示す回転子要部の拡大横断面図である。 この発明の第1の実施形態による第2のロータコアのスリットの形成位置を示す回転子要部の拡大横断面図である。 この発明の第1の実施形態による回転子を用いた誘導電動機の電磁加振力を示すダイアグラムである。 スリットの深さd及びロータコアと固定子とのギャップ幅Wgとが高調波銅損に及ぼす影響を示すダイアグラムである。 加振力の位相差がもたらす加振力低減効果を示すダイアグラムである。 スリットのずれ角θと加振力の位相との関係を示すダイアグラムである。 この発明の第2の実施形態による回転子要部の斜視図である。 この発明の第3の実施形態による回転子要部の斜視図である。 この発明の第3の実施形態による回転子の、積層比xと捻り加振力との関係を示すダイアグラムである。 この発明の第4の実施形態による回転子要部の斜視図と、スリット形成プロセスを説明する回転子要部の拡大横断面図である。 この発明の第4の実施形態のバリエーションを示す回転子要部の拡大横断面図である。 この発明の第4の実施形態の別のバリエーションを示す回転子要部の拡大横断面図である。
図1を参照すると、この発明の第1の実施形態によるかご型誘導電動機の回転子1は、あらかじめ所定の形状にプレス成形された鋼板を軸方向に積層したロータコア3を備える。ロータコア3は回転軸を挿通する穴2を中心部に有する円筒形状に形成される。ロータコア3の外周寄りの部分には数多くのスロット5が等しい角度間隔で形成される。各スロット5はロータコア3を軸方向に貫通する。各スロット5には導体バー4が収装される。
ロータコア3の各スロット5の外側には外向きの溝である第1のスリット8と第2のスリット9とが形成される。
この第1のスリット8と第2のスリット9の形成位置により、ロータコア3は軸方向に関して第1のロータコア6と第2のロータコア7に2分割される。
図2を参照すると、第1のロータコア6に形成される第1のスリット8は、中心線がスロット5の中心線から時計回りに角度θmずれた位置に来るように形成される。
図3を参照すると、第2のロータコア7に形成される第2のスリット9は、その中心線がスロット5の中心線から反時計回りに角度θmずれた位置に来るように形成される。
結果として、第1のスリット8と第2のスリット9の形成位置は周方向に関して角度2θmずれた状態となる。なお、第1のスリット8と隣接するスロット5との間は第1のロータコア6の一部をなす薄肉状の壁面で遮断される。第2のスリット9と隣接するスロット5との間は第2のロータコア7の一部をなす薄肉状の壁面で遮断される。
第1のスリット8と第2のスリット9の深さ、すなわちラジアル方向の寸法は、同じ値dとする。また、電動機を組み立てた状態で、第1のロータコア6と第2のロータコア7は固定子10の内側に収装される。この状態での第1のロータコア6と第2のロータコア7と固定子10との間に形成されるギャップの幅をWgとする。
第1のロータコア6と第2のロータコア7とはスリット8と9の形成位置が周方向に角度2θmずれている以外は同一の仕様とする。
図2を参照すると、第1のロータコア6を構成する積層用の鋼板は、中心線がスロット5の中心線から時計周りに角度θmずれた位置に第1のスリット8をプレス成型しておく。
図3を参照すると、第2のロータコア7を構成する積層用の鋼板は、中心線がスロット5の中心線から反時計周りに角度θmずれた位置に第2のスリット9をプレス成型しておく。
鋼板の積層時には、スロット5が軸方向に重なるように第1のロータコア6用の鋼板と第2のロータコア7用の鋼板を積層することで、図1に示す形状のロータコア3が形成される。
このように、スリット8と9の形成位置が周方向にずれた第1のロータコア6と第2のロータコア7によりロータコア3を構成することで、次のような好ましい効果が得られる。
すなわち、電動機の運転時において、第1のスリット8の周辺に形成される磁気経路と第2のスリット9の周辺に形成される磁気経路とが異なることになる。その結果として、例えば図4に示されるように、第1のロータコア6が生成する電磁加振力の位相と、第2のロータコア7が生成する電磁加振力の位相とがずれることになり、両者が打ち消し合うことで、トータルの加振力を小さく抑えることができる。
また、この回転子1においても前記特許文献1の従来技術と同様にスロット5の外側にスリット8と9を設けているため、前記特許文献1の従来技術と同様に高周波銅損の低減効果が得られる。
次に、以上の高周波銅損の低減効果と電磁加振力を抑制効果とを得るための好ましい数値条件を説明する。
高周波銅損の低減効果を高めるためには、第1のロータコア6及び第2のロータコア7と固定子10とのギャップ幅Wgとスリット8と9の深さdについて、次の関係にあることが好ましい。すなわち、
これは、ギャップ幅Wgに対してスリット深さdをある程度大きく設定しないと銅損低減効果が得られないことを意味する。スリット深さdがギャップ幅Wgに対して相対的に小さいと、スリット8の存在する部位と存在しない部位とでギャップ幅Wgの差異が小さくなり、スリット8の影響が小さくなるためと考えられる。
図6と7を参照して、第1のスリット8及び第2のスリット9のずれの角度θmと、電磁加振力の位相差との関係を説明する。
図6は加振力の位相差と加振力の低減効果との関係を示す。ここでは、加振力の振幅は等しいと仮定している。図に示されるように3デシベル(dB)以上の加振力低減効果を得るには加振力の位相差が90度以上であることが必要である。図には180度までしか表示していないが、360度のスケールで考えれば、これは90度以上270度以下の領域に相当する。
電磁加振力は、固定子10のスロット数と、回転子1のスロット数との最小公倍数をKとした場合に、回転子1の一回転につきK回振動する成分である。言い換えれば、回転K次加振力である。
回転子1の外周に形成されたスリット8(9)のずれ角θmは、スロット5の中心線とスリット8(9)の中心線とがなす機械角を示す。ここで、機械角θmに電磁加振力の次数Kを乗じることで、K回の振動の一周期を360度として表した電気角θに変換することができる。
図7のグラフは電気角で表されたずれ角θと加振力の位相との関係をプロットし、その関係を直線に近似したものである。
この図において、第1のロータコア6のスリット8のずれ角θを33度、第2のロータコア7のスリット8のずれ角θを―33度とすると、加振力の位相はそれぞれ45度と−45度となり、加振力の位相差は90度となる。この場合の、第1のロータコア6のスリット8と第2のロータコア7のスリット8とのずれは電気角で66度である。
図からは、第1のロータコア6のスリット8と第2のロータコア7のスリット8とのずれが電気角で66度から200度の場合に、加振力の位相差は90度から270度となる。言い換えれば、前述の3dB以上の加振力低減効果を得るためには、第1のロータコア6のスリット8と第2のロータコア7のスリット8とのずれが電気角で66度から200度の範囲にあることが必要である。
この条件を機械角で表すと次のようになる。
ただし、αは第1のロータコア6のスリット8と第2のロータコア7のスリット9とのずれ角度であり、第1のロータコア6のスリット8と第2のロータコア7のスリット9がスロット5の中心線からずれ角θm ずつ逆向きにずれている場合には、α= 2θm である。
以上の条件を満たすように第1のロータコア6のスリット8と第2のロータコア7のスリット8の深さdとずれ角θm を設定することで、高周波銅損を低減するとともに、電動機全体での電磁加振力を小さく抑えることができる。
なお、第1のロータコア6のスリット8のずれ角θmと第2のロータコア7のスリット9のずれ角θmとを符号の異なる同じ値としなくても、第1のロータコア6のスリット8と第2のロータコア7のスリット9とのずれ角度αが上記の範囲にあれば、電磁加振力の抑制効果には変わりがない。しかしながら、第1のロータコア6のスリット8のずれ角θmと第2のロータコア7のスリット8のずれ角θmとを符号の異なる同じ値とすることで、言い換えればロータコア3の中心軸を通る各導体バー4の中心線に関して、第1のスリット8の周方向の中心と第2のスリット9の周方向の中心とが対称をなすように、第1のスリット8と第2のスリット9を配置することで、同一形状の鋼板を互いに裏返しの状態で積層して第1のロータコア6と第2のロータコア7と製造することが可能となる。つまり、第1のロータコア6と第2のロータコア7を一種類の鋼板で構成でき、プレス成型のコストを削減できる。
図8を参照して、この発明の第2の実施形態を説明する。
この実施形態による回転子1は、第2のロータコア7の両側に第1のロータコア6を配置している。第2のロータコア7の仕様は第1の実施形態と同一である。第1のロータコア6は第1の実施形態と軸方向の寸法のみが異なり、その他の仕様は同じでる。言い換えれば、第1の実施形態の第1のロータコア6を軸方向に2等分して第2のロータコア7の軸方向両側に配置したのがこの実施形態である。
この実施形態によっても、第1の実施形態と同様の高周波銅損の低減効果と電磁加振力の抑制効果を得ることができる。この実施形態によればさらに次の効果が期待できる。すなわち、第1の実施形態では電動機の運転時において、第1のロータコア6と第2のロータコア7が発生させるトルクが異なるため、回転軸周りの捻り振動が発生する。この実施形態では、第2のロータコア7の両側に第1のロータコア6を配置したので、回転軸の両端に作用するトルクは常に等しくなる。したがって、回転軸周りの捻り振動を抑制する効果を期待できる。
図9を参照して、この発明の第3の実施形態を説明する。
この実施形態による回転子1は、長さが異なる2個の第1のロータコア6と、長さの異なる第2のロータコア7とを軸方向に交互に配置することで構成される。第1のロータコア6の軸方向長さ以外の仕様は第1の実施形態と同じである。第2のロータコア7の軸方向長さ以外の仕様は第1の実施形態と同じである。
図に示す回転子1は、左側から順に配置された第1のロータコア6、第2のロータコア7、第1のロータコア6、及び第2のロータコア7を備える。中央部の第1のロータコア6と第2のロータコア7の軸方向長さは等しく設定される。また、両端の第1のロータコア6と第2のロータコア7の軸方向長さも等しく設定される。
両端の第1のロータコア6と第2のロータコア7の軸方向長さを1とした場合の、中央部の第1のロータコア6と第2のロータコア7の軸方向長さxを積層比と称する。積層比xは次の範囲に設定される。すなわち、
この実施形態によれば、第1の実施形態と同様の高周波銅損の低減効果と電磁加振力の抑制効果に加えて、積層比xの上記設定によりさらに次のような好ましい効果を得ることができる。
すなわち、図10に示すように、この実施形態では積層比xの上記設定により、回転子1に作用する捻じり加振力を小さく抑えることができる。したがって、回転軸周りのねじり振動を抑制する効果を期待できる。
図11を参照して、この発明の第4の実施形態を説明する。
この実施形態による回転子1は、前記第1―第3の実施形態と、スリット8,9の形成方法が異なる。すなわち、第1―第3の実施形態では、第1のロータコア6及び第2のロータコア7として積層する鋼板のプレス成型時に鋼板の外周部に略矩形断面の切欠を打ち抜くことでスリット8と9を形成していた。
この実施形態では、図の(a)に示すように、切欠を形成せずに、スロット5のラジアル方向の寸法を導体バー4のラジアル方向の寸法より大きく設定する。具体的には、スロット5のラジアル方向の寸法を大きく設定した鋼板を積層してロータコア3を制作する。この段階では第1のロータコア6と第2のロータコア7は全く同じ形状であり、両者間に差異は存在しない。
次に図の(b)に示すように、第1のロータコア6に相当する軸方向領域のロータコア3の外周に図の矢印に示すような外力を作用させる。外力を作用させる部位はスロット5の中心線から若干時計回りにずれた位置とする。スロット5の外側においてはスペース11が形成されており、ロータコア3の壁厚はその分薄くなっている。この薄肉部14にロータコア3の外側からラジアル方向内向きの外力を作用させることで、スペース11の外側の薄肉部はスペース11を押しつぶすように塑性変形する。薄肉部14の塑性変形により円弧状断面の第1のスリット8が形成される。
同様に、図の(c)に示すように、第2のロータコア7に相当する軸方向領域のロータコア3の外周に図の矢印に示すような外力を作用させる。外力を作用させる部位はスロット5の中心線から若干反時計回りにずれた位置とする。スロット5の外側においてはスペース11が形成されており、ロータコア3の壁圧はその分薄くなっている。この薄肉部14にロータコア3の外側からラジアル方向内向きの外力を作用させることで、薄肉部14はスペース11を押しつぶすように塑性変形する。薄肉部14の塑性変形により円弧状断面の第2のスリット9が形成される。
薄肉部14への外力の適用は治具を用いて行なうことが望ましい。このようにして形成された第1のスリット8と第2のスリット9は、形成位置が周方向にずれているだけでなく、断面形状も異なったものとなる。
この実施形態では、以上のように鋼板を積層してロータコア3を組み立てた後に、スロット5の外側の部分に外力を加えることで、薄肉部14を塑性変形させて第1のスリット8と第2のスリット9を形成する。
この実施形態においても、各導体バー4に関して、第1のスリット8の周辺に形成される磁気経路と、第2のスリット9の周辺に形成される磁気経路とが、軸方向から眺めた状態で異なるものとなる。その結果、第1のロータコア6が生成する電磁加振力の位相と、第2のロータコア7が生成する電磁加振力の位相とがずれることになり、両者が打ち消し合うことで、トータルの加振力を小さく抑えることができる。また、スリット8と9の深さに応じて周波銅損を低減することができる。
さらに、この実施形態によれば、スリット8と9を形成するために、鋼板のプレス成型の段階で切欠を形成したり、あるいは鋼板を積層してロータコア3を形成した後に、ロータコア3の外周を切削したりする必要がない。したがって、回転子1の製造コストを削減することができる。
図12を参照して、第4の実施形態のバリエーションを説明する。
このバリエーションにおいては、図の(a)に示すように、第4の実施形態のスペース11のラジアル方向外側に位置するロータコア3の薄肉部14の端部の内側及び外側部分に外力の作用に対して薄肉部14の塑性変形を促す凹部12を形成しておく。凹部12はロータコア3を形成する鋼板のプレス成型時にあらかじめ形成される。
このように、外力を適用する薄肉部14の周囲にあらかじめ凹部12を形成しておくことで、図の(b),(c)に示すように外力の作用に対する薄肉部14の塑性変形が容易になる。また、凹部12を形成しておくと、薄肉部14の塑性変形時に亀裂が入るなどの不具合が生じる可能性も少なくなる。
図13を参照して、第4の実施形態のさらなるバリエーションを説明する。
このバリエーションにおいては、薄肉部14の端部の内側及び外側部に凹部12を形成するとともに、図の(a)に示すように、スペース11に臨む導体バー4に凸部13を形成しておく。第1のロータコア6に相当する部位においては、図の(b)に示すように薄肉部14を凸部13の右側の斜面に突き当てるように外力を作用させ、第1のスリット8を形成する。第2のロータコア7に相当する部位においては、図の(c)に示すように薄肉部14を凸部13の左側の斜面に突き当てるように外力を作用させ、第2のスリット9を形成する。
導体バー4に凸部13を設けることで、凸部13をガイドとして薄肉部14を塑性変形させることができ、塑性変形のばらつきを減らすことができる。
以上のように、この発明による誘導電動機の回転子1は、各導体バー4の外周側に第1のスリットを形成した第1のロータコア6と、第1のロータコア6と軸方向に接するとともに各導体バー4の外周側に第2のスリット9を形成した第2のロータコア7と、を備えている。さらに、誘導電動機の運転時において、各導体バー4に関して、第1のスリット8周辺に形成される磁気経路と、第2のスリット9周辺に形成される磁気経路とが、軸方向から眺めた状態で異なるように、第1のスリット8と第2のスリット9を異なる仕様に設定している。
第1のスリット8の周囲に形成される磁気経路と、第2のスリット9の周囲に形成される磁気経路とが、軸方向から眺めた状態で異なると、誘導電動機の運転時に第1のロータコア6に作用する電磁加振力と、第2のロータコア7に作用する電磁加振力との位相がずれ、結果として電磁加振力が打ち消し合う。その結果、電動機全体での電磁加振力を小さく抑えられる。
したがって、スリット8,9がもたらす高周波銅損の低減効果に加えて、電動機全体での電磁加振力を小さく抑えることができる。
以上のように、この発明をいくつかの特定の実施形態を通じて説明して来たが、この発明は上記の各実施形態に限定されるものではない。当業者にとっては、特許請求の範囲でこれらの実施形態にさまざまな修正あるいは変更を加えることが可能である。
例えば、上記の各実施形態では第1のロータコアと第2のロータコアとで、スリットの形成位置を周方向にずらしているが、スリットの形成位置を変えずに第1のロータコアと第2のロータコアとでスリットの形状・寸法を変化させることでも、第1のスリット8の周囲に形成される磁気経路と、第2のスリット9の周囲に形成される磁気経路とが、軸方向から眺めた状態で異なるようにすることが可能である。
1 回転子
2 穴
3 ロータコア
4 導体バー
5 スロット
6 第1のロータコア
7 第2のロータコア
8 第1のスリット
9 第2のスリット
10 固定子
11 スペース
12 凹部
13 凸部
14 薄肉部

Claims (8)

  1. 円柱形状のロータコアと、ロータコアに等しい角度間隔で軸方向に形成された複数のスロットと、各スロットに収装された導体バーと、を有する誘導電動機の回転子において、
    前記ロータコアは、各導体バーの外周側に第1のスリットを形成した第1のロータコアと、第1のロータコアと軸方向に接するとともに、前記各導体バーの外周側に第2のスリットを形成した第2のロータコアとを備え、前記各導体バーに関して、第1のスリットの周囲に形成される磁気経路と、第2のスリットの周囲に形成される磁気経路とが、軸方向から眺めた状態で異なるように、第1のスリットと第2のスリットを異なる仕様に設定したことを特徴とする誘導電動機の回転子。
  2. 前記各導体バーに対する、第1のスリットの周方向の相対位置と第2のスリットの周方向の相対位置とが、軸方向から眺めた状態で異なることを特徴とする、請求項1に記載の誘導電動機の回転子。
  3. 前記各導体バーに関して、第1のスリットの断面形状と第2のスリットの断面形状とが、軸方向から眺めた状態で異なることを特徴とする、請求項1に記載の誘導電動機の回転子。
  4. 前記各導体バーに関して、第1のスリットの周方向の中心と第2のスリットの周方向の中心とが次式(1)で表される周方向のずれ角αを有することを特徴とする、請求項2に記載の誘導電動機の回転子。
    ただし、Ki = 固定子のスロット数と回転子のスロット数の最小公倍数。
  5. 前記第1及び第2のスリットの深さをdとし、前記第1及び第2のスリットの開口部から前記ロータコアの外側に配置された誘導電動機のステータに至る最短距離をギャップ幅Wgとした場合に、次式(2)が成立することを特徴とする、請求項2に記載の誘導電動機の回転子。
  6. 前記ロータコアの中心軸を通る前記各導体バーの中心線に対して、第1のスリットの周方向の中心と第2のスリットの周方向の中心とが対称位置にあることを特徴とする、請求項2に記載の誘導電動機の回転子。
  7. 前記第2のロータコアの軸方向両側に接する2個の前記第1のロータコアを備えることを特徴とする、請求項6に記載の誘導電動機の回転子。
  8. 2個の前記第1のロータコアと2個の前記第2のロータコアとを交互に接するように軸方向に並べて配置するとともに、各ロータコアの軸方向の寸法が、1:x:x:1であって、かつ2≦x≦3の関係を満たすことを特徴とする、請求項6または7に記載の誘導電動機の回転子。
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