以下、図面を参照しながら本発明にかかる操作装置を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を参照し適用することができる。
(第1実施形態)
図1は、車両10に搭載されたインストルメントパネル(インパネ11)を室内側から見た斜視図である。インパネ11のうち車両左右方向の中央部分には、オーディオ装置12が組み付けられている。オーディオ装置12は、音量や選曲等の作動状態を表示する表示部12a、押しボタン式のスイッチ12b、およびダイヤル式の操作装置を備える。スイッチ12bは、車両の乗員により押動操作される。
操作装置は、車両の乗員により回転操作される回転ノブ40を備える。操作装置は、オーディオ装置12のうち左右両側部分のそれぞれに配置されている。例えば、スイッチ12bを押動操作するとオーディオ装置12が起動する。右側の操作装置を回転操作すると所望の音量に設定される。左側の操作装置を回転操作すると所望の曲が選択される。表示部12aは、スイッチ12bおよび操作装置による操作内容を表示する。
スイッチ12bの操作面は、インパネ11の表面と同じ高さに位置し、押動操作されると、操作者(乗員)から見てインパネ11の奥側へ移動する。これに対し、回転ノブ40は、操作者が指先で摘むことが可能となるよう、操作者から見てインパネ11の手前側へ所定量(例えば9.5mm)以上突出することを要する。
但し、走行する車両10が車両外部の物体に衝突したことに起因して、乗員の体の一部が回転ノブ40に当たった場合等、回転ノブ40が奥側へ衝撃荷重を受けた時には、回転ノブ40の突出高さを小さくさせることが要求される。例えば、インパネ11の表面から手前側への突出高さが9.5mm未満となるよう、回転ノブ40は、所定の組付位置から奥側へ脱落する。それでいて、上記衝撃荷重を受けていない通常使用時においては、回転ノブ40に所定未満の荷重がかかっただけでは、回転ノブ40は脱落しないように支持されている。また、回転ノブ40は、通常使用時には上記組付位置から手前側に移動して外れないようにも支持されている。
以下、上述したダイヤル式の操作装置において、通常使用時における支持構造、脱落可能となる構造、および脱落した回転ノブ40を引抜いて取り外すことが可能となる構造の詳細について、図2〜図12を用いて説明する。なお、回転ノブ40は円筒形状であり、円筒内部はキャップ50により目隠しされている。このキャップ50についても、上述した支持構造、および脱落可能となる構造が採用されている。キャップ50が取り付けられた状態の回転ノブ40は、インパネ11の手前側へ突出して乗員により操作される「ノブ部材」を提供する。
図2および図3は、操作装置の通常使用時の構造を示す。操作装置は、以下に詳述するケース20、主動ギヤ30、回転ノブ40、キャップ50、従動ギヤ60、回路基板70、およびカバー80を備える。ケース20は、ベース板21および円筒支持部22を一体に樹脂成形して構成されている。ベース板21は、インパネ11の表面に沿う板形状であり、ビス等の締結手段によりインパネ11に固定して組み付けられている。円筒支持部22は、ベース板21から手前側(図2の上側)に延びる円筒形状であり、キャップ50を支持する。
主動ギヤ30は、回転可能な状態でケース20に支持されている。主動ギヤ30は、内側円筒部31、フランジ32、および外側円筒部33を一体に樹脂成形して構成されている。内側円筒部31は、円筒支持部22の外周面に、摺動リング20Rを介して嵌め込まれている。摺動リング20Rは、円筒支持部22の外周面に回転不能な状態で組付けられている。具体的には、摺動リング20Rは円筒支持部22に圧入して固定される。内側円筒部31の内周面は、摺動リング20Rの外周面に嵌め込まれて摺動する。内側円筒部31の奥側の端面31aは、ベース板21に形成された溝21aに嵌め込まれて摺動する。
このように摺動して回転する主動ギヤ30の歯31gは、内側円筒部31の外周面に形成されている。従動ギヤ60の歯61が主動ギヤ30の歯31gとかみ合うことで、主動ギヤ30が回転すると従動ギヤ60が回転する。主動ギヤ30および従動ギヤ60は平歯車を構成する。主動ギヤ30の歯31gの数は、従動ギヤ60の歯61の数より多い。
回路基板70には、従動ギヤ60の回転軸62の回転量を検出する回転検出センサ71が取り付けられている。操作者が回転ノブ40を回転操作すると、回転ノブ40と一体となって主動ギヤ30が回転する。主動ギヤ30が回転すると、従動ギヤ60が増速回転し、従動ギヤ60の回転量に応じた検出信号が回転検出センサ71から出力される。
フランジ32は、内側円筒部31の外周面からベース板21に平行に拡がる円板形状である。フランジ32の奥側の面には、周方向に延びる溝32aが所定ピッチで複数形成されている。ベース板21の手前側の面には、主動ギヤ30の回転中心方向(図2の上下方向)に延びるピン20Pが、回転中心方向に移動可能な状態で取り付けられている。ピン20Pは、フランジ32の奥側の面にスプリング20Sにより押し付けられている。
溝32aにピン20Pが嵌った状態で主動ギヤ30が回転すると、溝32aの端面にピン20Pが周方向に押し付けられる。この状態でさらに主動ギヤ30が回転すると、主動ギヤ30の回転力によりピン20Pがスプリング20Sの弾性力に抗して奥側に引っ込み、ピン20Pが溝32aから押し出される。その状態でさらに主動ギヤ30が回転すると、スプリング20Sの弾性力によりピン20Pが次の溝32aに嵌り込む。すなわち、主動ギヤ30が所定ピッチ以上回転すると、複数の溝32aをピン20Pが順に出入りする。これにより、操作者は所定ピッチ毎に回転反力を感じるようになる。
外側円筒部33は、フランジ32から手前側に延びる円筒形状であり、回転ノブ40を支持する。外側円筒部33には、径方向外側に突出する形状の手前側規制部34が設けられている。手前側規制部34は、回転ノブ40に形成された後述する開口部41bに挿入されている。
回転ノブ40は円筒部41を有し、カバー80に形成された貫通穴80aに円筒部41が位置する。円筒部41のうち貫通穴80aよりも手前側部分は、操作者の指先で摘まれる部分である。円筒部41の内周面41aには加飾リング40Rが取り付けられている。加飾リング40Rは回転ノブ40と一体となって回転する。
図4にも示されているように、円筒部41のうち貫通穴80aよりも奥側部分には、先述した複数の開口部41bが周方向に等間隔で形成されている。開口部41bは、回転中心方向を長手方向とする長方形である。開口部41bの奥側端面42aに、ノブ用の手前側規制部34が当接する。つまり、円筒部41のうち開口部41bの奥側に位置する部分が、手前側規制部34に当接するノブ用の手前側被規制部42として機能する。これにより、回転ノブ40を手前側に引抜こうとすると、その引抜き力は、手前側被規制部42を介して手前側規制部34にかかり、手前側規制部34は、回転ノブ40が所定位置から手前側へ移動することを規制する。
円筒部41の内周面には、径方向内側に向けて突出する突起43が形成されている。突起43は円筒部41と一体に樹脂成形されている。突起43は周方向の複数個所に設けられている。外側円筒部33の手前側端面33aに突起43が当接する。つまり、手前側端面33aは、回転ノブ40が所定位置から奥側へ移動することを規制するノブ用の奥側規制部を提供し、突起43は、手前側端面33aと当接するノブ用の奥側被規制部を提供する。これにより、回転ノブ40を奥側に押し込もうとすると、その押込み力は、突起43(奥側被規制部)を介して手前側端面33a(奥側規制部)にかかり、手前側端面33aは、回転ノブ40が所定位置から奥側へ移動することを規制する。
但し、手前側端面33aによる規制が利かない程度の衝撃荷重を回転ノブ40が受け、上記押込み力が所定力以上になった場合には、衝撃荷重の反力を手前側端面33aから突起43が受ける。その結果、突起43が根元から折れるように折損し、円筒部41から取れて落下する。これにより、回転ノブ40は手前側端面33aから脱落し、所定位置から奥側に移動する。回転ノブ40が脱落する方向は、回転ノブ40の回転中心方向と一致する。また、回転ノブ40が引抜かれる方向も、回転ノブ40の回転中心方向と一致する。
外側円筒部33には、径方向外側に突出する形状の押当部材35が設けられている。押当部材35は、円筒部41の円筒端面41cよりも奥側に位置する。上述の如く回転ノブ40が脱落すると、円筒部41の円筒端面41cがフランジ32の手前側の面に当接する。つまりフランジ32が、所定位置から脱落した回転ノブ40と当接する当接部を提供する。なお、手前側規制部34および押当部材35は、外側円筒部33と一体に樹脂成形されている。
図4に示すように、円筒部41の内周面には、回転中心方向に延びる係止キー45が突出している。係止キー45は、外側円筒部33に形成された係止溝33e(図9参照)に挿入配置されている。係止溝33eは、係止キー45を手前側から奥側にスライドして挿入可能な形状である。そのため、係止キー45は、係止溝33eにより周方向に係止される。よって、回転ノブ40が回転操作されると、主動ギヤ30は回転ノブ40とともに回転する。つまり、係止キー45は、主動ギヤ30に対して回転ノブ40が相対的に回転することを規制する「回り止め部」を提供する。
一方、回転ノブ40が脱落して回転中心方向に移動する際には、係止キー45は係止溝33e内をスライド移動する。つまり、係止キー45による回り止め機能は、脱落前のみならず脱落時にも発揮される。なお、係止キー45および係止溝33eは、周方向に等間隔で複数設けられている。
キャップ50は、加飾リング40Rの内側に位置する円板形状の蓋部51を有する。蓋部51は、回転ノブ40の円筒内部を覆うことで、ケース20等の内部構造が車室内に露出して操作者に視認されることを回避する。キャップ50は、円筒支持部22に回転不能の状態で組み付けられており、回転ノブ40を回転させてもキャップ50は回転しない。蓋部51の手前側の面は、回転ノブ40の手前側の面と同一平面上に位置する。
図5にも示されているように、キャップ50は、蓋部51から奥側に延びる円筒形状の円筒部52を有する。円筒部52には、複数の開口部52aが周方向に等間隔で形成されている。ケース20の円筒支持部22には、径方向内側に突出する形状のキャップ用の手前側規制部23が設けられている。手前側規制部23は、キャップ50に形成された先述の開口部52aに挿入されている。開口部52aは、回転中心方向を長手方向とする長方形である。開口部52aの奥側端面53aに手前側規制部23が当接する。つまり、円筒部52のうち開口部52aの奥側に位置する部分が、手前側規制部23に当接するキャップ用の手前側被規制部53として機能する。これにより、キャップ50を手前側に引抜こうとすると、その引抜き力は、手前側被規制部53を介して手前側規制部23にかかり、手前側規制部23は、キャップ50が所定位置から手前側へ移動することを規制する。
円筒部52の外周面には、径方向外側に向けて突出する突起54が形成されている。突起54は円筒部52と一体に樹脂成形されている。突起54は周方向の複数個所に設けられている。円筒支持部22の手前側端面22aに突起54が当接する。つまり、手前側端面22aは、キャップ50が所定位置から奥側へ移動することを規制するキャップ用の奥側規制部を提供し、突起54は、手前側端面22aと当接するキャップ用の奥側被規制部を提供する。これにより、キャップ50を奥側に押し込もうとすると、その押込み力は、突起54(奥側被規制部)を介して手前側端面22a(奥側規制部)にかかり、手前側端面22aは、キャップ50が所定位置から奥側へ移動することを規制する。
但し、手前側端面22aによる規制が利かない程度の衝撃荷重をキャップ50が受け、上記押込み力が所定力以上になった場合には、衝撃荷重の反力を手前側端面22aから突起54が受ける。その結果、突起54が根元から折れるように折損し、円筒部41から取れて落下する。これにより、キャップ50は手前側端面22aから脱落し、所定位置から奥側に移動する。
円筒支持部22には、径方向外側に突出する形状の押当部材24が設けられている。押当部材24は、円筒部52の円筒端面よりも奥側に位置する。上述の如くキャップ50が脱落すると、蓋部51の奥側端面51aが円筒支持部22の手前側端面22aに当接する。つまり、円筒支持部22が、所定位置から脱落した回転ノブ40と当接する当接部を提供する。なお、手前側規制部23および押当部材24は、外側円筒部33と一体に樹脂成形されている。
また、図2および図3に示すように、手前側規制部23は、手前側被規制部53の中央部分に対向するように配置されて開口部52a内に配置されている。これに対し、押当部材24は、手前側被規制部53の両端部分に対向するように配置されている。
図5に示すように、円筒部52の外周面には、回転中心方向に延びる係止キー55が突出している。係止キー55は、円筒支持部22に形成された図示しない係止溝に挿入配置されている。係止溝は、係止キー55を手前側から奥側にスライドして挿入可能な形状である。そのため、係止キー55は、係止溝により周方向に係止される。よって、キャップ50は、円筒支持部22に対して回転不能な状態で支持される。つまり、係止キー55は、ケース20に対してキャップ50が回転することを規制する「回り止め部」を提供する。
一方、キャップ50が脱落して回転中心方向に移動する際には、係止キー55は係止溝内をスライド移動する。つまり、係止キー55による回り止め機能は、脱落前のみならず脱落時にも発揮される。なお、係止キー55および係止溝は、周方向に等間隔で複数設けられている。
図2に示すように、回路基板70の手前側の面には、発光ダイオードにより提供される光源72が実装されている。光源72からの射出光は、キャップ50の蓋部51を透過する。蓋部51には、文字、記号、図形等による表示物が印刷されており、この表示物は、蓋部51が光源72により透過照明されることで操作者に視認される。
図6は、衝撃荷重により突起43、54が折損して回転ノブ40およびキャップ50が脱落した後の状態を示す。図7は、回転ノブ40は脱落前、キャップ50は脱落後の状態を示す。図示されるように、回転ノブ40およびキャップ50は、脱落することにより、カバー80からの突出高さが小さくなる。なお、図1に示すように、カバー80の手前側の面は、インパネ11の手前側の面と同一平面上に位置する。したがって、回転ノブ40およびキャップ50のカバー80からの突出高さは、インパネ11からの突出高さと同等である。
脱落後においては、回転ノブ40の円筒端面41cが、主動ギヤ30のフランジ32の手前側の面32bに当接する。そして、回転ノブ40が受けた衝撃荷重は、フランジ32で支持される。また、脱落後においては、キャップ50の奥側端面51aが、ケース20の手前側端面22aに当接する。そして、キャップ50が受けた衝撃荷重は、ケース20で支持される。
図8は、脱落したキャップ50を、ケース20の円筒支持部22から手前側に引抜いて取り外すよう、操作装置を分解する途中の状態を示す。図9は、脱落したキャップ50および回転ノブ40を、ケース20および主動ギヤ30から取り外した分解後の状態を示す。回転ノブ40およびキャップ50は、突起43、54を折損させつつ塑性変形して損傷している。これに対し、他の構成部品、すなわちケース20、主動ギヤ30、従動ギヤ60、回路基板70およびカバー80等は、脱落による損傷が生じることなく、分解後においてもそのまま残存する。
図2および図3に示すように、ケース20および主動ギヤ30、回転ノブ40およびキャップ50に囲まれた空間は、折損した突起43、54が収容される収容スペースSPとして機能する。換言すれば、ケース20および主動ギヤ30により形成された収容スペースSPは、回転ノブ40およびキャップ50により乗員の側から覆われている。したがって、通常使用時および脱落後の状態であり、分解前の状態であれば、収容スペースSPは閉塞された空間になっている。したがって、折損した突起43、54は収容スペースSP内に落下する。
そして、回転ノブ40およびキャップ50をケース20および主動ギヤ30から取り外した分解後の状態であれば、収容スペースSPは乗員の側へ露出するように配置されている。つまり、収容スペースSP内に落下した折損後の突起43、54は、分解後には乗員の側から視認可能となる。よって、操作装置を備えるオーディオ装置12がインパネ11に組み付けられた状態のまま、分解作業者が収容スペースSPから突起43、54を取り除くことが可能となる。
より詳細には、収容スペースSPは、円筒支持部22の外周面、フランジ32の手前側の面、および外側円筒部33の内周面に囲まれた形状である。回転ノブ40およびキャップ50を取り外すと、外側円筒部33の手前側端面33aが収容スペースSPの開口部となる。分解作業者は、手前側端面33aによる開口部から突起43、54を取り除く。
分解前の状態では、カバー80の貫通穴80aには、主動ギヤ30の外側円筒部33と回転ノブ40の円筒部41が挿入配置されている。しかし、回転ノブ40を主動ギヤ30から取り外して貫通穴80aから抜き取ると、外側円筒部33とカバー80との間に、円筒部41が挿入配置される隙間CLが現れる(図9参照)。この隙間CLは、折損した突起43、54よりも小さく設定されている。
より詳細に説明すると、隙間CLは、外側円筒部33の外周面に沿って環状に延びる円環形状である。一方、折損した突起43、54立方体形状である。そして、隙間CLの径方向寸法が、突起43、54の一辺の最小長さよりも小さく設定されている。
図10中の符号L1は、キャップ50が脱落して奥側へ移動する距離(脱落量)を示す。すなわち、脱落前のキャップ50が、円筒支持部22の手前側端面22aと当接する図10に示す位置から、脱落して手前側端面22aに当接する図11に示す位置まで移動する距離が脱落量L1である。脱落量L1を大きい値に設定するほど、脱落後におけるキャップ50のインパネ11からの突出量が小さくなる。この突出量が設定値(例えば9.5mm)未満となるように脱落量L1は設定されている。
また、脱落後のキャップ50が手前側規制部23に接触しない値に脱落量L1は設定されている。つまり、脱落前の状態における開口部52aの手前側端面53bと手前側規制部23との離間長さL2(図10参照)が、脱落量L1よりも大きく設定されている。これにより、脱落後のキャップ50は手前側規制部23に接触しない。
回転ノブ40の脱落量L3(図2参照)についても、キャップ50の脱落量L1と同様に設定されている。すなわち、脱落後における回転ノブ40のインパネ11からの突出量が設定値(例えば9.5mm)未満となるように脱落量L3は設定されている。また、脱落後の回転ノブ40が手前側規制部34に接触しない値に脱落量L3は設定されている。つまり、脱落前の状態における開口部41bの手前側端面42bと手前側規制部34との離間長さが、脱落量L3よりも大きく設定されている。これにより、脱落後の回転ノブ40は手前側規制部34に接触しない。
脱落前のキャップ50の所定位置から、キャップ50が脱落して円筒支持部22の手前側端面22aに当接する当接位置まで、ケース20の円筒支持部22はキャップ50を脱落の方向にガイドする。具体的には、円筒支持部22の内周面に沿ってキャップ50が脱落する。よって、キャップ50は円筒支持部22により径方向に位置決めされた状態で脱落する。円筒支持部22は、脱落する際に所定位置から当接位置までキャップ50を脱落の方向にガイドする「ガイド部」を提供する。キャップ50の円筒部52は、円筒支持部22によりガイドされる「被ガイド部」を提供する。
脱落前の回転ノブ40の所定位置から、回転ノブ40が脱落してフランジ32に当接する当接位置まで、主動ギヤ30の外側円筒部33は回転ノブ40を脱落の方向にガイドする。具体的には、外側円筒部33の外周面に沿って回転ノブ40が脱落する。よって、回転ノブ40は外側円筒部33により径方向に位置決めされた状態で脱落する。外側円筒部33は、脱落する際に所定位置から当接位置まで回転ノブ40を脱落の方向にガイドする「ガイド部」を提供する。回転ノブ40の円筒部41は、外側円筒部33によりガイドされる「被ガイド部」を提供する。
キャップ50が脱落する過程において、キャップ50は押当部材24に押し当てられながら当接位置まで脱落する。キャップ50は、押当部材24から衝撃荷重の反力を受けて塑性変形する。具体的には、押当部材24にはテーパ面24aが形成されている。このテーパ面24aにキャップ50の手前側被規制部53が押し当てられることにより、キャップ50が塑性変形しての手前側被規制部53が径方向内側に位置する。図6、図7および図11は、塑性変形後のキャップ50の形状を示しており、この形状が、手前側規制部23による規制が利かない規制不可形状である。
押当部材24は、手前側被規制部53がキャップ50に取り付いた状態を保持しつつ、キャップ50を規制不可形状に変形させる。つまり、手前側被規制部53がキャップ50から離脱し、欠片として取れ落ちることのないように変形させる。
図11に示すように、押当部材24の円筒支持部22からの突出高さH2は、手前側規制部23の突出高さH1に比べて大きい。そのため、開口部52aの奥側端面53aは手前側規制部23よりも径方向内側に位置することとなる。よって、図12に示すように、脱落後のキャップ50を手前側に引抜いてケース20から取り外して分解する引抜作業を実施する際に、キャップ50の奥側端面53aがケース20の手前側規制部23に接触しなくなる。
このように、キャップ50は衝撃荷重を受けると次のように損傷する。すなわち、突起54が折損するとともに、手前側被規制部53が手前側規制部23に規制されない形状にキャップ50は塑性変形する。しかし、キャップ50を支持していたケース20には損傷箇所が生じない。よって、衝撃荷重を受けた場合には、キャップ50を新品に交換することを要するものの、ケース20の交換は不要である。
図10〜図12では、キャップ50の脱落、分解の作動を説明したが、回転ノブ40についても同様である。すなわち、回転ノブ40が脱落する過程において、回転ノブ40は押当部材35に押し当てられながら当接位置まで脱落する。回転ノブ40は、押当部材35から衝撃荷重の反力を受けて塑性変形する。具体的には、押当部材35にはテーパ面が形成されている。このテーパ面に回転ノブ40の手前側被規制部42が押し当てられることにより、回転ノブ40が塑性変形しての手前側被規制部42が径方向内側に位置する。図6は、塑性変形後の回転ノブ40の形状を示しており、この形状が、手前側規制部34による規制が利かない規制不可形状である。
押当部材35は、手前側被規制部42が回転ノブ40に取り付いた状態を保持しつつ、手前側被規制部42が手前側規制部34に規制されない規制不可形状に回転ノブ40を変形させる。つまり、手前側被規制部42が回転ノブ40から離脱し、欠片として取れ落ちることのないように変形させる。
押当部材35の外側円筒部33からの突出高さは、手前側規制部34の突出高さに比べて大きい。そのため、開口部41bの奥側端面42aは手前側規制部34よりも径方向外側に位置することとなる。よって、脱落後の回転ノブ40を手前側に引抜いて主動ギヤ30から取り外して分解する引抜作業を実施する際に、回転ノブ40の奥側端面42aが主動ギヤ30の手前側規制部34に接触しなくなる。
このように、回転ノブ40は衝撃荷重を受けると次のように損傷する。すなわち、突起43が折損するとともに、手前側被規制部42が手前側規制部34に規制されない形状に回転ノブ40は塑性変形する。しかし、回転ノブ40を支持していた主動ギヤ30には損傷箇所が生じない。よって、衝撃荷重を受けた場合には、回転ノブ40を新品に交換することを要するものの、主動ギヤ30の交換は不要である。
以上に説明した通り、本実施形態に係る操作装置では、押当部材24、35は、衝撃荷重の反力を手前側被規制部42、53に作用させることで、回転ノブ40およびキャップ50(ノブ部材)を規制不可形状に変形させる。これによれば、脱落した状態のノブ部材をケース20および主動ギヤ30(組付部材)から手前側へ引抜いて取り外すにあたり、手前側規制部23、34による規制が利かないようになる。
よって、脱落後において手前側規制部23、34による規制を解除する作業を要すること無く、脱落後にノブ部材を組付部材から取り外すことができる。したがって、特許文献1に記載の装置の如く、脱落後においてもノブ部材の一部(嵌合部)が組付部材に嵌合したままになることを回避でき、復旧の作業性を向上できる。その結果、装置の全体を新品に交換することなく復旧可能にすることを促進でき、復旧に要するコストの低減を図ることができる。
さらに本実施形態では、押当部材24、35は、手前側被規制部42、53がノブ部材に取り付いた状態を保持しつつ、ノブ部材を規制不可形状に変形させる。これによれば、脱落に伴いノブ部材が変形しても、手前側被規制部42、53はノブ部材から離脱せずに取り付いた状態が保持される。よって、ノブ部材を組付部材から取り外すことにより、変形した手前側被規制部42、53もノブ部材とともに取り外されることになる。したがって、ノブ部材の脱落後において、規制機能を失った手前側被規制部42、53を除去する作業性を良好にできる。
さらに本実施形態では、押当部材24、35がノブ部材を変形させるにあたり、手前側被規制部42、53を手前側規制部23、34に接触させることなく引抜作業が可能となる形状に変形させる。そのため、脱落後のノブ部材を組付部材から引抜いて分解する引抜作業を実施するにあたり、接触させながら引抜作業が可能となるように変形させる場合に比べて、引抜作業の作業性を向上できる。
さらに本実施形態では、ノブ部材の脱落量L1、L3は、インパネ11からの突出量が設定値未満となるように設定されている。そのため、車両の衝突等に起因してノブ部材が衝撃荷重を受けた場合であっても、ノブ部材の突出高さを十分に小さくできる。
しかも、上記脱落量L1、L3は、脱落したノブ部材が手前側規制部23、34に接触しない値に設定されている。そのため、脱落したノブ部材が手前側規制部23、34に衝突することを回避できるので、ノブ部材の脱落に伴い手前側規制部23、34が損傷することを回避できる。よって、組付部材は交換せずにそのまま利用し、ノブ部材を新品に交換することで操作装置を復旧できるので、操作装置の全体を交換することを不要にでき、低コストでの復旧が可能になる。
さらに本実施形態では、外側円筒部33および円筒支持部22(ガイド部)を組付部材は有しており、これらのガイド部は、所定位置から当接位置までノブ部材を脱落の方向にガイドする。そのため、脱落方向に対して交差する方向に衝撃荷重がノブ部材にかかった場合であっても、フランジ32および円筒支持部22(当接部)からずれた位置にノブ部材が移動しないようにできる。よって、衝撃荷重を受けて脱落するノブ部材が当接部に当接し、組付部材は損傷しないようにすることの確実性を向上できる。
さらに本実施形態では、ノブ部材のうちガイド部によりガイドされる板状の円筒部41、52(被ガイド部)には、手前側規制部23、34が挿入される開口部41b、52aが形成されている。手前側規制部23、34は、開口部41b、52aの奥側端面42a、53aに当接することで、ノブ部材の手前側への移動を規制している。そして、脱落前の状態において開口部41b、52aの手前側端面42b、53bと手前側規制部23、34との離間長さL2が、脱落量L1、L3よりも大きく設定されている。そのため、手前側規制部23、34を開口部41b、52aに挿入するだけの簡素な構造にしつつ、ノブ部材が手前側規制部23、34に接触しないように脱落量L1、L3を設定することを、容易に実現できる。
さらに本実施形態では、ノブ部材は、手前側端面22a、33a(奥側規制部)と当接する突起43、54を有する。衝撃荷重の反力が奥側規制部から突起43、54に作用した場合には、奥側規制部は損傷することなく突起43、54が折損するように構成されている。そのため、脱落後にノブ部材を組付部材から引抜いた際に、ノブ部材の一部が組付部材に組み付いたまま残存することを回避できる。よって、脱落後においてノブ部材を組付部材から引抜いて分解する作業性を向上できる。
さらに本実施形態では、ノブ部材は、組付部材に対してノブ部材が回転することを規制する係止キー45、55(回り止め部)を有する。回り止め部による回り止め機能は、脱落前および脱落中の両方で発揮される。そのため、ノブ部材が衝撃荷重を受けている時に、開口部41b、52a内に位置する手前側規制部23、34の周方向端面に、円筒部41、52から衝撃荷重が付与されることが防止される。よって、衝撃荷重により手前側規制部23、34が損傷することの回避の確実性を向上できる。
また、抜取作業時においても回り止め機能が発揮されるので、開口部41b、52a内に位置する手前側規制部23、34の周方向端面に円筒部41、52が接触することを防止できる。よって、スムーズな抜取作業が可能になる。
さらに本実施形態では、ノブ部材は、奥側規制部と当接する突起43、54を有する。衝撃荷重が奥側規制部から突起43、54に作用した場合には、奥側規制部は損傷することなく突起43、54が折損するように構成されている。組付部材には、折損した突起43、54が収容される収容スペースSPが形成されている。
ここで、本実施形態に反して収容スペースSPが形成されていないと、折損した突起43、54が組付部材の奥側に入り込むこととなり、突起43、54が各種部品に干渉する不具合が生じる。しかも、これらの突起43、54を除去するには、オーディオ装置12をインパネ11から取り外すことを要する。
例えば、折損した突起43、54が外側円筒部33の外周側に落下して従動ギヤ60に干渉する。これらの突起43、54を除去するには、インパネ11からオーディオ装置12を取り外した後、カバー80をケース20から取り外すことを要する。また、折損した突起43、54が円筒支持部22の内周側に落下して回転軸62や光源72に干渉する。これらの突起43、54を除去するには、インパネ11からオーディオ装置12を取り外した後、ケース20を分解することを要する。
これに対し、本実施形態では、折損した突起43、54が収容される収容スペースSPが組付部材に形成されているので、折損した突起43、54が組付部材の奥側に入り込むことを回避できる。よって、上記不具合を解消できるとともに、インパネ11からオーディオ装置12を取り外すことなく折損した突起43、54を除去可能な構成にすることを、容易に実現できる。
さらに本実施形態では、組付部材を乗員側から覆うとともに、ノブ部材および組付部材が挿入配置される貫通穴80aが形成されたカバー80を備える。そして、ノブ部材を組付部材から取り外して貫通穴80aから抜き取ることによって現れる、組付部材とカバー80との隙間CLが、折損した突起43、54よりも小さく設定されている。これによれば、ノブ部材を分解した後において、収容スペースSPから折損した突起43、54を除去する作業中に、折損した突起43、54が組付部材とカバー80との隙間CLに誤って入ることを防止できる。よって、折損した突起43、54が組付部材の奥側に入り込まないようにすることの確実性を向上できる。
さらに本実施形態では、収容スペースSPは、ノブ部材により乗員側から覆われており、ノブ部材を組付部材から取り外すと乗員側へ露出するように配置されている。そのため、ノブ部材を取り外す前の状態においては、収容スペースSPはノブ部材で覆われているので、収容スペースSP内に落下した突起43、54が、誤って収容スペースSPからこぼれ落ちることを抑制できる。また、ノブ部材を取り外した後の状態においては、収容スペースSPは乗員側へ露出するので、収容スペースSP内に落下した突起43、54を除去する作業性を向上できる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態に係る押当部材24、35は、手前側被規制部42、53を切断することなく、ノブ部材を塑性変形させて規制不可形状に変形させる。これに対し、図13に示す本実施形態の押当部材241は、キャップ50が有する手前側被規制部53を切断し、かつ、塑性変形させて規制不可形状に変形させる。図13は脱落前、図14は脱落後、図15は分解時における手前側被規制部53の形状を示す。
図14に示すように、キャップ50に設けられた手前側被規制部53は、脱落方向に延びる1対の腕部532と、1対の腕部532の先端を連結する連結部531とを有して構成されている。押当部材241は、正面視において三角形の三角柱であり、テーパ面241aおよび頂部241bを有する。
図13に示す脱落前の状態では、連結部531の奥側に頂部241bが当接する。これにより、キャップ50の所定位置から奥側への移動が規制される。この状態でキャップ50が衝突荷重を受けると、連結部531が頂部241bに押し付けられ、連結部531は頂部241bから衝突荷重の反力を受ける。その結果、連結部531のうち頂部241bと当接する部分に上記反力が集中することにより、図14に示す如く連結部531は頂部241bにより切断される。
切断後において、ケース20の手前側端面22aにキャップ50が当接するまでは、手前側被規制部53は、衝突荷重を受けてさらに奥側へ移動する。その結果、切断された連結部531の切断面がテーパ面241aに押し付けられ、脱落方向に対して垂直な方向(図14の左右方向)に押し広げられる。これにより、1対の腕部532は、互いに離間する向きに押し広げられて塑性変形する。
腕部532を押し広げる方向において、押当部材241の最大長さである幅寸法W2は、手前側規制部23の幅寸法W1よりも大きく設定されている。そのため、塑性変形した状態における連結部531の切断面間距離は、押当部材241の幅寸法W2と同等となり、手前側規制部23の幅寸法W1よりも大きくなる。よって、図15に示す如くキャップ50をケース20から引抜いて分解する際に、切断された連結部531は手前側規制部23に接触しない。
以上により、本実施形態によれば、押当部材241は、衝撃荷重の反力により手前側被規制部53の連結部531を切断し、かつ、手前側被規制部53の腕部532を塑性変形させることで規制不可形状に変形させる。そのため、通常使用時には変形せず衝撃荷重を受けた時には変形するように手前側被規制部53の強度を設定することを、切断させずに規制不可形状に変形させる場合に比べて容易にできる。しかも、切断後に塑性変形させるので、手前側被規制部53が分解作業時に手前側規制部23に接触しない形状にすることを容易に実現できる。
(第3実施形態)
図10に示す実施形態では、円筒部52の奥側に位置する押当部材24により、キャップ50の円筒部52を規制不可形状に変形させている。これに対し、図16に示す本実施形態では、開口部52aの中に位置する手前側規制部23が押当部材として機能する。
詳細には、開口部52aの手前側部分にはテーパ面52bが形成され、手前側規制部23の手前側部分にはテーパ面23bが形成されている。そして、キャップ50の脱落時には、図17に示すように、キャップ50のテーパ面52bがケース20のテーパ面23bに当接する。そのため、衝撃荷重の反力をケース20からキャップ50が受けることとなる。この反力により、手前側被規制部53が円筒部52の内周側に位置するようにキャップ50が変形し、手前側規制部23による規制が利かない状態になる。これによれば、図10に示す押当部材24を廃止できる。
(第4実施形態)
図10に示す実施形態では、キャップ50に形成された突起54を、ケース20の手前側端面22aに当接させることで、キャップ50の奥側への移動を規制している。そして、衝撃荷重を受けた場合には突起54が折損することで、キャップ50をケース20から脱落させている。これに対し、図18に示す本実施形態では、図10に示す突起54を廃止している。
但し、押当部材24のテーパ面24aが、通常使用状態で手前側被規制部53に当接するように構成する。これにより、キャップ50の奥側への移動が、通常使用時において押当部材24により規制される。それでいて、衝突荷重を受けた時には、テーパ面24aに押し付けられながら手前側被規制部53が奥側に移動して脱落する。これにより、突起54の形成を不要にできる。
なお、図2に示す実施形態では、手前側被規制部53の中央部分に対向するように手前側規制部23が配置される一方で、押当部材24は、手前側被規制部53の両端部分に対向するように配置されている。これに対し本実施形態では、図18に示すように、手前側被規制部53の中央部分に対向するように押当部材24が配置されている。
(他の実施形態)
以上、発明の好ましい実施形態について説明したが、発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、以下に例示するように種々変形して実施することが可能である。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
上記各実施形態では、キャップ50は回転ノブ40とともに回転しない構造であり、回転ノブ40とは別に単独で脱落する構造である。つまり、手前側規制部23、34と、手前側端面22a、33a(奥側規制部)と、フランジ32および円筒支持部22(当接部)とを、キャップ50および回転ノブ40のそれぞれに対して設けている。これに対し、キャップ50が回転ノブ40とともに回転する構造であり、回転ノブ40とともに脱落する構造であってもよい。これによれば、手前側規制部、奥側規制部および当接部を、キャップ50および回転ノブ40のいずれかに対して設ける構造にすることができる。
図1に示す実施形態では、本発明に係る脱落構造を回転操作されるノブ部材に適用させているが、押しボタンや傾倒スイッチ等、回転操作以外の操作が為されるノブ部材に適用させてもよい。
図4および図5に示す実施形態では、係止キー45、55(回り止め部)をノブ部材が有しているが、回り止め部を廃止してもよい。また、上記各実施形態では、キャップ50の円筒部52(被ガイド部)が、ケース20の円筒支持部22(ガイド部)により径方向に位置決めされた状態で脱落する構造を採用しているが、この構造を廃止してもよい。
上記第2実施形態では、手前側被規制部53を脱落時に切断させる構造をキャップ50に採用しているが、この構造を回転ノブ40に採用してもよい。また、上記第3実施形態では、手前側規制部23を押当部材として機能させる構造をキャップ50に採用しているが、この構造を回転ノブ40に採用してもよい。また、上記第4実施形態では、キャップ50の突起54を廃止して押当部材24により奥側への移動を規制する構造を採用しているが、この構造を回転ノブ40に採用してもよい。
さて、突起43、54が折損する際には、バリが生じないように折損することが望ましい。バリが生じると、ノブ部材のスムーズな脱落または抜き取りが妨げられる。そこで、突起43、54の根元部分に切り欠きを形成し、衝撃荷重を受けた場合には切り欠きの部分から折損してバリが生じないようにすることが望ましい。
ここで、ノブ部材が衝撃荷重を受ける具体例として、車両10の衝突以外にも、インパネ11にオーディオ装置12を組み付ける作業員が、その組み付け時にノブ部材に衝撃荷重を与えてしまうことが挙げられる。特に、図1に示すようにノブ部材がオーディオ装置12の左右両側に配置されている場合には、左右両側のノブ部材を同時に強く押してインパネ11に組み付けようとするおそれが高くなる。よって、ノブ部材が装置の左右両側に配置されている場合には、復旧作業性を考慮した上述の各種効果が好適に発揮される。但し、本発明は左右両側にノブ部材が配置されたものに限らず、例えばオーディオ装置12の中央部分に配置されたものでもよい。
図1に示す実施形態では、オーディオ装置12に備えられた操作装置に本発明を適用させているが、例えば、ナビゲート装置や空調装置等に備えられた操作装置に適用させてもよい。また、図1に示す実施形態では、インパネ11に組み付けられた操作装置に本発明を適用させているが、車両10の室内に配置された天井パネルやドアパネルに組み付けられた操作装置に適用させてもよい。
図9に示す実施形態では、折損した突起43、54よりも隙間CLを小さく設定しているが、折損した突起43、54よりも隙間CLを大きく設定してもよい。また、図9に示す実施形態では、ノブ部材を組付部材から取り外すと収容スペースSPの全体が乗員の側へ露出するように構成されているが、収容スペースSPの一部が露出するように構成されていてもよい。
図11および図12に示す実施形態では、手前側被規制部53がキャップ50に取り付いた状態を保持しつつキャップ50を規制不可形状に変形させる構造である。これに対し、手前側被規制部53が折損してキャップ50から脱落させつつ規制不可形状に変形させる構造であってもよい。また、図11および図12に示す実施形態では、手前側被規制部53を手前側規制部23に接触させることなく引抜作業が可能となる形状(規制不可形状)にキャップ50を変形させる構造である。これに対し、手前側被規制部53を手前側規制部23に接触させつつ引抜作業が可能となる形状にキャップ50を変形させる構造であってもよい。