JP2015108459A - 冷凍装置及び冷凍装置の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御パラメータが制御目標値から大きく外れる過大な変動をするときに、冷媒回路を平常状態に速やかに復帰させることができ、しかも冷媒回路の平常時においては安定した制御が維持される冷凍装置を提供する。
【解決手段】室外側制御装置37あるいは室内側制御装置47,57,67は、制御パラメータが制御目標値から所定値以上離れるような過大変動を検出し、互いに動作量の変更の操作が異なる第1動作量変更操作と第2動作量変更操作とを切り換え可能に構成され、過大変動が検出されていないときは第1動作量変更操作を用い、過大変動が検出されているときに第1動作量変更操作よりも制御パラメータを制御目標値に速く近づけられる第2動作量変更操作に切り換える。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍装置及びその制御方法、特に、冷媒を循環させて蒸気圧縮式冷凍サイクルを行なう冷凍装置及びその制御方法に関する。
空気調和装置などの冷凍装置には、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒との熱交換を行なわせる熱源側熱交換器及び利用側熱交換器と、冷媒を減圧する減圧機構を有し、冷媒を循環させて蒸気圧縮式冷凍サイクルを行なう冷媒回路を備えるものがある。このような冷凍装置では、外乱などによって冷媒回路を制御するための制御パラメータが大きく変動した時には、制御パラメータが制御目標値から大きく外れることによって、圧縮機の吸入側が気液二相状態になったり、冷凍装置が過熱状態になったりするなどの何らかの不具合が発生する可能性が高くなる。このような制御パラメータの大きな変動に起因する不具合から脱出させるために、できるだけ早く制御パラメータを制御目標値に収束させることが行なわれている。
例えば、特許文献1(特開平5−10603号公報)の冷却装置やその制御方法には、ファジィ推論をPID(比例積分微分)制御に適用して膨張弁(圧縮機構)の開度を調整する技術が示されている。ファジィ推論を用いれば、平常時の運転の制御だけでなく、外乱などによって制御パラメータが大きく変動するような場合にも適切に対応できるような制御を構築することが可能である。
しかし、PID(比例積分微分)制御にファジィ推論のルールなどを適用しようとすると、冷却装置の実機に対する実験で種々の条件を細かに決定していかなければならない。そのため、冷却装置の実機にファジィ推論を実装しようとすると非常に手間がかかる。また、手間を掛けてファジィ推論を実装しても、ファジィ推論では入力値が同じであれば出力値が同じになるので、過大な変化では過渡状態と平常状態とを区別して制御することが難しいケースも生じる。
本発明の課題は、制御パラメータが制御目標値から大きく外れる過大な変動をするときに、冷媒回路を平常状態に速やかに復帰させることができ、しかも冷媒回路の平常時においては安定した制御が維持される冷凍装置を提供することである。
本発明の第1観点に係る冷凍装置は、アクチュエータを有し、冷媒を循環させて行なう蒸気圧縮式の冷凍サイクルの冷媒の状態変化をアクチュエータによって調節する冷媒回路と、冷媒回路に取り付けられ、冷凍サイクルの冷媒の状態変化に関連する冷媒の状態量を検知して現在状態量を出力するセンサと、現在状態量から算出される制御パラメータを制御目標値に近づけるように、アクチュエータの動作量を変更する制御装置と、を備え、制御装置は、制御パラメータが制御目標値から所定値以上離れるような過大変動を検出し、互いに動作量の変更の操作が異なる第1動作量変更操作と第2動作量変更操作とを切り換え可能に構成され、過大変動が検出されていないときは第1動作量変更操作を用い、過大変動が検出されているときに第1動作量変更操作よりも制御パラメータを制御目標値に速く近づけられる第2動作量変更操作に切り換える、ものである。
第1観点の冷凍装置においては、外乱などによって制御パラメータが大きく振れた過大変動を制御パラメータが制御目標値から所定値以上離れるか否かによって検出する。このような過大変動時には、制御装置は、第2動作量変更操作を用いてアクチュエータの動作量を変更することで制御パラメータを制御目標値に速く近づけ、過大変動時の冷媒回路の不適切状態から速やかに脱出できる状態にする。一方、制御装置は、過大変動時以外では第2動作量変更操作を用いないで第1動作量変更操作を用いてアクチュエータの動作量を変更することで、平常時のハンチングが防止される。
本発明の第2観点に係る冷凍装置は、第1観点に係る冷凍装置において、制御装置は、制御目標値と制御パラメータとの偏差が閾値を超えたときに過大変動が生じたと判断する、ものである。
第2観点の冷凍装置においては、制御目標値と制御パラメータとの偏差が閾値を越えるか否かを判断するだけのため、過大変動の判断が簡単になる。
本発明の第3観点に係る冷凍装置は、第1観点又は第2観点に係る冷凍装置において、制御装置は、過大変動が生じたと判断して、制御パラメータが制御目標値に近づいているときに第1動作量変更操作から第2動作量変更操作に切り換える、ものである。
第3観点の冷凍装置においては、制御パラメータが制御目標値に近づいているときに第2動作量変更操作に切り換えることで、制御パラメータを制御目標値に速く近づけられ、また制御目標値に近づいていることは制御パラメータと制御目標値の関係から容易に知れる。
本発明の第4観点に係る冷凍装置は、第3観点に係る冷凍装置において、操作変更部は、過大変動が生じたと判断して制御パラメータが制御目標値に近づいているときに第1動作量変更操作から第2動作量変更操作に切り換えた後に、制御パラメータが制御目標値から離れる方向の変化をしたときは第2動作量変更操作から第1動作量変更操作に戻す、ものである。
第4観点の冷凍装置においては、過大変動が生じたと判断して制御パラメータが制御目標値に近づいているときに制御パラメータが制御目標値から離れる方向の変化をしたときは、第2動作量変更操作から第1動作量変更操作に戻すことにより、制御パラメータの制御目標値への到達を妨げる動作を小さくして、制御の不安定化を抑制するとともに、制御パラメータの制御目標値への収束を早めることができる。
本発明の第5観点に係る冷凍装置は、第3観点又は第4観点の冷凍装置において、制御装置は、第2動作量変更操作に切り換えた後、制御パラメータが制御目標値を超えて次に制御目標値に達したときに過大変動が終了したと判断し、過大変動が終了したと判断されたときに第2動作量変更操作から第1動作量変更操作に切り換える、ものである。
第5観点の冷凍装置においては、制御パラメータが制御目標値になって直ぐに第2動作量変更操作から第1動作量変更操作に切り換えるのではなく、2度目に制御パラメータが制御目標値になった時点で第2動作量変更操作から第1動作量変更操作に切り換えるので、第2動作量変更操作で制御パラメータが制御目標値に収束するまでの期間を長く取ることができる。
本発明の第6観点に係る冷凍装置は、第3観点から第5観点のいずれかの冷凍装置において、制御装置は、アクチュエータの動作量を偏差に比例する比例項と偏差の積分に比例する積分項とを持つ比例積分制御により変更し、操作変更部は、第1動作量変更操作の比例ゲインよりも第2動作量変更操作の比例ゲインが大きくなるように設定されている、ものである。
第6観点の冷凍装置においては、第1動作量変更操作と第2動作量変更操作で比例積分制御の比例ゲインを変更するだけで済む。
本発明の第7観点に係る冷凍装置は、第1観点から第6観点のいずれかの冷凍装置において、冷媒回路は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒との熱交換を行なわせる熱源側熱交換器及び利用側熱交換器と、熱源側熱交換器に送風する熱源側ファン及び利用側熱交換器に送風する利用側ファンと、冷媒の減圧を弁開度により調節可能な減圧機構とを持ち、アクチュエータが圧縮機、熱源側ファン、利用側ファン及び減圧機構のうちの少なくとも一つを含む、ものである。
第7観点の冷凍装置においては、過大変動時には、制御装置は、第2動作量変更操作を用いて圧縮機、熱源側ファン、利用側ファン及び減圧機構のうちの少なくとも一つの動作量を変更することで制御パラメータを制御目標値に速く近づけ、過大変動時の冷媒回路の不適切状態から速やかに脱出できる状態にする。一方、制御装置は、過大変動時以外では第2動作量変更操作を用いないで第1動作量変更操作を用いて圧縮機、熱源側ファン、利用側ファン及び減圧機構のうちの少なくとも一つの動作量を変更することで、平常時のハンチングが防止される。
本発明の第8観点に係る冷凍装置の制御方法は、アクチュエータを有し、冷媒を循環させて行なう蒸気圧縮式の冷凍サイクルの冷媒の状態変化をアクチュエータによって調節する冷媒回路と、冷媒回路に取り付けられ、冷凍サイクルの冷媒の状態変化に関連する冷媒の状態量を検知して現在状態量を出力するセンサとを備え、現在状態量から算出される制御パラメータを制御目標値に近づけるように、アクチュエータの動作量を変更させる冷凍装置の制御方法であって、制御パラメータが制御目標値から所定値以上離れるような過大変動を検出する変動検出ステップと、互いに動作量の変更の操作が異なる第1動作量変更操作と第2動作量変更操作とを切り換え可能な操作変更ステップと、を有し、操作変更ステップでは、過大変動が検出されていないときは第1動作量変更操作を用い、過大変動が検出されているときに第1動作量変更操作よりも制御パラメータを制御目標値に速く近づけられる第2動作量変更操作に切り換える、ものである。
第8観点の冷凍装置においては、外乱などによって制御パラメータが大きく振れた過大変動を制御パラメータが制御目標値から所定値以上離れるか否かによって変動検出ステップ部で検出する。このような過大変動時には、操作変更ステップでは、第2動作量変更操作を用いてアクチュエータの動作量を変更することで制御パラメータを制御目標値に速く近づけ、過大変動時の冷媒回路の不適切状態から速やかに脱出できる状態にする。一方、操作変更ステップでは、過大変動時以外では第2動作量変更操作を用いないで第1動作量変更操作を用いてアクチュエータの動作量を変更することで、平常時のハンチングが防止される。
本発明の第1観点に係る冷凍装置又は第8観点に係る冷凍装置の制御方法では、制御パラメータが制御目標値から大きく外れる過大な変動をするときに、第2動作量変更操作を用いて冷媒回路の平常状態に速やかに復帰させることができ、しかも冷媒回路の平常時においては第1動作量変更操作を用いて安定した制御が維持される。
本発明の第2観点に係る冷凍装置では、過大変動の判断が簡単になり、制御装置における制御が簡単になる。
本発明の第3観点に係る冷凍装置では、制御パラメータの変動を抑えられ、また第1動作量変更操作から第2動作量変更操作に切り換える制御が簡単になる。
本発明の第4観点に係る冷凍装置では、過大変動が生じたと判断して制御パラメータが制御目標値に近づいているときに制御パラメータが制御目標値から離れる方向の変化をしたときにさらに安定した制御の維持が可能になる。
本発明の第5観点に係る冷凍装置では、第2動作量変更操作で制御パラメータが制御目標値に収束するまでの期間を長く取れ、制御パラメータの変動を抑えられる。
本発明の第6観点に係る冷凍装置では、第1動作量変更操作と第2動作量変更操作で比例積分制御の比例ゲインを変更するだけであるため制御が簡単になる。
本発明の第7観点に係る冷凍装置では、制御パラメータが制御目標値から大きく外れる過大な変動をするときに、第2動作量変更操作を用いて冷媒回路の平常状態に速やかに復帰させることができ、しかも冷媒回路の平常時においては第1動作量変更操作を用いて安定した制御が維持される。
本発明に係る空気調和装置の構成の概要を示す回路図。 図1の空気調和装置の制御系統を説明するためのブロック図。 室内側制御装置の室内膨張弁の冷房時の制御例を説明するためのフローチャート。 室内側制御装置の室内膨張弁の冷房時の従来の制御例を説明するためのグラフ。 室内側制御装置の室内膨張弁の冷房時の制御例を説明するためのグラフ。 室内側制御装置の室内膨張弁の暖房時の制御例を説明するためのフローチャート。 室外側制御装置の圧縮機の冷房時の制御例を説明するためのフローチャート。 室外側制御装置の圧縮機の冷房時の制御例を説明するためのグラフ。 変形例に係る室内側制御装置の室内膨張弁の冷房時の制御例を説明するためのフローチャート。 変形例に係る室内側制御装置の室内膨張弁の冷房時の制御例を説明するためのグラフ。 変形例に係る室内側制御装置の室内膨張弁の暖房時の制御例を説明するためのフローチャート。 変形例に係る室外側制御装置の圧縮機の冷房時の制御例を説明するためのフローチャート。 変形例に係る室外側制御装置の圧縮機の冷房時の制御例を説明するためのグラフ。
(1)空気調和装置の構成
以下の説明では、一実施形態に係る冷凍装置として、蒸気圧縮式の冷凍サイクル運転を行うことによって、ビル等の室内の冷暖房に使用される空気調和装置を例に挙げている。図1は、本発明の一実施形態に係る冷凍装置である空気調和装置の構成の概略を示す回路図である。図1に示されている空気調和装置10は、主として、1台の熱源ユニットとしての室外機20と、それに並列に接続された複数台(本実施形態では、3台)の利用ユニットとしての室内機40,50,60と、室外機20と室内機40,50,60とを接続する冷媒連絡管としての液冷媒連絡管71及びガス冷媒連絡管72とを備えている。すなわち、本実施形態の空気調和装置10の蒸気圧縮式の冷媒回路11は、室外機20と、室内機40,50,60と、液冷媒連絡管71及びガス冷媒連絡管72とが接続されることによって構成されている。
(1−1)室内機
室内機40,50,60は、ビル等の室内の天井に埋め込みや吊り下げ等により、または、室内の壁面に壁掛け等により例えば会議室などの一つの部屋1に設置されている。これら室内機40と室内機50、60とは同様の構成であるため、ここでは、室内機40の構成のみ説明し、室内機50、60の構成については、それぞれ、室内機40の各部を示す40番台の符号の代わりに50番台または60番台の符号を付して、各部の説明を省略する。
室内機40は、主として、冷媒回路11の一部を構成する室内側冷媒回路11a(室内機50では室内側冷媒回路11b、室内機60では室内側冷媒回路11c)を有している。この室内側冷媒回路11aは、主として、膨張機構としての室内膨張弁41と、利用側熱交換器としての室内熱交換器42とを有している。なお、本実施形態では、膨張機構として室内機40,50,60それぞれに室内膨張弁41,51,61を設けているが、これに限らずに、膨張機構(膨張弁を含む)を室外機20に設けてもよいし、室内機40,50,60や室外機20とは独立した接続ユニットに設けてもよい。
室内膨張弁41は、室内側冷媒回路11a内を流れる冷媒の流量の調節等を行うために、室内熱交換器42の液側に接続された電動膨張弁であり、冷媒の通過を遮断することも可能である。
室内熱交換器42は、例えば伝熱管と多数のフィンとにより構成されたクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器である。室内熱交換器42は、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能して室内空気を冷却し、暖房運転時には冷媒の凝縮器として機能して室内空気を加熱する熱交換器である。
室内機40は、ユニット内に室内空気を吸入して、室内熱交換器42において冷媒と熱交換させた後に、熱交換後の室内空気を供給空気として室内に供給するための送風機としての室内ファン43を有している。室内ファン43は、室内熱交換器42に供給する空気の風量を所定風量範囲において可変することが可能なファンであり、例えばDCファンモータ等からなるモータ43mによって駆動される遠心ファンや多翼ファン等である。この室内ファン43では、風量が最も小さい弱風、風量が最も大きい強風、及び弱風と強風との中間程度の中風の3種類の固定風量に設定する風量固定モードと、過熱度SHや過冷却度SCなどに応じて弱風から強風までの間において自動的に変更する風量自動モードと、リモートコントローラ等の入力装置によって手動で変更する風量設定モードのいずれかを選択して設定することができる。すなわち、利用者が例えばリモートコントローラを使って「弱風」、「中風」、及び「強風」のいずれかを選択した場合には、弱風で固定される風量固定モードとなり、「自動」を選択した場合には、運転状態に応じて自動的に風量が変更される風量自動モードとなる。なお、ここでは、室内ファン43の風量のファンタップが「弱風」、「中風」、及び「強風」の3段階で切り換えられる構成を説明している。また、室内ファン43の風量である室内ファン風量Gaは、例えばモータ43mの回転数をパラメータとする演算から導くことができる。そのほかに、室内ファン風量Gaは、モータ43mの電流値に基づく演算から導く方法や、設定されているファンタップに基づく演算から導く方法などがある。
また、室内機40には、各種のセンサが設けられている。室内熱交換器42の液側には、冷媒の温度(すなわち、暖房運転時における凝縮圧力相当飽和温度(以下、凝縮温度という)Tcまたは冷房運転時における蒸発圧力相当飽和温度(以下、蒸発温度という)Teに対応する冷媒温度)を検出する液側温度センサ44が設けられている。室内熱交換器42のガス側には、冷媒の温度を検出するガス側温度センサ45が設けられている。室内機40の室内空気の吸入口側には、ユニット内に流入する室内空気の温度(すなわち、室内温度Tr)を検出する室内温度センサ46が設けられている。液側温度センサ44、ガス側温度センサ45及び室内温度センサ46には、例えばサーミスタを用いることができる。また、室内機40は、室内機40を構成する各部の動作を制御する室内側制御装置47を有している。室内側制御装置47は、室内機40における現在の空調能力等を演算する空調能力演算部47aと、現在の空調能力に基づいてその能力を発揮するのに必要な要求蒸発温度Terまたは要求凝縮温度Tcrを演算する要求温度演算部47bとを有する(図2参照)。そして、室内側制御装置47は、室内機40の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ47c等を有しており、室内機40を個別に操作するためのリモートコントローラ(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、室外機20との間で伝送線80aを介して制御信号等のやりとりを行ったりすることができるようになっている。
(1−2)室外機
室外機20は、ビル等の室外に設置されており、液冷媒連絡管71及びガス冷媒連絡管72を介して室内機40,50,60に接続されており、室内機40,50,60とともに冷媒回路11を構成している。そして、室外機20は、主として、冷媒回路11の一部を構成する室外側冷媒回路11dを有している。この室外側冷媒回路11dは、主として、圧縮機21と、四路切換弁22と、熱源側熱交換器としての室外熱交換器23と、膨張機構としての室外膨張弁38と、アキュムレータ24と、液側閉鎖弁26と、ガス側閉鎖弁27とを有している。
圧縮機21は、運転容量を可変することが可能な圧縮機であり、インバータにより回転数が制御されるモータ21mによって駆動される容積式圧縮機である。なお、ここに示されている室外機20が有する圧縮機21は、1台であるが、室内機の接続台数が多い場合などには、圧縮機の台数を2台以上とすることもできる。
四路切換弁22は、冷媒の流れの方向を切り換えるための弁である。冷房運転時には、圧縮機21によって圧縮される冷媒の凝縮器として室外熱交換器23を機能させ、かつ、室外熱交換器23において凝縮される冷媒の蒸発器として室内熱交換器42,52,62を機能させるために、圧縮機21の吐出側と室外熱交換器23のガス側とを接続するとともに圧縮機21の吸入側(具体的には、アキュムレータ24)とガス冷媒連絡管72側とを接続する(冷房運転状態:図1の四路切換弁22の実線を参照)。一方、暖房運転時には、圧縮機21によって圧縮される冷媒の凝縮器として室内熱交換器42,52,62を機能させ、かつ、室内熱交換器42,52,62において凝縮される冷媒の蒸発器として室外熱交換器23を機能させるために、圧縮機21の吐出側とガス冷媒連絡管72側とを接続するとともに圧縮機21の吸入側と室外熱交換器23のガス側とを接続することが可能である(暖房運転状態:図1の四路切換弁22の破線を参照)。
室外熱交換器23は、例えばクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器であり、空気を熱源とするために空気と冷媒との間の熱交換をさせるための機器である。室外熱交換器23は、冷房運転時には冷媒の凝縮器として機能し、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。室外熱交換器23は、そのガス側が四路切換弁22に接続され、その液側が室外膨張弁38に接続されている。
室外膨張弁38は、室外側冷媒回路11d内を流れる冷媒の圧力や流量等の調節を行うために、冷房運転を行う際の冷媒回路11における冷媒の流れ方向において室外熱交換器23の下流側に配置された電動膨張弁である。つまり、室外膨張弁38は、室外熱交換器23の液側に接続されている。
室外機20は、ユニット内に室外空気を吸入して、室外熱交換器23において冷媒と熱交換させた後に、室外に排出するための送風機としての室外ファン28を有している。この室外ファン28は、室外熱交換器23に供給する空気の風量を可変することが可能なファンであり、例えばDCファンモータ等からなるモータ28mによって駆動されるプロペラファン等である。
液側閉鎖弁26及びガス側閉鎖弁27は、液冷媒連絡管71及びガス冷媒連絡管72との接続口に設けられた弁である。液側閉鎖弁26は、冷房運転を行う際の冷媒回路11における冷媒の流れ方向において室外膨張弁38の下流側であって液冷媒連絡管71の上流側に配置されており、冷媒の通過を遮断することが可能である。ガス側閉鎖弁27は、四路切換弁22に接続されており、冷媒の通過を遮断することが可能である。
また、室外機20には、圧縮機21の吸入圧力(すなわち、冷房運転時における蒸発圧力Peに対応する冷媒圧力)を検出する吸入圧力センサ29と、圧縮機21の吐出圧力(すなわち、暖房運転時における凝縮圧力Pcに対応する冷媒圧力)を検出する吐出圧力センサ30と、圧縮機21の吸入温度を検出する吸入温度センサ31と、圧縮機21の吐出温度を検出する吐出温度センサ32とが設けられている。室外機20の室外空気の吸入口側には、ユニット内に流入する室外空気の温度(すなわち、室外温度)を検出する室外温度センサ36が設けられている。吸入温度センサ31、吐出温度センサ32、及び室外温度センサ36には、例えばサーミスタを用いることができる。また、室外機20は、室外機20を構成する各部の動作を制御する室外側制御装置37を有している。室外側制御装置37は、図2に示すように、圧縮機21の運転容量を制御するための目標蒸発温度Tetまたは目標凝縮温度Tct(又は目標蒸発温度差ΔTetまたは目標凝縮温度差ΔTct)を決定する目標値決定部37aを有する。そして、室外側制御装置37は、室外機20の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータ(図示せず)、メモリ37bやモータ21mを制御するインバータ回路等を有しており、室内機40,50,60の室内側制御装置47,57,67との間で伝送線80aを介して制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。すなわち、室内側制御装置47,57,67と室外側制御装置37と、それらの間を接続する伝送線80aとによって、空気調和装置10全体の運転制御を行う運転制御装置80が構成されている。
運転制御装置80は、図2に示されるように、吸入圧力センサ29、吐出圧力センサ30、吸入温度センサ31、吐出温度センサ32、室外温度センサ36、液側温度センサ44,54,64、ガス側温度センサ45,55,65及び室内温度センサ46,56,66の検出信号を受けることができるように接続されている。また、運転制御装置80は、これらの検出信号等に基づいて室外機20及び室内機40,50,60を制御することができるように圧縮機21、四路切換弁22、室外ファン28、室外膨張弁38、室内膨張弁、41,51,61及び室内ファン43,53,63などに接続されている。さらに、運転制御装置80を構成するメモリ37b、47c,57c,67cには、空気調和装置10を制御するための各種データが格納されている。
(1−3)冷媒連絡管
液冷媒連絡管71及びガス冷媒連絡管72は、空気調和装置10をビル等の設置場所に設置する際に、現地にて施工される冷媒管であり、設置場所や室外機と室内機との組み合わせ等の設置条件に応じて種々の長さや管径を有するものが使用される。例えば、新規に空気調和装置10をビルなどに設置する場合には、空気調和装置10に対して、液冷媒連絡管71及びガス冷媒連絡管72の長さや管径等の設置条件に応じた適正な量の冷媒が充填される。
以上のように、室内側冷媒回路11a、11b、11cと、室外側冷媒回路11dと、液冷媒連絡管71及びガス冷媒連絡管72とが接続されて、空気調和装置10の冷媒回路11が構成されている。そして、空気調和装置10は、室内側制御装置47,57,67と室外側制御装置37とから構成される運転制御装置80によって、四路切換弁22により冷房運転及び暖房運転を切り換えて運転を行うとともに、各室内機40,50,60の運転負荷に応じて、室外機20及び室内機40,50,60の各機器の制御を行うようになっている。
(2)空気調和装置の動作
(2−1)冷房運転
まず、冷房運転について、図1を用いて説明する。冷房運転時は、四路切換弁22が図1の実線で示される状態、すなわち、圧縮機21の吐出側が室外熱交換器23のガス側に接続され、かつ、圧縮機21の吸入側がガス側閉鎖弁27及びガス冷媒連絡管72を介して室内熱交換器42,52,62のガス側に接続された状態となっている。ここで、室外膨張弁38は、全開状態にされている。液側閉鎖弁26及びガス側閉鎖弁27は、開状態にされている。室内膨張弁41は、室内熱交換器42の出口(すなわち、室内熱交換器42のガス側)における冷媒の過熱度SH1が目標過熱度SHt1になるように開度調節され、室内膨張弁51は、室内熱交換器52の出口(すなわち、室内熱交換器52のガス側)における冷媒の過熱度SH2が目標過熱度SHt2になるように開度調節され、室内膨張弁61は、室内熱交換器62の出口(すなわち、室内熱交換器62のガス側)における冷媒の過熱度SH3が目標過熱度SHt3になるように開度調節されるようになっている。
なお、目標過熱度SHt1,SHt2,SHt3は、所定の過熱度範囲の内で室内温度Tr1,Tr2,Tr3が設定温度Ts1,Ts2,Ts3に収束するために最適な温度値に設定される。各室内熱交換器42,52,62の出口における冷媒の過熱度SH1,SH2,SH3は、各ガス側温度センサ45,55,65により検知される冷媒温度値(Tg)から各液側温度センサ44,54,64により検知される冷媒温度値(蒸発温度Teに対応)を差し引くことによってそれぞれ検出される。ただし、各室内熱交換器42,52,62の出口における冷媒の過熱度SH1、SH2,SH3は、上述の方法で検出することに限らずに、吸入圧力センサ29により検出される圧縮機21の吸入圧力を蒸発温度Teに対応する飽和温度値に換算し、各ガス側温度センサ45,55,65により検知される冷媒温度値からこの冷媒の飽和温度値を差し引くことによって検出してもよい。
なお、本実施形態では採用していないが、各室内熱交換器42,52,62内を流れる冷媒の温度を検出する温度センサを設けて、この温度センサにより検出される蒸発温度Teに対応する冷媒温度値を、ガス側温度センサ45,55,65により検知される冷媒温度値から差し引くことによって、各室内熱交換器42,52,62の出口における冷媒の過熱度SH1,SH2,SH3をそれぞれ検出するようにしてもよい。
この冷媒回路11の状態で、圧縮機21、室外ファン28及び室内ファン43,53,63を運転すると、低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入されて圧縮されて高圧のガス冷媒となる。その後、高圧のガス冷媒は、四路切換弁22を経由して室外熱交換器23に送られて、室外ファン28によって供給される室外空気と熱交換を行って凝縮して高圧の液冷媒となる。そして、この高圧の液冷媒は、液側閉鎖弁26及び液冷媒連絡管71を経由して、室内機40,50,60に送られる。
この室内機40,50,60に送られた高圧の液冷媒は、室内膨張弁41,51,61によってそれぞれ圧縮機21の吸入圧力近くまで減圧されて低圧の気液二相状態の冷媒となって室内熱交換器42,52,62に送られ、室内熱交換器42,52,62においてそれぞれ室内空気と熱交換を行って蒸発して低圧のガス冷媒となる。
この低圧のガス冷媒は、ガス冷媒連絡管72を経由して室外機20に送られ、ガス側閉鎖弁27及び四路切換弁22を経由して、アキュムレータ24に流入する。そして、アキュムレータ24に流入した低圧のガス冷媒は、再び、圧縮機21に吸入される。このように、空気調和装置10では、室外熱交換器23を圧縮機21において圧縮される冷媒の凝縮器として、かつ、室内熱交換器42,52,62を室外熱交換器23において凝縮された後に液冷媒連絡管71及び室内膨張弁41,51,61を通じて送られる冷媒の蒸発器としてそれぞれ機能させる冷房運転を行うことが可能である。なお、この空気調和装置10では、室内熱交換器42,52,62のガス側に冷媒の圧力を調整する機構が室内機40,50,60のそれぞれにないため、全ての室内熱交換器42,52,62における蒸発圧力Peが共通の圧力となる。
(2−2)暖房運転
次に、暖房運転について、図1を用いて説明する。暖房運転時は、四路切換弁22が図1の破線で示される状態(暖房運転状態)、すなわち、圧縮機21の吐出側がガス側閉鎖弁27及びガス冷媒連絡管72を介して室内熱交換器42,52,62のガス側に接続され、かつ、圧縮機21の吸入側が室外熱交換器23のガス側に接続された状態となっている。室外膨張弁38は、室外熱交換器23に流入する冷媒を室外熱交換器23において蒸発させることが可能な圧力(すなわち、蒸発圧力Pe)まで減圧するために開度調節されるようになっている。また、液側閉鎖弁26及びガス側閉鎖弁27は、開状態にされている。室内膨張弁41,51,61は、室内熱交換器42,52,62の出口における冷媒の過冷却度SC1,SC2,SC3がそれぞれ目標過冷却度SCt1,SCt2,SCt3になるように開度調節されるようになっている。なお、目標過冷却度SCt1,SCt2,SCt3は、その時の運転状態に応じて特定される過冷却度範囲の内で室内温度Tr1,Tr2,Tr3が設定温度Ts1,Ts2,Ts3に収束するために最適な温度値に設定される。室内熱交換器42,52,62の出口における冷媒の過冷却度SC1,SC2,SC3は、吐出圧力センサ30により検出される圧縮機21の吐出圧力Pdを凝縮温度Tcに対応する飽和温度値に換算し、この冷媒の飽和温度値から液側温度センサ44,54,64により検知される冷媒温度値を差し引くことによってそれぞれ検出される。
なお、本実施形態では採用していないが各室内熱交換器42,52,62内を流れる冷媒の温度を検出する温度センサを設けて、この温度センサにより検出される凝縮温度Tcに対応する冷媒温度値を、液側温度センサ44,54,64により検知される冷媒温度値から差し引くことによって室内熱交換器42,52,62の出口における冷媒の過冷却度SC1,SC2,SC3をそれぞれ検出するようにしてもよい。
この冷媒回路11の状態で、圧縮機21、室外ファン28及び室内ファン43,53,63を運転すると、低圧のガス冷媒は、圧縮機21に吸入されて圧縮されて高圧のガス冷媒となり、四路切換弁22、ガス側閉鎖弁27及びガス冷媒連絡管72を経由して、室内機40,50,60に送られる。そして、室内機40,50,60に送られた高圧のガス冷媒は、室内熱交換器42,52,62において、室内空気と熱交換を行って凝縮して高圧の液冷媒となった後、室内膨張弁41,51,61を通過する際に、室内膨張弁41,51,61の弁開度に応じて減圧される。
この室内膨張弁41,51,61を通過した冷媒は、液冷媒連絡管71を経由して室外機20に送られ、液側閉鎖弁26及び室外膨張弁38を経由してさらに減圧された後に、室外熱交換器23に流入する。室外熱交換器23に流入した低圧の気液二相状態の冷媒は、室外ファン28によって供給される室外空気と熱交換を行って蒸発して低圧のガス冷媒となり、四路切換弁22を経由してアキュムレータ24に流入する。そして、アキュムレータ24に流入した低圧のガス冷媒は、再び、圧縮機21に吸入される。なお、この空気調和装置10では、室内熱交換器42,52,62のガス側に冷媒の圧力を調整する機構がないため、全ての室内熱交換器42,52,62における凝縮圧力Pcが共通の圧力となる。
(3)室内制御装置による室内膨張弁の制御
(3−1)冷房時
以下においては、主に室内側制御装置47による室内膨張弁41の冷房時の制御について説明するが、同様のことが室内側制御装置57,67による室内膨張弁51,61の制御についても行なわれる。室内膨張弁41の制御では、室内側制御装置47が通常時の第1制御状態と過大変動状態時の第2制御状態のいずれかを選択する。第1制御状態では、従来と同様に、例えば室内膨張弁41の弁開度の制御量ΔEVが比例積分(PI)制御に従っている。
現在の過熱度SH1と目標過熱度SHt1との偏差(=SH1−SHt1)をeと表し、前回の偏差をeprevと表し、αとβを定数とすると、ΔEV=α・(e−eprev)+β・eという式に従って制御量ΔEVが決定される。制御量ΔEVを決定するための計算は例えば一定時間が経過するごとに行なわれる。
第2制御状態では、比例ゲインを第1制御状態よりも大きくする。つまり、αに1よりも大きな定数γを掛けて式を変形する。その結果、第2制御状態で用いられる制御量ΔEVは、ΔEV=α・γ・(e−eprev)+β・eという式に従って算出される。図3は、冷房運転時の運転制御装置80における過大変動状態の判定と第1制御状態を採るか第2制御状態を採るかの選択手順を示すフローチャートである。また、図4は、第1制御状態のみで制御した場合、つまり従来の相対過熱度RSH1と目標相対過熱度RSHt1と弁開度EVとの関係の一例を示すグラフである。図5は、第2制御状態との切り換えを行なった場合の相対過熱度RSH1と目標相対過熱度RSHt1と閾値εとの関係の一例を示すグラフである。図4及び図5において、実線は相対過熱度RSH1を表しており、一点鎖線は弁開度EVを表している。
図3乃至図5を用いながら、一実施形態の運転制御装置80による冷房時の室内膨張弁の制御について説明する。各室内機40,50,60について、それぞれ図3の判断と操作が行われるが、以下の説明では室内機40を例に挙げて説明し、室内機50,60についての説明は一部省略する。
ステップS1では、室内膨張弁41,51,61がモデルベースIP制御により制御量EVの決定をされているか否かを、室内側制御装置47,57,67が判断する。つまり、制御対象である室内膨張弁41,51,61の入出力の関係を数式化したモデルを用いて、その制御対象である室内膨張弁41,51,61の制御系を実現しているか否かを判断する。室内膨張弁41,51,61の制御量ΔEVがモデルベースIP制御によって決定されている場合には、次のステップS2に進む。
ステップS2では、ガス側温度センサ45により室内熱交換器42の出口側の現在の冷媒温度値(Tg)が取得され、液側温度センサ44により室内熱交換器42の入口側の現在の冷媒温度値(Te)が取得される。このとき同時に、室内温度(Tr)を室内温度センサ46により取得する。ガス側温度センサ45により検知される冷媒温度値(Tg)から液側温度センサ44により検知される現在の冷媒温度値(Te)を差し引いて過熱度SH1を得る。そして、さらに、相対過熱度RSH1と過熱度SH1と室内温度Trと蒸発温度Teの関係式〔RSH=SH/(Tr−Te)〕を用いて、相対過熱度RSH1が算出される。
ステップS3では、室内側制御装置47が、目標相対過熱度RSHt1をメモリ47cから読み出す。そして、ステップS2で算出された相対過熱度RSH1から目標相対過熱度RSHt1を差し引いた値と比較する閾値εが予め決められている。例えば、相対過熱度RSH1から目標相対過熱度RSHt1を差し引いた値が閾値εよりも大きければ、室内側制御装置47は過大変動状態にあると判定される。
相対過熱度RSH1と目標相対過熱度RSHt1との偏差が閾値εを超える時刻t1までは、どちらも第1制御状態が続いている。つまり、相対過熱度RSH1と目標相対過熱度RSHt1との偏差が閾値εを超えるまでは、ステップS3からステップS2に戻って、以後ステップS2,S3の操作が繰り返される。
時刻t1では、従来と異なり、運転制御装置80は、相対過熱度RSH1と目標相対過熱度RSHt1との差が閾値εを超えるので、第1制御状態から第2制御状態に切り換える。しかし、第2制御状態になっても、運転制御装置80は、すぐには比例ゲインを増加する操作状態(第2動作量変更操作)に移行するわけではない。
ステップS4では、ステップS2と同様に、ガス側温度センサ45と液側温度センサ44により取得される室内熱交換器42の出口側と入り口側の現在の冷媒温度値(Te,Tg)を用いて、過熱度SH1が計算される。
ステップS5では、前回計算された過熱度の偏差eprevと上述のステップS4で計算された過熱度から導かれる現時の偏差eが比較される。そして、e−eprev<0になったか否かが判定される。この判定は、つまり相対過熱度RSH1の曲線が下がり始めた時点(時刻t2)を知るためのものである。e−eprev<0になる時刻t2以降にステップS5の判断が行われると、Yesと判断されて次のステップS6に進む。時刻t2になるまでは、ステップS5からステップS4に戻って、e−eprev<0になるまでステップS4,S5の操作が繰り返される。
ステップS6では、運転制御装置80は、比例ゲインを増加させ、時刻t2以降は、ΔEV=α・γ・(e−eprev)+β・eという式に従って室内膨張弁41の開度が変化する。そのため、時刻t2以降は、図4と図5を比較すると、図5に示されているグラフの方が弁開度EVの変化が大きくなる。そのため、図5のグラフの相対過熱度RSH1が目標相対過熱度RSHt1に到達する時刻t3の方が、図4のグラフの相対過熱度RSHが目標相対過熱度RSHt1に達する時刻t4に比べて早くなっている。
図4の時刻t6と図5の時刻t5において、相対過熱度RSH1が極小値になっているが、比例ゲインを増加させている図5の場合の方が冷媒回路11で冷媒の状態が悪化する程度を軽減することができることから、相対過熱度RSH1が目標値よりも大きく低下するのが抑制されている。つまり、図4の時刻t6における相対過熱度RSH1の値よりも図5の時刻t5における相対過熱度RSH1の値の方が大きくなっている。
ステップS7における判断ついては後から説明することにして、先にステップS8〜S11の操作について説明する。図5では、相対過熱度RSH1のグラフが時刻t7で目標相対過熱度RSHt1になっている。ステップS8では、ステップS2と同様にガス側温度センサ45と液側温度センサ44により取得される室内熱交換器42の出口側と入り口側の現在の冷媒温度値(Te,Tg)を用いて、相対過熱度RSH1が計算される。
ステップS9では、比例ゲインを増加させる操作をしてから相対過熱度RSH1が目標相対過熱度RSHt1よりも一度でも小さくなったか否かが判断される。図5の時刻t3以降では、目標相対過熱度RSHt1よりも相対過熱度RSH1の曲線が下になるアンダーシュートが起きているので、そのことが室内側制御装置47のメモリ47cに記憶され、時刻t3以降は第1制御状態に戻るまではステップS9で常に「Yes」と判断される。
しかし、図5の時刻t3と時刻t7との間では、目標相対過熱度RSHt1よりも相対過熱度RSH1の曲線が下にあるので、RSH1<RSHt1の状態が維持され、ステップS10でRSH1≧RSHt1ではないと判断される。そして、ステップS8〜S10の操作が繰り返されて、目標相対過熱度RSHt1が相対過熱度RSH1に達するのを室内側制御装置47が待つことになる。
図5に示されている時刻t7を過ぎた時点で、ステップS10では目標相対過熱度RSHt1が相対過熱度RSH1に達したと判断されて、室内側制御装置47は次のステップS11に処理を進める。そして、比例ゲインの値を元に戻して第1制御状態に戻る。
ステップS7では、時刻t2から時刻t7の状態、つまり比例ゲインを増加させてから比例ゲインの値を元に戻して第1制御状態に戻るまでの時間が30分以内に行なわれているか否かが判断される。もし、時刻t2から30分以内に第1制御状態に戻らない場合には、ステップS7での判断に基づいて強制的に第1制御状態に復帰させる。このような場合には、何らかの不具合が発生している可能性が高いので、通常の制御状態である第1制御状態に戻して通常の制御状態で運転制御装置80に対応させる。
(3−2)暖房時
暖房時には、冷房時に行なわれていた過熱度SH1、SH2,SH3に基づく制御に代えて過冷却度SC1,SC2、SC3に基づく制御が行なわれる。以下においては、室内側制御装置47による室内膨張弁41の冷房時の制御について説明するが、同様のことが室内側制御装置57,67による室内膨張弁51,61の制御についても行なわれる。室内膨張弁41の制御では、室内側制御装置47が第1制御状態と第2制御状態のいずれかを選択する。第1制御状態では、従来と同様に、例えば室内膨張弁41の弁開度の制御量ΔEVが比例積分(PI)制御に従っている。
現在の過冷却度SC1と目標過冷却度SCt1との偏差(=SC1−SCt1)をewと表し、前回の偏差をewprevと表し、αwとβwを定数とすると、ΔEV=αw・(ew−ewprev)+βw・ewという式に従って制御量ΔEVが決定される。制御量ΔEVを決定するための計算は例えば一定時間が経過するごとに行なわれる。
暖房運転でも第2制御状態では、比例ゲインを第1制御状態よりも大きくする。つまり、αに1よりも大きな定数γwを掛けて式を変形する。その結果、第2制御状態で用いられる制御量ΔEVは、ΔEV=αw・γw・(ew−ewprev)+βw・ewという式に従って算出される。図6は、暖房運転時の運転制御装置80における過大変動状態の判定と第1制御状態を採るか第2制御状態を採るかの選択手順を示すフローチャートである。
図6を用いながら、一実施形態の運転制御装置80による暖房時の室内膨張弁の制御について説明する。各室内機40,50,60について、それぞれ図6の判断と操作が行われるが、以下の説明では室内機40を例に説明し、室内機50,60についての説明は一部省略する。
ステップS1wでは、ステップS1と同様に、室内膨張弁41,51,61がモデルベースIP制御により制御量EVの決定をされているか否かを、室内側制御装置47,57,67が判断し、室内膨張弁41,51,61の制御量ΔEVがモデルベースIP制御によって決定されている場合には、次のステップS2に進む。
ステップS2wでは、ステップS2と異なり、吐出圧力センサ30により検出される圧縮機21の吐出圧力Pdを凝縮温度Tcに対応する飽和温度値に換算し、この冷媒の飽和温度値から液側温度センサ44,54,64により検知される冷媒温度値を差し引くことによって過冷却度SC1,SC2,SC3(現在状態量の例)がそれぞれ得られる。そして、さらに、相対過冷却度RSCと過冷却度SCと室内温度Trと凝縮温度Tcの関係式〔RSC=SC/(Tc−Tr)〕を用いて、各相対過冷却度RSC1、RSC2,RSC3を算出する。
ステップS3wでは、ステップS3と同様に、室内側制御装置47が、目標相対過冷却度RSCs1をメモリ47cから読み出す。そして、ステップS2wで算出された相対過冷却度RSC1から目標相対過冷却度RSCs1を差し引いた値と比較する閾値εwが予め決められている。例えば、相対過冷却度RSC1から目標相対過冷却度RSCs1を差し引いた値が閾値εwよりも大きければ、室内側制御装置47は過大変動状態にあると判定する。相対過冷却度RSC1と目標過冷却度RSCs1との偏差が閾値εwを超えるまでは、ステップS3wからステップS2wに戻って、以後ステップS2w,S3wの操作が繰り返される。
室内側制御装置47は、相対過冷却度RSC1と目標相対過冷却度RSCs1との差が閾値εwを超えるので、第1制御状態から第2制御状態に切り換える。しかし、第2制御状態になっても、室内側制御装置47は、すぐには比例ゲインを増加する操作状態(第2動作量変更操作)に移行するわけではない。
ステップS4wでは、ステップS2wと同様に、過冷却度SC1が計算される。ステップS5では、前回計算された過冷却度の偏差ewprevと上述のステップS4wで計算された過冷却度ewが比較される。そして、ew−ewprev<0になったか否かが判定される。この判定は、つまり相対過冷却度RSC1の曲線が下がり始めた時点を知るためのものである。ew−ewprev<0になるまでは、ステップS5からステップS4wに戻って、ew−ewprev<0になるまでステップS4w,S5wの操作が繰り返される。
ew−ewprev<0になると、ステップS6wに進み、室内側制御装置47は、比例ゲインを増加させ、ΔEV=αw・γw・(ew−ewprev)+βw・ewという式に従って室内膨張弁41の開度が変化する。そのため、弁開度EVの変化が大きくなり、相対過冷却度RSC1が目標過冷却度RSCs1に到達するまでの時間が短くなる。その結果、冷媒回路11で冷媒の状態が悪化する程度を軽減することができることから、相対過冷却度RSC1が目標値よりも大きく低下するのが抑制されている。
ステップS7wにおける判断ついては後から説明することにして、先にステップS8w〜S11wの操作について説明する。ステップS8wでは、ステップS2wと同様にガス側温度センサ45と液側温度センサ44により取得される室内熱交換器42の出口側の現在の冷媒温度値と凝縮温度(Te,Tc)を用いて、相対過冷却度RSC1が計算される。
ステップS9wでは、比例ゲインを増加させる操作をしてから相対過冷却度RSC1が目標相対過冷却度RSCs1よりも一度でも小さくなったか否かが判断される目標相対過冷却度RSCs1よりも相対過冷却度RSC1の曲線が下になるアンダーシュートが起きていれば、そのことが室内側制御装置47のメモリ47cに記憶され、それ以降は第1制御状態に戻るまではステップS9wで常に「Yes」と判断される。
しかし、相対過冷却度RSC1がアンダーシュートしている状態では、目標相対過冷却度RSCs1よりも相対過冷却度RSC1の曲線が下にあるので、RSC1<RSCs1の状態が維持され、ステップS10wでRSC1≧RSCs1ではないと判断される。そして、ステップS8w〜S10wの操作が繰り返されて、目標相対過冷却度RSCs1が相対過冷却度RSC1に達するのを室内側制御装置47が待つことになる。
ステップS10wでは目標相対過冷却度RSCs1が相対過冷却度RSC1に達したと判断されると、室内側制御装置47は次のステップS11wに処理を進める。そして、比例ゲインの値を元に戻して第1制御状態に戻る。
ステップS7wでは、比例ゲインを増加させてから比例ゲインの値を元に戻して第1制御状態に戻るまでの時間が30分以内に行なわれているか否かが判断される。もし、比例ゲインを増加させてから30分以内に第1制御状態に戻らない場合には、ステップS7wでの判断に基づいて強制的に第1制御状態に復帰させる。
(4)室外側制御装置による圧縮機の制御
(4−1)冷房時
以下においては、室外側制御装置37による圧縮機21の冷房時の制御について説明する。圧縮機21の制御では、室外側制御装置37が通常時の第1制御状態と過大変動状態時の第2制御状態のいずれかを選択する。第1制御状態では、従来と同様に、例えば圧縮機21の回転数の制御量ΔFkが比例積分(PI)制御に従っている。
現在の蒸発側飽和圧力相当温度Tegと目標蒸発側飽和圧力相当温度Tegtとの偏差(=Teg−Tegt)をeと表し、前回の偏差をeprevと表し、α1とβ1を定数とすると、ΔFk=α1・(e−eprev)+β1・eという式に従って制御量ΔFkが決定される。制御量ΔFkを決定するための計算は例えば一定時間が経過するごとに行なわれる。
第2制御状態では、比例ゲインを第1制御状態よりも大きくする。つまり、α1に1よりも大きな定数γ1を掛けて式を変形する。その結果、第2制御状態で用いられる制御量ΔFkは、ΔFk=α1・γ1・(e−eprev)+β1・eという式に従って算出される。図7は、冷房運転時の運転制御装置80における過大変動状態の判定と第1制御状態を採るか第2制御状態を採るかの選択手順を示すフローチャートである。また、図8は、第2制御状態との切り換えを行なった場合の蒸発側飽和圧力相当温度RSH1と目標蒸発側飽和圧力相当温度Tegtと閾値εとの関係の一例を示すグラフである。
図7及び図8を用いながら、一実施形態の運転制御装置80による冷房時の圧縮機の制御について説明する。
ステップS21では、圧縮機21がモデルベースIP制御により制御量Fkの決定をされているか否かを、室外側制御装置37が判断する。つまり、制御対象である圧縮機21の入出力の関係を数式化したモデルを用いて、その制御対象である圧縮機21の制御系を実現しているか否かを判断する。圧縮機21の制御量ΔFkがモデルベースIP制御によって決定されている場合には、次のステップS22に進む。
ステップS22では、吸入圧力センサ29により吸入側の冷媒の圧力を検知し、蒸発側飽和圧力相当温度Tegが算出される。
ステップS23では、室外側制御装置37が、目標蒸発側飽和圧力相当温度Tegtをメモリ37bから読み出す。そして、目標蒸発側飽和圧力相当温度TegtからステップS2で算出された蒸発側飽和圧力相当温度Tegを差し引いた値と比較する閾値ε1が予め決められている。例えば、目標蒸発側飽和圧力相当温度Tegtから蒸発側飽和圧力相当温度Tegを差し引いた値が閾値ε1よりも大きければ、室外側制御装置37は過大変動状態にあると判定する。
蒸発側飽和圧力相当温度Tegと目標蒸発側飽和圧力相当温度Tegとの偏差が閾値ε1を超える時刻t11までは第1制御状態が続いている。つまり、蒸発側飽和圧力相当温度Tegと目標蒸発側飽和圧力相当温度Tegtとの偏差が閾値ε1を超えるまでは、ステップS23からステップS22に戻って、以後ステップS22,S23の操作が繰り返される。
時刻t11では、従来と異なり、運転制御装置80は、蒸発側飽和圧力相当温度Tegと目標蒸発側飽和圧力相当温度Tegtとの差が閾値ε1を超えるので、第1制御状態から第2制御状態に切り換える。しかし、第2制御状態になっても、運転制御装置80は、すぐには比例ゲインを増加する操作状態(第2動作量変更操作)には移行するわけではない。
ステップS24では、ステップS22と同様に、吸入圧力センサ29により吸入側の冷媒の圧力を検知し、蒸発側飽和圧力相当温度Tegが算出される。
ステップS25では、前回計算された偏差eprevと上述のステップS24で計算された現在の偏差eが比較される。そして、e−eprev>0になったか否かが判定される。この判定は、つまり蒸発側飽和圧力相当温度Tegの曲線が上がり始めた時点(時刻t12)を知るためのものである。e−eprev>0になる時刻t12以降にステップS25の判断が行われると、Yesと判断されて次のステップS26に進む。時刻t12になるまでは、ステップS25からステップS24に戻って、e−eprev>0になるまでステップS24,S25の操作が繰り返される。
ステップS26では、運転制御装置80は、比例ゲインを増加させ、時刻t12以降は、ΔFk=α1・γ1・(e−eprev)+β1・eという式に従って圧縮機21の回転数の制御量ΔFkが変化する。そのため、時刻t12以降は、回転数Fkの変化が大きくなる。そのため、図8のグラフの蒸発側飽和圧力相当温度Tegが目標蒸発側飽和圧力相当温度Tegtに到達する時刻t13の方が早くなる。また、図8の時刻t14において、蒸発側飽和圧力相当温度Tegが極大値になっているが、比例ゲインを増加させているので冷媒回路11で冷媒の状態が悪化する程度を軽減することができることから、蒸発側飽和圧力相当温度Tegが目標値よりも大きく増大するのが抑制されている。
ステップS27における判断ついては後から説明することにして、先にステップS28〜S31の操作について説明する。図8では、蒸発側飽和圧力相当温度Tegのグラフが時刻t15で目標蒸発側飽和圧力相当温度Tegtになっている。ステップS28では、ステップS22と同様に吸入圧力センサ29により吸入側の冷媒の圧力を検知し、蒸発側飽和圧力相当温度Tegが算出される。
ステップS29では、比例ゲインを増加させる操作をしてから蒸発側飽和圧力相当温度Tegが目標蒸発側飽和圧力相当温度Tegtよりも一度でも大きくなったか否かが判断される。図8の時刻t13以降では、目標蒸発側飽和圧力相当温度Tegtよりも蒸発側飽和圧力相当温度Tegの曲線が上になるオーバーシュートが起きているので、そのことが室外側制御装置37のメモリ37bに記憶され、時刻t13以降は第1制御状態に戻るまではステップS9で常に「Yes」と判断される。
しかし、図8の時刻t13と時刻t15との間では、目標蒸発側飽和圧力相当温度Tegtよりも蒸発側飽和圧力相当温度Tegの曲線が上にあるので、Teg>Tegtの状態が維持され、ステップS30でTeg≦Tegtではないと判断される。そして、ステップS28〜S30の操作が繰り返されて、目標蒸発側飽和圧力相当温度Tegtが蒸発側飽和圧力相当温度Tegに達するのを室外側制御装置37が待つことになる。
図8に示されている時刻t15を過ぎた時点で、ステップS10では目標蒸発側飽和圧力相当温度Tegtが蒸発側飽和圧力相当温度Tegに達したと判断されて、室外側制御装置37は次のステップS31に処理を進める。そして、比例ゲインの値を元に戻して第1制御状態に戻る。
ステップS27では、時刻t12から時刻t15の状態、つまり比例ゲインを増加させてから比例ゲインの値を元に戻して第1制御状態に戻るまでの時間が10分以内に行なわれているか否かが判断される。もし、時刻t12から10分以内に第1制御状態に戻らない場合には、ステップS27での判断に基づいて強制的に第1制御状態に復帰させる。このような場合には、何らかの不具合が発生している可能性が高いので、通常の制御状態である第1制御状態に戻して通常の制御状態で運転制御装置80に対応させる。
(4−2)暖房時
室外側制御装置37による圧縮機21の暖房時の圧縮機21の制御でも、室外側制御装置37が通常時の第1制御状態と過大変動状態時の第2制御状態のいずれかを選択する。第1制御状態では、従来と同様に、例えば圧縮機21の回転数の制御量ΔFkが比例積分(PI)制御に従っている。
現在の凝縮側飽和圧力相当温度Tcgと目標凝縮側飽和圧力相当温度Tcgtとの偏差(=Tcg−Tcgt)をeと表し、前回の偏差をeprevと表し、α2とβ2を定数とすると、ΔFk=α2・(e−eprev)+β2・eという式に従って制御量ΔFkが決定される。制御量ΔFkを決定するための計算は例えば一定時間が経過するごとに行なわれる。
つまり、暖房時には、冷房時に行なわれていた蒸発側飽和圧力相当温度Tegに基づく制御に代えて凝縮側飽和圧力相当温度Tcgに基づく制御が行なわれる。従って、上述の冷房時の説明の蒸発側飽和圧力相当温度Tegを凝縮側飽和圧力相当温度Tcgに置き換えるだけであるので説明を省略する。例えば、第2制御状態では、比例ゲインを第1制御状態よりも大きくするが、α2に1よりも大きな定数γ2を掛けて式を変形し、第2制御状態で用いられる制御量ΔFkは、ΔFk=α2・γ2・(e−eprev)+β2・eという式に従って算出される。凝縮側飽和圧力相当温度Tcgは、吐出圧力センサ30により圧縮機21の吐出側の冷媒の圧力から算出される。また、目標凝縮側飽和圧力相当温度Tcgtや閾値ε2は、メモリ37bに記憶されている。
(5)特徴
(5−1)
上記実施形態において、空気調和装置10(冷凍装置)は、外乱などによって過熱度SH、相対過熱度RSH、過冷却度SC、相対過冷却度RSC、凝縮側飽和圧力相当温度Tcgあるいは蒸発側飽和圧力相当温度Teg(制御パラメータの例)が大きく振れた過大変動を過熱度SH、相対過熱度RSH、過冷却度SC、相対過冷却度RSC、凝縮側飽和圧力相当温度Tcgあるいは蒸発側飽和圧力相当温度Tegが目標過熱度SHt、目標相対過熱度RSHt、目標過冷却度SCt、目標相対過冷却度RSCt、目標凝縮側飽和圧力相当温度Tcgtあるいは目標蒸発側飽和圧力相当温度Tegt(制御目標値の例)から閾値ε、εw、ε1、ε2(所定値の例)以上離れるか否かによって室外側制御装置37や室内側制御装置47,57,67(制御装置の例)で検出される。このような過大変動時には、室外側制御装置37や室内側制御装置47,57,67は、PI制御において比例ゲインが増加された変動量の算出式による操作(第2動作量変更操作の例)を用いて室内膨張弁41,51,61や圧縮機21(アクチュエータの例)の動作量を変更することで過大変動を過熱度SH、相対過熱度RSH、過冷却度SC、相対過冷却度RSC、凝縮側飽和圧力相当温度Tcgあるいは蒸発側飽和圧力相当温度Tegが目標過熱度SHt、目標相対過熱度RSHt、目標過冷却度SCt、目標相対過冷却度RSCt、目標凝縮側飽和圧力相当温度Tcgtあるいは目標蒸発側飽和圧力相当温度Tegtに速く近づけ、過大変動時の冷媒回路11の不適切状態から速やかに脱出できる状態にする。一方、室外側制御装置37や室内側制御装置47,57,67は、過大変動時以外では通常のPI制御の式による操作(第1動作量変更操作の例)を用いて室内膨張弁41,51,61や圧縮機21の動作量を変更することで、平常時のハンチングが防止される。
(6)変形例
(6−1)変形例1A
上記実施形態では、一台の室外機20に複数台の室内機40,50,60が接続されている空気調和装置について説明したが、本発明は一台の室外機に一台の室内機が接続されている空気調和装置についても適用できる。
(6−2)変形例1B
上記実施形態では、第1制御状態の例としてPI制御の場合について説明したが、第1制御状態にPID(比例積分微分)制御などの他の制御方法を用いることもできる。
(6−3)変形例1C
上記実施形態では、アクチュエータの例として室内膨張弁41,51,61や圧縮機21を例に挙げて説明したが、室外ファン28や室内ファン43,53,63をアクチュエータとして本願発明による制御と同様の制御を適用することができる。
(6−4)変形例1D
上記実施形態では、相対過熱度や相対過冷却度を制御パラメータとして、制御目標値である目標相対過熱度や目標相対過冷却度に近づける制御について説明したが、過熱度や過冷却度を制御パラメータとして、制御目標値である目標過熱度や目標過冷却度に近づける制御を行なわせるような場合にも上記実施形態の運転制御装置80の制御を適用することができる。
(6−5)変形例1E
上記実施形態では、図5に示されているように、時刻t1で相対過熱度RSH1と目標相対過熱度RSHt1との差が閾値εを超えて第1制御状態から第2制御状態に切り換わってピークを越えた時刻t2から時刻t3までは、相対過熱度RSH1が目標相対過熱度RSHt1から離れるような変動(以下、続発的外乱という)は起きていない。しかし、図10に示されているように、時刻t2から時刻t3までの間の時刻t21から時刻t22の間で続発的外乱が発生している。この続発的外乱の発生している時刻t21から時刻t22の間が続発的外乱区間である。以下、このような続発的外乱が発生する場合にさらに良好な処理が行なえる室内側制御装置の制御例について説明する。
(6−5−1)室内側制御装置による冷房時の室内膨張弁の制御
このような続発的外乱が発生する場合について、室内側制御装置の室内膨張弁の冷房時の制御例を図9のフローチャートを用いて説明する。図9のステップS1,S2は上記実施形態と同様であるので説明を省略する。ステップS3では、室内側制御装置47が、目標相対過熱度RSH1tをメモリ47cから読み出す。そして、ステップS2で算出された相対過熱度RSH1から目標相対過熱度RSH1tを差し引いた値と比較する閾値εが予め決められている。例えば、相対過熱度RSH1から目標相対過熱度RSH1tを差し引いた値が閾値εよりも大きければ、室内側制御装置47は過大変動状態にあると判定される。
相対過熱度RSH1と目標相対過熱度RSH1tとの偏差が閾値εを超える時刻t1までは、どちらも第1制御状態が続いている。つまり、相対過熱度RSH1と目標相対過熱度RSH1tとの偏差が閾値εを超えるまでは、ステップS3からステップS2に戻って、以後ステップS2,S3の操作が繰り返される。
時刻t1では、従来と異なり、運転制御装置80は、相対過熱度RSH1と目標相対過熱度RSH1tとの差が閾値εを超えるので、第1制御状態から第2制御状態に切り換える。しかし、第2制御状態になっても、運転制御装置80は、すぐには比例ゲインを増加する操作状態(第2動作量変更操作)に移行するわけではない。
ステップS4では、ステップS2と同様に、ガス側温度センサ45と液側温度センサ44により取得される室内熱交換器42の出口側と入り口側の現在の冷媒温度値(Te,Tg)を用いて、過熱度SH1が計算される。
ステップS5では、前回計算された過熱度の偏差eprevと上述のステップS4で計算された過熱度から導かれる現時の偏差eが比較される。そして、e−eprev<0になったか否かが判定される。この判定は、つまり相対過熱度RSH1の曲線が下がり始め、相対過熱度RSH1が、目標相対過熱度RSH1tに接近して動いているかどうかを判定するためのものである。時刻t1以降、e−eprev<0となっている状態でステップS5の判断が行われると、Yesと判断されて次のステップS6Aの第2動作量変更操作に進む。ただし、e−eprev≧0となっている状態(時刻t21から時刻t22の状態)でステップS5の判断が行われると、Noと判断されて次のステップS6Bの第1動作量変更操作に進む。
ステップS6Aでは、運転制御装置80は、比例ゲインを増加させ、ΔEV=α・γ・(e−eprev)+β・eという式に従って室内膨張弁41の開度が変化する。そのため、時刻t2以降は、図4と図9を比較すると、図9に示されているグラフの方が弁開度EVの変化が大きくなる。そのため、図9のグラフの相対過熱度RSH1が目標相対過熱度RSH1tに到達する時刻t3の方が、図4のグラフの相対過熱度RSHが目標相対過熱度RSH1tに達する時刻t4に比べて早くなっている。
図4の時刻t6と図9の時刻t5において、相対過熱度RSH1が極小値になっているが、比例ゲインを増加させている図9の場合の方が冷媒回路11で冷媒の状態が悪化する程度を軽減することができることから、相対過熱度RSH1が目標値よりも大きく低下するのが抑制されている。つまり、図4の時刻t6における相対過熱度RSH1の値よりも図9の時刻t5における相対過熱度RSH1の値の方が大きくなっている。
ステップS6Bでは、運転制御装置80は、比例ゲインを増加させず、第1制御状態と同じく、ΔEV=α・(e−eprev)+β・eという式に従って室内膨張弁41の開度が変化する。
続発的外乱などにより、相対過熱度RSH1の曲線が上昇を始めている箇所では、比例ゲインを増加させないことにより、相対過熱度RSH1の目標相対過熱度RSH1tへの到達を妨げる動作を小さくして、制御の不安定化を抑制するとともに、相対過熱度RSH1の目標相対過熱度RSH1tへの収束を早める。
ステップS7における判断ついては後から説明することにして、先にステップS8〜S11の操作について説明する。図9では、相対過熱度RSH1のグラフが時刻t7で目標相対過熱度RSH1tになっている。ステップS8では、ステップS2と同様にガス側温度センサ45と液側温度センサ44により取得される室内熱交換器42の出口側と入り口側の現在の冷媒温度値(Te,Tg)を用いて、相対過熱度RSH1が計算される。
ステップS9では、比例ゲインを増加させる操作をしてから相対過熱度RSH1が目標相対過熱度RSH1tよりも一度でも小さくなったか否かが判断される。図9の時刻t3に達する前は、目標相対過熱度RSH1tよりも相対過熱度RSH1が高いので、このステップS9で「No」と判断される。以降ステップS4〜S9を繰り返し、その時点での過熱度の偏差e−eprevの正負に応じてステップS6AあるいはS6Bに進むことによって比例ゲインを調整しながら、目標相対過熱度RSH1tを相対過熱度RSH1が下回るのを待つことになる。そして図9の時刻t3以降では、目標相対過熱度RSH1tよりも相対過熱度RSH1の曲線が下になるアンダーシュートが起きているので、そのことが室内側制御装置47のメモリ47cに記憶され、時刻t3以降は第1制御状態に戻るまではステップS9で常に「Yes」と判断される。
しかし、図9の時刻t3と時刻t7との間では、目標相対過熱度RSH1tよりも相対過熱度RSH1の曲線が下にあるので、RSH1<RSH1tの状態が維持され、ステップS10でRSH1≧RSH1tではないと判断される。そして、ステップS4〜S10の操作が繰り返されて、その時点での過熱度の偏差e−eprevの正負に応じてステップS6AあるいはS6Bに進むことによって比例ゲインを調整しながら、目標相対過熱度RSH1tが相対過熱度RSH1に達するのを室内側制御装置47が待つことになる。
図9に示されている時刻t7を過ぎた時点で、ステップS10では目標相対過熱度RSH1tが相対過熱度RSH1に達したと判断されて、室内側制御装置47は次のステップS11に処理を進める。そして、比例ゲインの値を元に戻して第1制御状態に戻る。
ステップS7では、時刻t1から時刻t7の状態、つまり第2制御状態に切り替えてから比例ゲインの値を元に戻して第1制御状態に戻るまでの時間が30分以内に行なわれているか否かが判断される。もし、時刻t1から30分以内に第1制御状態に戻らない場合には、ステップS7での判断に基づいて強制的に第1制御状態に復帰させる。このような場合には、何らかの不具合が発生している可能性が高いので、通常の制御状態である第1制御状態に戻して通常の制御状態で運転制御装置80に対応させる。
(6−5−2)室内側制御装置による暖房時の室内膨張弁の制御
図6のフローチャートを用いて説明したように、暖房時には、冷房時に行なわれていた過熱度SH1、SH2,SH3に基づく制御に代えて過冷却度SC1,SC2、SC3に基づく制御が行なわれる。続発的外乱が発生する場合については図6に示した制御例に代えて図11のフローチャートに示されている制御を行なうことが好ましい。暖房時における図6のフローと図11のフローが異なる点は、冷房時における図5のフローと図9のフローの相違点と同様である。すなわち、ステップS9w,S10wで「No」と判断されたときには、ステップS4wに戻る。そして、ステップS5wで「No」と判断されたときは、ステップS6wBで比例ゲインを元の値に戻してステップS7wに進み、ステップS5wで「Yes」と判断されたときにはステップS6wAで比例ゲインを増加させてステップS7wに進む。
ステップS6wAでは、運転制御装置80は、比例ゲインを増加させ、ΔEV=αw・(ew−ewprev)+βw・ewという式に従って室内膨張弁41の開度が変化する。続発的外乱などにより、相対過冷却度RSC1の曲線が上昇を始めている箇所では、比例ゲインを増加させないことにより、相対過冷却度RSC1の目標相対過冷却度RSC1tへの到達を妨げる動作を小さくして、制御の不安定化を抑制するとともに、相対過冷却度RSC1の目標相対過冷却度RSC1tへの収束を早める。
(6−5−3)冷房時の室外側制御装置による圧縮機の制御
図9のフローチャートを用いて説明した室内側制御装置47で冷房時に行なわれていた過熱度SH1、SH2,SH3に基づく室内膨張弁41の制御と同様に、室外側制御装置37による圧縮機21の制御を行うことができる。続発的外乱が発生する場合については図7に示した制御例に代えて図12のフローチャートに示されている制御を行なうことが好ましい。図13に示されているように、時刻t12から時刻t13までの間の時刻t121から時刻t122の間で続発的外乱が発生している。室外側制御装置37における図7のフローと図12のフローが異なる点は、室内側制御装置47における図5のフローと図9のフローの相違点と同様である。すなわち、ステップS29,S30で「No」と判断されたときには、ステップS24に戻る。そして、図13の時刻t121から時刻t122の状態においてステップS25で「No」と判断されたときは、ステップS26Bで比例ゲインを元の値に戻してステップS27に進み、ステップS25で「Yes」と判断されたときにはステップS26Aで比例ゲインを増加させてステップS27に進む。
ステップS26Aでは、運転制御装置80は、比例ゲインを増加させ、ΔFk=α1・(e−eprev)+β1・eという式に従って制御量ΔFkが変化する。続発的外乱などにより、蒸発側飽和圧力相当温度Tegの曲線が下降を始めている箇所では、比例ゲインを増加させないことにより、蒸発側飽和圧力相当温度Tegの目標蒸発側飽和圧力相当温度Tegtへの到達を妨げる動作を小さくして、制御の不安定化を抑制するとともに、蒸発側飽和圧力相当温度Tegの目標蒸発側飽和圧力相当温度Tegtへの収束を早める。
(6−5−4)暖房時の室外側制御装置による圧縮機の制御
室外側制御装置37による圧縮機21の暖房時の圧縮機21の制御でも、室外側制御装置37が通常時の第1制御状態と過大変動状態時の第2制御状態のいずれかを選択する場合に、冷房時と同様に続発的外乱を考慮した制御を行なわせることができる。暖房時には、冷房時に行なわれていた蒸発側飽和圧力相当温度Tegに基づく制御に代えて凝縮側飽和圧力相当温度Tcgに基づく制御が行なわれる。従って、上述の冷房時の説明の蒸発側飽和圧力相当温度Tegを凝縮側飽和圧力相当温度Tcgに置き換えるだけであるので説明を省略する。
10 空気調和装置
11 冷媒回路
20 室外機
21 圧縮機
23 室外熱交換器
28 室外ファン
29 吸入圧力センサ
30 吐出圧力センサ
37 室外側制御装置
40,50,60 室内機
41,51,61 室内膨張弁
42,52,62 室内熱交換器
43,53,63 室内ファン
44,54,64 液側温度センサ
45,55,65 ガス側温度センサ
46,56,66 室内温度センサ
47,57,67 室内側制御装置
80 運転制御装置
特開平5−10603号公報

Claims (8)

  1. アクチュエータ(21,28,41,43,51,53,61,63)を有し、冷媒を循環させて行なう蒸気圧縮式の冷凍サイクルの冷媒の状態変化を前記アクチュエータによって調節する冷媒回路(11)と、
    前記冷媒回路に取り付けられ、前記冷凍サイクルの冷媒の前記状態変化に関連する冷媒の状態量を検知して現在状態量を出力するセンサ(29,30,44,45,46,54,55,56,64,65,66)と、
    前記現在状態量から算出される制御パラメータを制御目標値に近づけるように、前記アクチュエータの動作量を変更する制御装置(37,47,57,67)と、
    を備え、
    前記制御装置は、前記制御パラメータが前記制御目標値から所定値以上離れるような過大変動を検出し、互いに前記動作量の変更の操作が異なる第1動作量変更操作と第2動作量変更操作とを切り換え可能に構成され、前記過大変動が検出されていないときは前記第1動作量変更操作を用い、前記過大変動が検出されているときに前記第1動作量変更操作よりも前記制御パラメータを前記制御目標値に速く近づけられる前記第2動作量変更操作に切り換える、冷凍装置。
  2. 前記制御装置は、前記制御目標値と前記制御パラメータとの偏差が閾値を超えたときに前記過大変動が生じたと判断する、
    請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 前記操作変更部は、前記過大変動が生じたと判断して、前記制御パラメータが前記制御目標値に近づいているときに前記第1動作量変更操作から前記第2動作量変更操作に切り換える、
    請求項1又は請求項2に記載の冷凍装置。
  4. 前記操作変更部は、前記過大変動が生じたと判断して前記制御パラメータが前記制御目標値に近づいているときに前記第1動作量変更操作から前記第2動作量変更操作に切り換えた後に、前記制御パラメータが前記制御目標値から離れる方向の変化をしたときは前記第2動作量変更操作から前記第1動作量変更操作に戻す、
    請求項3に記載の冷凍装置。
  5. 前記制御装置は、前記第2動作量変更操作に切り換えた後、前記制御パラメータが前記制御目標値を超えて次に前記制御目標値に達したときに前記過大変動が終了したと判断し、
    前記過大変動が終了したと判断されたときに前記第2動作量変更操作から前記第1動作量変更操作に切り換える、
    請求項3又は請求項4に記載の冷凍装置。
  6. 前記制御装置は、前記アクチュエータの動作量を前記偏差に比例する比例項と前記偏差の積分に比例する積分項とを持つ比例積分制御により変更し、
    前記制御装置は、前記第1動作量変更操作の比例ゲインよりも前記第2動作量変更操作の比例ゲインが大きくなるように設定されている、
    請求項3から5のいずれか一項に記載の冷凍装置。
  7. 前記冷媒回路は、冷媒を圧縮する圧縮機と、冷媒との熱交換を行なわせる熱源側熱交換器及び利用側熱交換器と、前記熱源側熱交換器に送風する熱源側ファン及び前記利用側熱交換器に送風する利用側ファンと、冷媒の減圧を弁開度により調節可能な減圧機構とを持ち、前記アクチュエータが前記圧縮機、前記熱源側ファン、前記利用側ファン及び前記減圧機構のうちの少なくとも一つを含む、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の冷凍装置。
  8. アクチュエータを有し、冷媒を循環させて行なう蒸気圧縮式の冷凍サイクルの冷媒の状態変化を前記アクチュエータによって調節する冷媒回路と、前記冷媒回路に取り付けられ、前記冷凍サイクルの冷媒の前記状態変化に関連する冷媒の状態量を検知して現在状態量を出力するセンサとを備え、前記現在状態量から算出される制御パラメータを制御目標値に近づけるように、前記アクチュエータの動作量を変更させる冷凍装置の制御方法であって、
    前記制御パラメータが前記制御目標値から所定値以上離れるような過大変動を検出する変動検出ステップと、
    互いに前記動作量の変更の操作が異なる第1動作量変更操作と第2動作量変更操作とを切り換え可能な操作変更ステップと、
    を有し、
    前記操作変更ステップでは、前記過大変動が検出されていないときは前記第1動作量変更操作を用い、前記過大変動が検出されているときに前記第1動作量変更操作よりも前記制御パラメータを前記制御目標値に速く近づけられる前記第2動作量変更操作に切り換える、冷凍装置の制御方法。
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