JP2015108164A - 高周波浸炭処理方法 - Google Patents

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正寛 長江
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裕明 松岡
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Abstract

【課題】鉄鋼材からなるワークに対して、迅速に全面又は部分浸炭処理を行い、浸炭処理に続いて焼入れ処理も行うことができ、小型の動力伝達部品にも適用可能な手法を提供する。【解決手段】ワークWの表面における浸炭対象部位Waに炭素を含有するコーティング材で被覆する炭素コーティング工程S1、炭素コーティング後のワークWを所定温度で所定時間、高周波で急速加熱することにより、浸炭対象部位Waを浸炭処理する浸炭工程S2を経ることによって、ワークWの表面に対して部分的又は全面的な浸炭処理を行うことを可能とし、浸炭工程S2に続いて焼入れ工程S3を実施することで、浸炭焼入れの連続処理をも可能とし、表面から浅い領域に表面硬化層が形成された鉄鋼製品を提供できるようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄鋼材からなるワークの表面の一部又は全体に高効率で高周波加熱により浸炭処理を施す方法と装置、並びにその方法により得られる鉄鋼製品に関するものであり、さらには浸炭処理に連続して迅速な焼入れ処理をも行うことができる方法と装置にも関するものである。
鉄鋼材の表面に炭素を浸入・拡散させる浸炭処理は、表面硬化法として比較的古くから行われてきた手法であり、浸炭処理後に水中や油中で急冷することにより焼入れを行うことで、鉄鋼材の表面を硬くした硬化層を形成し、強度ならびに耐摩耗性が著しく優れた道具類を製造する工程に用いられてきている。また、浸炭焼入れによって表面に圧縮応力が残留する結果、鉄鋼材の耐疲労特性を著しく改善することが可能である。現在の工業分野、例えば自動車部品や工具・耐摩耗材料の浸炭法としては、ガス浸炭法と真空浸炭(減圧浸炭)法が主流である。これらの方法は何れも、浸炭性のガスと鉄鋼材を炉加熱によって所定時間反応させて、鉄鋼材の表面に炭素を浸入拡散させる方法であり、通常は浸炭反応終了後に焼き入れ処理が行われる。
特許文献1に示される高周波誘導加熱による浸炭方法は、浸炭性ガスとして、イソブタンガスを含有するガスを加熱炉に注入しつつ、高周波誘導加熱により鉄鋼材からなるワークを加熱する方法であるが、上述したガス浸炭法の一種である。
特開2010−059447号公報
従来のガス浸炭法や真空浸炭法といった浸炭方法は、大規模な設備が必要とされ、比較的長時間の処理が必要となる。また、炉加熱を行うために、秒単位での加熱はできず、表面に浸炭異常層がかなり大きく形成されるため、小型部品の浸炭処理には適用が困難であった。また、従来の浸炭方法において部分的な浸炭を行うには、浸炭対象外の部位には浸炭防止剤を塗布する必要があるが、加熱時に浸炭箇所と同じ温度履歴を受けるため、熱影響による劣化が避けられないという実情があり、浸炭対象部位がごく限られた狭い領域である場合には、多くの浸炭防止剤が必要となっていた。
近年、産業機器等の超小型化に伴い、そのような製品に使用される小型部品の高強度化が求められているが、従来の手法では、小型部品の表面部のみを浸炭及び焼入れすることは困難であり、全く新しい超高速浸炭方法並びに焼入れ方法の開発が強く望まれている。
以上のような問題に鑑みて、本発明者は、急速加熱が可能な高周波加熱を利用したグラファイトと鉄との直接反応について検討を進め、グラファイト板を圧着させた状態で鋼材を高周波加熱することにより、例えば1000℃、100秒という非常に短時間の加熱で材料表面部の100〜150μm程度のごく浅い範囲のみに炭素を拡散させることが可能であることを見出した。この知見に着想を得て、本発明は、新しい超高速浸炭方法並びに焼入れ方法への要望に応えるべく、従来にない迅速な浸炭処理、またそれに続いて焼入れ処理が可能であり、従来は困難であった超小型部品の部分浸炭をも可能とする新たな手法を提供することを主たる目的としている。
すなわち、本発明に係る高周波浸炭処理方法は、鉄鋼材からなるワークに対する浸炭処理を行う方法であり、ワークの表面における浸炭対象部位を炭素成分を含有するコーティング材で被覆する炭素コーティング工程と、炭素コーティング工程を経たワークを、所定温度で所定時間、高周波で急速加熱することにより、浸炭対象部位を対象として浸炭処理する浸炭工程と、を経ることによって、ワークの表面に対して部分的又は全面的な浸炭処理を行うことを特徴とする方法である。
このような浸炭処理方法によれば、鉄鋼材製ワークにおいて必要とされる部位に対して炭素成分を含有するコーティング材で被覆し、急速加熱することで表面のごく薄い(表面からごく浅い)領域を効率よく迅速に浸炭処理することが可能となる。すなわち、浸炭対象部位がワークの表面の全面であれば、ワークの表面全面をコーティング材で被覆した状態で浸炭工程に供すればよく、ワークの表面の一部分のみを浸炭処理する場合には、その部分のみを浸炭対象部位としてコーティング材で被覆すればよい。この方法であれば、ワークの大小や形状を問わず浸炭処理を施すことができるため、従来では難しかった超小型部品の部分浸炭も実用的に実施できるようになる。
そして、本発明では、浸炭工程に連続して、浸炭工程を経たワークを急冷する焼入れ工程を行うことで、ワーク表面をごく薄く部分的又は全面的に浸炭焼入れすることが可能となる。すなわち、本発明の方法によれば、ワークの内部には母材自体の粘弾性を残しつつ、高硬度が必要とされる部位のみの表面近傍への浸炭焼入れ処理を施した表面硬化層を有する超小型部品の製造にも役立つこととなる。
本発明の方法において、炭素コーティング工程で、ワークの浸炭対象部位を被覆するコーティング材には、炭素成分を含有するスプレー剤を採用することができる。現在の浸炭処理方法の主力であるガス浸炭法では、上述の通り浸炭性ガスの雰囲気下でワークの加熱を行うために、ワークの表面の全体に対する浸炭か、浸炭防止剤の併用による部分浸炭が行われているが、ワークにコーティング材として炭素成分を含有させたスプレー剤でコーティング(噴霧)する方法であれば、少量のスプレー剤をワークに対し部分的に炭素コーティングすることが容易且つ簡便となるため、選択的部分浸炭が可能となり、本発明の浸炭方法において特に効果的な炭素コーティング工程として適している。
また、炭素コーティング工程では、ワークにおける浸炭対象部位以外をマスキング材で被覆した状態で浸炭対象部位を被覆材で炭素コーティングし、その後マスキング材を剥離した状態でワークを浸炭工程に供するようにすれば、浸炭防止剤を不要としながら、効率的且つ簡便な部分浸炭を可能とすることができる。また、マスキング材による被覆は、従来の部分浸炭方法で用いられていた浸炭防止剤よりも安価で済むことも利点として挙げられる。
ここで、本発明においてワークを浸炭工程に供する所定温度としては、鉄鋼材がオーステナイト変態(体心立方格子から面心立方格子に変態)する温度以上であり、且つ鉄鋼材の融点未満とすればよい。最低温度を鉄鋼材のオーステナイト変態温度としたのは、常温常圧の鉄は体心立方格子構造であり、このままでは炭素を含有させられないが、鉄を加熱することにより面心立方格子構造に変態することで、その内部に炭素が固溶できるようになるからである。また、最高温度を鉄鋼材の融点未満としたのは、融点を超えるとワークの原形状を維持できなくなるからである。
さらに、本発明においてワークを浸炭工程に供する所定時間は、ワークの大きさや形状や母材となる鉄鋼材料の鋼種、浸炭処理が必要な深さ、加熱温度等の諸条件に応じて、0秒を超える任意の時間で設定することができる。例えば、SCr420、S15、SCM415等の鉄鋼材料を母材とする超小型部品をワークとして、50〜200μm程度の表面からごく浅い領域に浸炭処理を施す場合には、最長でも2分程度、通常であれば60〜100秒程度で浸炭処理を行うことができる。このことは、従来の浸炭方法ではなしえなかった短時間での浸炭処理が可能であることを意味する。
なお、浸炭工程では、ワークの周囲の気体雰囲気をシールドしつつ、ワーク表面への酸化物の生成を防止しつつ浸炭処理が効率的に進むように、窒素ガス又は不活性ガスを含有するシールドガスを供給しつつ加熱することが望ましい。不活性ガスとしては、ヘリウムやアルゴン等の希ガスを利用することができる。
また、本発明の方法により浸炭処理されるワークを構成する鉄鋼材としては、炭素含有量が0.77質量%以下の鉄鋼材料からなるものが適している。すなわち、炭素含有量が0.77質量%を超える鉄鋼材料では、マルテンサイトの硬さはほぼ一定となり、それ以上の炭素を含んでいる鉄鋼材に対して浸炭処理を行う意味はほとんどないため、本発明では炭素含有量が0.77質量%以下の鉄鋼材料からなるワークの浸炭処理に本発明を適用するのが好ましいといえる。
また、本発明に係る鉄鋼製品は、上述したような高周波浸炭処理方法によって得られるワークからなる鉄鋼製品であって、ワークの表面における浸炭対象部位に所定の浸炭厚さで浸炭処理が施された表面硬化層を有することを特徴とするものである。
本発明の鉄鋼製品では、表面の一部分又は全面が急速加熱されて浸炭処理、あるいはそれに加えて急冷されて焼入れ処理されるため、通常の炉加熱で比較的長時間加熱されることにより鉄鋼材の内部まで加熱されて浸炭領域が及ぶ従来法による鉄鋼製品と比較すると、顕微鏡で観察した場合の断面組成に明らかな差が現れることとなるうえに、ワーク内部の粘弾性を維持しつつ表面のみが高硬度とされたことによる製品の耐久性等の性能面でも明らかな差が得られる。このような本発明に係る鉄鋼製品には、大きさや形状の選択肢を非常に広く設定することができるが、特に複雑な形状を備えた超小型部品として、例えば従来は浸炭が困難であった超小モジュールの歯車の歯の表面のみを浸炭(及び焼入れ)処理するような超小型部品に表面硬化層を形成する場合にも適している。
また、上述の浸炭処理方法が適用されて鉄鋼材からなるワークの表面に対して部分的又は全面的な浸炭処理を行う装置としての本発明の基本構成は、表面の浸炭対象部位を炭素を含有するコーティング材でコーティングしたワークを、所定温度で所定時間、高周波で急速加熱することにより、浸炭対象部位のみを対象として浸炭処理する浸炭処理部を備え、浸炭処理部は、内部に1つ以上の前記ワークを収容可能な耐熱容器と、この耐熱容器を外側から加熱する高周波加熱コイルとを有していることを特徴とする高周波浸炭処理装置である。
浸炭処理部には、予め浸炭対象部位がコーティング材で被覆された状態のワークが供給される。この炭素コーティング工程は、高周波浸炭処理装置に炭素コーティング部を設けることによって実現してもよいし、高周波浸炭処理装置の前工程処理として専用の装置又は手作業で行ってもよい。浸炭処理部に設けられる耐熱容器としては、浸炭温度に耐えるだけの耐熱性と、所定数のワークを収容できる大きさが求められるが、材質や形状は適宜決定することができる。また、耐熱容器の外側からワークを加熱する高周波加熱コイルには、適宜の高周波電源装置や制御装置が接続されていればよい。このような浸炭処理部は、複数のワークを同時に浸炭処理できるバッチ処理に適した構成としてもよいし、ワーク1つ毎に連続処理するのに適した構成としてもよい。また、高周波加熱コイルを使用することで、加熱を必要な箇所にしか行わずに済むことから、非浸炭箇所が熱影響を受けにくいという利点も得られる。
また、本発明に係る高周波浸炭処理装置には、浸炭処理部に連続して、耐熱容器での浸炭処理後の前記ワークを急冷し焼入れ処理を施す焼入れ処理部を更に設けることで、浸炭処理と焼入れ処理とを連続的に行うことが可能となる。この場合、焼入れ処理部の一例としては、冷却槽を挙げることができ、浸炭処理部に、浸炭処理後のワークを1つずつ又は複数まとめて耐熱容器から冷却槽に送出する送出機構を設けることが実用的である。焼入れ処理部としては、水冷式(エマルジョンを含む)、油冷式、空冷式の何れのタイプのものでも適用可能である。
さらに、本発明の高周波浸炭処理装置において、浸炭処理の浸炭処理部によるワークに対する浸炭処理中に、耐熱容器内に窒素ガス又は不活性ガスを供給するシールドガス供給部を更に設けることで、ワークの周囲の気体雰囲気をシールドし、ワーク表面への酸化物の生成を防止しつつ浸炭処理の効率化を図ることができる。
本発明の高周波浸炭処理方法、高周波浸炭処理装置によれば、表面における浸炭対象部位が炭素を含有するコーティング材で被覆したワークを、高周波で急速加熱するという従来になかった手法を採用することで、極めて短時間でワークの表面に対して部分的又は全面的な浸炭処理を行い、しかも従来は困難であった超小型部品の部分浸炭をも可能とし、それに続いて焼入れ処理も可能とするものである。したがって、斯かる手法で処理された鉄鋼製品は、母材である鉄鋼材の粘弾性を内部に残しつつ、表面の必要箇所のみを高硬度とした従来にない特徴を持ったものとなり、このような製品を簡易且つ迅速な方法と装置によって提供することができる。したがって、本発明は、鉄鋼製品の処理分野に全く新しい浸炭方法、浸炭焼入れ方法とその方法を実現した処理装置、並びに耐久性に優れた鉄鋼製品を提供するものである。
本発明の一実施形態に係る高周波浸炭処理方法の工程説明図。 同実施形態を実施するための高周波浸炭処理装置の第1例を示す模式図。 同実施形態を実施するための高周波浸炭処理装置の第2例を示す模式図。 本発明の実施例における各供試体の加熱温度と硬化層の厚さの関係を示す顕微鏡写真。 本発明の実施例における各供試体の加熱温度と硬化層の厚さの関係を示すグラフ。 本発明の実施例における供試体の表面からの深さと硬度の関係を示すグラフ。 本発明の実施例としてSCM415製小型歯車を浸炭焼入れ処理した後の状態を示す顕微鏡写真。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態に係る高周波浸炭処理方法は、実質的には、鉄鋼材を母材とするワークの高周波浸炭焼入れ方法である。この高周波浸炭焼入れ方法は、図1に示すように、主に炭素コーティング工程S1、浸炭工程S2、焼入れ工程S3の3工程によって成立する。
炭素コーティング工程S1では、ワークの表面における浸炭対象部位を、炭素を含有するコーティング材で被覆する。本実施形態では、イソプロパノールや1−ブタノール等のアルコール類、ジメチルエーテル、ブタン等の溶剤、噴霧剤に、炭素成分としてグラファイト(黒鉛)を含有させた市販のスプレー剤(グラファイトスプレー)をコーティング材として利用する。炭素コーティング工程S1では、まず、ワークの表面の非浸炭対象部位に、粘着面を有するマスキング材としてマスキングテープを添付して被覆し(マスキング工程S11)、続いてそのワークにスプレー剤を噴射することで浸炭対象部位を炭素コーティングし(コーティング工程S12)、スプレー剤の乾燥後、マスキングテープをワークから剥がす(マスキング材剥離工程S13)ことで、この炭素コーティング工程S1を完了する。
浸炭工程S2では、炭素コーティング工程S1を終えたワークを急速加熱することで、ワークの浸炭対象部位に浸炭処理を施す。本実施形態では、浸炭対象部位にグラファイトスプレーで炭素コーティングされたワークを耐熱容器に収容し(ワーク収容工程S21)、耐熱容器の周囲に配置してある高周波加熱コイルを所定温度に設定して通電し、所定時間保持することで浸炭処理を行い(加熱工程S22)、この浸炭工程S2を終了する。耐熱容器としては、例えば石英ガラス製のものが適している。加熱温度は、ワークの母材である鉄鋼材がオーステナイト変態する温度以上、鉄鋼材の融点未満の適宜の温度を設定すればよいが、実用的には900〜1100℃程度に設定するのが適している。加熱時間は120秒以下であれば十分であるが、実用的には60〜100秒程度とするのが望ましい。なお、高周波加熱コイルの周波数は、母材である鉄鋼材の種類やワークの大きさ、形状に応じて適宜設定すればよい。また、加熱工程S22では、耐熱容器の周囲をさらに大きな容器で囲い、その容器内に窒素ガス又は不活性ガスを供給したり、耐熱容器内に窒素ガス等を注入するなどして、ワークを窒素ガス等でシールドすることによって、ワークの周囲の気体雰囲気を安定化させ、浸炭処理時にワークの表面に酸化物等の不純物が生成することを防止するように講じることができる。窒素ガスの他、不活性ガスとしては、ヘリウムやアルゴン等の希ガスを利用することができる。
焼入れ工程S3では、浸炭工程S2を終えたワークを直ちに急冷することで、ワークの浸炭対象部位に焼入れ処理を施す。焼入れ工程には種々の方法を採用することができるが、例えば浸炭工程S2を終えたワークを水又は油を入れた冷却槽に落とし込む方法や、耐熱容器から取り出した直後のワークに水又は油もしくは冷風を噴射して急冷する方法が好適である。
以上のような本発明の一実施形態に係る高周波浸炭処理方法(高周波浸炭焼入れ方法)を実施するための高周波浸炭処理装置としては、次に説明するような2種類の装置1(図2参照)、10(図3参照)を例示することができる。なお、これらの装置では、予め炭素コーティング工程S1を終えたワークが提供される場合について説明するが、炭素コーティング工程S1を実行可能な装置要素を高周波浸炭処理装置に設けることも可能である。
また、これらの装置で浸炭焼入れ処理が施されるワークとしては、一例として超小型の歯車(歯先円直径10〜20mm程度)を想定し、歯車の歯部と歯同士の間の溝部を浸炭対象部位としている。そのため、前処理として、炭素コーティング工程S1を行っておく。すなわち、小型歯車の円盤状をなす本体部分の表裏面とその中央の軸挿通孔にマスキングテープを添付してこれらの各部を被覆した状態として、外周を構成する歯部と溝部にグラファイトスプレーを噴射してコーティングする。グラファイトスプレーの乾燥後、マスキングテープを剥がすことで、浸炭対象部位に炭素成分(黒鉛)がコーティングされたワーク(小型歯車)が得られる。以下では、ワーク(小型歯車)に符号Wを付し、このワークWの浸炭対象部位に符号Waを付して図面とともに説明する。
まず、図2に示す第1例の高周波浸炭処理装置1は、複数のワークWを水平方向に搬送しつつ浸炭焼入れ処理を行う横型連続処理タイプの装置である。この高周波浸炭処理装置1は、浸炭処理部2と焼入れ処理部3とを備えている。
浸炭処理部2は、浸炭処理を行うワークWを収容する耐熱容器として透明な石英ガラス管21と、石英ガラス管21の周囲に配置した高周波加熱コイル22と、ワークWを石英ガラス管21内で搬送し焼入れ処理部3へと送出する送出機構23と、石英ガラス管21内に窒素ガスを供給するシールドガス供給部としてガス供給管24と、石英ガラス管21と焼入れ処理部3とを接続する接続部25と、接続部25に連通する排気管26とを備えている。
石英ガラス管21は、本実施形態では水平方向に配置され、ワークWである小型歯車を立てた状態で複数収容できる内径と長手寸法を有している。石英ガラス管21の終端側には、同じく石英ガラス製のガス供給管24を連通させており、ガス供給管24を通じて石英ガラス管21内に、高周波加熱コイル22による加熱中(加熱前から加熱終了後まで)、窒素ガスを注入できるようにしている。また、石英ガラス管21の終端部には、同じく石英ガラス製の無底筒状をなす接続部25を連続させて形成しており、この接続部25の下端部を、焼入れ処理部3を構成する水槽31内の水中に没入させている。また、接続部25の上端部近傍には、石英ガラス製の排気管26を連続させて形成しており、石英ガラス管21及び接続部25内の気体を排出できるようにしている。
送出機構23は、本実施形態では、石英ガラス管21内で複数のワークWを接続部25側へ押し進めるための機構として、ラック23aとピニオン23bによる駆動方式を採用している。すなわち、ラック23aの歯部をピニオン23bの歯部と噛み合わせ、ピニオン23bを回転させることでラック23aを水平方向に動作させ、ラック23aの一端部(図示例では右側端部)で並べた複数のワークWのうち終端部(図示例では左端部)を押し、加熱を終えたワークWを他端部(図示例では右端部)から接続部25を通じて水槽31内へ順次落下させるようにしている。
高周波加熱コイル22は、図示しない電気線等を通じて制御装置に接続されており、所定時間、所定周波数で通電することにより、所定温度で石英ガラス管21内のワークWを加熱して浸炭処理を行い得るようにしたものである。本実施形態では、一例として50〜200MHzの範囲で周波数調整を行うことができるものを利用しているが、さらに大きい周波数での出力が可能なものを利用するなど、設備の規模に応じたものを適用すればよい。
焼入れ処理部3は、水32を入れた水槽31から構成しており、上述した通り、浸炭処理部2の接続部25の開放された下端部を水槽31内の水32に没入させており、浸炭処理がなされたワークWを水槽31内の水32中に落下させることにより、加熱されたワークWを急冷し、焼入れ処理を行うようにしている。
このような構成の高周波浸炭装置1では、例えば、高周波加熱コイル22が存在する石英ガラス管21内の領域に最先端部のワークWが位置付けられるように、複数のワークWを整列させておき、ガス供給管24から窒素ガスを注入し、高周波加熱コイル22が所定周波数で発熱するように通電を開始して所定温度まで昇温し、ワークW1つについて高周波加熱コイル22の存在領域を一定時間で通過するように送出機構23でワークWの列を押し出し、高周波加熱コイル22の存在領域を通過したワークWから順に水槽31の水32中に落下するように制御することで、連続した浸炭焼入れ処理が可能となる。なお、ワークWが石英ガラス管21の内面と接触させない方がよい場合、例えば、ワークが歯車である場合、ラック23aにその長手方向に貫通する穴をあけておき、その穴に歯車の軸穴を通すための丸棒を入れておけば、歯車と石英ガラス管21の接触を防ぐことが可能である。しかしながら、ここで示した歯車の場合、歯先頂部の浸炭は特に必要ないため、歯先のエッジ部が石英ガラス管21の内面と点接触してコーティング材がこすれても問題にはならない。また、歯先部にはグラファイトスプレーの噴射前にマスキングテープを貼って炭素コーティングがなされないようにすることもできる。その他、ワークの性質次第では、適宜の構成により、ワークWの浸炭対象領域Waが石英ガラス管21に直接接触しないように構成しておくことも可能である。
次に、図3に示す第2例の高周波浸炭処理装置10は、複数のワークWを鉛直方向に静置した状態で浸炭処理を行い、それに連続して焼入れ処理を行う縦型バッチ処理タイプの装置である。この高周波浸炭処理装置10は、浸炭処理部20と焼入れ処理部30とを備えている。
浸炭処理部20は、浸炭処理を行うワークWを収容する耐熱容器として、透明な石英ガラス管210と、石英ガラス管210の周囲に配置した高周波加熱コイル220と、ワークWを石英ガラス管210内で搬送し焼入れ処理部30へと送出する送出機構230と、石英ガラス管210内に窒素ガスを供給するシールドガス供給部としてガス供給管240とを備えている。送出機構230は、石英ガラス管210内でのワークWの加熱時に、複数のワークWを支持する支持機構を兼ねている。
石英ガラス管210は、本実施形態では鉛直方向に配置され、ワークWである小型歯車を横に寝かせた状態で複数積み上げて収容できる内径と長手寸法を有している。石英ガラス管210の下端側は開放させて排気口260としている。また、石英ガラス210の上端側には同じく石英ガラス製のガス供給管240を連通させており、ガス供給管240を通じて石英ガラス管210内に、高周波加熱コイル220による加熱中(加熱前から加熱終了後まで)、窒素ガスを注入できるようにしている。高周波加熱コイル220は第1例の高周波浸炭処理装置1における高周波加熱コイル22と同様の構成である。また、焼入れ処理部30も、第1例の高周波浸炭処理装置1と同様に、水槽310に水320を入れた構成である。
送出機構230は、水槽310の上縁に載置できる仕切り板231と、仕切り板231上に載置される台座232と、台座232に立設されて石英ガラス管210にその下端部の排気口260から挿入される支柱233と、支柱233の上端部に設けられる支持板234とから構成される。高周波加熱コイル220による加熱中は、石英ガラス管210内において複数のワークWが支持板234上に積み上げて載置されることになる。また、加熱による浸炭処理の終了後は、仕切り板231を水槽310の上縁から取り去ることで、台座232、種通233、及び支持板232もろともワークWを水槽310の水320中に落下させることで、ワークWを浸炭処理部20から焼入れ処理部30へと送り出すことになる。このような構成の他、送出機構230の構成部品は水槽310には落下させず、水槽310の上縁や石英ガラス管210の内部から除去することで、ワークWのみを水槽310内に落下させる構成としたり、石英ガラス管210の内側からの支柱233の除去を容易にするために、例えば支柱233を伸縮式の構造とするなどの適宜の構成を採用することもできる。
このような構成の高周波浸炭処理装置10では、例えば、高周波加熱コイル220が存在する石英ガラス管210内の領域に全てのワークWが位置付けられるように、送出機構230の支持板234にワークWを配置しておき、ガス供給管240から窒素ガスを注入し、高周波加熱コイル220が所定周波数で発熱するように通電を開始して所定温度まで昇温し、一定時間経過後に、送出機構230を除去することで浸炭処理された全てのワークWを一挙に水槽310の水320中に落下するようにすることで、連続した浸炭焼入れ処理のバッチ処理が可能となる。
以上に説明した高周波浸炭処理装置1、10は、マスキングテープで被覆された部位には炭素成分がコーティングされず、グラファイトスプレーにより黒鉛がコーティングされた浸炭対象部位Waのみを選択的に部分浸炭することができ、高周波加熱コイルを用いて短時間で必要箇所のみ加熱を行うため、ワークWの非浸炭箇所への熱影響を与えにくく、効率的に浸炭処理を行い、それに続いて即座に焼入れ処理が可能となるものである。また、既存の処理設備に組み込むことも可能であるため、大がかりな設備投資を行う必要がないという利点を有するものである。
なお本発明の構成は、上述した実施形態の方法や装置に限られるものではない。例えば、上述したように、炭素コーティング工程を行う機構を高周波浸炭処理装置の一要素に含めてもよいし、浸炭工程と焼入れ工程を連続しない異なる装置によって構成し、浸炭処理部のみを有する装置における処理後のワークを、焼入れ処理部のみを有する装置まで迅速に運搬して冷却するようにすることも許容される。また、炭素コーティング工程はグラファイトスプレーの噴射による炭素コーティングの他にも、刷毛塗り、DLC(ダイヤモンドライクカーボンコーティング)、炭素蒸着等の方法を採用することも可能である。さらに焼入れ工程は、上述した水槽へのワークの落下に変えて、油槽にワークを落下させる構成を採用したり、加熱後に浸炭処理部の各部を除去した状態でワークに冷却水や冷却油、冷風を強制的に当てる構成を採用することもできる。その一例としては、高周波加熱コイル22、220を通水及び水を噴射可能な構成としておき、浸炭処理後に石英ガラス管21、210を取り外し、露出したワークWに対して高周波加熱コイル22、220から水を噴射し急冷することで焼入れ処理を行うようにしたものを挙げることができる。この場合、高周波加熱コイル22、220からの水の噴射に代えて、ワークWに水を噴射する機構を別途に用意することもできる。また、鉄鋼材の鋼種についても一定範囲の低炭含有量の鉄鋼材料を用途に応じて適用することができる。その他、各工程、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の実施例として、クロム鋼鋼材(SCr420)、炭素鋼(S15C)、純鉄(純Fe)の3種類の鉄鋼材料からなる供試体(直径25mm、高さ10mm)を作成し、各供試体を上述した実施形態の高周波浸炭焼入れ方法で処理した場合について、以下の各試験を実施し、この方法による評価を行った。以下の試験においては、供試体の表面全面をグラファイトスプレーで炭素コーティングし、上述した第2例の高周波浸炭処理装置10を利用した。
<加熱温度と硬化層の厚さ>
まず、加熱温度を変化させた場合における3種類の供試体の浸炭焼入れ処理により硬化した層(表面硬化層)の厚さを計測した。この試験による各供試体の断面の顕微鏡写真を図4に、その結果をまとめたグラフを図5に示す。表面加熱温度は900℃、950℃、1000℃の3パターンを適用し、各温度の保持時間を100秒とした。図4の各写真において上端部の黒く映っている部分は背景である。SCr420とS15では、供試体上端から比較的白く映っている領域が表面硬化層、純鉄では供試体上端から灰色に映っている領域が表面硬化層であり、各硬化層よりも下の領域が母材である。図5では、横軸に加熱温度、縦軸に表面硬化層の厚さを示し、SCr420は●で、S15Cは□で、純鉄は×でプロットしている。同図に示されるように、何れの鋼種においても、温度と硬化層の厚さにはほぼ直線関係が認められ、加熱温度が高いほど硬化層が厚くなる傾向が得られたことから、加熱温度を定めることで硬化層厚さが予測できることが明らかとなった。
<供試体の表面からの深さと硬度の関係>
そこで、加熱温度を1000℃、保持時間を100秒とした場合の3種類の供試体について、本発明の方法による浸炭焼入れによる硬化層の形成を裏付けるために、表面からの深さと硬度(ビッカース硬さ)の関係を計測した。その結果を図6にグラフとして示す。同図(a)は、SCr420、(b)はS15C、(c)は純鉄について、横軸を供試体の表面からの距離、縦軸をビッカース硬さとして表したグラフである。同図に示されるように、各鋼種の供試体はいずれも表面からの深さが200μmを超えた辺りでほぼ一定となり、母材の硬さが計測されているが、表面近傍が最も硬く、そこから200μm程度までの表層部では徐々に硬度が低下して母材の硬さに近づいていく傾向が認められた。このことから、本発明の方法によれば、例えば1000℃で100秒加熱した後、急冷することで、深さほぼ200μm程の領域を有効に浸炭焼入れして表面硬化層を形成することができることが明らかとなった。
<小型歯車の表面浸炭焼入れ>
最後に、本発明の方法は、動力伝達装置構成部品の小型化に対して特に有効と考えられることから、上述した実施形態のように、小型歯車(SCM415(クロムモリブデン鋼)製)の歯部と溝部を浸炭対象部位として部分的にグラファイトスプレーでコーティングし、浸炭処理を歯車の表面部が1000℃に到達後直ちに終え、それに連続して油中で焼入れ処理を行った。小型歯車(モジュールm=0.5mm)には、歯先円直径が21mm、19mm、10.5mmの3種類を適用した。浸炭焼入れ後の各小型歯車の断面顕微鏡写真を図7に示す。同図では、歯車の歯部2つ分を拡大して表している。各歯部と溝部の表面に沿って白く映っている領域が、浸炭焼入れ処理が施された表面硬化層である。これらの写真に示される通り、本発明の方法によれば、小型歯車の歯部と溝部のみを効果的に部分浸炭焼入れを行うことができることが実証された。
本発明は、鉄鋼製品の浸炭処理、浸炭焼入れ処理において新たな手法を導入し、特に部分的に硬化する必要がある部材に適用することで製品の小型化を可能とする点において極めて有益なものとなり得る。
1、10…高周波浸炭処理装置
2、20…浸炭処理部
3、30…焼入れ処理部
21、210…耐熱容器(石英ガラス管)
22、220…高周波加熱コイル
23、230…送出機構
24、240…シールドガス供給部(ガス供給管)
31、310…冷却槽(水槽)
S1…炭素コーティング工程
S2…浸炭工程
S3…焼入れ工程
W…ワーク
Wa…浸炭対象部位

Claims (12)

  1. 鉄鋼材からなるワークに対する浸炭処理を行う方法であって、
    前記ワークの表面における浸炭対象部位を炭素成分を含有するコーティング材で被覆する炭素コーティング工程と、
    前記炭素コーティング工程を経た前記ワークを、所定温度で所定時間、高周波で急速加熱することにより、前記浸炭対象部位を対象として浸炭処理する浸炭工程と、
    を経ることによって、前記ワークの表面に対して部分的又は全面的な浸炭処理を行うことを特徴とする高周波浸炭処理方法。
  2. 前記浸炭工程に連続して、当該浸炭工程を経た前記ワークを急冷する焼入れ工程を行う請求項1に記載の高周波浸炭処理方法。
  3. 前記炭素コーティング工程において、前記ワークに前記コーティング材として炭素成分を含有するスプレー剤でコーティングする請求項1又は2の何れかに記載の高周波浸炭処理方法。
  4. 前記炭素コーティング工程において、前記ワークにおける前記浸炭対象部位以外をマスキング材で被覆した状態で前記浸炭対象部位をコーティング材で被覆し、その後前記マスキング材を剥離した状態で前記ワークを前記浸炭工程に供するようにしている請求項1乃至3の何れかに記載の高周波浸炭処理方法。
  5. 前記ワークを前記浸炭工程に供する前記所定温度は、前記鉄鋼材がオーステナイト変態する温度以上であり、且つ前記鉄鋼材の融点未満である請求項1乃至4の何れかに記載の高周波浸炭処理方法。
  6. 前記浸炭工程は、前記ワークの周囲に窒素ガス又は不活性ガスを含有するシールドガスを供給しつつ加熱するものである請求項1乃至5の何れかに記載の高周波浸炭処理方法。
  7. 前記鉄鋼材は、炭素含有量が0.77質量%以下の鉄鋼材料からなる請求項1乃至6の何れかに記載の高周波浸炭処理方法。
  8. 請求項1乃至7の何れかに記載の高周波浸炭処理方法によって得られるワークからなる鉄鋼製品であって、
    前記ワークの表面における浸炭対象部位に所定の浸炭厚さで浸炭処理が施された表面硬化層を有することを特徴とする鉄鋼製品。
  9. 鉄鋼材からなるワークの表面に対して部分的又は全面的な浸炭処理を行う装置であって、
    表面の浸炭対象部位が炭素成分を含有するコーティング材で被覆されたワークを、所定温度で所定時間、高周波で急速加熱することにより、前記浸炭対象部位を対象として浸炭処理する浸炭処理部を備え、
    前記浸炭処理部は、内部に1つ以上の前記ワークを収容可能な耐熱容器と、当該耐熱容器を外側から加熱する高周波加熱コイルとを有していることを特徴とする高周波浸炭処理装置。
  10. 前記浸炭処理部に連続して、前記前記耐熱容器での浸炭処理後の前記ワークを急冷し焼入れ処理を施す焼入れ処理部を更に備えている請求項9に記載の高周波浸炭加処理装置。
  11. 前記焼入れ処理部に、前記耐熱容器での浸炭処理後の前記ワークを急冷し焼入れ処理を施す冷却槽を設け、
    前記浸炭処理部に、浸炭処理後の前記ワークを1つずつ又は複数まとめて前記耐熱容器から前記冷却槽に送出する送出機構を設けている請求項10に記載の高周波浸炭処理装置。
  12. 前記浸炭処理部による前記ワークに対する浸炭処理において、前記耐熱容器内に窒素ガス又は不活性ガスを含有するシールドガスを供給するシールドガス供給部を更に備えている請求項9乃至11の何れかに記載の高周波浸炭処理装置。
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