JP2016023346A - 歯車の浸炭処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】歯先から歯底まで浸炭深さをより均一にすることができる歯車の浸炭処理方法を提供する。
【解決手段】フェライト組織およびパーライト組織からなる鋼製の歯車を、鋼の組織がオーステナイト組織に変態するように加熱する加熱工程(S1)と、鋼の組織をオーステナイト組織に維持する温度範囲内で、歯先の温度TBが歯底の温度Tbよりも低くなるように、加熱した歯車を冷却する冷却工程(S2)と、歯先の温度TBが歯底の温度Tbよりも低くなった状態で、鋼の組織がオーステナイト組織である歯車の表面に浸炭ガスを接触させることにより、歯車の表層を浸炭する浸炭工程(S3)と、を少なくとも含む。
【選択図】図1
【解決手段】フェライト組織およびパーライト組織からなる鋼製の歯車を、鋼の組織がオーステナイト組織に変態するように加熱する加熱工程(S1)と、鋼の組織をオーステナイト組織に維持する温度範囲内で、歯先の温度TBが歯底の温度Tbよりも低くなるように、加熱した歯車を冷却する冷却工程(S2)と、歯先の温度TBが歯底の温度Tbよりも低くなった状態で、鋼の組織がオーステナイト組織である歯車の表面に浸炭ガスを接触させることにより、歯車の表層を浸炭する浸炭工程(S3)と、を少なくとも含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、鋼製の歯車の表面に浸炭ガスを接触させることにより、歯底および歯先の表層を好適に浸炭することができる浸炭処理方法に関する。
従来から、鋼製の部品の表面を硬化させる方法として浸炭処理方法が知られており、このような処理方法は、歯車等の機械部品に適用されている。歯車を浸炭する際には、加熱された歯車の表面に、炭化水素系の浸炭ガスを接触させ、歯車の表面からその内部に浸炭ガスの炭素を固溶拡散させている。これにより、歯車の靱性を確保しつつ、その表面を含む表層を硬化させ、歯車の耐摩耗性を向上させることができる。
このような技術として、たとえば、大気圧よりも減圧した減圧雰囲気下の浸炭炉の内部に、アセチレンガスからなる浸炭ガスを充満させた後、ヒータで歯車を加熱しながら、歯車の表面に浸炭ガスの炭素を固溶拡散する、歯車の浸炭処理方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、歯車の歯先および歯底を含む表層に、浸炭ガスの炭素が固溶拡散した浸炭層を形成することができるので、歯車の強度を高めるとともに、耐摩耗性を向上することができる。
しかしながら、特許文献1のように、歯車を浸炭処理したときには、歯先の浸炭層の層厚み(浸炭深さ)は、歯底の浸炭層の層厚みよりも大きくなる傾向にあった。これにより、歯先の強度と歯元の強度とが不均一になるばかりでなく、歯車同士を高回転で噛み合わせた際に、この強度の不均一に起因して歯車に振動が発生するおそれもあった。
本発明はこのような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、歯先から歯底まで浸炭深さをより均一にすることができる歯車の浸炭処理方法を提供することにある。
発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、以下の2つの点に着眼した。(1)歯車を加熱した際に、歯先を含む部分の方が歯底を含む部分に比べて体積が小さいため、歯先の方が歯底よりも加熱され易い(昇温しやすい)。このため、浸炭処理時には、歯底に比べて歯先の方が高温になりやすく、歯底に比べて歯先の方により多くの炭素が固溶拡散する傾向にある。(2)仮に、歯先および歯底が均一な温度であったとしても、上述したように歯先を含む部分の方が歯底を含む部分に比べて体積が小さいため、歯先に炭素が濃化しやすい傾向にある。したがって、歯先に固溶拡散しようとする炭素量を、歯元に比べて積極的に減らすことが重要であると考えた。
本発明は、この考えに基づくものであり、本発明に係る歯車の浸炭処理方法は、フェライト組織およびパーライト組織からなる鋼製の歯車を、鋼の組織がオーステナイト組織に変態するように、加熱する加熱工程と、前記鋼の組織をオーステナイト組織に維持する温度範囲内で、歯先の温度が歯底の温度よりも低くなるように、前記加熱した歯車を冷却する冷却工程と、前記歯先の温度が前記歯底の温度よりも低くなった状態で、前記鋼の組織がオーステナイト組織である歯車の表面に浸炭ガスを接触させることにより、前記歯車の表層を浸炭する浸炭工程と、を少なくとも含む、ことを特徴とする。
本発明によれば、まず、加熱工程において、歯車を加熱することにより、歯車を構成する鋼の組織がフェライト組織およびパーライト組織からオーステナイト組織に変態する。歯車の鋼の組織がオーステナイト組織に変態することにより、後述する浸炭工程で、歯車の表面への炭素の固溶拡散を高めることができる。
次に、加熱工程後、冷却工程において、歯車を冷却することで、鋼の組織をオーステナイト組織に維持しつつ、歯先の温度が歯底の温度よりも低くなる。この組織状態および温度の関係を維持しながら、浸炭工程において、歯車の表面に接触した浸炭ガスにより、浸炭ガスの炭素が、歯車の表面からその表層に固溶拡散する。
この際に、歯先の温度が歯底の温度よりも低いので、形状的に歯底よりも浸炭され易い歯先への炭素の固溶量(炭素量)を低減し、歯先の浸炭深さを歯底の浸炭深さに近づけることができる。このようにして、従来のものに比べて、歯先から歯底までより均一な浸炭深さの歯車を得ることができる。特に、歯先の温度が歯底の温度よりも低くなるような温度条件を長時間維持することは難しいので、迅速に炭素を固溶拡散することができるオーステナイト組織の状態で、歯車の浸炭処理を行うことは有効である。
さらに、浸炭工程後に焼入れを行った際、歯車の浸炭された表層のオーステナイト組織をマルテンサイト組織に変態させたとしても、これまでのものよりも歯先から歯底までの浸炭深さが均一であるので、歯先から歯底まで発生する歪のバラつきを抑えることができる。
ここで、冷却工程の際、前記鋼の組織をオーステナイト組織に維持する温度範囲内で、歯先の温度が歯底の温度よりも低くすることができるのであれば、歯車を加熱する加熱炉そのものを冷却したり、加熱されたガスを真空引きすることで、歯車の歯先から歯車の熱を吸熱してもよい。しかしながら、より好ましくは、前記冷却工程において、歯先側から前記歯車に不活性ガスを吹き付けることにより、前記歯先側から歯車を冷却する。この態様によれば、歯先側から不活性ガスを吹き付けることにより、簡単かつ迅速に歯先の温度を歯底の温度よりも低くすることができる。
さらに、好ましい態様としては、前記加熱工程前の鋼の炭素量は0.3質量%以下であり、前記表層がマルテンサイト組織に変態するように、前記浸炭工程後の歯車を焼入れする。
焼入れされた歯車は、母材となる鋼に含有する炭素量を0.3質量%以下に制限しているので、母材全体のマルテンサイト化を抑え、浸炭工程において、炭素を固溶拡散させた表層をマルテンサイト組織にすることができる。
本発明によれば、浸炭処理された歯車の歯先から歯底まで浸炭深さをより均一にすることができる。
以下に、図1〜4の図面を参照して、本発明の実施形態に係る歯車の浸炭処理方法を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る歯車の浸炭処理方法を説明するための歯車を構成する鋼の組織状態と温度プロフィールを示した図である。図2は、図1に示す歯車の浸炭処理方法を好適に行う浸炭処理装置1の模式的概念図である。
図1は、本発明の実施形態に係る歯車の浸炭処理方法を説明するための歯車を構成する鋼の組織状態と温度プロフィールを示した図である。図2は、図1に示す歯車の浸炭処理方法を好適に行う浸炭処理装置1の模式的概念図である。
図3は、図2に示す一次冷却室の模式的斜視図である。図4は、(a)は加熱工程後の歯車の温度状態を示した図、(b)は冷却工程後の歯車の温度状態を示した図、(c)は焼入れ後の歯車の断面図である。
1.歯車の材料
本実施形態に係る浸炭処理方法を実施する歯車の材料は鋼であり、フェライト組織およびパーライト組織からなる鋼である。このような浸炭処理方法に好適な鋼としては、たとえば、C:0.1〜0.3質量%、Si:0.15〜0.35質量%、Mn:0.55〜0.95質量%、P:0.03質量%以下、S:0.03質量%以下、残部が不可避不純物および鉄からなる鋼などを挙げることができる。
本実施形態に係る浸炭処理方法を実施する歯車の材料は鋼であり、フェライト組織およびパーライト組織からなる鋼である。このような浸炭処理方法に好適な鋼としては、たとえば、C:0.1〜0.3質量%、Si:0.15〜0.35質量%、Mn:0.55〜0.95質量%、P:0.03質量%以下、S:0.03質量%以下、残部が不可避不純物および鉄からなる鋼などを挙げることができる。
ここで、Cは、浸炭処理される鋼(母材)の強度および硬さを確保するための元素であり、Cが0.1質量%未満である場合には、母材そのものの硬さが不足し、後述する浸炭処理の時間が長くなってしまうことがある。一方、Cが0.3質量%を超えた場合には、処理前の鋼の被削性および冷鍛性が低下してしまい、焼入れ後の母材全体がマルテンサイト変態し、母材そのものの硬さが向上することにより、歯車自体の靱性が低下してしまうことがある。
Siは、焼入れ性を向上させるための元素であり、Siが0.15質量%未満である場合には、歯車の焼入れ性が低下してしまうことがある。一方、Siが0.35質量%を超えた場合には、鋼の被削性および靱性が低下してしまうことがある。
Mnは、Siと同様に焼入れ性を向上させるための元素であり、Mnが0.55質量%未満である場合には、歯車の焼入れ性が低下してしまうおそれがある。一方、Mnが0.95質量%を超えた場合には、鋼の被削性が低下してしまうことがある。
PおよびSの添加量がより少ない方が望ましく、Pが0.03質量%を超えた場合には、偏析を起こしやすく、歯車の耐衝撃性が低下することがある。Sが0.03質量%を超えた場合には、熱間加工性が低下することがある。
さらに、必要に応じて、上述した成分に、Ni:0.25質量%以下、Cr:0.8〜1.3質量%、Mo:0.1〜0.4質量%の範囲で、Ni、Cr、Moの少なくとも1種がさらに添加されていてもよい。
Niが0.25質量%を超えた場合には、歯車の硬さが上昇し、歯車の靱性が低下することがある。Crは、焼入れ性を向上させるとともに、耐摩耗性および耐食性を向上させるための元素であり、Crが0.8質量%未満である場合には、歯車の焼入れ性が低下することがある。一方、Crが1.3質量%を超えた場合には、歯車の硬さが上昇し、歯車の靱性が低下することがある。
Moは、焼入れ性を向上させる元素ための元素であり、Moが0.1質量%未満である場合には、焼入れ性が低下することがある。一方、Moが0.4質量%を超えた場合には、歯車の硬さが上昇し、歯車の靱性が低下することがある。
浸炭処理に適した具体的な鋼としては、クロムモリブデン鋼(JIS規格:SCr415〜435)、クロムモリブデン鋼(JIS規格:SCM415〜435)などを挙げることができる。
上述した材料からなる歯車として、例えば、外歯または内歯の平歯車、はすば歯車、かさ歯車、ウォームギアなどの歯車を挙げることができる。歯先と歯底を有する歯車であれば、とくにその歯車の形状は限定されるものではない。
2.浸炭処理方法
上述した鋼製の歯車を準備して、この歯車に対して以下の加熱工程から焼戻し工程までの工程を行うことにより、歯車の浸炭処理方法を実施する。なお、本実施形態に係る浸炭処理方法では、マルテンサイト化のための焼入れ工程および焼戻し工程を含んでいるが、これらの工程は必ずしも含まなくてもよい。
上述した鋼製の歯車を準備して、この歯車に対して以下の加熱工程から焼戻し工程までの工程を行うことにより、歯車の浸炭処理方法を実施する。なお、本実施形態に係る浸炭処理方法では、マルテンサイト化のための焼入れ工程および焼戻し工程を含んでいるが、これらの工程は必ずしも含まなくてもよい。
2−1.加熱工程
本実施形態では、上述した鋼製の歯車を準備し、図1に示すような浸炭処理工程を行う。具体的には、上述したフェライト組織およびパーライト組織からなる鋼製の歯車を、鋼の組織がオーステナイト組織に変態するように、歯車を、歯車を構成する鋼のA1変態点以上、より好ましくはA3変態点以上の温度まで加熱する(図1のS1参照)。
本実施形態では、上述した鋼製の歯車を準備し、図1に示すような浸炭処理工程を行う。具体的には、上述したフェライト組織およびパーライト組織からなる鋼製の歯車を、鋼の組織がオーステナイト組織に変態するように、歯車を、歯車を構成する鋼のA1変態点以上、より好ましくはA3変態点以上の温度まで加熱する(図1のS1参照)。
ここで、たとえば、「歯車をA3変態点以上の温度まで加熱する」とは、加熱により、歯車の部分のうち、最も低い温度となる部分がA3変態点以上の温度まで加熱されることを意味し、歯車の全ての部分がA3変態点以上に加熱されていることを意味する。
例えば、歯車にクロム鋼(たとえばJIS規格:SCr420)またはクロムモリブデン鋼(たとえばJIS規格:SCM420)を選択した場合、A1変態点は730℃付近、A3変態点は900℃付近であるので、少なくとも730℃以上、好ましくは、900℃〜1200℃に加熱し、その組織をオーステナイト組織に変態させる。
本実施形態では、図2に示すように、搬送エリア7に配置された受け冶具71に歯車Wを載置し、受け冶具71とともには歯車Wを加熱炉2に移動させ、減圧雰囲気下で加熱炉2内の高周波誘導加熱コイル21を用いて、その周りから歯車Wを加熱する。なお、搬送エリア7内および加熱炉2内は真空引きされた減圧状態にある。
歯先の方が歯底よりも高周波誘導加熱コイル21に近接しており、歯先を含む部分の方が歯底を含む部分に比べて体積が小さいため、歯先の方が歯底よりも加熱され易い(昇温しやすい)。これにより、図1および図4(a)に示すように,歯車Wの加熱後の歯先w1の温度TAは、歯底w2の温度Taよりも高い温度となる。
なお、本実施形態では、後述する図3に示すように、はすば歯車を例示しているが、上述した歯車であれば、いずれの場合であっても、歯先を含む部分の方が歯底を含む部分に比べて体積が小さいため、歯先の方が歯底よりも加熱され易い(昇温しやすい)。
本実施形態では、高周波誘導加熱コイル21を用いて、高周波誘導加熱で歯車の周りから歯車Wを加熱したが、たとえば、加熱炉内を均一に加熱するヒータを用いて、歯車Wを加熱してもよい。このような場合であっても、図1および図4(a)に示すように、歯先の方が歯底に比べて昇温速度が大きいため、歯車Wの加熱後の歯先の温度TAが、歯底の温度Taより高くなる傾向にある。
従来の如く、図4(a)に示すように、歯先の温度TAが歯底の温度Taより高い状態で、後述する浸炭拡散工程を実施すると、歯底w2に比べて高温である歯先w1の方が、浸炭ガスの炭素の固溶拡散速度が高くなる。これにより、歯底w2に比べて歯先w1に、炭素集中しやすい(すなわち、炭素が濃化しやすく層深くまで浸透する)。このような結果、後述する比較例(図8(b)参照)でも示すように、歯先の方が歯底に比べて、浸炭深さが深くなる(浸炭層の層厚みが厚くなる)傾向にある。そこで、本実施形態では、このような点を解消すべく、浸炭拡散工程を行う前に以下の冷却工程を行う。
2−2.冷却工程
冷却工程では、加熱工程後、鋼の組織をオーステナイト組織に維持する温度範囲内で(好ましくは鋼のA3変態点を下回らない温度で)、歯先の温度TBが歯底の温度Tbよりも低くなるように、加熱した歯車を冷却する(図1のS2参照)。
冷却工程では、加熱工程後、鋼の組織をオーステナイト組織に維持する温度範囲内で(好ましくは鋼のA3変態点を下回らない温度で)、歯先の温度TBが歯底の温度Tbよりも低くなるように、加熱した歯車を冷却する(図1のS2参照)。
ここでいう、冷却とは歯車の表面温度を降温するための一次冷却を意味し、歯車全体の鋼の組織をオーステナイト組織に維持しながら、歯先の温度TBと歯底の温度Tbとの関係がTB<Tbとなるまで歯車を冷却するものである。したがって、この冷却工程は、後述する焼入れにより鋼を二次冷却する場合とは異なる。
本実施形態では、歯先の温度TBと歯底の温度Tbの温度は920〜1200℃の範囲であることを前提に、温度差30〜100℃の範囲が好ましい。歯車を構成する鋼の組織がオーステナイト組織を維持し、歯先の温度TBと歯底の温度Tbとの関係がTB<Tbとなるまで歯車を冷却することができるのであれば、その冷却速度は特に限定されないが、好ましくは、冷却速度は5〜50℃/秒の範囲にある。
具体的には、図2および図3に示すように、加熱炉2で加熱された歯車Wを、受け冶具71とともに一次冷却室3まで搬送する。一次冷却室3では、冷却装置31から放出された不活性ガスCを、歯先側から歯車Wに吹き付けることにより、歯先側から歯車Wを冷却する。
具体的には、本実施形態では、図3に示すように、一次冷却室3の歯車Wに対向する位置に2つの冷却装置31が配置され、冷却装置31のノズル32から放出された不活性ガスCを、歯車Wに吹き付ける。これにより、歯車Wを冷却することで、鋼の組織をオーステナイト組織に維持しつつ、歯先w1の温度TBが歯底w2の温度Tbよりも低くなる。本実施形態では、2つの冷却装置31により歯車Wを冷却したが、周方向の温度分布を均一にすることができるのであれば、冷却装置31の個数は特に限定されない。また、本実施形態では外歯歯車を例示しているが、内歯歯車の場合には、冷却装置31を歯車の(リング)内側に配置し、不活性ガスを内歯の歯先側から吹き付ければよい。
不活性ガスCとしては、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガスなどを挙げることができ、これらのガス温度は、歯車Wを冷却することができるのであれば、特に限定されるものではない。不活性ガスCを用いることにより、歯車Wの表面を酸化させずに、簡単かつ迅速に冷却することができる。
本実施形態では、一次冷却室3を設けて歯車を冷却したが、たとえば、一次冷却室3を設けずに加熱炉2内に冷却装置31を設け、加熱炉2で歯車Wを冷却した後、加熱炉2内で歯車Wを冷却してもよい。この際には、加熱炉2内の熱により、冷却装置31および不活性ガスCが加熱されないように、冷却装置に水冷ジャケットをさらに設けてもよい。
また、一次冷却室3を設けずに、例えば、加熱炉2から後述する浸炭炉4までの搬送エリア7の通路に冷却装置を設け、加熱炉2から浸炭炉4までの搬送途中で、歯車Wを冷却装置で冷却してもよい。
2−3.浸炭・拡散工程
浸炭・拡散工程では、冷却工程後、図4(b)に示すように、歯先w1の温度TBが歯底w2の温度Tbよりも低くなった状態で、鋼の組織がオーステナイト組織である歯車の表面に浸炭ガスを接触させることにより、歯車の表層を浸炭する(浸炭工程)。
浸炭・拡散工程では、冷却工程後、図4(b)に示すように、歯先w1の温度TBが歯底w2の温度Tbよりも低くなった状態で、鋼の組織がオーステナイト組織である歯車の表面に浸炭ガスを接触させることにより、歯車の表層を浸炭する(浸炭工程)。
ここで浸炭ガスは、炭化水素系ガスなどを挙げることができ、たとえばアセチレンガス、ブタンガス、プロパンガス、エタンガスなどのガスを挙げることができる。浸炭処理された表層(浸炭層)に含有する炭素量は0.25質量〜1.0質量%、好ましくは、0.4〜1.0質量%となるように、浸炭を行う。これにより、焼入れ時に、浸炭層をマルテンサイト組織にすることができるとともに、炭化物の析出を抑え、セメンタイト組織が生成されるのを抑制することができる。
より具体的には、図2に示すように、一次冷却室3で冷却された状態の歯車Wを、受け冶具71とともに浸炭炉4まで搬送する。浸炭炉4では、ヒータ41により、歯車全体の鋼の組織をオーステナイト組織に維持するように歯車を加熱する。ここで、ヒータ41は、浸炭炉内を均一に加熱するためのヒータ(たとえば電気抵抗により自己発熱するヒータ)であり、加熱炉2の高周波誘導加熱コイルとは異なる。このようなヒータ41を用いることにより、歯先の温度TBと歯底の温度Tbとの関係(TB<Tb)をより長時間満たしやすくなる。
本実施形態では、少なくとも、歯先の温度TBと歯底の温度Tbとの関係がTB<Tbを満たしている間に、オーステナイト組織の状態の歯車Wの表面に浸炭ガスGを晒し、歯車Wの表層に炭素を固溶させる。本実施形態では、歯車Wは、出発材料である鋼のA3変態点以上に加熱されているので、これまでよりも短時間に炭素を歯車に固溶させることができる。
炭素を固溶させた後、浸炭炉4への浸炭ガスGの供給を中断し、ヒータ41で歯車を加熱し、固溶した炭素を歯車の内部に拡散させる(拡散工程)。この拡散工程では、歯先の温度TBと歯底の温度Tbとの関係がTB<Tbを満たしていなくてもよい。ただし、浸炭工程と拡散工程を繰り返し行う場合には(いわゆるパルス浸炭を行う場合には)、全ての浸炭工程において、歯先の温度TBと歯底の温度Tbとの関係がTB<Tbを満すことが好ましい。
このようにして、図4(c)に示すように、浸炭・拡散工程では、歯車Wの表層に、浸炭層Lが形成される。歯先w1の温度TBが歯底w2の温度Tbよりも低いので、形状的に歯底w2よりも浸炭され易い歯先w1への炭素の固溶量(炭素量)を低減し、歯先w1の浸炭深さを歯底w2の浸炭深さに近づけることができる。
2−4.焼入れ工程
焼入れ工程では、浸炭された歯車を冷却して、浸炭層である表層の鋼の組織をマルテンサイト組織に変態させる(図1のS4参照)。この工程は、ここでは、油冷、空冷、または水冷で、所定の冷却速度でマルテンサイト変態点Ms以下に歯車全体を冷却することにより、浸炭層である表層のオーステナイト組織をマルテンサイト組織に変態させることができる。
焼入れ工程では、浸炭された歯車を冷却して、浸炭層である表層の鋼の組織をマルテンサイト組織に変態させる(図1のS4参照)。この工程は、ここでは、油冷、空冷、または水冷で、所定の冷却速度でマルテンサイト変態点Ms以下に歯車全体を冷却することにより、浸炭層である表層のオーステナイト組織をマルテンサイト組織に変態させることができる。
本実施形態では、図2に示すように歯車Wを、受け冶具71とともに二次冷却室5に再度搬送する。二次冷却室5では、冷却装置51から放出された水Qにより、歯車Wの表層温度がマルテンサイト変態点Ms以下となるように歯車Wを冷却する。
本実施形態では、焼入れされた歯車Wは、母材となる鋼に含有する炭素量を0.3質量%以下に制限しているので、母材全体のマルテンサイト化を抑え、浸炭・拡散工程において、炭素を固溶拡散させた表層(浸炭層)をマルテンサイト組織にすることができる。
このようにして、浸炭・拡散工程後に焼入れを行った際、歯車の浸炭された表層のオーステナイト組織をマルテンサイト組織に変態させたとしても、これまでのものよりも歯先から歯底までの浸炭深さが均一であるので、組織変態による体積変化量のバラつきを抑えることができる。この結果、歯先から歯底まで発生する歪のバラつきを抑えることができる。
2−5.焼戻し工程
さらに、焼入れ工程後、焼戻し工程をさらに行っても良い(図1のS5)。この焼き戻し工程では、焼入れされた歯車を、オーステナイト変態点以下の温度で歯車を加熱し、冷却する。具体的には、図2に示すように歯車Wを、受け冶具71とともに加熱炉6に搬送し、高周波誘導加熱コイル61で歯車Wを加熱し、その後水等で冷却する。これにより、歯車の靱性を高めることができる。
さらに、焼入れ工程後、焼戻し工程をさらに行っても良い(図1のS5)。この焼き戻し工程では、焼入れされた歯車を、オーステナイト変態点以下の温度で歯車を加熱し、冷却する。具体的には、図2に示すように歯車Wを、受け冶具71とともに加熱炉6に搬送し、高周波誘導加熱コイル61で歯車Wを加熱し、その後水等で冷却する。これにより、歯車の靱性を高めることができる。
以下に本発明を実施例により説明する。
[実施例]
直径約151mm、ピッチ約144mm、オーバーボール径(OBD)約153mmのクロム鋼(JIS:SCr420)からなる平歯車を準備した。なおクロム鋼の組織はフェライト組織およびパーライト組織からなる組織である。
[実施例]
直径約151mm、ピッチ約144mm、オーバーボール径(OBD)約153mmのクロム鋼(JIS:SCr420)からなる平歯車を準備した。なおクロム鋼の組織はフェライト組織およびパーライト組織からなる組織である。
加熱炉内を脱気して減圧雰囲気下にし、歯車を加熱炉内に投入し、高周波誘導加熱コイルを用いて80秒間で、鋼のA3変態点(900℃付近)以上、目標温度1050℃まで加熱した。これにより、歯車の歯先の温度が1100℃、歯底の温度は1050℃となった。この時点では、歯先の温度は、歯底の温度よりも50℃高い。
次に、浸炭炉に搬送するまでの間に、窒素ガスを用いて10秒間、歯先から歯車を冷却した。これにより、歯先の冷却速度は15℃/秒、歯底の冷却速度は7℃/秒であり、歯先の温度が950℃、歯底の温度が980℃となった。この時点で、歯先の温度は、歯底の温度よりも30℃低い。
歯先の温度が歯底の温度よりも低い温度関係を満たしている間(90秒間)、浸炭炉を真空引きし、浸炭炉に浸炭ガスとしてアセチレンガス10L/minを導入して浸炭処理を行った。その後、ヒータにより歯先の温度と歯底の温度が等しくなった時点(1100℃)で、浸炭への浸炭ガスの供給を中断し、浸炭炉を真空引きした状態で、固溶した炭素を1100℃で(170秒間)拡散させた。その後、歯車の鋼を油冷により焼入れし、再度、高周波誘導加熱コイルを用いて歯車の鋼を焼き戻した。
[比較例]
実施例と同じように、歯車に対して浸炭処理方法を実施した。実施例と相違する点は、冷却工程において、自然放冷することにより、歯車の歯先の温度を1100℃から1000℃に冷却するとともに、歯底の温度を1050℃から990℃に冷却した点である。歯車を浸炭する前の歯先の温度は、歯底の温度よりも10℃高いことになる。
実施例と同じように、歯車に対して浸炭処理方法を実施した。実施例と相違する点は、冷却工程において、自然放冷することにより、歯車の歯先の温度を1100℃から1000℃に冷却するとともに、歯底の温度を1050℃から990℃に冷却した点である。歯車を浸炭する前の歯先の温度は、歯底の温度よりも10℃高いことになる。
<浸炭深さの測定>
実施例および比較例に係る歯車の断面を観察し、浸炭深さ(浸炭層の厚み)を測定した。この結果を、図7,8に示す。図7は、実施例および比較例に係る歯車の浸炭深さを示した図であり、図8は、(a)実施例に係る歯車の断面写真図、(b)比較例に係る歯車の断面写真図である。図7に示す歯先および歯底の浸炭深さは、図8(a),(b)に示す断面写真から測定した結果である。
実施例および比較例に係る歯車の断面を観察し、浸炭深さ(浸炭層の厚み)を測定した。この結果を、図7,8に示す。図7は、実施例および比較例に係る歯車の浸炭深さを示した図であり、図8は、(a)実施例に係る歯車の断面写真図、(b)比較例に係る歯車の断面写真図である。図7に示す歯先および歯底の浸炭深さは、図8(a),(b)に示す断面写真から測定した結果である。
<歪量の測定>
実施例および比較例に係る歯車に対して、浸炭処理前後の歯すじ方向の長さから、浸炭処理による歪量を測定した。この結果を図9に示す。なお、図9は、実施例の歪量を比較例の歪量に対する比で表した図である。
実施例および比較例に係る歯車に対して、浸炭処理前後の歯すじ方向の長さから、浸炭処理による歪量を測定した。この結果を図9に示す。なお、図9は、実施例の歪量を比較例の歪量に対する比で表した図である。
(結果および考察)
図7および図8(a),(b)に示すように、実施例に係る歯車は、歯先w1の浸炭深さと歯底w2の浸炭深さは、略同じ深さであったが、比較例に係る歯車では、歯先w1の浸炭深さは歯底w2の浸炭深さよりも深くなっていた。さらに図9に示すように、実施例の歯車の歪量は、比較例に対して10%程度低い値となっていた。
図7および図8(a),(b)に示すように、実施例に係る歯車は、歯先w1の浸炭深さと歯底w2の浸炭深さは、略同じ深さであったが、比較例に係る歯車では、歯先w1の浸炭深さは歯底w2の浸炭深さよりも深くなっていた。さらに図9に示すように、実施例の歯車の歪量は、比較例に対して10%程度低い値となっていた。
以上の結果から、実施例の歯車では、歯先の浸炭拡散速度が、実施例のものよりも遅くなり、歯先と歯底の浸炭深さが揃えられた結果、焼入れ時のマルテンサイト変態による膨張量のバラつきを抑えることができ、これによる歪のバラつきを抑えることができたからであると考えられる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1:浸炭処理装置、2:加熱炉、3:一次冷却室、4:浸炭炉、5:二次冷却室、6:加熱炉、7:搬送エリア、21:高周波誘導加熱コイル、31:冷却装置、32:ノズル、41:ヒータ、51:冷却装置、61:高周波誘導加熱コイル、71:受け冶具、C:不活性ガス、L:浸炭層、Q:水、W:歯車、w1:歯先、w2:歯底
Claims (3)
- フェライト組織およびパーライト組織からなる鋼製の歯車を、鋼の組織がオーステナイト組織に変態するように加熱する加熱工程と、
前記鋼の組織をオーステナイト組織に維持する温度範囲内で、歯先の温度が歯底の温度よりも低くなるように、前記加熱した歯車を冷却する冷却工程と、
前記歯先の温度が前記歯底の温度よりも低くなった状態で、前記鋼の組織がオーステナイト組織である歯車の表面に浸炭ガスを接触させることにより、前記歯車の表層を浸炭する浸炭工程と、を少なくとも含む、ことを特徴とする歯車の浸炭処理方法。 - 前記冷却工程において、歯先側から不活性ガスを前記歯車に吹き付けることにより、前記歯先側から歯車を冷却することを特徴とする請求項1に記載の歯車の浸炭処理方法。
- 前記加熱工程前の鋼の炭素量は0.3質量%以下であり、
前記表層がマルテンサイト組織に変態するように、前記浸炭工程後の歯車を焼入れすることを特徴とする請求項1または2に記載の歯車の浸炭処理方法。
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