JP2015107885A - シリコンパウダーの生成方法及びシリコンパウダー生成装置 - Google Patents

シリコンパウダーの生成方法及びシリコンパウダー生成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】粒子径を均等化したシリコンパウダーを容易に採取できるようにすること。
【解決手段】加工液を供給しつつ砥石(28)を用いてシリコン板(S)を研削し、加工液に研削されたシリコンパウダー(P)を混入させてシリコン混入液(L)を生成する。
次いで、シリコン混入液(L)を貯水する貯水槽(52)に配設される陰極板(61)とエンドレスベルト(68)とに通電させる。この通電による電気泳動によって、エンドレスベルトでシリコンパウダーが採取される。その後、採取したシリコンパウダーの水分を除去させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、シリコンパウダーの生成方法及びシリコンパウダー生成装置に関し、特に、結晶性シリコンを研削することでシリコンパウダーを採取することができるシリコンパウダーの生成方法及びシリコンパウダー生成装置に関する。
従来、リチウムイオン電池などの蓄電池においては、マイナス電極の材料として炭素系材料が使用されている。一方、リチウムイオン電池を急速充電、或いは、急速放電を行えるようにしたり、大容量化に対応したりするため、マイナス電極の材料として、シリコンを利用することが注目されている(例えば、特許文献1参照)。シリコンにおいては、蓄電容量が炭素系材料に比べて数倍になることが期待され、そのためには、シリコンを微細粉末状にすることが重要とされている。具体的には、リチウムイオン電池のマイナス電極で用いられるシリコン微粒子にあっては、粒径が10um以下、通常は5um以下で大きさが揃っていることが必要とされている。
特許文献1におけるシリコン微粒子の生成は、先ず、研削刃を用いてシリコンを表面研削して微細な粉末状としている。そして、粉末状の微細なシリコンを分散液中に分散した状態で保持した後、遠心分離法や湿式サイクロン分離を行うことにより、所定の粒径のシリコン微粒子を分離して取り出している。
特開2012−206923号公報
しかしながら、特許文献1にあっても、均等な粒子径のシリコンパウダーを採取することは困難であった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、シリコンパウダーの粒子径の均等化を図ることができ、シリコンパウダーを容易に採取することができるシリコンパウダーの生成方法及びシリコンパウダー生成装置を提供することを目的とする。
本発明のシリコンパウダーの生成方法は、加工液を供給しつつ砥石を用いて結晶性シリコンを研削し、加工液に研削されたシリコンパウダーを混入させてシリコン混入液を生成するシリコン混入液生成工程と、シリコン混入液生成工程にて生成されるシリコン混入液を貯水する貯水槽に配設されるマイナス電極とプラス電極とに通電させ、プラス電極でシリコンパウダーを採取するシリコンパウダー採取工程と、シリコンパウダー採取工程にて採取したシリコンパウダーの水分を除去させる乾燥工程と、を行うことを特徴とする。
この構成によれば、シリコンパウダーの採取にあたり電気泳動を利用しているので、均等な粒子径のシリコンパウダーのみを容易に採取することが可能となる。しかも、砥石によってシリコン板を研削してシリコンパウダーを形成しているので、砥石の砥粒を変えることで、シリコンパウダーの粒径を調整でき、砥粒を小さくすれば粒子径が小さいシリコンパウダーを容易に生成することができる。
また、本発明のシリコンパウダーの生成方法は、シリコン混入液生成工程およびシリコンパウダー採取工程にて、シリコン混入液を中性から弱酸性に維持するとよい。この構成では、シリコンパウダーの表面に酸化膜が付着することを防止することができる。
また、本発明のシリコンパウダーの生成方法では、加工液は、加工液中の酸素を除去する脱酸素工程を経た純水を用いるとよい。この構成においても、シリコンパウダー表面における酸化膜の付着を防止することができる。
また、本発明のシリコンパウダーの生成方法では、加工液は、二酸化炭素を溶解させ電導率を高めた超純水を用いるとよい。この構成によれば、電気泳動によるシリコンパウダーの採取を効率良く行うことができる。
本発明のシリコンパウダー生成装置は、結晶性シリコンからなるシリコン板を保持するチャックテーブルと、チャックテーブルに保持されたシリコン板に対し、加工液を供給しつつ砥石を接触させてシリコンパウダーを生成し、加工液にシリコンパウダーを混入させてシリコン混入液を生成する混入液生成手段と、混入液生成手段で生成されるシリコン混入液を、マイナス電極を備える貯水槽に貯水し、貯水されたシリコン混入液にプラス電極を有する吸着部材を浸水させ、吸着部材にシリコンパウダーを吸着させて採取するシリコンパウダー採取手段と、シリコンパウダー採取手段で採取したシリコンパウダーの水分を除去する乾燥手段と、を備える、ことを特徴とする。この構成では、電気泳動によってシリコンパウダーを採取でき、シリコンパウダーの粒径の均等化を図ることができる。
また、本発明のシリコンパウダー生成装置は、シリコンパウダー採取手段および乾燥手段を包囲して密閉可能な採取室を有し、採取室に脱酸素手段を設けることが好ましい。この構成では、シリコンパウダーに酸化膜が形成されることを抑制することができる。
また、本発明のシリコンパウダー生成装置は、シリコン混入液を中性から弱酸性に維持するpH調整手段を備えているとよい。この構成では、シリコンパウダー表面における酸化膜の付着を防止することができる。
本発明によれば、シリコンパウダーの粒子径の均等化を図ることができ、シリコンパウダーを容易に採取することができる。
実施の形態に係るシリコンパウダー生成装置の全体概略斜視図である。 上記シリコンパウダー生成装置の断面模式図である。 上記シリコンパウダー生成装置が有するシリコンパウダー採取手段の概略斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、実施の形態に係るシリコンパウダー生成装置の全体概略斜視図である。
図1に示すように、シリコンパウダー生成装置10は、略直方体形状の基台11の上部に設けられたチャックテーブル12と、チャックテーブル12に保持されたシリコン板Sを加工して後述するシリコン混入液L(図2参照)を生成する混入液生成手段13とを備えて構成されている。シリコン板Sは、円板状に形成された結晶性シリコンからなる。
チャックテーブル12は、円盤形状を有し、図示しないチャック回転手段によって円盤中心を軸に回転可能に設けられている。チャックテーブル12の上面にはシリコン板Sを吸着保持する保持面12aが設けられている。保持面12aは、たとえば、ポーラスセラミック材により構成されており、ポーラスセラミック材は吸引源(不図示)に接続されている。
チャックテーブル12は、略正方形状のテーブル支持台16に支持されている。テーブル支持台16は、基台11の上面に形成された開口部11a内に配設され、開口部11aは、X軸方向に延在する矩形状をなす。また、テーブル支持台16は、図示しない駆動機構に接続されており、この駆動機構から供給される駆動力によって、開口部11a内をX軸方向にスライド移動する。これにより、チャックテーブル12は、加工前のシリコン板Sを供給し、また、加工後のシリコン板Sを回収する載せ替え位置と、後述する砥石28とシリコン板Sとが対向する研削位置との間をスライド移動する。
開口部11aの内側は、テーブル支持台16に加え、蛇腹状のカバー部材18で覆われている。カバー部材18は、テーブル支持台16の前面および後面に取り付けられるとともに、その移動位置に応じて伸縮可能に設けられている。
基台11の上面において、開口部11aの後方には、垂直方向に延在するコラム19が配設され、コラム19の前面には混入液生成手段13を構成する研削手段21が設けられている。研削手段21では、円筒状のスピンドル22の下端にホイールマウント23が設けられ、ホイールマウント23の下面に対し、研削ホイール24が装着されている。スピンドル22は、回転手段となる駆動モータ26の出力軸に固定されている。従って、研削ホイール24は、駆動モータ26の駆動によってスピンドル22を介して回転される。
研削ホイール24は、ホイール基台の下面に複数の砥石28を環状に配置して構成されている。砥石28は、たとえば、ビトリファイドボンド砥石で構成され、スピンドル22の駆動に伴ってZ軸まわりに高速回転する。砥石28は、下面が研削面となってシリコン板Sに回転しながら接触し、この接触によってシリコン板Sを研削して微粒子状のシリコンパウダーP(図2参照)を生成する。また、研削手段21は、不図示のノズルを備え、砥石28によってシリコン板Sを研削するときに、ノズルからチャックテーブル12に保持されたシリコン板Sに加工液が供給される。供給された加工液には、研削中にシリコンパウダーPが混入され、このシリコンパウダーPが混入された加工液がシリコン混入液L(図2参照)となる。
ここで、シリコンパウダーPの生成は、砥石28によるシリコン板Sの研削によって行われるので、砥粒の粒子径が異なる砥石28に交換することで、シリコンパウダーPの粒子径を調整することができる。シリコンパウダーPは、砥石28における砥粒の粒子径が小さくなる程、小さい粒子径に形成される。砥石28の砥石番手、砥粒径、シリコンパウダーの粒径については、下記表1に示す関係となる。
Figure 2015107885
研削手段21は、コラム19に設けられた研削送り手段30によって駆動されて上下方向(Z軸方向)に移動可能に構成され、研削手段21とチャックテーブル12とを相対的に接近および離反させることが可能である。研削送り手段30は、Z軸テーブル31を有しており、Z軸テーブル31の前面側に取り付けられた支持部32を介して研削手段21が支持されている。Z軸テーブル31の背面には、後方に突出したナット部(不図示)が設けられている。Z軸テーブル31のナット部には、コラム19の前面に設けられたボールネジ33が螺合されている。そして、ボールネジ33の一端部に連結されたサーボモータ34が回転駆動されることで、研削手段21が上下方向(Z軸方向)に移動される。
基台11の内部には、混入液生成手段13を構成する回収手段36が配設されている。回収手段36は、カバー部材18と、カバー部材18の外周下方位置に設けられたウォーターケース37とを備えている。
図2は、回収手段及びその周辺構造を示す断面模式図である。図2に示すように、回収手段36を構成するウォーターケース37は、開口部11aの形成縁に沿って延びる樋状に形成されて上方を開放している。ウォーターケース37の内部には、研削手段21で生成されたシリコン混入液Lが流れ込み貯留される。ウォーターケース37は、貯留されたシリコン混入液Lを排出する排水口37aを底部に備えている。なお、ウォーターケース37は、図2の左右2箇所位置に図示しているが、図2中紙面直交方向両側にも形成されており、平面視では矩形の枠状に形成され、一体となる貯水空間を有している。
カバー部材18は、開口部11aの形成縁に隣接する領域に形成された垂下部18aを備えている。垂下部18aは、ウォーターケース37に溜まったシリコン混入液Lに下端側が浸漬してウォーターシールを形成している。このウォーターシールによってカバー部材18とウォーターケース37との間がシールされ、装置内にシリコン混入液Lが浸入するのを防止している。
ウォーターケース37には、シリコン混入液LのpHを調整するpH調整手段39が設けられている。pH調整手段39は、pHセンサ40と、酸及び/又はアルカリを添加するための注入装置41を備えている。酸は塩酸、硫酸、硝酸等を使用でき、アルカリは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を使用できる。
pHセンサ40は、注入装置41と電気的に連動している。注入装置41は、pHセンサ40におけるpHの測定値に対応して酸またはアルカリの薬品をウォーターケース37に投入し、シリコン混入液Lを中性から弱酸性のpHに維持する。なお、ウォーターケース37には、注入装置414から薬品が注入されたシリコン混入液Lを撹拌する不図示の撹拌手段が設けられる。
図1に戻り、基台11の内部には採取室43が設けられている。採取室43は、箱状に形成され、後述するシリコンパウダー採取手段50および乾燥手段80を包囲して密閉可能に設けられている。採取室43には、脱酸素手段44が接続され、この脱酸素手段44は、後述する乾燥手段80が回収箱77に吹き付ける窒素ガスを供給する。
図2に示すように、シリコンパウダー生成装置10を構成するシリコンパウダー採取手段50は、採取室43の内部に配設されている。続いて、図2及び図3を参照して、シリコンパウダー採取手段について説明する。図3は、シリコンパウダー採取手段の斜視図を示している。図3に示すように、シリコンパウダー採取手段50は、支持ラック56の下側に配置されたタンク51と、支持ラック56の上面に載置された貯水槽52と、貯水槽52に組み込まれた分離機構53と、貯水槽52の後方であって、分離機構53の下側に配設された回収機構54とを備えている。
タンク51には供給口51aが形成され、図2に示すように、供給口51aはホース57によって排水口37aと連通している。これにより、ウォーターケース37内のシリコン混入液Lがタンク51内に流れ込んで収容される。タンク51は、内部のシリコン混入液Lを貯水槽52に送出するポンプ58を備えている。貯水槽52には流入口52aが設けられ、この流入口52aはポンプ58の吐出口にホース59を介して接続されている。
分離機構53は、貯水槽52に貯水されたシリコン混入液LからシリコンパウダーPを分離する。分離機構53は、貯水槽52内に備えられた複数の陰極板61と、複数の下部ローラ62とを有している。陰極板61は、図2中左右方向に並んで設けられ、隣り合う陰極板61の間に下部ローラ62が設けられている。また、各陰極板61の上方位置には、上部ローラ63がそれぞれ設けられている。上部ローラ63より上方であって、図2中左側位置には、電動モータ65によって回転駆動する駆動ローラ66が設けられる一方、図2中右側位置には、従動ローラ67が設けられている。駆動ローラ66、従動ローラ67、複数の上部ローラ63および複数の下部ローラ62には、吸着部材としてのエンドレスベルト68が掛け回されている。エンドレスベルト68は、導電性を有する例えば厚みが50μmの可撓性を有するステンレス鋼板によって形成されている。エンドレスベルト68の下部ローラ62周辺部と陰極板61とは、貯水槽52に貯水されたシリコン混入液Lに浸水している。
エンドレスベルト68と陰極板61との間には直流電圧が印可される。即ち、エンドレスベルト68に直流電源70のプラス(+)が接続されてプラス電極となり、陰極板61に直流電源70のマイナス(−)が接続されてマイナス電極となる。
各下部ローラ62及び上部ローラ63は、貯水槽52の内面側に回転可能に支持されている。また、図3に示すように、駆動ローラ66及び電動モータ65は、貯水槽52の上方に形成されたブラケット71を介して回転可能に支持され、従動ローラ67は、後述する回収箱77の上方に形成されたブラケット72を介して回転可能に支持されている。
図2に戻り、回収機構54は、上剥離部75と、下剥離部76と、回収箱77とを備えている。上剥離部75及び下剥離部76は、図2中右側の上部ローラ63と従動ローラ67との間に位置するエンドレスベルト68を挟むように設けられている。上剥離部75及び下剥離部76は、エンドレスベルト68に接する先端部が先細形状に形成され、エンドレスベルト68に吸着したシリコンパウダーPを掻き取るように構成されている。回収箱77は、上剥離部75及び下剥離部76の下方に設けられ、上剥離部75及び下剥離部76によって掻き取られて落下したシリコンパウダーPを収容可能に設けられている。なお、回収箱77は、後述する窒素ガスを透過可能な素材によって構成されている。
ここで、採取室43の内部には、シリコンパウダー採取手段50に加えて乾燥手段80が設置されている。乾燥手段80は、回収箱77に向かって窒素ガスを吹き付け可能に設けられ、シリコンパウダー採取手段50で採取したシリコンパウダーPの水分を除去する。
図1に戻り、基台11内には、シリコンパウダー生成装置10の各部を統括制御する制御部85が設けられている。制御部85は、各種処理を実行するプロセッサや、ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)などの記憶媒体を含んで構成される。制御部85は、たとえば、直流電源70からの印加される電圧や、駆動モータ26や電動モータ65の駆動等を制御する。
次いで、本実施の形態のシリコンパウダー生成装置10を用いたシリコンパウダーPの生成方法について説明する。先ず、図1に示すように、シリコン板Sをチャックテーブル12の保持面12aで吸引保持した後、テーブル支持台16を駆動してチャックテーブル12をX軸方向に移動し、シリコン板Sが砥石28と対向する研削位置で位置決めした状態とする。
この状態から、シリコン混入液Lを生成するシリコン混入液生成工程を行う。この工程は、先ず、砥石28を回転しながら研削手段21を下降し、不図示のノズルからシリコン板Sに加工液を供給しつつ、シリコン板Sに砥石28を接触させて研削加工を行う。この研削加工によってシリコン板Sが研削されて微細な粉末状をなすシリコンパウダーPが形成されるとともに、シリコンパウダーPが加工液に混入してシリコン混入液Lが生成される。生成されたシリコン混入液Lは、図2に示すように、カバー部材18を伝ってウォーターケース37に流れ込んだ後、タンク51を経て貯水槽52に貯水される。
シリコン混入液生成工程において、ウォーターケース37に流れ込んだシリコン混入液LのpHを中性から弱酸性に維持する処理を行う。この処理は、pH調整手段39のpHセンサ40によってシリコン混入液LのpHを測定し、その測定値に応じて注入装置41から酸またはアルカリの薬品をウォーターケース37に投入する。これにより、シリコン混入液Lが貯水槽52に送出されるまで脱酸素処理することができ、シリコンパウダーPの表面における酸化膜の付着を防止することができる。
次に、貯水槽52に貯水されたシリコン混入液LからシリコンパウダーPを採取するシリコン混入液採取工程を行う。この工程では、エンドレスベルト68に直流電源70のプラス(+)を通電するとともに、陰極板61に直流電源70のマイナス(−)を通電する。そして、電動モータ65を駆動してエンドレスベルト68を図2中矢印A方向に作動する。このように通電すると、シリコン混入液Lに混入されてマイナス(−)に帯電されているシリコンパウダーPは、電気泳動によって、マイナス(−)に帯電された陰極板61から反発され、プラス(+)に帯電されたエンドレスベルト68に吸着される。このとき、直流電源70の電圧変化に応じ、エンドレスベルト68に吸着されるシリコンパウダーPの粒子径も変化する。従って、シリコンパウダーPの粒子径の均等化を図ることができ、制御部85を介して直流電源70の電圧を調整する制御を行うことで、吸着されるシリコンパウダーPの粒子径を容易に変更することができる。
シリコンパウダーPを吸着したエンドレスベルト68は図2中矢印A方向の移動において、上剥離部75と下剥離部76との間を通過する。その際に、上剥離部75及び下剥離部76の各先端部によってエンドレスベルト68に吸着されたシリコンパウダーPが剥離される。剥離されたシリコンパウダーPは、回収箱77に落下し、回収箱77においてシリコンパウダーPを採取することができる。
続いて、乾燥手段80から回収箱77に向かって窒素ガスを吹き付け、回収箱77で採取したシリコンパウダーPの水分を除去する乾燥工程を行う。この工程では、窒素ガスを吹き付けるので酸化膜が成長することを防止しつつ、シリコンパウダーPを乾燥した状態に維持することができる。
なお、加工液は、窒素の微細気泡と気液接触させ、液中の溶存酸素を窒素に移動させて液中の酸素を除去する脱酸素工程を経た純水を用いることが好ましく、これにより、シリコンパウダーPの表面に酸化膜が付着することを防止することができる。また、加工液は、二酸化炭素を溶解させ電導率を高めた超純水を用いるとよく、これにより、電気泳動によるシリコンパウダーPの採取を効率良く行うことができる。
以上のように、本実施の形態によれば、シリコンパウダーPの採取に電気泳動を利用しているので、均等な粒子径のシリコンパウダーPを容易に採取することが可能となる。しかも、砥石28による研削によってシリコンパウダーPを形成するので、砥粒を小さくすることによってシリコンパウダーPの粒子径を容易に小さくすることができる。これにより、本実施の形態のシリコンパウダーPをリチウムイオン電池のマイナス電極に利用することで、リチウムイオン電池の急速充電や急速放電、蓄電の大容量化に寄与することができる。
また、採取室43内にシリコンパウダー採取手段50が配設されるので、シリコン混入液LからシリコンパウダーPを生成する空間を脱酸素状態とすることができる。これにより、シリコンパウダーPにおける自然酸化膜の成長を防止することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、直流電源70に接続されるプラス電極及びマイナス電極の構成は、プラス電極がシリコン混入液Lに浸水し、シリコンパウダーPを吸着して採取する限りにおいて、種々の設計変更が可能である。
また、pH調整手段39は、設置位置を貯水槽52に変更したり、貯水槽52に追加して設置したりしてもよい。要するに、pH調整手段39によってシリコン混入液LのpHを中性から弱酸性に維持し得るようにすればよい。
また、上記の実施の形態におけるシリコン板Sに代えて、板状のセレン化カドミウム(CdSe)や硫化亜鉛(ZnS)から、それらのパウダーを生成してもよい。上記のパウダーは、発光体で数十nm以下のナノ発光体にしてシリコン太陽光発電パネルに用いることができる。安価に製造できるシリコン太陽電池にあっては、長波長光だけしか電力に変換出来ないので、ナノ発光体でナノ粒子発光体フィルムを作製し、太陽光がナノ粒子発光体フィルムを透過することで短波長光を長波長光に変換して電力に変換可能となり、発電量をアップさせることができる。また、均一で、より小径の粒径のナノ粒子を用いてナノ粒子発光体フィルムを製作すれば、透過率を向上させて効率の良い波長変換を行うことができる。
以上説明したように、本発明は、結晶性シリコンを研削して形成されたシリコンパウダーを加工液に混入してシリコン混入液を生成し、このシリコン混入液からシリコンパウダーを生成する装置及び方法に有用である。
10 シリコンパウダー生成装置
12 チャックテーブル
13 混入液生成手段
28 砥石
39 pH調整手段
43 採取室
44 脱酸素手段
50 シリコンパウダー採取手段
52 貯水槽
61 陰極板(マイナス電極)
68 エンドレスベルト(吸着部材、プラス電極)
L シリコン混入液
S シリコン板
P シリコンパウダー

Claims (7)

  1. シリコンパウダーの生成方法であって、
    加工液を供給しつつ砥石を用いて結晶性シリコンを研削し、該加工液に研削されたシリコンパウダーを混入させてシリコン混入液を生成するシリコン混入液生成工程と、
    該シリコン混入液生成工程にて生成される該シリコン混入液を貯水する貯水槽に配設されるマイナス電極とプラス電極とに通電させ、該プラス電極で該シリコンパウダーを採取するシリコンパウダー採取工程と、
    該シリコンパウダー採取工程にて採取したシリコンパウダーの水分を除去させる乾燥工程と、によるシリコンパウダーの生成方法。
  2. 該シリコン混入液生成工程および該シリコンパウダー採取工程にて、該シリコン混入液を中性から弱酸性に維持する請求項1記載のシリコンパウダーの生成方法。
  3. 該加工液は、該加工液中の酸素を除去する脱酸素工程を経た純水を用いる請求項1または2記載のシリコンパウダーの生成方法。
  4. 該加工液は、二酸化炭素を溶解させ電導率を高めた超純水を用いる請求項1、2または3記載のシリコンパウダーの生成方法。
  5. シリコンパウダーを生成するシリコンパウダー生成装置であって、
    結晶性シリコンからなるシリコン板を保持するチャックテーブルと、
    該チャックテーブルに保持されたシリコン板に対し、加工液を供給しつつ砥石を接触させてシリコンパウダーを生成し、該加工液に該シリコンパウダーを混入させてシリコン混入液を生成する混入液生成手段と、
    該混入液生成手段で生成されるシリコン混入液を、マイナス電極を備える貯水槽に貯水し、貯水された該シリコン混入液にプラス電極を有する吸着部材を浸水させ、該吸着部材に該シリコンパウダーを吸着させて採取するシリコンパウダー採取手段と、
    該シリコンパウダー採取手段で採取した該シリコンパウダーの水分を除去する乾燥手段と、を備えるシリコンパウダー生成装置。
  6. 該シリコンパウダー採取手段および該乾燥手段を包囲して密閉可能な採取室を有し、該採取室に脱酸素手段を設けた請求項5記載のシリコンパウダー生成装置。
  7. 該シリコン混入液を中性から弱酸性に維持するpH調整手段を備えた請求項5または6記載のシリコンパウダー生成装置。
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