JP2015107222A - 医療用ステープラ - Google Patents

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熊田 嘉之
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Abstract

【課題】組織に対する把持力を維持しつつ、軽量化および省力化によって高い操作性を得る。
【解決手段】互いに対向配置された把持面21a,22aを各々有し、把持面21a,22a間に組織を把持可能な第1のジョー21および第2のジョー22と、組織を切断するナイフ3と、第1のジョー21の把持面21aに形成されナイフスロット7と、尖端を第2のジョー22に向けて第1のジョー21に支持されたステープル4と、第1のジョー21に設けられ、組織の把持面21a,22aに沿う方向の移動を阻止する滑り止め部材5とを備え、ステープル4と滑り止め部材5とが、ナイフスロット7に対し並列な列を成して配置されるとともに、第1のジョー21の把持面21aの、ナイフスロット7を幅方向に挟む2つの領域21A,21Bのうち、少なくとも一方にステープル4が支持され、他方に滑り止め部材5が設けられている医療用ステープラを提供する。
【選択図】図3

Description

本発明は、医療用ステープラに関し、特に、生体組織を縫合しながらその縫合位置の横を切断する医療用ステープラに関するものである。
従来、一対のジョーの間に腸管のような管状の組織を径方向に押し潰しながら挟み、組織をステープルで複数列に縫合しながら、そのステープル列の間をナイフで切断する医療用ステープラが知られている(例えば、特許文献1参照。)。組織の表面は滑りやすいため、ジョーの間に組織を安定して把持することが難しい。そこで、特許文献1では、ジョーの先端に、組織に係合する停止部部材を設けている。
特開2012−110674号公報
特許文献1のステープラは、組織の切断時にナイフが移動するナイフスロットに対して、ステープルが略対称に配列され、切断線に対してステープルの留め位置が略対称となるように構成されている。しかしながら、用途によっては、ステープルの数や位置が切断線に対して対称である必要がない。例えば、2つに切断された組織の一方を体内に残し、他方を体内から摘出する場合に、体内に残す側は、ステープルを複数列打って切断端を確実に密閉する必要があるが、摘出する側は、ステープルを1列打てば十分であったり、縫合そのものが不要であったりすることがある。
ステープルの増加は、ステープラの重量化や、ステープルの打ち込み操作に必要な力の増大につながり、ステープラの操作性が悪くなる。すなわち、上記のような用途においてもナイフスロットに対してステープルが対称に配列されたステープラを使用することは、術者の負担を不必要に増大することになる。一方、ナイフスロットの片側においてステープルの数を減らした場合には、この片側において組織に対する把持力が十分に得られなくなり、その結果、特にナイフでの切断時に組織が把持面に対してずれやすくなるという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、組織に対する把持力を維持しつつ、軽量化および省力化によって高い操作性を得ることができる医療用ステープラを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、互いに対向配置された把持面を各々有し、これら把持面同士の間に組織を把持可能な第1のジョーおよび第2のジョーと、前記把持面同士の間に把持された前記組織を切断するナイフと、前記第1のジョーの把持面に形成され、前記ナイフを案内するナイフスロットと、尖端を前記第2のジョーに向けて前記第1のジョーに支持され、前記把持面同士の間に把持された前記組織を縫合するステープルと、前記第1のジョーに設けられ、前記把持面同士の間に把持された前記組織の前記把持面に沿う方向の移動を阻止する滑り止め部材とを備え、前記ステープルと前記滑り止め部材とが、前記ナイフスロットに対し該ナイフスロットの幅方向に並列な列を成して配置されるとともに、前記第1のジョーの把持面の、前記ナイフスロットを幅方向に挟む2つの領域のうち、少なくとも一方に前記ステープルが支持され、他方に前記滑り止め部材が設けられている医療用ステープラを提供する。
本発明によれば、ジョーの間に把持した組織をステープルで組織を縫合しながら、そのステープルの横を通るナイフスロットに沿ってナイフが移動することによって組織を切断することができる。
この場合に、組織に打たれたステープルは、組織を第2のジョーの把持面に向かって押し付けることによって、組織の把持面に沿う方向の移動を阻止する。滑り止め部材は、このステープルと同様に、組織の把持面に沿う方向の移動を阻止する。すなわち、ナイフスロットの幅方向の両側の2つの領域のうち一方においては、過剰なステープルに代えて滑り止め部材を設けることによって、組織に対する把持力を維持しつつ、軽量化および省力化によって高い操作性を得ることができる。
上記発明においては、前記滑り止め部材が、前記2つの領域のうち、前記ステープルの数が少ない方に設けられていてもよい。
このようにすることで、ステープルが少ない側の領域の把持力を滑り止め部材によって補うことができる。
また、上記発明においては、前記ステープルおよび前記滑り止め部材が前記組織に与える、該組織の前記把持面に沿う方向の移動に対する阻止力が、前記ナイフスロットの両側で均衡するように、前記ステープルおよび前記滑り止め部材は配列されていることが好ましい。
このようにすることで、ナイフの左右両側において組織に対する把持力が均衡するので、特にナイフによる切断時の組織の位置ずれを効果的に抑制することができる。
また、上記発明においては、前記滑り止め部材および前記ステープルが、各々略同一の大きさの前記阻止力を前記組織に与えるとともに、前記ナイフスロットに対して対称に配列されていてもよい。
このようにすることで、ナイフスロットの両側において組織に作用する阻止力をより正確に均衡させ、ナイフによる切断時の組織の位置ずれを一層効果的に抑制することができる。
また、上記発明においては、前記滑り止め部材が、前記組織を穿刺可能な針状であっていてもよい。
このようにすることで、滑り止め部材が組織に穿刺することによって、切断された組織の片方が第1のジョーに保持されるので、この片方の組織を第1のジョーと一緒に回収することができる。
また、上記発明においては、前記第1のジョーの把持面に形成された、前記ステープルを収容するステープルスロットおよび前記滑り止め部材を収容する滑り止め部材スロットを備え、前記ステープルおよび前記滑り止め部材は、前記ナイフスロットに沿って移動する前記ナイフが前記ステープルおよび前記滑り止め部材に対して前記ナイフスロットの幅方向に略一列に並んだときに、前記ステープルスロット内または前記滑り止め部材スロット内から押し出されるように構成されていてもよい。
このようにすることで、ナイフの移動と連動してステープルおよび滑り止め部材を第1のジョーの把持面から突出させることができる。また、組織の縫合および切断の前は滑り止め部材が把持面の内側に収容されているので、滑り止め部材が組織の把持操作などを妨げることを防ぐことができる。
本発明によれば、組織に対する把持力を維持しつつ、軽量化および省力化によって高い操作性を得ることができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る医療用ステープラの大まかな構成を示す図である。 図1の医療用ステープラによって切断および縫合される過程の組織を示す図である。 (a)図1の医療用ステープラが有する第1のジョーの第1の把持面の部分的な構成図と、(b)第1のジョーおよび第2のジョーの部分的な断面図である。 滑り止め部材の変形例を示す(a)第1の把持面の部分的な構成図と、(b)第1のジョーおよび第2のジョーの部分的な断面図である。 図4の滑り止め部材の変形例を示す第1の把持面の部分的な構成図である。 滑り止め部材のもう1つの変形例を示す(a)第1の把持面の部分的な構成図と、(b)第1のジョーおよび第2のジョーの部分的な断面図である。 滑り止め部材のもう1つの変形例を示す(a)第1の把持面の部分的な構成図と、(b)第1のジョーおよび第2のジョーの部分的な断面図である。
以下に、本発明の一実施形態に係る医療用ステープラ1について図面を参照して説明する。
本実施形態に係る医療用ステープラ1は、図1および図2に示されるように、一対のジョー21,22の間に把持した腸管のような組織Aをステープル4で縫合しながら、その縫合位置の横をナイフ3で切断するためのものである。具体的には、医療用ステープラ1は、開閉可能な一対のジョー21,22を備え、図3(a),(b)に示されるように、第1のジョー21は、ナイフ3、ステープル4および滑り止め部材5を有し、第2のジョー22は、ステープル4を変形するためのアンビルポケット6を有している。
なお、本実施形態においては、説明を簡単にするために、真っすぐなジョー21,22を備え、ナイフ3によって組織Aを真っすぐに縫合および切断する直線縫合式の医療用ステープラ1を例示するが、ジョー21,22の形状は適宜変更可能であり、例えば、湾曲したジョーを備える医療用ステープラにも本実施形態を適用することができる。また、図1には、ナイフ3の片側(後述する第2の領域21B)に3列のステープル4を設けた構成が一例として示されているが、このステープル4の列数は適宜増減可能であり、第2の領域21Bのステープル4の列数に応じて第1の領域21A(後述)のステープル4および滑り止め部材5の列数も変更される。
第1のジョー21および第2のジョー22は、全体として略直方体状であり、長さ方向と幅方向とを有する略長方形の平坦な把持面21a,22aを各々有している。第1のジョー21および第2のジョー22は、把持面21a,22a同士が対向するように配置され、例えば、基端同士が幅方向に沿う軸回りに回転可能に連結されることによって開閉可能になっている。
第1のジョー21が有する第1の把持面21aには、ナイフ3が通過可能な1本のナイフスロット7と、ステープル4を収容する複数のステープルスロット8と、滑り止め部材5を収容する複数の滑り止め部材スロット9とが形成されている。
ナイフスロット7は、第1の把持面21aの基端から先端に向かって直線状に延び、第1の把持面21aを幅方向に第1の領域21Aと第2の領域21Bとに区画している。ナイフ3は、ナイフスロット7内を基端から先端に向かって移動することによって、把持面21a,22a同士の間に挟まれている組織Aを真っすぐに切断するようになっている。
ステープルスロット8と滑り止め部材スロット9とは、それぞれナイフスロット7と並列な列を成して配置されている。ここで、ステープルスロット8は、第1の領域21Aおよび第2の領域21Bの両方に設けられ、滑り止め部材スロット9は、第1の領域21Aのみに設けられている。さらに、第1の領域21Aのステープルスロット8および滑り止め部材スロット9と、第2の領域21Bのステープルスロット8とは、ナイフスロット7に対して対称に配列されている。
ステープル4は、細径の線材をコ字状またはU字状に折り曲げたものであり、互いに略平行に延びる2つの脚部4aと、該脚部4a間を接続するクラウン部4bとを有している。ステープル4は、脚部4aの先端に形成された尖端を第2の把持面22a側に向けて各ステープルスロット8内に支持されている。
第1のジョー21の内部には、各ステープル4に対して、ステープル4をステープルスロット8内から第2の把持面22aに向かって押し出すプッシャ10が設けられている。プッシャ10は、ナイフ3の移動と連動して作動し、ナイフ3と幅方向に並ぶステープル4をステープルスロット8内から押し出すように構成されている。これにより、ナイフ3が基端から先端に向かって移動するときに、ステープル4が基端側から順番に第1の把持面21aから突出するようになっている。
第2の把持面22aには、ステープルスロット8と対向する位置にアンビルポケット6が形成されている。アンビルポケット6は、ステープルスロット8内から押し出されたステープル4の脚部4aを内側に折り曲げることによって、ステープル4を略B字状に変形するようになっている。
なお、アンビルポケット6は、ステープルスロット8と対向する位置に少なくとも形成されていればよいが、図3(b)に示されるように、滑り止め部材スロット9と対向する位置にも形成されていてもよい。このようにすることで、第2の把持面22aに沿う方向の組織Aの位置ずれが空洞のアンビルポケット6によって阻止されるので、組織Aをより安定して把持することができる。
滑り止め部材5は、剛体からなる柱状の部材であり、一方の端面(組織接触面)5aを第1の把持面21a側に向けて各滑り止め部材スロット9内に収容されている。各滑り止め部材5は、これと幅方向に並ぶプッシャ10がステープル4をステープルスロット8内から押し出すのとほぼ同時に、図示しない押し出し機構などによって滑り止め部材スロット9内から押し出されるように構成されている。例えば、プッシャ10を押し出す機構と同一の機構によって滑り止め部材5をステープル4とほぼ同時に押し出すことができる。これにより、ナイフ3が基端から先端に向かって移動するときに、滑り止め部材5も、基端側から順番に第1の把持面21aから突出するようになっている。
ここで、組織接触面5aの面積は、ステープル4のクラウン部4bの組織Aとの接触面積と略同じである。また、滑り止め部材5の第1の把持面21aからの突出量は、プッシャ10の第1の把持面21aからの突出量よりも大きく、この突出量の差がステープル4の直径程度となるように設計されている。これにより、個々のステープル4が組織Aを第2の把持面22aへ押し付ける押さえ力(阻止力)と同等の大きさの押さえ力で、個々の滑り止め部材5は、組織Aを第2の把持面22aへ押し付け、組織Aの把持面21a,22aに沿う方向の移動を阻止するようになっている。
次に、このように構成された医療用ステープラ1の作用について説明する。
本実施形態に係る医療用ステープラ1を用いて組織Aを切断するには、まず、組織Aを、ジョー21,22と交差するようにジョー21,22の間に挟み、ジョー21,22を閉じることによって、組織Aを径方向に押し潰した状態で把持面21a,22aの間に把持する。次に、ナイフ3を基端側から先端側へ向かって移動させて組織Aを切断する。
このときに、ナイフ3の移動と連動してプッシャ10がステープル4を押し出すことによって、略横一列にステープル4が打たれるのとほぼ同時に、これらステープル4の間をナイフ3が通過する。これにより、図2に示されるように、組織Aの縫合と切断とがほぼ同時に並行して行われ、組織Aの2つの切断端Bのうち、一方は3列のステープル4によって縫合され、他方は1列のステープル4によって縫合される。
ここで、例えば、2つに切断した組織Aのうち、一方を体内に残し、他方を体内から摘出する場合に、体内に残す側については、内部が露出しないように切断端Bを複数列の医療用ステープラ1によって確実に密閉する必要がある。これに対し、摘出される側については、切断端Bを完全に密閉する必要が無く、軽く縫合すればよいか、または、縫合しなくともよい。
本実施形態においては、第2の領域21Bには3列のステープル4を設けつつ、第1の領域21Aにはステープル4を1列のみに留めている。このように、ステープル4を必要十分な数まで削減することによって、医療用ステープラ1全体が軽くなり、また、縫合に必要な力も軽減する。これにより、医療用ステープラ1の操作性を向上することができ、例えば、力が弱い女性であっても片手で操作することができるという利点がある。
また、単にステープル4を削減した場合、第1の領域21Aにおいては組織Aに与える押さえ力が低下し、組織Aに対する把持力が十分に得られなくなる可能性がある。特に、ナイフ3の両側においてステープル4の列数が互いに異なる場合、ナイフ3の両側での組織Aへの押さえ力が不均衡になるため、切断時にナイフ3が組織Aに与える押圧力によって組織Aが把持面21a,22aに対してずれやすくなる。そこで、本実施形態においては、ステープルを省く代わりに、ステープルと同等の押さえ力を発揮する滑り止め部材5を設け、さらに、ステープル4および滑り止め部材5を、ナイフスロット7に対して対称に配列している。これにより、ナイフ3の両側での押さえ力が均衡するので、切断時の組織Aの位置ずれを防止し、組織Aを所望の切断位置で容易に切断することができるという利点がある。
次に、本実施形態に係る医療用ステープラ1の変形例について説明する。各変形例は、主に滑り止め部材5の形状および配置を変形したものである。したがって、各変形例においては滑り止め部材5について主に説明し、その他の共通の構成については説明を省略する。
(第1の変形例)
第1の変形例に係る医療用ステープラ1は、図4(a),(b)に示されるように、第1の領域21Aには、ステープルスロット8が存在せず、滑り止め部材スロット9のみが形成されている。さらに、滑り止め部材スロット9は、ナイフスロット7に垂直な方向に延び、1列のみ設けられている。すなわち、第1の領域21Aのステープルスロット8と第2の領域21Bの滑り止め部材スロット9との配列が、ナイフスロット7に対して非対称になっている。
滑り止め部材5は、細長い矩形の組織接触面5aを有している。この組織接触面5aの面積に応じて、滑り止め部材5の第1の把持面21aからの突出量は適宜設計される。具体的には、滑り止め部材5の突出量をプッシャ10の突出量よりも大きくし、1個の滑り止め部材5の押さえ力を1個のステープル4の押さえ力よりも大きくすることで、ナイフ3の両側での押さえ力が均衡するようになっている。これに代えて、表面粗さを増大させる加工などを組織接触面5aに施すことによって、組織接触面5aと組織Aとの間に発生する摩擦力を増大させ、これによって組織接触面5aが組織Aの把持面2bに沿う方向の移動を阻止するようにしてもよい。
このように構成された本変形例に係る医療用ステープラ1によれば、滑り止め部材5間に幅方向に延びる比較的大きな空間が確保される。これにより、把持面21a,22a間で押し潰された組織Aが滑り止め部材5間に沿って伸展することができ、組織Aをより理想的な状態で把持することができる。さらに、ステープル4および滑り止め部材5の総数を減らすことによって、コストダウンを図ることができる。
なお、本変形例においては、ステープルスロット8が、図5に示されるように、ナイフスロット7に対して斜め方向に延びていてもよい。このようにすることで、第1の領域21Aの幅寸法を縮小し、ジョー21,22をより細径な構成にすることができる。
(第2の変形例)
第2の変形例に係る医療用ステープラ1は、図6(a),(b)に示されるように、滑り止め部材スロット9が省略され、滑り止め部材5が第1の把持面21a上に固定されている。すなわち、滑り止め部材5は、常に第1の把持面21aから突出している。このようにすることで、ジョー21,22と滑り止め部材5とを一体成形することができるので、製造時の組み立てを容易にすることができる。
(第3の変形例)
第3の変形例に係る医療用ステープラ1は、図7(a),(b)に示されるように、滑り止め部材5の先端部が針状に形成され、第1の把持面21aから突出したときに滑り止め部材5が組織Aに穿刺するようになっている。このようにすることで、把持面21a,22aに対する組織Aの位置ずれをさらに確実に防ぐことができる。さらに、ナイフ3によって2つに切断された組織Aのうち、滑り止め部材5が刺さっている方を医療用ステープラ1と一緒に回収することができる。
滑り止め部材5の基端側には、その半径方向に突出したフランジ状の押し付け面5bが形成されている。この押し付け面5bは、滑り止め部材5が組織Aに穿刺した状態において組織Aを第2の把持面22aに向かって押し付けることによって、上述した組織接触面5aと同様に作用するようになっている。
本変形例においても、第2の変形例と同様に、針状の滑り止め部材5が第1の把持面21a上に固定されていてもよい。この場合には、滑り止め部材5は、直棒状ではなく、ジョー21,22の連結位置を中心とする円弧状に湾曲していることが好ましい。このようにすることで、組織Aを把持するためにジョー21,22を閉じる際に、滑り止め部材5を楽に組織Aに穿刺することができる。
1 医療用ステープラ
3 ナイフ
4 ステープル
4a 脚部
4b クラウン部
5 滑り止め部材
5a 組織接触面
6 アンビルポケット
7 ナイフスロット
8 ステープルスロット
9 滑り止め部材スロット
10 プッシャ
21,22 ジョー
21a,22a 把持面
21A 第1の領域
21B 第2の領域
A 組織
B 切断端

Claims (6)

  1. 互いに対向配置された把持面を各々有し、これら把持面同士の間に組織を把持可能な第1のジョーおよび第2のジョーと、
    前記把持面同士の間に把持された前記組織を切断するナイフと、
    前記第1のジョーの把持面に形成され、前記ナイフを案内するナイフスロットと、
    尖端を前記第2のジョーに向けて前記第1のジョーに支持され、前記把持面同士の間に把持された前記組織を縫合するステープルと、
    前記第1のジョーに設けられ、前記把持面同士の間に把持された前記組織の前記把持面に沿う方向の移動を阻止する滑り止め部材とを備え、
    前記ステープルと前記滑り止め部材とが、前記ナイフスロットに対し該ナイフスロットの幅方向に並列な列を成して配置されるとともに、
    前記第1のジョーの把持面の、前記ナイフスロットを幅方向に挟む2つの領域のうち、少なくとも一方に前記ステープルが支持され、他方に前記滑り止め部材が設けられている医療用ステープラ。
  2. 前記滑り止め部材が、前記2つの領域のうち、前記ステープルの数が少ない方に設けられている請求項1に記載の医療用ステープラ。
  3. 前記ステープルおよび前記滑り止め部材が前記組織に与える、該組織の前記把持面に沿う方向の移動を阻止する阻止力が、前記ナイフスロットの幅方向の両側で均衡するように、前記ステープルおよび前記滑り止め部材は配列されている請求項2に記載の医療用ステープラ。
  4. 前記滑り止め部材および前記ステープルが、各々略同一の大きさの前記阻止力を前記組織に与えるとともに、前記ナイフスロットに対して対称に配列されている請求項3に記載の医療用ステープラ。
  5. 前記滑り止め部材が、前記組織を穿刺可能な針状である請求項1から請求項4のいずれかに記載の医療用ステープラ。
  6. 前記第1のジョーの把持面に形成された、前記ステープルを収容するステープルスロットおよび前記滑り止め部材を収容する滑り止め部材スロットを備え、
    前記ステープルおよび前記滑り止め部材は、前記ナイフスロットに沿って移動する前記ナイフが前記ステープルおよび前記滑り止め部材に対して前記ナイフスロットの幅方向に略一列に並んだときに、前記ステープルスロット内または前記滑り止め部材スロット内から押し出されるように構成されている請求項1から請求項5のいずれかに記載の医療用ステープラ。
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